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どうぞココで、いろんな好きと出合ってくれたなら
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CREATURE CREATURE「楽園へ/Ataraxia」 [●ROCK]

5th single 2012.06.20 release

進化を続けるCREATUE CREATUREのニュー・シングル
さらなる高みへと誘う楽園からの招待状

[text●i.akira]

DEAD END(デッドエンド)としての活動も活発なMORRIE(Vo.)のライフ・ワークとさえ呼べるもうひとつのバンドCREATURE CREATURE(クリーチャー・クリーチャー)の5枚目のシングル。

セカンド・アルバム「INFERNO」から、MORRIEのソロ・ユニットから5人組のバンドへと進化を遂げた彼らだが、本作ではその一体感をより深めた高いテンションのバンド・サウンドを味わうことができる。叙情的なツイン・ギターに始まり、重厚かつソリッドに展開していくアッパーでメロディアスな「楽園へ」は、へヴィさのなかにもどこか切なさを感じさせるという、意外なほど王道なハード・ナンバー。そしてギリシャ語で“平静な心”を意味する「Ataraxia」は、作詞・作曲したMORRIEの個性が存分に発揮されたミドル・ナンバー。感情の波のように激しさと静けさが混在したアレンジは、聴けば聴くほどに頭のなかを駆け巡り、浸食されていくような感覚に陥る強烈な曲である。わずか2曲ではあるが、メンバーそれぞれの個性がより発揮されており、このバンドでしか成し得ない音楽を堪能できるシングルだ。

8月8日には6枚目のシングル「くるめき/Sexus」を、そして今秋には待望のサード・アルバムの発売が決定している彼ら。さらに10月から年末にかけて、バンド史上最大規模の全国ツアーの開催も発表されており、その勢いはさらに加速していくだろう。

OFFICIAL WEB SITE→ http://www.creature-creature.com/

TOWER RECORDS ONLINE[CREATURE CREATURE]
TOWER RECORDS ONLINE「楽園へ/Ataraxia」

楽園へ/Ataraxia

楽園へ/Ataraxia

  • CREATURE CREATURE
  • BounDEE by SSNW
  • 2012/06/20
  • CD
■Track listing
01. 楽園へ
02. Ataraxia


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CREATURE CREATURE「INFERNO」


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加藤登紀子「シャントゥーズTOKIKO ~仏蘭西情歌~」 [●CHANSON]

(53th/total) album 2006.05.10 release

見たことのないフランスの街並の情景を
瞼の裏側に思い浮かべながら
ゆったりたゆたう音楽は極上である

[text●h.mariko]

好んでシャンソンを聴くわけではない。いろんな音楽に興味を持ちたいし、でも誰を(どのアーティストを)聴いたらいいんだろう、と思っているうちに忘れていた、そんな私とシャンソンの関係。

そうして去年のフジロックに加藤登紀子が出演すると知って、ここがチャンスとばかりにステージに足を向けたのだった。

思えば、加藤登紀子といえば、大好きなアニメ映画「紅の豚」でヒロイン役の声優役もこなし、そのキャラクターは歌手という設定で、映画のなかに挿入曲があったのだ。そんな前からアニメ好きの私と彼女との繋がりがあったと思うと不思議である。

この「シャンソン・ドゥ・トキコ~仏蘭西情歌~」は、ベスト・アルバムに相応しく、初心者でも入りやすい楽曲構成。
さまざまな人がさまざまに歌い上げた名曲「枯葉」や「百万本のバラ」、「愛の讃歌」などは聴けばああ、これ知ってる、と思う人も多かろう。
先出の「紅の豚」での挿入歌、「さくらんぼの実る頃」も聴き応えがある。

シャンソンはもともと特定のジャンルを指し示すものではなく、“歌”そのものを表すことばだという。シャンソンとは何か? とかいって、頭でっかちな理論にがんじがらめになる必要はないのだ、聴いてみれば加藤女史のメッセージはすっきりと心に入ってくる。
見たことのないフランスの街並の情景を瞼の裏側に思い浮かべながら、ゆったりたゆたう音楽は極上である。

今年もフジロックに出演する加藤登紀子。7月27日の“Cafe´ de Paris”でのステージ、7月28日の“NEW POWER GEAR Stage/Gypsy Avalon”でのアトミック・カフェ・ライブ&トーク、7月29日の“FIELD OF HEAVEN”でのステージと積極的。またどこかのタイミングで彼女の歌に、かならず出会いたい。

OFFICIAL WEB SITE→ http://www.tokiko.com/

TOWER RECORDS ONLINE[加藤登紀子]
TOWER RECORDS ONLINE「シャントゥーズTOKIKO ~仏蘭西情歌~」

シャントゥーズ・トキコ~仏蘭西情歌~

シャントゥーズ・トキコ~仏蘭西情歌~

  • 加藤登紀子
  • ユニバーサル インターナショナル
  • 2006/05/10
  • CD
■Track listing
01. 時には昔の話を
02. 聞かせてよ愛の言葉を/Parlez-moi d'amour
03. 枯葉/Les feuilles mortes
04. 懐かしき恋人の歌/La chanson des vieux amants
05. 忘却/Oblivion
06. 行かないで/Ne me quitte pas
07. 暗い日曜日/Sombre dimanche
08. さくらんぼの実る頃/Le temps des cerises
09. 恋の花ひらく時
10. 百万本のバラ/Million alyh roz
11. 恋人が一輪の花をくれた/Mon ami m'a donne
12. バラ色の人生/La vie en rose
13. 帰り来ぬ青春/Hier encore
14. 愛しかない時/Quand on n'a que l'amour
15. 愛の讃歌/Hymne a l'amour





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THA BLUE HERB「TOTAL」 [●HIP HOP]

4th album 2012.05.03 release

活動15年、辿り着いた4枚目、ここで“TOTAL”
聴き手とともに創造されていく“PHASE 4”の心臓

[text●i.akira]

ついに始まったTHA BLUE HERB(ザ・ブルー・ハーブ/以下TBH)の第4章、“PHASE 4”。よりパーソナルなメッセージと愛に溢れた3枚目「LIFE STORY」から5年ぶりとなる本作のタイトルは「TOTAL」。結成15年を迎え、昨年の活動停止期間中に起きたさまざまな出来事と向き合いながら、ゲストを迎えず、ILL-BOSSTINO(イル・ボスティーノ/MC)とO.N.O(オー・エヌ・オー/Track maker)のふたりだけで、音と言葉をひたすらに洗練させることで完成した、今もっとも耳を傾けるべきメッセージが込められた作品である。

クラシカルなイントロで壮大に幕を開けるアルバムは、もはやアンダーグラウンドをはるかに超えた影響力を持つ自分自身に語りかけるように、過ぎた日々を想いながら、まっすぐに今を生きるTBHらしい言葉がぎっしりと詰まっている。また、“3.11”という未曾有の脅威によって暴かれた問題に対する怒りや悲しみも随所で語り、後半に進むにつれて、その言葉はさらに鋭くなっていく。サウンド面はよりメリハリを効かせた展開を生みつつ、なにより特筆すべきことはメロディアスになっている点だろう。それによりラップとビートはこれまで以上の一体感を生み、TBHという音楽の輪郭をはっきりを浮き立たせている。圧倒的密度を持ち、まさに彼らの持てるすべてを乗せた「TOTAL」というタイトルにふさわしい、タフさと格の違いを感じさせる作品である。
さらに初回出荷分についてくるボーナスCDには「Nuclear, Damn」という曲が収録されており、タイトルどおりに原発問題への怒りを赤裸々に語った攻撃的なナンバーとなっているので、ぜひ手に入れてほしい。

本作において、彼らはただ我が道を突き進むだけでなく、我々リスナーに歩み寄っているように感じた。ともに集まり、ともに歩むことこそ、“PHASE 4”の真意だと思う。それはただ徒党を組むのではなく、我々自身で選び、決断することで生まれる大きな力だ。すでに始まっている本作のリリース・ツアーや夏フェスへの参戦などによって、それはこれからじっくりと全国へ広がっていく。その先で生まれるものはなにか。彼ら自身とともに、楽しもう。

OFFICIAL WEB SITE→ http://www.tbhr.co.jp/

TROOP RECORDSTHA BLUE HERB「TOTAL」
TROOP RECORDShttp://trooprecords.net/
TOWER RECORDS ONLINE[THA BLUE HERB]
TOWER RECORDS ONLINE「TOTAL」

TOTAL

TOTAL

  • THA BLUE HERB
  • THA BLUE HERB RECORDINGS
  • 2012/05/09
  • CD
■Track listing
01. INTO RAW
02. WE CAN.
03. EVERYDAY NEW DAWN
04. FULL MENTAL JACKET
05. SATURDAY NIGHT, SUNDAY MORNING & AFTERNOON
06. MY LOVE TOWNS
07. THA NORTH FACE
08. UNFORGIVEN
09. LOST IN MUSIC BUSINESS
10. GET READY
11. STAND ON THE WORD
12. BRIGHTER
13. RIGHT ON


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恩田陸著「中庭の出来事」 [●BOOK]

初版 2006.11.30 新潮社刊
2007年 第20回山本周五郎賞受賞作品

会話で構成された文章は隙がなく
人と人の顔を交互に見比べているような
なんというか、速いラリーのテニス中継でも見ているような
とにかく息をもつかせぬ緊迫感が漂う衝撃作!

[text●h.mariko]

なんだこれは?
   読み始めたときの、感情。

なんだったんだ、これは??
   読み終わったときの、感情。

はっきりいって、解らん。煙に巻かれたような、狐につままれたような感じなのである。ああ、だから、なんなんだ? これがこうなって、あれがこうなって、だから、だからなんなんだ? 誰かハッキリ言ってくれ、教えてくれ!

そう叫びたくなる、何ともいえない読後感。
恩田女史のよく使う手口(?)ではあるのだが、この作品ではそれが顕著なのである。

とある“中庭”を舞台に、ある死んだ劇作家と、そのオーディションを受けていた3人の女優と、殺人容疑をかけられている女と、それを追う刑事の会話で話が進む。ほとんど会話で構成された文章は隙がなく、人と人の顔を交互に見比べているような、なんというかテニスの中継でも見ているような、とにかく息をもつかせぬ緊迫感が漂うのである。
ときおりフォント(書体)が変わって描かれる、男2人が死んだ人の話をしながら舞台へと登る・・・と、“殺人事件”と“舞台”とがリンクする。
たぶん、きっと、あれがこうなんだろう、という憶測はできるのだが、物語のなかでそれがはっきりと明かされることがない。むずむずしたまま、物語は終わりを迎えるのである。
次のページがもうない、と思い、これで物語が終わりだと気がついたとき、思わず、えぇッ?! と声を上げてしまうほど、衝撃的であった。

もやもやとした描かれ方をする“推理”を楽しむもよし、勝手にあれこれともやもやを“想像”するもよし、楽しさは人それぞれ。どうぞ、振り回されていただきたい。

中庭の出来事

中庭の出来事

  • 恩田陸著
  • 新潮社
  • 2006/11/29
  • 単行本

中庭の出来事 (新潮文庫)

中庭の出来事

  • 恩田陸著
  • 新潮社(新潮文庫)
  • 2009/07/28
  • 文庫

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恩田陸著「ネバーランド」
恩田陸著「月の裏側」
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恩田陸著「三月は深き紅の淵を」
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RADIOHEAD「the bends」 [●ROCK]

2nd album 1995.03.13 release

今もコンスタントに
クオリティの高いアルバムをつくり
ライブをしてくれる”のは
これは、奇跡的に素晴らしいことだ

[text●k.ryo]

レディオヘッド(RADIOHEAD)のアルバムは、
全部レビューするにあたいする。

じゃあ、なんで、このアルバム「the bends」か・・・
フジロックが近いからである。

はじめて参加した10年以上前のフジロック
バイトとして参加した学生時代
当時、レディオヘッドの話ができる人などいなかった・・・。

だからか、うちの学生で募集をかけたフジロックバイトも、
話の合う人がいなかった。

断片的に覚えているのは、ステージの袖で、
ゴミを拾いながら、踊ったり、
宿泊先、外でMDを聞きながら、寝そべっていたこと。
(なんか友達いない人みたいだな)

そのMDで聞いてたのは、マイブラ(My Bloody Valentine)と
このアルバム。
当時は、とても暗いアルバムに感じていたけど、
今聞くとそれほどでもないかな。
もっとダークな表現は、
ほかにもたくさんあるし、
少なからず、経験も重ねたのだろう。

今あらためて、アルバムを通しで聞くことは、
すごく減ったけど、
YouTubeにある1時間以上のライブを聞いていると、
このころの曲がとても愛おしく思えるのだ。

全曲いいので、曲については、あえて書かない。

「KID A」以降の実験性も素晴らしく美しいけど、
UKロックバンドとしてのアグレッシブさとスローバラードの繊細さ、
口ずさめるメロディのよさ☆


このアルバムの半年後に、
オアシス(Oasis)のセカンドがあったのか。
歌モノとしても、UKロックの枠組みでも、射程圏内。
彼らは、次のアルバムでたくさんのフォロワーを生み、
突き放す、
そして今も傑作を出し続ける。

学生のころにも言った気がするけど、
“プライマル(Primal Scream)とレディオヘッドが
今もコンスタントに、クオリティの高いアルバムをつくり、
ライブをしてくれる”のは、これは、奇跡的に素晴らしいことだ。

「なにを大げさな・・・」と言われるかもしれない大げさな表現、
感謝の気持ちは、今も言いなおす必要がない。

OFFICIAL WEB SITE→ http://www.radiohead.com/
FUJIROCKFESTIVAL '12→ http://www.fujirockfestival.com/

TOWER RECORDS ONLINE[RADIOHEAD]
TOWER RECORDS ONLINE「the bends」期間限定生産盤

The Bends

the bends

  • RADIOHEAD
  • Capitol
  • 1995/03/13
  • CD
■Track listing
01. Planet Telex
02. Bends, The
03. High and Dry
04. Fake Plastic Trees
05. Bones
06. Nice Dream
07. Just
08. My Iron Lung
09. Bullet Proof...I Wish I Was
10. Black Star
11. Sulk
12. Street Spirit(Fade Out)

期間限定生産盤/2012.06.06
13. How Can You Be Sure?
14. Killer Cars/Bonus Truck




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小野不由美著「東亰異聞」 [●BOOK]

初版 1994.04.20 新潮社刊
梶原にき作画でマンガ化/2001年10月号〜2003年8月号「月刊コミックバーズ」連載

怪しい煌めきはそのままに、闇は闇のままに
謎や不思議は解かれないからこそ魅力的で
さらに怪しい輝きを放つのだろう

[text●h.mariko]

不思議なことを目撃したら、あなたはどうするだろうか。
不思議なこと、そう、なんでもいい。
柳の下に佇む人影が透けていたとか、空を明るく燃えるような影が横切ったとか、誰もいない部屋から音がしたとか。
私は、ただひたすら、怖がることしか、できない気がする。
ひとりなら。
でも、大勢の人がいたら?
たくさんの人がそれを目撃していたら?
大騒ぎになるだろう。噂になるだろう。噂が噂を呼んで、皆がその虜になるだろう。
人は、自分の知らないことや未知が、意外と好きなものである。

ときは明治維新後、首都(帝都)、東京を騒がす魔性たち。
火焔魔人に闇御前、人魂売りに般若の夜鳴き蕎麦屋。
あるときは人が死に、あるときは人が消える。正に不思議。
帝都日報の記者、平河新太郎と便利屋の万造がその謎解きに挑む。

時代がかった設定どおり、台詞回しに雰囲気づくり、ともによろし。
美しくも怪しげな東京の姿が手に取るように見える文体は一読の価値あり。

謎解き、と書いてしまったが、これは謎解き=ミステリの類いなのかというと、そうではない気がする。
謎は解かれないまま、終わるように思えるのだ。
怪しい煌めきはそのままに、闇は闇のままに。
しかし、謎や不思議は解かれないからこそ魅力的で、怪しいかがやきを放つのだろう。そして、さまざまな人が虜になり、その口の端に登るのだろう。
明治の時代の景色を思い浮かべながら、この世界にゆったりとたゆたってほしい。

東亰異聞 (新潮文庫)

東亰異聞(とうけいいぶん)

  • 小野不由美著
  • 新潮社(新潮文庫)
  • 1999/04
  • 文庫

東京異聞 スペシャル版 1 (バーズコミックススペシャル)

東京異聞 スペシャル版 1

  • 小野不由美原作/梶原にき作画
  • 幻冬舎コミックス(バーズコミックススペシャル)
  • 2008/03/24
  • コミック

東京異聞 スペシャル版 2 (バーズコミックススペシャル)

東京異聞 スペシャル版 2

  • 小野不由美原作/梶原にき作画
  • 幻冬舎コミックス(バーズコミックススペシャル)
  • 2008/03/24
  • コミック





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Dragon Ash「Under Age’s Song」 [●MIXTURE]

3rd single 1998.07.23 release

Dragon Ash
ブレイク前夜の勢いが
詰め込まれたシングル

[text●i.akira]

4月21日、Dragon Ash(ドラゴン・アッシュ)のベーシストであるIKUZONEこと馬場育三氏が亡くなった。4月24日に伝えられた突然の訃報は、多くの人に驚きと悲しみを与えた。自分もそのひとりだ。そして、僕の頭のなかで鳴り響いたのはこの「Under Age’s Song」だった。

高校生のときだったか。深夜、ふとラジオから流れてきたこの曲に耳を奪われた。シンプルでいて、随所にニクいアレンジが効いたベースとドラム、まっすぐすぎる信念と自信を感じさせるKj(Vo./G.)の言葉、ヒップホップでありながら、とてもロックなビートとキャッチーなメロディが息づいたソレはとても新鮮だった。また、静と動のコントラストときれいなメロディが印象的なオルタナティブ・ソング「Face to Face」、理屈不要の骨太で爽快なポップ・ロック・ナンバー「Mustang A Go Go!!!」というカップリング曲もすばらしく、3曲すべてがキラー・チューンとなっている。これ以降のDragon Ashの快進撃は説明するまでもないだろうが、その前夜の勢いを感じさせるエネルギーがこのシングルにはある。とにかく今聴いても古さを感じさせないし、その斬新なアレンジは目を見張るものがある。若い才能を文字どおり支えるIKUZONE氏のベース・ラインもとてもクールでしなやかだ。彼が残してくれたたくさんの音のなかでも、僕はこのシングルがいちばん好きである。

ちなみにDragon Ashは悲しみを乗り越え、すでに活動を再開している。“Dragon Ash Live ~REST IN PEACE IKUZONE~”と題したライブを全国5会場で開催、“AIR JAM”や“ROCK IN JAPAN FESTIVAL”など夏フェスへも多数出演が決定している。彼らはこれからもIKUZONE氏の想いと一緒にシーンを盛り上げてくれるだろう。

IKUZONEさん、お疲れさまでした。あなたと、あなたが創った音楽に敬意を表し、この記事を書かせていただきました。ありがとうございました。

OFFICIAL WEB SITE→ http://www.dragonash.co.jp/

TOWER RECORDS ONLINE[Dragon Ash]
TOWER RECORDS ONLINE「Under Age’s Song」

Under Age’s Song

Under Age’s Song

  • Dragon Ash
  • ビクターエンタテインメント
  • 1998/07/23
  • CD
■Track listing
01. Under Age's Song
02. Face to Face
03. Mustang A Go Go!!!


Buzz Songs

Buzz Songs

  • Dragon Ash
  • ビクターエンタテインメント
  • 1998/09/02
  • CD
■Track listing
01. Intro(Bots' show)
02. Cool Boarders
03. Don't worry 'bout me
04. Cherub Rock
05. Invitation(Buzz Mix)
06. Under Age's Song(Album Mix)
07. Perfect Government
08. Pull Up Roots
09. Melancholy
10. Mustang A Go Go !!!
11. 陽はまたのぼりくりかえす


Dragon Ash Live
~REST IN PEACE IKUZONE~

2012.07.04(水)東京/SHIBUYA-AX
2012.07.19(木)愛知/Zepp Nagoya
2012.07.20(金)大阪/Zepp Namba
2012.08.14(火)宮城/仙台 Rensa
2012.08.17(金)福岡/Zepp Fukuoka





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朱川湊人著「都市伝説セピア」 [●BOOK & DVD]

初版 2003.09.25 文藝春秋刊
2002年 第41回オール讀物推理小説新人賞受賞作品「フクロウ男」収録
2006年 フジテレビ系「世にも奇妙な物語 秋の特別編」で「昨日公園」ドラマ化
2009年 W0WW0Wで「フクロウ男」「アイスマン」「死者恋」ドラマ化


長くなく、短くなく、とても
適切なのである。そして、怖気立つでもなく
絶叫でもなく、恐ろしいのである

[text●h.mariko]

短編集。それぞれの世界がふうわりと繰り広げられ、飽きない。独り語りのように描かれた作品が多いのだが、それがまたうまい。
変に語り口調を使うといかにも“作り事”に思えてしまうこともあるのだが、朱川氏にそれは感じなかった。むしろ、なんというか、人の日記や秘密をこっそり覗き見ているような後ろめたさを感じたのだ。なんというか、罪悪感があるのだけど、それ以上にある快感というか、かなり、“マズい感じ”を受けたのである。それだけ、世界観が構築されている作品なのである。

ホラー作品として紹介されていたが、背筋が寒くなるような恐怖感ではなく、やんわりとした口調で語られて、最後の最後で崖から突き落とされるような衝撃があるものが多い。よって、後味が強烈である。タイトルどおり、都市伝説をさまざまな角度から眺めているような気分になる物語が多かった。

「友達を作ってあげる」という、「アイスマン」。
事故死した友達を救えなかったことを悔やむ主人公の体験譚の「昨日公園」。
自分自身が都市伝説になりたいと思ってしまった人の狂気を描く「フクロウ男」。
亡き作家に恋をしたふたりの女のゆく末を描く「死者恋」。
大阪万博で見た月の石の思い出と生き様が交差する「月の石」。

どれもこれも、秀逸なのである。長くなく、短くなく、とても、適切なのである。そして、怖気立つでもなく、絶叫でもなく、恐ろしいのである。ちょっと新しい形の、ホラーのような気も、読み終わった今なら感じる、そんな気がするのである。

都市伝説セピア

都市伝説セピア

  • 朱川湊人著
  • 文藝春秋
  • 2003/09/23
  • 単行本

都市伝説セピア (文春文庫)

都市伝説セピア

  • 朱川湊人著
  • 文藝春秋(文春文庫)
  • 2006/04
  • 文庫

都市伝説セピア【DVD】

都市伝説セピア

  • TOEI COMPANY,LTD.(TOE)(D)
  • DVD
■cast 
フクロウ男
成宮寛貴(佐伯武彦)
永井杏(下校中の女子高生)
桑江咲菜(脅かす女子高生)
坂本恵介(脅かす男子高生)
米光隆翔ジャングルジムの主)
ほか
 
アイスマン
入江甚儀(カズキ)
松元環季(ノンコ)
佐野史郎(カズキ/大人)
長江英和(ノンコの父)
筒井巧(カズキの父)
ほか
 
死者恋
原沙知絵(野島久美子)
いしのようこ(三ヶ崎しのぶ)
余貴美子(鼎凛子)
荒木宏文(朔田公彦)
加藤虎ノ介(結城)
佳那晃子(公彦の母)
ほか


■cast 
昨日公園
堂本光一(陽介)
山崎樹範(隆男)
原田夏希(典子)
ほか


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BOOM BOOM SATELLITES「BROKEN MIRROR」 [●ELECTRONIC]

11th single 2012.06.06 release

ドラマティックな最新型BBSサウンド
“これまで”と“これから”をつなぐ新しいアンセム

[text●i.akira]

Boom Boom Satellites Irving Plaza
Boom Boom Satellites performing at Irving Plaza,
New York, on October 10, 2010

By May Young from Metro Gotham, United States
(PA100114 Uploaded by Ryulong) [CC-BY-2.0], via Wikimedia Commons


今年デビュー15周年を迎えたBOOM BOOM SATELLITES(ブンブンサテライツ/以下BBS)。シングルとしては約3年ぶりのリリースとなる本作は、彼らの15年が集約されたようなラウドで壮大なエレクトロニック・ロックである。

「BROKEN MIRROR」という意味深なタイトルの曲は、バンド・サウンドを軸としながら、何重にも重なったビートが暴れ回り、目まぐるしくリズム・チェンジを繰り返しながら激しくドラマティックに展開していく、大胆でありながらも、非常にらしさの光るナンバーとなっており、BBSが歩んできた“これまで”と、進む先である“これから”をつなぐ新しいアンセムである。また、この曲はオリジナル・アニメ「機動戦士ガンダムUC episode 5“黒いユニコーン”」の主題歌であり、いよいよ佳境に入っていく同アニメの緊張感あふれる展開とも見事にリンクしている。なお、THE LOWBROWSによるREMIXも収録されており、よりダンサブルにテクノ・アレンジされた同曲を楽しむことができる。
さらに通常盤には楽曲のREMIXパーツが収録されており、これらを使用してREMIXを作成すると、ニコニコ動画とのコラボ企画「”BROKEN MIRROR”リミックス選手権」(http://ch.nicovideo.jp/channel/bbs)へ参加することができる。7月31日が締切となっているが、最優秀作品は9月発売予定のREMIX ALBUMに収録されるとのことなので、ぜひチェックしてほしい。まずは本作を購入し、そのサウンドに酔いしれていただきたい。

OFFICIAL WEB SITE→ http://www.bbs-net.com/

TOWER RECORDS ONLINE[BOOM BOOM SATELLITES]
TOWER RECORDS ONLINE「BROKEN MIRROR」通常盤

BROKEN MIRROR(アニメ盤)

BROKEN MIRROR
期間生産限定盤

  • BOOM BOOM SATELLITES
  • SMR
  • 2012/06/06
  • CD
■Track listing
01. BROKEN MIRROR
02. BROKEN MIRROR/MOVIE Edition
03. BROKEN MIRROR/THE LOWBROWS REMIX


BROKEN MIRROR

BROKEN MIRROR
通常盤

  • BOOM BOOM SATELLITES
  • SMR
  • 2012/06/06
  • CD
■Track listing
01. BROKEN MIRROR
02. BROKEN MIRROR/THE LOWBROWS REMIX
CD-EXTRA/BROKEN MIRROR リミックス素材


機動戦士ガンダムUC 5 [DVD]

機動戦士ガンダムUC 5

  • バンダイビジュアル
  • DVD
■voice actor
内山昂輝(バナージ・リンクス)
藤村歩(ミネバ・ラオ・ザビ/オードリー・バーン)
浪川大輔(リディ・マーセナス)
甲斐田裕子(マリーダ・クルス)
手塚秀彰(スベロア・ジンネマン)
成田剣(ブライト・ノア)
ほか




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平山瑞穂著「忘れないと誓ったぼくがいた」 [●BOOK]

初版 2006.02.20 新潮社刊

ライトで、読みやすい。だが、随所に
感情の切なさみたいなものが滲んでいて
すごくきゅんとくるのである

[text●h.mariko]

デビュー作「ラス・マンチャス通信」の印象があまりに強烈だったため、読み始めてすぐに「これはもしや恋愛小説なのでは?」と気がついたとき、ちょっとガッカリした。
だって、恋愛小説って普通じゃん。
ラス・マンチャスみたいなぶっ飛び世界を読みたかったんだけどなあ。そんなふうに思いながら読み進めたのだが。

ちょっと、泣いちゃった。のである。

メガネショップに行った葉山タカシは、そのときに対応をしてくれた“織部”さんに一目惚れをしてしまう。そして、彼女はなんと同じ高校に在籍していることがわかり、大興奮! そして下の名前が”あずさ“でああることを突き止め、さあこれから・・・と言うとき、思わぬ障害にぶちあたる。
あずさは、ときどき、“消えてしまう”のだ。
あずさは、今までも何度も“消えた”ことがあり、そのたびに人に忘れられることがあり、過干渉するたび自分が傷ついてきたのでタカシともあまり仲良くしたがらない。だが、タカシは必死になり、あずさが消えない方法を考える。

文章はとてもライトで、読みやすい。だが、随所にタカシの感情の切なさみたいなものが滲んでいて、すごくきゅんとくるのである。
男子のために尽くす女子、というのは一般的にありがち(?)なような気がするが、タカシがあずさのためにまさに“尽くして”いる姿は健気である。
ラストまで漂う切なさを、ああ、これって青春だよなあ、とか思いながら、ハンカチで涙拭いながら読んだのである。人を大切に思うって、単純な感情なようでいて、とても重要なものであることを気づかせてくれる良作であった。

忘れないと誓ったぼくがいた

忘れないと誓ったぼくがいた

  • 平山瑞穂著
  • 新潮社
  • 2006/02/20
  • 単行本

忘れないと誓ったぼくがいた (新潮文庫)

忘れないと誓ったぼくがいた

  • 平山瑞穂著
  • 新潮社(新潮文庫)
  • 2008/07/29
  • 文庫

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Garbage「Not Your Kind of People」 [●ROCK]

5th album 2012.05.14 release

復活を越えた最高の復活劇
ノスタルジーと鮮烈さが共存する傑作

[text●i.akira]

GarbageLiveMay2012
Garbage performing live during the Not Your Kind of People tour in May 2012

1990年代のロックを代表する名プロデューサーであるブッチ・ヴィグ(Ds.)を中心に94年に結成し、アルバムのトータル・セールス1500万枚という超大物バンドであるGarbage(ガービッジ)が待望の新作をリリースした。2005年にリリースした「Bleed Like Me」以来となる本作は、長き不在を感じさせないほどGarbageらしさを前面に出した完全復活作である。

正直すでに解散したと思っていたなかでの復活劇はあまりに強烈だったが、内容はさらにすごい。オルタナティブを知り尽くした職人たちによるダンス・ミュージック、ギター・ロック、ノイズ、ポップが濃密に混ざり合ったキャッチーかつカオスなサウンドは、まるでファースト・アルバム「G(Garbage)」の続きのようなノスタルジーと鮮烈さが共存している。それも全曲シングル級のカラフルなポップ・ソングばかりである。また、活動休止中には海外ドラマ「ターミネーター サラ・コナー・クロニクルズ」へ出演するなどして話題を呼んだ紅一点シャーリー・マンソン(Vo.)のダークな歌声もさらに妖艶さを増しており、バンドのさらなるパワー・アップにつながっている点も聴きどころである。

長い沈黙を吹き飛ばしてしまうような進化と格の違いを聴かせてくれた彼ら。さらに8月に開催される“SUMMERSONIC 2012”への出演が決定している。本当に久しぶりの来日公演はどんなパフォーマンスとなるのか。今からワクワクしてしまう。

OFFICIAL WEB SITE→ http://garbage.com/

TOWER RECORDS ONLINE[Garbage]
TOWER RECORDS ONLINE「Not Your Kind of People」/Deluxe Editon

Not Your Kind of People

Not Your Kind of People
Deluxe Editon

  • Garbage
  • Stun Volume
  • 2012/05/15
  • CD
■Track listing
01. Automatic Systematic Habit
02. Big Bright World
03. Blood for Poppies
04. Control
05. Not Your Kind of People
06. Felt
07. I Hate Love
08. Sugar
09. Battle in Me
10. Man on a Wire
11. Beloved Freak

[Deluxe Edition]
12. One, The
13. What Girls Are Made Of
14. Bright Tonight
15. Show Me
[日本盤]
12. One, The
13. What Girls Are Made Of
14. Love Like Suicide
15. Bright Tonight
16. Show Me





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フェルメール・センター銀座「フェルメール光の王国展」 [●ART/EXHIBITION]

2012.01.20ー2012.07.22 Vermeer Center Ginza
Johannes Vermeer(ヨハネス・フェルメール)1632 - 1675

ヨハネス・フェルメール
知れば知るほど不思議な人である

[text●h.mariko]

絵画には、疎い。静物画ならともかく、抽象画なんかになると、もうわからない。これは芸術なのか、それとも私が理解できないだけなのか・・・。できることなら、理解できる芸術に感動したい、と思ってるうちに、絵画にはあまり目が向かなくなってしまった、という切ない理由があるのである。

が、そんな絵画音痴の私が、ひとりの画家に、心奪われた。
ヨハネス・フェルメール、その人である。

もとは、好きな作家の小説にフェルメールの絵画が出てきたことから、“どんな絵なのだろう?”と興味を抱いたことから始まった。絵そのもの、というよりも、文章のなかで美しく静謐に描かれていた絵画がどんなものなのかを知りたい、という欲求に駆られただけなのである。

そうして知った、フェルメール。
知れば知るほど、不思議な人である。

現存している絵画がものすごく少ないため寡作であったことが伺えるともいうが、17世紀のオランダ風俗画家としての地位はすさまじいもので、現在はこの時代を語るにフェルメールは欠かせない存在になった、ようだ。後から知ったことなのだが。

そんなフェルメールの絵を、すべて日本に集めることができないか、と贅沢なことを考え、実現させてしまったのがこの「光の王国展」。
絵画のなかには個人蔵のものもあるので、そう簡単にできるわけがないのだが、実はこれ、複製なのである。あくまで原画に忠実に、最新のデジタル技術で“re-create(リ・クリエイト)=再創作”したものを一堂に集めたものなのである。
まったくもって、贅沢。

油絵独特の盛り上がりというか、立体感を感じることは残念ながらできないのだが、ひとところでフェルメールの作品全てを見る事が出来るのは至福の一時である。

「真珠の耳飾りの少女」の前で彼女の視線をじっくりと眺め、
「牛乳を注ぐ女」の前でゆっくりとした日常を感じ、
「小路」と「デルフトの眺望」、2点しか現存しない風景画の前で立ち尽くす。

会場は大変に盛況であった。
やはり、それだけフェルメールの絵画に魅了される人が多いと言うことなのだろう。
あの恍惚をもう一度味わいたくて、またあの会場に足を踏み入れていそうな自分の予感を感じる今日このごろである。

フェルメール光の王国展
フェルメール・センター銀座
東京都中央区銀座6-11-1 銀座ソトコトロハス館
2012年1月20日(金)~7月22日(日)
10:00~18:00(最終入場17:30)
木・金・土曜日は特別夜間鑑賞開催(1日100名限定/19:00~22:00)
第1、第3月曜日休館(祝日の場合は開館)
大人(高校生以上)1,000円(税込)
小・中学生500円(税込)
特別夜間鑑賞券 3,000円(税込)

OFFICIAL WEB SITE→ http://www.vermeer-center-ginza.com/

真珠の耳飾の少女(青いターバンの少女)
Girl with a Pearl Earring

牛乳を注ぐ女
Jan Vermeer van Delft 021

小路
Jan Vermeer van Delft 025

フェルメール 光の王国 (翼の王国books)

フェルメール 光の王国

  • 福岡伸一著
  • 木楽舎
  • 2011/08/03
  • 単行本


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MISFITS「Famous Monsters」 [●ROCK]

5th album 1999.10.05 release

さらにへヴィに、さらにポップに、さらにダークに
中期MISFITSの最高傑作

[text●i.akira]

MISFITS(ミスフィッツ)には大きく3つの時期がある。1970年代後期から80年代にかけて、グレン・ダンジグ(Vo./EPf.)が率いていた初期、新たなメンバーを迎えて90年代に復活したときの中期、そして3ピースとなった現在。今回紹介するのは中期のメンバーによるアルバム「Famous Monsters」である。

90年代、初代ボーカリストだったダンジグが所有していたMISFITSの権利を取り戻したジェリー(B.)とドイル(G.)の兄弟は、新ドラマーにチャド(Ds.)を迎え、さらに新たなボーカリストをオーディションで探し、マイケル・グレイヴス(Vo.)という若き逸材を見つけ出し、まったく新しい形でバンドをスタートさせ、97年に復活後最初のアルバム「American Psycho」で完全復活を遂げる。

本作はこのメンバーによる2枚目のアルバムとなる。「American Psycho」で聴かせた、アグレッシブでポップなスタイルをさらに追及した作品となっている。ハードコア・パンク路線だった初期とは違い、メロディック・パンクやメタルなども柔軟に取り入れており(ちなみに、この時期のMISFITSが所属していたのはメタル専門レーベルのROADRUNNER RECORDS)、より幅広い層に受け入れやすいサウンドとなっている。なによりマイケルのボーカリストとして、そしてソング・ライターとしての魅力が開花した作品でもある。前作ではまだ青さが残っていた彼だが、よりMISFITSという音楽を意識したスタイルを本作では提示している。バンドの歴史に刻まれるべき美しきロック・バラード「Saturday Night」のように、激しさのなかにもどこか憂いや切なさを帯びたエモーショナルな歌声とメロディは、中期MISFITSの最大の魅力といえる。本作を引っさげてのジャパン・ツアーに僕は参戦しているが、そのケタ違いの勢いは鮮烈に刻まれている。

生粋のパンクスからは否定的な意見もあがる中期だが、今改めて聴けば、とてもいい曲を多数生み出していることがわかるだろう。残念ながら本作リリース後のツアー後半に、ジェリー以外のメンバーが相次いで脱退したため、中期MISFITSは終了してしまう。その過去の遺産、ぜひ中古CDショップなどで探し出してほしい。

TOWER RECORDS ONLINE[MISFITS]
TOWER RECORDS ONLINE「Famous Monsters」

Famous Monsters

Famous Monsters

  • MISFITS
  • Roadrunner Records
  • 1999/10/05
  • CD
■Track listing
01. Kong at the Gates
02. Forbidden Zone, The
03. Lost in Space
04. Dust to Dust
05. Crawling Eye
06. Witch Hunt
07. Scream!
08. Saturday Night
09. Pumpkin Head
10. Scarecrow Man
11. Die Monster Die
12. Living Hell
13. Descending Angel
14. Them
15. Fiend Club
16. Hunting Humans
17. Helena
18. Kong Unleashed




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中村文則著「土の中の子供」 [●BOOK]

初版 2005.07.30 新潮社刊
2005年 第133回芥川龍之介賞受賞作品

人は人と繋がらないと生きていけないのか?
繋がらないといけないのは弱いからなのか?
弱いというのはひとりでいることか?
では、孤独な人はすべてが弱いのか?

[text●h.mariko]

短編「蜘蛛の声」を併録。

現実=生きることから目を背け切ったことが共通したような2編なので、続けて読むと、かなり鬱々とした感情に襲われる。
表題作では、人間から“人”を切り離して生きようとする人を描く。よって、タイトルのように“土”と密接に絡むことになる。
「蜘蛛の声」ではある日突然外出できなくなる人が描かれる。
トーンが暗く、読みづらい部分もあるかもしれない。が、全体を通じて感じるテーマは“逃げる=生きる=弱い=強い=”という、矛盾した感情であった。
人は人と繋がらないと生きていけないのか? 繋がらないといけないのは弱いからなのか? 弱いというのはひとりでいることか? では孤独な人はすべてが弱いのか?
そんな問いかけが聞こえてくるようであった。
逃げること、それは一般的には弱いものがすること、そしてあまりよくないことであると言われがちである。だが、どうしても逃げなきゃいけないときというのがあるだろう。そのときに正々堂堂と逃げるのも、ひとつの生き方なのである。
ひたすらに暗く湿った感覚のある文章が綴られているが、語られていることは、“生き方”や“在り方”を見失った現代の若者に、ぜひ知ってもらいたいと思った。

まあ、ひょっとすると、余計に凹むかもしれないけれど。

土の中の子供

土の中の子供

  • 中村文則著
  • 新潮社
  • 2005/07/26
  • 単行本

土の中の子供 (新潮文庫)

土の中の子供

  • 中村文則著
  • 新潮社(新潮文庫)
  • 2007/12
  • 文庫


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宮崎駿監督作品「魔女の宅急便」 [●DVD]

1989年7月公開作品(スタジオジブリ制作 劇場アニメ)
原作 角野栄子著「魔女の宅急便/第1巻」


無意識のうちに人を感動させるキキのようになりたいし
彼女の周りにいる人たちのような懐の深さもほしい
魔女にはなれないけど、望みと勇気をもらえる物語

[text●o.ayumi]

先日あるバンドのライブを見たとき、映画「魔女の宅急便」の主人公・キキを思い出した。物語のクライマックス、トンボを救うために飛行船に立ち向かうシーン。危機迫る状況のなか、キキがとっさに空を飛ぼうとしたとき。キキは、自分を信じて神経を奮い立たせ、空へと飛び立った。そのときの力のこもった表情は美しくて頼もしくて。それがすっごく似ていた。

映画「魔女の宅急便」。エンディングテーマ曲の荒井由実(現・松任谷由実)の「やさしさに包まれながら」といえば、ノンアルコール飲料「のんある気分」のCM曲として使われたことが記憶に新しいが、その口ずさみたくなるようなカジュアルなポップ・ソングが物語を彩っていたっけ。相棒・ジジを連れて始まったキキの魔女修行は、順風満帆ではない。身寄りがいない街で信じることに臆病になって、キキは人のやさしさをなかなか素直に受け入れられない。けど、曲名のとおり、困難にぶつかってもキキはいつだって誰かの“やさしさに包まれながら”、ひとりで生きる術を身につけていく。
魔女といっても空を飛ぶことくらいがキキの取り柄。けれども、タダの人間じゃ不可能な空を飛ぶというロマンをしれっと叶えるキキは、知らず知らずのうちに人の心に魔法をかけてしまう。

世界を救うとか未知と遭遇するっていうような現実離れした話でもないし、実はすっごくハッピーな物語でもない。根拠のない自信を持った少女が現実に直面し挫折し、人との絆から自分を見つめて成長していく、結構リアルなヒューマンドラマなのだ。
空を飛ぶことで無意識のうちに人を感動させるキキのようになりたいし、登場する人々のような懐の深さもほしい。魔女にはなれっこないけど、望みと勇気をもらえる物語。

映画を初めて観たのは、キキより小さい子どもだったとき。主題歌「ルージュの伝言」や「やさしさに包まれて」を荒井由実が生んだのは、私が生まれるはるか前。でも心にずっと残っているし、大人になったいま観ても聴いても、驚くほど新鮮にうつるから、すごい不思議。

TOWER RECORDS ONLINE[宮崎駿]
TOWER RECORDS ONLINE「魔女の宅急便」

魔女の宅急便 [DVD]

魔女の宅急便

  • ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント
  • DVD

■cast 
高山みなみ(キキ/ウルスラ)
佐久間レイ(ジジ )
信沢三恵子(コキリ)
三浦浩一(オキノ)
山口勝平 (トンボ)
戸田恵子(おソノ)
ほか


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COBALT HOUR

COBALT HOUR

  • 荒井由実
  • EMIミュージック・ジャパン
  • 2000/04/26(LP-1975/06/20)
  • CD
■Track listing
01. COBALT HOUR
02. 卒業写真
03. 花紀行
04. 何もきかないで
05. ルージュの伝言
06. 航海日誌
07. CHINESE SOUP
08. 少しだけ片想い
09. 雨のステイション
10. アフリカへ行きたい


MISSLIM

MISSLIM

  • 荒井由実
  • EMIミュージック・ジャパン
  • 2000/04/26(LP-1974/10/5)
  • CD
■Track listing
01. 生まれた街で
02. 瞳を閉じて
03. やさしさに包まれたなら
04. 海を見ていた午後
05. 12月の雨
06. あなただけのもの
07. 魔法の鏡
08. たぶんあなたはむかえに来ない
09. 私のフランソワーズ
10. 旅立つ秋


魔女の宅急便 完結6冊セット (福音館創作童話シリーズ)

魔女の宅急便
完結6冊セット

  • 角野栄子著
  • 福音館書店(福音館創作童話シリーズ)
  • 2009/10/15
  • 単行本


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伊島りすと著「ジュリエット」 [●BOOK]

初版 2001.07.17 角川書店刊
2001年 第8回日本ホラー小説大賞受賞

ホラーというと肩透かしを食う気がする
ファンタジーだと思って読み進めてみると
新しい発見ができるかもしれない

[text●h.mariko]

日本ホラー小説大賞受賞作ということで、手にしてみる。

・・・ホラーか、これ?

たとえばぐちゃぐちゃのドロドロのゾンビに追いかけ回されて絶叫しまくって、っていう設定だったり、目に見えないなにやらよくわからない存在に襲われて命の危険が迫って、っていうことだったり、まあ何やら目を背けたくなるようなシーン続出、というイメージがあるのだ、ホラーっていうのは。

が、この作品は、おとなしい。というより、静かなのである。
密やか、とでもいうべきか。

妻をうしない、その散骨を考えていた主人公は、仕事で離島に行くことが決まり、ふたりの子どもを連れて居住を移す。そこで息子にせがまれて獲った貝が死ぬ“タマヌケ(魂抜け)”を目撃したせいで、彼らの周辺に不思議な出来事が起こりはじめ、そうして島の伝説のとおり、死んだ人が還ってくることになるのだったが・・・。

タマヌケという現象の不可思議さや美しさをもっと追求してほしいなと思ったのと、ホラーというならもう少し驚きやら恐怖感があってもよかったのだろうか、と思うところがありながらも、もやっとした進み方のまま、ラストを迎える。
すごくいいとか、悪いとかいうわけではないのだが、このもやっとした感じがこの作品の胆なのかな、と思えばそれでもいいのかな、と思えた。
死んだ人との邂逅を望むのは、大切な人をうしなった人たちの当然の感情といえよう。だがそれは叶わぬ夢、それをいくら願ってもおそらく叶わない。そんな切なさを、もうちょっと突っ込んで書いてくれてもよかったのかな、という気もする。

ホラーというと肩透かしを食う気がするので、ファンタジーだと思って読み進めてみると、新しい発見ができるかもしれない。

ジュリエット

ジュリエット

  • 伊島りすと著
  • 角川書店
  • 2001/07
  • 単行本

ジュリエット (角川ホラー文庫)

ジュリエット

  • 伊島りすと著
  • 角川書店(角川ホラー文庫)
  • 2003/09
  • 文庫





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佐藤亜紀著「ミノタウロス」 [●BOOK]

初版 2007.05.10 講談社刊
2008年 第29回吉川英治文学新人賞受賞作品

物語としての完成度がとにかく高い。それに尽きる
まるですぐそばで息遣いが聞こえるような生々しさ、近さ

[text●h.mariko]

日本を中心に物事を考えることが多い。いや、あたりまえなのだ、だって私は日本人なのだから。政治や暮らし向き、趣味や衣食の文化、それは外から見れば“日本的”と評されるものであっても、日本に暮らす私にとっては“特別”ではなく、“あたりまえ”になってくる。
ニューヨーカーの全員がお洒落なのかどうか知らないし、パリには美男美女ばかりなのかどうかも知らない。韓国では足がキレイな人が多いとか、もはやそういうのは都市伝説(?)みたいなものだと思うのだ。

佐藤女史が舞台に選ぶ場所は、たいがい知らない国や土地が多い。良く言うと先入観なしで読める。悪く言うと、自分がバカになったように思える・・・、いや、勉強不足ってヤツなのだと思うが。この小説は第一次世界大戦直前のウクライナが舞台。私は“ウクライナってどこ?”と思いながら読み進め、途中から地図帳に手を伸ばした。

大国・ロシアとのせめぎ合い、ヨーロッパの圧力を受けつつも自国の力を誇示しようとどの国もが考えていたであろう、この時期。ロシア革命を目前にしたロシアの爆発力を押さえようとするウクライナ、それに巻き込まれる群衆、兵士。そのなかのひとりが主人公というと、ぴんと張りつめた緊張たっぷりの世界を想像しがちだが、それがそうでもない。主人公がヒーローじゃないところが、またおもしろい。

タイトルになっている“ミノタウロス”をご存知だろうか? ギリシア神話に登場する牛頭人身の怪物である。その姿もさることながら、破壊力を持った暴君のイメージが強い神である。
それをタイトルに持ってきている割には、誰がどう“ミノタウロス”なのだろう? と思いながら、読み進んだ。
すると話は複雑になり主人公は暴走をはじめ、大富豪に擦り寄り生きていた主人公が彼を撃ち、野に放たれるあたりから本領発揮。ラストまで息をつく間もなく走り抜ける。まるですぐそばで息遣いが聞こえるような生々しさ、近さ。

物語としての完成度がとにかく高い。それに尽きる。
余談だが、地理に疎い方は、最初から地図帳を手に本書を開くことをお勧めする。

ミノタウロス

ミノタウロス

  • 佐藤亜紀著
  • 講談社
  • 2007/05/11
  • 単行本

ミノタウロス (講談社文庫)

ミノタウロス

  • 佐藤亜紀著
  • 講談社(講談社文庫)
  • 2010/05/14
  • 文庫

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BUCK-TICK「エリーゼのために」 [●ROCK]

new single 2012.05.23 release

自主レーベル“Lingua Sounda”第1弾シングル
バンドの真骨頂を突きつけた攻撃型ロック・ナンバー

[text●i.akira]

今年3月にリリースされたデビュー25周年記念BOX仕様ベスト・アルバム2枚も好評なBUCK-TICK(バクチク)が、ついに今年初となる新曲をリリースした。自主レーベル“Lingua Sounda”第1弾シングルとなる「エリーゼのために」は、25周年の幕開けを告げるにふさわしい曲である。

タイトル曲「エリーゼのために」は、タイトルのイメージとまるで違い、ギター・リフ1発でノック・アウトさせられてしまう攻撃的なロック・ナンバーに仕上がっている。ブレイク・ビーツを取り入れながら、非常にシンプルでパンキッシュなバンド・サウンドが展開し、それでいてサビは非常に官能的でポップという、どこを切ってもBUCK-TICKらしさしかない痛快な曲である。2曲目の「夢見る宇宙」もまた、らしさと懐かしさが漂うミドル・ナンバー。シューゲイザーのような荘厳なギターのなか、優しいメロディが切なく染みこんでくる。3曲目の「SANE –typeⅡ」はアルバム「COSMOS」収録曲のセルフ・カバーである。オリジナルは非常に実験的なナンバーだったが、実にポップで勢いのあるロックな曲に生まれ変わっている。こうした遊び心も彼らの魅力である。
なお、初回盤には昨年末に開催された“THE DAY IN QUESTION 2011”仙台公演の音源7曲を収録したCDと、「エリーゼのために」のPVを収録したDVDが付いている。

彼らのリリース・ラッシュはまだまだ続く。本作と同時リリースされたライブ映像作品「THE DAY IN QUESTION 2011」はもちろん、7月4日にリリースされる第2弾シングル「MISS TAKE ~僕はミス・テイク~」と豪華メンツが揃ったトリビュート・アルバム「PARADEⅡ~RESPECTIVE TRACKS OF BUCK-TICK~」、そして夏には待望のニュー・アルバムのリリースも決定している。さらに自身主催のフェスや対バンツアーなども決定しており、アニバーサリーにふさわしい活発ぶりである。まずはこのシングルでその勢いを感じてほしい。

OFFICIAL WEB SITE→ http://buck-tick.com/

TOWER RECORDS ONLINE[BUCK-TICK]
TOWER RECORDS ONLINE「エリーゼのために」

エリーゼのために

エリーゼのために

  • BUCK-TICK
  • 徳間ジャパンコミュニケーションズ
  • 2012/05/23
  • CD

エリーゼのために(限定盤)

エリーゼのために/限定盤

  • BUCK-TICK
  • 徳間ジャパンコミュニケーションズ
  • 2012/05/23
  • 2CD+DVD
■Track listing
01. エリーゼのために
02. 夢見る宇宙
03. SANE -typeII-

[DVD]/限定盤
01. エリーゼのために/MUSIC VIDEO
[CD]/限定盤
01. THEME OF B-T
02. HURRY UP MODE
03. さくら
04. JUPITER
05. Baby,I want you.
06. Alice in Wonder Underground
07. 独壇場Beauty-R.I.P.-


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白石一文著「永遠のとなり」 [●BOOK]

初版 2007.05.30 文藝春秋刊

鬱と癌、やるせない人生の淵に立たされた
ふたりの主人公の対照的な考え方や物言いが
坂道を転がる雪玉のように
大きく重くのしかかってくる・・・

[text●h.mariko]

生きる理由なんてものを、考えたことがあるだろうか? 生きているということがあたりまえであり、明日の寝床も飯も困らぬ生活をしているぶんには、そんなこと気にするわけがない。誰もがそうだろう。しかし、現在の日本は、なかなか全員がそういう“あたりまえ”を享受できていないのが現状だ。病気、怪我、馘首、不幸。そんなスパイラルに陥っている人も、たくさんいるのだ。

うつ病を発症し、仕事を退職、妻子とも別れて故郷、福岡に帰った主人公の精一郎。癌と闘いながら、結婚と離婚を繰り返すその友人、敦。小学校から親友であるふたりの対比と、その“生き方”を透かし彫りにしたような作品である。

物語なのだ、と思えるゆとりというか、幅がもてない。もしも自分がこうなったら? というリアルな感情を持ちながら読み進めると、ふたりの主人公の対照的な考え方や物言いが、坂道を転がる雪玉のように、大きく重くのしかかってくる・・・。

自分がどうやって生きるのか、その道筋など、実は誰にもわかりはしない。だれもがそれをつねに模索しながら生きていくものなんだろう。しかし、うつ病によって生きる気力を剥奪されたり、癌によって希望を失ったりすることは、マイナスにはなってもプラスにはなり得まい。どんなに苦しくてもとにかく現状を見失わない、人の強さというか、マイナスからでも生み出せる力というか、とにかく、目を背けずにいる強さが必要な内容である。
タイトルは恐らく、誰もが避けては通れない現象を指しているのだろうけど、それを慌てず騒がず受け止められるようになる人など、いるのだろうか・・・。それは強さでなく、悟りなのだろうか、と、いろいろと考えさせられる機会をもらうことになった。

永遠のとなり

永遠のとなり

  • 白石一文著
  • 文藝春秋
  • 2007/06
  • 単行本

永遠のとなり (文春文庫)

永遠のとなり

  • 白石一文著
  • 文藝春秋(文春文庫)
  • 2010/03
  • 文庫

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三上ちさこ「tribute to・・・」 [●POPS]

solo mini album 2012.02.22 release

ex.fra-foaの三上ちさこが叫ぶ
“いのち”のうた

[text●i.akira]

2000年にメジャー・デビューし、オルタナティブなサウンドとエモーショナルなメッセージが人気を博したfra-foa(フラホア)。そのボーカリストであり、バンドの中心人物だった三上ちさこが2005年にリリースしたセカンド・ソロ・アルバム「here」以来となる本当にひさしぶりとなる音源を発表した。そこには、あのころと変わらぬ彼女の剥き出しのメッセージがあった。

完全自主制作となる本作は、最近のライブでも演奏されている楽曲が揃っている。ダンサブルでアッパーな「アザミノ(痣身の唄)」、力強いバラード「Life」、fra-foaの代表曲である「澄み渡る空、その向こうに僕が見たもの。」のセルフ・カバー(2012 ver.)、優しく愛情に溢れた「wallless」と、4曲のミニ・アルバムながら、とても充実した内容である。また、すべての曲で共通しているのは“いのち”へのメッセージだ。この時代を生き抜くことの困難さを噛みしめながら、それでも強く生きていくことを僕らに訴えている。表現者として、母親として、ひとりの人間として、さまざまな壁を壊すように、幾多の犠牲を優しく包むように、愛と勇気を持って彼女は“いのち”を叫んでいるのである。その言葉と音たちはとても強く、美しい刃となって僕らにまっすぐと突き立てられる。

fra-foa時代からそうだが、彼女の音楽と声は、もっと多くの人に愛されるべきだと思う。特に、自分がひとりぼっちであると感じてしまっているような人に聴いていただきたい。あなたはひとりではないことを、ともにこの時代を生きていることを、彼女は教えてくれるだろう。

※ライブ会場・HPにて販売中!

OFFICIAL WEB SITE→ http://www.mikamichisako.com/
三上ちさこ WEB SHOP→ http://www.mikamichisako.com/shop.html

TOWER RECORDS ONLINE[三上ちさこ]

0603.jpg

tribute to・・・

  • 三上ちさこ
  • 2012/02/22
  • CD
■Track listing
01. アザミノ(痣身の唄)
02. Life
03. 澄み渡る空、その向こうに僕が見たもの。(2012 ver.)
04. wallless




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斎藤隆介 作、滝平二郎 画「モチモチの木」 [●PICTURE BOOK]

初版 1981.07.21 岩崎書店刊

大人になっても読むたびに
なんだか試されているような気持ちになってしまう
豆太が勇気を振り絞ったときに見た別の世界は
いったい何を暗示しているのだろうか

[text●h.mariko]

斎藤隆介と滝平二郎、このおふたりの名前を忘れていても、この切り切り絵を見て、“あ、知ってる!”“小学校の国語の教科書で見た”という人は多いのではないだろうか。さまざまな物語を、絵本というわかりやすい形で伝えてくれ、かつ美しい切り絵は、“どこをどうやって作ったのだろう?”と思う程精巧にできていて、どれも見るたびうっとりとしてしまう。

さて、そしてこの「モチモチの木」である。
臆病で、ひとりで雪隠(せっちん)にも行けない、豆太。優しいジサマに甘えっぱなしで、夜に小便をしたくなったときも、ジサマを起こして、一緒に行ってもらうほどの、小心者。雪隠の前には、“モチモチの木”という、大きな木がある。その木は、豆太にとっては、昼間はなんでもない存在でも、夜はお化けのように怖い存在なのだった。
そんなある日のこと、夜中にジサマが苦しみだす。医者を呼んでくれ、と豆太に頼む。だが、医者への道のりは遠く、半里離れた麓の村。道は暗く、積もった雪で足が痛い。だが、大好きなジサマのために、豆太は走る・・・。

絵本の存在意義とは、なんであろうと、この作品を手に取るといつも思う。たとえば、今はトイレと呼ぶのがすっかり普通となった雪隠。そして家の中にあるのがあたりまえだが、昔は家の外にあった。まげ姿で着物を着た豆太もジサマも、違和感がない。そんな格好をした人、今では、相撲取り以外に見かけることは、ほとんどない。でも、この物語の持つ大きな力の前には、誰もが虜になってしまうと思うのだ。

子どものころ、私がこの作品を読んだときは、ちょっと、試されているような気持ちになった。だって、大好きな人が苦しんでいるとき、自分が恐いめに遭ってでもその人を助けられるだけの勇気を持っているのか? と考え込んでしまったからだ。そうして、自分が豆太よりもジサマの年に近づいた今読み返してみると、この作品はそういった“勇気とやさしさを讃える”だけの本ではないと気がつく。豆太が勇気を振り絞って夜中の道を駆けたのは、たった一度、その後もけっきょく“恐がり”なのは直らない、けれど、そのときに見た“別の世界=モチモチの木が見せた美しい姿”は、いったい何を暗示していたのだろうか・・・。大人になってもまだまだ、なんだか試されているような気持ちになってしまうこの作品を、ことあるごとにじっくり眺めてみようと思う。

モチモチの木 (創作絵本 6)

モチモチの木

  • 斎藤 隆介作/滝平 二郎画
  • 岩崎書店
  • 1971/11/21
  • 大型本

モチモチの木 (ビッグ・えほん)

モチモチの木
(ビッグ・えほん)

  • 斎藤 隆介作/滝平 二郎画
  • 岩崎書店
  • 2002/04
  • メディア: 大型本

The Tree of Courage―モチモチの木(英語版) (R.I.C.Story Chest)

The Tree of Courage
モチモチの木 英語版(R.I.C.Story Chest)

  • 斎藤 隆介作/滝平 二郎画
  • アールアイシー出版
  • 2007/06
  • 大型本




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THE JUNEJULYAUGUST「Edelweiss」 [●ROCK]

2nd album 2012.04.18 release

よりディープに、ドラマティックに、フリーダムに響く3つの音
THE JUNEJULYAUGUST、鮮やかな2度目の季節

[text●i.akira]

心臓の隅々にまで染みこむほどディープな音。聴き手の脳裏に映像を映していく小説のような言葉。愛しささえ感じるほど美しい旋律。前作「深く潜れ」から1年3か月という短いタームでリリースされたTHE JUNEJULYAUGUST(ザ・ジューンジュライオーガスト)のセカンド・アルバムとなるこの「Edelweiss」は、ギター、ドラム、ピアノという変則的な3ピースにより自らが示したロックの新たな可能性を、より突き詰めながら、より自由な感覚で表現の幅を広げた挑戦的な作品である。

不穏なピアノの音からジワリと始まる「BE BEE」、実に高野哲(Vo./G.)らしいメロディと言葉が躍る「動脈」、梶原幸嗣(Ds.)のダンス・ビートのような規則正しいドラムと佐藤統(Pf.)の浮遊するピアノが疾走していくタイトル曲「Edelweiss」、プログレのような目まぐるしい展開と激しい音が耳を奪うインスト・ナンバー「144618」、このバンドでしか生み出すことができないであろう独特で異様な世界観の「Japanese Democracy」、タイトルからは想像できないほど美しいバラード「適当です」、本作でもっともポップでストレートな「Early Glory」、映画のエンド・ロールのようなラスト・ナンバー「It」など、似たような曲は1曲もなく、それでいて、そのどれもがTHE JUNEJULYAUGUSTであると断言できるほど個性的でまぶしい輝きを放っている。

高野哲はメインで活動しているバンドnil(ニル)、今年再結成を発表し、6月には10年ぶりとなる全国ツアーも決定しているZIGZO(ジグゾ)、佐藤タイジとうつみようこと結成したインディーズ電力など、実にさまざまな音楽表現の場を持っている。しかし、そのなかでもっともディープに自身を表現しているのが THE JUNEJULYAUGUSTだと思う。本作を引っさげて開催していたツアーの最終公演を6月2日に高円寺HIGHにて行なう彼ら。足を運べる方は、ぜひ。

OFFICIAL WEB SITE→ http://www.afro-skull.com/jja/

TOWER RECORDS ONLINE[THE JUNEJULYAUGUST]
TOWER RECORDS ONLINE「Edelweiss」

Edelweiss

Edelweiss

  • THE JUNEJULYAUGUST
  • BounDEE by SSNW
  • 2012/04/18
  • CD
■Track listing
01. BE BEE
02. 動脈
03. Edelweiss
04. the vastness
05. 144618
06. 無色透明
07. Japanese Democracy
08. Last Bullet
09. 適当です
10. Early Glory
11. It


2nd Album [Edelweiss] Release tour 2012
2012.05.12(土)岩手/盛岡 CLUB CHANGE
2012.05.13(日)宮城/仙台 LIVEHOUSE enn 3rd
2012.05.19(土)愛知/名古屋 ell.SIZE
2012.05.20(日)大阪/心斎橋 AVENUE-A
2012.05.26(土)北海道/札幌 Hall Spiritual Lounge
2012.06.02(土)東京/高円寺 HIGH


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