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市川團十郎「助六由縁江戸桜」 [●DVD]

2003年1月 歌舞伎座にて収録

意休が揚巻を口説く場面での
大勢の女形役者が居並ぶ光景は圧巻で
思わずため息が出るほど美しい

[text●t.kasumi]

2013年4月、歌舞伎座が新開場した。これを機に、“歌舞伎に興味を持ったがどの演目を見たらいいか分からない”、“歌舞伎ってなんだか難しそう”と思っている人におすすめの演目を紹介したい。
歌舞伎十八番のひとつに、「助六由縁江戸桜(すけろくゆかりのえどざくら)」という演目がある。これは成田屋市川團十郎家に代々伝わるお家芸だ。舞台転換がなく、始終三浦屋の格子先で役者が入れかわり立ちかわりして話が進んでいくので、比較的分かりやすい演目だ。

物語は、吉原の三浦屋の格子先で髭の意休(ひげのいきゅう)が花魁の揚巻(あげまき)とを口説くところから始まる。しかし揚巻は意休を散々こけにしたあと店の中へと姿を消してしまう。そこへ花川戸助六(はなかわどすけろく)が花道から登場。実は助六は本名を曽我五郎時致(そがのごろうときむね)といって、源氏の宝刀“友切丸(ともきりまる)”を探し当てるため吉原を行く人々に日々喧嘩をふっかけているとんでもない男なのだ。助六は今日も元気に意休へ喧嘩を売るが、意休は相手にしない。どれだけ馬鹿にされても抜刀しないため、助六は意休の持つ刀こそが友切丸ではないかと疑いを持つ。試行錯誤してやっとのことで意休に刀を抜かせた助六は、それが友切丸であることを確信。意休が実は刀を盗んだ張本人だと知ると、助六は意休を倒し刀を取り戻して揚巻に助けられながら追っ手から逃げていくーー。

この演目の見どころは、女形の美しさや役者の掛け合いと助六の清々しいほどの男伊達っぷりにある。意休が揚巻を口説く場面での大勢の女形役者が居並ぶ光景は圧巻で思わずため息が出るほど美しいし、紫ちりめんのはちまきに赤いふんどし姿の助六が長唄に合わせて舞う場面や、意休の手下と喧嘩をする場面は助六の江戸っ子っぷりが出ていて粋でかっこいい。そして兄の曽我十郎(そがのじゅうろう)に喧嘩の指導をする場面で、男伊達な弟とは正反対の優男な兄が一生懸命助六をまねる姿がおもしろい。
登場人物の出で立ちが一様に派手で見ていて飽きないし、物語も単純で分かりやすく随所に笑いどころがあり、初めて歌舞伎を見るのに適している演目といえよう。
歌舞伎は事前に簡単なあらすじさえ押さえておけば誰でも十分楽しめるので、是非一度生で見てほしい。

現在、花川戸助六を市川海老蔵が演じて、歌舞伎座新開場「柿葺落六月大歌舞伎」(2013年6月3日~6月29日)にて上演中。(第三部の二「十二世市川團十郎に捧ぐ 歌舞伎十八番の内 助六由縁江戸桜 河東節十寸見会御連中」)

最後に歌舞伎うんちくをひとつ。
助六寿司の名前の由来はこの「助六由縁江戸桜」からきている。助六寿司の詰め合わせ、いなり寿司の「揚げ」と巻き寿司の「巻き」で、助六の恋人、揚巻となるからだそうだ。

歌舞伎座 OFFICIAL WEB SITEhttp://www.kabuki-za.co.jp/

■cast 
市川團十郎(十二代)
尾上菊五郎
市川左團次
市川段四郎
中村雀右衛門
ほか




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アダム・シャンクマン監督作品「ロック・オブ・エイジズ」 [●DVD]

2012年公開作品(原題「Rock of Ages」/2011年製作 アメリカ映画

夢を追う人も夢を見たい人も、夢に少し疲れた人も
この映画を見て、夢ってなにか確かめたい

[text●o.ayumi]

舞台は1980年代後半のアメリカ・ロサンゼルス。MTVが全盛のミュージック・シーンは“アメリカン・ドリーム”真っ盛りの時代だ。ちょうど私が生まれたばかりのころの話。
主人公は、ブロンドヘアのイケイケなネーチャンのシェリーと、ロックスターを夢見るドリュー。夢を抱いてロサンゼルスにやってきて、働きはじめた老舗ライブハウス“バーボンルーム”で起きる、ある出来事をキッカケに夢と現実に翻弄されていくふたりの話なのだが、それが遠い昔話のようで、けれどどこか現実味があって、グイグイと物語に引き込まれでしまうのだ。

もうひとりの主人公といって等しい、酒と女と入れ墨がトレードマークの伝説のロックヒーロー、ステーシー・ジャック。酸いも甘いも知り尽くし、地位、金、名声、すべてを手にしたからこそ、自らを失い堕落しかない闇のなかで生きる姿は、おぞましく、カッコいい。“甘いルックスを持ち危険な香りをプンプンさせた裸の王様”、かなりグッとくる。

この映画、時代は違えど、けっこういまの日本のライブ・ハウス・シーンにリンクするところがある。風営法の取り締まり、集客数、裏事情・・・、そしてライブ・ハウスを愛する客とスタッフの情熱! その問題を開けっぴろげに、ジョークを交えて展開されるのも見どころかな。

原作がブロードウェイ・ミュージカルというだけあって、80年代のロックがふんだんに差し込まれているのだが、エネルギッシュに感情むき出しに歌うシーンはオリジナルとは違った味があるし、映画を見た後は、ライブを見た後のような、轟音からスカッと解放されたような余韻に浸ることができた。個人的には物語中のどこかに出てくるstarshipの「We Built This City」がお気に入りだ。

ロックって最高にくだらない。だけど、最高にカッコよくてやめられない。最後まで希望を持ち、強く願い続ける。それもまたロックなのだと感じた作品だった。ロックに乾杯!

■cast 
ジュリアン・ハフ(シェリー・クリスチャン)
ディエゴ・ボネータ(ドリュー・ボレー)
トム・クルーズ(ステイシー・ジャックス)
ラッセル・ブランド(ロニー・バーネット)
ポール・ジアマッティ(ポール・ギル)
キャサリン・ゼタ=ジョーンズ(パトリシア・ホイットモア)
マリン・アッカーマン(コンスタンス・サック)
メアリー・J・ブライジ(ジャスティス・チャリアー)
アレック・ボールドウィン(デニズ・デュプリー)
ほか


■Track listing
01. Paradise City
02. Sister Christian/Just Like Paradise/Nothin' But A Good Time
03. Juke Box Hero/I Love Rock ‘n’ Roll
04. Hit Me With Your Best Shot(強気で愛して)
05. Waiting For A Girl Like You
06. More Than Words/Heaven
07. Wanted Dead Or Alive
08. I Want To Know What Love Is
09. I Wanna Rock
10. Pour Some Sugar On Me
11. Harden My Heart  Quarterflash
12. Shadows Of The Night/Harden My Heart
13. Here I Go Again
14. Can't Fight This Feeling(涙のフィーリング)
15. Any Way You Want It(お気に召すまま)
16. Undercover Love
17. Every Rose Has Its Thorn
18. Rock You Like a Hurricane
19. We Built This City(シスコはロック・シティ)/We're Not Gonna Take It
20. Don't Stop Believin'
[日本盤ボーナス・トラック]
21. シュガー・オン・ミー/シンガロング・バージョン
22. お気に召すまま/シンガロング・ヴァージョン
23. シスコはロックシティ/ウィア・ノット・ゴナ・テイク・イット/カラオケ
24. ドント・ストップ・ビリーヴィン/シンガロング・ヴァージョン


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宮崎駿監督作品「魔女の宅急便」 [●DVD]

1989年7月公開作品(スタジオジブリ制作 劇場アニメ)
原作 角野栄子著「魔女の宅急便/第1巻」


無意識のうちに人を感動させるキキのようになりたいし
彼女の周りにいる人たちのような懐の深さもほしい
魔女にはなれないけど、望みと勇気をもらえる物語

[text●o.ayumi]

先日あるバンドのライブを見たとき、映画「魔女の宅急便」の主人公・キキを思い出した。物語のクライマックス、トンボを救うために飛行船に立ち向かうシーン。危機迫る状況のなか、キキがとっさに空を飛ぼうとしたとき。キキは、自分を信じて神経を奮い立たせ、空へと飛び立った。そのときの力のこもった表情は美しくて頼もしくて。それがすっごく似ていた。

映画「魔女の宅急便」。エンディングテーマ曲の荒井由実(現・松任谷由実)の「やさしさに包まれながら」といえば、ノンアルコール飲料「のんある気分」のCM曲として使われたことが記憶に新しいが、その口ずさみたくなるようなカジュアルなポップ・ソングが物語を彩っていたっけ。相棒・ジジを連れて始まったキキの魔女修行は、順風満帆ではない。身寄りがいない街で信じることに臆病になって、キキは人のやさしさをなかなか素直に受け入れられない。けど、曲名のとおり、困難にぶつかってもキキはいつだって誰かの“やさしさに包まれながら”、ひとりで生きる術を身につけていく。
魔女といっても空を飛ぶことくらいがキキの取り柄。けれども、タダの人間じゃ不可能な空を飛ぶというロマンをしれっと叶えるキキは、知らず知らずのうちに人の心に魔法をかけてしまう。

世界を救うとか未知と遭遇するっていうような現実離れした話でもないし、実はすっごくハッピーな物語でもない。根拠のない自信を持った少女が現実に直面し挫折し、人との絆から自分を見つめて成長していく、結構リアルなヒューマンドラマなのだ。
空を飛ぶことで無意識のうちに人を感動させるキキのようになりたいし、登場する人々のような懐の深さもほしい。魔女にはなれっこないけど、望みと勇気をもらえる物語。

映画を初めて観たのは、キキより小さい子どもだったとき。主題歌「ルージュの伝言」や「やさしさに包まれて」を荒井由実が生んだのは、私が生まれるはるか前。でも心にずっと残っているし、大人になったいま観ても聴いても、驚くほど新鮮にうつるから、すごい不思議。

TOWER RECORDS ONLINE[宮崎駿]
TOWER RECORDS ONLINE「魔女の宅急便」

魔女の宅急便 [DVD]

魔女の宅急便

  • ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント
  • DVD

■cast 
高山みなみ(キキ/ウルスラ)
佐久間レイ(ジジ )
信沢三恵子(コキリ)
三浦浩一(オキノ)
山口勝平 (トンボ)
戸田恵子(おソノ)
ほか


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COBALT HOUR

COBALT HOUR

  • 荒井由実
  • EMIミュージック・ジャパン
  • 2000/04/26(LP-1975/06/20)
  • CD
■Track listing
01. COBALT HOUR
02. 卒業写真
03. 花紀行
04. 何もきかないで
05. ルージュの伝言
06. 航海日誌
07. CHINESE SOUP
08. 少しだけ片想い
09. 雨のステイション
10. アフリカへ行きたい


MISSLIM

MISSLIM

  • 荒井由実
  • EMIミュージック・ジャパン
  • 2000/04/26(LP-1974/10/5)
  • CD
■Track listing
01. 生まれた街で
02. 瞳を閉じて
03. やさしさに包まれたなら
04. 海を見ていた午後
05. 12月の雨
06. あなただけのもの
07. 魔法の鏡
08. たぶんあなたはむかえに来ない
09. 私のフランソワーズ
10. 旅立つ秋


魔女の宅急便 完結6冊セット (福音館創作童話シリーズ)

魔女の宅急便
完結6冊セット

  • 角野栄子著
  • 福音館書店(福音館創作童話シリーズ)
  • 2009/10/15
  • 単行本


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宮崎駿監督作品「風の谷のナウシカ」 [●DVD]

劇場アニメ(1984年3月11日公開)

どのような苦境に立っても
人には生きる力があるのだ
生き抜ける力を、備えているのだ

[text●h.mariko]

この映画が公開されたのは、1984年。私は、当時4歳という計算になる。
そんな昔の記憶は残らない。そう思っていたのだが、私はこの作品を見たことを、強烈に記憶している。

劇場で観た記憶ではない。よって、テレビで放映されたのを見たのだろう。
正確な年齢や月日は不明である。しかし、恐らく、小学生になる前だったのではないだろうか。

強烈であった。猛烈に、恐怖した。寝小便寸前の恐怖だった。
何が? 何がそんなに幼い私に恐怖を植えつけたのか?
絵である。
巨神兵(きょしんへい)が炎のなかを行列で歩く姿。
王蟲(オーム)を始め、蟲のグロテスクなデザイン、その大きさ。
腐海と呼ばれる、死の森。
酸の湖と呼ばれる、生命の住めない水。

物語はまったく理解できなかった。ただ、恐怖だけがしつこく残った。
しばらくダンゴムシさえ恐かった。トンボを見ては叫んだ。
が、ときめいたこともある。

キツネリスのテトがとても可愛かった。
当時飼っていたインコに肩に乗ってもらいたくて、挑戦しようとしては噛まれた。
ナウシカが凄まじくカッコよかった。輝いて見えた。
特に、メーヴェで颯爽と空を懸ける姿が。
一国の姫であり、うら若き乙女であるが、女傑であることには間違いない。
同じ女性として、憧れの存在であった。

今や押しも押されもせぬ人気と名声を得た宮崎駿氏の作品たち。私がジブリの作品が好きだと言うと、「そのなかの、どれがいちばん好き?」という質問をよくされる。
私は一も二もなく“ナウシカ”を推すのだが、意外にこれは人気がない。
やはり、幼いころに観て恐かった、という同年輩の人が多いのだ。だから、それ以降見たくない、と。
そして、後年に発表されている他の作品のほうが夢があるだとか、ほかの可愛いキャラクターが云々だとか、そういう感想を聞くことが多い。

そんな人々に、私は是非もう一度、今、大人になった今こそ、この作品に立ち向かってほしいと切に願う。

この映画の舞台は、“現代”から1千年が経過、栄華を誇った人間の文明はその知恵故に滅びた。残ったのは腐った空気、森、汚れた水ばかりの世界。マスクをつけねば生きていけない森も、その空気も、実は人間が作ったことを、我々はもっと重大に受け止めなくてはいけないのではないか。
虫は巨大化し、食物連鎖は崩れ、人間は下層に位置するようになる。そのなかで自然とともに歩み、自然と生き、生命の尊さを伝えんとせんこの作品のテーマは、子ども向けとは言い難いからだ。
いや、子どもが見て“恐怖”の感情を抱くのは自然なことだろう。
なぜなら、これは“現代”により近いからだ。
公害、大気汚染、水質汚濁、オゾン層破壊、気温の上昇・・・
世界的に“自然を守る”大切さを訴える声がやっと大きくなったのは、ここ数年である。
宮崎氏は、実に30年近く前から、警鐘を鳴らしていたのだ。
しかし同時に、宮崎氏は、人間の可能性の素晴らしさをも、この作品で描いている。
どのような苦境に立っても、人には生きる力があるのだ。生き抜ける力を、備えているのだ。自然の尊さと、人間の強さを、同時にこの作品で訴えている。相反するこのテーマを共存させたこの作品は奇跡といっても過言でないだろう。

なお、この作品は映画が有名であるが、個人的には漫画版をお勧めしたい。
漫画ではさらに複雑な展開を見せる上、映画で描かれているのは第2巻までなのだ。

この漫画作品の素晴らしさも、いつの日かご紹介したいと思う。
まずは、映画から興味をもっていただけたら、これ以上の幸せはない。
幼いころ見てそれっきりの人、見たことがない人、今まで興味がなかった人。

大人になったその“眼”で、もう一度、この作品と立ち向かってみてはいかがだろうか。

TOWER RECORDS ONLINE「風の谷のナウシカ」Blu-ray Disc

風の谷のナウシカ [DVD]

風の谷のナウシカ

  • ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント
  • DVD

■voice actor 
島本須美 (ナウシカ)
松田洋治 (アスベル)
榊原良子(クシャナ)
納谷悟朗 (ユパ)
京田尚子(大ババ)
家弓家正 (クロトワ)
辻村真人(ジル)
永井一郎 (ミト)
宮内幸平(ゴル)
八奈見乗児(ギックリ)
矢田稔(ニガ)
冨永みーな(ラステル)
ほか



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スティーヴン・フリアーズ監督作品「わたしの可愛い人 シェリ」 [●DVD]

2010年公開作品(原題「Chéri」/2009年製作 英・独・仏映画

年上の女性と若い男性の恋は
いつの時代も破滅的な運命を辿り
人々の興味をそそり立てる

[text●w.hikaru]

恋愛はつくづく賭けだと思う。
それは年齢に関係なく誰もが平等にリスクを伴う賭けだ。

近づく、近づかせる。または遠ざかる、遠ざける・・・
相手を意のままに操ることは、その関係に権力やお金が働く場合は割とスムーズだが、相手の心を操ることは何を働かせても不自由だ。

相手の心を動かすか、それとも自分の心を動かすのが先か。
恋愛にはそんな陳腐な悩みがついて回る。
しかし相手の心が動くとき、それが意中の相手であればあるほど、すでに自分の心は動いている。
この映画を見て、私は自分の心を動かすすべを知った。
それが前述の賭けである。
自分の心を賭けなければ、相手の心を動かすことはできない。
だが人の心は目には見えない。
相手の心を動かせたとき、自分がそばにいられるかなんて誰にも決められはしないのだ。

優美に生きることが美徳とされたベル・エポック時代のパリで悠々自適な生活を送る元高級娼婦が、元同業者の息子を預かる。夢中になってしまうには年を取り過ぎた元娼婦は6年の歳月を若い愛人と自堕落に過ごすが彼の結婚でふたりは引き裂かれる・・・
恋愛モノの王道を行くようなストーリーは、自身も自由気ままでスキャンダラスな人生を送った20世紀パリの女流作家、コレット原作の「シェリ」
年上の女性と若い男性の恋はいつの時代も破滅的な運命を辿り、人々の興味をそそり立てる。

駆け引きには慣れっこの元高級娼婦ですら、真の愛に気づいたときにはすでに自分の心を差し出している。
そのがんじがらめな不自由さと、若さゆえの無尽蔵な欲望の対比が絶妙な無常観を醸し出している。甘美なまでに時代背景を再現した映像美も秀逸。

120413.jpg

わたしの可愛い人-シェリ

  • オンリー・ハーツ
  • DVD
■cast 
ミシェルファイファー(レア・ド・ロンヴァル)
ルパート・フレンド(シェリ、フレッド・プルー)
フェリシティ・ジョーンズ(エドメ)
キャシー・ベイツ(シャルロット・プルー)
イーベン・ヤイレ(マリ=ロール)
アニタ・パレンバーグ(ラ・コピーヌ)
ほか


シェリ (岩波文庫)

シェリ

  • コレット著/工藤庸子訳
  • 岩波書店(岩波文庫)
  • 1994/03/16
  • 文庫

シェリの最後 (岩波文庫)

シェリの最後

  • コレット著/工藤庸子訳
  • 岩波書店(岩波文庫)
  • 1994/04/18
  • 文庫

シェリ (声に出して読む翻訳コレクション)

シェリ
声に出して読む翻訳コレクション

  • コレット著/工藤庸子訳
  • 左右社
  • 2010/09/30
  • 単行本(ソフトカバー)





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宮崎駿監督作品「天空の城ラピュタ」 [●DVD]

1986年8月2日公開作品(スタジオジブリ制作 劇場アニメ

人は土から離れては生きられない
便利なのはよいことだが、便利すぎる文明とは
身を滅ぼす原因にさえなるのかもしれない

[text●h.mariko]

男っぽい外見が女心をくすぐるようなナイスガイと、飲む機会があった。彼は行きつけの店のバーテンダーで、店ではいつもお洒落なカクテルを作ってくれ、細かいところに目が行き届く、正に接客業のプロだった。

が。彼は、“お店での顔”を脱いでみれば、普通のにーちゃんだった。彼がお店を辞めてしまってからは会う機会もなくなったが、飲み会での彼のひと言が忘れられず、ずっと覚えている。もう、10年も前のことだ。

「好みのタイプは、絶対、絶対、絶対、シータ!!」

彼は、外見に似合わず(?)「天空の城ラピュタ」の大ファン、いや、オタクであったのだ。

その後社会に出た私は、男性から圧倒的に支持されるシータの人気に驚いた。
「あのしっかりっぷりがたまらない」
「絶対尽くしてくれるタイプだ」
「芯が強そうなところがいい」
・・・エトセトラエトセトラ。

その、「天空の城ラピュタ」である。シータ人気にしてもそうだが、私の周りにはこの作品のファンが多い。ストーリーのメリハリといい、キャラクターの個性といい、見ていて楽しい部分と、考えさせられるようなテーマがそれぞれバランス良く配置されているところがその秘密でないかと思っている。

シータを助ける、炭坑夫助手のパズー。両親を早くに亡くしているが、とてもしっかり者である。シータの持つ飛行石は、彼女の家に代々伝わるいわば家宝である。それを、ある日やってきた黒い眼鏡の男(ムスカ)に奪われ、彼女までが拉致される。その途中を、空賊のドーラ一家が襲う。シータは追われながらも終止自分を見失わず、道を切り開く。それを全力でサポートするパズー。ふたりの絆は強まり、揺るぎないものとなる。
パズーにも夢があった。飛空挺乗りだった父が目撃した、“ラピュタ”を見つけることだ。父はラピュタ目撃談を語ったが、世間には受け入れられず詐欺師扱いされた過去がある。今はもういない。その汚名をそそげるのは自分だけ、パズーは父を誇りに思う気持ちとともに、そう思っているのだろう。

敵(?)であるはずのドーラ一家が、またいい。シャルル、ルイ、アンリのマザコン三兄弟といい、女手ひとつで賊を仕切るドーラの強さといい、笑いと感動が混ざりあっている、正に“いい家族”のお手本である。

そんな彼らを結びつける“ラピュタ”。
ラピュタは存在していた。しかし、宝島や夢の詰まった場所ではなく、科学が集結した恐るべき兵器とも呼べる場所であるという、おとぎ話では終わらせない宮崎監督の手腕。
そして、最高の敵ともいうべきムスカ大佐が、また大人気である。シータほどではないのだが、なぜか、男性はあの圧倒的なオーラに好感を抱くらしい。私の周りにもファンが大勢いる。そのムスカの野望を阻む主人公ふたりの純粋さに胸ときめかせるのが、この作品の正当(?)な楽しみ方ではあると、思うのだが。

天空に住む、空に浮かぶ城、空飛ぶ島でもいい、人は空に憧れて生きてきた。現代科学がここまで進み、人は空を飛び出して宇宙まで行ってしまった。空とは儚い場所であり、そこに住むなど言語道断、無理な場所なのであると知ってしまったはずの我々が、どうしてこの作品にこれほどまでの愛着と感動を覚えるのだろう? 

ラピュタでは人が離れても尚、在り続けた。しかし、建造物だけが残っていても、それはただの廃墟である。天空の城ラピュタは、建造物のなかにあった樹が巨大になり、人の創った柱をすら飲み込み、支えていた。人などが存在していなくても城が在り続けたのは自然の営みであり、そこに棲みついたのは鳥や動物たちだった。
便利なのはよいことだが、便利すぎる文明とは、身を滅ぼす原因にさえなるのかもしれない。作中でシータの語る、ゴンドアの古い歌によれば、人は土から離れては生きられないのだそうだ。このひと言に、すべてが凝縮されているように感じてならない。

上ばかり見ていては、首が疲れる。ときおり下を見て、大地の実りに感謝し、大地の上に足をしっかと支えて立つことが大切なのだ、というのが、この物語のテーマではないかと、思うのだ。

TOWER RECORDS ONLINE「天空の城ラピュタ」

天空の城ラピュタ [DVD]

天空の城ラピュタ

  • ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント
  • DVD

天空の城ラピュタ [Blu-ray]

天空の城ラピュタ

  • スタジオジブリ
  • Blu-ray
■voice actor 
田中真弓(パズー)
よこざわけい子(シータ)
初井言榮(ドーラ)
寺田農(ムスカ)
永井一郎(モウロ将軍)
常田富士男(ポムじいさん)
神山卓三(シャルル)
安原義人(ルイ)
亀山助清(アンリ)
ほか


小説 天空の城ラピュタ〈前篇〉 (アニメージュ文庫)

小説 天空の城ラピュタ〈前篇

  • 宮崎駿原作/亀岡修著
  • 徳間書店(アニメージュ文庫)
  • 1986/05
  • 文庫

小説 天空の城ラピュタ〈後篇〉 (アニメージュ文庫)

小説 天空の城ラピュタ〈後篇〉

  • 宮崎駿原作/亀岡修著
  • 徳間書店 (アニメージュ文庫)
  • 1986/08
  • 文庫

天空の城ラピュタ (徳間アニメ絵本)

絵本 天空の城ラピュタ

  • 宮崎駿作
  • 徳間書店(徳間アニメ絵本)
  • 1988/03
  • 大型本

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オリヴァー・ヒルシュビーゲル監督作品「ヒトラー〜最期の12日間〜」 [●DVD]

2005年公開作品(原題「Der Untergang」/2004年製作 ドイツ、オーストリア、イタリア映画

ヒトラーを“ひとりの人間”として描いたことで
その背景にあるさまざまな問題をより身近なものとして
考えるさせられた作品

[text●o.b_05]

舞台は、1945年のベルリン(ベルリン陥落の直前)。迫りくるソ連軍の砲火から逃れようと、独裁者アドルフ・ヒトラーはドイツ首相官邸の地下にある堅牢な要塞へ身を隠す。しかし、ナチスは崩壊し、ヒトラーはついに敗北を覚悟する。そしてヒトラーは愛人エヴァ・ブラウンと結婚式を行ない、翌日にピストル自殺する・・・。その最期の12日間の出来事が、ヒトラーの個人秘書であったトラウドゥル・ユンゲの回想録に基づき、彼女の視点を中心に描かれていく。

この映画は、アドルフ・ヒトラーという人物を知り、考えるうえでの新たな入口となる作品だ。ヒトラーというとすぐに、あのホロコースト(彼の指示により600万人以上のユダヤ人が組織的に殺害された)を連想し、“狂人”、“モンスター”といったイメージが先行してしまいがちである。そして、そのイメージは彼を人間離れさせ、僕らとの距離を作り、“ヒトラーとは何か?”を考えるうえで、ひとつの大きな壁となってしまう。
しかしこの映画は、そのような壁を取り払っている。というのも、ここではホロコーストには一切触れず、また戦争映画にはつきものの派手な戦闘シーンもほとんど描かれていない。ただただ、ヒトラーの隠れる地下要塞をクローズアップし、たとえば、そこでヒトラーが飼い犬を可愛がる姿や秘書らに気を配る姿、地上で戦う自国軍の惨状を知り、焦り、しだいに意気消沈していく姿が映し出されているのだ。つまり彼の、より人間臭い部分に焦点があてられている。よって、いつしか先入観は薄れ、自分とスクリーンのなかの彼が重ね合わさり、感情移入することさえ可能になる。それがこの映画の凄味である。

ヒトラーを“モンスター”ではなく、“ひとりの人間”として描く。そうすることで彼がより身近になり、その背景にある問題をより身近なものとして考えることができる。そういった意味において、これはまさに“新たな入口”となった映画だったのだ。

TOWER RECORDS ONLINE[オリヴァー・ヒルシュビーゲル]
TOWER RECORDS ONLINE「ヒトラー〜最期の12日間〜」

■cast 
ブルーノ・ガンツ(アドルフ・ヒトラー)
ユリアーネ・ケーラー(エヴァ・ブラウン)
アレクサンドラ・マリア・ララ(トラウドゥル・ユンゲ)
ハイノ・フェルチ(アルベルト・シュペーア
ウルリッヒ・マテス(ヨーゼフ・ゲッベルス)
コリンナ・ハルフォウフ(マグダ・ゲッベルス)
ウルリッヒ・ネーテン(ハインリヒ・ヒムラー)
ディーター・マン(ヴィルヘルム・カイテル)
クリスチャン・レドル)アルフレート・ヨードル)
ほか


ヒトラー 最期の12日間

ヒトラー 最期の12日間

  • ヨアヒム・フェスト著
  • 岩波書店
  • 2005/06/21
  • 単行本

私はヒトラーの秘書だった

私はヒトラーの秘書だった

  • トラウデル・ユンゲ著
  • 草思社
  • 2004/01/25
  • 単行本


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リュック・ジャケ監督作品「皇帝ペンギン」 [●DVD]

2005年公開作品(原題「La Marche de l'empereur」/2005年製作 フランス映画

南極の冬という極寒の大地で
命をかけて愛と生命を守りぬく
皇帝ペンギンの物語

[text●n.s_05]

自然という恵みと脅威のなかで生きている皇帝ペンギン。
南極の夏の終わり、まるまると太った皇帝ペンギンが繁殖のために、
海に別れを告げ氷丘のオアシスに集まる。
そして愛しあい、
卵を産み終えたメスはエサを蓄えるために海にもどり、
オスは、マイナス40度という極寒、
時速250キロのブリザードのなか身を寄せあい氷で口を潤しながら、
お腹で卵を温め続ける。
120日の絶食、体重の5分の1を失い、
それでも体を削り卵から孵ったヒナにエサを与える。
これは、そんな過酷な自然のなかを生きるペンギンの生きざまを
8880時間という長い撮影期間をかけ描いたドキュメント物語だ。

ひと冬ペンギンたちが必死に守り抜いてきたヒナが卵から孵る瞬間は
感動を覚える。
必死に生きる、必死になって子どもを育てる。
ペンギンも人間も、本来なんら変わりはない。
命に代えてでも、子どもを守りぬく。それは生き物の本能なのだろう。
ただただペンギンの可愛さを見るという楽しみかたもある。
けれど加えて、
いま私たちが学ぶべき姿も、
そこにはしっかりと映し出されている作品だ。

TOWER RECORDS ONLINE[リュック・ジャケ]
TOWER RECORDS ONLINE「皇帝ペンギン」

皇帝ペンギン [HD DVD]

皇帝ペンギン

  • ギャガ・コミュニケーションズ
  • HD DVD
■voice actor 
ロマーヌ・ボーランジェ/石田ひかり(母ペンギン)
シャルル・ベルリング/大沢たかお(父ペンギン)
ジュール・シトリュク/神木隆之介(子ペンギン)





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合田隆信監督作品「無知との遭遇 CLOSE ENCOUNTERS OF THE STUPID」 [●DVD]

2010年公開作品 日本映画 TBSテレビ 吉本興行製作

底なしの純粋さ(=アホさ)が世界を救う?!
愛と笑いに溢れた壮大すぎるSF巨編ドッキリ!!

[text●i.akira]

コアなお笑いファンから注目を集め続けているコンビ“野性爆弾”のひとりであるロッシー。脅威のド天然と滑舌の悪さで幾多もの爆笑を取ってきた彼が、ついに映画初主演!それもSF超大作! しかし、それはすべて本人の知らない(気づかない)ところで進行していた、壮大なるドッキリだったのである。

仕掛け人である監督と千原ジュニアのふたりがドッキリの打ち合わせをしている映像を織り交ぜながら進むという変わったつくりの本作は、ジュニアのニセ冠番組「ジュニ散歩」で、彼と一緒に幾多のUFO目撃談があるという小さな町をロケして回ることになったロッシーが、そこで起きるいくつかの不可解な事態を、キラキラした目でみごとにすべて受け入れていくさまを映している。
チープなミステリー・サークル、村人たちの謎の怪我、力石(ちからいし)と呼ばれる石と伝説、突然の爆発と助けを乞う村人たち、異星の女王との対面、必殺技の練習、先輩であるジュニアからの衝撃の告白、そして敵との決戦・・・。物語は宇宙戦争にまで広がり、選ばれし勇者となったロッシーは、世界を救うため全力で戦いに挑む・・・。
突っ込みどころが多すぎて「ウソだろ?」の連続なのだが、エンディングを観ればロッシーがいかに純粋でまっすぐなのかがわかるだろう。こんなにも純粋でアホな男は見たことがない。むしろピュアすぎて、後半は笑うというよりもちょっとウルッときてしまう。すごくバカげた作品にも関わらず、なんだか胸が温かくなってしまった。また、笑ったら終わりの状況下で、くだらない仕掛けのなか、必死かつまじめに演技をするジュニアやエキストラの方々の好演も光る。

愛すべき男、ロッシーの勇敢な姿をその目で確認してほしい。ピース・ザ・コスモス!

TOWER RECORDS ONLINE「無知との遭遇 CLOSE ENCOUNTERS OF THE STUPID」

無知との遭遇 CLOSE ENCOUNTERS OF THE STUPID [DVD]

無知との遭遇
CLOSE ENCOUNTERS OF THE STUPID

  • よしもとアール・アンド・シー
  • DVD
■cast 
千原ジュニア(千原兄弟)
ロッシー(野性爆弾)
ほか



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ブライアン・デ・パルマ監督作品「スカーフェイス」 [●DVD]

1984年公開作品(原題「Scarface」/1983年 アメリカ映画

ギャング・マフィア映画の金字塔
そこには豪快な生き方と豪快な死に方があるだけ
コレ観て何も感じない男はXX野郎だ!

[text●o.seiki]

世界中のラッパーがなんらかの影響を受けている、
と言っても決して過言ではない骨太マフィア映画。

反カストロ主義者としてキューバから追放され
マイアミに流れてきたトニー・モンタナ(アル・パチーノ)が、
ドラッグのディーラーとして成り上がっていく姿を
バイオレンスに描く。
息つく間もない、まばたく間もない170分。
そこには豪快な生き方と豪快な死に方があるだけ。

とにかく、アル・パチーノの男くっさい演技が炸裂しまくり。
がつがつのし上がって、そして最期は派手に散る、圧巻の狂い咲き人生。

シカゴの暗黒街の帝王、
アル・カポネ(=スカーフェイス)の事件をモデルにした
1932年の映画「暗黒街の顔役」のリメーク版にして、
後への影響も含め、ギャング・マフィア映画の金字塔である。

コレ観て何も感じない男はXX野郎だ!
成り上がりの美学ここにあり!

TOWER RECORDS ONLINE[ブライアン・デ・パルマ]
TOWER RECORDS ONLINE「スカーフェイス」

■cast 
アル・パチーノ(トニー・モンタナ)
スティーブン・バウアー(マニー・リベラ)
ミシェル・ファイファー(エルビラ・ハンコック)
メアリー・エリザベス・マストラントニオ(ジーナ・モンタナ)
ロバート・ロギア(フランク・ロペス)
ポール・シェナー(アレハンドロ・ソーサ)
F・マーリー・エイブラハム(オマー・スアレス)
ほか




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ジョエル・シューマカー監督「オペラ座の怪人」 [●DVD]

2005年日本公開作品(原題「The Phantom of the Opera」/2004年製作 アメリカ映画

自分の最高傑作「オペラ座の怪人」を永遠に残るものにしたい
アンドリュー・ロイド=ウェバーの夢を叶えた名作

[text●a.m 05]

1870年代のパリ。華やかな舞台でにぎわうオペラ座では、ファントム(オペラ座の怪人)のしわざとみられる事件が頻発していた。そのファントムを、亡き父が授けてくれた“音楽の天使”と信じていたクリスティーヌは、代役として新作オペラの主演に抜擢され、喝采をあびる。幼なじみのラウルも祝福に訪れ、ふたりは再会を喜びあう。だがその直後、ファントムが現われクリスティーヌをオペラ座の地下深くへと連れ去ってしまう・・・。

“自分の最高傑作「オペラ座の怪人」を永遠に残るものにしたい”。作曲家アンドリュー・ロイド=ウェバーの夢が、このDVDの発売により、ついに実現した。
ご存知のとおり「オペラ座の怪人」は、舞台ミュージカル作品だ。なかでも彼が作曲・脚本を手がけた、いわゆる“アンドリュー・ロイド=ウェバー版”は全世界で8000万人を動員した、世界でいちばん有名なミュージカルだと言われている。それが、先に述べた彼の夢の実現のために、ジョエル・シューマカー監督のもと映画化、日本では2005年1月に上映されたのである。

この作品の見どころは、なんといってもその美しさ。豪華絢爛なセットにきらびやかな衣装。総勢100人のオーケストラが奏でる壮大な音楽。主演3人の、吹き替えなしの圧倒的な歌唱力。そしてなにより“哀しくも美しい愛の物語”と、称されているそのストーリーだ。とくに、愛を知らないファントムが、クリスティーヌから愛し愛されることを教えられるラスト・シーンは、観る者すべての胸を熱くするだろう。

ロイド=ウェバーがこの作品の映画化に乗り出してから、公開にいたるまでには、実に20年近くかかったそうだ。だが長い歳月がかかったぶんだけ、この作品には彼の強い思いが込められている。映画史に残るこの名作を観て、最高の形で実現されたロイド=ウェバーの“夢の証人”になってみるのはどうだろうか。

TOWER RECORDS ONLINE[ジョエル・シューマカー]
TOWER RECORDS ONLINE「オペラ座の怪人」スペシャル・エディション


オペラ座の怪人 通常版 [DVD]

オペラ座の怪人
通常版

  • メディアファクトリー
  • DVD
■cast 
Gerard Butler/ジェラルド・バトラー(ファントム)
Emmy Rossum/エミー・ロッサム(クリスティーヌ)
Patrick Wilson/パトリック・ウィルソン(ラウル)
Miranda Richardson/ミランダ・リチャードソン(マダム・ジリー)
Minnie Driver/ミニー・ドライヴァー(カルロッタ)
Jennifer Ellison/ジェニファー・エリソン(メグ・ジリー)
Ciarán Hinds/キーラン・ハインズ(フィルマン)
Simon Callow/サイモン・キャロウ(アンドレ
ほか




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井上陽水「井上陽水 CONCERT 1999~2001 UNITED TOUR」 [●DVD]

DVD 2001.12.05. release

驚かされることへの期待と
現実から離れられることができるひとときと
現実を突きつけられる衝撃と痛み

[text●f.shinobu/k.ray]

井上陽水の音楽を語るには、“不思議”のひと言がピッタリのような気がしてならない。いや、“不思議”以外のことばで表現するのは難しいから、そんなあいまいなことばでごまかすしかないのだ。
“繊細”で、“ユニーク”で、“セクシー”で、“ノスタルジック”で、“都会的”な、音楽。彼の音楽について語るとき、まったく逆の意味を持つことば(形容詞)が浮かぶのは、彼の音楽のテイストが1曲1曲まるで違うからだろう。
2001年に発売されたDVD「井上陽水 CONCERT 1999~2001 UNITED TOUR」に収められているデビューから30年間の軌跡のなかから厳選された名曲の数々を、いま改めて視聴してみても、やはりその思いは変わらない。もちろん懐かしくもあるのだが、曲が持つ威力はいまも色あせず、新しい発見と感動をもたらすのだ。
「少年時代」では郷愁を誘い、「リバーサイドホテル」では孤独な男の心情に触れ、「傘がない」では不安になり、「最後のニュース」ではいまでも戦争や紛争に苦しむ世界への警告が胸に突き刺さる。
1969年にアンドレ・カンドレとしてデビュー。1972年3月にシングル「人生が二度あれば/断絶」で再デビュー以来、日本が誇るシンガーでありながらあぐらをかくような態度をとることなく音楽(をとおして人生や世の中)と向き合ってきた陽水の、その姿勢におごりは微塵も見あたらない。そして生まれる音楽は、つねに奇抜、斬新、奇想天外。思いがけないフレーズと予想不可能なメッセージで聞き手を驚かせる。
驚かされることへの期待と、現実から離れられることができるひととき、現実を突きつけられる衝撃と痛み。そうして視聴するたびになにか霧が晴れた思いにさせられる“不思議”。

OFFICIAL WEB SITE→ http://www.y-inoue.com/

TOWER RECORDS ONLINE[井上陽水]
TOWER RECORDS ONLINE「井上陽水 CONCERT 1999~2001 UNITED TOUR」

UNITED TOUR YOSUI INOUE CONCERT 1999~2001 [DVD]

井上陽水 UNITED TOUR YOSUI INOUE CONCERT 1999~2001

  • フォーライフ ミュージックエンタテイメント
  • DVD
■Track listing
01. 少年時代/1999年 国際フォーラム
02. 娘がねじれる時/1999年 国際フォーラム
03. Make-up Shadow/1999年 国際フォーラム
04. コーヒー・ルンバ/2001年 NHKホール
05. 帰れない二人/1999年 国際フォーラム
06. リバーサイドホテル/1999年 国際フォーラム
07. いっそセレナーデ/1999年 国際フォーラム
08. バレリーナ/2001年 NHKホール
09. My House/2000年 緑山スタジオ
10. あどけない君のしぐさ/2000年 緑山スタジオ
11. カナリア/1999年 国際フォーラム
12. とまどうペリカン/1999年 国際フォーラム
13. ミスキャスト/2001年 NHKホール
14. タイランドファンタジア/2001年 NHKホール
15. 花の首飾り/2001年 NHKホール
16. 傘がない/2001年 NHKホール
17. 氷の世界/1999年 国際フォーラム
18. 最後のニュース/1999年 国際フォーラム
19. 海へ来なさい/2001年 NHKホール
20. クレイジーラブ/2001年 NHKホール
21. 招待状のないショー/2001年 NHKホール
22. 心もよう/2001年 NHKホール
23. 長い坂の絵のフレーム/2000年 緑山スタジオ


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LUNA SEA「REBOOT ―to the New Moon― 24th December.2010 at TOKYO DOME」 [●DVD]

LUNA SEA 20th ANNIVERSARY WORLD TOUR
REBOOT ―to the New Moon―
24th December.2010 at TOKYO DOME

DVD & Blu-ray 2011.4.13 release

終幕から10年後の東京ドーム
何よりも、カーテンコールで見せた充実感あふれる笑顔が
この日のライブの成功を物語っていた

[text●o.izumi]

2010年12月23日・24日、オフィシャルサイトでのREBOOT(=再起動)予告から7か月、ワールド・ツアー“LUNA SEA 20th ANNIVERSARY WORLD TOUR REBOOT ―to the New Moon―”(世界4か国8公演)のファイナルとして、5人が東京ドームに帰ってきた。このアルバムには、24日の模様を収録。

歓声のなか、ベートーベンの「月光」をアレンジしたSE「月光 -Opening SE- 」が流れる。暗闇から、J、INORAN、真矢、SUGIZO、RYUICHIの順にゆっくりと登場。

“新しい時が 始まろうとしてる 胸騒ぎのする 今夜は”
ライブの幕開けにふさわしい歌詞の「Time Has Come」で、この日はスタート。2曲目の「Dejavu」で特効が上がり、早くも弦楽器隊3人が花道へ繰り出し、駆け回る。

「みんな、会いたかったぜー!約10年の時を待ち続けてくれたみんなに、1曲1曲を通して思いをぶつけていきたいと思います」
この日を待っていたのは、ドームに集まった5万人のSLAVE(ファン)だけでなく、彼ら5人も同じだろう。

“Jesus, don't you love me?”
イントロの真矢の力強いドラムとSUGIZOのリフがかっこ良い「JESUS」。アウトロで聴けるRYUICHIとJの掛け合いは、RYUICHIの声とJの低い声が対象的でおもしろい。さらに、SUGIZOのコーラスが美しい「END OF SORROW」、5万人がドーム一面に手を振る姿が圧巻の「SHINE」とシングル曲が続く。

「FACE TO FACE」から、LUNA SEAのコアな部分が感じられる中盤へ。緑の照明が似合う「gravity」は、INORANのクリーントーンと重く緩やかに流れるベースラインが刹那的で、「Providence」では、静寂のなか、RYUICHIの声とSUGIZOのヴァイオリンが美しく共鳴していく。そして、中盤を締めくくる「GENESIS OF MIND~夢の彼方へ~」。この曲をライブで再現するためにつくられた、トリプルネックのギターを持つSUGIZO。上から、12弦・フレットレス・6弦のこのギターを自在に操る姿は、ライブ中には細かく確認できなかったが、このDVDで存分に堪能できる。激しい曲で盛り上がるのももちろんいいが、彼らそれぞれの魅力が感じられる中盤部も、LUNA SEAのライブの醍醐味だと思う。

ちょっとエキゾチックな曲に合わせて始まる、気迫溢れるドラム・ソロ。真矢の音と5万人のSLAVEのコール&レスポンスは、もう大定番。そして、ベースを弾きながらJがセンターへ現われ、重低音が小気味よいリズム隊タイムへ。Jが客席を煽ると、男性と女性の2層の歓声が聞こえてくるのは、男性ファンも多いJならではだろう。

「東京ドーム、聞こえるかー?いけるかー?1・2・3・4!!」
Jのカウントで他の3人も登場。そのまま「IN FUTURE」へ。ブレイクの部分で、SUGIZOやRYUICHIが遊び心溢れるパフォーマンスをし、他メンバーがそれを笑顔で見ている場面も。アリーナの真ん中につくられたサブステージで歌う「I for You」で、10年待っていたSLAVEへ感謝の想いを届ける。そして、「TIME IS DEAD」や「ROSIER」といった定番曲でドームを熱狂に包み込み、その勢いのまま「TONIGHT」で本編が終了。

アンコール代わりに「きよしこの夜」を歌うSLAVEたち。ステージに登場したRYUICHIが、
「俺たちは5人でグルーブしてるけど、皆は5万人でグルーブしてるからかっこいいよね」
と言うとおり、まばらだった歌がだんだんとドーム全体に響き渡っていく様は圧巻だった。「LOVE SONG」の演奏後に、ステージ上方に浮かんだ“Merry Christmas”の文字。5人からSLAVEへのクリスマス・プレゼントなのだろう。そして、キラキラした銀テープが雪のように舞う「WISH」で、“LUNA SEA”の2daysは終わりを迎えた。

「MOTHER」のピアノバージョンが流れるなか、RYUICHIが言う。
「燃え尽きた。明日生まれ変わるために燃え尽きた。明日はこのルナシー(LUNA SEA)はいない、別のルナシー(LUNACY)で」
と、翌日の黒服限定ギグを示唆する。終幕から10年後の東京ドーム。あのころよりも、笑顔が増え、メンバーそれぞれがのびのびと演奏しているように見えた。何よりも、カーテンコールで見せた5人の充実感あふれる笑顔が、この日のライブの成功を物語っている。

10月22日には、さいたまスーパーアリーナで約10か月ぶりのライブ“東日本大震災復興支援チャリティライブ LUNA SEA For JAPAN A Promise to The Brave ”が行なわれる。そこでどんな5人の姿が見られるのか。それまでは、このDVDを見ながら、楽しみに待ちたいと思う。

OFFICIAL WEB SITE→ http://www.lunasea.jp/

TOWER RECORDS ONLINE[LUNASEA]
TOWER RECORDS ONLINE「REBOOT ―to the New Moon― 4th December.2010 at TOKYO DOME」

■Track listing
01. 月光 -Opening SE-
02. Time Has Come
03. Déjàvu
04. JESUS
05. END OF SORROW
06. SHINE
07. FACE TO FACE
08. gravity
09. RAIN
10. Providence
11. GENESIS OF MIND~夢の彼方へ~
12. Drum Solo -楊貴妃 -
13. Bass Solo holy session '10 -beast beat-
14. IN FUTURE
15. I for You
16. STORM
17. DESIRE
18. TIME IS DEAD
19. ROSIER
20. TONIGHT
21. IN SILENCE
22. BELIEVE
23. LOVE SONG
24. PRECIOUS...
25. WISH
26. Curtain Call



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カイル・ニューマン監督作品「ファンボーイズ」 [●DVD]

2010年日本公開作品(原題「Fanboys」/2008年製作 アメリカ映画

「スター・ウォーズ」を愛するすべての人に捧ぐ
オタクな僕らの「スタンド・バイ・ミー」

[text●i.akira]

1999年、数多くの熱狂的ファンを生み出した映画史に残る一大サーガの序章が、前作から16年という月日を経て公開された。「スター・ウォーズ」の最初の物語である「スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス」(以下エピソード1)である。僕も公開初日に観に行ったが、あのときの期待と興奮と熱狂は忘れることができない。コスプレをした人、パンフレットに穴が空くほど目を通す人、ただじっとその瞬間を静かに待つ人、テーマ曲を口ずさむ人・・・それぞれにそれぞれの愛を持ってその日を待っていたのである。そして、その瞬間はやってきた・・・。

本作はそんな「スター・ウォーズ」を愛して止まないオタクな青年4人を中心とした青春コメディである。「エピソード1」公開まであと半年と迫っているにもかかわらず、仲良し4人組のひとりが病により余命3か月と宣告されてしまった。そこで彼のため、スカイウォーカーランチ(ルーカス・フィルム・スタジオの総称)に忍び込んで「エピソード1」のフィルムを盗むという無謀なチャレンジに挑むため、大冒険に出発するのである。
シリーズを知っている人にとっては大爆笑まちがいなしの、スター・ウォーズ愛に溢れた名作だ。青春映画という意味では、個人的には「スタンド・バイ・ミー」より笑えたし、泣けた。ファンをニヤリとさせてくれるパロディや言動、カルトなクイズなどもおもしろいし、「スター・ウォーズ」と双璧を為すSF大作「スター・トレック」ファンとのバカバカしい対決なども見どころである。また、カメオ出演者の豪華さも特徴で、旧3部作のヒロインであるレイア姫役のキャリー・フィッシャーや、ハン・ソロの旧友であるランド役のビリー・ディー・ウィリアムス、「エピソード1」の悪役であるダース・モール役のレイ・パーク、さらには「スター・トレック」のカーク船長で知られるウィリアム・シャトナーまで登場! 物語に最高の味つけを加えてくれる。

きっと「スター・ウォーズ」を知らなくても楽しめる作品だと思う。というより、これを観れば「スター・ウォーズ」のことも好きになっていることだろう。そして個人的には最後のセリフにはグッときた。賛否両論を巻き起こした「エピソード1」を集約した言葉だと思う。気になる方は、ぜひDVDで確認してもらいたい。

TOWER RECORDS ONLINE「ファンボーイズ」

ファンボーイズ [DVD]

ファンボーイズ

  • ケンメディア
  • DVD
■cast 
サム・ハンティントン
クリス・マークエット
ダン・フォグラー
ジェイ・バルチェル
クリステン・ベル
キャリー・フィッシャー
ウィリアム・シャトナー
レイ・パーク
ビリー・ディー・ウィリアムズ


ジョージ・ルーカス監督 1999年公開 アメリカ映画
■cast 
リーアム・ニーソン
ユアン・マクレガー
ナタリー・ポートマン
ジェイク・ロイド
イアン・マクダーミド
ペルニラ・アウグスト
オリヴァー・フォード・デイヴィス
ヒュー・カーシュル
アーメド・ベスト
フランク・オズ


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柳楽優弥主演映画「星になった少年」 [●DVD]

2005 年公開作品(日本映画
原作 坂本小百合著「ちび象ランディと星になった少年」

きっと、本当に動物を愛して
母を家族を愛していたんだろうなぁと思ったら
最後は涙が止まらなかった

[text●h.mariko]

“カンヌ国際映画映画祭主演男優賞(最年少)受賞”ってすごい肩書きをデビュー映画(「誰も知らない」/2004年)にしてつけられた 柳楽優弥。彼の主演第2作の演技を見たかったのと、テーマが自分好みっぽかったので、観ることにした。 

私は、たぶん犬と話ができる。犬の考えてることなら大体わかるし、たぶん犬も私が考えてることをわかってくれる。犬でなくても、動物を飼っている人なら誰しもが感じたことがあるだろう。それは猫だって鳥だって同じ。こっちが愛情をもって接していれば、絶対それをわかってくれるのが、動物だ。
でも、私は、実際は、犬と会話はできない。 

この映画のストーリーの土台となっている青年は、象と会話ができたそうだ。そもそも、象は人間とは違う周波の音で会話ができるそうな。彼にはその声が聞こえたんだろうか。
若いからこそ動ける原動力とは違った力で生きていた少年。きっと、本当に動物を愛して、母を家族を愛していたんだろうなぁと思ったら最後は涙が止まらなかった。

なになに賞を取った、とかではなく、本当にスクリーン栄えする俳優だなぁと思った柳楽のこれからも楽しみだ。
何よりも心が洗われるような、でもずしりと重みを残す映画。この荒んだ世の中、こういう人間は必要だったんだろうなぁ・・・。

TOWER RECORDS ONLINE[柳楽優弥]
TOWER RECORDS ONLINE「星になった少年」


■cast 
柳楽優弥(小川哲夢)
常盤貴子(小川佐緒里)
高橋克実(小川耕介)
蒼井優(村上絵美)
倍賞美津子(藤沢朝子)
於保佐代子(小川紀)
加藤清史郎(小川貴生)
ほか


ちび象ランディと星になった少年

ちび象ランディと星になった少年

  • 坂本小百合著
  • 文春ネスコ
  • 2004/02
  • 単行本

絵本 ちび象ランディと星になった少年

絵本 ちび象ランディと星になった少年

  • ごとうやすゆき作
  • 大和出版
  • 2005/07
  • 単行本


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バズ・ラーマン監督作品「ムーラン・ルージュ」 [●DVD]

2001年公開作品(原題「Moulin Rouge!」/アメリカ映画
2001年 第59回ゴールデングローブ賞ミュージカル・コメディ部門 作品賞、主演女優賞、作曲賞受賞
2001年 第74回 アカデミー賞 美術賞、衣裳デザイン賞受賞

映像の美しさ、音楽の豪華さ
はかなくも美しい、純粋なふたりの
心の映り往きに涙してしまう

[text●h.mariko]

パリに実在するキャバレー“ムーラン・ルージュ”を舞台にした、恋の物語である。
1899年、作家を夢見て、パリの街にやって来たクリスチャン(ユアン・マクレガー)は、その華々しい世界の虜になるが、いざ“愛と自由”をテーマに物語を執筆しようとすれば華の街にふさわしいような恋などしたことがなく、途方に暮れる。そんなある日。アパートの天井を突き破って男が落ちてきた。彼は“ムーラン・ルージュ”お抱えの舞台作家。気を失った(どころの騒ぎ?)彼に代わり、ひょんなことから夢の舞台に近づいたクリスチャン。酒に酔い、酩酊の状態で入ったムーラン・ルージュで、花形スターのサティーン(ニコール・キッドマン)と出逢い、ふたりはひと目で恋に落ちてしまう・・・。

その情熱に相応しく、めまぐるしく動く映像や、けばけばしいほどのネオンサインに飾られた看板、カンカン(踊り)であったりと、ストーリーだけでなく映像の美しさにも注目したい。
ミュージカル映画でありながら、その音楽のほとんどがビートルズやニルヴァーナ、エルトン・ジョンやマドンナなどの豪華アーティストの楽曲のカヴァーであるところがまたおもしろい。
恋愛の物語なんて、ハッキリいって興味ないぜ、という態度で見はじめたのだが、いつのまにかその画面に食い入るように見入っていた。クリスチャン、サティーンがそれぞれ歌うシーンは吹き替えでなく、役者本人が歌っているとあとで知り驚いた。それだけ音楽も引き立っている。

恋の物語としては、切ない、悲しい、そんな終わりかたかもしれないけれど、私はこの映画のはかなくも美しい、純粋なふたりの心の映り往きに、見るたびに涙してしまう。

OFFICIAL WEB SITE→ http://movies.foxjapan.com/moulinrouge/html/index_a.htm

TOWER RECORDS ONLINE[バズ・ラーマン]
TOWER RECORDS ONLINE「ムーラン・ルージュ」

ムーラン・ルージュ [DVD]

ムーラン・ルージュ

  • 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
  • DVD
■cast 
ニコール・キッドマン(サティーン)
ユアン・マクレガー(クリスチャン)
ジョン・レグイザモ(トゥールーズ・ロートレック)
ジム・ブロードベント(ハロルド・ジドラー)
リチャード・ロクスバーグ(ウースター公爵)
ギャリー・マクドナルド(医者)
ジャセック・コーマン(アルゼンチン人)
マシュー・ウィテット(サティ)
ケリー・ウォーカー(マリー)
キャロライン・オコナー(ニニ)
デイヴィッド・ウェンハム(オードリー)
カイリー・ミノーグ(緑の妖精)
ほか


ムーラン・ルージュ オリジナル・サウンドトラック

ムーラン・ルージュ
オリジナル・サウンドトラック

  • ユニバーサル インターナショナル
  • 2001/07/18
  • CD
■Track listing
01. ネイチャー・ボーイ(Original=ナット・キング・コール)
02. レディ・マーマレイド(Original=ラベル)
03. ビコウズ・ウィ・キャン(Original=ファットボーイ・スリム)
04. スパークリング・ダイアモンズ(Original=マリリン・モンロー、マドンナほか)
05. リズム・オブ・ザ・ナイト(Original=デバージ)
06. ユア・ソング(Original=エルトン・ジョン)
07. チルドレン・オブ・ザ・リヴォルーション
08. ワン・デイ・アイル・フライ・アウェイ(Original=クルセイダーズ、ランディ・クロフォード)
09. ダイアモンド・ドッグス(Original=デビッド・ボウイ)
10. エレファント・ラヴ・メドレー(Original=ビートルズ、キッス、フィル・コリンズ、U2ほか)
11. カム・ホワット・メイ
12. エル・タンゴ・ド・ロクサーヌ(Original=ポリスほか)
13. コンプラン・デ・ラ・ブッテ
14. ヒンディ・サッド・ダイアモンズ(Original=ポリスほか)
15. ネイチャー・ボーイ(Original=ナット・キング・コール)



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鳥居みゆき「みみずひめ」 [●DVD]

2009.01.21 release/藤田容介監督作品

出たとこまかせの
歯がゆい展開のなかで
突飛なボケツッコミが重なり
じわじわと笑いを誘う

[text●o.ayumi]

以前友人に貸したところ、これといった感想もなく返却。とくに問いつめなかったが、問いつめる気にもあまりなれなかった。貸しておいたくせにナンなのだが,
“わからなくもない”といったところだからだ。
誰かと観ると微妙な空気になるし、眠れない夜に観るとより眠れなくなりそう……たぶん。私も、怖いもの見たさで手に取ったし。

そんなこの作品は、タイトルからアブナイ雰囲気。芸人・鳥居みゆきの大ファンでカラオケ好きの飼い主“キヨシ”に捨てられたペット・ミミズの“ミユキ”が、偶然目の前で暗殺された鳥居みゆきの体に乗り移りキヨシを捜すべく街へ繰り出す・・・という喜劇だ。
えげつなくて不可解な芸風の鳥居みゆきが、自身の身ぐるみのままミミズの「ミユキ」を演じるという内容だが、猟奇的にキヨシを捜す姿はやり口はどうあれ、ちょっとけなげ。しかも、キヨシへの愛は親鳥を捜す小鳥のような幼稚な愛。出たとこまかせの歯がゆい展開のなかで、突飛なボケツッコミが重なりじわじわと笑いを誘う。
ほかの登場人物も、気持ち悪いほどキャラが濃くて人間クサい。まずミユキが愛するキヨシが内向的で全然イケてないモテないくん、ミユキを捨てるキッカケになった彼女のキャラも結構ヤバい(笑)。

豪快な笑いはない、シュール&ブラックな世界。好きな人は絶対!とも、興味があれば!でもないが、なんとなく観てみたら楽しめる作品だと思う。

TOWER RECORDS ONLINE[鳥居みゆき]
TOWER RECORDS ONLINE「みみずひめ」

みみずひめ [DVD]

みみずひめ

  • 藤田容介監督作品
  • ビクターエンタテインメント
  • DVD
■cast 
鳥居みゆき(ミユキ)
久生真下/岩崎裕司(キヨシ)
ほか


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リチャード・ドナー監督作品「グーニーズ」 [●DVD]

1985年公開作品(原題「THE GOONIES」/1985年製作 アメリカ映画
スティーヴン・スピルバーグ製作総指揮

テンポのよいストーリー、個性的なキャラクター
ラストシーンは感動的で、友達や家族の絆の大切さを
いやらしくなく語りかけてくれる

[text●h.mariko]

宝の地図がある、と聞いたら、あなたはどうするだろうか。
真偽を確かめる。すぐに目を輝かせて探しにいく。どうせ偽物だろうと洟もひっかけない。バカじゃないかと嗤う。

今どうしても、宝が必要だとしたら? お金、でもいいのだが、金銭を得る手段のない、たとえば子どもだったりしたら、宝探しに夢中になったりはしないだろうか?

借地に建てられた家を立ち退き宣告された主人公、マイキーたち。どうしても離ればなれになりたくい彼らは、両親が立ち退きを呑んでしまったことや、違う学校に通わなくてはならない親友たちと、何とかして引っ越さずに問題を解決することができないかと頭を突き合わせる。が。現実はそうはいかず、引っ越しの手続きをする母親の姿を見て、気持ちは諦めに傾く・・・。

そんなときに、宝の地図を発見してしまったら?
もしかしたら、それが本物である可能性が、とても高そうだとしたら。

マイキーは自宅の屋根裏で、伝説の海賊“片目のウィリー”の宝の地図を見つける。そして、それを研究していたチェスター・コパーポット卿の手記までを発見する。
宝の存在を確信した彼ら“グーニーズ”は、宝探しに出かける。メンバーはマウス、データ、チャンク、途中からやむなく参加のブランドン、アンドレア、ステファニー。
しかし、彼らを待ち構えていたのは、宝を守るための罠、それだけでなく、脱獄犯、フラッテリー一家と宝を巡って対決する羽目に!

人間とは現金なもので、マイキーたちは生活(?)を懸けて宝探しをしているのだが、その大冒険は見るものを虜にし、いつしか「一緒に出かけたい!」という願望まで引き出してくる。宝が見つからなくとも、冒険という言葉には、それだけの魔法があるのではないだろうか。
テンポのよいストーリーといい、個性的なキャラクターといい、一瞬たりとも目が離せない展開にハラハラどきどきしっぱなし。
ラストシーンは感動的といってさえよく、友達や家族の絆の大切さみたいな教訓っぽいことをいやらしくなく語りかけてくれる。

大人になると、現実ばかりが目について、夢を見ることを忘れがちだ。
この映画を見るとそんな“現実”ばっかりじゃつまらない、ってことを、思い出させてくれる。現実に倦んでるなら、グーニーズと一緒に、宝探しに出かけよう!

TOWER RECORDS ONLINE[リチャード・ドナー]
TOWER RECORDS ONLINE「グーニーズ」

グーニーズ 特別版 [DVD]

グーニーズ
特別版

  • スティーヴン・スピルバーグ製作総指揮
  • ワーナー・ホーム・ビデオ
  • DVD
■cast 
ショーン・アスティン(マイキー/マイケル・ウォルシュ)
コリー・フェルドマン(マウス/クラーク・デヴリュー)
キー・ホイ・クァン(データ/リッキー・ワン)
ジェフ・コーエン(チャンク/ローレンス・コーエン)
ジョシュ・ブローリン(ブランドン・ウォルシュ)
ケリー・グリーン(アンドレア・カーマイケル)
マーサ・プリンプトン(ステファニー・スタインブレンナー)
ほか




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大谷健太郎監督作品「約三十の嘘」 [●DVD]

2004年12月18日公開作品(日本映画

ストーリー運びもわかりやすく
カメラワークもおもしろく
集中力が途切れることなく観られた
そして「ゴンゾウ」が、気になるままであった

[text●h.mariko]

普段は映画を見に行くことってほとんどない。期待が大きすぎるのか、時間とお金を無駄にした気分になることも多いのだ。DVDのレンタルが廉価でできるようになった今は、“あとで借りよう族”になってしまう。
そんなとき、ちょっぴり時間が空いた。さて何をしようと思った。迷った末、映画に行くことにした。なので、この作品は映画館で観たわけである。

まずこの豪華キャストに惹かれて観ることにした。
椎名桔平、中谷美紀、妻夫木聡、田辺誠一、八島智人、好きな役者さんだらけ。これだけでまず食指が動いた。会話劇となったストーリーもテンポがよく、ストーリー運びもわかりやすく、カメラワークもおもしろく、集中力が途切れることなく観られた。

詐欺のグループとして動いている彼らは、とある街でまた詐欺でがっぽり稼いだ後、列車で移動。その途中、“上がり”が消えてしまう。その金の存在は仲間同士しか知らないはず、よって犯人は仲間の誰か。疑惑と疑念、諍い、そして物語は意外な方向へ・・・。

言ってしまえば、物語そのものは“いいお話ね♪”ってところ。でも、列車の中という特殊な空間をうまく使った映像、そして小さな推理ものと大きな恋愛もの(?)にストーリーがうまくわかれていて、最後までだれることなく終わりを迎えられることってすごいことなのかも。
最後の中谷の演技がかわいすぎて胸きゅんだった。
そして「ゴンゾウ(→ http://www.gonzou.net/ )」が、気になるままであった。


OFFICIAL WEB SITE→ http://30uso.com/

TOWER RECORDS ONLINE「約三十の嘘」
TOWER RECORDS ONLINE「約三十のゴンゾウの嘘」

約三十の嘘 特別版 [DVD]

約三十の嘘 特別版

  • 角川エンタテインメント
  • DVD
■cast 
椎名桔平(志方大介)
中谷美紀(宝田真智子)
妻夫木聡(佐々木健二)
田辺誠一(久津内守)
八嶋智人(横山宏紀)
伴杏里(今井優子)
ゴンゾウ
ほか



約三十の嘘

約三十の嘘

  • 土田英生著
  • 角川書店
  • 2004/12/03
  • 単行本



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細田守監督作品「サマー・ウォーズ」 [●DVD]

2009年8月1日公開作品(劇場アニメ

“世界を救うために戦う”
夏休みに成長する少年の姿は
じんわりとした
柔らかい感動がある

[text●u.junko]

夏休みは最高だ。ちょっとしたできごとが、大人になってからも思い出すたびに心をザワつかせたりして。ただ残念なことに、その時間が人生のなかでも限られた一瞬だということを知るのは、夏がただ暑くて憂鬱なだけだと思う年齢になってからだったりするのである。これは、そんなかつての少年少女のハートをわしづかみにする作品(劇場アニメ)だ。

数学オリンピック日本代表になり損ねた気弱な高校生・健二は、憧れの先輩・夏希さんから、大ばあちゃんの誕生会に出席するというアルバイトを頼まれ長野県に行く。そこには室町時代から続く名門・陣内家の親族が勢揃いしていた。その晩、インターネット上の仮想空間“OZ”から届いた数列がきっかけとなり、世界がひっくり返るような大事件が発生。登録者10億人、世界中の公的機関で広く使われている“OZ”を、人工知能A.Iが乗っ取ってしまい、交通機関や人工衛星までも混乱させていくのだ。そこに健二と陣内家が、世界を救うために立ち上がる・・・というお話。

いやいや驚いた。何となく観はじめただけなのに、すっかり楽しんでしまった。現実世界である田舎の風景は手書きで描かれ、人も山も畑も、血の通ったように温かい。それとは正反対に、“OZ”の世界はCGを駆使した、細部まで緻密な映像美がある。その対比もいいが、何より素晴らしいのはサイバーテロに挑むのが、代々続く旧家の大家族と気弱高校生・健二だということだ。
大一番の勝負前にはみんなで腹ごしらえをし、最後に挑んだ戦いはなんと花札である。この“世界を救うために戦う”のにも関わらず、誰も血を流さず、インターネット上で戦うという設定も新鮮だった。しかも、インターネットという万能にも感じられるツールでさえ、力を合わせた家族の底力には勝てないのである。その底力の温かさと、夏休みに成長する少年の姿は、じんわりとした柔らかい感動がある。やっぱり日本のアニメはこうでなきゃ。

それにしてもエンディングで山下達郎がかかるのはずるい! 透明でキラッキラした歌声と美メロには、否応なしに切なくなって“夏休み”という特別な時間に、さらなるスペシャル感が増すじゃないか。“あー夏休みがほしい”と本気でぼやいてしまった。

TOWER RECORDS ONLINE「サマー・ウォーズ」


■voice actor 
神木隆之介(小磯 健二)
横川貴大(佐久間敬)
桜庭ななみ(篠原夏希)
谷村美月(池沢佳主馬)
富司純子(陣内栄)
斎藤歩(陣内侘助)
桐本琢也(陣内理一)
永井一郎(陣内万助)
清水優(陣内翔太)
仲里依紗(陣内由美)
ほか


僕らの夏の夢/ミューズ

僕らの夏の夢/ミューズ

  • 山下達郎
  • ワーナーミュージック・ジャパン
  • 2009/08/19
  • CD
■Track listing
01. 僕らの夏の夢
02. ミューズ
03. アトムの子(Live Version)
04. 僕らの夏の夢(Original Karaoke)
05. ミューズ(Original Karaoke)



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滝田洋二郎監督作品「おくりびと」 [●DVD]

2008年9月公開作品(日本映画
2008年 第81回アカデミー賞外国語映画賞受賞
2008年 第32回日本アカデミー賞最優秀作品賞受賞


大切な人の、最期の美しい姿を
目に焼きつけるということ

[text●h.mariko]

人は、いやどの生命もだが、必ず決まっていることがある。それは、死ぬということ。その、“死”に尊厳と“生きた証し”を与える仕事、納棺師。「おくりびと」は、彼らの仕事を通じて、死や生についてやんわりと語った映画である。

プロのチェロ奏者として東京の楽団で演奏をしていた小林大悟(本木雅弘)。が、ある日、楽団の解散とともに職を失うこととなり、郷里の山形県酒田市へ帰る決断をする。妻の美香(広末涼子)と、実家で暮らしはじめ、仕事を探すが、なかなか決まらない。そんなとき新聞で目にする「NKエージェント」の求人広告。“旅のお手伝い”という文句に旅行代理店と思い込み面接に行くと、“NK=納棺”、“旅=あの世”のこと、即ち納棺師の募集であった。即決されたものの、仕事内容を妻に話せない大悟。が、徐々にその仕事の魅力や、大切さに気づいて行く・・・。

人々の禁忌として扱われ続けた死という現象。その遺体を美しく装い、棺に納めるのが納棺師の仕事である。映画のなかでは、故人の家で遺体を清めるシーンが何度も出てきた。化粧を施され、まるでただ眠っているかのように見えるその姿。納棺をこの目で見つめるということ、大切な人の最期の美しい姿を目に焼きつけるということ。

観終わった後に妙に爽快な気持ちになり、また荘厳な気持ちになったこの映画。普段健康に生活している限り、その影すら見当たらない死という存在に肉薄した上に、ここまで美しく描き出した作品はそうそうない。NKエージェントの社長を演じる山﨑努、事務の余貴美子の存在感が素晴らしい。また久石譲の音楽が心に染み渡ることも、この映画の魅力だ。

TOWER RECORDS ONLINE 「おくりびと」

おくりびと [DVD]

おくりびと

  • アミューズソフトエンタテインメント
  • DVD
■cast 
本木雅弘(小林大悟)
広末涼子(小林美香)
山﨑努(佐々木生栄)
余貴美子(上村百合子)
笹野高史(平田正吉)
吉行和子(山下ツヤ子)
峰岸徹(小林淑希)
星野光代(小林和子)
ほか


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大宮エリー脚本「Room of King」 [●DVD]

2008年10月4日〜11月29日 全9回放送 フジテレビ系ドラマ

夢と希望と
ささくれた心にちょっと余裕をくれる“Room of King”
あああ、一緒に住んでみたい

[text●o.ayumi]

性別も年齢も職業も違う9人。“その道のキングになると見込まれた人だけに貸す”という港区青山にある高級マンション「KING」を謎の不動産屋に紹介され、“自分の出せる範囲だけの家賃”を支払ってルームシェアを始める・・・。大宮エリー脚本で、2008年10月から毎週土曜日23時10分からフジテレビ系で放送されたドラマだったが、いまあらためて観なおしている。

非現実的でぶっとんだ切り口、でもその人生模様はすごくリアル。
住人の職業は、バイトを掛け持ちするフリーター、銀行勤務のOL、ベジタリアンのスタイリスト、ワケありの女医、創作日本料理人、単身入居の主婦、IT関連の引きこもり、映画プロデューサー、植物染料で絵を描いているニートなど。年齢も価値観も違う十人十色ならぬ九人九色。それぞれがコンプレックスを抱え、自分の人生を考え、悩みながら高級マンションで同居生活を送る。そして、それぞれに“キング”へのチャンスやキッカケが訪れる。それを見事、掴めるのか、逃してしまうのか、気づかずに見すごしてしまうのか・・・。

かなり濃いキャラクターと予想の立たないコミカルなシナリオが、妙にハマってしまう。わたしはやっぱりアノヒトだけど、きっとどこかしら共感を持てるキャラクターがいると思う。夢と希望と、ささくれた心にちょっと余裕をくれるドラマ「Room of King」。あああ、一緒に住んでみたい。

TOWER RECORDS ONLINE「Room of King」DVD-BOX

Room Of King DVD-BOX

Room Of King
DVD-BOX

  • Aniplex Inc.
  • DVD
■cast 
水嶋ヒロ(森次郎
鈴木杏(浅田朝子
渡部篤郎(真島洋平
井川遥(響京子
石野真子(藤城和江
板尾創路(孫健一
大倉孝二(高草木空
深沢敦(田中正一
平山広行(細野春臣
斉木しげる(伊集院竹
我修院達也(伊集院梅
ミッキー・カーチス(伊集院松
ほか


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ジュゼッペ・トルナトーレ監督作品「マレーナ」 [●DVD]

2001年日本公開作品(原題「Malèna」/2000年 イタリア映画

シチリア島の美しい自然や風景
そのなかで映えるモニカ・ベルッチの立ち姿
それらの美しさを見るだけでも価値がある

[text●h.mariko]

ジュゼッペ・トルナトーレ監督の作品は、「ニューシネマパラダイス」「海の上のピアニスト」など、青春やそれを通過した後の物悲しさ、また切ない気持ちなどが表現されているものが多いように思っていた。だから、この「マレーナ」も、そのような物語だと思って観たら、あれ? なんか違う。

第二次世界大戦中のイタリア、シチリア島が舞台。12歳の少年、レナートは、ひと回り以上は年が上のマレーナに夢中であった。が、マレーナは既に結婚している。そのうえ、町中の男たちからその美貌のため女神のような存在として扱われており、一方ではその美しさから町の女たちには中傷の的にされている、複雑な存在であった。
華奢で、まだ青っぱなでもたれていそうなレナートとマレーナが禁断の恋に落ち入る? そんなストーリーかと思えば、レナートはけなげに物陰からマレーナを見守る。ただ、ただそれだけなのだ。
目の前を通り過ぎてゆくマレーナの寂しそうな姿を見ても、レナートは動くことさえできない。だが、レナートはめげない。何があっても、僕が必ずあなたを守る・・・。ひっそりと夜中ひとり、ベッドのなかで神に誓う。
マレーナの夫は戦争に駆り出され、彼女はいつももの憂げな表情を浮かべていた。あなたの笑顔が見たい。そんなレナートの思いは必死なのだが、いかんせん、彼はまだ12歳である。彼の決死の行動も、母親に知れて烈火の如く怒られる、そんな姿は可愛らしい。
時代が、マレーナの運命を弄ぶ。夫の戦死を知らされた彼女は、生活を立てるため、やむを得ず娼婦まがいの仕事を始めるのだった・・・。

時代設定に戦争を絡めた時点で、もっと小難しい、たとえば命の大切さや、家族をうしなうつらさなどを描く“反戦映画”にもできたと思うのだが、あえて、少年が永遠に叶わぬ恋をする、その姿を追い続ける。この作品、かつて少年だった男子たちが観たら、なにかきっと大きな共感があるのかもしれない、と思った。

主演女優、モニカ・ベルッチ。「マトリックス」シリーズに出演し、そのグラマラスな肉体美を強調した衣裳で、登場シーンは少ないものの印象を強く与える、存在感のある女優である。その、モニカ・ベルッチが世界的に注目を集めるようになったのが、本作の出演からだった。
ジュゼッペ・トルナトーレ監督の映像は、色あいや風景が美しく、この作品も、舞台になったシチリア島の美しい自然や風景が余すことなく映し出されている。そして、そのなかで映えるモニカ・ベルッチの立ち姿。それらの美しさを見るだけでも、この映画は価値がある。

TOWER RECORDS ONLINE[ジュゼッペ・トルナトーレ]
TOWER RECORDS ONLINE「マレーナ」


マレーナ [DVD]

マレーナ

  • 日活
  • DVD
■cast 
モニカ・ベルッチ(マレーナ)
ジュゼッペ・スルファーロ(レナート)
ルチアーノ・フェデリコ(レナートの父)
マティルデ・ピアナ(レナートの母)
ほか




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矢口史靖監督作品「ハッピーフライト」 [●DVD]

2008年11月15日公開作品(日本映画

パイロット、CA、そして飛行場で働く人々
夢と希望を乗せて飛び立った飛行機に起きるハプニング・・・
スリリングでおかしくて心にギュンとくるハッピー映画

[text●h.mariko]

自動車の運転免許を取って、早5年。無事故無違反で過ごしてきたので、このままいけばゴールド免許に格上げである。すっかり私も、いっぱしのドライバーとなったわけだ。
が、思い起こせば、教習所に通っているときは涙涙の毎日であった。狭い教習所内では壁にぶつからないかドキドキし、道路に出れば30キロの走行でも心臓は破裂寸前。飛び出してきた子どもでもあろうものならそのままショック死しかねないほど緊張していた。
たかが(?)クルマを動かすだけで、こうだ。たくさんの人、しかも自分とは関係のない人を乗せる、電車やバス、飛行機の運転手ってすごいなあ、と改めて思うのだ。

その、飛行機を飛ばす人=パイロット、また飛行場で働く人々にフォーカスしたこの映画。当初、監督は飛行機を舞台にパニック映画を作る構想があったそうだ。だが、調べるうち飛行機事故というのは本当に少なく、墜落などもってのほかという技術力を知り、そちらに魅力を感じたという。むしろ飛行場で働くさまざまな職種、普段は目にすることのない整備士や管制塔、鳥追いというマニアック(?)な仕事までがあること知った監督による「飛行機映画」が、これである。

斎藤悦子(綾瀬はるか)が、国内線のCA(キャビンアテンダント。昔はスチュワーデスといわれた花形職業)から、初の国際線に搭乗するところから始まる。
先輩の田中真里(吹石一恵)らのてきぱきした動きにまったくついて行けないうえに、チーフCAの山崎麗子(寺島しのぶ)には失敗をこっぴどく叱られ、トイレで人知れず号泣。
同じ飛行機のパイロット席では、OJTの最終試験を迎えた鈴木和博(田辺誠一)が、威圧感ビリビリの教官、原田典嘉(時任三郎)とともにホノルルを目指すが、これまた、失敗続き。
飛行場では木村菜採(田畑智子)が、お客様の無理な注文に応えながらも仕事に限界を感じ、そろそろ職を辞したいと考えている。出逢いもないし、年も取ったし、と。それを厳しい言葉で統括する森田亮二(田山涼成)と後輩の吉田美樹(平岩紙)の間で頑張る菜採。

飛行機には国内線しか乗ったことがない私だが、正直、これほどたくさんの人が関わってひとつの路線を見守っていることを、この映画を観て初めて知った。そして、驚いた。よく考えれば、精密機器であり巨大な鉄のかたまりである飛行機が空を飛ぶのである、それなりにリスクを考えなければならない。しかも、飛行機は1日にいったい何本運行しているのか。それを考えると、この人たちの働きに頭が下がる思いだ。
制服も可愛らしく、また容姿端麗な人が多いCAにしろ、その裏方の厳しさといったら。そこらへんの営業マンなど裸足で逃げ出すほどの激務。専門用語と英語が飛び交うパイロットの知識の豊富さもまた驚き。管制塔では天気の動きを逐一観察するセクションがあり、これがまたかなり重要。飛行場は広いため、集まってくる鳥を追い出す“鳥追い”なる仕事まであることを初めて知った。

ホノルル行きの飛行機が飛び立ち、そのなかで起るハプニング、そしてそれをまとめる人間たち、そして集結・・・。ストーリーそのものは、いたって地味なのである。それをこんなにもおもしろおかしく、そしてスリリングな味わいも含め、専門性を取っ払い、飛行機に興味がなくても存分に楽しめる映画に仕立て上げた矢口氏の手腕に改めて舌を巻いた。
また、映画ならではの豪華なキャスティングも見もの。個人的には、丸山重文(笹野高史)の殆ど台詞がないのに爆笑の演技、竹中直人の一瞬の登場、馬場光輝(ベンガル)の愛鳥家の鳥追い役、高橋昌治(岸辺一徳)の味のある演技が、ストーリーにおかしさを盛り込んでくれているのが好きだ。これを見ると「明日も頑張るぜ!」という気力をもらえる、心にギュンとくるハッピー作品だ。

TOWER RECORDS ONLINE[矢口史靖]
TOWER RECORDS ONLINE 「ハッピーフライト」

■cast 
鈴木和博(田辺誠一)
斎藤悦子(綾瀬はるか)
原田典嘉(時任三郎)
望月貞男(小日向文世)
山崎麗子(寺島しのぶ)
田中真里(吹石一恵)
木村菜採(田畑智子)
吉田美樹(平岩紙)
森田亮二(田山涼成)
高橋昌治(岸部一徳)
丸山重文(笹野高史)
馬場光輝(ベンガル)
斉藤直輔(柄本明)
斉藤利江(木野花)
乗客(竹中直人)
ほか


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ジム・ジャームッシュ監督作品「コーヒー&シガレッツ」 [●DVD]

2005年日本公開作品(原題「Coffee and Cigarettes」/2003年 アメリカ映画

コーヒーを飲み、煙草を吸いながら
登場人物たちが珍妙な会話を繰り広げる
11編のショート・ショート

[text●h.mariko]

コーヒー、好きですか。
疲れた身体を引きずるように歩いているとき、鼻腔を掠めるあの香り。
引き立てのコーヒーのかぐわしさといったら。
ほんわかと湯気を立てたあたたかいコーヒーカップを
両手で包み込みながら、ひとくちすする、あの幸福感。

タバコ、好きですか。
最近禁煙(嫌煙)化が世界的に進んで、
どこもかしこも「No Smorking」の表示ばかりだけど、
タバコはある意味文化である。
身体に害がある? まあそれはそうなのだけど、
ささくれ立った気持ちのときに、溜め息のつもりで一服してご覧なさい。
なんだか、苛立ちが嘘のように抜けてゆくから。

どちらも嗜好品、それも好き嫌いがわかれるものである。
そのふたつを“主人公”に、
登場人物たちが珍妙な会話を繰り広げるショート・ショートのこの作品。
ジム・ジャームッシュが温めてきたシナリオというだけあり、
ユーモア、ブラックユーモア、変な話(?)
とにかくなんでもあり。

数十分の映像のなかで、コーヒーを飲みながら、煙草を吸いながら、
登場人物たちが話をする。たった、それだけ。
ストーリーみたいなものは、存在しない。
11編の映像にそれぞれつけられたタイトルもひねりが利いていておもしろい。
わざと白黒の映像で撮られたと思しき絵も、味がある。

しかしこれは演技なのか? 
カメラが回ってる前でこんなふうにくつろいで喋るものなのか? 
これは台本があって喋ってるのか? 
いつしか映画を観ている、というよりも、
誰かの話を聞いているような気分になってくる。
人は、仮面を被って生きているとか、言われる。
仕事用の仮面。友達用の仮面。外面、内側。いろんな、顔。
でもそれはすべて自分であってあたりまえなのだけど、微妙に違う。
その機微を、この作品ではちらりちらりと覗かせながら、
やっぱり主人公は“コーヒーとタバコ”なのだろう、
と思える、ささやかなブレイクタイム。
まるで人の会話を盗み聞いているような、
またおかしなところに居合わせてしまった第三者みたいな、
映画から一歩離れたところで
“観察”できるかのように作られた映像は、
何だか不思議な感じがしてくる。

登場人物も豪華。
ケイト・ブランシェット、ロベルト・ベニーニ、
スティーヴ・ブシェミ、ビル・マーレイ、アルフレッド・モリーナなど、
それぞれが主役をはってもおかしくない面子が揃っている。
また役者ではないが、トム・ウェイツ、イギー・ポップ、
ジャック&メグ・ホワイトなど、
音楽界からも俳優として参加している人たちの演技も見もの。

爆笑、ということはないのだが、くす、っと笑ってしまう、
そんな他人の会話を、ぜひ自分もコーヒーを片手に、
もう片手に火のついたタバコを用意して、
ゆっくりと“ブレイクタイム”を味わってみてはいかが。

TOWER RECORDS ONLINE[ジム・ジャームッシュ]
TOWER RECORDS ONLINE「コーヒー&シガレッツ」

■segment & cast 
変な出会い/Strange to Meet You
ロベルト・ベニーニ、スティーヴン・ライト
双子/Twinsbr/> ジョイ・リー、サンキ・リー、スティーヴ・ブシェミ
カリフォルニアのどこかで/Somewhere in California
イギー・ポップ、 トム・ウェイツ
それは命取り/Those Things'll Kill Ya
ジョー・リガーノ、ヴィニー・ヴェラ、ヴィニー・ヴェラ・Jr
ルネ/Renée
ルネ・フレンチ、E・J・ロドリゲス
問題なし/No Problem
アレックス・デスカス、イザック・ド・バンコレ
いとこ同士/Cousins
ケイト・ブランシェット、マイケル・ホーガン
ジャック、メグにテスラコイルを見せる/Jack Shows Meg His Tesla Coil
ジャック・ホワイト、メグ・ホワイト
いとこ同士?/Cousins?
アルフレッド・モリーナ、スティーヴ・クーガン、ケイティ・ハンズ
幻覚/Delirium
The GZA、RZA、ビル・マーレイ
シャンパン/Champagne
ビル・ライス、テイラー・ミード


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ジム・キャリー主演・製作「イエスマン “YES”は人生のパスワード」 [●DVD]

2009年日本公開作品(原題「Yes Man」/2008年 アメリカ映画

「イエス」ということばが持つ不思議なパワー
まずはすべて「イエス」と答えてみたら、きっとなにかが
変わる・・・かも?

[text●s.haruna]

「ノー」といえない日本人が多いと言われていますが、
では、果たして心から「イエス」と言っている人は
どれくらいいるのだろうか?

好きでもない上司の誘いには「イエスorノー」?
プライベートでの友人の飲み会には「イエスorノー」?

でも、面倒で断っていたことにも、
まずはすべて「イエス」と答えてみよう!
「ノー」と答えるとちょっぴり嫌なことが起きるかも!?

主人公の男性(ジム・キャリー)は、妻と離婚し、
仕事も特におもしろくなく友人とのつき合いも悪く、
なかば引きこもり状態。
そんな彼が出合った「イエス」のことば。
このひと言「イエス」により、
彼の人生は“Happy or Unhappy Ending”どっちに転ぶのでしょうか・・・。

ジョン・レノンも「YES」ということばでオノ・ヨーコと出会った。
すべてを肯定することば「イエス」の不思議なパワーを
この映画で感じてほしい。

また、この作品限定のバンドが登場する。
女優兼歌手であるズーイー・デシャネル + Von Ivaで組まれた、
“ミュンヒハウゼン症候群”の音楽も魅力的である。

TOWER RECORDS ONLINE「イエスマン"YES"は人生のパスワード 特別版」
TOWER RECORDS ONLINE「Yes Man/Original Soundtrack」

■cast 
ジム・キャリー/カール・アレン
ズーイー・デシャネル/アリソン
ブラッドレイ・クーパー/ピーター
ジョン・マイケル・ヒギンス/ニック
ほか


Yes Man

Yes Man

  • EELS+ミュンヒハウゼン症候群
  • Lakeshore Records
  • 2008/12/16
  • CD
■Track listing
01. Man Up/EELS
02. Bus Stop Boxer/EELS
03. To Lick Your Boots/EELS
04. The Good Old Days/EELS
05. The Sound Of Fear/EELS
06. Wooden Nickels/EELS
07. Flyswatter/EELS
08. Blinking Lights (For Me)/EELS
09. Somebody Loves You/EELS
10. Sweet Ballad/ミュンヒハウゼン症候群
11. Uh-Huh/ミュンヒハウゼン症候群
12. Keystar/ミュンヒハウゼン症候群
13. Yes Man/ミュンヒハウゼン症候群


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村川透監督作品「野獣死すべし」 [●DVD]

1980年10月公開作品(日本映画

90分過ぎたあたりの
夜行列車でのロシアンルーレット・シーンは
瞳孔開きっぱなしで、まさに狂気

[text●k.ryo]

鑑賞後・・・
いろんな意味で「なんじゃこりゃ?・・・」ってカンジである。
後半は、夢オチのような幻覚的な展開だし、
ラスト(終わりかた)は、
80年代アングラ映画の定番なのかも

最初あんまりおもしろくなくて、
集中できなかったんだけど、
鹿賀丈史が出てくるくらいから、
なんか目が離せなくなって、
90分過ぎたあたりの、
夜行列車でのロシアンルーレット・シーンは、
瞳孔開きっぱなしで、まさに狂気

松田優作ファンはもちらん、
「タクシードライバー」や
北野武映画の「その男、凶暴につき」とか
昔の浅野忠信が好きな人にもオススメ

探偵物語」のようなコミカルな松田優作も愛おしいけど、
彼が神格化される要因は、
こういった、
「自分の作品に、命かけてます!」
ってな生きざまから
にじみ出てくるのかもしれない。

ちなみに、この作品の役作りのために松田優作は、
奥歯を抜いたらしい
すでに存在していた藤岡弘や仲代達矢バージョンとの
差別化をはかるためか、
頬をこけ(させ)、普通するぎる髪型も
狂気の表情にひと役かっている

矛盾しているけど、
まさに“クールさと熱さ”が同居する俳優

TOWER RECORDS ONLINE[松田優作]
TOWER RECORDS ONLINE「野獣死すべし デジタル・リマスター版」

■cast 
松田優作(伊達邦彦)
鹿賀丈史(真田徹夫)
小林麻美(華田令子)
根岸季衣(原雪絵)
岡本麗(エリカ)
室田日出男(柏木秀行)
風間杜夫(乃木)
岩城滉一(結城)
阿藤快(東条)
泉谷しげる(小林)
ほか


野獣死すべし (光文社文庫―伊達邦彦全集)

野獣死すべし
―伊達邦彦全集

  • 大薮春彦著
  • 光文社(光文社文庫)
  • 1997/01
  • 文庫


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岩井俊二監督作品「四月物語」 [●DVD]

1998年3月14日公開作品(日本映画

何にもないから一生懸命になる
なるべくさりげなく。そして爽やかに
その時間のなんて繊細なことか

[text●u.junko]

この時期、都内を歩けばソワソワした空気を纏った若者をよく見かける。いつもより少しだけ気合いを入れておしゃれをし、新しい生活に、そして“東京”という街に溶け込もうとするあの人たちの様子が、実はいちばん春の気配を感じさせてくれる。

「四月物語」は、まさにその瞬間の物語である。
大学進学のため、北海道から上京した主人公・卯月(松たか子)は、初めてのひとり暮らしや、新しい人間関係にとまどいながら、東京での生活をスタートさせる・・・。

・・・この作品のあらすじは、本当にそれだけなのである。上京した動機のひとつが、憧れの人を追いかけるためだったということぐらいで、それ以外に特筆すべき点が見当たらない。何の珍しさもない時間を、とにかく淡々と眺めるように話は進んでいくのだ。

ただ、その無機質なまでに“何もない”ことが、妙にリアルなのである。

不器用な卯月が、不安げな顔をしつつも、一生懸命に周囲になじもうとする姿は、なんだか見ているこちらもソワソワさせられるし、好きな人と探りさぐり会話をするところなんか、思い出すとくすぐったいような10代特有の感じがよみがえる。

何にもないから一生懸命になる。なるべくさりげなく。そして爽やかに。その時間のなんて繊細なことか。

過ぎ去った時間を回想するように見るのもいいが、この時間をいままさに過ごしている人がこの作品を見たら、いったいどんな感想を持つのだろうか。それが気になる。
※松たか子、映画初主演作品
岩井俊二オフィシャルサイト「岩井俊二映画祭」で無料配信中(〜2011.5.31)

岩井俊二映画祭 iwai shunji film festivalhttp://iwaiff.com/

TOWER RECORDS ONLINE四月物語

■cast 
松たか子(楡野卯月)
田辺誠一(山崎先輩)
藤井かほり(北尾照子)
留美(佐野さえ子)
松本幸四郎(父)
藤間紀子(母)
松本紀保(姉)
市川染五郎(兄)
ほか


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ジャック・ブラック主演作品「ナチョ・リブレ 覆面の神様」 [●DVD]

2006年公開作品(原題「Nacho Libre」/アメリカ映画

使命感も崇高な志もあるわけなく
それでもヒーローになろうと暴れ回る水色タイツのメタボレスラーに
不覚にもくぎづけになっている自分がいるのだ

[text●u.junko]

ジャック・ブラックは最高である。
何しろこの人、ただ歩いているだけでもおもしろい。

本作は修道院で育ち、給仕として働く主人公が、
修道院の孤児たちにおいしい物を食べさせてあげたいとの思いから、
覆面プロレスラーとして賞金を稼ごうとする話である。

それだけ書けば、感動作っぽくも装えるのだが、
何しろ主人公は希代のコメディ・スター、ジャック・ブラックですから。
浅はかで身勝手な、そりゃあもう期待どおりのダメ人間を、
観客が胃もたれを起こす寸前のこってりさで怪演している。

使命感も崇高な志もあるわけなく、
それでもヒーローになろうと暴れ回る水色タイツのメタボレスラーに、
不覚にもくぎづけになっている自分がいるのだ。
あぁもう。あのまったく筋肉を感じさせないずんぐりボディからくり出される、
そんなに高く飛べていない空中殺法とか、本当にやめていただきたい。
そのくせ最後にはホロリとさせられ、まんまとしてやられるから腹立たしい。

ジャック・ブラックの出演作では「スクール・オブ・ロック」が傑作だが、
“映画館で見たい”ではなく、
レンタルが出たら(もちろん7泊8日OKになってから)見よう”といった、
最高のB級感は今作でも十分に堪能できます。

何がという具体的な理由なんてありません。
一度見たら1年に1回くらいは見たくなります。

※ジャック・ブラックの最新作は
製作総指揮&主演で現在公開中(2011.4.15〜)の3D映画
「ガリバー旅行記」


TOWER RECORDS ONLINE[ジャック・ブラック/Jack Black]
TOWER RECORDS ONLINE「ナチョ・リブレ 覆面の神様」

ナチョ・リブレ 覆面の神様 スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]

ナチョ・リブレ 覆面の神様
スペシャル・コレクターズ・エディション

  • パラマウント・ホーム・エンタテインメント・ジャパン
  • DVD
■cast 
ジャック・ブラック(イグナシオ/ナチョ)
ヘクター・ヒメネス(スティーブン/ヤセ)
アナ・デ・ラ・レゲラ(シスター・エンカルナシオン)
セサール・ゴンザレス(ラムセス)
リチャード・モントーヤ(ギレルモ)
ピーター・ストーメア(ジプシー・エンペラー)
ほか


スクール・オブ・ロック スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]

スクール・オブ・ロック
スペシャル・コレクターズ・エディション

  • パラマウント・ホーム・エンタテインメント・ジャパン
  • DVD
■cast 
ジャック・ブラック(デューイ・フィン)
ジョーン・キューザック (ロザリー・マリンズ)
マイク・ホワイト (ネッド・シュニーブリー)
サラ・シルバーマン (パティ・ディ・マルコ)
レベッカ・ブラウン (ケイティ)
ほか

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稲葉篤紀「全力疾走~新たな挑戦へ~」 [●DVD]

よく日に焼けた顔に似合う白い歯を見せながら
インタビューされるようなことはしていないと
恥ずかしそうに話す稲葉選手に釘づけになった

[text●h.mariko]

ひたすら「好き」を語りたい、そんな存在は転がっていないだろうかと考えたところ、私にとっては野球であるとまず思い至った。連日放送されるスポーツニュースキャスターの予想に頷いたり反発したりしながら、開幕戦を楽しみにする日々であった。

ところで、である。ふと思ったのである。
何故、私はここまで野球を好きになったのだろう?
記憶の糸を手繰り辿って思い当たったのが、稲葉篤紀選手(北海道日本ハムファイターズ)の存在だ。

私には兄がいる。幼いころには、毎日あたりまえのように「テレビのチャンネル権争い」が勃発していた。幸いにも「年上には必ず従うルール」が敷かれていなかった我が家では、チャンネル権を巡って骨肉の争いが起きることは稀だった。
近所では我が家のような「兄妹」の家族構成が多く、高じて兄が野球に興味を持ちはじめるや、同じ年ごろの友人たちは大抵口を尖らせて、「好きな番組が見られない」とぼやいていたものである。
が、なぜだか私はそのとき、野球を好きになった。兄が細かくルールを説明しながら教えてくれたせいかもしれない。どかんと1発当たれば点数がどっさり入るといった類いのスポーツではなく、ピッチャーとバッター、そしてキャッチャーとの駆け引きが試合を決め、またそれを阻む好守備。気を抜く暇などないではないか。CMの間にトイレに駆け込み、いいところで「本日の試合中継終了のお知らせ」が流れると激怒する、そんな子どもであった。
ホームランという単語しか知らなかったはずの私の頭には、野球のルールに関するマニアックな知識(当時の友人対比)が蓄えられていった。そして、どっかんどっかんとホームランを量産する「重量打線」よりも、小賢しく、足を活かして盗塁、進塁をして相手の隙をついた攻撃をする「頭脳プレー」が好きになったのだ。

当時のひいきチームはヤクルトスワローズ。
そして、1992年、野村克也監督率いるリーグ優勝をまのあたりにしたのである。胴上げ、ビールかけ。なんと楽しそうな大人たちの笑顔! 勝負に挑む真剣な顔はどこへやら、ビールにまみれた選手達は、まるで子どものようなはしゃぎっぷりであった。
感動は伝播するものだ。もちろん、私たち兄妹にも。何たる嬉しさ! 子どもながらに、兄とコーラで乾杯したことを記憶している。
それからもヤクルトは、リーグのトップ・クラスを走り続け、相変わらずの「頭脳プレー」で相手チームを翻弄した。強烈な4番打者のホームランよりも、2本のヒット。塁を埋める攻撃、そつのない守り。見ていて安心できるチームであった。

そして、そのころの花形選手といえば、現在はマルチな活躍をしている古田敦也氏や、野球解説者として活躍する広沢克己氏、また高速スライダーでバッターを翻弄したが、肘の故障に泣いた悲劇のピッチャー・呼ばれた伊藤智仁氏・現1軍コーチなど、まさに「チームの顔」が揃っていた。
そのなかで、私には欠かせない、ふたりの選手がいた。テリー・ブロス投手、そして、稲葉篤紀選手(現・北海道日本ハムファイターズ)だ。

ブロス投手は、身長が205センチととにかく高く、そこから振り下ろすように落ちてくるフォークボールを持ち球とした。
そのブロス氏が、大記録を作る。1995年のことだ。
ノーヒットノーランとは、文字どおり相手チームに安打・得点を与えずに完封勝利することである。この長い日本の野球界の歴史でも、73人の達成者のみといえば、その偉大さは伝わるであろうか。そして、その1995年にもヤクルトは優勝した。

稲葉篤紀選手について、やっと語ろう。

優勝に輝いたその1995年、稲葉選手はプロ野球1年目のシーズン、ピチピチの若手であった。大学野球から積んできたキャリアで危なげないレフトの守備、ヒッティングもベテランに引けを取らない、まさにデキる選手だったのである。しかし、あまりに堅実なため、派手さはない。よって、確かに、そのころはマニアックな選手であった。
その稲葉選手から眼が離せなかったのが、前述のブロス投手のノーヒットノーラン達成試合でのことだった。
野球のグラウンドを思い描いていただきたい。
ホームベースから始まって、内野のベースのある「ダイヤモンド」がある。これが、1塁から3塁である。内野にはスピーディーな守備が求められる。
その外側、外野を見てみよう。1、2塁間、2塁、2、3塁間の背中を守るように立つのがそれぞれライト、センター、レフトの選手。当然ながらひとりの守備範囲が広く、この外野手の間や頭を越えて飛んでいく球や、手前にぽとんと落ちる球がヒットになるわけだが、これはまあ取れない。しかたがない。
が、ブロス投手のノーヒットノーランがかかっている試合では、そんなことは言っていられなかった。投手ひとりだけの記録でなく、後ろが守ってこそのノーヒットノーラン。回を重ねるごとに高まる緊張と期待、そしてそれは訪れた。
レフト方向に延びるヒット性の打球、これは間違いなくヒットになる、打たれたブロス本人も肩を落とし気味に振り向いた。が、神宮球場は沸いた。帽子が飛ぶほどの猛ダッシュ、顔面からのスライディングで見事に球は捕球されたのだ。
それが、稲葉選手であった。プロ1年目の選手の大ファインプレーである。
そのプレーに勇気づけられたのか、ブロスはその後持ち直し、ノーヒットノーランを成し遂げたのである。あの1球がヒットになっていれば、記録達成はなかったわけである。
そのことを振り返り、稲葉氏は語った。
「気がついたら足が動いて、ボールを取っていました」
何たる謙虚さ! 何たるまじめさ!
よく日に焼けた顔に似合う白い歯を見せながら、インタビューされるようなことはしていない、と恥ずかしそうに話す稲葉選手に釘づけになった。
後から知った話だが、法政大学在学時代、稲葉選手を見た野村監督(当時)が、
「あの選手はうちで使いたい」
と、太鼓判を押していたそうな。野村氏の慧眼に改めて感服、である。

その稲葉選手が若手から中堅になり、チームを支えるころ、ヤクルトスワローズは選手の引退や放出が相次ぎ、なかなか結果が出ないシーズンが増えた。
そして視聴率低迷のなかで「野球中継をすると次の番組の時間が狂う」といった声が多かったのだろうか、民放の番組では中継をすることが少なくなってきた。
球場に足を運ぶ金もなかった学生当時、しかたなくニュースの時間を待ちわびたのを、よく覚えている。
最近はケーブルテレビに加入できたので、好きなだけ好きな野球中継を楽しむことができるのはありがたいことだ。
チームはどこであれ、やはり野球は日本の伝統スポーツであると、誇りたい。

さていよいよシーズンが始った。

OFFICIAL Blog→ http://gree.jp/inaba_atsunori/ 

TOWER RECORDS ONLINE[稲葉篤紀]
TOWER RECORDS ONLINE「稲葉篤紀 全力疾走~新たな挑戦へ~」




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