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星野源「Stranger」 [●POPS]

3rd album 2013.05.01 release

夕立に似ている。痛みも喜びも
くっきりとした輪郭を残しながら
やがてそれらすべてが等しく同じようにひとつになって
柔らかく広がって滲む

[text●u.junko]

夕立が好きだ。降り出した雨が、カラッからに乾いた地面に落ちて、ひとつずつの雨粒の跡をくっきりと残す、そのほんのわずかな瞬間もとても美しいと思う。そして熱くなり過ぎた街も、イライラした空気も一気に冷やされ、涼やかで凛とした雨上がりの空気に包まれると、それまでとはまるで違う、どこか新しい世界を見ている気がする。


星野源の音楽は夕立に似ている。痛みも喜びも、くっきりとした輪郭を残しながら、やがてそれらすべてが等しく同じようにひとつになって、柔らかく広がって滲む。

俳優にミュージシャンに文筆業と、天は二物も三物も与えたもんだと、さまざまな顔を見せる星野源が、ほかの人より器用にうまいこと生きているわけじゃなく、喜びも絶望も感じながら、人間の気持ち悪い部分にもしっかりと目を向けて、ていねいにつくられた印象のアルバムである。優しくて悲しくて泣きそうなのに軽やかで、聴き終えると心地よさがじんわりと残る。


どうしようもない悲しみや辛さは、どうしたって消えない。でも、このアルバムを聴いていると、それでもちょっとだけ何かいいことが待っているんじゃないかっていう気にさせてくれるのだ。そんな“その気にさせる”っていうことが、こちらの事情もお構いなしに進む日常には、なかなか必要だったりするのである。絶望を引き連れて、その先に何が見えるのか。ちょっと見てみたくなるのだ。


昨年末に病に倒れた星野源の完治を心の底から願うと同時に、再復帰後に何を聴かせてくれるのかが楽しみでしかたなくなる、まさに珠玉の1作だ。

OFFICIAL WEB SITE→ http://www.hoshinogen.com/

TOWER RECORDS ONLINE[星野源]
TOWER RECORDS ONLINE「Stranger」

Stranger

Stranger

  • 星野源
  • ビクターエンタテインメント
  • 2013/05/01
  • CD
■Track listing
01. 化物
02. ワークソング
03. 夢の外へ
04. フィルム
05. ツアー
06. スカート
07. 生まれ変わり
08. パロディ
09. 季節
10. レコードノイズ
11. 知らない
12. ある車掌





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今野敏著「わが名はオズヌ」 [●BOOK]

初版 2000.10 小学館刊

読んでいて心地よいというか
そうだよね、そうこなくっちゃねと主人公たちを
いつのまにか応援しながら読んでいる

[text●h.mariko]

小説の意義とは何か。
私は小説が大好きで、しょっちゅう読んでいるが、それによって何かが劇的に変化したりとか、環境が変わったりすることはまずない。むしろ、子どものころはもっと些細なことで感動sできたのに、このころはそれさえも薄まっている気がする。おもしろくないオトナとやらになってしまっているのだろうか、いささかショックである。

そんなことはさておき。
小説の意義、そのひとつを考えついた。
とても簡単な現実逃避ーー。
マイナスな意味ではない。自分では体験できないことを感じさせてもらえる、それが小説の楽しみ方のひとつである。現実には起こりえないようなことも、小説だからとさらりと読めてしまう。それが突飛であるほうが、そしてそれが爽やかにさらりと読めるほうが、好感度が高い。
この作品は、まさにそういう感じだったのである。

問題児の巣窟と化している南浜高校をつぶして住宅地にする計画が持ち上がっているなか、生徒のひとり加茂晶が自殺未遂をして息を吹き返したら“オズヌ”と自称し、人が変わったようになってしまったのである。
荒んだ高校、街の変化から土建工事の癒着まで話は広がり、オズヌはその不思議な力で人々をいさめ、また説きながら進み問題はひとつひとつと解決してゆく。

ハッピーエンド、というか、悪は罰せられ善は助かるという正に勧善懲悪に近いストーリーなので、読んでいて心地よいというか、そうだよね、そうこなくっちゃねと主人公たちをいつのまにか応援しながら読んでいることに気がつく。
役小角(えんのおづの)と加茂氏(賀茂氏)、秦氏の関係、冶金師、余福伝説、渡来人とその信仰。興味の尽きない話が繰り広げられ、これまた説得力がそれなりにある方法で話が納められることがすごい。
日本の歴史に振り回されるが、解説がていねいなので話に強引さもなく、描かれていることを知らなくてもちゃんとストーリーを理解しながら読み進められるところは高感度高し。

よき世の中とはよき政(まつりごと)が行なわれるべきであり、それを執り行う長の人格や政治姿勢が問われている、というような言葉が散見されたが、今のこの暗い話題ばかりの世の中にもちょうどいいではないか。
現実にオズヌは現われてはくれないかもしれないが、この本をよむことで、心の中が少しだけ変わるかもしれない。

わが名はオズヌ

わが名はオズヌ

  • 今野敏著
  • 小学館
  • 2000/09
  • 単行本

わが名はオズヌ (小学館文庫)

わが名はオズヌ

  • 今野敏著
  • 小学館 (小学館文庫)
  • 2003/09
  • 文庫


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市川團十郎「助六由縁江戸桜」 [●DVD]

2003年1月 歌舞伎座にて収録

意休が揚巻を口説く場面での
大勢の女形役者が居並ぶ光景は圧巻で
思わずため息が出るほど美しい

[text●t.kasumi]

2013年4月、歌舞伎座が新開場した。これを機に、“歌舞伎に興味を持ったがどの演目を見たらいいか分からない”、“歌舞伎ってなんだか難しそう”と思っている人におすすめの演目を紹介したい。
歌舞伎十八番のひとつに、「助六由縁江戸桜(すけろくゆかりのえどざくら)」という演目がある。これは成田屋市川團十郎家に代々伝わるお家芸だ。舞台転換がなく、始終三浦屋の格子先で役者が入れかわり立ちかわりして話が進んでいくので、比較的分かりやすい演目だ。

物語は、吉原の三浦屋の格子先で髭の意休(ひげのいきゅう)が花魁の揚巻(あげまき)とを口説くところから始まる。しかし揚巻は意休を散々こけにしたあと店の中へと姿を消してしまう。そこへ花川戸助六(はなかわどすけろく)が花道から登場。実は助六は本名を曽我五郎時致(そがのごろうときむね)といって、源氏の宝刀“友切丸(ともきりまる)”を探し当てるため吉原を行く人々に日々喧嘩をふっかけているとんでもない男なのだ。助六は今日も元気に意休へ喧嘩を売るが、意休は相手にしない。どれだけ馬鹿にされても抜刀しないため、助六は意休の持つ刀こそが友切丸ではないかと疑いを持つ。試行錯誤してやっとのことで意休に刀を抜かせた助六は、それが友切丸であることを確信。意休が実は刀を盗んだ張本人だと知ると、助六は意休を倒し刀を取り戻して揚巻に助けられながら追っ手から逃げていくーー。

この演目の見どころは、女形の美しさや役者の掛け合いと助六の清々しいほどの男伊達っぷりにある。意休が揚巻を口説く場面での大勢の女形役者が居並ぶ光景は圧巻で思わずため息が出るほど美しいし、紫ちりめんのはちまきに赤いふんどし姿の助六が長唄に合わせて舞う場面や、意休の手下と喧嘩をする場面は助六の江戸っ子っぷりが出ていて粋でかっこいい。そして兄の曽我十郎(そがのじゅうろう)に喧嘩の指導をする場面で、男伊達な弟とは正反対の優男な兄が一生懸命助六をまねる姿がおもしろい。
登場人物の出で立ちが一様に派手で見ていて飽きないし、物語も単純で分かりやすく随所に笑いどころがあり、初めて歌舞伎を見るのに適している演目といえよう。
歌舞伎は事前に簡単なあらすじさえ押さえておけば誰でも十分楽しめるので、是非一度生で見てほしい。

現在、花川戸助六を市川海老蔵が演じて、歌舞伎座新開場「柿葺落六月大歌舞伎」(2013年6月3日~6月29日)にて上演中。(第三部の二「十二世市川團十郎に捧ぐ 歌舞伎十八番の内 助六由縁江戸桜 河東節十寸見会御連中」)

最後に歌舞伎うんちくをひとつ。
助六寿司の名前の由来はこの「助六由縁江戸桜」からきている。助六寿司の詰め合わせ、いなり寿司の「揚げ」と巻き寿司の「巻き」で、助六の恋人、揚巻となるからだそうだ。

歌舞伎座 OFFICIAL WEB SITEhttp://www.kabuki-za.co.jp/

■cast 
市川團十郎(十二代)
尾上菊五郎
市川左團次
市川段四郎
中村雀右衛門
ほか




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