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武正春監督作品「EDEN」  [●THEATER]

2012年11月17日公開作品(映画『EDEN』フィルムパートナーズ製作)

私は、よき理解者には
なれないかもしれない。でも、友達になりたいなあ、と
スクリーンに出てくる彼女たちを観ながら思った

[text●h.mariko]

eden001.jpg
「もちろん、ネットとかで公開してくれるわよね?」
舞台挨拶待ちのペペロンチーノ(齋賀正和)&菊五郎(池原猛)

実は、私にとって、「映画館で映画を観る」というのは、結構贅沢な事なのである。
家では再現不可能の、スクリーンサイズ。
良質の音響。
適度な暗闇。
見知らぬ人たちが同じストーリーに、音楽に、熱狂出来る、その瞬間。
ああ、好きだ。たまらぬ。

しかし、そこにかかるコストを、安いと思えるか高いと思うかは、作品次第。
その、「作品」が困りどころなのだ。
好きな映画は沢山ある。しかし、映画館で観て好きになった映画は、意外と少ない。
自分のなかでの「ハズレくじ」をひきたくない、と思ってるうちに、公開期間が終わってた、なんてこともしばしば。

この作品、「EDEN」の上映を知ったのは、上映日の1日前。新聞広告でのことだった。
私としては珍しく、一発で観たい、と思った。
そういうときに限って、するすると時間が空く。
運とは不思議である。
そうして、勇んで観に行ったわけだ。

この映画に興味を持ったのは、山本太郎が出演していることと、故・原田芳雄氏が生前から温めていた企画である、ということ。
それから、主人公が同性愛者であり、ゲイ、オカマ、ニューハーフたちが中心となってストーリーが進んでいくらしいということ。
ま、はやくいえば、ただの好奇心からであったのだ。

それが、どうだろう。
映画館を出た私は、何リットルの涙を流しただろうか。
空腹も忘れて大声で、どれくらい笑い続けただろうか。
いや、やはり、流した涙のほうが、インパクトが強い。

同性愛とは、日本では特に“世間”が受け入れていないという印象がある。けど、アメリカはじめ諸外国では、州の法律次第では同性婚も可能となっている昨今、文化とかそういう意味じゃなくて、いわゆるマイノリティーな性別の人たちの主張に耳を傾けるのは必然ではないかと思う。

同列にするには悩みが違いすぎると一笑に付されるかもしれないが、私もマイノリティーな性質が強い故、こういった人たちにはなんとなく、親近感を持つのだ。
どうしても何かを成し遂げたいけれど、それについて回るのが性別という差別だったり、世間という誰とも解らない眼差しから逃れなくてはならなかったりすることは、本当に辛い。誰か気づいてくれ、という心のサインなど、なかなか他人には伝わらないのだ。
だからそれを体現している(とも言える)性差を越えた人たちは、尊敬してしまう。

同性愛ってなんだろう。私には解らない感情だが、それを排他する気はない。もともと、女だから/男だから、という理由で杓子定規にものを決めることが大嫌いなのだ。私は、彼女らのよき理解者にはなれないかもしれない。でも、友達になりたいなあ、と、スクリーンに出てくる人たちを観ながら思った。

この作品は、笑いを沢山ちりばめながら、弱者や差別されるような人々に温かな眼差しを向けているように思う。
そして近しい人の死を見守る仲間の絆であったり、またそれぞれの立場と、自由と、そして何より“愛”を描いてるんじゃないかな、と、笑って泣きながら随所で思った。

公開期間は短い。
が、お墨をここにつける、べったりと。
是非とも、明日にでも映画館に走ってほしい。

初日に行ったら、舞台挨拶待ちの役者さんを発見。写真を快諾してくれた。
「もちろん、ネットとかで公開してくれるわよね?」
という言葉を約束だと思って、ペペロンチーノと菊五郎の写真を眺めるのだった。

1212.jpg

「EDEN」OFFICIAL WEB SITEhttp://sumomo.co.jp/eden/
「EDEN」Facebookhttps://www.facebook.com/2012eden
■cast 
山本太郎(ミロ)
高橋和也(エルメス
中村ゆり(仲里アカネ)
齋賀正和(ペペロンチーノ)
池原猛(菊五郎)
小野賢章(薔薇のサーシャ)
大橋一三(蘭丸)
高岡早紀(豊原美沙子)
藤田弓子(ノリピーの母)
ほか


原作「夏の渦」収録中篇小説集/船戸与一著「新宿・夏の死」

新宿・夏の死

新宿・夏の死

  • 船戸与一著
  • 文藝春秋
  • 2001/05
  • 単行本

新宿・夏の死 (文春文庫)

新宿・夏の死 (文春文庫)

  • 船戸与一著
  • 文藝春秋
  • 2004/05
  • 文庫

新宿・夏の死 (小学館文庫)

新宿・夏の死 (小学館文庫)

  • 船戸与一著
  • 小学館
  • 2012/08/03
  • 文庫






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蜷川実花監督作品「ヘルタースケルター」 [●THEATER]

2012年7月14日公開作品(岡崎京子原作)

偏見、妬み、反感・・・、それらの視線をものともせず
エリカ様はエリカ様のまま主人公になりきってしまった

[text●w.hikaru]

hsl2012.jpg
「ヘルタースケルター」(C)2012映画「ヘルタースケルター」製作委員会

沢尻エリカはいつまでたってもあの殻を脱ぎ捨てられないでいる。
あの「ベツに!」発言から数年がたつというのに、彼女はまだ、エリカ様のままだ。

スキャンダルにまみれ、まともな女優業から遠ざかっていた彼女がまさに身を粉にして挑んだ主演映画。
偏見、妬み、反感・・・それらの視線をものともせず、エリカ様はエリカ様のまま主人公になりきってしまった。
そう、彼女は彼女のまま、ワガママを貫いたからこそ、この映画で大成功を収めたのだ。

温室育ちの蜷川監督のピュアな視点なくしても、この映画の主人公は彼女しかいなかったに違いない。
スキャンダルを土台にしたキャラクターの開花。
誰もスクリーンの彼女に抗えない。
見た者すべてを高城剛にしてしまうほどの魅力が、この映画の沢尻エリカには兼ね備えられている。
超越した美しさの先にある狂気。
それを表現するにはまず、とことんまで美しくなければならない。
好感度ばかり気にしているイマドキの小娘にはとても務まらないのだ。
全身整形といういかにも胡散臭い設定を、生身の肉体でアピールする彼女を潔いとさえ思える。
もはや演技ではない、沢尻エリカの存在感だけで主人公が成立している様は圧巻だ。

テレビでも映画でも、そして週刊誌でも、誰もが好奇の目で彼女を見ている。
しかし、そんな目でエリカ様を見ていると痛い目に遭いそうだ。
目が離せなくなるなんて使い古された言葉ではなく、どぎついエリカ様に無意識に目を奪われる、そんな深みにはまる映画である。

OFFICIAL WEB SITE→ http://hs-movie.com/

hsp2012.jpg

_ヘルタースケルター

  • _監督●蜷川実花
  • _原作●岡崎京子
  • _2012/07/14
  • _劇場公開作品/日本映画
  • (C)2012映画「ヘルタースケルター」製作委員会
■cast
沢尻エリカ(りりこ)
大森南朋(麻田誠)
寺島しのぶ(羽田美知子)
綾野剛(奥村伸一)
水原希子(吉川こずえ)
新井浩文(沢鍋錦二)
鈴木杏(保須田久美)
寺島進(塚原慶太)
哀川翔(浜口幹男)
窪塚洋介(南部貴男)
原田美枝子(和智久子)
桃井かおり(多田寛子)
ほか



ヘルタースケルター 映画・原作 公式ガイドブック (Feelコミックス)

ヘルタースケルター
映画・原作 公式ガイドブック

  • 岡崎京子作
  • 祥伝社(Feelコミックス)
  • 2012/07/06
  • コミック

ヘルタースケルター (Feelコミックス)

ヘルタースケルター

  • 岡崎京子作
  • 祥伝社(Feelコミックス)
  • 2003/04/08
  • コミック





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宮崎吾朗監督作品「コクリコ坂から」 [●THEATER]

スタジオジブリ製作 劇場アニメ(2022年7月16日公開)

青春よりも澄み、恋愛よりも儚い
誰も手にしたことのない
もう決して手にすることのできない
若者の理想の姿

[text●w.hikaru]

私は懐古趣味が嫌いだ。
いまがいちばん楽しくなくては生きてる意味がない! なんて、少し前の青春パンク的なことを言うつもりはないが、嫌いな理由としてはそれも一理ある。
 
ただ、誰にでも理想的な時代背景というものがあって、特にバブル崩壊後の暗雲立ち込める時代に青春期を過ごした我々世代にとって、高度経済成長期という時代はその響きすら輝かしいものである。
その時代ごとに実際に生きた人にしかわからない苦労があるはずなので、あの奇跡の戦後復興に尽力した人々からしたら、何の努力もせずに世界第2位の豊かさ(現在は中国に追い抜かれたらしいが・・・)を生まれながらに手にしている我々世代がいったい何に憧れているのかなんて理解できないかもしれない。
でも、この映画にはちゃんと描かれているのだ、その理由、その背景、そしてあの時代の輝きすらも・・・
 
翌1964年は戦後復興の最もシンボリックなイベント、東京オリンピックが開催された年で、プロスポーツ界では巨人の王さんが55本の年間本塁打日本新記録を樹立。横綱、大鵬が6場所中4場所優勝し、うち2場所が全勝優勝した年である。
少し横道に反れてしまったが、そんな明るい時代。
日本国民が1点の光を見つめ、信じ、前進し続けていた時代といえる。

物語はそんな時代(1963年)の横浜が舞台。
土地柄、やはり海がキーワードとなっている。
主人公の名前も海、主人公の死んだ父親も船乗り、主人公と運命的な出会いをする少年も船乗りの息子・・・といった具合である。
この物語の原作はいまから30年ほど前の少女コミック「なかよし」に連載されていたマンガである。
ここまで紹介した時代背景、登場人物の設定からすると、これまでのジブリ作品における「耳をすませば」的な青春恋愛もののにおいがプンプンするのだが、私は決して同じ枠組みでこの映画を捉えられなかった。
 
ここで描かれているのは、青春よりも澄み、恋愛よりも儚い、誰も手にしたことのない、もう決して手にすることのできない若者の理想の姿である。
理想は現実ではない。
現実を理想に近づけることはできるが、完全一体化は不可能である。
理想は年をとらないが、現実は年々老いていく。
 
この映画では、主人公の高校において旧校舎(文化部部室)の取り壊し問題に奔走する生徒たちの姿を生き生きと描いている。
日米安保以後、学生運動が徐々に盛り上がる時代。
当時のリアルを伝えるにはもってこいのテーマである。
生徒たちのさわやかな闘争から感じたのは、自分の信念を疑うことなく貫くことの眩しさだった。
 
いまの日本に時間軸を戻してみよう。
人々はいったい何を信じて生きているのだろう。
「がんばろう日本」という投げっぱなしジャーマン的なスローガンを叩き込まれ、目に見えない放射線におびえ、政治家の怖いくらい無責任な発言に翻弄される毎日。
 
私は懐古趣味が嫌いだ。
ただ、若いころに信じた気持ちをいまでも忘れないでいる。
この映画が現在の日本に対して言えることはただひとつ。
若者の理想は揺るぎなく、決して諦めないことなのだと。
 
「コクリコ坂から」OFFICIAL WEB SITE→ http://www.kokurikozaka.jp/

コクリコ坂から (スタジオジブリ, 宮崎吾朗監督) [DVD]

コクリコ坂から

  • スタジオジブリ製作/宮崎吾朗監督
  • DVD
■voice actor 
長澤まさみ(松崎海)
岡田准一(風間俊)
風間俊介(水沼史郎)
竹下景子(松崎花)
風吹ジュン(松崎良子)
白石晴香(松崎空)
小林翼(松崎陸)
石田ゆり子(北斗美樹)
柊瑠美(広小路幸子)
内藤剛志(小野寺善雄)
大森南朋(風間明雄)
香川照之(徳丸理事長)


TOWER RECORDS ONLINE「コクリコ坂から サウンドトラック」
TOWER RECORDS ONLINE「コクリコ坂から 歌集」

コクリコ坂から (角川文庫 み 37-101)

コクリコ坂から

  • 高橋千鶴作・佐山哲郎原作
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
  • 2011/06/23
  • 文庫

コクリコ坂から

コクリコ坂から

  • 高橋千鶴作・佐山哲郎原作
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
  • 2010/07/10
  • コミック

コクリコ坂から サウンドトラック

コクリコ坂から
サウンドトラック

  • 武部聡志
  • 徳間ジャパンコミュニケーションズ
  • 2011/07/13
  • CD
■Track listing
01.夜明け~朝ごはんの歌(手嶌葵)/映画バージョン
02.朝の通学路
03.馬鹿騒ぎ
04.追憶
05.お天気むすめ
06.カルチェラタン
07.夕陽の部屋
08.上を向いて歩こう(坂本九)
09.絵の中の旗
10.白い花の咲く頃(合唱)
11.初恋の頃(手嶌葵)/映画バージョン
12.パーティー
13.赤い河の谷間(合唱/Red River Valley)
14.信号旗
15.夕暮の運河
16.大掃除
17.回想
18.雨の帰り道
19.夢
20.団結
21.エスケープ
22.鉛色の海
23.告白
24.母 恋うる心
25.再会
26.ようこそカルチェラタンへ
27.紺色のうねりが(合唱)/映画バージョン
28.明日に向って走れ
29.さよならの夏~コクリコ坂から~ (手嶌葵)/映画バージョン


スタジオジブリ・プロデュース「コクリコ坂から歌集」

コクリコ坂から歌集
スタジオジブリ・プロデュース

  • 手嶌葵
  • ヤマハミュージックコミュニケーションズ
  • 2011/07/06
  • CD
■Track listing
01. さよならの夏~コクリコ坂から~/主題歌
02. エスケープ
03. 朝ごはんの歌/挿入歌
04. 旗
05. 春の風
06. 懐かしい街
07. 並木道 帰り道
08. 雨
09. 初恋の頃(ALBUMバージョン)/挿入歌別バージョン
10. 赤い水底
11. 紺色のうねりが/挿入歌別バージョン
12. 愛をこめて。海
13. さよならの夏~コクリコ坂から~/主題歌別バージョン


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マーベル・スタジオ製作作品「マイティ・ソー」 [●THEATER]

2011年公開作品(原題「Thor」/アメリカ映画

マーベル連動作品、遂に異色のヒーロー降臨!
ファンタジーと迫力のアクションが交錯する

[text●i.akira]

アメリカン・コミックの代名詞であるマーヴェルが完全自社映画制作のために立ち上げた“マーベル・シネマティック・ユニバース”。これまでに「アイアンマン」、「インクレディブル・ハルク」、「アイアンマン2」が公開されているが、それらすべての世界観は共有されている。そして今回そこにこの「マイティ・ソー」が加わることになった。

舞台は地球とは別の世界であるアスガルド。神々の王オーディン(アンソニー・ホプキンス)の長男であり、強大な力と豪快な性格を持つソー(クリス・ヘムズワース)は、民や友からも高い信頼を得ながらも、その自己中心的で傲慢な言動が仇となり、オーディンの命令によりミッドガルド、すなわち地球へ堕とされてしまう。力と彼の武器である最強のハンマー“ムジョルニア”を失った彼は、地上で知り合った女性科学者ジェーン・フォスター(ナタリー・ポートマン)たちの力を借りながら、力を取り戻す方法を模索していく。そしてアスガルドではソーの弟であるロキ(トム・ヒドルストン)が不穏な動きをみせていた・・・。

本作はマーベル・ヒーロー作品のなかでもかなり異色であり、主役のソーを始め、登場人物の名前やキャラクター、設定の多くが北欧神話を基としたものである。日本ではそんなに馴染みがないため敬遠されがちだが、本作にその予備知識は必要ない。「アイアンマン」同様の適度なコミカルさとシリアスな展開、そして現代劇とファンタジーが交錯した迫力の映像とソーのパワーに圧倒されればいいだけである。無名俳優だったにもかかわらず大抜擢となった主演のクリス・ヘムズワースの完成された肉体美とパワフルなアクションは必見だ。また、数々の怪演で知られるアンソニー・ホプキンスや、映画「ブラック・スワン」での狂気ぶりが話題のナタリー・ポートマン、オーディションにより見事ソーの3人の部下であり親友“ウォリアーズ・スリー”のひとりホーガン役を得た浅野忠信など、豪華な俳優陣も見どころである。

さらに今年10月には連動作品「キャプテン・アメリカ ザ・ファースト・アベンジャー」の日本公開も決定し、2012年にはハルクとアイアンマンとソーとキャプテン・アメリカというヒーローたちが一同に介する「ザ・アベンジャーズ」が公開予定である。さらに広がる壮大な本シリーズ、今からチェックしても遅くはない。

T0009711p.jpg
OFFICIAL WEB SITE→ http://www.mighty-thor.jp/
※2011年7月2日から全国ロードショー(3D公開/一部会場を除く)
■cast 
クリス・ヘムズワース(マイティー・ソー)
ナタリー・ポートマン(ジェーン・フォスター)
アンソニー・ホプキンス(オーディン)
レネ・ルッソ(フリッガ)
トム・ヒドルストン(ロキ)
ステラン・スカルスガルド(エリック・セルヴィグ)
カット・デニングス(ダーシー)
イドリス・エルバ(ヘイムダル)
ジェイミー・アレクサンダー(シフ)
ジョシュア・ダラス(ファンドラル/ウォリアーズ・スリー)
レイ・スティーブンソン(ヴォルスダッグ/ウォリアーズ・スリー)
浅野忠信(ホーガン/ウォリアーズ・スリー)
ほか


マイティ・ソー:アスガルドの伝説

マイティ・ソー
アスガルドの伝説

  • スタン・リー著/ジャック・カービー画
  • 中沢俊介・沢田京子訳
  • 小学館集英社プロダクション
  • 2011/07/16
  • 単行本(ソフトカバー)



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ジャコ・ヴァン・ドルマル監督作品「ミスター・ノーバディ」 [●THEATER]

2011年公開作品(原題「Mr. Nobody」/2009年製作 ベルギー、カナダ、フランス、ドイツ映画

選択の連続のなかでしか生きることのできない我々に向かって
「すべての可能性がすべて正しいのだ」と力強く訴えかけてくれる
壮大でポジティブで、めちゃくちゃ不思 議なSF長編

[text●k.hayato]

mrno.jpg

まもなくその生を終えようとしている118歳のお爺ちゃんが、少しずつ思い出しながら自分の人生を振り返り語りだすと、そこには複数の人生があった・・・というお話。設定としてはこれだけ。しかし、ここで語られる、たくさんの分岐点から派生した幾つものエピソードが、時間軸も矛盾点も関係なく、同時進行的かつ矢継ぎ早にあふれだしてきて、非常に複雑なパラレルワールドを展開していきます。にもかかわらず、ひとつひとつの話はとてもていねいに描かれていて、次々と設定が変わるシーンが、なぜか不思議なほど自然に繋がっていくのが見事。加えて、観る者を飽きさせない映像美はどれも彼の鮮烈な思い出を表わしているようで、どのシークエンスにおいてもお爺ちゃんの妄想とはとうてい思えないほどのみずみずしさと人間味にあふれていて感動的です。

最初はストーリーの飛び交いっぷりに「???」と思いながらも、“ビッグ・クランチ”、“超ひも理論”、“バタフライ・エフェクト”などといった、SF好きにはたまらない用語や設定を絡めつつ説得され、さらに、それでいて主人公ニモの行動理念は常に惚れた女のためという、とてもシンプルかつ強固な価値観を共有していくことにより、やがてすべてのパターンの出来事・人生が確かにそこに存在している、と思わされてくる、なんとも奇妙な感覚になります。

118歳のニモの脳内にある無数の人生は、すべてが正しいことなのか、あるいはすべてが嘘の話なのか、作品内では最後どのように明らかにされるのかは、観た人がどのように判断するかに委ねる形になっています。パラレルワールドとは、時の流れに現行する世界が複数あると考えられるもので、何かしらのきっかけをもって互いに知る由もない別次元の世界を知ってしまうことが、SFの話ではよくある設定であるのですが、今作は基本的に現行の主人公は118歳のニモお爺ちゃんひとりだけ。その彼が最初に「私は34歳なんだ」と言っていること、はたして今の彼自身もまた別のパターンが存在するうちのひとりなのかということ、そして彼の人生とは何だったのかということなどの、この作品の世界観の根底的なところについては、ラストの衝撃的な結末・セリフとともに新たな価値観を叩きつけてくれることで、その答えとしてくれるでしょう。

語り部であるニモの、そして監督ジャコ・ヴァン・ドルマルの伝えたかったことは、すべての人生を肯定することだと思います。
幾層にも重なる時空を自由に飛び越え、流れる水のように紡がれるニモの人生はどれも美しく、しかしどれも少しの悲しさを内包しています。選択の連続のなかでしか生きることのできない我々に向かって、理屈と感情の渦のなかで「すべての可能性がすべて正しいのだ」と力強く訴えかけてくれる、壮大でポジティブで、めちゃくちゃ不思議なSF長編です。今んとこ今年ベスト級。
■cast 
ジャレッド・レト/Jared Leto(Nemo Nobody)
ダイアン・クルーガー/Diane Kruger(Anna
サラ・ポーリー/Sarah Polley(Elise)
リン・ダン・ファン/Linh Dan Pham (Jeanne)
トビー・レグボ/Toby Regbo(Nemo when 16 years old)
ジュノー・テンプル/Juno Temple(Anna when 15 years old)
ほか

※2011年4月30日(土)〜ヒューマントラストシネマ渋谷他、全国順次ロードショー

OFFICIAL WEB SITE→ http://www.astaire.co.jp/mr.nobody/




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ザック・スナイダー監督「エンジェル ウォーズ」 [●THEATER]

2011年公開作品(原題「Sucker Punch」/アメリカ映画

とにかく女の子がかわいい!
彼女たちのアクションと張り詰めた表情が最高
いやでもアガる内容なことは確か

[text●k.hayato]

金髪セーラールックの女の子が辛い現実から逃避した空想世界で日本刀と拳銃振り回して、ボンテージ美女の仲間4人とともに巨侍とかゾンビ兵とかドラゴンとかロボットとかと派手にバトルアクションを繰り広げる・・・、ってざっくりとあらすじを書くとあまりに酷い、大変に頭の悪い内容。でもそれでここまでエンターテインしてるんだから、監督ザック・スナイダーのヲタク力強し!という感じ。

テーマとかメッセージにあまり深いものを求めることは重要でない作品であることはすぐわかる。ただそれを申しわけていどに意味ありげな要素を入れてしまっていたのは、話全体を濁らせてしまった感あり。脱出劇の結末とか5つめのアイテムのオチとか正直「なんだそりゃ」と思ったから、べつになくてもよかったところ。ただ唯一、もっと、ちゃんと描いてほしかったのは「ロボトミー手術」のディテールについて。主人公の絶対的な恐怖というファクターなんだから、ここがなおざりに描かれてしまっていたのは残念。何のために何をする手術なのか、結果的にどのような効果をもたらすのかということを説明しないと、空想世界に逃避する理由、そしてその世界では何に象徴され置き換わっているかという話に、必然性が生まれなかったように思える。

一方で、空想世界を展開する=誰もみたことのないダンスを踊る、という図式は見事。空想世界に行く理由と、ダンスがどれだけ凄いものかということの、両方の説明を補完しあう。このダンスを実際に見せてしまうと、劇中でほんとに“だれも聴いたことのない曲”を鳴らしてしまったBECKの映画みたいになってしまうから、この演出は成功といえる。

あとはとにかく女の子がかわいい! 彼女たちの、というか主演のエミリー・ジョーンズのアクションと張り詰めた表情が最高! バトルシーンにも映像と演出に迫力ありまくって、いやでもアガる内容なことは確か。ボンクラ男子の好きな要素をとにかくできるだけ詰め込んだ上で、「これは空想なの! だからスパッと終わっていいの!」と言わんばかりにメリハリを効かせて、テンポよく、そして意味なく続けていく。この爽快なほどの都合のよさは、潔くて、もはや好感がもてる。日本刀とか機関銃とか5つのアイテムとかゾンビとかロボット兵とか、そんなものばかりがなぜ、あんな女の子の空想でててくるのか、というのは無粋というもの。

あんまりシリアスなこと考えたくなく、カワイクてカッコイイ映像が観たいときにおススメです。皮肉ではなく、それだけで充分価値のある作品。
※2011年4月15日から劇場公開中

OFFICIAL WEB SITE→ http://wwws.warnerbros.co.jp/suckerpunch/ 

■cast 
エミリー・ブラウニング(ベイビードール)
アビー・コーニッシュ(スイートピー)
ジェナ・マローン(ロケット)
ヴァネッサ・ハジェンズ(ブロンディ)
ジェイミー・チャン(アンバー )
ブオスカー・アイザック(ルー・ジョーンズ)
カーラ・グギノ(ベラ・ゴルスキー)
ほか


エンジェル ウォーズ オフィシャルガイド (ShoPro Books)

エンジェル ウォーズ
オフィシャルガイド

  • 小学館集英社プロダクション(ShoPro Books)
  • 2011/03/26
  • 単行本


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ミカエル・ハフストローム監督作品「ザ・ライト ─エクソシストの真実─」 [●THEATER]

2011年公開作品(原題「The Rite」/アメリカ映画

はたして悪魔は存在するのか否か
バチカン公認の悪魔祓い師“エクソシスト”を
リアルに淡々と描いた衝撃作

[text●i.akira]

エクソシスト。その言葉を知っている人はたくさんいるだろうが、それが実在する職業だということを知らない人は多いだろう。宗教的な観念が基本的に低い日本においてはなおさらである。近年、カトリック教の聖地であるバチカンにて講座も開かれ、公式に認定されてエクソシスム(悪魔祓い)を行なうことが許された聖職者をエクソシストと呼ぶ。そしてそれは、少なくともカトリックの観点では“悪魔”が存在することを意味している。

本作はエクソシストへの道を薦められた青年が、葛藤と疑念にかられたまま本物のエクソシストや悪魔の存在に触れ、答えを見つけ出していくストーリーである。テーマがテーマだけに、映像はどれもが重苦しく、意味深である。しかし、この手の作品に多い過剰なスプラッターや演出はほとんどなく(実際に劇中で「回る首や緑色のゲロが見たかったか?」という、1973年の映画「エクソシスト」へのオマージュのようなセリフもある)、淡々と物語を楽しむことができる。

ちなみに主役はコリン・オドナヒューであるが、ぶっきらぼうで変わり者なエクソシストを演じるアンソニー・ホプキンスの存在感に完全に食われている。というより、彼の感情の起伏こそが本作の見どころだといっても過言ではない。彼が哀しみに暮れる姿も、狂気を宿した姿も、どれもが脳裏に焼きついて離れない。彼のファンなら誰もが納得できる作品だろう。

実話を基にした作品とのことだが、たいした前知識がなくともエンタテインメントとして十分に楽しめる。そして観終わったあと、それぞれが真実を見極めてほしいと思う。
※2011年3月19日(土)〜全国劇場公開

OFFICIAL WEB SITE→ http://wwws.warnerbros.co.jp/therite/ 

ザ・ライト -エクソシストの真実- (アンソニー・ホプキンス 出演) [DVD]

ザ・ライト ─エクソシストの真実─

  • ■cast
    アリシー・ブラガ(アンジェリーン)
    アンソニー・ホプキンス(ルーカス・トレヴァント)
    コリン・オドナヒュー(マイケル・コヴァク)
    トビー・ジョーンズ(マシュー
    キアラン・ハインズ(ザビエル)
    ほか

ザ・ライト ─エクソシストの真実─ (小学館文庫)

ザ・ライト ─エクソシストの真実─

  • マット・バグリオ著
  • 小学館(小学館文庫)
  • 2011/03/04
  • 文庫


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グレッグ・オリヴァー/ウェス・オーションスキー監督作品「極悪レミー」 [●THEATER]

2010年米製作公開作品/2010年ー2011年日本公開

世界中を熱狂させるMOTORHEADのフロントマン
レミー・キルミスターというひとりの男の生き様

[text●i.akira]

MOTORHEAD。そのサウンドは知らなくても、その名前を聞いたことはあるはずだ。ロックンロールをよりへヴィにしたメタルの始祖のひとつであり、結成30年を迎えてなお全世界を熱狂させるサウンドとライブを武器に、ジャンルを越えて愛され続けるバンドである。そして、その中心にいる男こそ、この映画の主役であるレミー・キルミスターだ。髭に長髪に左ほほにある大きなイボを持つ強面で、他の追随を許さない強烈なボリュームのベースを構え、マイクを自分の身長より高い位置にセットし、少し上向きに歌う姿は一度観たら忘れられないほどのインパクトを持つ。今年の12月24日で65歳を迎える彼だが、今なお衰えなどとは無縁なほどに己の流儀を貫きながらロックし続ける生きる伝説である。

本作ではそんな彼の半生を思う存分に楽しむことができる。月900ドルのどこにでもあるアパートで気ままに暮らすレミー様、乱雑に物が散乱した自宅の部屋でTVゲームを楽しむレミー様、立ち寄ったCDショップでTHE BEATLESのボックスを買うレミー様、スロット・ゲームを何時間も静かに楽しむレミー様、コーラのジャック・ダニエル割り(ジャック・ダニエルの割合が多い)で糖尿病の薬を飲むレミー様、いちばんの宝物は息子だと語るレミー様(でも結婚はしていないし、する気もないレミー様)、いつ何時もファンへのサービスを忘れないレミー様・・・。

数多くのロック・スターたちのインタビューとともに映し出される映像には、偉大なるロック・スターではなく、ひとりの男の生きざまが描かれている。日本では考えられないようなとんでもない発言や破天荒な伝説の数々が多々あるが、彼独自のユーモアや優しさが言葉の節々にあり、誰からも愛されるべき、男ならば憧れるべき男がそこにいるのだ。同時に、彼が画面に映るとほかの人物や風景はすべて脇役となり、まるで彼のためにそうあるかのように見えてくる。それほどまでの存在感と輝きを放って、彼はただ思うままに生きている。きっと彼の存在を知らない人でも、本作を観れば彼を好きになってしまうだろう。

来年1月には通算20枚目となるスタジオ・アルバム「The World is Yours」の発売も決定しているMOTORHEAD。止まることを知らないレミー様のロックンロール・デイズは、これからも続いていく。その雄姿、まずは映画館で観てほしい。

OFFICIAL WEB SITE→ http://www.lemmymovie.jp/ 

222.jpg極悪レミー
■theater
シアターN渋谷/12月3日〜
名古屋シネマテーク/12月4日~
シネ・リーブル博多駅/12月4日~
チネチッタ川崎/12月4日~
※第1回 爆音映画祭 音楽編
東京・バウスシアター
12月11日~17日
シアターキノ(札幌)/1月2日~
テアトル梅田/1月8日~
ほか2011年順次全国公開

■cast 
レミー/MOTORHEAD
フィル・キャンベル/MOTORHEAD
ミッキー・ディー/MOTORHEAD
”ファスト”エディ・クラーク/MOTORHEAD/FASTWAY
ラーズ・ウルリッヒ/METALLICA
ジェームズ・ヘットフィールド/METALLICA
カーク・ハメット/METALLICA
ロバート・トゥルージロ/METALLICA
ジェイソン・ニューステッド/ex METALLICA
アリス・クーパー
スラッシュ/GUNS’N’ROSES
ダフ・マッケイガン/GUNS’N’ROSES
マット・ソーラム/GUNS’N’ROSES/VELVET REVOLVER
デイヴ・グロール/NIRVANA/FOO FIGHTERS
ミック・ジョーンズ/THE CLASH
スティーヴ・ヴァイ
ピーター・フック/JOY DIVISION/NEW ORDER
キャプテン・センシブル/THE DAMNED
デイヴ・ヴァニアン/THE DAMNED
ビリー・ボブ・ソーントン
スコット・イアン/ANTHRAX
オジー・オズボーン
スリム・ジム・ファントム/STRAY CATS/THE HEAD CAT
ヘンリー・ロリンズ/BLACK FLAG
デイヴ・ナヴァロ/JANE’S ADDICTION
ニッキー・シックス/MOTLEY CRUE
ディー・スナイダー/TWISTED SISTER
ラーズ・フレデリクセン/RANCID
ジョーン・ジェット
ジャーヴィス・コッカー/PULP
デイヴ・エレフソン/MEGADETH
マーキー・ラモーン/RAMONES
マイク・アイネズ/ALICE IN CHAINS
デイヴ・ブロック/HAWKWIND
ステーシア/HAWKWIND
ニック・ターナー/HAWKWIND
コリー・パークス/NASHVILLE PUSSY
ペッパー・キーナン/CORROSION OF CONFORMITY
ニック・グリボン/ROCKIN VICKERS
ハリー・フィーニー/ROCKIN VICKERS
トニー・ジェイムス/GENERATION X
アイスT
ジム・ヒース/REVEREND HORTON HEAT
ジェイソン・エヴァーマン/SOUNDGARDEN
ジェフ・ロウリー/プロスケーター
トリプルH/プロレスラー
キャット・ヴォン・D/タトゥーアーティスト
ポール・インダー/レミーの息子
ほか


The World Is Yours: +DVD

The World Is Yours
CD+DVD

  • MOTORHEAD
  • Motorhead Music
  • 2011/01/17
  • CD+DVD

The World Is Yours

The World Is Yours

  • MOTORHEAD
  • UDR
  • 2010/12/13
  • CD
■Track listing
[disc 1]
01. Born To Lose
02. I Know How To Die
03. Get Back In Line
04. Devils In My Head
05. Rock 'n' Roll Music
06. Waiting For the Snake
07. Brotherhood of Man
08. Outlaw
09. I Know What You Need
10. Bye Bye Bitch Bye Bye

[disc 2/CD+DVD]
01. Live At Wacken 2006
02. Doctor Rock
03. Love Me Like A Reptile
04. Killers
05. In The Name Of Tragedy
06. Dancing On Your Grave
07. Fast and Loose


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三池崇史監督作品「十三人の刺客」 [●THEATER]

2010年9月25日公開 
第67回ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門出品作品


痛みを知らずに簡単に人を殺し
そのくせ自分は滅びたがっている斉韶の姿は
ニュースで見かける身勝手な無差別殺人犯にかさなる

[text●u.junko]

“マゲメン”なるものが今年の日本映画界の流行らしいが、そんな薄っぺらい言葉を鼻で笑い飛ばしてしまうほど、こんなにも骨太な時代劇は久しぶりだ。これぞ日本のお家芸!三池崇史監督の狂暴なまでの熱風が、上映時間141分ものあいだ吹き荒んでいます。

天下万民のために命を捨ててでも戦うといった、滅びの美学が時代劇にはある。この作品でもまた、泰平の世を生きる侍たちが、暴君を討ち果たすために戦いを挑むのだが、ただ単純に迫力満点で、侍が忠義や大義名分のために生き、死んでいくだけの話に終わらず、全編を通して描かれる、暴力描写の生々しさがすごい。

将軍の弟・松平斉韶は老若男女に関わらず、手足や舌を切り落として慰み者にしたり、切腹した家臣の一族を抹殺したりと残虐非道の限りを尽くす。まるで子どもがいたずらに虫を殺すように、顔色ひとつ変えずとにかく殺して殺しまくる姿は、思わずスクリーンから目を背けたくなるほどだ。
しかし、そういったシーンにおいて、返り血を浴びる姿や切りつけた音までもがきちんと描かれているのがよかった。へたにオブラートに包むと、人の生き死にがテレビゲームのように絵空事になっていき、痛みがわからない人間は、暴力に対する感覚が麻痺していく。それを体現する存在が斉韶なのだ。想像力の欠如が暴力を生む構図は、映画だろうと現実社会だろうと変わらない。痛みを知らずに簡単に人を殺し、そのくせ自分は滅びたがっている斉韶の姿は、ニュースで見かける身勝手な無差別殺人犯と同じなのである。終盤、死体の山と化した宿場町を歩く刺客のひとりが、ふっと笑みを浮かべるシーンがある。これがすべてを物語っているなぁと、とても納得させられてしまった。

話題となっているラスト50分、13人で300人もの兵を相手に死闘を繰り広げるシーンは、役所広司や松方弘樹といったベテランはもちろんのこと、山田孝之たち若手俳優の殺陣や所作も、“付け焼刃でやりました”という作りものっぽさがなくて見ごたえ十分。また、暴君・斉韶を演じたのが国民的アイドルSMAPの稲垣吾郎(これがかなりのはまり役)だというのもすごいが、平幹二朗や松本幸四郎といった主役級の大御所たちが、たった数分であっても惜しげもなく登場するあたりもみどころだ。そして何より、侍が侍として生き、死んでいく姿はやはり文句なしにかっこいいのである。時代劇好きでも、そうでなくても楽しめる大作。ぜひ大画面で観るべきです。

OFFICIAL WEB SITE→ http://13assassins.jp/ 

映画ノベライズ版 十三人の刺客 (小学館文庫)

映画ノベライズ版 十三人の刺客

  • 大石直紀著
  • 小学館 (小学館文庫)
  • 2010/08/05
  • 文庫

■原作

十三人の刺客

十三人の刺客

  • 谺(こだま)雄一郎著 池宮彰一郎原案
  • 小学館
  • 2010/02/15
  • 単行本

[1963年風切り作品]
監督■工藤栄一
出演■片岡千恵蔵/里見浩太郎/嵐寛寿郎ほか



十三人の刺客 [DVD]

十三人の刺客



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大森立嗣監督・脚本作品「ケンタとジュンとカヨちゃんの国」 [●THEATER]

2010年6月12日公開作品(2009年製作日本映画

ケンタとジュンにとって
カヨちゃんの二の腕太ももだけが
唯一の真実 

[text●y.tatsuya]

「自分探し」という名の旅がある。まさしく自分と向き合うことを目的としていて、過去と現在、未来、どこから来てどこへ向かうのか。人は旅を通して何かを発見しようとする。

何かを見つけたいと思うがゆえの行動において、少なくとも自分が何をしたいのか大抵はわかっているもの。でもどうしていいかわからない。だから旅に出る。行きたい場所なんてない。そんな旅はどこまで行っても空虚で、ただただ人恋しくて。

やがて、たったひとつ、ひとつの地に留まって変わらぬ日常を過ごす人たちの強さと、動きもがく己の弱さ。そんなあたりまえのことを知る。

ケンタとジュンにカヨちゃんが入り込んだ「何かをぶっ壊す旅」においては、そのことすら知ることはない。ただ、ケンタとジュンにとってカヨちゃんの二の腕と太ももだけが唯一の真実である。

006.jpg
■cast 
松田翔太(ケンタ)
高良健吾(ジュン)
安藤サクラ(カヨちゃん)
宮崎将 柄本佑 
洞口依子 多部未華子 
美保純 山本政志 新井浩文 
小林薫 柄本明 


エンディングテーマ「私たちの望むものは」阿部芙蓉美

OFFICIAL WEB SITE→ http://www.kjk-movie.jp/ 


ケンタとジュンとカヨちゃんの国  VISUAL BOOK featuring 松田翔太

ケンタとジュンとカヨちゃんの国
VISUAL BOOK featuring 松田翔太

  • オリジナルフォトストーリーブック
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
  • 2010/05/26
  • 単行本



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ジョン・ファヴロー監督作品「アイアンマン2」 [●THEATER]

2010年公開アメリカ映画

待望の『アイアンマン』続編!!
期待に応えてくれる超娯楽作!! 

[text●i.akira]

前作が大好評を博したマーヴェル・コミックの人気作『アイアンマン』の映画化第2弾。

世間からアイアンマンとして認知され、国を代表するヒーローとなった主人公トニー・スタークの新たな敵との闘いを描いた本作。自由奔放で自意識過剰なトニー・スタークを演じるロバート・ダウニーJr.のハマリ具合は相変わらずである。刹那的に人生を楽しもうとするトニーだが、アイアンマンになってしまった代償と戦う姿や、亡き父への思いなども描かれており、どこか憎めない男として終始観ているほうを楽しませてくれる。また、トニーの奇行に振り回されっぱなしの秘書ペッパー(グウィネス・パルトロー)も好感が持てる。アメリカのヒーローもの映画のヒロインは性悪が多くてイライラするので、これくらいがちょうどいい。

最大の見どころである戦闘シーンも凄い。ウィップラッシュ(ミッキー・ローク)との一騎打ちや、アイアンマン vs. アイアンマン、ウィップラッシュが作り上げた無人戦闘兵器ウォーマシン軍団との対決など、ド派手な演出による見どころは満載。随所で流れるAC/DCのナンバー(本作のサウンドトラックはAC/DC初のベスト・アルバムでもある)もピッタリだ。

135分、みっちりと楽しませてもらった。エンターテインメントとはどうあるべきかとの問いに見事に応えてくれる娯楽作である。

また、前作の最後にチラッと出演しただけで話題となったニック・フューリー(サミュエル・L・ジャクソン)が本作ではキーマンとしての役割を果たしていたり、随所に今後を匂わせるアイテムや映像があったりと、ファン心を多いにくすぐってくれる。そう、マーヴェル・コミック・ファンはお気づきだろうが、本作は2008年に公開された『アイアンマン』と『インクレディブル・ハルク』と連動しているのだ。そして2011年公開予定の『ソー』と『キャプテン・アメリカ』も一連の流れと連動している。これらはすべて、マーヴェル・ヒーローたちが一同に介するアベンジャーズ計画を映画化した『アベンジャーズ』(2012年公開予定)への布石となっているのだ!

ますます見逃せなくなるマーヴェル・ムービー。まだ触れていない方は、まずは1作目の『アイアンマン』から楽しんでほしい。

余談ですが、エンドロールで帰っちゃいけないのはこのシリーズのお約束ですよ。

OFFICIAL WEB SITE→ http://www.ironman2.jp/ 

アイアンマン デラックス・コレクターズ・エディション(2枚組) [DVD]

アイアンマン
デラックス・コレクターズ・エディション(2枚組)

  • ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
  • DVD





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ニール・プロムガンプ監督作品「第9地区」 [●THEATER]

原題「District 9」2009年公開(日本公開2010年)

予算映画(SF映画としては)にもかかわらず
まさかのアカデミー賞ノミネートで話題の1本! 

[text●a.takeshi]

南アフリカのヨハネスブルクに突如飛来した異星人(容姿がエビ似のためエビと呼ばれる)を、難民として受け入れたため第9地区では地球人でエビたちが共存することに。当然さまざまな軋轢、問題を呼び、超国家機関MNUは異星人たちを完全に隔離しようと、新たな収容施設を造り退去を画策、その指揮をまかされたヴィカスは退去書類へのサインを求め、武装した兵士たちを連れてエビたちの居住区に赴く。

実際にアパルトヘイトにより黒人、白人を分離させた南アフリカが舞台で、人類以外立ち入り禁止の看板あたりでモロにそれを連想する。監督や主演俳優も南アフリカ出身者で人種差別への問題提起が根底にあるだろうと想像する事は容易。でも若干コミカルに描かれているので湿っぽくはならずきちんと娯楽作品にしあがっています。まあ、そのコミカルさが差別の残酷さを際立たせてもいたけれど。
ある意味、超大作アバターを連想させる展開もあるけれどこちらは完全にB級なニオイが漂ってます。後半の、人やエビがピチャっとハジけとぶ戦闘シーンは個人的にはスターシップ・トゥルーパーズが頭によぎりました。そんなわけでレンタルビデオ屋で興味本位でそういうのをレンタルしちゃう人にはオススメです。
ストーリー展開やラストは、確かにありそうでなかったかもなあ~という感じで作り手のセンスが光っていたと思う。これも私見ですが、もっと人と異星人との日常を描いてくれたヤツを観たかったかなあ。

※現在上映中
「第9地区」OFFICIAL WEB SITE→ http://d-9.gaga.ne.jp/ 

第9地区 Blu-ray&DVDセット(初回限定生産)

第9地区
Blu-ray&DVDセット(初回限定生産)

  • ワーナー・ホーム・ビデオ
  • Blu-ray&DVD






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「アリス・イン・ワンダーランド」 [●THEATER]

大人にだって
夢を見て空想して
だだをこねる権利があったっていいじゃない

[text●h.mariko]

つい最近、職場の人に「あなたはまるで赤毛のアンみたいだね」といわれた。

空想の世界にすぐ取り込まれてしまう私にとってこれは褒め言葉。

じゃあ、不思議の国のアリスみたいだね、って言われたら? もっとうれしい!

私にとって、不思議の国のアリスの世界は子どものころからの憧れだった。服を着たウサギ、言葉を話す芋虫、トランプの兵士、にたにた笑うチェシャ猫。本を読むたびに幼い私はアリスと一緒に不思議の国を冒険したものだった。そして、夢から覚めて安心するアリスに、ちょっぴり嫉妬していた。私ならもっと、夢を見ていたいのに、と。

そのアリスが大人になって帰ってきた。映画の監督はティム・バートン、盟友のジョニー・デップも出演となれば見ないわけにはいかない!

話題の3D映像での映画だが、個人的にはあまり3Dにする必要はないかな、と。アバターのように奥行きがあって視点がくるくる変る映像には向いている気がするが、アリスではそんな大迫力の映像、というわけではないので、普通に楽しめた。まだ実験的な意味合いもあり採用されたのだろう。まるですぐ目の前にキャラクターがいるように錯覚する映像は一見の価値あることは、いうまでもないことだが。

大人になったアリスは美しい娘になり、「夢の世界」をすっかり忘れている。そんなある日、また目の前を服を着たウサギが駆け抜け、「これは夢の世界のはずだわ」と、困惑しながらウサギを追いかけて・・・・・・。

ストーリーは申し分ない。そして皆さんご存知アリスの大活躍は、ご自身で確かめられたい。敢えてここでは多くは語るまい。

ティム・バートンといえばブラックユーモアのセンスに富んだ作品を多く作る人、という印象が強いが、この作品はどちらかといえば「普通」。「ナイトメア・ビフォア・クリスマス」のような可愛いけどどぎつい、といった感じ、といえばお分かりいただけるだろうか?



大人になることは、何かを忘れたり、諦めたりすることだと聞いたことがある。

子どものころは「子どもの立場」という名の免罪符があったので、誰も彼もが暴君でいられた。それが社会性を持つと、あっという間に免罪符を取り上げられる。それが、大人になること。大人になったアリスは、現実世界でそれを不条理に感じている。そして、「夢の世界」でも。

そんなのつまらないと思わないか? 大人にだって夢を見て、空想して、だだをこねる権利があったっていいと思わないか?

この映画はそんな気持ちが詰まっている。空想の世界に思いっきり浸りたい方、是非ご鑑賞を。

ちなみに、3Dメガネとのメガネオンメガネは、やや見づらいとの意見があったので、めがね愛用者諸君はコンタクトの着用をお勧めする。

■BOOKS

アリス イン ワンダーランド 公式ビジュアル・ガイド (INFOREST MOOK)

アリス イン ワンダーランド
公式ビジュアル・ガイド

  • ジョー・ケイシー
  • インフォレスト
  • 2010/03/29
  • ムック


アリス イン ワンダーランド ビジュアル メイキングブック

アリス イン ワンダーランド
ビジュアル メイキングブック

  • マーク・ソールズベリー
  • 講談社
  • 2010/04/09
  • 大型本



■CD
ALiCE IN WONDERLaND

ALiCE IN WONDERLaND

  • サントラ
  • WALT DISNEY RECORDS
  • 2010/04/14
  • CD

Almost Alice

Almost Alice

  • AMC
  • 2010/04/14
  • CD

グッバイ・アリス・イン・ワンダーランド

グッバイ・アリス・イン・ワンダーランド

  • ワーナーミュージック・ジャパン
  • 2006/05/10
  • CD



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『てぃだかんかん〜海とサンゴと小さな奇跡〜』 [●THEATER]

沖縄の風景や空気をパッケージしたような映像美。
かんかん照りの太陽(てぃだ)のように輝く家族と愛のストーリー
優しさとあたたかさを与えてくれる。
[text●i.akira]

世界でも前例のない、珊瑚の人工養殖と産卵。それを実現させた金城浩二氏の自伝をもとに描いた作品。
海や生き物をこよなく愛する主人公。借金を抱えたまま結婚したり、仕事を捨てて珊瑚の養殖に没頭したり、その奔放かつ純粋すぎる言動に、家族や友人たちは振り回され続ける。でも皆、彼の夢のために無償の愛を持って動いていく。とくに、幾多もの障害があるたびに心が折れそうになる主人公を、覚悟と意志を持って全力で支える妻(松雪泰子)の姿はなんとも健気で、美しく、強い。何気ないシーンの節々に胸を打つメッセージが込められており、後半は自然と涙がこぼれてしまった。
監督は『デトロイト・メタル・シティ』の李闘士男、主演はナインティナインの岡村隆史ということで、もっとドタバタとした作品かと思っていたが、沖縄の風景や空気をパッケージしたような映像美と、じっくりと進んでいく物語により、リラックスして楽しめる。

かんかん照りの太陽(てぃだ)のように輝く沖縄の家族と愛のストーリー。
優しさとあたたかさを与えてくれる映画です。

『てぃだかんかん〜海とサンゴと小さな奇跡〜』(映画)
主演:岡村隆史・松雪泰子  監督:李闘士男
主題歌:「希望という名の光」山下達郎
4月24日(土) 全国ロードショー
公式H.P→ http://tida.goo.ne.jp/ 

てぃだかんかん~海とサンゴと小さな奇跡~ [DVD]

てぃだかんかん~海とサンゴと小さな奇跡~

  • よしもとアール・アンド・シー
  • DVD

てぃだかんかん-海とサンゴと小さな奇跡-

てぃだかんかん-海とサンゴと小さな奇跡-

  • 金城浩二著
  • 小学館
  • 2010/01/27
  • 単行本

希望という名の光

希望という名の光

  • 山下達郎
  • ワーナーミュージック・ジャパン
  • 2010/04/14
  • CD


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