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ジャンルを飛び越え、新旧流行にとらわれることなく
いま自分が好きなもの、自分にとっての旬なアレコレをガンガン紹介するブログ!
どうぞココで、いろんな好きと出合ってくれたなら
ますます楽しくなってしまうじゃない!
音楽、小説、映画、美術、TVショウ・・・いつだって、出合ったときが新しい!

みずしな孝之作「いとしのムーコ」 [●COMIC]

2011.04〜 講談社刊「イブニング(隔週刊漫画誌)」連載
単行本 第1巻初版 2012.04.23 講談社刊

ひたすら一途にこまつさんを想い続ける乙女・ムーコの可愛さと
“好きな人と一緒がいい”というシンプルさが愛おしくてたまらない

[text●u.junko]


吹きガラス職人である飼い主こまつさんと愛犬ムーコのラブリーでランデブーな日々…。そんな本の帯に惹かれてページをめくると、犬好きの心をガッチリ掴まれてしまうではないか。えぇ。そりゃあもうラブリーでランデブーなわけですよ。

こまつさんの仕事中はひとり遊びを次々と開発し、こまつさんに近づく良からぬ虫(蚊とか女子とか)には追い払おうと仁王立ち。鼻を掴まれて怒られようが、留守番をさせられようが、いつでもどんなときでも、ムーコはこまつさんが大好きなのである。

人間はどんな場所でどんな生活を送るのか、あれもこれもと欲しがる生き物だけど、ムーコはこまつさんがいてくれたら、ただそれだけで幸せなのだ。

何てことない日々がどれだけすばらしいかは、きっと多くの人が知っている。でも、それをちゃんと噛み締めながら生きていくには、時間も気持ちのゆとりも足りなくて。だからこそ、ひたすら一途にこまつさんを想い続ける乙女・ムーコの可愛さと、“好きな人と一緒がいい”というシンプルさが愛おしくてたまらない。

ムーコの夢は“こまつさんが犬になること”。それが叶う日を夢見て、今日もムーコとこまつさんのランデブーな日々は続くのである。

いとしのムーコ(1) (イブニングKC)

いとしのムーコ(1)

  • みずしな孝之作
  • 講談社(イブニングKC)
  • 2012/04/23
  • コミック

いとしのムーコ(2) (イブニングKC)

いとしのムーコ(2)

  • みずしな孝之作
  • 講談社(イブニングKC)
  • 2012/09/21
  • コミック

いとしのムーコ(3) (イブニングKC)

いとしのムーコ(3)

  • みずしな孝之作
  • 講談社(イブニングKC)
  • 2013/03/22
  • コミック







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浅田寅ヲ作「パイドパイパー」 [●COMIC]

初版 2002.12.24 幻冬舎刊

嫉妬されるほどのビジュアルが
視覚を刺激する!

[text●u.m_05]

舞台は近未来の東京・錦糸町。凶悪な中学生の非行グループとそれに対する“”自警団357が抗争を繰り返すなかで起こる事件。謎多き帰国子女・夏比古、元LAギャング・尼龍(ナイロン)、友達思いのアキバ系・金瑛二は、自警団357のリーダーであり友人である高橋を殺されたことから仇を打つべく非行グループに立ち向かう。さらに彼らの前に現われた謎のロシア人の少年に襲撃されるなど、事態はどんどん深刻になっていく・・・。

漫画家・多田由美が「嫉妬する程の画力」と語る浅田寅ヲのコミック。クオリティにこだわる人ならなおさら納得させられる作品なのではないだろうか。
テーマは少々へヴィに感じるかもしれないが、全体を通して非常にスタイリッシュである。シリアスな内容だが、笑えるところも数多い。それは作画にしても同じことがいえ、圧倒させられるような描きかたと可愛らしい描きかたが織り交ぜられていて、その点では読みやすい。独特の構図や説明文が少ないという特徴があるが、だからこそスタイリッシュな印象と新鮮さが活きた作品になっている。
キャラクター設定が、ありがちなものになっていないのも魅力的だ。各キャラクターについて細かい描写があるわけではないのだが、ふとした日常のエピソードなどでじゅうぶんに表現されている。くわえて、主人公の謎も多く、どこか推理小説を読んでいるような感覚も楽める。

その画力と作ふう、奥の深さと少々抽象的な表現から、映画を好む人にも小説を好む人にも受け入れられやすい作品ではないかと思う。少し現実離れした内容に感じられるかもしれないが、キャラクターの人間らしさに親近感を覚える。脳に刺激を求める人は、ぜひ読んでほしい作品だ。(全6巻)

パイドパイパー 1 (バーズコミックス)

パイドパイパー 1

  • 浅田寅ヲ作
  • 幻冬舎(バーズコミックス)
  • 2002/12
  • コミック

パイドパイパー 2 (バーズコミックス)

パイドパイパー 2

  • 浅田寅ヲ作
  • 幻冬舎(バーズコミックス)
  • 2003/08
  • コミック

パイドパイパー 3 (バーズコミックス)

パイドパイパー 3

  • 浅田寅ヲ作
  • 幻冬舎(バーズコミックス)
  • 2004/07/24
  • コミック

パイドパイパー 4 (バーズコミックス)

パイドパイパー 4

  • 浅田寅ヲ作
  • 幻冬舎(バーズコミックス)
  • 2005/03/24
  • コミック

パイドパイパー 5 (バーズコミックス)

パイドパイパー 5

  • 浅田寅ヲ作
  • 幻冬舎(バーズコミックス)
  • 2005/12/24
  • コミック

パイドパイパー 6 (バーズコミックス)

パイドパイパー 6

  • 浅田寅ヲ作
  • 幻冬舎(バーズコミックス)
  • 2006/06/24
  • コミック





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村上たかし作「続・星守る犬」 [●COMIC]

2011.03.18 双葉社刊

音楽が人の心を動かすように
動物がそばにいるだけで
どれだけ人の心の支えになるか

[text●s.haruna]

映画になったマンガ「星守る犬」の続編。 
前作の主人公となった犬の、弟犬が本作の主人公となっています。 

同じ段ボールに捨てられながら、
体が弱く死にかけていたために拾われなかった子犬が、
地域でも偏屈とよばれていたおばあさんに救われたところから
ストーリーは始まります。 

最初は、タイトルに「続」がついていたので、
映画化にあわせて無理矢理発売したのかと思ったのですが、
実際1巻を見てみると、
きちんと2匹一緒に捨てられていましたね・・・。 

前作は、“おとうさん”と“ハッピー”の絆を描く
少し悲しいストーリーでしたが、 
今回はペット1匹の存在で、人間の心に変化をもたらすといった、
アニマルセラピーのような意味を感じられます。 

音楽が確実に人の心を動かすように、動物1匹がそばにいるだけで、
どれだけ人の心の支えになるのかを考えさせられる作品です。 
そして、前回同様、犬を飼っている人だからこそわかる、
特徴的な仕草や表情も愛らしく、とても魅力的なマンガです。 

続・星守る犬

続・星守る犬

  • 村上たかし作
  • 双葉社
  • 2011/03/16
  • 単行本


星守る犬

星守る犬

  • 村上たかし作
  • 双葉社
  • 2009/07/07
  • 単行本


小説 星守る犬

小説 星守る犬

  • 原田マハ著
  • 双葉社
  • 2011/06/01
  • 単行本

星守る犬 映画ノベライズ (双葉文庫)

星守る犬
映画ノベライズ

  • 蒔田陽平著
  • 双葉社(双葉文庫)
  • 2011/04/27
  • 文庫


映画「星守る犬」
OFFICIAL WEB SITE→ http://hoshimamoru.com/
2011年6月11日公開
瀧本智行監督作品

■cast 
西田敏行(おとうさん)
秋田犬(ハッピー)
玉山鉄二(奥津京介)
藤竜也(奥津京介の祖父)
川島海荷(川村有希)
余貴美子(旅館の女将)
温水洋一(リサイクルショップ“河童”店長・富田)
濱田マリ(富田の女房)
塩見三省(西谷課長)
中村獅童(コンビニショップ店長・永崎)
岸本加世子(おかあさん)
三浦友和(海辺のレストラン・オーナー)


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アンソロジーコミック「猫本」 [●COMIC]

2006.04.11ー2008.04.30 講談社刊

豪華執筆陣による
ほぼ描き下ろし猫マンガ
猫好き納得の1冊

[text●i.toshinori]

——猫好きによる、
猫好きのための、
最強の猫漫画本。

こう帯にあったから買ってみた。
というより買っちゃった。
僕も猫好きの端くれです。
こうまであおられたら買っちゃうでしょう。

僕は猫も好きですがマンガも好きです。
でもそんなに詳しいわけでもない。
そんな僕でも既知の漫画家がちらほらと。
しかもほぼ描き下ろしと内容はかなり豪華!
大好きだ、講談社!

ちなみに執筆陣はこんな感じ。

こなみかなた、北道正幸
萩尾望都、とりのなん子、瀧波ユカリ
山下和美、伊藤理佐、漆原友紀
近藤ようこ、いくえみ綾、塀内夏子
ジョージ朝倉、松田洋子
業田良家、えびなみつる
小田扉、やまだないと
小林賢太郎、大ハシ正ヤ、横山克弘
横山キムチ、諸星大二郎、小林まこと。

何人知ってます? ラーメンズの人もいますね。

収録作の中で特に印象に残った2作品を紹介します。

「ねこだらけ」横山キムチ
デフォルメの極み、二足歩行のとってもゆるい猫のキャラが、
ただ踊ったり、飛んでいったり、
洗濯バサミで遊んだりしているだけのシュールな4コママンガ。
読後の寂寥感がなんだか気持ちいい。

「猫六先生執筆録」諸星大二郎
団鬼六ならぬ小説家、ニャン猫六先生が
「猫文学」編集者、猫田と次回作の構想に花を咲かせる話。
ちなみにニャン先生の代表作は「団地猫」シリーズだそうです。
ニャン先生の構想とは、
変質者に誘拐されたうら若きメス猫が、
床で粗末な食事を与えられ、飲み物は水のみ、トイレも丸見えと、
「つまり、それって猫じゃん」というもの。
さすが諸星大二郎なパラレル・ワールド感がおもしろい。

猫好き、もしくはひいきの漫画家が執筆しているのなら、
買って損は、ないでしょう。
そんな1冊。
なごみましょう。

猫本 (講談社MOOK)

猫本

  • 講談社(講談社MOOK)
  • 2006/04/11
  • コミック
■著者
こなみかなた、 北道正幸
萩尾望都、とりのなん子、瀧波ユカリ、山下和美
伊藤理佐、漆原友紀、近藤ようこ
いくえみ綾、塀内夏子、ジョージ朝倉、松田洋子
業田良家、えびなみつる、小田扉
やまだないと、小林賢太郎、大ハシ正ヤ
横山克弘、横山キムチ、諸星大二郎、小林まこと


猫本(NEKO-MOTO) (KCデラックス)

猫本(NEKO-MOTO)

  • 講談社(KCデラックス)
  • 2006/04/21
  • コミック
■著者
いくえみ綾、伊藤理佐、漆原友紀
えびなみつる、大ハシ正ヤ、小田扉
北道正幸、業田良家、こなみかなた
小林賢太郎、小林まこと
近藤ようこ、ジョージ朝倉
瀧波ユカリ、とりのなん子
萩尾望都、塀内夏子、松田洋子
諸星大二郎、やまだないと、山下和美
横山克弘、横山キムチ


猫本 2(NEKO-MOTO NYA)(KCデラックス)

猫本 2(NEKO-MOTO NYA)

  • 講談社(KCデラックス)
  • 2008/04/23
  • コミック
■著者
青池保子、安野モヨコ、いくえみ綾
いましろたかし、漆原友紀、えびなみつる
大ハシ正ヤ、小田扉、小原愼司
笠辺哲、鹿島麻耶、梶原にき
嘉納悠天、上條淳士、雁須磨子
北道正幸、久世番子
業田良家、小手川ゆあ、こなみかなた
小林賢太郎、小林じんこ、シギサワカヤ
そにしけんじ、とりのなん子、中島守男
萩尾望都、中村光、風呂前有
松田洋子、松本英子
諸星大二郎、山下和美、やまだないと
夢野一子、横山キムチ


猫本2 (ねこもとニャー) (講談社MOOK)

猫本2 (ねこもとニャー)

  • 講談社(講談社MOOK)
  • 2008/04/30
  • コミック
■著者
こなみかなた、安野モヨコ、北道正幸
萩尾望都、梶原にき、中島守男
上條淳士、青池保子、山下和美
いくえみ綾、小手川ゆあ
夢野一子、漆原友紀、鹿島麻耶
久世番子、嘉納悠天、そにしけんじ
風呂前有、中村光、松田洋子
雁須磨子、とりのなん子
業田良家、横山キムチ、小林じんこ
いましろたかし、小田扉、松本英子
笠辺哲、小林賢太郎、えびなみつる
シギサワカヤ、大ハシ正ヤ、小原愼司
やまだないと、諸星大二郎


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藤崎竜作「WORLDS」 [●COMIC]

単行本(短編集1/1992年刊)

ファンタスティックなものから
ダークなものまで、それぞれ続きが描けそうな
思わせぶりな終り方が絶妙な短編集

[text●h.mariko]

「封神演義」などで、後に大きく売れる漫画家の藤崎氏の、デビュー作を含む短編作品集である。
幼いころ、遊び程度にマンガを書くことに憧れた私には、藤崎氏の絵は美しく感じられた。筋肉モリモリ、戦いに明け暮れ血まみれになる主人公が活躍するマンガが多い「週刊少年ジャンプ」のなかでは、線の細さといい、絵の透明さといい、目を引くものがあったのだろう。

収録されている作品は、ファンタスティックなものからダークなものまでさまざま。デビュー作「ハメルンの笛吹き」も空想世界で起きる事件と、ちょっと愛の話。表題作「WORLDS」はパラレルワールドを描いた、ダークファンタジー。「TIGHT ROPE」では「管理者」に従う生活しかできなくなった未来の人間の様を、「SHADOW DISEASE」では人格の在り方を、「 SOUL OF NIGHT」ではおとぎ話ふうの魔法の話を、それぞれ短編でざっくりとまとめている。
全体をとおすと結構楽しいお話、という気がするのだが、「WORLDS」のオチはなかなか怖いし、「SHADOW DISEASE」は意味深である。それぞれ続きが描けそうな、思わせぶりな終り方が絶妙。
マンガの短編と言うのは、どうももやもやとした終り方をするものが多いと思っていたのだが、幼いころにこれを読んだイメージが強すぎるのかもしれない。
藤崎氏の絵を見ると、なぜか絵を描きたくなる。伝染力、とでも言おうか? 
これも、作者の才能のひとつなのかもしれない。

Worlds―藤崎竜短編集 (ジャンプ・コミックス)

WORLDS―藤崎竜短編集

  • 藤崎竜作
  • 集英社(ジャンプ・コミックス)
  • 発売日: 1992/07
  • 新書


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桜沢エリカ作「天使」 [●COMIC]

このマンガを読んでいると
人生って、すごく意味のあるもののように言われがちだけど
意外と気を抜いてても、いいのかな、と思ったり、する

[text●h.mariko]

深田恭子主演で映画(「天使」「天使の巣」を原作)にもなったが、個人的にはマンガのほうが好きだ。

マンガはショート・ストーリーが「天使」を通じて展開していく。

コンビニでバイトをしながら、しがない毎日を送る加藤くんは、ある日クラブで間違えて天使をナンパする。以来、天使は加藤くんの家に居着いてしまった。
クラスメイトとイマイチなじめないみづほは自殺を考えていたときに、現われた天使にビックリして自殺どころでなくなる。
保育園に預けられる、ママ思いのちいと天使はすぐに仲良くなる。
加藤くんのところから家出(?)していた天使は、加藤くんがバイト先に来るようになった美帆ちゃんとぎくしゃくするようになったら、また現われた・・・。

天使って何?

天使はひと言も喋らない。ただひたすらにジンライムを飲んで微笑んでいるだけ。気に入った人にはキスをすることもあるみたい。でも、それだけ。
多分、人は誰でも、天使と出会ったり、別れたりしているんじゃないか。
天使は誰の前に現われることもあるし、一生会わない人もいるかもしれない。
ただ、それが「幸せ」や「不幸」と直結しているかどうかはわからない。
天使がにっこり微笑んでいるのを見て、「まあいいか」と肩の力を抜くことができるんなら、それでいいんじゃないかと、思うのだ。
そう、人生って、すごく意味のあるもののように言われがちだけど、このマンガを読んでいると意外と気を抜いてても、いいのかな、と思ったり、する。

天使 (フィールコミックスGOLD)

天使

  • 桜沢エリカ作
  • 祥伝社(フィールコミックスGOLD)
  • 1999/12
  • コミック

天使 2 (Feelコミックス)

天使 2

  • 桜沢エリカ作
  • 祥伝社(フィールコミックスGOLD)
  • 2006/01/18
  • コミック

天使Ⅰ (祥伝社コミック文庫 さ1-14)

天使 Ⅰ

  • 桜沢エリカ作
  • 祥伝社(祥伝社コミック文庫)
  • 2010/07/17
  • 文庫

天使Ⅱ (祥伝社コミック文庫 さ1-15)

天使 Ⅱ

  • 桜沢エリカ作
  • 祥伝社(祥伝社コミック文庫)
  • 2010/07/17
  • 文庫

天使 [DVD]

天使

  • ハピネット
  • DVD
■cast 
深田恭子(天使)
内田朝陽(カトウ)
永瀬正敏(吉川)
永作博美(カスミ)
森迫永依(ちい)
小出早織(みづほ)
佐藤めぐみ(美帆)
ほか


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日渡早紀作「僕の地球を守って」 [●COMIC]

1987年〜1994年「花とゆめ」に連載(花とゆめコミックス全21巻)

毎晩、同じ世界の夢を見る同級生たち
主人公の坂口亜梨子もまた、触発されるように
彼らと同じ世界の夢を見始めるのだが・・・

[text●h.mariko]

思えば、このマンガと出合ったころ、私はまだ小学生だった。
外を駆け回ることより本を読むこと、勉学のためより絵を描くためにペンを握ることが多かった私に、後に多大なる影響を与えてくれる作品になることを、そのころは知る由もなかった。

人は、眠ると夢を見る。
内容は人により異なるであろうし、至極個人的な内容の夢を見ることも多いがゆえ、かなりプライベートなものである。

けれど、その夢の内容が他人とまったく同じであったら? そして、それは、「今の自分」ではない、もしやすると前世の自分の記憶であったとしたら? そんな摩訶不思議なことあれば乙女チックな方向に進みそうな物語を、厭というほど現実的に描いたのが、本作である。

坂口亜梨子(さかぐちありす)は、父親の転勤に伴い転校してきた。
マンションの隣の部屋で暮らす子ども、小林輪につきまとわれ、学校にはイマイチ馴染めず、煩悶の日々を過ごしていた。
そんな亜梨子には、不思議な力があった。本人は意識していないうちに、植物や動物と心を通わせることができるのだ。
学校の緑たちは彼女を歓迎してくれる。校庭の椿に会いにいくと、同級生の小椋迅八と錦織一成が話している内容を聞く。それはふたりが同じ夢を毎晩のように見ているということだった。最初は何のことかもわからなかった亜梨子だが、彼女もまた触発されるように同じ世界の夢を見始める。
それをきっかけに、ほかのメンバーを捜してみると、本当に見つかり、「月で起こった世界」が夢物語ではないことを知る。
一方、マンションのベランダから転落し、意識不明が続いていた小林輪が意識を取り戻すと、彼にも不可思議な力が備わっていた。

物語の中核は「前世」にあるといってもいいので、そういう話が苦手な方には頭が混乱するかもしれない。が、キャラクターたちの行動、考え、そしてそれを支える周りの人々の言葉に耳を傾けると、その世界が見えてくるのではないかと思う。

輪廻転生、という仏教の概念がある。曰く、現在の生を全うし、来世へと繋げ、徳を重ねることにより仏に近づける、というものだ。この考えにのっとれば、誰もが前世、来世を持つことになる。
が、現在の生は一度だけ。だからこそ、それを、忘れてはならない。前世で何があろうと、来世に何が待っていようと、今の自分を大切にすることが大事。もしも、来世や前世がわかったとしても、それに振り回されてはならない、と、この本を読んで以来、大人になるに連れ強く思うようになった。今をしっかり生きること。

ぼくの地球を守って (第1巻) (白泉社文庫)

ぼくの地球を守って (第1巻)

  • 日渡早紀作
  • 白泉社 (白泉社文庫)
  • 1998/03
  • 白泉社文庫全12巻刊行
ぼくの地球を守って―愛蔵版 (1)

ぼくの地球を守って―愛蔵版 (1)

  • 日渡早紀作
  • 白泉社
  • 2004/05/28
  • ジェッツコミックス愛蔵版 全10巻刊行

1993年~1995年発売のOVAをDVD全4巻に収録
.
ぼくの地球を守って Vol.1 [DVD]

ぼくの地球を守って Vol.1

  • ビクターエンタテインメント
  • DVD

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手塚治虫作「どろろ」 [●COMIC]

人のカタチをして人を騙す化物
人のカタチをした百鬼丸と
その差は、いったいどこにあるのか

[text●h.mariko]

人気俳優の主演で映画化して以来、一挙に有名になった感がある。が、私がこの作品と出逢ったのは、なんと5歳のときであった。もともとブラザーコンプレックスの気があっただけに、この作品は痛烈であった。
「百鬼丸は、どこを探せばいるのだろう?!」
5歳だった私は、なかば本気で考えたものである。懐かしい思い出である。

醍醐景光は、天下を手中に収める野望のため、地獄堂にて四十八の魔像に願う。魔神からの答えは、天下を取らせるために、体を寄越せというものであった。醍醐は言う、明後日産まれる予定の俺の子どもから、好きな場所を取れ、と。
そうして産まれた子どもは、体のあらゆる場所が欠け落ちていた。
醍醐は天下を取ることを誓い、できそこないの子を盥に乗せて流してしまう。
その子どもは有能な医者に助け上げられ、体のパーツを作ってもらい、百鬼丸という名を貰った。百鬼丸は見た目は普通の青年だが、四十八カ所が作り物であること、そしていつも化物につけ狙われているところが、少し、普通ではない。
ひょんなことから助けたどろろと道行きをともにし、襲い来る化物を退治する。

などと書いてしまうと、百鬼丸は善の存在であり、化物は悪の存在、もちろん醍醐景光も極悪、と思えるであろうか。

この物語を何度となく読み返したが、いつも不可思議な感覚があった。それは、恐らく主人公の目が常に俯瞰の位置にあることではなかろうか。
手塚氏は、キャラクターの誰かに肩入れすることなく、この物語を描いた気がする。

タイトルこそ「どろろ」であるが、化物退治に活躍するのはもっぱら百鬼丸である。その百鬼丸を生んだのは醍醐であるが、醍醐は百鬼丸の存在を抹殺した。育ての親とは途中で別れてしまう。旅の道行き、さまざまな人と出会うが、それはすべて一期一会、その場限りであることが殆ど。むしろ、百鬼丸の異形を知ると、人々は彼を畏れる。それに怒るどろろ。
人の形をして人を騙す化物。作り物も多いが、人の形をした百鬼丸と、その差は、いったいどこにあるのか?

物語としては、唐突に終ってしまう。よって、多くを推論に頼らなければならないのだが、考えれば考える程「推論」は膨らむ一方だ。私たちは、手塚氏の遺したメッセージをどう受け取ればよいのか。
どろろと百鬼丸の活躍を楽しみながらも、その部分を考えてみたい作品である。

どろろ (第1巻) (Sunday comics)

どろろ (第1巻)

  • 手塚治虫作
  • 秋田書店(Sunday comics)
  • 1974/09
  • コミックス

どろろ (第2巻) (Sunday comics)

どろろ (第2巻)

  • 手塚治虫作
  • 秋田書店(Sunday comics)
  • 1971/11
  • コミックス

どろろ (第3巻) (Sunday comics)

どろろ (第3巻)

  • 手塚治虫作
  • 秋田書店(Sunday comics)
  • 1972/01
  • コミックス
※秋田書店サンデーコミックス「どろろ」は第4巻まで刊行

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萩尾望都作「訪問者」 [●COMIC]

気持ちに余裕があり
落ち着いているときに読みたい
短編なのに、心をえぐるストーリー

[text●h.mariko]

前項で紹介した「トーマの心臓」の登場人物にしてキーパーソンであるオスカーの過去を描いた短編マンガ。
出版の順序はともかくとして、「トーマの心臓」了読後に「訪問者」を読んでみたい。そのほうが、オスカーという少年の立ち振る舞い、ときに見せる寂寞感、達観した態度、それらの理由がよくわかるからである。

少年オスカーは、父と旅をしていた。

その、いちばん楽しい時期を、悲しみ溢れる表現で綴った作品である。
子どもとは成長過程にある生き物で、子どもと接するときに大人はつい「コドモ」だと思って、油断する。子どもというのは、ときに狡猾に計算して動く生き物であることを忘れ、かつて自身がそうであったことも忘れ、「大人よりも頭が切れる子どもはいない」と思い込みがちなのである。

オスカーは、頭のいい子どもだ。勉強ができる云々ではなく、頭の回転が速いのだろう。よって、抱えなくてもよい痛みを抱え、自分ができる方法で父親を守り、自分を守った。

どんなに明るいシーンでも、哀しみがそこここに溢れている。

この作品は、どうか気持ちに余裕があり、落ち着いているときに読んでほしい。読者がオスカーを支えてあげなければ、彼は簡単に折れてしまうのではないか、オスカーの行く道を見守ってあげなくては、彼は簡単に壊れるのではないか、そんな危険を孕んでいる主人公を、しっかりと見据える必要があるのではないかと思ってしまったが最後、彼の背負ったものの重さにたじろいでしまう。

短編であるのに、心をえぐるストーリーである。

表題作「訪問者」が有名だが、他の収録作品「城」「エッグ・スタンド」「天使の擬態」にも萩尾女史の世界観が溢れている。

訪問者 (小学館文庫)

訪問者

  • 萩尾望都作
  • 小学館(小学館コミック文庫)
  • 1995/08
  • コミック文庫


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萩尾望都作「トーマの心臓」 [●COMIC]

舞台はドイツ
中高一貫の男子校に通う生徒たちが主人公
愛。その深みを少年たちの揺れ動く感情とともに
瑞々しく描きだした傑作

[text●h.mariko] 

この作品を原作にした演劇を見る前に、とりあえずストーリーを知っておこうと思って読んだのが最初だった。
しかしそのときは、正直、ピンとこなかった。
劇を見て、何かいろいろ考えて、そのあと、もう一度じっくり読んだら、涙がとめどもなく流れたのだった。

舞台はドイツ。ギムナジウムという、中高一貫の男子校に通う生徒たちが主人公。
ある雪の日、トーマ・ヴェルナーが鉄橋の上から線路に転落死する事故が起きた。雪解けの道に足を取られた悲しい事故、そう思われ、悼まれた。
その、トーマから熱い視線を受けていたユリスモールに届いた一通の手紙。トーマが絶命する前に投函されたと思われる手紙には、こう記されていた。

「ユリスモールへ 最後に これがぼくの愛 これがぼくの心臓の音 きみにはわかっているはず」
トーマは事故死などではない、自殺?

手紙の意味を呻吟し、ユリスモールはトーマの墓前で手紙を破り捨てる、これが僕の答えだと叫びながら。

時を同じくして、ギムナジウムに転校生がやってくる。巻き毛の美しい転校生エーリクは、奇しくも死んだトーマと瓜二つであった。
ユリスモールとエーリク、ふたりの仲介をしながらもふたりを見守るオスカーを中心に、彼らの心の動きが描かれていく。

観劇が終った後、こんな言葉が耳に届いた。

「結局これってさあ、同性愛を美しく描きたかっただけじゃない?」

趣としては、近いのかもしれない、同性愛。
多感な少年たちを詰め込んだ寮生活の中で起きる事柄を中心に描かれること、また「愛」という言葉が頻繁に飛び出すからであろうかと思われる。
だがしかし、断じてそのような軽はずみな、「描きたかっただけ」などという言葉で終らせられない感情が、この物語には詰まっていることを、ここに断言したい。
日本には薄い感情であるかもしれないが、「神性」ということがキーワードになっているがゆえに、主人公たちの抱く感情が理解し難いことがあるかもしれない。
「自らの神を持つ」ということを理解して、もう一度この物語に向かってみると、愛とはもっと根源的な、キリスト教になぞらえるなら聖母マリアがすべての人に微笑みかけるその博愛、そのようなものではないだろうか? と思えてくる。
決して、個人では得ることのできない、愛。その深みを少年たちの揺れ動く感情とともに瑞々しく描きだした、歴史に残る大傑作である。

トーマの心臓 (小学館叢書)

トーマの心臓

  • 萩尾望都著
  • 小学館(小学館叢書)
  • 1989/11
  • 単行本

トーマの心臓 (小学館文庫)

トーマの心臓

  • 萩尾望都著
  • 小学館(小学館文庫)
  • 1995/08
  • 文庫

トーマの心臓 1 (フラワーコミックス)

トーマの心臓 1

  • 萩尾望都作
  • 小学館(フラワーコミックス)
  • 1975/01
  • コミック

トーマの心臓 2 (フラワーコミックス)

トーマの心臓 2

  • 萩尾望都作
  • 小学館(フラワーコミックス)
  • 1975/04
  • コミック

トーマの心臓 (3) (フラワーコミックス)

トーマの心臓 (3)

  • 萩尾望都作
  • 小学館(フラワーコミックス)
  • 1975/06
  • コミック


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吉田秋生作「海街diary」 [●COMIC]

古都・鎌倉を舞台に
少しずつ問題を乗り越え、再生していく家族の話は
とても切なくて清新なのだ

[text●u.junko]

この作品はすごい。古都・鎌倉を舞台に、漫画だからこそ許されるような特別な設定があるわけでもなければ、登場人物の誰かに感情移入して読むっていうわけでもない。ひたすら淡々と読み進めていけるのに、じんわりと滲むような読後感があり、どこか小説のような作品である。

鎌倉にある祖母の残した家で暮らす3姉妹のもとに、子どものころ家を出て行った父の訃報が届くところから物語が始まる。長いあいだ会うことのなかった父が残した異母妹を鎌倉に迎え、それからの約1年を描いているのだが、しっかり者の長女は不倫中だし、次女は酒豪で年下の男にやたら貢ぐし、マイペースで我が道をいく三女はアフロだし。末の妹はしっかり者だけれど、必要以上にしっかり者になってしまった理由があったりする。

どこにでもいそうな人物たちが、仕事や友達のこと、恋のこと、離れて暮らす母との関係など、いろいろな事情や悩みを抱え、それでも続いていく日常が優しく丁寧に描かれている。何かがドラマチックに展開するわけではなく、少しずつ問題を乗り越え、再生していく家族の話はとても切なくて清新なのだ。

そして、実際に存在する鎌倉の街並みやお店がたくさん登場するので、リアリティがあるのはもちろんだが、単純に鎌倉好きにはたまらない。(たとえば姉妹が住む家の最寄り駅は極楽寺駅だし、末の妹が友達と偶然会う和菓子屋さんは、長谷駅から極楽寺まで歩くとすぐに見つけられる)新しいものと古いものがちょうどいい距離感で存在して、すぐそばには海がある。鎌倉という街だからこそという空気感が作品全体から流れていて、その空気感がなければ魅力は半減だったようにも思う。

この作品を読むと“鎌倉に行きたい!”っていうか“むしろ住みたい!”という衝動と、知っているようで何も知らない家族のことを考える。そして、平凡な日常を淡々と過ごすことも悪いことじゃないような気がするのだ。

海街diary 1 蝉時雨のやむ頃

海街diary 1 蝉時雨のやむ頃

  • 吉田秋生作
  • 小学館(フラワーコミックス)
  • 2007/04/26
  • コミック

海街diary 2 (フラワーコミックス)

海街diary 2 真昼の月

  • 作者: 吉田 秋生
  • 小学館(フラワーコミックス)
  • 2008/10/10
  • コミック

海街diary 3 陽のあたる坂道 (フラワーコミックス)

海街diary 3 陽のあたる坂道

  • 吉田秋生作
  • 小学館(フラワーコミックス)
  • 2010/02/10
  • コミック


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安野モヨコ作「働きマン」 [●COMIC]

働くことが苦しいと感じたとき
息抜きのつもりで、手にとってみたい

[text●h.mariko]

松方弘子、29歳、職業は雑誌編集者、元巨乳。松方を主軸として、同じ雑誌編集に携わる者、松方の恋人、友人、仕事を通じて知り合った人々の、それぞれの働き方を描いたマンガである。

じつはマンガというやつは、どうも苦手だったのだ。絵があるがゆえに、想像力が働かない。そのせいか、どこかでマンガを敬遠しているところがあった。しかし、この作品は、そのマンガの持つストレートな力がそのまま伝わってくるところが、大きな魅力だった。

20代前半、たとえば学校を卒業したらすぐとか、アルバイトからそのままとか、人によって状況は違えど、年を重ねると働くことと生きることはイコールで結ばれる。しかし、そこに意味を見出すのは難しい。

働く者は偉く、働かないものは偉くないのか?

このマンガでは、編集者をはじめとして建設会社社員、マッサージ師、医者などの仕事をする人々の心の内、そして一見華やかそうに聞こえる編集という仕事の裏側をキャラクターの口を借りて語っている。その本音が、人それぞれに個性があっておもしろいのだ。

金のために仕事をするのか。
生きるために仕事をするのか。
楽しむために仕事をするのか。

働く者すべてが一度は悩んだであろうことを、このキャラクターたちも同じように悩みもがいている。
働くことが苦しいと感じたとき、息抜きのつもりで、手にとってみたい。もっとも松方の実直すぎる生き方にのめり込みすぎると、息抜きにはならないかもしれないが。


働きマン(1) (モーニングKC (999))

働きマン(1)

  • 安野モヨコ作
  • 講談社(モーニングKC (999))
  • 2004/11/22
  • コミック

働きマン(2) (モーニングKC (1453))

働きマン(2)

  • 安野モヨコ作
  • 講談社(モーニングKC (1453))
  • 2005/07/22
  • コミック

働きマン(3) (モーニングKC (1550))

働きマン(3)

  • 安野モヨコ作
  • 講談社(モーニングKC (1550))
  • 2006/10/06
  • コミック

働きマン(4) (モーニングKC)

働きマン(4)

  • 安野モヨコ作
  • 講談社(モーニングKC)
  • 2007/08/23
  • コミック

働きマン 第1巻 初回限定版 [DVD]

働きマン 第1巻 初回限定版

  • 角川エンタテインメント
  • DVD

働きマン 第2巻 初回限定版 [DVD]

働きマン 第2巻 初回限定版

  • 角川エンタテインメント
  • DVD

働きマン 第3巻 初回限定版 [DVD]

働きマン 第3巻 初回限定版

  • 角川エンタテインメント
  • DVD

働きマン 第4巻 初回限定版 [DVD]

働きマン 第4巻 初回限定版

  • 角川エンタテインメント
  • DVD


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古谷実作「行け! 稲中卓球部」 [●COMIC]

1996年度第20回講談社漫画賞受賞作品

ふとしたときに思い出してしまう
癖のあるセリフ、癖のある登場人物
この中毒性はどうか!

[text●h.mariko]

独特の絵、ストーリー、好き嫌いはわかれよう。
シモネタ満載、おっぱい万歳、エロマンガすれすれのきわどさ。
が、この中毒性はどうか。
ふとしたときに思い出してしまう、癖のあるセリフ、癖のある登場人物。
それが最高に魅力的に感じてしまうのは、私だけなのか?

舞台は稲豊中学校、出演(?)は稲豊中学校卓球部の面々。
が、卓球でさわやかに汗するシーンはほとんどない。
大抵が、(思春期真っ只中の)主人公たちが繰り広げる、“日常”を描いたマンガなのである・・・。

が、これを日常と言ってよいものか、甚だ疑問に感じるような凄まじき引力。
たとえば、
“力士って巣を作って住んでるって知ってる?”
とか、
“パンがまずくて売れなかったら、フーセンかぶるしかない”
とか、
今まで普通に生きてきた常識ってやつを簡単に打ち砕いてくれるパンチ力があるのだ。

お下劣だとか、下品だとか言ってしまえばそうなのだが、
恋に性に(??)悩む中学生たちにとっては、年相応の悩みといえようさまざまな問題と事件。
それがストレートに表現され過ぎているだけだろう。
好意的に取ろうと思えばそんな感じ。
批判的に言う言葉は、たくさんあろう。
だが、私はあえてこれを名作と呼びたい。
あの時代にして誰もが突っ込めなかった境地に、この作品が立っているのは間違いないのだから。

行け!稲中卓球部(1) (ヤンマガKCスペシャル (432))

行け!稲中卓球部(1)

  • 古谷実作
  • 講談社(ヤンマガKCスペシャル (432))
  • 1993/10/29
  • コミック

行け!稲中卓球部(13)<完> (ヤンマガKCスペシャル (648))

行け!稲中卓球部(13)<完>

  • 古谷実作
  • 講談社 (ヤンマガKCスペシャル (648))
  • 1997/02/04
  • コミック



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田村由美作「BASARA」 [●COMIC]

騙し騙され生きる者
実直にしか生きられぬ者、忠実であることしか知らぬ者
しかしそこには、確実に生命が息づいている
“運命の子”が駆け抜けるジパング伝説

[text●h.mariko]

4つ年上の兄がいるせいか、私は昔からいわゆる「少女マンガ」が嫌いであった。
主人公は可愛い女の子。かっこいい男の子に恋をし、それに悩み、最終的にはカップル成立。そこにある紆余曲折がいいのか。ぐだぐだした悩みなどに興味がない。何がいいのか私には理解に苦しんだ。

このマンガ「BASARA」も、絵を見たときにはあの少女マンガと同じであろうと勝手に思った。
が、発売当時に読まなかったことを激しく後悔した。

双子の兄妹としてこの世に生を受け、兄を立てるためだけに存在していると思っている主人公、更紗(さらさ)。彼女の住む白虎の村は、白虎の刀を守る村。砂漠に存在する故緑がなく、苦しいがそれなりに幸せに暮らしている。そこにやってくる、赤の王率いる軍団。更紗の兄はこの世を変革する「タタラ」という危険因子であるという理由がために斬首され、存在を消される。そして、村が守りとおしていた刀を奪われてしまう。タタラを喪ったために生きる気力をなくし途方に暮れる大人たちのために、更紗は髪を切り、自らをタタラと名乗り、人生を切り開いていく。
そしてタタラは旅に出る、兄の敵討、村の救済、さらには世界を変えるために。

絵は目がキラキラした少女漫画タッチであるのは否めないが、そこで語られるストーリーは人生論であり、生命論である。もはや、ジャンルやら絵柄やらは関係なく、ぐいぐいと引き込まれる。人間模様、騙し騙され生きる者、実直にしか生きられぬ者、忠実であることしか知らぬ者。しかしそこには、確実に生命が息づいているのだ。
強烈な生命力を放つ更紗の存在感が抜群だが、それを取り巻くキャラクターたちとの出逢いにも着目したい。
生きる意味を、思い出させてくれるマンガである。

※平成4年度(第38回)小学館漫画賞受賞作品
単行本全27巻 テレビアニメDVD全3巻(全13話)

BASARA(1)

BASARA(1)

  • 田村由美作
  • 小学館
  • 1991/03
  • 新書

Basara (27) (別コミフラワーコミックス)

Basara (27)

  • 田村由美作
  • 小学館(別コミフラワーコミックス)
  • 2000/03
  • コミック

BASARA 全16巻 完結コミックセット (小学館文庫)

BASARA 全16巻
完結コミックセット

  • 田村由美作
  • 小学館(小学館文庫)
  • 2010/01
  • 文庫





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中村光作「荒川アンダーザブリッジ」 [●COMIC]

仕事に疲れた夜なんかに読んだら
あー、何もかも放り投げて荒川河川敷に住みてー!!って
きっと思っちゃいます

[text●t.minami]

私事ですが毎日の通勤時間が長く、電車に乗ると必ずといっていいほど寝オチしてしまいます。電車の揺れってなんであんなにも眠りを誘発してくるんでしょうね。最近では通勤中、知らない間に電車を降りて別の線に乗り換え、しばらくして目が覚めて“あれ、いつの間に乗り換えたんだっけ?”・・・なんてこともしばしば。完璧なる夢遊病者ですが、ここまでくると、意識のないまま動いている体内時計に感心すらしてしまうバカな自分もいたりして、本当トホホホホホホ。

しかし、そんな私もこのマンガに出合ってからは、どんなに力の入らない朝の電車の中でも仕事で疲れた帰りの電車の中でも目が冴えまくりで、眠気よりも笑いをこらえるのに必死になっているのです。

「荒川アンダーザブリッジ」。舞台はその名のとおり荒川河川敷。

大企業の御曹司であり、大学生にしてすでに多数の会社を経営するエリート街道まっしぐらの主人公リクがひょんなことをきっかけに荒川の河川敷に住むホームレスの美少女ニノ(自称“金星人”)に命を救われ、彼女の恋人として自らも河川敷の住人となって暮らすという、ハートフルギャグ・ラブコメディー。橋の下の住人となった主人公を待ちうけるのは、そこに暮らす見た目も中身も超~強烈な住人たち。幼いころからの環境によりカッチリと凝り固まった常識を持つ主人公がそんな個性豊かな人間(?)たちと生活をともにするなかで、恋、友情、自由な心や、乙女になる方法、あるときは流れ星となり、またあるときは犬に成り下がることまでをも覚え、新たな世界への扉を開いていく・・・。

と、内容は断片的にしか語れませんが、随所にシュールな笑いが放り込まれており、全体的にコミカルな感じに展開していくのかと思えば、ほんのわずか(笑)に心温まる場面や涙を誘う場面もあり、そのバランスが絶妙なのです。

特に仕事に疲れた夜なんかに読んだら、あー、何もかも放り投げて荒川河川敷に住みてー!!ってきっと思っちゃいますよ!笑

作者は「聖☆おにいさん」のヒットでも知られる中村光。

今年4月からテレビ東京にて深夜に放送されていたテレビ・アニメは先日一旦終了し、ただいま第2期製作中とのこと。マンガは「ヤングガンガン」(第1・第3金曜日発売/スクウェア・エニックス刊)にて連載中です。

あなたは金星人を信じますか?

TV-アニメ WEB SITE→ http://www.starchild.co.jp/special/arakawa_ub/ 

荒川アンダーザブリッジ (1) (ヤングガンガンコミックス)

荒川アンダーザブリッジ (1)

  • 中村光作
  • スクウェア・エニックス(ヤングガンガンコミックス)
  • 2005/07/25
  • メディア: コミック

荒川アンダーザ ブリッジ 10 (ヤングガンガンコミックス)

荒川アンダーザ ブリッジ 10

  • 中村光作
  • スクウェア・エニックス(ヤングガンガンコミックス)
  • 2010/04/24
  • コミック



[TV-アニメDVDリリース・スケジュール]
■数量限定生産版■
VOL.1 2010年7月7日発売
VOL.2 2010年8月4日発売
VOL.3 2010年9月8日発売
VOL.4 2010年10月6日発売
VOL.5 2010年11月10日発売  

■通常版■
VOL.1 2010年8月4日発売
VOL.2 2010年9月8日発売
VOL.3 2010年10月6日発売
VOL.4 11月10日発売
VOL.5 2010年12月8日発売

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ゆうきまさみ作「機動警察パトレイバー」 [●COMIC]

小学生が鼻水たらしながら読む話ではない 
まるっきり、大人のマンガ

[text●h.mariko]

警察官が主人公のマンガである。
社会の諸悪をしょっ引く、わけではない。
タイトルのとおり、パトレイバーなるものが、この作品の華であり、肝でもある。

近未来(すでに過去になってしまったが)、1995年に東京沖で起きた大地震による崩壊、その復興のため「レイバー」と呼ばれる人型に近いロボットが産業化していて、世の中の利便性を高めるも、それを使った犯罪も増加していた。
警察では警察専用レイバーを導入、その犯罪に立ち向かう。「特科車両二課中隊」、通称「特車二課」が生まれる。これがパトロールレイバー中隊 (パトレイバー) の誕生である。
隊長の後藤、レイバー(個体はイングラム)のパイロットである泉、大田、篠原、進士、山崎、熊耳からなる。
警察の導入したOSのコピーを作成しようと目論むシャフト・エンタープライズの内海が絡み、ストーリーは複雑になってくる。
これは、小学生が鼻水たらしながら読む話ではない。まるっきり、大人のマンガなのである。
曰く、犯罪が人を悪くするわけではない。罪を憎んで人を憎まず、などという綺麗事はこの作品には存在しないのだ。
政治的駆引、汚職、幼児誘拐、さまざまな犯罪の図式を描きながらも、パトレイバーの活躍だけでお茶を濁さないところがこの作品のすごいところだ。

このマンガが出版されて、すでに20年以上経過した。
パトレイバーは生まれそうにないが、社会の暗部はより陰湿に暗くなっている。
それを照らすきっかけに、何か発明されないものかと、この作品を手に取るたびに思うのだ。

機動警察パトレイバー (1) (少年サンデーコミックス〈ワイド版〉)

機動警察パトレイバー (1)

  • ゆうきまさみ作
  • 小学館(少年サンデーコミックス〈ワイド版〉)
  • 1995/08
  • コミック

機動警察パトレイバー (11) (少年サンデーコミックス〈ワイド版〉)

機動警察パトレイバー (11)

  • ゆうきまさみ作
  • 小学館(少年サンデーコミックス〈ワイド版〉)
  • 1997/04
  • コミック

機動警察パトレイバー (1) (小学館文庫)

機動警察パトレイバー (1)

  • ゆうきまさみ作
  • 小学館(小学館文庫)
  • 2000/01
  • 文庫

機動警察パトレイバー (11) (小学館文庫)

機動警察パトレイバー (11)

  • ゆうきまさみ作
  • 小学館(小学館文庫)
  • 2000/11
  • 文庫



機動警察パトレイバー2 the Movie [DVD]

機動警察パトレイバー2 the Movie

  • バンダイビジュアル
  • DVD



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矢沢あい作「下弦の月」 [●COMIC]

たかがマンガと思って読み始めたものの
最後には涙が止まらなくなった

[text●h.mariko]

「NANA」のシリーズが累計5千万部を売り上げているようだが、個人的には矢沢氏の作品でいちばん好きなのは、「下弦の月」である。
少女漫画独特の、恋愛を中心としたまだるっこしさがない。
小学生たちが主人公であり、謎を解くかのようなミステリーがいい。
美しい絵が目を引き、その世界に取り込まれるのがいい。

女子高生の望月美月は家出中に、青い目の歌手、アダムと出逢い、恋をする。今の自分を脱ぎ捨てたかった美月はアダムについていくことを決心した矢先に交通事故に遭う。
一方、飼い猫のルルを探し交通事故に遭った小学生の白石蛍は、幸い軽い怪我で済み、学校へと戻る。親友の沙絵、片思いの相手の三浦、杉崎らと同じクラス。

小学生の可愛らしい存在と、厭世的になった高校生の対比。自ら命を絶ったアダムの報われぬ思い。美月を引き留めるアダムの存在と、家族との絆。

たかがマンガと思って読み始めたものの、最後には涙が止まらなくなった。
生きることへのメッセージとも、音楽への愛情とも、家族や友人との絆ともとれる深いメッセージが心を揺さぶるだろう。

下弦の月 1 (りぼんマスコットコミックス (1114))

下弦の月 1

  • 矢沢あい作
  • 集英社 (りぼんマスコットコミックス )
  • 1998/12/07
  • コミック

下弦の月 2 (りぼんマスコットコミックス (1143))

下弦の月 2

  • 矢沢あい作
  • 集英社(りぼんマスコットコミックス )
  • 1999/05/14
  • コミック

下弦の月 3 (りぼんマスコットコミックス (1173))

下弦の月 3

  • 矢沢あい作
  • 集英社 (りぼんマスコットコミックス )
  • 1999/11/15
  • コミック

下弦の月 ―Last Quarter― 上 愛蔵版

下弦の月 ―Last Quarter― 上
愛蔵版

  • 矢沢あい作
  • 集英社
  • 2004/09/17
  • コミック

下弦の月 ―Last Quarter― 下 愛蔵版

>下弦の月 ―Last Quarter― 下
愛蔵版

  • 矢沢あい作
  • 集英社
  • 2004/09/17
  • コミック

下弦の月 ラスト・クォーター [DVD]

下弦の月 ラスト・クォーター

  • 松竹ホームビデオ
  • DVD


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いがらしみきお作「ぼのぼの」 [●COMIC]

ただの漫画と侮ってはいけない
これは、人生の縮図を描いた哲学作品である

物事に行き詰ったとき
悲しみにくれたとき、誰も信じられなくなったとき
そっと背中を押してくれる言葉が
たくさん詰まっている

[text●h.mariko]

ラッコのぼのぼのと、友達のアライグマくん、シマリスくん、スナドリネコさん、ヒグマの大将、クズリ親子、フェネックギツネの親子が繰り出す日常漫画。
が。ただの漫画と侮ってはいけない。これは、人生の縮図を描いた哲学作品である。
はじめは、その絵の可愛らしさで読み始めた。が、ふとしたときに思い出す名台詞の数々がとにかく素晴らしいのである。

ぼのぼのは、のんびりしているが相手を思いやれる優しい子。
アライグマくんは、いじめっ子だが、実は他人(?)を放っておけない人情派。
シマリスくんは、いじめられっ子だが、実は結構頭がいい。

なんで人間って存在しているの? なんで山ってそこにあるの? なんで自分って生きているの? そんなことを思ったことはないか?
ぼうっとしているように見えるぼのぼのはいつもそんなことを考えている。そして、それに対する回答をするスナドリネコさんの言葉は、重く、深い。
ビーバーさん家族のような「良い家庭の図」もあれば、離婚夫婦であるヒグマ一家もいる。これは、人の人生の縮図ではないか。

アニメでは子ども向けにストーリーも組み直しているようだが、ぜひ漫画、それも初期の作品をぜひ読んでほしい。
物事に行き詰ったとき、悲しみにくれたとき、誰も信じられなくなったとき。
そっと背中を押してくれる言葉が、たくさん詰まっている。
キャラクターの口癖がうつるかもしれないが、まあ、それはご愛嬌。
いぢめる? いぢめる? いぢめないよう。と、言っていただきたい。

ぼのぼのといがらしみきおの総合情報サイト 
「ぼのねっと」→ http://www.bonobono.jp/ 


ぼのぼの 1 (バンブー・コミックス)

ぼのぼの 1

  • いがらしみきお作
  • 竹書房(バンブー・コミックス)
  • 1987/03/20
  • メディア: コミック

ぼのぼの(33) (バンブー・コミックス)

ぼのぼの(33)

  • いがらし みきお
  • 竹書房(バンブー・コミックス)
  • 2009/12/26
  • メディア: コミック





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大友克洋作「AKIRA(アキラ) 」 [●COMIC]

人は全てを喪うと何にすがっていくのか
そしてすがられた者は何を思うのか
学校では教えてくれない多くのことを
この物語から学んだ

[text●h.mariko]

ジャパニメーション、などという造語が使われるようになって久しい。
日本のアニメーション技術の高さを世界中が認めたからこその言葉であろう。
その先駆けともいえる存在、大友克洋を置いてこの世界を語れようか。
氏の出世作でもある「AKIRA」との出逢いは、私がまだ小学生低学年のころだった。
リアルに描きこまれた絵、近未来を想定したストーリーは全く理解できなかった。
完結までに延べ9年が費やされたこの作品。
完結した後、成長した私は貪るように漫画を読んだ。それこそ、寝食忘れて。

1982年に勃発した第三次世界大戦より世界は荒廃し、
東京にはその爆撃痕が生々しく残る。
そこで暴走行為を繰り返す、主人公金田、鉄雄、甲斐、山形らのチーム。
外見が老人のような謎の少年と事故を起こし、鉄雄が入院する。
しかし彼の搬送された場所は病院でなく軍の専門施設であった。
一方、26号こと「アキラ」の存在を探り、
政府との小競り合いを続けるゲリラ組織の竜、ケイ、チヨコ。

鉄雄とアキラの存在が繋がることにより、散乱していた物語が線で結ばれる。
物語の詳細は、ご自身で読まれることをお勧めする。
この物語は示唆的であるがゆえ、人により感じ方は千差万別であろう。
俗に言う不良というレッテルを張られた主人公たちの生きざまや、
兵器として人間を開発するという発想のおぞましさ、人は全てを喪うと何に縋っていくのか、そして縋られた者は何を思うのか。学校で教えてくれない多くのことを、私はこの物語から学んだ。
この作品を凌駕するものに、私はまだ出逢っていない。

AKIRA(1) (KCデラックス 11)

AKIRA(1)

  • 大友克洋作
  • 講談社(KCデラックス 11)
  • 1984/09/14
  • コミック

AKIRA(2) (KCデラックス 12)

AKIRA(2)

  • 大友克洋作
  • 講談社(KCデラックス 12)
  • 1985/08/27
  • コミック

AKIRA(3) (KCデラックス 13)

AKIRA(3)

  • 大友克洋作/li>
  • 講談社(KCデラックス 13)
  • 1986/08/21
  • コミック

AKIRA(4) (KCデラックス 14)

AKIRA(4)

  • 大友克洋作
  • 講談社(KCデラックス 14)
  • 1987/07/01
  • コミック

AKIRA(5) (KCデラックス 166)

AKIRA(5)

  • 大友克洋作
  • 講談社(KCデラックス 166)
  • 1990/11/26
  • コミック

AKIRA(6) (KCデラックス 339)

AKIRA(6)

  • 大友克洋作
  • 講談社(KCデラックス 339)
  • 1993/03/15
  • コミック

AKIRA DVD SPECIAL EDITION

AKIRA DVD SPECIAL EDITION

  • バンダイビジュアル
  • DVD



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