So-net無料ブログ作成
検索選択
あのときあの場所に集まって
再び全国に散った趣味も性格も全く違うレポーターたちが
ジャンルを飛び越え、新旧流行にとらわれることなく
いま自分が好きなもの、自分にとっての旬なアレコレをガンガン紹介するブログ!
どうぞココで、いろんな好きと出合ってくれたなら
ますます楽しくなってしまうじゃない!
音楽、小説、映画、美術、TVショウ・・・いつだって、出合ったときが新しい!

古川日出男著「サウンドトラック」 [●BOOK]

初版 2003.09.10 集英社刊

でも、でもなのだ。現実ってヤツは
そんなに重たいのか? そんなに、大切なのか?

[text●h.mariko]

1月14日、天気予報どおり、関東(私が住んでいる町)は、雪景色に覆われた。
地球全体が温暖化しているとか諸説あるが、何故か成人の日には、ここ数年雪景色を眺めることが多い気がする。

この雪景色がまったく見られなくなったら?
日本が、常夏の国になってしまったら?
そんな“とんでもない”ことを前提に、この物語は幕を開ける。

離島(無人島)でふたりっきりで暮らしていたトウタとヒツジコは、本人たちの意思とは関係なく、街へと連れてこられる。ふたりの目に映る、大都会トーキョー
2009年、日本は熱帯気候の国となり、東京は多国籍の街に変わり、オークボや神楽坂ではアラブ系の人々がひしめくように暮らしている。
そして、急増する外国人に対する排斥運動の裏で動く、トウタ、ヒツジコ。レニ、烏のクロイ・・・。


我々がよく知っている地名がちらほらと出てくるのに、そこに日本的情緒は喪われ、まるで違う国のことを語られているような違和感が、徐々に病みつきになる。
主人公それぞれの眼差しを通したスリリングな展開も息が詰まるような緊張感があり、まさに息つく間もない。

読者を二分する物語であることは間違いない、気がする。
古川日出男の文章センスはなんというかずば抜けているので、その“抜け方”についてこられない人は、残念ながらこの作品には触れ難いかもしれない。

でも、でもなのだ。
現実ってヤツは、そんなに重たいのか? そんなに、大切なのか?
物語ってヤツは、大抵がフィクションだ。だから、どうしたっていうんだ?

そんなふうに開き直ってしまえば、これほどにおもしろい本は、ない。

タイトルこそ「サウンドトラック」ではあるが、これは「無音」を描き出した作品ではないか、と思うのだ。トウタ、ヒツジコ、それぞれの主人公がつくりだす、究極の無音の世界。それが、この作品の真骨頂なのではないか。

示唆的な文章であるがため、さまざまな読後があるだろう。
それぞれにあって、当然だろう。

だから、こういう人のことをきっと天才っていうんだ、世の中は。

サウンドトラック

サウンドトラック

  • 古川日出男著
  • 集英社
  • 2003/09/05
  • 単行本

サウンドトラック (上) (集英社文庫)

サウンドトラック (上)

  • 古川日出男著
  • 集英社(集英社文庫)
  • 2006/09/20
  • 文庫

サウンドトラック (下) (集英社文庫)

サウンドトラック (下)

  • 古川日出男著
  • 集英社(集英社文庫)
  • 2006/09/20
  • 文庫


■Related articles
古川日出男著「サマーバケーションEP」
古川日出男著「ロックンロール七部作」
古川日出男著「アラビアの夜の種族」



nice!(0)  コメント(0) 

木村隼人〈“青春”が終わっても、自分がやりたいのは音楽なんだ〉 [●INTERVIEW]

interviewed on December 14, 2012

数々のバンドを渡り歩き、現在は
ソロ・アーティストとして活動している木村隼人。
2011年は表舞台での音楽活動を休止していた彼にとって
リスタートの年となった2012年を振り返ってもらいながら、
活動再開に至った経緯やツアーについてを
語ってもらった   

[interview & text●i.akira]

アー写.jpg
木村隼人/Kimura Hayato


DARLING DARLINGが終わったときが
“青春”の終わりだったのかもしれない


  まずは2012年のライブが今日(2012年12月14日)ですべて終了したということで、お疲れ様でした。
木村 ありがとうございます。
  最初に活動休止中のことを伺いたいんですが、2011年は「SODA」(2011年8月発売のシングル)のリリースこそありましたが、木村隼人としての音楽活動はほとんどしていませんでしたよね?
木村 そうですね。実は「SODA」もずっと宙ぶらりんにしていた音源なんです。あのころって、自分が歌うことへの意欲をなくしてしまっていた時期で。こんなことを言ったら失礼かもしれないですけど、“出さないと体に毒だ”って気持ちでリリースしました。
  意欲をなくした歌に対するけじめをつけたかったということですかね?
木村 そうです。歌についても、「SODA」についても落とし前をつけたかったんですよね。だからみんなあのときは、「リリースしたのに全然ライブしないなぁ」って思っていたはずですよね。
  その前にはDARLING DARLING(木村が以前活動していたバンド。2010年活動休止)が止まってしまいましたよね。それも意欲をなくした要因のひとつですか?
木村 それもあります。バンドって、俺にとっていつまでたっても“青春”なんですよ。その言葉でしかないんです。だからDARLING DARLINGが終わったときが、“青春”の終わりだったのかもしれないですね。しかもそんな“青春”を糧に生きていた自分がいたので、終わったときに本当に真っ白になってしまって。だけど自分にできるのは音楽しかなくて、すごくジレンマを抱えていた時期でした。
  自分のなかでそうした葛藤と対峙していたから、2011年は活動を止めざるを得なかったんですね。
木村 そうですね。迷走してました。で、その答えが出たのが2012年の春だったんです。やっぱり“青春”が終わっても、自分がやりたいのは音楽なんだと。そう腹を括ったから、活動を再開しました。
  ふたたびシンガー・ソングライターとしての活動を再開しようと思ったきっかけはあるんですか?
木村 活動再開を決める前に、ちょくちょく秋田の実家へ帰ってたんですよ。そこで過ごしているうちに、いわゆる郷土愛のようなものが芽生えてきて。同時に、自分がアーティストになってから地元で歌ってないことに気づいたんです。自分が生まれ育った場所になにも返せてないなって。だからまず地元で歌いたいと思ったことが大きな要因ですね。自分の歌になにができるかはわからないけど、使命感みたいなものを感じたんです。


音楽を止めようと思っていた時期なのに
自分でも気づかないうちに曲をつくっている


  休止期間中には3.11の震災がありましたが、あの影響もありますか?
木村 影響とは違うかもしれませんけど、僕は震災が起きたとき、ほかのアーティストのようにアクションを起こす側にも自粛する側にもなれなかったんです。自分で歌うことはしなかったけど、音楽の仕事はずっといただいていた状態だったので。ただ、詞を書きながらも、そのなかで「音楽とは人にとってどういうものなんだろう」ということを考えながら過ごしていて。そして、音楽ってすごく人の支えになるものなんだと思ったんですよね。勇気をもらったり、元気をもらったりできる“魔法のツール”だなって。だからひとりでも自分の音楽を求めてくれる人がいるのであれば、歌っていきたいなって。
  たしかに音楽の持つ力はとても大きなものですよね。
木村 あと、今年は自分が30歳という節目だったんで、男としての生き方を決めたいなって思ったんです。だったら、約束を守れる人間になりたいなと。だからひとりでも約束をした人がいて、その人が待っていてくれるなら、その約束を果たしに行こうと思ったんです。
  復活を決めたときには、「the lost virgin landscapes」(活動再開後初の音源)の曲たちはすでにあったんでしょうか?
木村 そうです。それはおもしろい話で、けっきょく音楽を止めようと思っていた時期なのに、自分でも気づかないうちに曲をつくってるんですよ。提供するための曲や歌詞とは別に、ストックが生まれてるんです。無意識で作業しているなかで、内容がディープすぎてどこにも出せない曲たちが生まれていて、それがまさに「the lost virgin landscapes」の原曲となるものたちだったんです。
  葛藤があったなかでも、自然と生まれてしまった曲たちなんですね。
木村 そうです。煮こごりって言ってしまうと変かもしれませんが(笑)。
  そうやって生まれていた曲たちと改めて向きあうときはどうでした?
木村 なんていうか、掃除のような時間でしたね。それこそ簡単なボイスメモとか断片的なものばかりだったので、自分のこれからの方向性とかを考えながら、それらを形にしていったり、いらないものは排除したり。そうやって生まれたのが「the lost virgin landscapes」です。


いちばん純度の高い自分を届けるためには
ワンマンにこだわってやったほうがいいと思った


  ではライブの話になりますけど、2012年は“Weekender”というタイトルをつけたワンマン形式でのライブばかりでしたよね?
木村 そうです。先日渋谷セブンスフロアで開催した「FATHERMUSIC!! × WEEKENDER」以外は、全部ワンマンですね。
  まず“Weekender”というタイトルの由来と、そのコンセプトを聞きたいのですが。
木村 自分が次にやりたいことはなんだろうと考えたら、歌だけではなくて、空間というか、カルチャーのようなもの発信したいなと思ったんです。
  その空間が“Weekender”ということですね。
木村 タイトルは単純で、週末ってどこの世界でも楽しいものじゃないですか? でも日曜日は憂欝だったり。そういう感情の分岐点が週末な気がして。そこで週末に素敵な出来事をみんなに提供できればなと。それこそ歌だけじゃなくて、カフェをやったり、雑貨を売ったりとか、みんながいろんな形で楽しめる場所を創りたいんです。歌はあくまできっかけとして、そこからもっといろんなことが広がっていければいいなと思います。
  じゃあ、これから“Weekender”はもっと進化していきそうですね。
木村 それはいろいろ考えてますんで、期待しててください!
  ではワンマンにこだわったことにはなにか意図があるんですか?
木村 ライブのやり方っていろいろあると思うんですよ。たとえば対バンとかの場合、自分たちを知らない人へアピールできる機会だったりするじゃないですか。でもそうじゃなくて、今自分のことを知ってくれている絶対数の人たちへ呼びかけたかったんです。
  新しいファンではなく、今までのファンにこだわったと。
木村 そうですね。新規の人ではなく、自分を知っている人たちへ復活したことを知らせたかったので、それを100%で伝えるためにはワンマンがいいんじゃないかなって。ブッキングで出るイベントって、どうしても浮気心が出やすいんですよね。知らない人たちがいっぱいいるから、無意識に新しいことをしてしまったりするので。
  それはなんとなくわかりますね。意識していないようで、していまいますよね。
木村 いちばん純度の高い自分を届けるためにはワンマンにこだわってやったほうがいいと思ったんですよね。本当に何人集まってくれるかわからないけど、そこの責任も全部ひとりで背負って、届けたい人に届けようって。でもどこの場所でもたくさんの人が来てくれて、ビックリしましたね。届けにいったのに、俺が「ありがとうございます」って感謝してしまうくらいに。
  東京以外にも北海道やここ福岡などの地方でも“Weekender Trips”というツアーで足を運んでいますが、それぞれの場所にも意味があるんですか?
木村 これも単純で、活動休止中にもメッセージをたくさんいただいていたんですが、そのメッセージをくれた人たちが住んでいる場所へ行こうって決めたんですよ。「来てください!」って言葉をバカ正直に真に受けて、旅しましたね。北海道なんて、バンドでも一度も行ったことがなかったのに、熱烈な歓迎ですごくビックリしました。
  行ったこともない土地にファンがいるというのは、変な感じですよね。
木村 我ながら不思議でしかたなかったですね。「なんで俺なんかを知ってるんだろう?」って。実は北海道にAoというバンドがいて、そこのボーカルの安田貴広くんがアコースティック・ライブで僕の「remember me」という曲をずっと歌ってくれていたんです。それが縁となって、僕を北海道に呼ぼうって動きがあったみたいで。だから「来てくれてありがとう」ってすごく言われたり、その後も、北海道からわざわざ東京や大阪のライブへ駆けつけてくれる人もいたりして。
  それもまた音楽の魔法ですよね。
木村 そうですね。だから東京だけでライブをやるんじゃなくて、これからは地方にもちゃんと足を運んでいこうと思っています。ひとりでギター抱えて飛び出せるなら、多少赤字が出る覚悟でも、動けるなら動こうって。なにより、ひとりだとバンドよりはるかにフットワーク軽く動けることもわかりましたからね(笑)。


形はどうあれ
自分はロック・スターだと言い続けたい


  今まではバンドとしての活動がメインでしたが、これからはソロ・アーティスト“木村隼人”をメインに活動していくのでしょうか?
木村 もちろんバンドへの憧れはあります。いつかはやりたいとも思うし。だけど、バンド時代ってソロ活動の良さを知らなかったという部分もあるんですよね。
  ソロは以前もやっていましたが、あくまでバンド活動ありきでしたよね。
木村 そうですね。たとえばバンドのときの俺ってMCはほとんどなかったりしますよね。それは俺がしゃべることはバンド全体が発言することだと思ってたから、どうしても口数少なくなってしまってたんですよ。でもソロは裸一貫だから、どうあがいても俺でしかないし、よくも悪くも俺という人間のすべてを出す場所だと今は思うから、フラットにしゃべったりできるんですよね。
  たしかに今日のライブでも自然にMCをされていましたよね。バンド時代を知る人間としては、少し驚きでした。
木村 だと思います(笑)。昔はそれに立ち向かう度量もなかったんだと思います。だけど今回そういう意識もなく勢いだけで活動再開してみて、こんなにソロが心地よいものだと初めて知りましたね。もちろん会場にいるみなさんが僕の歌を知ってくれていることもあるのかもしれませんが、ひとりの表現者として後ろ盾がなく戦うことができる清々しさを知ったんです。
  ではこれからは“木村隼人”を極めていくことになりそうですね。
木村 バンド・スタイルでやることはあるかもしれないけど、今は“木村隼人”としてやっていきたいですね。なにかしら名前を掲げることはあるかもしれないけど、それはバンドではなく、僕のソロ・プロジェクトになると思います。
  今日の(12月14日 福岡Bar Bassicでの)ライブを観てて感じたのは、曲に対する愛情が強くなっているなと思ったんです。昔のバンド時代の曲も歌っていましたが、以前よりとても曲と寄り添っているように思いました。
木村 それはありますね。もちろんバンドのときも深い愛着は感じて演奏してるんですけど、バンドは少し突き放したところで生まれるミラクルだったりするじゃないですか。たとえばみんなで一斉にビリヤードの球を打って、ぶつかりあうような感じで。そうじゃなくて、ひとつの球を追いかけていく楽しさや快感がソロにはあるので、そういう愛情につながっているかもしれませんね。
  でも同時に、ひとりで演奏しているのに、ないはずのドラムの音やベースの音が聴こえてきたりもしたんです。
木村 それはうれしいですね。やっぱりそういう音が僕自身のなかでも鳴っているんですよね。ドラムやベースがあったうえでの演奏を意識したり、崩したりしながら歌っているんで、そう感じてもらえるのはうれしいです。
  そこはやっぱり弾き語りという形ではあれ、ロック・ミュージシャンだなって思いました。
木村 そこはこだわっていたいですね。形はどうあれ、自分はロック・スターだと言い続けたいです。弾き語りのライブを観てそういうことを感じる人は少ないかもしれないけど、根底にあるロックへの想いは、矛盾しようが言い続けたいですね。


もっと強いメッセージを歌うことが
弾き語りアーティストとしてのプライドだと思う


  たとえばabel and cain(以下アベル。木村が以前在籍していたバンド。2008年活動休止)のときって、かなりディープな世界観だったじゃないですか。でもとても木村隼人らしいロック・バンドでしたよね。
木村 そうですね、喧嘩売ってるような感じでしたね(笑)。でも僕は昔からアベルがやりたかったんです。いろんなバンドをやってきましたけど、いちばんやりたかったのはアベルですね。
  とくに僕は「聖者の行進」という曲に衝撃を受けましたね。初めて聴いたときから、ずっと頭のなかでぐるぐる回ってるんですよ。「なんだコレは?!」って。
木村 あれは我ながらすごい曲ですよね(笑)。アベルのいちばん最後につくった曲なんです。今だから言うと、アベルの答えはあそこにあるんですよ。集大成というか、あの曲を書けたことによって、アベルでやりたかったことはすべてできたような気がするんです。もちろん続けていたらもっとすごいものが生まれたかもしれないけど。あの曲はアベルの最高の曲だし、自分でもたまに聴きますよね。でも重いから、自分の曲なのに反芻してしまうというか。あと、今回のツアー会場限定で販売した「宛名をなくした手紙たち」に収録されている「SO TIRED」なんかもあの曲の延長線上にあるもので。だからあそこが俺の真骨頂かもしれませんね。
  痛々しすぎるくらいの赤裸々さですよね。でも今のライブでは、どちらかというとああいう殺伐としたものではなく、ポジティブな空気が溢れてますよね。
木村 そうですね。そこは自分が音楽活動を再開したことを伝えにいっているので、あえてそうしていた部分もありますね。でも「SO TIRED」や「聖者の行進」こそ、僕が本当にやりたいことだったりします。
  もちろん僕のようにああいうテイストの曲が好きな人間もいれば、引いてしまうような人もいると思うんですよ。だからソロで表現するのは難しいのかなとも思うんです。
木村 たしかにエグいですからね(苦笑)。でもそこに反応してくれるのはとても嬉しいです。俺って、本当はあんな形で世に出れたらいいなって思ってたんです。あれだけガツガツしたスタイルで自由にものが言えるアーティストになれたらなって。それは昔からずっと変わらない。だからもし作詞の仕事がきて、「自由に書いて」と言われたらああいうことを書いてしまうんですよ。もちろん「ダメだ!」って言われますけど(笑)。
  ポップ・アーティストが歌うにはちょっと重すぎますよね(笑)。でもああいう曲の歌詞は、とても早く書いているんだろうなと感じます。
木村「聖者の行進」はかなり早かったですね。歌詞は一気に書いたんですけど、編曲に時間がかかっちゃって、あれでも相当削ったほうですね。
  今ライブで歌っているような曲を木村隼人の“フラット”だとすれば、「聖者の行進」なんかは木村隼人の“ナチュラル”なんだと思います。
木村 そうです、そうです。本当にそう。あくまで目指すところはあそこで。それは今やっている曲たちが上とか下とかいう意味ではなくて、多くの人が照準を合わせやすい曲が多いだけで。今やっている曲も俺の本当だけど、いちばんギラつくのはああいう路線だよって。そこが俺のロックな部分かもしれないですね。
  現実を思いきり叩きつける感じですね。
木村 そうです。現代社会に警鐘を鳴らすとか、そんな気持ちはさらさらないけど、本当にありのままに想ったことを歌うよって。自分でもああいう曲を歌いながらどこかで「嘘ついてんじゃねえよ」って思ったりもするし、人のライブ観ててあまりにもきれいごとばかり言ってると嫌になるんですよね。だからもっと強いメッセージを歌うことが弾き語りアーティストとしてのプライドだと思うんです。自分は今そういう場所に立てていることがうれしいですね。だから許されるならば、アルバムのなかに1曲でもあんな曲を入れていきたいですね。


2012年を起動の年だとすれば
2013年は躍動の年にしたい


  アルバムという話が出ると期待してしまいますが、2013年の展望はあるんでしょうか?
木村 もちろんアルバムをつくりますよ。最近ライブで歌っている「ヘイマスターワンモアプリーズ」とかも入れようかなと思ってます。
  あの曲も今までにないスタイルですよね。
木村 ちょっと年相応に、アダルトなものを歌いたかったんですよ。ああいうことって実はあんまり歌っている人って少ないんですよ。本当に酔ってる人の気持ちというか、「どうしようもねえから、呑みに行きてえんだよ」って思いを。たとえば河島英五の「酒と泪と男と女」なんてすばらしいじゃないですか。
  とてもシンプルな本音ですよね。
木村 あと最近好きなのは上田正樹の「悲しい色やね」とか。あんなちょっとアダルトな香りのする曲って最近ないなって思うんですよ。でもすごくグッとくるじゃないですか。そういうのを2013年はやってみようかなって思って。
  当たり前なメッセージだけど、誰も気に留めていないところかもしれませんよね。
木村 そうそう、みんな好きなくせに。だからあんな匂いのする作品にしたいですね。それを春までにはつくって、リリースして、全国ツアーしたいですね。今出している「the lost virgin landscapes」はあいさつ代わりだったんで、本当に本当の木村隼人第2章というか、新章というのは、2012年で消化したものを使ってつくりたいんです。今まではプロローグでしかなくて、ここからまた始まるんだということをアピールしたいですね。
  2012年は再会の約束を果たすためで、このツアーの先に本当のスタートがあるんですね。
木村 そうです。“禊を果たした”って感じですね。2012年を起動の年だとすれば、2013年は躍動の年にしたいです。
  ファンの皆さんはさらに期待してよさそうですね。
木村 いやらしい言い方かもしれないですけど、今本当にファンの皆さんが大事なんですよね。
  それはtwitterでのやり取りを見てても感じました。そしてきっとこちらから見えないところでも、たくさんのメッセージが届いているんだろうなって。
木村 正直忙しくてリアクションできないこともあるので申し訳ないんですけどね。でもライブまで足を運んでくれている人たちがいることがなによりも大事で。だからその人たちになにを返せるのかを考えることもアーティストとして大切な仕事だと思うんです。儲けが出なくても、もはや売れようとも思ってないんで、とにかく良いものを届けて、それがみんなの幸せにつながるのであれば、なんでもやりたいです。
  では最後にファンの皆様へメッセージをお願いします。
木村 2012年はありがとうございました! 2013年はすごくいい作品をつくります。次に出すものが、木村隼人の代表作になると思いますので、期待していてください! そしてまたライブ会場で会いましょう!

LIVE SCHEDULE
2013.2.23(土)東京/中目黒OOPS!

Facebookhttps://www.facebook.com/hayato.kimura.984
Twitterhttps://twitter.com/hayatokimura

■Related articles
木村隼人/Kimura Hayato [●CLOSE-UP]
DARLING DARLING「THE BEST OF DARLING DARLING」

Official SoundCloud “Hayato Kimura”




nice!(0)  コメント(0) 

宇月原晴明著「信長―あるいは戴冠せるアンドロギュヌス」 [●BOOK]

初版 1999.12.15 新潮社刊
1999年 第11回日本ファンタジーノベル大賞 受賞作品

虚構は虚構として、しかしどこかに
現実感を漂わせながら妖しげに描かれた作品は
怒濤のヴォリューム感とともに
素晴らしい余韻を残してくれる

[text●h.mariko]

本を読むときに、その作家がどのような経緯で本を出版したかをチェックするようになった。デビューした賞の性質などをざっくりとでも捉えておけば、なんとなくでも雰囲気が掴みやすいからだ。

もともと、ファンタジーノベルス大賞を受賞した作家というのは、私好みなのである。なんというか、枠にとらわれない感じがあって、とてもいいのである。
ミステリといったらやっぱり謎解きだ殺人だという“お約束”がついて回るようだが、「ファンタジー」は、人によって感じ方が違うだろう。それを昇華させているかどうかで、この賞は大化けしたりする。なので、とても興味深いのである。

で、この作品、この作家。
なんだこりゃー、が第一声であった。

ファンタジーというか、伝記というか伝奇というか、なんというか、奇怪なのである。これをファンタジーノベルという枠にとらえて受賞させちゃったことが、まずすごい。


1930年ベルリンにて、映画俳優のアルトーの前に現われる日本人青年、総見寺。彼はアルトーの持論=“ローマ皇帝ヘリオガバルスは両性具有の伝説を持つ暗黒の太陽神である”と、日本の戦国武将・織田信長との共通点を語り、信長もまた暗黒の太陽神の申し子であると説く。
ヘリオガバルスと信長、その共通点は牛頭天王を祀っていたこと、霊石を持っていたと思われること。そして両性具有であったこと。
怪しげな語り手である総見寺に徐々に惹かれるアルトーだが・・・。

歴史とは、後世の人が文献や事象、口伝などをもとに推測されていくものである。そのため、正解というのは恐らくない。
だが、この突飛さはなんだろうか?! とにかく、ものすごい発想力なのである。
動物のなかでも唯一、想像力を持つという人間の力を存分に活かした作品。
虚構は虚構として、しかしどこかに現実感を漂わせながら妖しげに描かれた作品は怒濤のヴォリューム感とともに、素晴らしい余韻を残してくれる。

信長―あるいは戴冠せるアンドロギュヌス

信長―あるいは戴冠せるアンドロギュヌス

  • 宇月原晴明著
  • 新潮社
  • 1999/12
  • 単行本

信長―あるいは戴冠せるアンドロギュヌス (新潮文庫)

信長―あるいは戴冠せるアンドロギュヌス

  • 宇月原晴明著
  • 新潮社
  • 発売日: 2002/09
  • 文庫






nice!(0)  コメント(0) 

ZEPPET STORE「SHAPE 5」 [●ROCK]

10th album 2012.12.13 release

最強の布陣にて活動を再開したZEPPET STORE
キャリアを踏襲したベストな作品

[text●i.akira]

3.11への支援活動の一環として6年ぶりに一時的な再結成を果たし、チャリティー・シングルとなる「SMILE」をリリースしたZEPPET STORE(ゼペット・ストア)。その後それをきっかけとしてバンドは初代ギタリストである五味誠を加えた5人編成という今までにない形で再び集い、彼らの恩師hideの命日である2012年5月2日に開催されたイベントにて本格的再始動を始めた。そのニュースを僕は純粋な喜びと、いったいどんなサウンドになるんだという今までにない複雑な感情で迎えていた。しかしhideの誕生日である12月13日にリリースされたこの「Shape 5」には、不安や疑問など一瞬で振り払う最高かつ新しいZEPPET STOREの音がある。

まずはブランクなどまるで感じさせないどころか、さらに強靭かつ洗練されたバンドの音に圧倒されるだろう。そしてアッパーなものもバラードも含めて、改めてこのバンドのセンスのよさやメロディ・メイカーとしての希有さを存分に思い出せてくれる。さらに今までにないダンサブルなアプローチや、大胆なシューゲイザー・サウンドなど、芯となる部分はそのままに、各メンバーが培ってきたものを自由な発想で取り入れ、バンドの新たな武器にまで昇華している点はみごとである。また、日本語詞による曲も英詞による曲バランスよく収録されており、バンドのキャリアを踏襲したようなベストな作品である。

そして今年、再結成後初となる全国ツアー“COME AND GO”をスタートさせた彼ら。まずは本作で再び動き出した彼らの本気ぶりを味わってほしい。断言してもいい、彼らは今が最強であると。

OFFICIAL WEB SITE→ http://www.zeppetstore.jp/

TOWER RECORDS ONLINE[ZEPPET STORE]
TOWER RECORDS ONLINE「SHAPE 5」

SHAPE 5

SHAPE 5

  • ZEPPET STORE
  • GEORIDE
  • 2012/12/13
  • CD
■Track listing
01. NOTHING
02. HONEYBEE
03. GOING MY WAY
04. 陽炎
05. COLORS
06. FADING RAINBOW
07. TWILIGHT
08. THE MAGIC SPELL
09. ファイティング
10. 心の花
11. GRAPEFRUIT MOON RIVER


ZEPPET STORE TOUR “COME AND GO”
2013.01.12(土)福島/いわき club SONIC iwaki
2013.01.13(日)宮城/仙台 MACANA
2013.01.14(月)新潟/Live Hall GOLDEN PIGS/RED STAGE
2013.01.19(土)愛知/名古屋 ell.FITS ALL
2013.01.20(日)大阪/OSAKA MUSE
2013.01.27(日)東京恵比寿 LIQUIDROOM


■Related articles
ZEPPET STORE「SMILE」
ZEPPET STORE「CLUTCH」







nice!(0)  コメント(0) 

あらかじめ決められた恋人たちへ「今日」 [●REGGAE/DUB]

single 2012.04.11 release

そんなときこそ、懐かしく
あたたかく語りかけてくれるメロディオンの音色に
身を委ねてみたい

[text●h.mariko]

鍵盤ハーモニカ、といって、懐かしい、と思う人は、どれくらいいるだろうか。
この名前でピンと来ないなら、ピアニカでもいい。メロディオンでもいい。

小学生、いや、幼稚園だろうか、とにかく学齢期、義務的に弾かされた、あれ、である。
ピアノの鍵盤をぐっと小さくして、呼気を吹き込むための蛇腹のようなパイプがついていて、それを口にくわえ、息を吹くと音が鳴る。クラスの全員があたりまえのように使わされていた時代(というか、私のころはそうだった)のことだ、ありがたみやらおもしろみやらまったく感じなかった、そんな人も多いのではないだろうか。

もしも、その楽器が、実家の押し入れなんかに眠っているのだったら、是非一度、童心に帰って演奏してみてほしい。
そして、驚いてほしい。この楽器を操ることが、実はとても難しいということを。
さらに、その馥郁たる音色を味わってもらえれば、私としては言うことはない。


本作は、エレクトロ・ダブ・ユニット“あらかじめ決められた恋人たちへ”のバンマスでありメロディオン奏者である池永正二が書き下ろした、シングルというよりもミニ・アルバム、といった赴きと長さのあるCDである。

このブログにレビューを寄せるようになってから何度書いただろう、でもこれからも何度書くだろう、「2011年3月11日」という数字。
このアルバムは、あの日を経験した池永氏の体験を音楽にのせて語った大変に雄弁で豊潤な作品である。

インストゥルメンタルでありながら、こうにも感情を描き出せるものか。
この作品に初めて触れたときの、膝の辺りが震える感じを私は忘れられない。

言葉と音楽には、共通点がある。
放った以上、消えてしまうということだ。
喋った言葉は、そのまま無くなる。その場に音として残ることはない。
音楽も同じ。放たれた音がふわふわと漂っていることなど、ない。
だからこそ、こうして残される音は貴重であり、またそれを繰り返し聴けることのありがたみを感じられる大切な時間なのかもしれない。

東日本大震災から2年が過ぎようとしている。
都市部近く、被害の少なかった場所に偶然住んでいる私は、そろそろ、あの記憶が薄れかかっていることに気がつき、時折恐怖する。
もしも偶然あのときにあの大津波の/地震の/瓦礫の/原発の/近くにいたら。
今の私は、ここにいまい。

この広い世の中には、あの震災によって大変な苦労をした人もいるだろう。
まだ、その苦労が続いている人も、たくさん、いるだろう。
だからこそ、私たちは、忘れてはいけないのだ、あの時の苦しみ/大変さ/努力を。

「前日」「翌日」と名づけられた2曲が収録されたこのミニ・アルバムは、それだけ重大なメッセージと、力が込められている。
そして、「当日」が抜けているその理由は、リスナーにゆだねられているのだろうと思う。
あたりまえだった前日。あたりまえが続くはずだった、翌日。それが、壊れるということを知った私たちが、今何をすべきなのか、何ができるのか。

放った音楽は、宙に消えていく。
だが、心に留め置くことはできる。

苦しみも、優しさも、すべて、生きているから、感じるのだ。
が、辛いものは辛い。苦しいものも、消えない。

そんなときこそ、懐かしく、あたたかく語りかけてくれるメロディオンの音色に、身を委ねてみたい。

幾分かの痛みは、取れないだろうか。
音楽が齎す癒しを、受け取ることは、できないだろうか。

この音楽で、たくさんの人の心にやさしい火が灯ることを、願って止まない。

OFFICIAL WEB SITE→ http://arakajime.main.jp/

TOWER RECORDS ONLINE[あらかじめ決められた恋人たちへ]
TOWER RECORDS ONLINE「今日」

今日

今日

  • あらかじめ決められた恋人たちへ
  • POP GROUP
  • 2012/04/11
  • CD
■Track listing
01. 前日
02. 翌日





nice!(0)  コメント(0) 

シアターブルック「最近の革命」 [●ROCK]

9th album 2012.12.12 release

ありったけの愛で革命を始めよう
信念と情熱が踊る名盤誕生

[text●i.akira]

このぬくもりはなんだ。このたのもしさはなんだ。シアターブルックの最新作「最近の革命」から溢れ出すのは、なんとも心地よくポジティブなエネルギーだ。前作「Intention」での強烈なロックンロールぶりも記憶に新しいが、本作では実に柔軟かつ堂々と挑戦的な楽曲が並んでいる。

冒頭にふさわしい静かながらも強いメッセージを放つ「キミを見てる」、加藤登紀子との濃厚なデュエットが衝撃的なケミストリーを生み出す「愛と死のミュゼット」、軽快でポップなサウンドと無骨なタイトルが好対照な「理想的サムライ」、詞もサウンドもバンドの真骨頂のようなロックンロール「やめられないのさ」、今までにないじっとりとした歌い回しが印象的なミドル・ナンバー「愛の源」、日本ロック史に残るべき名曲をセルフ・カバーした大作「(最近の)ありったけの愛」、2012年9月7日の下北沢GARDENでのライブ音源となる「昨日よりちょっと」と、曲数だけを見れば物足りなく感じるかもしれないが、内容はすさまじく濃密かつ美しいロック・アルバムだ。また、真城めぐみ、多和田えみ、うつみようこ、Leyonaといった女性アーティストたちによるコーラスも随所ですばらしいアクセントとなっている。

バンドの中心である佐藤タイジが、3.11以降に唱えるエネルギー問題や人間の在り方に視点を向けた言葉もたくさんあるが、彼が別で活動しているインディーズ電力やTAIJI AT THE BONNETほど明確ではなく、どこか自然とにじみ出るような芯となって本作に存在している。それは長年活動してきたシアターブルックというバンドだからこそ出せる強さなんだと思う。

2012年12月20日には太陽光から生まれた電気だけで開催するという脅威の武道館公演“THE SOLAR BUDOKAN”を豪華ゲストらと行なった彼ら。彼らの革命はまだここから始まったばかり。“ありったけの愛”はもっともっと鳴り響く。

OFFICIAL WEB SITE→ http://www.theatrebrook.com/

TOWER RECORDS ONLINE[シアターブルック/Theatre Brook]
TOWER RECORDS ONLINE「最近の革命」初回限定盤

最近の革命(DVD付)

最近の革命
初回限定盤

  • シアターブルック/Theatre Brook
  • Mastard Records
  • 2012/12/12
  • CD+DVD
■Track listing
01. キミを見てる
02. 愛と死のミュゼット with 加藤登紀子
03. 最近の愛のブルース
04. 理想的サムライ
05. やめられないのさ
06. 愛の源
07.(最近の)ありったけの愛
08. 昨日よりちょっと/Live ver.(2012.09.07@下北沢Garden)
[DVD]初回限定盤
01.(最近の)ありったけの愛/PV
02. インタビュー&メイキング
03. 特典映像


■Related articles
THEATRE BROOK「–LIVE LONG AND PROSPER–TOUR」





nice!(0)  コメント(0) 

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。

×

この広告は1年以上新しい記事の更新がないブログに表示されております。