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皆川博子 著, 宇野亞喜良 画「絵小説」 [●BOOK]

初版 2006.07.30 集英社刊

甘美であり、エロティックであり
不気味であり、恍惚である
万華鏡のような
幾ら見ていても飽きない世界

[text●h.mariko]

この「絵小説」は、“絵本”と“小説”、
それを絶妙に混ぜ合わせた作品である。

普通、という言葉が適切かは解らないのだが、
小説にイラスト(挿し絵)が入るときというのは、
まず最初に物語があり、
それに合ったイラスト(挿し絵)をつけていくものだろう。

しかし、この作品では順序が逆であったという。
逆というか、まったく新しい手法でつくり上げられた。

まず、皆川博子がコクトーなどの詩を選び、
その詩からイメージした絵を宇野亞喜良が描き、
皆川博子がその詩と絵から物語をつくり、言葉を添える。

そうして出来上がった「絵小説」。

甘美であり、エロティックであり、
不気味であり、恍惚である。

それぞれの世界観がお互いを引き出し合い、高め合う。
なんたる世界。

例えるなら甘すぎるデザート
胃もたれを起こしそうな美食、
なんというか、贅沢なのである。

万華鏡のような、幾ら見ていても飽きない世界。

「赤い蝋燭と・・・」「美(うるわ)しき五月に」
「沼」「塔」「キャラバン・サライ」「あれ」の6篇を収録。

絵小説

絵小説

  • 皆川博子 著, 宇野亞喜良 画
  • 集英社
  • 2006/07/26
  • 単行本

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京極夏彦著「絡新婦の理」 [●BOOK]

百鬼夜行シリーズ第5作(ジョロウグモノコトワリ)
初版 1996.11.05 講談社刊(講談社ノベルズ)


あまりに悲しいラストには
胸を引きちぎられるような感情が溢れた
それは、やはり自分が女性だからなのか
それとも・・・

[text●h.mariko]

日常生活において、自分の性別を意識することはあるだろうか。女である私は、なにかと、ある。たとえば、結婚したら仕事はできないのか、とか、毎月生理痛に悩まされるときだったりとか、社会において男女は対等だと言われながらも正社員のクチがなかなかないというときであったりとか。そう、何かと女性は蔑視されているような意識がある。それは自意識過剰なのかもしれない。だが、実際男女差というのはあるのだ。そう意識をしていなくとも。
性差はあたりまえに存在ている。男性が力強く、女性には力がないのはただの性差である。それを混同してしまうと、差別が起きる。区別と差別は違うのだ。そして婚姻をいわゆる“家制度”と繋げて考えようとするから矛盾が起きるのだ。そこに深いメスが入らない限り、女性性が今よりもよく捉えられることはないだろう。

京極堂シリーズ(百鬼夜行シリーズ)において、正直、いちばん厄介に感じているのが、この作品である。女性の性差撲滅、独立した女性を生み出すためにという発想と、それと真っ向から対立する家制度が屹立し物語を分断する。どうしてこんなに解りにくいのか。それは、実は、女性である私が、“女であるが故の差別”ということを、熱心に考えたことがないからではないかと気がついた。

場所は、千葉のはずれである。大層な素封家で葬式が出る。織作家の主の葬式であった。偶然にその近くまで釣りにやって来た伊佐間一成は、葬式を目撃する。同時に、水鳥の友禅を羽織った“男のようなもの”を目撃し、ぞっとする。
一方、聖ベルナール女学院では、2年生の呉美由紀と渡辺小夜子が、「蜘蛛の僕」について調べるうちに危険な組織へとのめり込む羽目に。
また一方では、世間を騒がせる「目つぶし魔」が登場、目玉にノミを突きつけるという強烈な殺人手法で世の注目を集める。さらに同時期に、別の地域では「絞殺魔」なるものが現われて・・・。

この物語を終息させるには、ここまでの人が犠牲にならなくてはならなかったのだろうかと、読み返すたびに思うのだ。
自分自身が生きる道を見いだせない人生など、どうあがいても楽しくはなるまい。だからといって、自分自身の保身のために、大勢の人の命を犠牲にしてよいものか。それだけの覚悟がないと、女性の独立は果たすことができないのか。
あまりに悲しいラストには、胸を引きちぎられるような感情が溢れた。それは、やはり自分が女性だからなのか。それとも、女性性をどこかで差別しているからなのか。
幾ら考えても、まだ答えが見つからない。

絡新婦の理 (講談社ノベルス)

絡新婦の理 (講談社ノベルス)

  • 京極夏彦著
  • 講談社
  • 1996/11/05
  • 新書

文庫版 絡新婦の理 (講談社文庫)

絡新婦の理

  • 京極夏彦著
  • 講談社 (講談社文庫)
  • 2002/09/05
  • 文庫

分冊文庫版 絡新婦の理(一) (講談社文庫)

分冊文庫版 絡新婦の理(一)

  • 京極夏彦著
  • 講談社
  • 2006/01/13
  • 文庫 (講談社文庫)

分冊文庫版 絡新婦の理(二) (講談社文庫)

分冊文庫版 絡新婦の理(二)

  • 京極夏彦著
  • 講談社
  • 2006/01/13
  • 文庫 (講談社文庫)

分冊文庫版 絡新婦の理 (三) (講談社文庫)

分冊文庫版 絡新婦の理 (三)

  • 京極夏彦著
  • 講談社
  • 2006/02/16
  • 文庫 (講談社文庫)

分冊文庫版 絡新婦の理 (四) (講談社文庫)

分冊文庫版 絡新婦の理 (四)

  • 京極夏彦著
  • 講談社
  • 2006/02/16
  • 文庫 (講談社文庫)

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GOLIATH「parallel」 [●ROCK]

1st single 2012.05.02 release

遂に本領発揮、覚醒のファーストシングル
神聖かつ自由なる楽園

[text●i.akira]

デビュー・アルバム「RESIDENTS IN DESERT」の衝撃的な余韻も冷めぬなか、突然届けられたファースト・シングル。
前作リリース直後に仲田翼(G.)が正式加入し、6人編成という大所帯、それもツイン・ベース&ツイン・ギターというさらに奇抜なバンド・スタイルとなった彼らだが、本作はそんなバンドの変化を隠すことなく表現し、なんともつかみどころのない、しかし異常なほどの中毒性が秘められた問題作となっている。変則的なリズムと、どこかの民族の祭りのような異様な世界観がグルグルと展開する「parallel」、暗い森の中をあてもなくさまよい歩くような、なんともダークで危険な空気が漂うミドル・ナンバー「Helter Skelter」という2曲のみであるが、リミッターを排除し、メンバーの個性を解放したような爽快感と爆発力を感じることができる。同時に、GOLIATH(ゴライアス)というバンドがいったいどれほどの怪物になっていくのか、今後を非常に期待させる濃い内容のシングルとなっている。

現在バンドは本作を引っさげてのツアー「2012 SPRING TOUR "ANTI-HERO"」の真っ最中である。まだまだ進化を続けるバンドの成長過程を、ぜひとも目撃してほしい。

OFFICIAL WEB SITE→ http://golarock.com/

TOWER RECORDS ONLINE[GOLIATH]
TOWER RECORDS ONLINE「parallel」生産限定盤

jk_parallel.jpg

parallel

  • GOLIATH/ゴライアス
  • Nyan Nyan Records/Troll music
  • 2012.05.02
  • CD
■Track listing
01. parallel
02. Helter Skelter

TOWER RECORDS 渋谷
TOWER RECORDS ONLINE
LIVE会場限定販売

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GOLIATH「RESIDENTS IN DESERT」




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篠田節子著「ハルモニア」 [●BOOK]

初版 1998.01.01 マガジンハウス刊
1998年 堂本光一、中谷美紀でテレビドラマ化(日本テレビ系 全9回)

東野と由希が辿る運命は
残酷にして儚いとも思えるが
やっぱり、これは愛の話・・・
チェロが奏でる美しくも悲しい物語

[text●h.mariko]

私は、音楽をものすごい愛している、と、ときどき思う。外出時にipodを忘れてしまったときに猛烈に後悔したり、映画を観にいって物語そっちのけで音楽に浸って泣いたり、ふいに好きな音楽を聴いて号泣したり、はたまたらい落に笑えたり、そんなことを繰り返しているうちに自分というものを形成してくれた音楽に、感謝してもしきれないほどの感情を抱いている。

この物語は、音楽とチェロという楽器を中心にした、美しくも悲しい物語である。
チェロ奏者の東野は、深谷の依頼で由希にチェロを教えることとなる。
由希は、脳の一部を損傷した、いわゆる障害者。普段の生活はままならないほどに感情がないが、とりわけ音楽のこととなると天才的な能力を発揮する。それは、チェロを弾かせてみると顕著に現われた。
東野は由希の演奏テクニックに、ルー・メイ・ネルソンという異端児であったチェリストの姿を重ねるように。ネルソンは脚光を浴びつつも、夭折した演奏者であった。
東野は必死にネルソンの音を取り出そうとしているかのように見える由希から、“彼女だけの音”を出させようと必死になる。
脳の手術による、変化。東野の感情の変化。そして、由希の変化・・・。

音楽と愛情は、深いところで繋がりがちである。心に深く沈み込む音楽こそ名曲といえるだろう、それと同じことだ。東野と由希が辿る運命は、残酷にして儚いとも思えるが、やっぱり、これは愛の話なのではないか、と、思うのである。

ハルモニア

ハルモニア

  • 篠田節子著
  • マガジンハウス
  • 1997/12
  • 単行本

ハルモニア (文春文庫)

ハルモニア

  • 篠田節子著
  • 文藝春秋(文春文庫)
  • 2001/02
  • 文庫

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百々和宏「窓」 [●ROCK]

1st solo album 20 12.04.25 release

MO'SOME TONEBENDERの百々による初のソロ・アルバム
静かに、温かく、確かに響く“窓の向こう”

[text●i.akira]

MO'SOME TONEBENDER(モーサム・トーンベンダー/以下モーサム)のフロントマンであり、日本有数のロック・イコンである百々和宏(Vo./G.)がいつのまにか制作していた自身初のソロ・アルバム。

ノイジーでソリッドなバンド・サウンドが耳を奪うモーサムとは違い、最小限の音で構成された、とても静かで、温かくて、じっくりと響く曲がほとんどである。しかし初めて聴いたとき、とても彼らしい音楽であると妙に納得させられてしまった。彼が過ごす日常を録音してしまったような、とてもナチュラルで力の抜けた歌声やギターは、せわしない日常に優しく風を吹き込んでくれる、まさに“窓”のような音楽である。懐かしさが漂うメロディや、自伝のような歌詞からも、百々和宏というアーティストの本質を感じることができるだろう。さらに彼自身がリスペクトし続けるジョニー・サンダースによる珠玉のバラード「Sad Vacation」(シド・ヴィシャスに捧げた曲だと言われている)や、中島みゆきの「悪女」、小林麻美の「雨音はショパンの調べ」といったカバー曲もおもしろいし、「バカドリル」などで知られるマンガ家、タナカカツキ氏による奇妙だけどどこか優しいジャケットも素敵である。

現在彼はモーサムとしてのツアー“STUPID & IDIOT TOUR”と並行して、ソロ・ツアー“社会の窓ツアー”の真っ最中である。また、YouTubeで公開されている「ながいおわかれ」と「クラクラ」のPVは、監督を務めた平波亘氏による“窓”をモチーフとした今夏公開予定の映画とリンクした作品になっている。音だけでなく、さまざまな形で広がっていく窓の向こう側。あなたも覗いてみてはいかがだろう。

OFFICIAL WEB SITE
百々和宏→ http://momokazuhiro.com/
MO'SOME TONEBENDER→ http://www.mosome.com/

TOWER RECORDS ONLINE[百々和宏]
TOWER RECORDS ONLINE「窓」

窓

  • 百々和宏
  • 日本コロムビア
  • 2012/04/25
  • CD
■Track listing
01. バターのようだね
02. クラクラ/with 原田郁子(クラムボン)
03. ながいおわかれ
04. ロックンロールハート
05. ポテトフォーピープル
06. 悪女
07. 高架下の幽霊
08. 箱船
09. Sad Vacation
10. ニューシネマ
11. 雨音はショパンの調べ(ふろく)


百々和宏とテープエコーズ
社会の窓ツアー

2012.05.18(金)東京新宿 風林会館ニュージャパン
2012.05.26(土)大阪/digmeout ART&DINER
2012.05.28(月)福岡/the voodoo lounge
2012.05.29(火)愛知/名古屋APOLLO THEATER


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ユン・チアン著「ワイルド・スワン」 [●BOOK]

原書名「WILD SWANS( 鴻 - 三代女人的故事)」著者 Jung Chang(張戒)/1991
初版 1993.01.25 講談社刊

否が応でも深いつき合いになってゆく中国
激動の近現代史を深く認知しておくべきではないか

[text●h.mariko]

私が高校生のころ、学校の図書室に司書さんがいた。もともとの本好きであった私は司書さんとの出逢いにより、さらに本の世界にのめり込むこととなり、今まで自己流でチョイスしていた本から専門家からさまざまな紹介をしてもらえるという、大変ぜいたくな読書生活を送っていた。

そのころ、司書さんはこの本を、私に猛烈に勧めてくれた。だが、私は読まなかった。当時の私はどっちかといえばアメリカの作者にハマっていて、もともとノンフィクションものは苦手で、“中国”という国そのものにあまり興味がなかったのが、その原因だ。

あれから十数年が経ち、どうしてこの本に手が伸びたのかは、わからない。最近何かと世界情勢を騒がせる中国に興味を持ったからなのか、それとも久々に海外の著作を読みたくなったのか、はたまたノンフィクションに興味を持ったからなのか。

読み終えての結論。高校のとき、読んでおかなかったことを激しく後悔した。ーーいや、あのころだったら、歴史認識やら何やらで面倒になり、途中で投げ出したかもしれない。今読むのが、やっぱりタイミングとしてはよかったのかもしれない。

作者であるユン・チアンから見た中国の歴史を彼女の家族の生活と、中国共産党との関わり、そして文化大革命について、毛沢東の方針についてを冷静な眼差しで見つめ、精緻な筆で書き抜かれた作品である。
著者本人、母親、祖母が、それぞれ辿ってきた歴史。それは戦争、日本の支配、国内の内戦、そして文化大革命と激動の中国を辿ることだ。その当時の中国は、情報統制がなされ、なかなか国内情勢を海外に流さない。それはよくも悪くも国民の生活に影響しており、果たして“文化大革命とはなんだったのか?”と歴史研究家も首をひねることが多いらしいと、この本を読んでから知った。そういった意味で、中国の歴史を内側から告発するかのように描いたノンフィクションは、衝撃である。

中国は、最近こそGDPの急上昇、世界一の人口大国としても大きく成長している。そんな国が辿ってきた歴史を、我々は知らなすぎるのではないか。これからも“アジア”という枠組みでも“世界”という枠組みでも、つき合っていかなければならない中国。直接的に関わる政治家や官僚や企業人ばかりではなく、一般人の我々も、中国の激動の近現代史を深く認知しておくべきなのではないか、と、思った。否が応でも深いつき合いになってゆくわけで。

ワイルド・スワン(上)

ワイルド・スワン(上)

  • ユン・チアン著
  • 講談社
  • 1993/01/19
  • ハードカバー

ワイルド・スワン(下)

ワイルド・スワン(下)

  • ユン・チアン著
  • 講談社
  • 1993/01/19
  • 単行本

ワイルド・スワン〈上〉 (講談社文庫)

ワイルド・スワン〈上〉

  • ユン・チアン著
  • 講談社 (講談社文庫)
  • 1998/02
  • 文庫

ワイルド・スワン(中) (講談社文庫)

ワイルド・スワン(中)

  • ユン・チアン著
  • 講談社 (講談社文庫)
  • 1998/02/26
  • 文庫

ワイルド・スワン(下) (講談社文庫)

ワイルド・スワン(下)

  • ユン・チアン著
  • 講談社 (講談社文庫)
  • 1998/02/26
  • 文庫

Wild Swans: Three Daughters of China

Wild Swans
Three Daughters of China

  • Jung Chang
  • Touchstone
  • 2003/08/12
  • ペーパーバック


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The Avengers「Avengers Assemble」 [●SOUNDTRACK]

The Avengers Original Sound Track 2012.05.01 release

マーベル渾身の映画「アヴェンジャーズ」のサウンド・トラック
大物から期待の新人までが一同に介した豪華なオムニバス!!

[text●i.akira]

日本での公開日が刻々と迫っているマーベル・フィルム渾身のヒーロー映画「アヴェンジャーズ」(日本公開は8月17日)。ハルク、アイアンマン、マイティ・ソー、キャプテン・アメリカという超大型ヒーローたちが一堂に会することでも話題の本作であるが、公開に先駆けてリリースされたこのサウンド・トラックの内容も作品に勝るとも劣らぬ豪華ぶりである。

まず最大の目玉となるのは、Soundgarden(サウンドガーデン)の新曲「Live to Rise」だ。90年代グランジ/オルタナティブ・ブームの一角をなし、1997年に解散するも、2010年にオリジナル・メンバーで再結成を果たした彼らによる、実に15年ぶりの新曲となる本作は、ミドル・ナンバーながら、重厚かつソウルフルな楽曲となっている。もちろんクリス・コーネル(Vo.)の艶やかなボーカルや、キム・セイル(G.)のファズの効いたギター・リフも健在であり、新機軸でありつつも、シンプルで彼ららしさも失われていない貫禄のナンバーである。

さらに、今年3月にリリースした最新作「Amarylis」も高い評価を受けているShinedown(シャインダウン)の勢いのあるキャッチーな「I’m Alive」、ブームに関係なく地道な活動を続け、2011年にリリースした最新作「Endgame」がビルボード・チャート2位を獲得したRise Against(ライズ・アゲインスト)の王道メロコア「Dirt and Roses」、すでにベテランと呼べるキャリアを誇るPapa Roach(パパ・ローチ)によるメタリックで壮大な「Even If I Could」、80年代L.A.メタルばりの派手だけどダークなファッションと、激しさの中にも懐かしさが息づいた若手メタル・コア・バンドBlack Veil Brides(ブラック・ベイル・ブライズ)のドラマティックな「Unbroken」、Stone Temple Pilots(ストーン・テンプル・パイロッツ)のボーカリストとしても知られるScott Weiland(スコット・ウェイランド)のセクシーな歌声が爽快なロック・バラード「Breathe」など、ここでしか聴けない新曲も多数収録されており、映画の世界を鮮やかに彩っている。

ちなみにYoutubeなどで公開されているSoundgardenのミュ-ジック・ビデオは、映画の映像が惜しげもなく使われたすばらしい内容となっているため、ぜひとも観てほしい。そして映画公開までの時間を、このサントラを聴きながらアレコレ妄想するのもおもしろいと思う。

TOWER RECORDS ONLINE「Avengers Assemble」

Avengers Assemble

Avengers Assemble

  • V.A.
  • Hollywood Records
  • 2012/05/01
  • CD

アヴェンジャーズ/Marvel's The Avengers
ジョス・ウィードン監督作品
マーベル・スタジオズ製作/ウォルト・ディズニー・スタジオ配給
2012.05.04 アメリカ公開
2012.08.17 日本公開

The Avengers(米)→ http://marvel.com/avengers_movie/
アヴェンジャーズ(日)→ http://www.marvel-japan.com/movies/avengers/
■cast 
Robert Downey, Jr.(Tony Stark/Iron Man)
ロバート・ダウニー・Jr(トニー・スターク/アイアンマン)
Chris Evans(Steve Rogers/Captain America)
クリス・エヴァンス(スティーヴ・ロジャース/キャプテン・アメリカ)
Mark Ruffalo(Dr. Bruce Banner/Hulk)
マーク・ラファロ(ブルース・バナー/ハルク)
Chris Hemsworth(Thor)
クリス・ヘムズワース(ソー)
Scarlett Johansson(Natasha Romanoff/Black Widow)
スカーレット・ヨハンソン(ナターシャ・ロマノフ/ブラックウィドウ)
Jeremy Renner(Clint Barton/Hawkeye)
ジェレミー・レナー(クリント・バートン/ホークアイ)
Tom Hiddleston(Loki)
トム・ヒドルストン(ロキ)
Clark Gregg(Phil Coulson)
クラーク・グレッグ(フィル・コールソン)
Cobie Smulders(Maria Hill)
コビー・スマルダーズ(マリア・ヒル)
Samuel L. Jackson(Nick Fury)
サミュエル・L・ジャクソン(ニック・フューリー)
ほか





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大友克洋「大友克洋GENGA展」 [●ART/EXHIBITION]

OTOMO KATSUHIRO GENGA EXHIBITON
2012.04.09ー2012.05.30 at 3331 ARTS CHIYODA


輝き、イメージ、発想力、存在感
すべての絵を舐め回すように眺め
1日中でもそこにいたい
と、どの絵の前でも思った

[text●h.mariko]

世代という発想はあまり好きでない。違うからなんだ、と思うのだ。話が合ったり合わなかったりすることはあるけれど、そんなのはひとつのカテゴリである。べつに年の差があろうがなかろうが、何か共通点があれば、世代なんて簡単に越えられる、そう思うのだ。

大友克洋という存在が、私のなかでは正にそうであった。
マンガ「AKIRA」を知ったのが実に25年近く前のことだが、私のなかでのあの衝撃は昨日のことのように新鮮だ。だから、大友克洋を知ってる人に出逢うと、どんな年代であろうが語り尽くせる自信がある。好き、ということである。
その大友克洋が、デビュー以来初めての原画展を開く、と聞いたときの興奮といったら。それこそ鼻息荒く血が滾る思いであった。
なかなか都合がつかず、行くのを諦めつつあったころ、偶然に時間が取れた。これは、もう天からのプレゼントだと思い、はやる気持ちを押さえて会場に向かった。

入場規制をしながらのチケット制のため、絵の前にぐじゃっと人が固まり全然見えない! という事態を回避してくれたのが、とてもよかった。そして、その混雑を見込んでの大友展であると思うと、さすが、のひと言である。
無理して詰め込んだスケジュールだったが、無理をした甲斐があった、いや、ありすぎた。


会場に足を踏み入れた瞬間、呼吸を忘れた。酸素が薄いのか、と思ったほど。
天井から床まで、真っ白な空間に、空に浮かんだように配列された絵たち。
その存在感たるや、筆舌に尽くし難い。
これは、マンガや、なにかのカバーイラストや、表現のために描かれたものだ。
それが、なんだ、この個々の存在感は。
白色の壁からそこここで訴えてくる強烈な存在たちは、それを受け止め立っているのがやっとというほどのものだった。
1枚のイラストが放つ、輝き、イメージ、発想力、存在感。
すべての絵を舐め回すように眺め、1日中でもそこにいたい、と、どの絵の前でも思った。ときにくる抉るような痛みも、涙腺を刺戟する美しさも、切なさも、どれも本当に愛しい。
これが肉筆の絵なのだ、と感じるのは、額に顔がくっつくほどに近づけてみると、ペンの筋が見えること。ベタ塗りの、枠をはみ出た色。そこに感じる大友氏の影に、私は現実に引き戻される。

カラーイラストもものすごいのだが、マンガ「AKIRA」の原稿には、足が震えた。膝がガクガクするのが解ったほどだ。鼻の奥がツーンとして、涙が込み上げた。
印刷されたものではない、大友氏が実際に描いたものが、今私の目の前にある。さっきは呼吸を忘れ、今度はまたたきを忘れた。網膜にこの絵が焼きつかないものかと思ったほど。忘我の境地とでも言うべきか。

会場を出るころには、ものすごい陶酔感と興奮とが入り交じり、疲れた身体が妙に軽くなった、気がした。

マンガと絵画というと、とても遠い存在同士のような気がする。
マンガは私たちの生活に密着していて、子どものころから手が届きやすいし、実際愛読マンガがある人も多かろうと思う。
が、絵画というと、急に格調高くなるイメージがある。油絵、抽象画、静物画。いろいろあるが、どうも敷居が高いようなイメージを抱いてしまう。あくまで、勝手なイメージだが。
大友氏の絵は、その存在を、くっつけて捻り回して、新たな世界を創り出したのではないか、と思うのだ。
微に入り細にうがつまでに書き込まれた線、イラストの原点。
静物画とも写真とも呼べそうな、鮮明で正確なイラスト。
だが、大友氏の描く世界は、「AKIRA」を含めて抽象的な概念であり、また結論を読み手や見る側に求めさせる才能の持ち主だ。どこか破綻したような世界、ブラックユーモアとも呼べそうな世界観は好みも別れるだろうし。
しかし、大友克洋は、マンガという世界を変えた。
これからも、新しいものを創り続けてくれるのではないかと思う。

語り始めれば切りがない。

OTOMO KATSUHIRO GENGA EXHIBITON→ http://www.otomo-gengaten.jp/
3331 Arts Chiyoda→ http://www.3331.jp/

AKIRA(1) (KCデラックス 11)

AKIRA(1)

  • 大友克洋作
  • 講談社
  • 1984/09/14
  • コミック

AKIRA(2) (KCデラックス 12)

AKIRA(2)

  • 大友克洋作
  • 講談社
  • 1985/08/27
  • コミック

AKIRA(3) (KCデラックス 13)

AKIRA(3)

  • 大友克洋作
  • 講談社
  • 1986/08/21
  • コミック

AKIRA(4) (KCデラックス 14)

AKIRA(4)

  • 大友克洋作
  • 講談社
  • 1987/07/01
  • コミック

AKIRA(5) (KCデラックス 166)

AKIRA(5)

  • 大友克洋作
  • 講談社
  • 1990/11/26
  • コミック

AKIRA(6) (KCデラックス 339)

AKIRA(6)

  • 大友克洋作
  • 講談社
  • 1993/03/15
  • コミック




気分はもう戦争 (アクション・コミックス)

気分はもう戦争

  • 大友克洋作/矢作俊彦原作
  • 双葉社
  • 1982/01/24
  • コミック

童夢 (アクションコミックス)

童夢

  • 大友克洋作
  • 双葉社
  • 1982/06/28
  • コミック




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スーパーカー「P.V.D 2」 [●ROCK]

2002.11.20 release

ふわふわしていてつかめそうでつかめない
届きそうで届かない、そんなところがかっこいい
彼らの魅力は鮮度を保ったまま
限りなく続いていく

[text●t.y_02]

洋服に例えるなら、いい意味で気の抜けた、脱力感のあるオシャレ。場所でいえば東京・代官山あたり。雰囲気や曲全体に広がる“意気込んでいない”ようす。ふわふわしていてつかめそうでつかめない、届きそうで届かない、そんなところがかっこいい。そんなところにファンは熱くなったのではないだろうか。
1997年にシングル「creamsoda」でデビュー、16枚のシングルと5枚のアルバムを残して2005年2月に解散したスーパーカー。そんな彼らの魅力は、その鮮度を保ったままP.V集に残されている。
デビュー曲「cream soda」から「BE」までのPVと、デビュー前のライブ映像などを収録した「P.V.D」。「FAIRWAY」~「AOHARU YOUTH」までのPVと、2002年5月24日の赤坂BLITZでのライブ映像を収録した「P.V.D 2」。デビュー10周年記念としてすべてのPVを収録して発売された「 P.V.D COMPLETE 10th Anniversary Edition」。
とくに「P.V.D 2」収録の「WHITE SURF style 5.」と「AOHARU YOUTH」はまるで短編映画のようで、とくに「WHITE SURF style 5.」はコメディー・タッチの作品となっていて、ハッピー・エンドへの流れは、何度観ても笑みがこぼれてしまうおもしろさである。また、4パターン収録されている「YUMEGIWA LAST BOY」は極彩色のCGに目が眩むほど美しい。音に連動して瞬く光が心地よい。そして、「AOHARU YOUTH」はシリアスとまではいかないが、ほかの作品にくらべると異色である。風景などは日常となにひとつ変わらないが、現実とは違った異世界へ迷い込んでしまったかのような印象を受ける。それはまばたきをしない目で見つめられた、まばたきをしない世界。現実では、まばたきをすることで時間が止まり一瞬一瞬を繋いでいるけれど、まばたきをしない世界では、時間が限りなく続いていくのかもしれない・・・。視聴するたびに、“P.V.D”のなかで鮮度を保ったまま、スーパーカーは限りなく続いていく。

TOWER RECORDS ONLINE[スーパーカー]
TOWER RECORDS ONLINE「P.V.D 2」

P.V.D. [DVD]

P.V.D.

  • キューンレコード
  • DVD
■Track listing
01. cream soda
02. Lucky
03. PLANET
04. DRIVE
05. Sunday People
06. My Girl
07. Love Forever
08. Desperado
09. BE


P.V.D 2 [DVD]

P.V.D 2

  • キューンレコード
  • DVD
■Track listing
01. FAIRWAY
02. White Surf style 5.
03. Strobolights
04. YUMEGIWA LAST BOY
05. AOHARU YOUTH
06. White Surf style 5./LIVE


P.V.D COMPLETE 10th Anniversary Edition [DVD]

P.V.D COMPLETE
10th Anniversary Edition

  • キューンレコード
  • DVD
■Track listing
01. CREAMSODA
02. LUCKY
03. PLANET
04. DRIVE
05. SUNDAY PEOPLE
06. MY GIRL
07. LOVE FOREVER
08. DESPERADO
09. BE
10. FAIRWAY
11. WHITE SURF style 5.
12. Strobolights
13. YUMEGIWA LAST BOY
14. AOHARU YOUTH
15. RECREATION
16. BGM
17. LAST SCENE
18. WONDER WORD


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スーパーカー「ANSWER」

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BUMP OF CHICKEN「jupiter」 [●ROCK]

3rd album(1st major album) 2002.02.20 release

ときに呟くように
ときにがなりたてるように
叫ぶ言葉は胸に刺さる

[text●h.mariko]

「天体観測」で売れに売れた感がある、このアルバム。楽曲をテーマにテレビドラマ(天体観測/フジテレビ系)ができるなんて、前代未聞ではないか。そしてBUMP OF CHICKENの知名度を引き上げたのが、この時期だったように記憶している。

そのBUMP OF CHICKEN、実は大して興味がなかった。売れてるな、というのは知っていたけど、だからなんだ、というくらいの感じだった。
なにがきっかけで聴いたのだろう。ちゃんとは覚えていないのだ。でも、何故か、手元にCDがあるってことは、きっとなにかのきっかけで“聴いてみたいな”と思ったんだろう。

藤原基央(Vo,/G.)の吐き出すような言葉は投げ遣りなようで、とてもあたたかい眼差しがこもっていることに気がついた。淡い恋心と切なさを歌った「天体観測」はもちろん、心の交わりと遊びを重ね合わせた「キャッチボール」や、道端の雑草のような強さをハートの靭さに例えた「ハルジオン」。今聴き直しても、結構どれもこれもぐっとくるのだ。

誰も振り向かなくても、自分が自分であることの大切さ。誰も気がつかなくても、必ず誰かが見ているというメッセージ。ときに呟くように、ときにがなりたてるように叫ぶ藤原の言葉は胸に刺さる。
楽曲の素晴らしさは、弦楽器が弾けない私でさえ目を見張るので、それは当然のこととさておいて。耳に馴染む音楽とはこういうのなのだろうと感心するのが、ベタに言うとキャッチーさ。一度聴くと、耳から離れない。
こりゃ売れるわけだ。そんなことを思いながら、天体観測を口ずさみながら、今日も私は空を見上げる。

OFFICIAL WEB SITE→ http://www.bumpofchicken.com/

TOWER RECORDS ONLINE[BUMP OF CHICKEN]
TOWER RECORDS ONLINE「jupiter」

jupiter

jupiter

  • BUMP OF CHICKEN
  • トイズファクトリー
  • 2002/02/20
  • CD
■Track listing
01. Stage Of The Ground
02. 天体観測
03. Title Of Mine
04. キャッチボール
05. ハルジオン
06. ベンチとコーヒー
07. メロディーフラッグ
08. ベル
09. ダイヤモンド
10. ダンデライオン


■cast 
伊藤英明(狭山恭一 )
坂口憲二(川村友也 )
オダギリジョー(木崎タケシ )
小雪(沢村美冬 )
田畑智子(宮部聡美 )
小西真奈美(井田有里 )
山崎樹範(長谷川健太 )
上原美佐(松本アリス )
小池徹平(山田昇 )
長谷川京子(有坂七重)
ほか




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佐藤多佳子著「しゃべれどもしゃべれども」 [●BOOK & DVD]

初版 1997.08.30 新潮社刊
2007年 平山秀幸監督で映画

実直すぎるような感情のぶつかり合いが
嫌味のない人間性を鮮やかに描き出す

[text●h.mariko]

人様に、何か自慢できることがないか? と自問したとき、私はひとつ思い浮かぶことがある。
“しゃべることが得意”ということ。
学生時代はたいして気にならなかったが、どうやらかなりの人が人の前に出て発表することや、何かをしゃべらなきゃいけないときにはものすごく緊張するらしい。
仕事やアルバイトの面接然り、仕事につきもののプレゼン然り。
鈍感なのかなんなのか、私はありがたいことに(?)そういうときにほとんど緊張しない。いや、ドキドキするくらいのことはあるのだが、むしろなんかやらかしたろ、くらいの気持ちで挑むようにしている。そうするとあとで大概言われること、“堂堂としてるねえ”。そういうわけではないのだが、まあ、そう取ってもらえるならよしとしよう、と思っている。

さて。そんな、“しゃべること”に物語の主題が向けられた本作。ただのおしゃべりではない、プロの噺家(落語家)を主人公にした小説である。

噺家の今昔亭三つ葉は、前座よりちょっと上の二ツ目。落語は得意なのだが、江戸っ子よろしく、なんでもすっぱり言い切ってしまう性格が災している、まあちょっと損な人。そんな三ッ葉に、あがり症で可哀想なくらいに人が苦手な従弟でテニススクールに勤める綾丸良が、“なんとかしてくれ・・・”と泣きついてくる。そうこうしているうちに、美人なのに口べたなために失恋ばかりしている十河五月に頼られて、三つ葉は“しゃべり方教室”を開くことになった。そしてそこに“悩める人びと”が押しかけ・・・。

しゃべりのプロとしてのプライド、落語のありかたについての問答、さまざまに話を盛り上げながらも、ちょっぴり恋愛っぽい気持ちが見え隠れする。実直すぎるような感情のぶつかり合いが嫌味のない人間性を鮮やかに描き出して、読後感もスッキリな一冊。

しゃべれども しゃべれども

しゃべれどもしゃべれども

  • 佐藤多佳子著
  • 新潮社
  • 1997/08
  • 単行本

しゃべれどもしゃべれども (新潮文庫)

しゃべれどもしゃべれども

  • 佐藤多佳子著
  • 新潮社(新潮文庫)
  • 2000/05
  • 文庫

しゃべれども しゃべれども 特別版 (初回限定生産2枚組) [DVD]

しゃべれどもしゃべれども
特別版/初回限定生産2枚組

  • 平山秀幸監督
  • 角川エンタテインメント
  • DVD
■cast 
国分太一(今昔亭三つ葉)
香里奈(十河五月)
松重豊(湯河原太一)
森永悠希(村林優 )
八千草薫(外山春子 )
伊東四朗(今昔亭小三文)
ほか





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syrup16g「delayed」 [●ROCK]

2nd major album 2002.09.25 release

曲自体は美メロで聴きやすいのに、そこに詞が乗ると
とたんに、自分の心に潜んでいる“闇”に突き落とされる
だって、“希望を持っているのは俺じゃない、誰か”

[text●a.tomoco]

ふだん生活しているときには、その存在すら忘れているもの、べつにそれがなくとも生きていける。しかし、それは消えることなく私の心に潜んでいて、それが“なんらかのきっかけ”で出てきたとき、尋常ではいられなくなるのだ。“なんらかのきっかけ”になるもの、それはsyrup16g(シロップ16グラム)の音楽だ。
彼らの最初のメジャー作品となったアルバム「coup d'Etat」を初めて聴いたとき、あまりのむき出しな表現に言葉を失った。彼らの感情がむき出しなわけではない。誰もが持ちうる“ほんとうは隠したい闇”がむき出しなのだ。たとえるなら、自分の嫌う部分、つまり“弱さ”や“ずるさ”なんかがそうだ。その存在に気がつかなければ、もっとうまく生きられるのに。だが、彼らの音楽は、そこから目をそらすことははない。決して被害者ぶってることを正当化したりしない。それを気づかせるための、攻撃性をはらんだ音楽、「coup d'Etat」はそういうアルバムだった。
しかし、だ。「coup d'Etat」から、わずか3か月足らずでリリースされたアルバム「delayed」を聴いて、驚いた。ラブ・ソングが多いのだ。“君”への刹那的までに純粋な想いが、ストレートに綴られている。それが顕著に刻まれているのが、3曲目「Reborn」と4曲目「水色の風」だ。
「Reborn」は、アコースティック・ギターとメロディの絡みが、楽曲を効果的に盛り上げている。淡々としつつも激情的な五十嵐隆のボーカルが、せつなさに拍車をかけ、涙を誘う。素直な詞が印象的だ。
そして「水色の風」。「Reborn」と同じく素直な詞だが、こちらのほうは言葉数も少なく、より文学的。透きとおるようなコーラスが秀逸だ。アルバムの透明感を担っているのは、間違いなくこの曲だろう。
たしかに、純粋なラブ・ソングがは増えた。結果、本当に同じ人物がつくったのか? と疑うほど「coup d'Etat」とは異なるコンセプトを持った作品にも仕上がった。けれど、やはりこの作品でも“闇”が消えることはなかったのだ。曲自体は美メロで聴きやすいのに、そこに詞が乗ると、己の闇に突き落とされるかのような気持ちにさせられる。それが彼らの音楽の強みだ。それがラスト・ナンバーの「愛と理非道」で遺憾なく発揮されている。だって、“希望を持っているのは俺じゃない、誰か”なんだから。
明るさや勢いが魅力となっているバンドが多い音楽シーンのなかで、ここまであからさまに、誰もが持ちうる“ほんとうは隠したい闇”を映し出す彼らの存在は、貴重だった。
syrup16g<1996年ー2008年>

TOWER RECORDS ONLINE[syrup16g]
TOWER RECORDS ONLINE「delayed」

DELAYED

delayed

  • syrup16g
  • コロムビアミュージックエンタテインメント
  • 2002/09/25
  • CD
■Track listing
01. センチメンタル
02. Everything is wonderful
03. Reborn
04. 水色の風
05. Anything for today
06. サイケデリック後遺症
07. キミのかほり
08. Are you hollow?
09. 落堕
10. 愛と理非道


1st major album 2002.06.19 release
coup d’Etat

coup d’Etat

  • syrup16g
  • コロムビアミュージックエンタテインメント
  • 2002/06/19
  • CD
■Track listing
01. Another Day Light
02. My Love's Sold
03. 神のカルマ
04. 生きたいよ
05. 手首
06. 遊体離脱
07. virgin sucide
08. 天才
09. ソドシラソ
10. パリで死す
11. ハピネス
12. coup d'Etat
13. 空をなくす
14. 汚れたいだけ





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AlayaVijana「AlayaVijana」 [●MIXTURE]

1st album 2004.02.04 release

甘美、甘露、豊穣。目を閉じて聴いていると
それぞれの風景が眼裏に浮かぶ、能弁な音である

[text●h.mariko]

甘美である。甘露である。豊穣である。
シタールを奏でるYoshida Daikiti(サイコババ)と、U-zhaan(Asa-chang&巡礼)が叩きだすタブラのリズム。そしてゲスト・ヴォーカルのUAの声。
それぞれの曲名が“現象を表現した”ようにつけられており、目を閉じて聴いていると風景が眼裏に浮かぶ、能弁な音である。
ヴォーカルとして参加しているUAは、スキャットとでもいうのか、具体的な“言葉”は一切発していない。むしろ、原始的な“音”なのである。それが、また、無性に想像力をかき立てるのだ。

ソウゲンノハオト 
ギンガテツドウノマドカラ
ムラノオンナタチ
ヨルノクジラ
ウメタテラレタウミノイイブン
トウミンチュウノコグマノユメ
ミナモノヒカリ

カタカナで表わされた曲名は童話のタイトルみたいで、それもまた、よい。
このアルバムに限っては、敢えて言葉を尽くすのは避けよう。
聴いた人それぞれが、その世界でゆっくりたゆたうのが、最上の楽しみ方だろうから。

おせっかいながらひと言添えたいのだが、アルバムジャケットに使われたイラスト。
漫画家の手塚治虫原作の「火の鳥」に登場する“ロビタ”というロボットのようなものの顔なのである。その存在を、このアルバムを総括するジャケットに用いたAlaya Vijanaの懐の深さというか、創造の精神というか、優しさというか、とにかく込められたメッセージの重さを感じずにはいられないのだ。
その、「ロビタ」。マンガ「火の鳥 復活編」を参照いただければ、深く理解いただけると思う。あわせて、楽しんでいただきたい。

ヨシダダイキチ OFFICIAL WEB SITEhttp://yoshidadaikiti.com/

TOWER RECORDS ONLINE[AlayaVijana/アラヤヴィジャナ]
TOWER RECORDS ONLINE「AlayaVijana」

Alaya Vijana

Alaya Vijana

  • AlayaVijana/アラヤヴィジャナ
  • High Contrast
  • 2004/02/04
  • CD
■Track listing
01. ソウゲンノハオト
02. ギンガテツドウノマドカラ
03. ムラノオンナタチ
04. ヨルノクジラ
05. ウメタテラレタウミノイイブン
06. トウミンチュウノコグマノユメ
07. ミナモノヒカリ


火の鳥 5・復活編

火の鳥 5・復活編

  • 手塚治虫作
  • 朝日新聞出版
  • 2009/07/21
  • 単行本

火の鳥 全13巻セット (角川文庫)

火の鳥 全13巻セット

  • 手塚治虫作
  • 角川書店 (角川文庫)
  • 2004/03/14
  • 文庫




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戸梶圭太著「溺れる魚」 [●BOOK & DVD]

初版 1999.11.20 新潮社刊
堤幸彦監督で映画化 2001年2月公開

ヤクザ、公安、警察
それぞれの思惑が飛び交い
話はあっちこっちへとすっ飛んでゆく

[text●h.mariko]

“これぞ完璧なる娯楽小説!”
そんな帯に惹かれて手に取ってみたのだが。

ふたりの“罪を犯した刑事=万引きと横領”に言い渡された指令は、公安のエリート刑事の動向を追うという、不穏な空気漂う仕事であった。その公安の刑事が追う別の人物。“溺れる魚”と名乗る、謎の人物・・・。
人の弱みにつけ込むようなじわじわとくるからめ手は真綿のように首を絞め、いつのまにか物語にのめり込まされることになる。
ヤクザ、公安、警察、それぞれの思惑が飛び交い、話はあっちこっちへとすっ飛んでゆく。そのめまぐるしい変化と多い登場人物にも関わらず、話の線をブレずに軽い文体のままで話はぐんぐん進んでいく。

いわゆる“普通の人”が出てこない物語である。個性豊か、といえばそれはそれなのだが、まあ、とにかく、ぶっ飛んでいる。
ラスト数10ページの話の展開の早さとめまぐるしさは、とにかくついていくのに精一杯、そしてドタバタグチャグチャの世界はものすごく、とにかく誰が何をやっているのか理解するのでいっぱいいっぱい。ラストにバタバタ死んでいく人々といい、まあとにかくいろんな意味で規格外な感じはする。
一応、ハッピーエンドと取れるようなラストはキレイにまとめられ、これだけ広げた大風呂敷をきちっと納めた物語はさすが。
完璧なる娯楽小説なのかどうかは正直わからないが、気になるようなら、ご自身で確かめられたい。


溺れる魚 (新潮ミステリー倶楽部)

溺れる魚


溺れる魚 (新潮文庫)

溺れる魚

  • 戸梶圭太著
  • 新潮社(新潮文庫)
  • 2000/12
  • 文庫


溺れる魚 [DVD]

溺れる魚

  • 堤幸彦監督
    • h.m.p
    • DVD
■cast 
椎名桔平(白州勝彦)
窪塚洋介(秋吉宗貴)
仲間由紀恵(相川真紀)
IZAM(岡部哲晃)
渡辺謙(御代田警視正)
勝部演之(保坂峰太郎)
伊武雅刀(石巻修次)
宍戸錠(エースのジョー)
野際陽子(教祖)
白竜(沢木)
成宮寛貴(渋沢泰人)
田口理恵(由美)
ほか






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UNKLE「Psyence Fiction」 [●TRIP-HOP]

1st album 1998.09.29 release

ダブほど、ドープに落ちるんではなく
アンビエントに近いトラックが、夜聞くと落ち着く
1曲聞いただけでは、よさは判断できませんよ

[text●k.ryo]

久しぶりに
引っ張り出して聞いたら、なかなかよかった。

ジャンルでいうと、トリップホップなのかな。
90年代後半に少し流行ったマッシヴアタックや
ポーティスヘッドとか。
日本人で今でも活動してる人で例えると、
DJ KRUSH(DJ クラッシュ)や
THA BLUE HERB(ザ・ブルー・ハーブ)のファーストとか。

ヒップホップふうのブレイクビーツに、
暗く、さみしげな上モノが乗っかるってカンジ。
ダブほど、ドープに落ちるんではなく、
アンビエントに近いトラックが、
夜聞くと落ち着く。

でも、あなどれないのが、
どのトラックもヒップホップふうなのに、
ゲスト・ヴォーカルが、
RADIO HEAD(レディオヘッド)だったり、
ヴァーヴ (The Verve) だったり、
Metallica(メタリカ)のギターをサンプリングしていたり、
楽器をうまいことエフェクト処理していて、
一見ごちゃまぜのようだが、
映画のようなストーリー性を、
このアルバムの世界観が醸し出しているし、
飽きっぽい俺でも、1枚通して聞いてしまう。


そして、2012年
ほぼリアルタイムで聞いていた学生時代から考えて、12年。

90年代って、
BECK(ベック)しかりRADIO HEADしかり、
コーネリアスしかり、
ひとつのミュージシャンが、バンドが、
「なんでも節操なく、やっちゃう時代だったな」と
再認識。
BECKの「オディレイ」、
RADIO HEADの「OK COMPUTER」、
コーネリアスの「ファンタズマ」、
そして本作も、
1曲聞いただけでは、よさは判断できませんよ。

ちなみに、ユニオンで1000円以下で買えると思う。

TOWER RECORDS ONLINE[UNKLE/アンクル]
TOWER RECORDS ONLINE「Psyence Fiction」

Psyence Fiction

Psyence Fiction

■Track listing
01. Intro(Optional)
02. Guns Blazing (Drums Of Death Part1) (s/Kool G Rap)
03. Unkle Main Title Theme
04. Bloodstain (s/Alice Temple)
05. Unreal
06. Lonely Soul (s/Richard Ashcroft)
07. Getting Ahead In The Lucrative Field Of Artist Management
08. Nursery Rhyme (s/Badly Drawn Boy)
09. Celestial Annihilation
10. The Knock (Drums Of Death Part2) (s/Mike D)
11. Chaos
12. Rabbit In Your Headlights (s/Thom Yorke)
13. Outro (Mandatory)

14. Be There(1999 UK bonus track.)

Japanese and Australian releaseー
14 Guns Blazing (Drums Of Death Part1)
15. The Knock (Drums Of Death Part2)





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小川洋子著「ミーナの行進」 [●BOOK]

初版 2006.04.25 中央公論新社刊
2006年 第42回 谷崎潤一郎賞受賞作品

病弱のミーナはお嬢さま、朋子は普通の子ども
ふたりの少女が次第に心の距離を縮め
お互いを思いやる人間に成長してゆく姿を
ゆったりとした目線で追う

[text●h.mariko]

現実感に遠いのだが、童話のようなファンタジックさはなく、なんだか不思議な感覚をたゆたわせるのがほんとうにうまいと、小川女史の本を読むたびに唸る。

兵庫県の芦屋に住む伯母に預けられることになった中学1年生の朋子。そこで待ち受けていた生活は、それまでの岡山での暮らしとは全く違った世界であった。喘息のために外に出られない1歳年下の従妹、ミーナのためにあるような世界。

見たこともない洋館に住むということ。
ミーナを背中に乗せるコビトカバのポチ子の存在。
ミーナがつくるマッチ箱での物語。
ミュンヘンオリンピックでの日本の活躍、
その影にあった陰謀。
夢のような海水浴。
ミーナの代わりに行く図書館。
そのカウンターでの、淡い恋心。

けれど、何の変哲もないといえばそうかもしれないような毎日を、朋子の視線から淡々と描いていく・・・。

時代背景を考えたら、ミーナは相当のお嬢さまで、朋子は別段普通の子どもである。それがひとつ屋根の下で暮らす間にココロの距離を縮め、お互いを思いやる人間に成長してゆく姿をゆったりとした目線で追っているところが、この作品のよさだろうか。読み終わって、ミーナと朋子が、数十年後、お互いの環境が変わっていても、再会を楽しんでいる姿が目に浮かぶような、そんな幸せな感覚の残る作品である。

ミーナの行進

ミーナの行進

  • 小川洋子著
  • 中央公論新社
  • 2006/04/22
  • 単行本

ミーナの行進 (中公文庫)

ミーナの行進

  • 小川洋子著
  • 中央公論新社
  • 2009/06
  • 文庫

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小川洋子著「博士の愛した数式」





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EVE 6「SPEAK IN CODE」 [●ROCK]

4th album 2012.04.24 release

まさに“おかえりなさい!”と笑顔でハグしたくなるような
実にEVE 6らしい魅力がナチュラルに詰め込まれた作品

[text●i.akira]

90年代後半、アメリカロック・シーンに彗星のごとく現われ、デビュー・アルバム「EVE 6」とセカンド・アルバム「Horrorscope」が大ヒットを飛ばしたカルフォルニアの3ピース・ロック・バンド、EVE 6(イブ・シックス)。その後サード・アルバム「It’s All In Your Head」をリリースするも、バンドは次第に失速し、けっきょく2004年に解散。2007年に新ギタリストを迎えひっそりと再結成を果たしたことは知っていたが、それ以上の情報はしばらく入ってこなかった。しかし、昨年からバンド周辺は急激ににぎやかになる。まずオリジナル・ギタリストであるジョン・シーベルズが復帰したことでデビュー時のメンバーが再び集結、そして多くのエモ/ヘヴィ・ロック・バンドを手掛けるFEARLESS RECORDS(フィアレス・レコード)への移籍、さらにLinkin Park(リンキン・パーク)やPearl Jam(パール・ジャム)などを手がけた敏腕プロデューサーのドン・ギルモアを迎え、最高の形でレコーディングが進められ、実に9年ぶりとなる本作「SPEAK IN CODE」が完成したのである。

さて、肝心の中身であるが、まさに“おかえりなさい!”と笑顔でハグしたくなるような、実にEVE 6らしい魅力がナチュラルに詰め込まれた作品である。ダンス・ミュージックの要素を随所に取り入れつつも、あのカルフォルニアの香り漂うファンでポップなサウンドを基盤とした、誰もが歌えるシンプルかつツボを押さえたロックが昔と変わらず華やかに鳴っている。また、リスナーにとっては“復活”という重要な意味合いのある作品であるが、本人たちにその気負いはなく、ただいい曲を最高のサウンドで演奏しようとしているような、実にリラックスした空気感が漂っており、そのあたりも実にEVE 6らしく、微笑ましくもあり、頼もしくもある。

おそらく本人たちの紆余曲折は言葉にできるほど簡単なものではなかったはずだ。だからこそ周囲の目や評価を恐れず、長いブランクすらモノともせず、これだけの作品をつくった彼らに敬意を表したい。ぜひ夏フェスあたりで来日して、その健在ぶりを日本でもアピールしていただきたいものだ。

OFFICIAL WEB SITE→ http://eve6.com/

TOWER RECORDS ONLINE[EVE 6]
TOWER RECORDS ONLINE「SPEAK IN CODE」
iTunesEVE 6「SPEAK IN CODE」Deluxe Edition

Speak in Code

Speak in Code

  • EVE 6
  • Fearless Records
  • 2012/04/24
  • CD
■Track listing
01. Curtain
02. Victoria
03. Situation Infatuation
04. B.F.G.F.
05. Lion's Den
06. Blood Brothers
07. Lost & Found
08. Moon
09. Downtown
10. Trust Me
11. Everything
12. Pick Up The Pieces

iTunes Deluxe Bonus Tracks
13. Underachiever
14. Red & Black
15. Inside Out/Acoustic
16. Here's To The Night/Acoustic




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大崎善生著「タペストリーホワイト」 [●BOOK]

初版 2006.10.30 文藝春秋刊

生の危うさと死の確かさ
闇の中を歩くような惰性で生きる人生をよしとせず
すべてを見極めようとする強い眼差し

[text●h.mariko]

西暦が2000年になるとき、なんだか感慨深いものがあった。いや、べつに1000年前を知っていたわけではない。だが、そんな歴史的に貴重な体験、なかなかないと思うのだ。元号が変わるのとは違う。日本だけの数え方ではないのだ。ミレニアム(1000年紀)を世界中が祝っていたのを、今でも思い出す。きっと何かが変わる(!)と思った。青春ど真ん中だった。
だがそれも、あっというまに12年が過ぎた。その間、あのころみたいなワクワクを感じたことがあったろうか、と思うと、ない、と答えざるを得ない。世界的な不況は深化し、情勢が不安定な国々があり、戦争は相変わらず世界のどこかで起きている。平和なわけがない。

そんな、“今”を生きる私は、1970年代初頭の若者が辿った道を知らない。
60年代後半にはじまった学生運動は全共闘となり70年安保闘争を飲み込むも、日米安全保障条約の自動継続を受けて失速、70年代に入ると過激派だけが残り、内ゲバ、リンチ殺人を引き起こす・・・。そのなかに身を投じた姉、希枝子の死を見つめるため、同じ道を辿る洋子。
生の危うさと死の確かさ。闇の中を歩くような惰性で生きる人生をよしとせず、すべてを見極めようとする眼差しが強い。
キャロル・キングが1971年に発表したアルバム「タペストリー」に綴った物語との繋がりが、希枝子と洋子姉妹の物語を深くしてゆく・・・。

人の生死を分けるものはいったいなんなのか。若者たちのたぎるエネルギー、主張を声高に叫ぶこと、熱狂、社会情勢と生き方の寄り添い方。物事が深く交錯するほど、悲しさが膨らむ。あのころを知らない世代として、一言一句を噛み締めながら読んだ。

タペストリーホワイト

タペストリーホワイト

  • 大崎善生著
  • 文藝春秋
  • 2006/10
  • 単行本

タペストリーホワイト (文春文庫)

タペストリーホワイト

  • 大崎善生著
  • 文藝春秋(文春文庫)
  • 発売日: 2009/10/09
  • 文庫

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大崎善生著「ドナウよ、静かに流れよ」


Tapestry

Tapestry

■Track listing
01. I FEEL THE EARTH MOVE
02. SO FAR AWAY
03. IT'S TOO LATE
04. HOME AGAIN
05. BEAUTIFUL
06. WAY OVER YONDER
07. YOU'VE GOT A FRIEND
08. WHERE YOU LEAD
09. WILL YOU LOVE ME TOMORROW?
10. SMACKWATER JACK
11. TAPESTRY
12. (You Make Me Feel Like) A NATURAL WOMAN
13. Out In The Cold/bonus track
14. SMACKWATER JACK(Live)/bonus track













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岡村靖幸「DATE」 [●POPS]

2nd album 1988.03.21(再 2012.02.15) release

岡村靖幸の個性が開花した記念すべき作品
さあ、“DATE”に出かけよう

[text●i.akira]

長らく廃盤となっていた岡村靖幸のEpicレーベル時代のアルバム6枚がリマスタリングされ、Blu-spec CDで再発された。これから彼を知ろうとしている人にとってはその魅力を最高の形で楽しむことができ、昔からのファンにとっては過去の作品と再び向き合える=あの頃の靖幸と新鮮な気持ちで再びデートできる、非常に喜ばしい出来事である。そのなかの1枚であるこの「DATE」は、彼の個性が開花した記念すべき作品である。

ロック、ファンク、R&Bなど幅広いジャンルを自身が吸収していくことで生まれた独自のポップ感を惜しげもなく披露しながら、ソロ・アーティストとしての立ち位置にまだ戸惑いや青さを感じさせるものだったファースト・アルバム「yellow」からちょうど1年後にリリースされたセカンド・アルバムとなる本作は、ライブのことをファンとの“デート”と表現していた岡村靖幸というひとりの男の想いがそのまま詰め込まれたアルバムである。

パンチの効いたアコギの響きに乗せて青春まっしぐらに突き進む「19(nineteen)」、靖幸を語る上で欠かせない名フレーズである“本当のDance Chance Romanceは自分しだい”も飛び出すキャッチ―な「Super Girl」、跳ねるような軽快なビートと独特の語幹が心地良い「生徒会長」、しっとりとした旋律と切ない言葉が染みる「Lion Heart」、ナルシスティックな言葉を並べつつ、完璧なファンク・ナンバーとして完成している「いじわる」、荘厳なストリングスと語りから、一気にテンション高く駆け抜けていくアッパーな「DATE」、ピアノと歌声だけでじっくりと聴かせる「どうかしてるよ」、男女の関係をロシアとアメリカの冷戦に例えたアブないけどポップな「うちあわせ」、当時の不良少女はみんなメロメロだったのではないかと思えるほど甘くほろ苦い「不良少女」、ファンからも非常に人気が高く、多くのアーティストがカバーしていることでも知られる珠玉のバラード「イケナイコトカイ」、渡辺美里に提供した曲のセルフ・カバーであり、大胆で爽快なラスト・ナンバー「19才の秘かな欲望」と、本来彼が持っていたポップ・センスは残しつつ、よりディープでファンキーな楽曲が増し、通な音楽ファンも唸るような洗練された作品に仕上がっている。そしてなにより詞世界の変化が大きい。ウブで誠実だった青年の仮面を剥ぎ、エロティックなのにシャイで、大胆なのに繊細で、自信家なのに打たれ弱い、矛盾だらけだけど、ある意味では非常に男らしい言葉たちがイキイキとビートに乗って踊っている。この詞こそが彼の最大の武器であり、彼の個性を際立たせている最大の要素だと思う。女性はその甘いささやきに虜になり、男はその優柔不断さに共感を覚え、岡村靖幸を愛してしまうのである。

タイトル曲「DATE」にある「やりたいこと全部をやっちまおうぜ」という言葉どおり、このアルバム「DATE」では制約や壁を取り払い、自分の欲望、願望、羨望、絶望を素直にさらけ出し、音と言葉にすることで、ひとりのシンガー・ソングライターから完全に抜け出し、“岡村靖幸”という音楽とキャラクターを確立することに成功している。これ以降、彼は自身をさらに解放することによって、前人未到で唯我独尊の道を進むこととなる。そういう過渡期にあったという意味でも、本作の存在は貴重であり、彼を語る上で絶対に外せない作品なのである。

もしあなたがこれから岡村靖幸の音楽に触れようと言うのであれば、僕は迷わずこの「DATE」を勧める。きっとその先には、とても楽しい時間が待っているはずだ。ときには大胆に、ときにはこっそりと、岡村靖幸はあなたを誘ってくるだろう。何度だって。

OFFICIAL WEB SITE→ http://okamurayasuyuki.info/

TOWER RECORDS ONLINE[岡村靖幸]
TOWER RECORDS ONLINE「DATE」初回限定仕様

1st album 1987.03.21
yellow

yellow

  • 岡村靖幸
  • Sony Music Direct
  • 2012/02/15
  • CD
■Track listing
01. Out of Blue
02. Young oh!oh!
03. 冷たくされても
04. Check Out Love
05. はじめて
06. Water Bed
07. RAIN/LONG VERSION)
08. 彼女は Science Teacher
09. White courage


2nd album 1988.03.21
DATE

DATE

  • 岡村靖幸
  • Sony Music Direct
  • 2012/02/15
  • CD
■Track listing
01. 19(nineteen)
02. SUPER GIRL
03. 生徒会長
04. Lion Heart
05. いじわる
06. DATE
07. どうかしてるよ
08. うちあわせ
09. 不良少女
10. イケナイコトカイ
11. 19才の秘かな欲望


3rd album 1989.07.14
靖幸

靖幸

  • 岡村靖幸
  • Sony Music Direct
  • 2012/02/15
  • CD
■Track listing
01. Vegetable
02. ラブ タンバリン
03. どんなことをして欲しいの僕に
04. 友人のふり
05. 聖書
06. だいすき
07. Co'mon
08. Boys
09. 愛してくれない
10. Punch↑
11. バスケットボール


selection album 1990.03.21
早熟

早熟

  • 岡村靖幸
  • Sony Music Direct
  • 2012/02/15
  • CD
■Track listing
01. Peach Time
02. Dog Days
03. LION HEART/Hollywood Version
04. だいすき
05. OUT OF BLUE
06. いじわる
07. イケナイコトカイ
08. Vegetable
09. 聖書
10. SHINING/君がスキだよ
11. Young oh!oh!
12. 友人のふり
13. Peach Time/修学旅行 Mix


4th album 1990.11.16
家庭教師

家庭教師

  • 岡村靖幸
  • Sony Music Direct
  • 2012/02/15
  • CD
■Track listing
01. どぉなっちゃってんだよ
02. カルアミルク
03. (E) na
04. 家庭教師
05. あの娘ぼくがロングシュート決めたらどんな顔するだろう
06. 祈りの季節
07. ビスケット Love
08. ステップ UP↑
09. ペンション


5th album 1995.12.13
禁じられた生きがい

禁じられた生きがい

  • 岡村靖幸
  • Sony Music Direct
  • 2012/02/15
  • CD
■Track listing
01. あばれ太鼓
02. 青年14歳
03. クロロフィル・ラブ
04. ターザン ボーイ
05. 妻になってよ
06. パラシュート☆ガール
07. どぉしたらいいんだろう
08. Peach X'mas/1995mix
09. チャーム ポイント/Private mix


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宮崎駿監督作品「風の谷のナウシカ」 [●DVD]

劇場アニメ(1984年3月11日公開)

どのような苦境に立っても
人には生きる力があるのだ
生き抜ける力を、備えているのだ

[text●h.mariko]

この映画が公開されたのは、1984年。私は、当時4歳という計算になる。
そんな昔の記憶は残らない。そう思っていたのだが、私はこの作品を見たことを、強烈に記憶している。

劇場で観た記憶ではない。よって、テレビで放映されたのを見たのだろう。
正確な年齢や月日は不明である。しかし、恐らく、小学生になる前だったのではないだろうか。

強烈であった。猛烈に、恐怖した。寝小便寸前の恐怖だった。
何が? 何がそんなに幼い私に恐怖を植えつけたのか?
絵である。
巨神兵(きょしんへい)が炎のなかを行列で歩く姿。
王蟲(オーム)を始め、蟲のグロテスクなデザイン、その大きさ。
腐海と呼ばれる、死の森。
酸の湖と呼ばれる、生命の住めない水。

物語はまったく理解できなかった。ただ、恐怖だけがしつこく残った。
しばらくダンゴムシさえ恐かった。トンボを見ては叫んだ。
が、ときめいたこともある。

キツネリスのテトがとても可愛かった。
当時飼っていたインコに肩に乗ってもらいたくて、挑戦しようとしては噛まれた。
ナウシカが凄まじくカッコよかった。輝いて見えた。
特に、メーヴェで颯爽と空を懸ける姿が。
一国の姫であり、うら若き乙女であるが、女傑であることには間違いない。
同じ女性として、憧れの存在であった。

今や押しも押されもせぬ人気と名声を得た宮崎駿氏の作品たち。私がジブリの作品が好きだと言うと、「そのなかの、どれがいちばん好き?」という質問をよくされる。
私は一も二もなく“ナウシカ”を推すのだが、意外にこれは人気がない。
やはり、幼いころに観て恐かった、という同年輩の人が多いのだ。だから、それ以降見たくない、と。
そして、後年に発表されている他の作品のほうが夢があるだとか、ほかの可愛いキャラクターが云々だとか、そういう感想を聞くことが多い。

そんな人々に、私は是非もう一度、今、大人になった今こそ、この作品に立ち向かってほしいと切に願う。

この映画の舞台は、“現代”から1千年が経過、栄華を誇った人間の文明はその知恵故に滅びた。残ったのは腐った空気、森、汚れた水ばかりの世界。マスクをつけねば生きていけない森も、その空気も、実は人間が作ったことを、我々はもっと重大に受け止めなくてはいけないのではないか。
虫は巨大化し、食物連鎖は崩れ、人間は下層に位置するようになる。そのなかで自然とともに歩み、自然と生き、生命の尊さを伝えんとせんこの作品のテーマは、子ども向けとは言い難いからだ。
いや、子どもが見て“恐怖”の感情を抱くのは自然なことだろう。
なぜなら、これは“現代”により近いからだ。
公害、大気汚染、水質汚濁、オゾン層破壊、気温の上昇・・・
世界的に“自然を守る”大切さを訴える声がやっと大きくなったのは、ここ数年である。
宮崎氏は、実に30年近く前から、警鐘を鳴らしていたのだ。
しかし同時に、宮崎氏は、人間の可能性の素晴らしさをも、この作品で描いている。
どのような苦境に立っても、人には生きる力があるのだ。生き抜ける力を、備えているのだ。自然の尊さと、人間の強さを、同時にこの作品で訴えている。相反するこのテーマを共存させたこの作品は奇跡といっても過言でないだろう。

なお、この作品は映画が有名であるが、個人的には漫画版をお勧めしたい。
漫画ではさらに複雑な展開を見せる上、映画で描かれているのは第2巻までなのだ。

この漫画作品の素晴らしさも、いつの日かご紹介したいと思う。
まずは、映画から興味をもっていただけたら、これ以上の幸せはない。
幼いころ見てそれっきりの人、見たことがない人、今まで興味がなかった人。

大人になったその“眼”で、もう一度、この作品と立ち向かってみてはいかがだろうか。

TOWER RECORDS ONLINE「風の谷のナウシカ」Blu-ray Disc

風の谷のナウシカ [DVD]

風の谷のナウシカ

  • ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント
  • DVD

■voice actor 
島本須美 (ナウシカ)
松田洋治 (アスベル)
榊原良子(クシャナ)
納谷悟朗 (ユパ)
京田尚子(大ババ)
家弓家正 (クロトワ)
辻村真人(ジル)
永井一郎 (ミト)
宮内幸平(ゴル)
八奈見乗児(ギックリ)
矢田稔(ニガ)
冨永みーな(ラステル)
ほか



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REVOLVE「FUCK’D UP」 [●ROCK]

3rd album 2011.12.25 release

音で狂いだすPunk Rock Feeling!!
福岡のREVOLVEが鳴らす“HEAVY POP PUNK”

[text●i.akira]

ロックは理屈じゃない。やる側が何を届け、聴く側が何を感じるか。そう、実にシンプルである。そしてこのREVOLVE(リボルブ)というバンドの音楽には、まさに理屈を越えた圧倒的にシンプルな熱がある。はっきり言おう、これぞロックである。

“HEAVY POP PUNK”なるジャンルを自ら掲げ、福岡を拠点に活動している3ピース・ロック・バンドREVOLVEの最新作となる本作は、オルタナティヴ/グランジのエネルギーが、ポップ・パンクの爽快感が、ヘヴィ・ロック/メタルの重厚感がみごとに共存した、非常にパワフルなアルバムである。いい意味で柔軟なスタイルから生み出された楽曲たちはどれもギラギラと輝いており、とにかく自分たちが敬愛してやまないロックへの愛情を全身全霊でストレートに鳴らしたような痛快さが、英詞と日本詞が混ざり合った独特でポジティブな言葉たちと相まって、激しくもまっすぐにリスナーの心に響く名曲ばかりである。
最高に突き抜けたパンク・ロック・アンセム「POP 3」、甘いメロディとへヴィネスの緩急がおもしろい「Fuck'd up」、ファストながらメロディアスな「My style」や「I'm gonna be allright」、動物の殺処分に対する怒りと悲しみが込められたインスト・ナンバー「No more kill」、切なくエモーショナルなミドル・ナンバー「Sad music」など、収録時間は30分にも満たないが、濃密で最高の時間を与えてくれる10曲を楽しむことができる。

バンドは定期的に自主イベント“Fucked up room”を開催したり、福岡以外のイベントなどにも呼ばれたり、アコースティック・セットでのライブも行なうなど、実に精力的に活動を行なっている。ぜひ一度、聴いてほしい。CDの販売は現在ライブ会場だけなので、まずはYouTubeなどで、その“熱”に触れていただきたいと思う。俺の言葉じゃ伝わらないくらいカッコイイ音が、そこにあるから。

OFFICIAL WEB SITE→ http://revolve-official-website.jimdo.com/

HIGH STRUT MONSTER「FUCK’D UP」

6417.jpg

FUCK’D UP

  • REVOLVE
  • REVOLVE 3rd Full Album
  • 2011/12/25
  • CD
■Track listing
01. POP3
02. Fuck'd up
03. My style
04. I'm gonna be allright
05. Home sick
06. No more kill
07. Frustration
08. Sad music
09. Good bye
10. POP3/jam remix


■YouTube/REVOLVE official music video
「I'm gonna be allright」
「Sad music」
「POP3」







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