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再び全国に散った趣味も性格も全く違うレポーターたちが
ジャンルを飛び越え、新旧流行にとらわれることなく
いま自分が好きなもの、自分にとっての旬なアレコレをガンガン紹介するブログ!
どうぞココで、いろんな好きと出合ってくれたなら
ますます楽しくなってしまうじゃない!
音楽、小説、映画、美術、TVショウ・・・いつだって、出合ったときが新しい!

かこさとし作「からすのパンやさん」 [●PICTURE BOOK]

初版 1973.09 偕成社刊

からすの一家は相変わらず可愛いし
とても健気。時代やら何やらは関係なく
いいものは語り継がれるのだな

[text●t.minami]

近所のファミレスに、ご飯を食べに出かけた。トイレに行こうと席を立ったら、なにやらちびっ子が、きゃあきゃあ言いながら私を追い越して行く。その手には、見覚えのある1冊の本が。気になる、なんだろう・・・?
用を済まし、子どもたちが騒いでいた棚を覗き込んだ。びっくりした。そこには、お店のサービスなのか、使い古されたふうの絵本がたくさん並んでいたのだ。私を追い越したちびっ子が持っていたのは、幼い私も虜になった1冊だった。
それが、「からすのパンやさん」。

あるカラスの一家が、パンを捏ねてパンを売る。それだけの物語なのだけど、ドタバタコメディみたいなおもしろさがあって、何度読んでも飽きなかった。幼稚園に通っていたくらいの年齢のとき、「大人になったら何になりたい?」というありきたりな質問があった。男の子は「パイロット」「宇宙飛行士」なんて言っている子が多かった気がする。女の子は「ケーキ屋さん」「お花屋さん」のように、華やかさを感じるようなものが多かったように、思う。
じつは、私はこのとき、「パン屋さんになりたい」と答えた。その理由は、「からすのパンやさん」を読んでいたからだ! だって、あの本に出てくるみたいな、たくさんの、いろんな形をしたパンをつくれたら、みんな喜んでくれるし、楽しいだろうし、パンの匂いに包まれた毎日なんて、とってもステキに違いない! と、半ば本気で、思っていた。懐かしい。

こんなオバチャンになってから眺めてみても、からすの一家は相変わらず可愛いし、とても健気でもある。特に、からすのおかあさんと、子どもたち。
たくさんの、買い物客(からす?)も、可愛い。からすといえば真っ黒、なんだか不吉、という印象があるようにも思う。が、それを払拭させてくれるようなカラフルなからすがたくさんいる。そして、服を着ていたり、メガネをかけていたり、とにかく個性的なからすがたくさん描かれているのだ。そんなからすたちを眺めているだけでも、充分楽しい。
そして、からす一家が心を込めてつくる、さまざまなパンがページ見開きでどーんと載っているのは、今見ても圧巻だった。どのパンがおいしそうだろう、私もこれならつくりたい、そんなことを言いながら本を眺めた日々を思い出した。

思えば、たくさんの絵本とともに、私は育ってきた。いつの間にか、絵のない本を読むようになって、本を読んでものを考えるようになって、表現やら言葉やら、難しい漢字などなど、いろんなことに興味を持ちはじめた。
でも、最初は「からすのパンやさん」だったんだな、と思うと、何だか可笑しい。そして、あのファミレスで「からすのパンやさん」を読んでいたあの子どもたちも、パンの匂いや味を考えながらページに魅入っていたのかな、と思うと、時代やら何やらは関係なく、いいものは語り継がれるのだな、と改めて感じている。

からすのパンやさん (かこさとしおはなしのほん (7))

からすのパンやさん

  • かこさとし作
  • 偕成社
  • 1973/09
  • 単行本

からすのパンやさん (ビッグブック)

からすのパンやさん (ビッグブック)

  • かこさとし作
  • 偕成社
  • 1997/05
  • 大型本

Mr.Crow’s Bakery―からすのパンやさん(英語版) (R.I.C.Story Chest)

Mr.Crow’s Bakery
―からすのパンやさん/英語版

  • かこさとし作
  • アールアイシー出版
  • 2007/03
  • 大型本





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THA BLUE HERB「STILL RAINING, STILL WINNING/HEADS UP」 [●HIP HOP]

7th single 2012.03.14 release

混迷の日本へ、満を持して北から届けられた1枚の手紙
THA BLUE HERB第4章、ここに開幕!!

[text●i.akira]

2011年をもってPHASE 3を終了させ、活動を停止したTHA BLUE HERB(ザ・ブルー・ハーブ)。その間に3.11が起き、日本は混迷を極め、1年という時間が解決したことはほとんどなく、経った今も多くの困難のなかにある。そのなかでも彼らは沈黙を貫いた。しかしそれはただの沈黙ではなく、来るべき日のために彼らは音と言葉をつなぎ、牙を磨き、ときを待った。そして2012年、THA BLUE HERBの第4章がこのシングルにより幕を開ける。

ILL-BOSSTINO(イル・ボスティーノ)とO.N.O(オー・エヌ・オー)のふたりきりで制作されたアルバムへの序章となる本作。1曲目である「STILL RAINING, STILL WINNING」は、PHASE 3活動休止前最後のシングルとなった「STRAIGHT YEARS」の流れを汲みながら、SIONの名曲「夜しか泳げない」の一文を引用したり、“やらずに後悔するよりゃマシ それでやるだけやりきってやれば後悔はない”というフックが実にTHA BLUE HERBらしいアッパー・チューン。追う側から追われる側になった自らを奮い立たせるリリックがとても力強く響く。2曲目の「HEADS UP」はまさに3.11以降にBOSSが感じた思いが描かれており、“上を 向けよ”という決意表明のごときメッセージと覚悟がこめられている。クールななかにもぬくもりを感じさせるビートが心地良いタフでポジティブなナンバーだ。

かつてないほどの注目を浴びるなか、5月9日には遂に4枚目となるフル・アルバム(ちなみに本シングルの2曲は未収録である)の発売が決定している彼ら。そこで響くRAPPING DRUMMNING SCRATCHINGはどんなものか、そしてその先にあるものはなにか。さあ、4度目となるTHA BLUE HERBという季節を楽しもう。

OFFICIAL WEB SITE→ http://www.tbhr.co.jp/

TOWER RECORDS ONLINE[THA BLUE HERB]
TOWER RECORDS ONLINE「STILL RAINING, STILL WINNING/HEADS UP」

STILL RAINING, STILL WINNING / HEADS UP

STILL RAINING, STILL WINNING/HEADS UP

  • THA BLUE HERB
  • THA BLUE HERB RECORDINGS
  • 2012/03/14
  • CD
■Track listing
01. STILL RAINING, STILL WINNING
02. HEADS UP


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舞城王太郎著「みんな元気。」 [●BOOK]

初版 2004.10.30 新潮社刊

下品で粗野
だけど飾り気なくて真っ直ぐ
読みにくいけど、読んでみないとわからない
そういう危ういところを持ってるのが
この作者の最大の魅力

[text●h.mariko]

好き嫌いはものすごい分かれる作家だと思う。とにかくブッちぎっているし、いわゆる“普通さ”がないのがこの人の小説。たとえば心霊現象とか、普通に暮らしていたら遭遇しないであろうことをさらりと書いてのけるこの作者の筆力、それが好みを分けるところであると思うし、一読しただけでは作者の意図みたいなものを感じ取りにくい“わかりにくさ”がある種この作品のおもしろさでもあると思う。
短編集だが、全体を通じて“家族愛”とか、身近なものに対する心遣いみたいなテーマを感じる。今までそんなふうにものを見たことがなかった私としては新しい発見としても捉えられた。
殺人はいけないことですよ、とか、家族とは仲良くしましょう、とか、親は大切にしましょうとか、自分の未来は真剣に考えるべきですよ、などなど、真っ向からぶつかったらむずがゆくて説教臭くなりがちなテーマを、あくまで舞城らしく、ハッキリ言ってしまえばふざけ気味で書いているようにも思える。それが嫌味に感じられるか、真剣に捉えるかはやはり読者次第なのだろう。
下品で粗野、だけど飾り気なくて真っ直ぐ。そんな言葉が似合う。
解釈やら好みは分かれるだろうけど、現代っ子の鬼才なのだろうという才能の片鱗を感じる作品。
読みにくいかもしれないけど、読んでみないとわからない。そういう危ういところを持ってるのが、この作者の最大の魅力なのかもしれない。
表題作「みんな元気。」ほか「Dead For Good」「我が家のトトロ」「矢を止める五羽の梔鳥」「スクールアタック・シンドローム」全5編を収録。
2009年12月4日に電子書籍化。

みんな元気。

みんな元気。

  • 舞城王太郎著
  • 新潮社
  • 2004/10/28
  • 単行本

みんな元気。 (新潮文庫)

みんな元気。

  • 舞城王太郎著
  • 新潮社 (新潮文庫)
  • 2007/05
  • 文庫

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DEAD END「Dream Demon Analyzer」 [●ROCK]

6th album 2012.03.07 release

聴き手の予測や理想を軽く飛び越え、破壊し、侵入してくる
DEAD ENDにしか成し得ない幻想と狂気の夢歌たち

[text●i.akira]

つくづくこのバンドには驚かされる。復活1作目となった前作「METAMORPHOSIS」から約2年ぶりに届けられたDEAD END(デッドエンド)のアルバムだが、いったいこんな作品になることなど誰が予想できただろう。前人未到の領域と言っても過言ではない。しかし聴くほどに納得せざるを得ない。聴き手の予測や理想を軽く飛び越え、破壊し、侵入してくる。DEAD ENDとはそういうバンドだということを。

『Dream Demon Analyzer』(=夢鬼解析装置)という物騒なタイトルの本作は、バンドの歴史の中なかでもかつてないほどテンションの高い内容となっている。スラッシュ・メタルを彷彿とさせるギター・リフが衝撃的なオープニング・ナンバー「水晶獣」、攻撃的な展開と野獣のようなMORRIE(Vo.)の歌声がスリリングな「SSS」、狂気が見え隠れする重厚なナンバー「Calamity」、高速でありながら幻想的でメロディアスな「Seiren」、非常にDEAD ENDらしい幻想的な空気が漂う「Angel」、不気味な変拍子の連続から壮大なサビへとつながっていく問題作「虚無を超えて」、じっくりと聴かせるDEAD END流バラード「No Man’s Dream」、YOU(G.)の泣くギターと MORRIEのささやきが絡み合いながら静かにフェード・アウトしていくエンディング「Deep -流星白書-」と、曲の複雑さや多様性も過去最高レベルであり、これまでとまた違う異様な緊張感に包まれた楽曲が並んでいる。シングルとなった3曲も収録されているが、アルバムのなかではまるで違う曲のように聞こえるから不思議である。また、作品を通して“夢”という言葉が随所で使われており、幻想と狂気のはざまを行き交うような独特な世界観から、本作の意図を読み取ってみるのもおもしろいだろう。とにかくこんなアルバムはDEAD ENDにしか作れないし、彼らでなければ成立しない。
なお、初回限定盤のDVDには、シングル3曲のPVと、昨年末に開催されたツアー“DEATH ACE 2011”の模様が一部収録されている。彼らが伝説などではなく、現在進行形であることがそこでも確認できるだろう。

現在バンドは大規模な全国ツアー『DEAD END tour 2012 “Dream Demon Analyzer~夢鬼解析装置~”』の真っただ中であるが、メジャー・デビュー25周年を記念したスペシャル・ライブの公演も東京と大阪で開催することが決定している。はたして彼らがどこまで進化を繰り返していくのか。本作を聴きながら、自分の目で確認できる日を僕は待っている。

OFFICIAL WEB SITE→ http://dead-end.jp/

TOWER RECORDS ONLINE[DEAD END]
TOWER RECORDS ONLINE「Dream Demon Analyzer」CD+DVD/初回生産限定盤

Dream Demon Analyzer

Dream Demon Analyzer

  • DEAD END
  • motorod
  • 2012/03/07
  • CD/通常盤

Dream Demon Analyzer(DVD付)

Dream Demon Analyzer

  • DEAD END
  • motorod
  • 2012/03/07
  • CD+DVD/初回生産限定盤
■Track listing
01. 水晶獣
02. Conception
03. SSS
04. Calamity
05. Seiren
06. Angel
07. 虚無を超えて
08. 夢鬼歌
09. Final Feast
10. No Man's Dream
11. Deep -流星白書-

[DVD]初回生産限定盤
MUSIC CLIP
01. Conception
02. Final Feast
03. 夢鬼歌
DEATH ACE 2011 Live at Shibuya O-West
04. Conception
05. Final Feast
06. 夢鬼歌
07. Devil Sleep
08. Sacrifice of The Vision


DEAD END tour 2012
Dream Demon Analyzer~夢鬼解析装置~

2012.03.10(土)埼玉・HEAVEN'S ROCK さいたま新都心
2012.03.11(日)千葉・千葉LOOK
2012.03.18(日)宮城・仙台 CLUB JUNK BOX
2012.03.23(金)北海道・札幌 COLONY
2012.03.31(土)新潟・新潟CLUB RIVERST
2012.04.07(土)神奈川・横浜 7th AVENUE
2012.04.13(金)愛知・名古屋 Electric Lady Land
2012.04.20(金)兵庫・神戸チキンジョージ
2012.04.21(土)大阪・梅田 am HALL
2012.04.23(月)京都・京都 VOXhall
2012.04.28(土)広島・広島ナミキジャンクション
2012.04.30(月)福岡・福岡 DRUM Be-1
2012.05.02(水)東京・赤坂BLITZ


DEAD ENDメジャーデビュー25周年記念LIVE
2012.09.08(土)大阪・御堂会館
2012.09.16(日)東京・渋谷公会堂


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ふるた たるひ、たばた せいいち作「おしいれのぼうけん」 [●PICTURE BOOK]

初版 1974.11.01 童心社刊

押し入れという密閉された空間
暗闇という閉塞感、そして恐ろしいねずみばあさん
いたずらっ子“さとしとあき”の勇敢な冒険譚

[text●h.mariko]

不自由なく文字が読めるようになるのに、私はあまり時間を必要としなかった子どもだったらしい。ひらがなカタカナ漢字、どれも。
今でも知らない漢字を見つけると、気になってすぐに辞書で引いてしまうような“文字オタク”なのだが、その片鱗は子どものころから既にあったようだ。幼稚園児だったころ、漢字のお勉強なる時間があり、クラスで唯一私だけが読めた漢字、なんてのもあったのを記憶している。確か、“船”。それ単体で知っていてもしかたがないことなのだが、すごーい、と、もてはやされてテングになっていたのは言うまでもない。
そんなわけで、私にとって、本というのはとっても大切なアイテムのひとつだった。

そして、この「おしいれのぼうけん」が与えてくれたものといったら!

さくら保育園、お昼寝の時間帯。布団を敷いて、さあ寝ましょう、というとき。“さとし”と“あきら”は、ミニカーで遊ぼうと布団の上を走り回る。ふたりを叱る先生。そして、さとしとあきらはおしいれに入れられる。まあ、罰ってヤツだ。
押し入れには、実はトンネルのような道があり、その奥には夜の街が広がっていた。その世界を支配する“ねずみばあさん”。さとしとあきらは、ねずみばあさんとねずみたちに捕まらないため、力を合わせる・・・。

初めて読んだときには、正直、恐かった。押し入れという密閉された空間、暗闇という閉塞感、そして恐ろしいねずみばあさん。いたずらをしたからって叱られて押し入れに入れられるようなことはなかったが、この絵本が強烈すぎて、自然といたずらさえも自粛するくらいのパワーがあったように思う。
だが、この作品で描かれるさとしとあきらは、ふたりで手をとり合い、恐ろしいねずみを操るねずみばあさんに果敢に挑むのである。読んだ当時、ちょっとだけお兄さんだったふたりの勇敢さに、私は惚れ惚れとした。そして、私も願った、同じような冒険をしてみたい、と!

恐怖と好奇心は紙一重である。そのギリギリのラインを踏み越えず、子どもの視線を見失わず、“悪い事はやめましょう”というお説教臭さもなく、爽快な読後感のあるこの作品。
暗闇を怖がらない子どもは少ないと思う。そして、今は“押し入れ”なんてものもだんだんなくなって、“押し入れに閉じ込められる”ということが、なんだかわらない子どももいるかもしれない。だが、夜にコッソリと覗く闇の恐怖は普遍である。今ではどうってことなくなった、夜、ひとりで暗い部屋に入るのも、鏡を見るのも、子どものころは一大冒険であった。それをハッキリ思い出させてくれる。
勇敢な冒険譚のようにも読めるが、友情が描かれているようにも思えるし、年齢を問わず楽しませてくれる絵本だ。

ちなみに、オレンジ色の街灯を見ると、いまでも私は“ねずみばあさんがいる!”と、思ってしまう。

おしいれのぼうけん (絵本ぼくたちこどもだ 1)

おしいれのぼうけん

  • ふるた たるひ、たばた せいいち作
  • 童心社
  • 1974/11/01
  • 絵本


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The Slut Banks「チクロ」 [●ROCK]

5th album 2012.03.07 release

奇跡の蘇生を果たしたゾンビたちが放つ12年ぶりのフル・アルバム
誰もが中毒となる劇薬まじりの轟音とメロディのオン・パレード

[text●i.akira]

1996年、ゾンビ音楽集団という奇妙なコンセプトのもと、百戦錬磨のキャリアを誇るメンバーによって結成されたバンド、The Slut Banks(ザ・スラット・バンクス)。骸骨をモチーフにしたファッションで身を包み、ヘヴィ・ロック顔負けの爆音と、歌謡曲も驚くキャッチーなメロディを響かせ、“日本ゾンビ化計画”と銘打ったライブを日本中で開催し、一部の熱狂的な観客を恐怖と歓喜に陥れながら、惜しくも2000年に解散してしまった彼ら。しかし2007年にまさかの蘇生(再結成)を果たし、その後も神出鬼没な活動を続け、ついに12年ぶりとなるオリジナル・アルバムである本作を完成させた。正直、再結成自体も彼らの気まぐれのようなものだと思っていたので、こうして新しいアルバムが届けられる日がくるなんて夢にも思っていなかった。それもただのアルバムではない、彼らの最高傑作と呼べるほどの名曲揃いである。

もう、1曲目の「METAL MIND」から爆音まみれ。懐かしさも思い出に浸るような感覚も皆無。長き不在を微塵も感じさせず、これでもかとばかりに怒涛のロックンロールが縦横無尽に駆け巡り、五感を刺激していく。再結成時に加入したHoney Bee Garden=満園英二(Ds.)のメタリックでパワフルなドラミング、昨年のツアーより電撃復帰した初代ギタリストであるDr. Skelton=横関敦(G.)と、弐代目Stone Stomac=石井ヒトシ(G.)という強力ツイン・ギター、破壊力のあるサウンドを引っ張るリーダーDUCK-LEE=戸城憲夫(B.)による強靭なベース・ライン、そして相変わらず独特な語感が不思議と心に染みるTUSK(Vo.)の言葉と歌声・・・過去最高のドリーム・メンバーによって放たれる音は、どんなに時間が経とうがThe Slut BanksはThe Slut Banksでしかないという事実を明快に教えてくれる。メタル、ロックンロール、パンク、スカ、J-POP・・・などをごちゃ混ぜにして歪ませた轟音サウンドはなんとも痛快だし、DUCK-LEEのツボを知り尽くしたような作曲センスは感動すら覚える。「チクロ」というタイトルにふさわしい、なんとも中毒性が高く、ハードに甘い作品だ。また、収録曲のなかで唯一といっていいミドル・ナンバーである「2011年のコト」では、3.11という痛みを抱えてしまった2011年を想いながら、TUSKらしいポジティブな言葉で未来へのメッセージが歌われており、アルバムのハイライトとなっている。

3月27日より5月中旬まで続く復活後最大規模の全国ツアーも決定しており、日本ゾンビ化計画をまだまだ遂行中の彼ら。とはいえ、気まぐれな彼らがここまで動くのはもう二度とないかもしれない。お近くにゾンビが来た際は、ぜひお見逃しなく!!

OFFICIAL WEB SITE→ http://www.slutbanks.jp/

TOWER RECORDS ONLINE[The Slut Banks]
TOWER RECORDS ONLINE「チクロ」

チクロ

チクロ

  • The Slut Banks
  • BRAiN CHILD Records
  • 2012/03/07
  • CD
■Track listing
01. METAL MIND
02. CANDY
03. ONLY YOU
04. コヒワヅラヒ
05. 毒溜り
06. Pandemic Dance
07. 狼狽
08. グラビアの少女
09. 2011年のコト
10. Crying Beggars
11. 弾道
12. 綺麗な悪戯


THE SLUT BANKS 全国ReleaseTour “チクロ”
2012.03.27(火)東京・代々木labo
2012.03.31(土)神奈川・新横浜SUNPHONIX HALL
2012.04.02(月)千葉・稲毛K'S DREAM
2012.04.06(金)福島・郡山club#9
2012.04.07(土)宮城・仙台MACANA
2012.04.08(日)栃木・宇都宮KENT
2012.04.10(火)静岡・浜松FORCE
2012.04.11(水)大阪・心斎橋KINGCOBRA
2012.04.15(日)北海道・札幌COLONY
2012.04.18(水)広島・広島ナミキジャンクション
2012.04.21(土)兵庫・神戸スタークラブ
2012.04.22(日)岐阜・柳ヶ瀬ANTS
2012.04.26(木)東京・新宿LOFT
2012.04.28(土)岡山・岡山Desperado
2012.04.29(日)福岡・福岡DRUMSON
2012.04.30(祝)大阪・心斎橋clubDROP
2012.05.03(祝)埼玉・西川口Hearts
2012.05.04(祝)神奈川・横浜BAYSIS
2012.05.10(木)新潟・新潟clubRIVERST
2012.05.11(金)石川・金沢vanvanV4
2012.05.13(日)愛知・名古屋UPSET
2012.05.19(土)東京・吉祥寺ROCK JOINT GB

番外編~UNPLUGGED死霊去勢
2012.04.14(土)北海道・札幌VIYATTO
2012.04.20(金)大阪・心斎橋club★jungle
2012.05.05(土)東京・代々木labo





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松岡享子作/林明子絵「おふろだいすき」 [●PICTURE BOOK]

初版 1982.04.30 福音館書店刊
1983年 第30回産経児童出版文化賞美術賞受賞作品

一緒におふろ入ろうかな
それとも、本を読んであげようかな
だっておふろが
大好きになっちゃったんだもん

[text●h.mariko]

私には、4歳の姪っ子がいる。
これがまた、可愛い。どんないたずらをされても、笑顔で許しちゃう。(いや、度が過ぎると、さすがに怒るけど・・・)

そんな彼女の誕生日プレゼントを選んだ。27歳も年齢の差があると、何が欲しいんだかまったくもってわからない。彼女が好きなキャラクターだのなんだのは、ちっとも知らない。いや、そもそも、“プリキュア”が印刷された筆箱とか、使うか? まだ学齢にも達してないのに。

そんなとき、これなら自信を持って勧められる、と思ったのが、絵本。私も、子どものころ、たくさんの絵本を読んだ。そして、絵本のなかでたくさん遊んだ。そのころの楽しい気持ちは、今でもありありと思い出すことができる。

そのなかの1冊である、この「おふろだいすき」。率直で、なんてステキなタイトルだろう!

アヒルのプッカさんと一緒に、おふろに入る“僕”。
プッカさんに先に湯船に入ってもらい、お湯加減を訪ねる。
プッカさんは「あつくもなく、ぬるくもなく、ちょうどいい」と、
なかなかいいお湯判断。
石鹸で身体を洗っていると、
湯船からペンギンが。オットセイが。
果ては、クジラまで! おふろのなかで大はしゃぎ、
動物たちとプッカさんと繰り広げられるおふろ冒険譚。
おふろでもっと遊びたいけれど、
おかあさんの呼ぶ声でおふろから出て、
体を拭いてもらう僕。

あったかい布団で眠るのだろうな、という優しい余韻が残る。

子どもの空想、と片付けたらそれまでかもしれない。でも、このお話、三十路を過ぎた私が読んでも、とってもステキな気持ちになれるのだ。

最近、バスグッズが巷にあふれ、香りや泡、キャンドルなどたくさんの商品を見る機会が多い。そこには疲れを取る、癒しを得る、そんな効果を求めてもいるのだろうが、“遊び心”みたいなものを感じることも多い。ハンバーガーみたいな形の石鹸とか、浴槽がむくむく脹れそうな泡の出るものとか、ワクワクしちゃうではないか。
そして、この作品。子どもの溢れんばかりのパワーは、外で遊んで帰ってきて遊んで、でもまだ遊び足りない! そんな力がみなぎっているようにも思えるし、石鹸ひとつでいくらでも世界をつくりだせる子どもの想像力にも思えるし、子どもの溢れる想像力は浴槽からくじらが出てくることだってあたりまえなんだ、と思わせてくれる、楽しさ。
子どもに読み聞かせしたりするのは勿論だが、自分自身も楽しめること、間違いなし。

ちなみに、絵本をプレゼントしたあとの姪っ子に、気に入った?って聞いてみたら、「おふろが大好きになっちゃったんだもん」だって。今度、一緒におふろ入ろうかな。それとも、本を読んであげようかな。

おふろだいすき (日本傑作絵本シリーズ)

おふろだいすき

  • 松岡享子作/林明子絵
  • 福音館書店(日本傑作絵本シリーズ)
  • 発売日: 1982/04/30
  • 絵本

おふろだいすき―I love to take a bath (R.I.C. story chest)

おふろだいすき
―I love to take a bath(英語版)

  • 松岡享子作/林明子絵
  • アールアイシー出版
  • 2004/12
  • 絵本


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平山瑞穂著「シュガーな俺」 [●BOOK]

初版 2006.11.10 世界文化社刊

喉の渇き、激ヤセ、倦怠感・・・
Ⅰ型糖尿病にかかってしまった著者が
その闘病生活をおもしろおかしく
小説に描いた秀作

[text●h.mariko]

“糖尿病”と聞いて、あなたはまず、何を思い浮かべるだろうか? 私は“甘いもの食べまくって、お酒飲みまくっているうちになっちゃう病気”と、思い込んでいた。けれど、それもある種間違いではないようだが、これは偏見だ。もっと大変で命にも関わる大病であることを、恥ずかしながらこの本を読むまで知らなかった。大雑把にいうと、糖尿病は2種類ある。Ⅰ型と、Ⅱ型というそうだ。
Ⅰ型糖尿病とは膵臓のランゲルハンス島でインスリンを分泌するベータ細胞が何らかの影響で死滅してしまうことから発病する。糖尿を患う人にありがちな暴飲暴食もなく、太るどころかやせ形体型の人でもかかり、いくら食べても体重は減ってしまうという。
一方の、Ⅱ型糖尿病といわれるものが私がイメージしていたもので、喫煙、飲酒、運動不足などからくるいわゆる生活習慣病から発病することが多いという。
本作は、著者自身がⅠ型糖尿病にかかってしまい、その闘病をおもしろおかしく(?)描いた秀作だ。

33歳で、サラリーマン生活をしながらある日突然糖尿病にかかってしまった主人公。その生活の大変さといったら・・・、“一生治らない”といわれる病気の衝撃、家族との衝突、入院中の珍事、お酒に食事制限にと、涙ぐましいほどの努力の上に成り立っているのだった。

この作品のすごいところは、気が滅入ってしまいそうな闘病生活を、淡々と“小説”として描いたところだろう。そして現実に糖尿を患う人たちに対し、たくさんの勇気を与え、大変な話題になったという。健康な人には及びつかないような悩みだが、その重たい悩みをエンタテインメントのように軽いタッチで描いたこの作品の役割は大きいのだろう。

たとえば、ダイエット中の友達と食事に行ったらどうするか。ケーキを食べようとしているその人に“今は食べたらダメなんじゃない?”と言える人は、なかなか勇気があると思う。
それがダイエットではなくて、糖尿病だったら? 命に関わることもあるこの病気、外食を楽しむ余裕すら奪ってしまうのだ。

そんな人と関わるのはちょっと・・・。そんなふうに思われても、しかたがないのかもしれない。しかし、主人公はそこから這い上がり、闘病生活を続け、小説を書きながら仕事をし、ときどき入院し、あくまで“普通の生活”をしていく。
2011年の日本の糖尿病人口は1067万4320人(国際糖尿病連合調べ)とか。もし、自分の周りに糖尿病に悩む人がいたら。あるいは自分が患ってしまったら・・・。この作品はそんなときのためにも、読んでおいて損はない!

シュガーな俺

シュガーな俺

  • 平山瑞穂著
  • 世界文化社
  • 2006/10/20
  • 単行本

シュガーな俺 (新潮文庫)

シュガーな俺

  • 平山瑞穂著
  • 新潮社(新潮文庫)
  • 2009/09/29
  • 文庫

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CANNIBAL RABBIT「KISS」 [●ROCK]

3rd album 2011.12.25 release

ロックの魅力を放つ希少なバンド
CANNIBAL RABBITのサード・アルバム
可愛いけれど
淫らで凶暴な兎のロックンロール

[text●i.akira]

あくまで自分勝手な考えであるが、ロックとは予測不可能でデタラメで不真面目なものでなくてはならないと思う。悪くて、刺々しくて、スリリング。そういうものがロックであり、型にはめられたような、飼いならされたような、お行儀のよさなんてクソ食らえ!である。これから紹介するCANNIBAL RABBIT(カニバルラビット)は、そんなロックの魅力を放つ数少ないバンドのひとつであり、この「KISS」は悪さも棘もスリルも、さらにキュートさまで詰まった正しいロック・アルバムだ。

都内にて活動を行なっている彼らの3枚目となる本作は、完全自主制作でリリースされている。従来彼らが持っているパンク、ガレージ・ロック、ロカビリー、オルタナティブ/グランジなどをごちゃ混ぜにして飲み込んで吐き出したような雑多ながらもツボを押さえたバンド・サウンドはさらに磨きがかかり、よりハードでマニアックかつポップに進化している。特に紅一点であるうさ(Vo.)の存在感は際立っており、可愛さと狂気が混在しながら、裏も表も赤裸々にさらけ出した言葉と歌声は強烈なインパクトがある。ザラザラとした音による激しい展開のナンバーが多いが、「Sunday Morning」のような浮遊感のあるミドル・バラードがあったり、「ぐるぐる」のようになんだか不思議でポップな世界があったり、PRODIGY(ザ・プロディジー)の「Hot Ride」をガレージ・テイストにアレンジしたカバーがあるなど、自由でかっこよければ何でもアリなスタイルでバラエティ溢れる楽曲が並んでいるのも面白い。さらにラストを飾る攻撃的な「Bleeding」には彼らと親交の深い高木フトシ(vez / BAD SiX BABiES)がコーラスで参加しており、強力なボーカル・バトルも楽しめる。

販売はライブ会場や公式HPにて行なっているので、まずは彼らのホームページをのぞいたり、ライブへと足を運んでもらいたい。多分こんなロック・バンドに飢えている人は山ほどいるはずだから。

OFFICIAL WEB SITE→ http://cannibal-rabbit.com/

TOWER RECORDS ONLINE[CANNIBAL RABBIT]

kiss.jpg

KISS

  • CANNIBAL RABBIT/カニバルラビット
  • 2011/12/25
  • CD
  • 公式H.Pおよびライブ会場で販売
■Track listing
KISS ME
I LOVE EXPLOSION
ぐるぐる
SUNDAY MORNING
Hot Ride
Bleeding/ゲストコーラス 高木フトシ
QUEEN ヤドカリーナ
現代時代~Kid’s aren’t all right~
DMR
My Favorite
※全10曲収録



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首藤瓜於著「脳男」 [●BOOK]

初版 2000.09.11 講談社刊
2000年 第46回江戸川乱歩賞受賞作品

感情が欠陥した人間が
別の人間に教え込まれた世界だけを
“当然”として生きていくことができるとしたら
それは現代の恐怖である

[text●h.mariko]

第46回江戸川乱歩賞受賞作ということで、手に取ってみた。

爆破事件の犯人として、緑川という人物が浮上する。その逮捕に向かった先に、鈴木一郎と名乗る人物がいて自らを犯人だと言う。警察官の茶屋は、いったい何を信じてよいものかと悩む。鈴木は精神鑑定にかけられることとなり、鷲谷真梨子が担当医となる。調査が進むうち、鈴木は感情が欠陥した人間である疑いが出てくる。だとすると、爆破事件の犯人は? 鈴木の目論みは・・・?

物語の流れとしては、大変興味深い。タイトル 「脳男(のうおとこ)」との繋がりも、大変よい。が、物語のほとんどが犯人探しでもなく、人間の精神世界のようなことが描かれるので、“犯人逮捕劇”を求めて読むと消化不良気味かもしれない。

不可解とされる事件が現実に起きると、よくニュースで「犯人に責任能力があるかどうかの判定を・・・」という常套句を聞く。私は、この言葉が嫌いだ。どんな人間でも負うべき責任はあるだろうし、たとえば精神病だ何だというものが犯人に巣食っていても、そのことだけで人物を評価したり、また差別したりするのが嫌なのだ。無論、事件などがないのが、いちばんいいのだが。
この作品では、トリッキーな殺人事件よりも、精神論に深く語り込んでいるように思えるので、その点大変興味深かった。ラストは鈴木が姿をくらますことで、続編(「指し手の顔 脳男2」2007.11.29 講談社)を願ってしまうような余韻が残った。

感情のない人間というものがいたとして、その人間が、別の人間に教え込まれた世界だけを“当然”として生きていくことができるとしたら、現代の恐怖である。洗脳とか、そういった言葉を極力避けて描かれたこの作品、私は好感を持った。

脳男

脳男

  • 首藤瓜於著
  • 講談社
  • 2000/09
  • 単行本

脳男 (講談社文庫)

脳男

  • 首藤瓜於著
  • 講談社(講談社文庫)
  • 2003/09/12
  • 文庫


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Van Halen「A Differrent Kind Of Truth」 [●ROCK]

12th album 2012.02.07 release

アメリカン・ロックの最高峰による、究極の復活作
ロックの魅力が存分に詰まった最高純度のVan Halenサウンド

[text●i.akira]

なんという堂々たる帰還だろう。数多くの紆余曲折を経て、Van Halen(ヴァン・ヘイレン)は見事なカム・バックを果たした。デヴィッド・リー・ロスが歌う作品として考えたら、実に28年ぶりとなるニュー・アルバムは、あまりに瑞々しくパワフルで、最高純度のVan Halenサウンドが鳴り響く名盤だ。

アルバムは先行リリースされた貫禄のスタジアム級ミドル・ナンバー「Tattoo」でじっくりと始まると、その後には誰もが夢にまで描いたような世界が待っている。デヴィッドの伸びやかな歌声にゾクゾクする「She’s The Woman」、イントロからリフの流れだけで痺れるスピーディな「China Town」、初期Van Halenサウンドを彷彿とさせるパワフルでポップな「Blood and Fire」、メタリックな展開がたまらない「As Is」や「Honeybabysweetiedoll」、カントリー調のナンバーかと思ったら途中から一気にハードになる「Stay Frosty」、ラストを飾るにふさわしい「Beats Workin’」など、バラード1曲もなしという、キャリアを考えれば信じられないほどのパワフルで充実した内容となっている。それにしてもなんという若々しさだろう。終始弾きまくりのエディ(G.)と、叩きまくりのアレックス(Ds.)のおなじみヴァン・ヘイレン兄弟の鉄壁のサウンドは当然ながら、2006年ごろからベーシストとして参加しているウルフギャング・ヴァン・ヘイレン(エドの長男であり、まだ20歳)も、ベテランのなかで地に足がついたプレイをしっかり聴かせてくれる。そしてなんといってもデヴィッドの輝きがすごい。黄金時代そのままの、いや、さらなる艶を増した声でその健在ぶりを大いに聴かせてくれる。さらに、あえて余計なものを削ぎ落としたような徹底したバンド・サウンドは本当に聴きどころだらけであり、デヴィッドが参加した当時最後のアルバムであり、誰もが知る「JUMP」が収録された「1986」と良い意味で対を成すロック魂に満ちた作品だ。

もし今Van Halenを知らない人たちがいるなら、胸を張ってこのアルバムをオススメしたい。懐古主義者のみならず、新参者も巻き込むパワーとマジックに満ちた、王道のロックがここにある。

TOWER RECORDS ONLINE[Van Halen]
TOWER RECORDS ONLINE「A Differrent Kind Of Truth」Deluxe Edition

A Different Kind of Truth

A Different Kind of Truth

  • Van Halen
  • Interscope Records
  • 2012/02/07
  • CD

Different Kind of Truth: Deluxe Edition

Different Kind of Truth
Deluxe Edition

  • Van Halen
  • Universal
  • 2012/02/14
  • CD+DVD
■Track listing
01. Tattoo
02. She's The Woman
03. You And Your Blues
04. China Town
05. Blood And Fire
06. Bullethead
07. As Is
08. Honeybabysweetiedoll
09. The Trouble With Never
10. Outta Space
11. Stay Frosty
12. Big River
13. Beats Workin’

[DVD] Deluxe Edition
“The Downtown Sessions/
New Acoustic Performance”
01. Panama
02. You And Your Blues/Intro
03. You And Your Blues
04. Beautiful Girls





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嶽本野ばら著「デウスの棄て児」 [●BOOK]

初版 2003.07.10 小学館刊

新たな解釈をもって描かれた天草四郎伝説
史実と記される歴史書の向こうに秘められた真実に
あれこれ思いをめぐらせる楽しさ

[text●h.mariko]

実は、この作家、苦手であったのだ。
文体とか、扱うものとか、そういうのを含め。
映画になって一躍名を馳せた「下妻物語」(の映画)が、とっても可愛かったので、もう一度気合いを入れ直して読んでみることにした。それが、この作品。

ナメてかかって、ゴメンナサイ・・・
そんなふうに思うような、ある意味問題作であった。

若き天草四郎を題材としたフィクション。
天草四郎といえば、“島原の乱”で日本史の教科書にも載る有名人(?)だが、この作品ではその四郎の辿った数奇な運命が描かれている。

金のためにとポルトガルに売られた美女と、ポルトガル人との間に産まれたとされる四郎。彼は淫靡な雰囲気さえまとう美しい男に育つ。その外見ゆえか、さまざまな人間から“使われる”こととなる。黒魔術を信仰する神父から神通力を教わったことで、信仰を真っ向から否定する天才児となるものの、皮肉なことに民衆は彼を神と崇め奉った。そして歴史が示すとおりに島原の乱を起こすこととなるのだが、その理由は“神を打ち砕くこと”であった・・・。

幕府が攻め入るなかも彼を信仰する人々が天草四郎を守ろうとする姿に、彼自身が信仰の姿を知る、そんな歴史を逆さまから見たような作品であった。

歴史で起ったとされていることは、何が本当で何が嘘かは後世の人間にはわからない。
現代になり、さまざまな歴史研究家が説く言葉を聞いて、なるほどと思うことが“歴史の勉強”だとされるが、その歴史の勉強はきっとつまらない。
かくいう私も、学生時代の歴史の勉強は大嫌いだった。年号を覚えることの重要性は、未だ持って理由がわからない。
あのころ感じたつまらなさは、“血が通っていない勉強”だったからだと、この本を読んで目からウロコが落ちた気分だった。
もしかして、あの人は実はこうだったのではないか、いやそうじゃなくて、と、勝手気ままに論争するのが、“歴史の勉強”ではなかろうかと、最近になって思うのだ。

デウスの棄て児

デウスの棄て児

  • 嶽本野ばら著
  • 小学館
  • 2003/06
  • 単行本

デウスの棄て児 (小学館文庫)

デウスの棄て児

  • 嶽本野ばら著
  • 小学館(小学館文庫)
  • 2008/08/06
  • 文庫

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ギルガメッシュ“東京Sadistic day” [●LIVE REPORT]

東京Sadistic~ぶっとおし13days~
2012.02.27ー2012.03.13 at WWW/shibuya-ku, tokyo


ギルガメッシュのライブの要であり
切り札的存在のキラー・チューンに陶酔
まさに、攻めの曲しかない
“サディスティック”な夜だった

[text●o.ayumi]

2012年3月10日、サ(=3月)ド(=10日)の日。
渋谷のライブ・ハウスWWWでは、ギルガメッシュのイベント“東京Sadistic~ぶっ通し13days~”が最終日を迎えていた。

13daysのなかには、メンバーそれぞれがセッションバンドを編成し披露した“バンドやろうday”(3月1日)や、メンバーも客もスタッフも全員がコスプレでライブをする“ライブ・ハウスをアキバにしようday”(3月3日)、遊び心を炸裂させた映像の放映&トークの“劇場版ギルガメッシュday”(3月4日)など、毎日テーマを決め、それぞれ楽しいステージを繰り広げてきたようだが、13日目はズバリ“東京Sadistic day”。

サディスティックとはいえ13日連続して行うわけで、マゾヒスティックともとれるこのイベント。最後の締めくくりはどんな日になるのか、胸は高鳴る。

会場のキャパは、公式によると400~500人ほどとライブ・ハウスのなかでは中規模。もちろんチケットは完売で、開場から開演までの30分で客席はみるみる埋まり、間もなくライブが始まる。メンバーは毎日ステージに立ち、ファンも何公演か来た人もいるのであろう会場は、ラフな緊張感が漂い、客席とステージの間に温度差はなかった。

先に書いてしまうとこの日のセットリストは、初期曲から最新曲まで、多くがいままでのギルガメッシュのライブの要であり切り札的存在の、キラー・チューンばかり。つまりは、攻めの曲しかない“サディスティック”な内容だった。

1曲目は、体を突くように横暴でヘヴィな「お前に捧げる醜い声」。すでにオーディエンスのボルテージは最高潮。じっと見ていると自分が台風のど真ん中に立っているみたいな気分になるほど、視界は見渡す限り大荒れだ。激しくアッパーな「CRAZY-FLAG」では、お決まりの“かかってこいや!”コールも、もいつになくマジで、熱気はさらに増す。

キャッチーでグルーヴィーな「MISSION CODE」は、メンバーそれぞれの見せ場があり華やか、士気を奮い立たすような「亡者ノ行進」、「開戦宣言」は、初期の荒削りでがむしゃらな思いが全開。胸が熱くなる。続く「新曲」は、オーディエンスと“サディスティックー!”と叫ぶのが印象的なポップチューンで、まだ数回しかの披露されてなくても、客席との一体感はバッチリだ。
そして「bit crash」からのラストスパート。「smash!!」のうねるような重厚なグルーヴにオーディエンスは沸き、ポップで明るい「Never ending story」は、幸せが掴めそうなハッピーな気分にさせてくれた。そして最後は、轟音ダンス・ナンバー「evolution」で、踊って笑って楽しく本編を締めくくった。

アンコールでは、メンバーのMCが。

Ryo(Ds.)は、「あと20日はいける!」と余裕の発言をしたり、「こんなイベント他にねえぞ! アキバday楽しかった!」と誇らし気な弐(G.)、イベント期間限定で都内のマンションで生活していたことを告白した左迅(Vo.)、イベントが成功した喜びと、初期曲の演奏で感傷に浸る愁(B.)。それぞれに13日を過ごして高揚した思いを話してくれた。なかでも愁がスタッフへ感謝の言葉を口にし「見てください、このスタッフの表情!」と言ったときの、ステージ脇にいるスタッフの顔。生き生きとした笑みは印象に残っている。

そして本当のラストを飾ったのは、「Break Down」。明日への希望と“強がり笑え”と思い込められた曲は、いつになく輝いていて、間奏でのメンバーの最高のハイジャンプ! 心を揺さぶる渾身の演奏に、会場は歓喜に満ちていた。

これでライブ終了。と思ったが、止まない歓声のなか、ハケぎわに左迅が「東京Sadisticのテーマソング」を独奏。お茶目なオチで、13daysの幕を下ろした。

そもそも、サディスティック=サディズムという意味を調べると出てくるのは、
“相手に苦痛を与えることによって性的満足を得る異常性欲”と書かれている解説。けど、ギルガメッシュのサディスティックに苦痛はなかった。

ギルガメッシュのサディズムは、初期の、悔しさや恨みつらみ、その反逆心を吐き出した暴挙的エネルギーが根源にあり、進化を遂げたいまは、全力を尽くす攻めの姿勢から生まれる“馬鹿力”からなっているように思う。それを全部ひっくるめて爆発させたのが、今回の“東京Sadistic”。最終日しか見られなかったが、素晴らしかった!

そして。
終わりがあれば、始まりがあるということで全国ツアーも発表。
攻め“サディスティック”は、終わらない。

SETLIST/東京Sadistic day
01. お前に捧げる醜い声
02. アングリージュース
03. CRAZY-FLAG
04. DIRTY STORY
[MC]
05. 新曲
06. MISSION CODE
07. GOKU
08. stupid
09. DEAD WOLD
10. 亡者ノ行進
[MC]
11. 開戦宣言
12. 新曲
13. bit crash
14. smash !!
15. Never ending story
16. evolution
[ENCORE]
[メンバー全員MC]
17. Break Down
18. 東京Sadisticのテーマソング/左迅 独唱


ワンマン・ツアー
サディスティックイヤー2012

2012.07.07(土)千葉・LOOK/GMFC限定
2012.07.13(金)東京・渋谷O-EAST
2012.07.15(日)石川・金沢AZ
2012.07.17(火)京都・KYOTO MUSE
2012.07.19(木)福岡・DRUM Be-1
2012.07.21(土)広島・ナミキジャンクション
2012.07.22(日)岡山・IMAGE
2012.07.24(火)愛知・名古屋Electric Lady Land
2012.07.26(木)茨城・水戸LIGHT HOUSE
2012.07.30(月)北海道・札幌KRAPS HALL
2012.08.01(水)宮城・仙台darwin
2012.08.02(木)新潟・GOLDEN PIGS RED
2012.08.04(土)兵庫・神戸VARIT.
2012.08.05(日)大阪・UMEDA CLUB QUATTRO


OFFICIAL WEB SITE→ http://www.girugamesh.jp/

TOWER RECORDS ONLINE[ギルガメッシュ]
TOWER RECORDS ONLINE「凱旋公演-CHIBA-」DVD

凱旋公演“CHIBA” [DVD]

凱旋公演“CHIBA”
ギルガメッシュ

  • デンジャー・クルー・エンタテインメント
  • DVD
2011.02.05/市川市文化会館 大ホール
ギルガメッシュ凱旋公演“CHIBA”

■Track listing
01. volcano
02. お前に捧げる醜い声
03. ALIVE
04. CRAZY-FLAG
05. 零-ゼロ-
06. 終わりと未来
07. Jarring fly
08. 遮断
09. 開戦宣言
10. destiny
11. EXIT
12. Endless wing
13. COLOR
14. Calling
15. 見えない距離
16. I think I can fly
17. Break Down
18. MISSION CODE
19. evolution
20. Never ending story


GO

GO

  • ギルガメッシュ
  • デンジャー・クルー・エンタテインメント
  • 2011/01/26
  • CD

GO(初回受注限定生産盤)(DVD付)

GO
激アツ盤(初回受注限定生産盤)

  • ギルガメッシュ
  • デンジャー・クルー・エンタテインメント
  • 2011/01/26
  • 2CD+DVD
■Track listing
01. Opening
02. destiny
03. EXIT
04. COLOR
05. MISSION CODE
06. 見えない距離
07. 再会
08. Never ending story
09. イノチノキ

[DISC2]激アツ盤(初回受注限定生産盤)
FALL TOUR 2010 TOUR FINAL at Yokohama Bay Hall
01. now(intro)
02. bit crash
03. NO MUSIC NO REASON
04. Endless wing
05. 睡蓮
06. CRAZY-FLAG
07. Dance Rock Night
08. driving time
09. DIRTY STORY
10. Break Down
11. shining
12. arrow
[DVD]激アツ盤(初回受注限定生産盤)
01. FALL TOUR 2010ドキュメント
02. G-TRAVEL 2010 in SUMMER
03. 2010裏ギルガメッシュ総集編
04. COLOR/VIDEO CLIP
05. イノチノキ/VIDEO CLIP


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米原万里著「嘘つきアーニャの真っ赤な真実」 [●BOOK]

初版 2001.06.30 角川書店刊
2002年 第33回大宅壮一ノンフィクション賞受賞作品

ぼさっと平和ボケしていたら絶対知り得ない
考えることもなかったであろうことを教えてもらった
歯に衣着せぬ物言いでばっさりと斬ってくれる文章
痛快である

[text●h.mariko]

ノンフィクション作品で、こんなにも笑ったのは、久しぶりである。
しかも、論点は常にハッキリしていながら、考えさせられるポイントはぶれずに、である。
作者の米原女史(1950年4月29日ー2006年5月25日没)は、ソ連で小学生時代を過ごし日本へ帰国した経歴を持つ。30年の後に見えてきた真実を、辛口とユーモアセンスたっぷりの文章で綴る。
東欧の共産社会の崩壊や特権階級の在り方、そのなかで生きる人々の姿はリアルなのだが、ハッキリいって笑える。いや、笑ってちゃいけないところもあるのだが。
そして歯に衣着せぬ物言いでばっさりと斬ってくれる文章、痛快である。
米原女史は相当の才女であり、また恵まれた環境にもあったのだろうが、“小学生のころ感じた違和感”を大人になってから分析し、またそれを実際に見にまた現地へ赴くパワーも素晴らしい。そして3人の友人(おませなギリシャ人のリッツァ、嘘つきだけど憎めないルーマニア人のアーニャ、優等生のユーゴスラビア人のヤスミンカ)を通じて社会を見渡す正確な眼差し、的確な表現にも好感が持てた。
ギリシャ、ルーマニア、ユーゴスラビアなど、日本からすると「どこ?」と思ってしまうようなところでも、たくさんの人が暮らしている。空は繋がって世界を見ている、なんていうけれど、自分の生活に何らかの形で入り込んでこないと見えないのが世界情勢。
日本でぼさっと平和ボケしていたら絶対知り得ないし、考えることもなかったであろうことを教えてもらった気がした。
ああ、知らないことは世界中に転がっていて、私の存在の、なんて小さいこと!
それを知っただけ、この本を手にした甲斐があったと思うべきだろうか。
表題作ほか「リッツァの夢見た青空」「白い都のヤスミンカ」を収録。

嘘つきアーニャの真っ赤な真実 (文芸シリーズ)

嘘つきアーニャの真っ赤な真実

  • 米原万里著
  • 角川書店
  • 2001/07
  • 単行本

嘘つきアーニャの真っ赤な真実 (角川文庫)

嘘つきアーニャの真っ赤な真実

  • 米原万里著
  • 角川書店(角川文庫)
  • 2004/06
  • 文庫




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Red Kite「Montreal」 [●ROCK]

free digital download, single 2011.12.05 release

元THE COOPER TEMPLE CLAUSEの
ダニエル・フィッシャーによる新バンド始動

[text●i.akira]

2007年4月、ダニエル・フィッシャー(以下ダン)の脱退によりThe Cooper Temple Clause(クーパー・テンプル・クロース/以下TCTC)は解散した。それから元メンバーたちの動向はなんとなく追っていたが、それほど活発で表立った活動はなかった。しかし2011年に入り、突然ダンが自身中心となったバンド“Red Kite(レッド・カイト)”の活動を開始した。

バンド初の音源となるこの「Montreal」は、名刺代わりにふさわしいポップでアッパーなナンバーだ。ゆるやかなイントロから徐々にテンションが上がっていくサウンドや、淡々と語るように流れていく美しいメロディがなんとも心地よい。ダニエルの甘い歌声も健在である。もちろんTCTCの魂はここにも息づいているが、非常に雑食でチャレンジ精神溢れるメンバー同士がぶつかり合うことで生まれるケミストリーを大事にしていたTCTCとは違い、実に肩の力の抜けた正統派UKロックに仕上がっている。また、まるで物語を読んでいるような気分になるユニークなPVも必見である。

TCTCは解散してしまったが、こうしてメンバーがカム・バックを果たし、すばらしい音楽を鳴らしていることを本当に嬉しく思う。また余談であるが、元KASABIANのクリス・カーロフが結成したBlack OnassisにTCTCのメイン・ボーカルだったベン・ゴートレーが参加していることも発表されており、TCTCファンにとっては楽しい年になりそうである。

OFFICIAL WEB SITEhttp://redkite.bandcamp.com/
Facebookhttps://www.facebook.com/RedKiteBand
Twitterhttps://twitter.com/#!/RedKite_Band

120317.jpg

Montreal

  • Red Kite
  • free digital download,
    exclusively through Bandcamp
  • Release date - 5th December 2011
  • single
FREE DIGITALDOWNLOADhttp://redkite.bandcamp.com/track/montreal
OFFICIAL VIDEO →「Montreal」




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VITALIC「OK Cowboy」 [●TECHNO/EDM]

1st album 2005.04.04 release

腹に響く重低音は何十倍と増幅されて
それだけで酔える音はもはや麻薬の域

[text●h.mariko]

テクノには疎い。細かいジャンル分けがよくわからない。ハウスとかユーロビートとか、アシッドだとか云々。それがどうした、といってしまえばそれまでなのだが、音楽を人に説明するときに役立つのがこの“ジャンルという共通認識”であるように思う。
その言葉を借りると、このVITALIC(ヴィタリック)は“クラブ系テクノ”になるらしい。やっぱりなんのこっちゃ。
ジャンルが云々といっておきながらわからないので、今後テクノと統一させていただくことにする。で、そのテクノ。冒頭に書いたとおり、私はテクノに疎い。
が、この「OK Cowboy」を初めて聴いたとき、“これはカッコいい!”と手放しで感じた。軽快なリズム。程よくちりばめられたメロディ。腹に響くような低音。私にさえわかりやすく感じられるこの踊れる感じ。無名だった彼を一気にこの世界の頂点に導いたのがこのアルバムなのである。

そのVITALIC、アルバムとの出合いは劇的であったのだが、なかなか本物をライヴで体感することができなかった。アルバムの発売年であった2005年の“フジロックフェスティバル”では時間の関係で観ること叶わず。“エレクトラグライド”に出演したときも、ほかのアーティストを優先してしまい観られず。このまま彼の音は生で聴くことができずにいるのだろうかと切なく思っていた2011年、やっと念願叶って観ることができた。
“ソニックマニア”、“サマーソニック”の前夜祭とでもいうべきオールナイト・イベントに出演が決定したのだ。喜び勇んで会場に向かう。正に三度目の正直。

アルバムが発売されたときはその音の多彩さから、どれだけでっかい機械を用いてこの音を出しているのだろうと興味津々であった。が、彼はなんとラップトップパソコン一台でアルバムを制作したというから驚きである。実際に観たステージでも、機械に囲まれる、というよりはにょっきりと屹立したスキンヘッドの周りには照明器具が立ち並び、シンプルというよりないようなラップトップが数台。これだけでこの音を出しているのだと思うと正に舌を巻く。
アルバムでも散々感じていた腹に響く重低音はスピーカーにより何十倍と増幅されて、それだけで酔える音はもはや麻薬の域。
ずっと聴きたかった「My Friend Dario」「La Rock 01」はもちろん、「Second Lives」では身体が勝手に踊りだす状態。リズムが心地よい、とか月並みな言葉の羅列になってしまうのだが、本当だからしかたがない。ステージを輝かせる照明の数々も音に酔わせる最高のシチュエーションを作り出してくれる。
ライヴでの余韻を心地よく引きずったまま、一夜を越えた。

テクノには相変わらず疎い。が、無理に知ろうとしなくなった。
自分が好きな音を自分なりに楽しむことができるなら、それでいいじゃないか。
そうやって思えるようになったのは一種の達観かもしれない。
やっと手に入れたセカンド・アルバム「Flashmob」を聴きながら、また新しいテクノに出合えることを楽しみに、ライヴの思い出を反芻しようと思う。

OFFICIAL WEB SITE→ http://www.vitalic.org/

TOWER RECORDS ONLINE[VITALIC/ヴィタリック]
TOWER RECORDS ONLINE「OK Cowboy」Collector's-Edition

Ok Cowboy

Ok Cowboy

  • VITALIC/ヴィタリック
  • Music Brok
  • 2008/12/30(再)
  • CD
■Track listing
01. Polkamatic
02. Poney Part.1
03. My Friend Dario
04. Wooo
05. La Rock 01
06. The Past
07. No Fun
08. Poney Part.2
09. Repair Machines
10. Newman
11. Trahison
12. U And I
13. Valletta Fanfares


Flashmob

Flashmob

  • VITALIC/ヴィタリック
  • Play It Again Sam
  • 2009/11/03
  • CD
■Track listing
01. See the Sea (Red)
02. Poison Lips
03. Flashmob
04. One Above One
05. Still
06. Terminateur Benelux
07. Second Lives
08. Allan Dellon
09. See the Sea (Blue)
10. Chicken Lady
11. Your Disco Song
12. Station Mir 2099
13. Chez Septime




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RAMMSTEIN「Made in Germany 1995-2011」 [●INDUSTRIAL METAL]

best album 2011.12.14(EU/2011.12.02)release

ドイツが世界に誇るインダストリアル・メタルの最高峰
これまでの歴史を凝縮した狂気のベスト・アルバム

[text●i.akira]

Rammstein Live at Madison Square Garden
"Engel" - live from New York City/12-11-2010
By KinkESizemore (Own work) via Wikimedia Commons

ビールやソーセージ、自動車などで有名なドイツにおいて忘れてはいけない産業のひとつである“メタル”。ありとあらゆるへヴィなバンドが切磋琢磨しているこの国は、世界中のメタル・ファンを唸らせるレベルの高いメタル・バンドを多数輩出している。そしてそのなかでも最も成功を収めているのがRAMMSTEIN(ラムシュタイン)だ。日本での知名度は低い彼らだが、ほとんどドイツ語の歌詞であるにも関わらず、アメリカなど海外でも高い評価を集めており、トータル・セールスは1600万枚を超えるというモンスター・バンドである。そんな彼らが初となるベスト・アルバムをリリースした。その名も「Made In Germany」。なんとシンプルで堂々たるタイトルだろう。

インダストリアル・メタルを基盤としながら、空気が歪むほど重厚な鋼鉄音と機械音の渦に、囁くように呻くように吐き出されるティル・リンデマン(Vo.)の低音ヴォイスが絡まり、まるで宗教音楽のような荘厳さとパンドラの箱を開いてしまったような危険さを孕んだ独特なヘヴィネスとインテリジェンスとグロテスクが入り混じる強烈な世界観が、この1枚には凝縮されている。そして気づかされるのが、過去の楽曲がまるで古さを感じさせない点である。17年もの長き時間、自分たちの美学を一度も曲げることなく貫いてきた証だろう。あえて歴史順に並べるのではなく、作品として考えられた曲順になっている点もすばらしい。ラストにアッパーな新曲「Mein Land」を持ってくるあたりもさすがである。彼らを知らない人にとっては、うってつけのアルバムだ。また、日本盤にはこれまでのリミックス曲を集めたCDも付いており、グチャグチャに改造された彼らの楽曲を楽しむことができる。

本作を引っさげたワールド・ツアー中(2011年〜2012年)の彼ら、4月からはアメリカ、カナダ・ツアー(前回、7年ぶりとなった2010年のアメリカ公演では、なんとマジソン・スクエア・ガーデンがわずか30分でソールド・アウトしたとのこと!)もはじまり、ますますその存在感を世界中にアピールしている。ちなみに、聴覚のみならず視覚的にも徹底的なこだわりを見せる彼らの映像は必見である。火炎と火花が飛び交うサーカス団も真っ青のライブ・パフォーマンスや、タブーなしのエログロでマッチョな世界が充満したPVはいろんな意味で見逃せない。特に前述の新曲「Mein Land」のPVは、Beach Boysのような扮装のメンバーがビーチで美女と楽しく戯れているという非常に狂った内容になっているので、本作と合わせて堪能していほしい。

TOWER RECORDS ONLINE[RAMMSTEIN]
TOWER RECORDS ONLINE「Made in Germany 1995-2011」Special edition

メイド・イン・ジャーマニー1995-2011 スペシャル・エディション

Made in Germany 1995-2011
Special edition

  • RAMMSTEIN/ラムシュタイン
  • 日本コロムビア
  • 2011/12/14
  • CD+CD(日本盤)
■Track listing
[DISC 1]
01. Engel
02. Links 2 3 4
03. Keine Lust
04. Mein Teil
05. Du Hast
06. Du Riechst So Gut
07. Ich Will
08. Mein Herz Brennt
09. Mutter
10. Pussy
11. Rosenrot
12. Haifisch
13. Amerika
14. Sonne
15. Ohne Dich
16. Mein Land

[DISC 2]
01. Du riechst so gut '98/Remix by Faith No More(1998)
02. Du hast/Remix by Jacob Hellner(1997)
03. Stripped/Remix by Johann Edlund - Tiamat(1998)
04. Sonne/Remix by Clawfinger(2001)
05. Links 2 3 4/Remix by Westbam(2001)
06. Mutter/Remix by Sono(2002)
07. Feuer Frei!/Remix by Junkie XL(2002)
08. Mein Teil/Remix by Pet Shop Boys(2004)
09. Amerika/Remix by Olsen Involtini(2004)
10. Ohne Dich/Remix by Laibach(2005)
11. Keine Lust/Remix by Black Strobe(2005)
12. Benzin/Remix by Meshuggah(2005)
13. Rosenrot/Remix by Northern Lite(2005)
14. Pussy/Remix by Scooter(2010)
15. Rammlied/Remix by Devin Townsend(2010)
16. Ich tu dir weh/Remix by Fukkk Offf(2010)
17. Haifisch/Remix by Hurts(2010)




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Yellow Magic Orchestra「Techno Bible」 [●TECHNO/EDM]

CD-BOX 1992.08.21 release

そっと背中を押してくれる力を借りたくなるとき
この音が私を助けてくれる

[text●h.mariko]

坂本龍一。細野晴臣。高橋幸宏。
この3人の“すごさ”を知ったのは、いつのころだったろうか。自分の好きなアーティストがことごとく彼らの名を口にしたときだったり、メロディだけ知っていてかっこいいな、と思っていた曲が、彼らが1980年代初頭に作曲した曲だと知ったときだったり、とにかく、なんだか彼らはいつも何十歩も私の前にいて、気がつくとまた先にぐいぐい進んでいて、新しいプロジェクトや音楽を編み出している、そんな存在である。

2011年夏、フジロックへの参加。
その神聖なる(?)ステージに、私如きYMO初心者(?)が、果たして立ち会ってよいのかどうか、半ば本気で迷った。しかし好奇心とその場に居合わせる幸運をみすみす逃すほど私もうっかりさんではないのだ。しっかりと、YMO参戦をスケジュールに刻み込んだ。

7月31日、フジロックの最終日のグリーンステージに出演が決まったとき、これはもしや大トリを飾ってくれるのではなかろうかと期待を寄せたのだが、それは残念ながら叶わなかった。時間帯としては19時過ぎ。ここまできたらフジロック全部観て帰ろうぜ、という勢いになっている人ばかりが残っているイメージを持っていたが、いやはやそんなものではなかった。早めに陣取っていた私はあっという間に埋もれ、集まる人に何度もどつかれた。
陽はすっかり落ちたが、ステージには、誘蛾灯に群がる虫の如く人が続々と集う。期待に胸躍らせ、というよりも、“YMOってどんな?”といった好奇心を持ってる人のほうが多いような印象を勝手に持った。

ライヴは圧巻だった。MCをとらない人たちだというのはなんとなく知っていたが、曲の合間の深閑とした空気は、あれほどの人が集まっているのが信じられない程に静まり返っていたからだ。彼らの平均年齢が私の両親くらいとは決して思えない音の張り、ますます磨きのかかる深み。それにただ、のめり込む観客。アレンジもたくさん変えてあって、どこがどうだった、と専門的に語れるとカッコいいのだが、その空気に飲まれっぱなしだったひとりの観客だった私は、その場にいてその場の空気を体感できたことを光栄に思う。

あっという間のステージだった。2時間立ちっぱなしだったとは思えないくらい。鳴り止まない拍手に、3人とサポートギターの小山田圭吾は、手を高く掲げ、何度も深くお辞儀をし、去っていった。

いま「Techno Bible」を聴きながら反芻する。
「Mad Pierrot」でのじわじわとした盛り上がり。「Behind The Mask」の印象的なイントロ。「Firecracker」での、中国の民謡みたいなメロディ。「Lotus Love」での、どこまでも拡散していくような音。

ああ、何を思い出しても、夢のようだ。
が、あれが白昼夢でない証拠に、私の長靴は泥まみれになり、背筋を駆け抜けたなんともいえない感覚は昨日のことのように鮮やかに思い出せる。

奇跡的なその場所に立ち会えたことの幸せ、そして伝説ともいわれたYMOの生の音に触れることができたその幸せ。これを糧にして、また私は前を向くのだろう。
いや、そんなに積極的でなくてもいい、そっと背中を押してくれる力を借りたくなるとき、この音が私を助けてくれるのだろうな、と、改めて思ったのだ。

TOWER RECORDS ONLINE[Yellow Magic Orchestra]

tec314.jpg

Techno Bible/テクノ・バイブル

  • Yellow Magic Orchestra
  • アルファミュージック
  • 1992/08/21
  • CD-BOX
■Track listing
[DISC 1] The Early
01. Rydeen
02. Absolute Ego Dance
03. Mad Pierrot
04. Tong Poo
05. Behind the Mask
06. Nice Age
07. Citizens of Science
08. Technopolis
09. Tighten Up/Japanese Gentlemen Stand Up Please!
10. La Femme Chinoise
11. Insomnia
12. Simoon
13. Firecracker

[DISC 2] The Middle
01. Jiseiki-Hirake Kokoro
02. Cue
03. Key
04. Neue Tanz
05. Seoul Music
06. Camouflage
07. Rap Phenomena
08. Taiso
09. U.T
10. Light in Darkness
11. Music Plans
12. Mass
13. 1000 Knives
14. Pure Jam

[DISC 3] The Later
01. Wild Ambitions
02. Lotus Love
03. Ongaku
04. The Madmen
05. Kimi Ni Mune Kyun
06. See Through
07. Kai-Koh
08. Limbo
09. Shadows on the Ground
10. Chaos Panic
11. Kageki Na Shukujo
12. Perspective
13. You've Got to Help Yourself

[DISC 4] The Live
01. Propaganda
02. Tong Poo
03. Solid State Survivor
04. Ballet
05. Cosmic Surfin'
06. Rocket Factory
07. Day Tripper
08. Radio Junk
09. Zai Kung Tong Shonen
10. Behind the Mask
11. Technopolis
12. 1000 Knives
13. The End of Asia
14. Firecracker

[DISC 5] Remixes and Rare Tracks
01. Tong Poo The Orb Remix
02. Computer Games Mark Gamble Micro-Mix(IV)
03. Multiplies The Altern 8 Remix 12 Inch Version
04. Pure Jam The Sideways Remix
05. Rydeen The Graham Massey Remix Long Version
06. Neue Tanz The Something Wonderful Remix
07. Light in Darkness The 808 States Remix Ambient Replise
08. Tong Poo Special D.J. Copy 1978
09. Firecracker Special D.J. Copy 1978
10. Technopolis Single Mix Version 1979
11. Tighten Up A&M Mix 1980/The Jeff Ayetoff and John Beverly Jones Remix
12. The Madmen
13. Chinese Whispers
14. Shadows on the Ground
15. Perspective




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一青窈「Lesson」 [●POPS]

single 2012.01.25 release

デビュー10周年記念、10か月連続配信企画の第2弾
岡村靖幸全面参加による、軽快でちょっとエッチな春色ポップ

[text●i.akira]

一青窈が自らのデビュー10周年を記念して企画している10か月連続配信。第1弾は中島みゆきの「時代」のカバーだったが、第2弾はなんと岡村靖幸との意外な組み合わせが実現したイアンパクト大な新曲である。

寒さが増してきたこの季節から一足先に、ほんのちょっと春の香りを感じさせてくれるような軽快でポップなナンバーとなった本作は、作曲及びプロデュースを岡村靖幸、作詞を一青窈が行なっている。実に岡村テイスト溢れるメロディとギターに乗せて、一青窈による女性らしくも大胆かつ意味深でちょっとエッチな言葉が添えられている。それでいて、ナチュラルでリラックスした雰囲気の彼女の歌声が妙にマッチしており、なんとも心地良い曲に仕上がっている。また、岡村自身によるパンチのあるコーラスやスキャットも全面的に絡んでおり、ただのプロデュースではなく、どちらのファンも大満足の濃厚なコラボレーションとなっている。

一青窈は4月4日には昭和歌謡曲カバー・アルバムのリリースや、初夏にはオリジナル・アルバムの発売が決定しており、アニバーサリーにふさわしい充実したスケジュールが決定している。一方岡村靖幸はただいま全国ツアー“エチケット+(プラス)”の真っ最中であり、3月28日には昨年開催されたツアーの東京公演を収録した復活後初となる映像作品「エチケットLIVE2011」のリリースが決定している。どちらも2012年のシーンを大いに賑わせてくれることだろう。そのスタートを告げるようなこのナンバー、ぜひご賞味あれ。
※第3弾「パラソル哀歌」は2012.02.29配信

OFFICIAL WEB SITE→ http://www.hitotoyo.ne.jp/

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Lesson

  • 一青窈
  • 2012/01/25
  • 配信曲
Download "Lesson"
iTunes →「Lesson」
レコチョク →「Lesson」
Listen →「Lesson」






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恩田陸著「禁じられた楽園」 [●BOOK]

初版 2004.04.30 徳間書店刊

世界遺産・熊野の山中につくられた奇妙な野外美術館
そこは、得体の知れない恐怖に満ちていた・・・

[text●h.mariko]

“怖いもの見たさ”、という言葉がある。文字どおり、恐怖することを覚悟で、または承知で、覗き見ることである。“好奇心は猫をも殺す”などということわざもあるが、これは人間のような知能のある生き物でないとなかなか辿り着かない境地ではなかろうか。
怖い、恐怖という感情は下手をすると生存そのものに関わることすらある。それを避けて通るのが本能。が、その本能のどこかで恐怖を感じてみたいという「好奇心」を描く。人間とは奇妙な生き物である。

その恐怖を芸術に昇華させ、魅力を振りまく鳥山響一。彼の創る芸術作品は人の心を掴んで離さないが、どこかで嫌悪感を覚えさせるような作品であるという。が、美しいだけのものに魅力はない。ならば、それが真の美とでもいうべきか。
そのあらがえない負の力に引き寄せられるかのように、響一の“作品”に招待される捷と律子。ふたりの前には、熊野の自然の中に立ちはだかるように存在する“野外美術館”。それは立体迷路のようであり、絵なのに実際に立ち入ることができたり、不可思議ながらありえそうな、奇妙であり恐ろしげな体験そのものとなってふたりにのしかかる・・・。

この「野外美術館」がある熊野。熊野古道をはじめ、世界遺産に登録されたこの森林だが、私もほんの少し、ここを歩いたことがある。そのときに感じたのは、圧倒的な畏怖感であった。自然とはこんなにも濃厚な気配を持つのか、とも感じ、また常に誰かに見られているかのような空気が立ちこめる木立。日差しは深い森に閉ざされて足元は昼間でもほの暗い。そのような場所で、この主人公たちのように“作品”に迷い込んだら、自分は果たしてどうなるだろう? 正直、強い恐怖心が生まれた。が、それを感じてもみたい、そうも思った。

人なら誰でも持ったことがあるであろう“恐いもの見たさ”。その感情を突きつめ煮つめて煎じづめて、そうして出来上がったのがこの作品だろう。恩田女史の作品でよくあるような、強引に終結に飛ぶファンタジックな展開についていけない人もあろうかとは思うが、それも作者の持つ手腕ともいえよう。
ちなみに、まるで本の世界に引き込まれるかのような吸引力を持った作品なので、それを存分に味わいたい方は、夜中にコッソリと読むことをお勧めしたい。

禁じられた楽園

禁じられた楽園

  • 恩田陸著
  • 徳間書店
  • 2004/04/21
  • 単行本

禁じられた楽園 (徳間文庫)

禁じられた楽園

  • 恩田陸著
  • 徳間書店(徳間文庫)
  • 2007/03
  • 文庫

■Related articles
恩田陸著「まひるの月を追いかけて」
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Generation X「Generation X」 [●PUNK ROCK]

1st album 1978.03.17 release

かつてビリー・アイドルが率いた伝説のパンク・バンド
ロック・スピリット溢れるアンセムだらけのポップな名盤

[text●i.akira]

70年代後半のイギリスには本当に威勢の良いパンク・バンドがたくさん存在している。しかし歴史に残るべき功績を残しながらも、なぜかあまり語られることがないバンドもたくさんいる。今回紹介するGeneration X(ジェネレーションX )もそうしたバンドのひとつだろう。

80年代のポップ・アイコンのひとりであるビリー・アイドル(Vo.)が在籍したことでも知られるGeneration Xのファースト・アルバムとなる本作は、UKパンクのなかでも異色な作品である。ブリティッシュ・ポップやグラム・ロックなどからの影響を素直に受け入れ表現したサウンドは、反体制など政治色を全面に出していたSex Pistols(セックス・ピストルズ)やThe Clash(ザ・クラッシュ)とは違い、純粋にパンク・ロックという音楽のスリルやポップさが追求されており、パワー・ポップのような勢いが非常に痛快なアルバムだ。ソリッドでレベルの高い演奏力と、若者を煽動するような力強いビリーの歌声もたまらない。彼らの代表曲である「One Hundred Punks」や「Ready Steady Go」のようなストレートなパンク・ナンバーはもちろん、「Kiss Me Deadly」のような切ないロック・バラードもあるなど、充実のデビュー作である。

甘いルックスでも有名だった彼らは、良くも悪くもアイドル・バンドのような扱いを受けてしまい、そうした葛藤からバンドはわずか3枚のアルバムを残して解散してしまう。その後ビリーはアメリカにてソロ・アーティストとして成功を収め、バンドの中心人物だったトニー・ジェイムス(B.)はSigue Sigue Sputnik(ジグ・ジグ・スパトニック)などニュー・ウェーブなサウンドのバンドで活動するなど、今も現役である。そんな彼らの青春が詰まったこのアルバム、ぜひ手に取っていただきたい。

TOWER RECORDS ONLINE[Generation X]
TOWER RECORDS ONLINE「Generation X」期間生産限定盤

ジェネレーションX

Generation X

  • Generation/XジェネレーションX
  • EMIミュージック・ジャパン
  • 2006/10/11
  • CD
■Track listing
01. From the Heart/フロム・ザ・ハート
02. One Hundred Punks/100パンクス
03. Listen/リスン
04. Ready Steady Go/レディ・ステディ・ゴー
05. Kleenex/クリネックス
06. Promises Promises/プロミセス・プロミセス
07. Day by Day/デイ・バイ・デイ
08. The Invisible Man/透明人間
09. Kiss Me Deadly/キス・ミー・デッドリー
10. Too Personal/個人主義
11. Youth Youth Youth/ユース・ユース・ユース





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Perfume「JPN」 [●POPS]

4th album 2011.11.30 release

キレイでいたいし、恋もしたい
誰かを想っていたい、でも自分らしくいたい
欲張りな女性の想いをナチュラルに歌う3人の声は
なんとも深みがあってあたたかい

[text●o.ayumi]

暗闇のなかで光を求め、迷い、歩き、祈る。まるで鎮魂歌。
「The Opening」。
ヒットチャートを賑わした曲たちが、ひしめき合うように収録された本作で、
明かりのないこの曲が、“intro”でも“SE”でもなく、“Opening”と題され収録されたのは、世界進出を掲げ、新たな扉に手をかけたPerfumeの意気込みであり、『JPN』の名の通り、日本への敬意のように感じた。(※2012.03.06から海外海外iTunes Storeにて世界50か国へ配信開始)

約2年4か月ぶりのアルバムに収録された曲は、シングルを買わずとも聞き覚えのある“粋のいい”曲ばかり。Perfumeの功績を実感せずにはいられない。

なんて人間らしいのだろう。
最初から通して聞いて、終盤に向かうにつれそう思えた。

テクノ感を全面に出した「レーザービーム」や「GLITTER」は、アルバム・ミックスとして収録されよりグルーヴィーに、女性らしい淡い想いを綴った「ナチュラルに恋して」「不自然なガール」など、色をしっかりと持ち、交差する曖昧な想いが胸をキューンとくすぐる。

共通していえるのは、キレイでいたいし、恋もしたい、誰かを想っていたい、でも自分らしくいたい。欲張りな女性の想いが綴られていること。
バリバリのテクノ・サウンドを求めている人には、少々物足りないが、テクノの機械的な音色では届かない想いを、ナチュラルに歌う3人の声はなんとも深みがあってあたたかい。Perfumeが築いてきたテクノポップのベストが本作なのだ。

OFFICIAL WEB SITE→ http://www.perfume-web.jp/
perfume-global→ http://www.perfume-global.com/

TOWER RECORDS ONLINE[Perfume]
TOWER RECORDS ONLINE「JPN」CD+DVD

JPN(通常盤)

JPN
通常盤

  • Perfume
  • 徳間ジャパンコミュニケーションズ
  • 2011/11/30
  • CD

JPN(初回限定盤)(DVD付)

JPN
初回限定盤

  • Perfume
  • 徳間ジャパンコミュニケーションズ
  • 2011/11/30
  • CD+DVD
■Track listing
01. The Opening
02. レーザービーム/Album-mix
03. GLITTER/Album-mix
04. ナチュラルに恋して
05. MY COLOR
06. 時の針
07. ねぇ
08. 微かなカオリ
09. 575
10. VOICE
11. 心のスポーツ
12. Have a Stroll
13. 不自然なガール
14. スパイス

[DVD]初回限定盤
01. スパイス/Video Clip
02. ナチュラルに恋して/Video Clip
03. レーザービーム/Video Clip FULL Ver.
04. 微かなカオリ/Video Clip TV Ver.
05. 微かなカオリ/Video Clip
06. 不自然なガール/ナチュラルに恋して/TV SPOT
07. VOICE/TV SPOT
08. ねぇ/TV SPOT
09. レーザービーム/微かなカオリ/TV SPOT
10. スパイス/TV SPOT


Perfume 3rd Tour「JPN」
2012.01.14(土)兵庫・神戸ワールド記念ホール
2012.01.15(日)兵庫・神戸ワールド記念ホール
2012.01.28(土)埼玉・さいたまスーパーアリーナ
2012.01.29(日)埼玉・さいたまスーパーアリーナ
2012.02.04(土)新潟・朱鷺メッセ新潟コンベンションセンター
2012.02.11(土)福岡・福岡国際センター
2012.02.12(日)福岡・福岡国際センター
2012.02.29(水)愛知・名古屋日本ガイシホール
2012.03.01(木)愛知・名古屋日本ガイシホール
2012.03.24(土)静岡・静岡エコパアリーナ
2012.03.27(火)大阪・大阪城ホール
2012.03.28(水)大阪・大阪城ホール
2012.03.31(土)広島・広島グリーンアリーナ
2012.04.01(日)広島・広島グリーンアリーナ
2012.04.07(土)愛媛・愛媛県武道館
2012.04.14(土)宮城・宮城セキスイハイムスーパーアリーナ
2012.04.21(土)北海道・真駒内セキスイハイムアイスアリーナ
2012.05.08(火)東京・日本武道館
2012.05.09(水)東京・日本武道館
2012.05.11(金)東京・日本武道館
2012.05.12(土)東京・日本武道館
2012.05.26(土)沖縄・宜野湾海浜公園屋外劇場


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BAGNAG「BAGNAG」 [●HARDCORE]

1st album 2011.12.17 release

北海道は稚内の雄、BAGNAGによる1stアルバム
悲劇を乗り越え仲間とともに完成させた

[text●i.akira]

2004年に北海道の最北端に位置する稚内にて結成されたハードコア・バンドによる満を持してのファースト・アルバム。
残念なことに、バンドは本作の制作中だった2011年7月17日にボーカリストのMTM氏が不慮の事故により亡くなるという悲劇に見舞われている。本来ならば再起不能になるほどのダメージを負いながら、その痛みを乗り越え、MTM氏の残した音楽とメッセージを形にすべく、確固たる意志で再び立ち上がり完成させた本作は、まさにハードコアな生き様だったMTMの魂が宿った強烈なアルバムである。ドラマティックに緩急を使いわけた攻撃的なニューヨーク・ハードコア・サウンドを展開としながら、日本語による強靭なメッセージが怒りと悲しみを込めて叫ばれるさまは、ファースト・アルバムとは思えないほどの破壊力がある。さらに残されたメンバーを支えるべく、YUKIGUNI、YAN(PITTRISK)、YOSHIKI(FIVE VERS)、TATSULOW(FROM ONE STEP)、そして北海道ハードコアの重鎮KO(SLANG)など、北の大地のみならずハードコア界が一目置くメンツが一堂に会している点も注目である。

7曲でわずか20分であるが、現在のハードコア・シーンの分厚さを堪能することができる傑作である。MTM氏に哀悼の意を表しつつ、本作より始まるBAGNAGの偉大なる一歩と前途を祝福したい。

OFFICIAL WEB SITE→ http://ip.tosp.co.jp/i.asp?i=BAGNAG

TOWER RECORDS ONLINE[BAGNAG/バグナグ]
TOWER RECORDS ONLINE「BAGNAG」

1217.jpg

BAGNAG

  • BAGNAG
  • HEART BEAT CAFE RECORDS
  • 2012/02/22
  • CD
■Track listing
01. 撫子ノ華/feat. MAMORU(YUKIGUNI)
02. HARDCORE STILL ALIVE/feat. YAN(PITTRISK) IAN(YUKIGUNI)
03. 死シテ後已ム/feat. YOSHIKI(FIVE VERSE)
04. KAMIKAZE -桜花-/feat. TATSULOW(FROM ONE STEP)
05. 回天
06. 鬼神、之ヲ避ク
07. CHAOS/feat. vox,KO(SLANG) guitar solo, KENTA(YUKIGUNI)





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奥田英朗著「イン・ザ・プール」 [●BOOK]

初版 2002.05.15 文芸春秋刊
三木聡脚本・監督で映画化 2005年5月公開

こんなにも疲れた世界を生きている人々
気がつけば、そんな彼らに共感しているということは
やはり同じく疲れた現実世界を漂っているからか

[text●h.mariko]

2005年に映像化もされているので、すっかり有名になった感のある本作。
真っ青な水の中で、赤ちゃんが無邪気に泳いでいるかのように見える表紙絵とこのタイトル、それをふまえて内容を考えると、なんだかとっても意地悪でもある。

変態医師(?)の伊良部氏の元を訪れる精神病患者たちのようすを綴った短編集。が、これが妙に生々しい。つくりごとの短編、というよりも、珍治療記のようである。その“珍”がミソ。
それぞれの編に登場するさまざまな悩みを抱える患者(主人公)たち。
水泳したくてしょうがなくて、深夜プールに忍び込むまでになった水泳強迫症(?)、常に誰かと話して、メールしていないと気が済まない、ケータイ恐怖症(??)、性欲がムンムンギラギラしてるわけでもないのに勃起が収まらない勃起継続症(???)など、とにかく「そんなのってあり?」と思うほど滅茶苦茶な設定。
それに輪をかけて滅茶苦茶なキャラクターの伊良部医師。彼は治療を施すというよりも、患者たちにつきまとったり、嫌みな行動をしたりと、彼らの心理を逆撫でする行為を繰り返す。それから逃れようとあがいているうち、主人公たちは自分の抱える問題(?)に気がつき、いつのまにか治療は終了している、というわけだ。
伊良部医師の治療方法は一見すると滅茶苦茶なのだが、患者たちの行為をエスカレートさせることで、患者自身はその異常さに気がつくという、しごく真っ当な行為に思えるから不思議。読み終わるこおろには、最初の猜疑心はすっかり晴れ、「この医師なら意外と信用できるかも」なんてとんでもないことを考えていたりする・・・。

仕事に追われて自分を見失う人。携帯を家に忘れただけでパニックを起こす人。他人を怒れず、ストレスを溜め込む人。自意識過剰が過ぎて、何につけても過剰になっている人・・・。現代病=心の病、などと簡単にいわれるようになった昨今、こんなに疲れた世界を生きている人が多く、それに共感できるのは同じく疲れた世界を漂っているからなのではないか。
それは、もしかしたら自分自身かもしれないし、ごく身近な人かもしれない。滑稽に写る患者たち、そして伊良部医師の姿も、もしかしたら明日の自分の姿かもしれない、と思うと素直に笑えないところも。いやいや、いまのうち、素直に笑えるうちに、思いっきり腹を抱えて笑っていただきたい。
直木賞受賞作品の「空中ブランコ」、そして「町長選挙」とつづく精神科医・伊良部一郎シリーズの第1巻。

イン・ザ・プール

イン・ザ・プール

  • 奥田英朗著
  • 文藝春秋
  • 2002/05
  • 単行本

イン・ザ・プール (文春文庫)

イン・ザ・プール

  • 奥田英朗著
  • 文藝春秋(文春文庫)
  • 2006/03/10
  • 文庫

イン・ザ・プール [DVD]

イン・ザ・プール

  • ポニーキャニオン
  • DVD

イン・ザ・プール [DVD]

イン・ザ・プール

  • ポニーキャニオン
  • DVD
■cast 
松尾スズキ(伊良部一郎)
オダギリジョー(田口哲也)
田辺誠一(大森和雄)
市川実和子(岩村涼美)
MAIKO(マユミちゃん)
森本レオ(佐俣教授)
岩松了(前西室長)
ふせえり(編集長)
きたろう(吉沢部長)
三谷昇(姫乃木医師)
ほか


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Dead Kennedys「Fresh Fruit For Rotting Vegetable」 [●ROCK]

1st album 1980.09 release

世界中に衝撃を与えたジェロ・ビアフラのアジテーション
強烈なバンド名と徹底的な反体制が貫かれたUSAパンクの最高傑作

[text●i.akira]

Dead Kennedys(デッド・ケネディーズ)。いったい世界のどこにそんな名前を名乗るバンドがいるだろう。まあ、日本にもThe Stalin(スターリン)と名乗ったバンドはいたが、それに匹敵するほどの過激でショッキングなバンド名である。しかし、その音はさらに衝撃的だ。特に彼らのデビュー・アルバム「Fresh Fruit For Rotting Vegetable」は僕にとって星の数ほど存在するパンク・アルバムのなかでもトップに立つ作品だ。

「暗殺」なんて安直な邦題でも知られる本作だが、その内容は非常に濃い。なんといっても主役はジェロ・ビアフラ(Vo.)の声と歌詞だろう。政冶や上層社会に対する怒りや皮肉を徹底的に詰め込んだ言葉を、ジョニー・ロットン以上に世の中を舐めきったような個性的な歌声でこれでもかとばかりにまくし立て、聴くものを圧倒し、惹きつける彼の存在感はとてつもない。格差社会を批判するメッセージを逆説的に込めた「Kill The Poor」や、自らの生まれ故郷カルフォルニアに叩きつける「California Uber Alles」、当時のアメリカとカンボジアの立場を歌った「Holiday In Cambodia」などの代表曲のほか、タイトルからして物騒な「Let's Lynch The Landlord」、「Drug Me」、「Chemical Warfare」、「I Kill Children」など、どこを切ってもハードコア・パンク精神あふれる闘争本能まみれの挑発的な楽曲ばかりである。エルビス・プレスリーのナンバーとして有名な「Viva Las Vegas」の陽気なカバーをラスト・ナンバーにするあたりからも、挑発的で狂気じみている。
また、パンク・バンドらしからぬ高い演奏力もこのバンドの特徴で、非常に荒々しくはあるが、恐ろしいほどのアレンジ力とセンスに満ちており、メロディを排除したハードコア・パンクとは一線を画し、彼らは異様なほどキャッチーだったことも魅力だろう。なかでもイースト・ベイ・レイ(G.)のギターは凄まじい。メロディアスでありながらカミソリのようなノイジーなリフは絶対に誰にもマネできないだろうし、Dead Kennedysの世界に恐ろしいくらいフィットしている。
上記のようにすべてにおいて個性的だった彼らはパンク・バンドのみならずメタル・バンドにも多大な影響を与えており(SYSTEM OF A DOWN/システム・オブ・ア・ダウンがその影響下にあることを公言していたり、SEPULTURA/セパルトゥラはライブでビアフラと何度もコラボレーションするなどしている)、すでに30年以上の時間が経過しても賛否両論をまき散らしている名盤である。

ちなみにバンドは一度解散しており、2001年に再結成しているがジェロ・ビアフラは不参加を断言している(ビアフラとそれ以外のメンバーの間で権利やロイヤリティの問題で大揉めしたことが原因らしい)。少し悲しい結末ではあるが、今もビアフラは自身のバンドJello Biafra and the Guantanamo School of Medicine(ジェロ・ビアフラ・アンド・ザ・グアンタナモ・スクール・オブ・メディシン)やレーベル“ALTERNATIVE TANTACLES”の代表として、世界を激しくアジテートしている。このころと変わらぬ熱量を持って。

TOWER RECORDS ONLINE[Dead Kennedys]
TOWER RECORDS ONLINE「Fresh Fruit For Rotting Vegetable」紙ジャケット仕様盤

Fresh Fruit for Rotting Vegetables

Fresh Fruit for Rotting Vegetables

  • Dead Kennedys
  • Manifesto Records
  • 2005/09/13
  • CD
■Track listing
01. Kill the Poor
02. Forward to Death
03. When Ya Get Drafted
04. Let's Lynch the Landlord
05. Drug Me
06. Your Emotions
07. Chemical Warfare
08. California Uber Alles
09. I Kill Children
10. Stealing People's Mail
11. Funland at the Beach
12. I'll in the Head
13. Holiday in Cambodia
14. Viva Las Vegas




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Thelonious Monk「Thelonious Alone in San Francisco」 [●JAZZ]

2nd solo album, released in 1959
recorded live at Fugazi Hall, San Francisco, CA on October 21 and 22, 1959

モンクの前にモンクなし、モンクのあとにも、モンクなし
ヘンテコなミュージシャンは、その人自体が、ジャンルになる

[text●k.ryo]

ジャズに分類される・・・
ソロ・ピアノ・アルバム(Live)

モンクは、まぁ
なにを聞いても、
書きたいことが溢れてくるけど、

よくも悪くも感想が似てしまう。
「たどたどしいピアノ
下手っぴのような安定しないリズム感」

そんな長所でもあり、
短所にもなりえる個性は、
好き嫌いがわかれるだろう。
でも一度ハマると、
「ほかにこんなミュージシャンいない!」と
思ってしまう。

モンクの自作曲は、覚えやすい曲が多いので、
テーマ(ロックやポップスでいうサビ)は、
すぐ耳につくけど、
アドリブになると、まるで
ゆっくり作曲しながら、弾いているよう。
そのスラスラながれるようなメロディーと
デコボコしたリズム感が、
自然と融合すると、
自分がどんなジャンルを聞いてるのか、
わからなくなり、不可思議な感覚になる。

まぁ、そもそもジャンル分けしながら、
聞くというのも、変な話だけど、
ほとんどの音楽は、
二つから三つくらいのジャンルで
いい当てられるもんだけど、

「これは、jazzか?」とjazzに興味のない人に、
アンケートしたくなる。


聞きたい音楽がないときに、聞くと、
毎回新鮮な気持ちになる。

モンクの前にモンクなし、
モンクのあとにも、モンクなし。

ヘンテコなミュージシャンは、
その人自体が、ジャンルになる。

TOWER RECORDS ONLINE[Thelonious Monk/セロニアス・モンク]
TOWER RECORDS ONLINE「Thelonious Alone in San Francisco」

アローン・イン・サンフランシスコ+1

Thelonious Alone in San Francisco
アローン・イン・サンフランシスコ+1

  • Thelonious Monk/セロニアス・モンク
  • ユニバーサル ミュージック クラシック
  • 2009/03/18
  • CD(国内)
■Track listing
01. Blue Monk/ブルー・モンク
02. Ruby, My Dear/ルビー、マイ・ディア
03. Round Lights/ラウンド・ライツ
04. Everything Happens to Me/エヴリシング・ハプンズ・トゥ・ミー
05. You Took the Words Right Out of My Heart/君は奪いぬわが心を
06. Bluehawk/ブルーホーク
07. Pannonica/パノニカ
08. Remember/リメンバー
09. There's Danger in Your Eyes, Cherie/あなたの眼がこわいの(take2)
10. Reflections/リフレクションズ
11. There's Danger in Your Eyes, Cherie/あなたの眼がこわいの(take1)


Thelonious Alone In San Francisco

Thelonious Alone In San Francisco

  • Thelonious Monk
  • Fantasy /OJC
  • 2011/06/09
  • CD(輸入)
■Track listing
01. Blue Monk
02. Ruby, My Dear
03. Round Lights
04. Everything Happens to Me
05. You Took the Words Right Out of My Heart
06. Bluehawk
07. Pannonica
08. Remember
09. There's Danger in Your Eyes, Cherie (take 2)
10. Reflections
11. There's Danger in Your Eyes, Cherie (take 1)



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Underworld「Barking」 [●TECHNO/EDM]

6th studio album 2010.09.02 release(J)

彼らほど支持され続け、人々を沸かせ
踊らせる音楽をつくり出してくれるエレクトリック・グループを
私はほかに知らない

[text●h.mariko]

ダンスサウンドの雄。テクノ界の大御所。世界の牽引車。
彼らを讃える言葉はいくらでも出てくる。
が、音を言葉で表現しようと思うと、途端に詰まる。
体感していただかないことには、
やっぱりこれは伝わらないと思ってしまうのだ。
文章から何かを感じ取ることが得意な私としては、
些か不満というか、悔しい思いがあるのだが、
音楽を言葉で語るには限界がある。
やはりライヴで体感するのがいちばんだと思うのだ。
悪く言うと、手っ取り早いというか。
一見は百聞に如かずというヤツだ。

テクノ(エレクトロニック・ダンスミュージック)という枠で見ても
広義のダンス・ミュージックという枠で見ても、
彼らほど支持され続け、人々を沸かせ、
踊らせる音楽をつくり出してくれる人たちを、
私はほかに知らない。

前作「Oblivion With Bells」では
「Born Slippy」や「Rez」などに聴かれるような
アッパーなダンスサウンドはなりを潜め、
何か抑圧的で閉塞的なイメージさえ覚えた。
リズムは健在なのだが、どこか暗い。密やかな、
聴いていても気持ちが下を向くような、
そんな音というイメージを持った。

それから2年。我々の元に届いたこのアルバム「Barking」は、
その抑圧感を思いっきりはじき飛ばすような軽快さ、
そして身体も心も弾むようなガンガン突き上げるようなリズムが
これでもかといわんばかりに展開されていた。

そうして、このアルバムを引っさげての、
“ソニックマニア(2011.08.12/幕張メッセ)”でのライヴは
圧巻であった。

そもそも、このソニックマニアに来ていた人の殆どが
集っていたのではないかと思うほどステージには人が犇めき、
ちょっと足を動かしただけでも
隣りの人とぶつかってしまいそうな具合。
それでも関係なく、それぞれが心地よさそうに
リズムに身体をゆだねる姿は見ていても聴いていても心地よい。
そうだ、私もこの瞬間を待ちわびていたのだと感じ入る。

「Barking」からの「Bird1」「Always Loved A Film」では
爆発的な歓声が起り、
王道ともいうべき「Born Slippy」「Tow Mouth Off」では
諸手を挙げる人々の笑顔が弾ける。
これでもかというほどに聴かせてくれる「scribble」では
ヴォーカルをとるカール・ハイドの笑顔も眩しい。

音楽は個人的な体験であると思う。ライヴは特に。
好きな音を好きなように楽しみ、好きなように噛み締め、
好きなように泣けばよい。
その“個人的”を圧倒的に“大衆的”に変えてくれるのが
Underworld(アンダーワールド)の持つ力ではなかろうか。
その場にいるだけで身体はいつの間にかリズムを刻み、
足は踊りはじめ、心地よいリズムにハッピーが訪れる。
いつの間にか、溢れかえる笑顔、笑顔、ハイタッチ。
知らない人同士が周りで歓声を上げ踊り、
そして満足げな笑顔を作るさまを見ているのは心地よい体験だ。
そして、そこにあるのは個人というよりも全体、
一体になった個人とでもいうか、
やっぱり大衆に化けた個人であると思う。

この感覚は、やっぱり一度体験してもらわないと、
理解してもらえないかもしれない。
ロンドン・オリンピック開会式(2012.07.27)の
音楽監督に就任した彼らの活躍も楽しみだが、
次の来日が気になるところ。また、あの巨大なダンスフロアで、
足腰が痛くなろうとも踊り狂いたいと思って止まない。

OFFICIAL WEB SITE(J)→ http://trafficjpn.com/underworld/
OFFICIAL WEB SITE(W)→ http://www.underworldlive.com/

TOWER RECORDS ONLINE[Underworld/アンダーワールド]
TOWER RECORDS ONLINE「Barking」CD+DVD

Barking [デラックス・エディション (CD+DVD) / ボーナストラック・日本語解説付き国内盤] (PCDT-21/22)

Barking

  • Underworld
  • P-VINE / Traffic
  • 2010/09/02
  • CD+DVD
■Track listing
[CD]
01. Bird 1
02. Always Loved A Film
03. Scribble
04. Hamburg Hotel
05. Grace
06. Between Stars
07. Diamond Jigsaw
08. Moon In Water
09. Louisiana
10. Simple Peal(日本盤ボーナストラック)
[DVD]
01. Bird 1
02. Always Loved A Film
03. Scribble
04. Hamburg Hotel
05. Grace
06. Between Stars
07. Diamond Jigsaw
08. Moon In Water
09. Louisiana







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DEAD END「夢鬼歌」 [●ROCK]

single 2012.01.11 release

3か月連続リリースのラストを飾る
美しき狂気の歌

[text●i.akira]

なんという深淵な世界だろう。改めて、DEAD ENDというバンドの懐の深さを思い知らされてしまう。「Conception」、「Final Feast」と続いた3か月連続リリースのラストであり、人類3大タブーのひとつである“殺人”をテーマとしているこの「夢鬼歌」(ゆめおにうた)は、ほかの2枚とは明らかに違う、しかし彼らの魅力が存分に詰まった壮大なナンバーである。

狂気と幻想を孕んだような奇妙な名前のタイトル曲は、攻撃的で重厚だった前の2枚に比べ、比較的ポップに仕上がっている。シャウトや抑揚をあえて押さえたMorrie(Vo.)による悪魔の囁きのような歌声が、ドラマティックに移り変わっていく展開と重なり、この世のものではないような別世界へと誘ってくれる。どこかおどろおどろしさのある曲がDEAD ENDには多いが、この曲はそのなかにも光や温かみを感じさせてくれるのもおもしろい。また、カップリングにはMorrieのファルセットとヘヴィなギター・リフが暴れ回る刺々しいミドル・ナンバー「地獄の季節」が収録されている。

ちなみに初回限定盤に収録されているPVには、数多くのプロモーション・ビデオや舞台で活躍しているダンサーの康本雅子氏が参加している。激しくも妖艶な舞いがサウンドとリンクし、曲のイメージをさらに広げてくれるものになっている。また、「Conception」のPVに冒頭で流れていた砂時計が、本PVのラストに映るのも意味深である。

3部作が終了したのも束の間、ついに2年半ぶりとなるニュー・アルバム「Dream Demon Analyzer」のリリースが3月7日に決定し、待望の全国ワンマン・ツアー“DEAD END tour 2012 Dream Demon Analyzer~夢鬼解析装置~”が3月10日よりスタートする。そこで彼らが我々に見せる夢は、いったいどんなものか。

OFFICIAL WEB SITE→ http://dead-end.jp/

TOWER RECORDS ONLINE[DEAD END/デッド・エンド]
TOWER RECORDS ONLINE「夢鬼歌」CD+DVD

夢鬼歌(DVD付)

夢鬼歌

  • DEAD END
  • avex trax
  • 2012/01/11
  • CD+DVD
■Track listing
01.夢鬼歌
02.地獄の季節
[DVD]
01.夢鬼歌/MUSIC CLIP


Final Feast(DVD付)

Final Feast

  • DEAD END
  • motorod
  • 2011/12/14
  • CD+DVD
■Track listing
01. Final Feast
02. Blackout
[DVD]
01. Final Feast/MUSIC CLIP


Conception(DVD付)

Conception

  • DEAD END
  • motorod
  • 2011/11/09
  • CD+DVD
■Track listing
[CD]
01. Conception
02. Kiss Me
[DVD]
01. Conception/MUSIC CLIP


DEAD END tour 2012
Dream Demon Analyzer~夢鬼解析装置~

2012.03.10(土)埼玉・HEAVEN'S ROCK さいたま新都心
2012.03.11(日)千葉・千葉LOOK
2012.03.18(日)宮城・仙台 CLUB JUNK BOX
2012.03.23(金)北海道・札幌 COLONY
2012.03.31(土)新潟・新潟CLUB RIVERST
2012.04.07(土)神奈川・横浜 7th AVENUE
2012.04.13(金)愛知・名古屋 Electric Lady Land
2012.04.20(金)兵庫・神戸チキンジョージ
2012.04.21(土)大阪・梅田 am HALL
2012.04.23(月)京都・京都 VOXhall
2012.04.28(土)広島・広島ナミキジャンクション
2012.04.30(月)福岡・福岡 DRUM Be-1
2012.05.02(水)東京・赤坂BLITZ


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DEAD END「Final Feast」 [●ROCK]

single 2011.12.14 release

「Conception」に続く3か月連続リリース第2弾
重厚に鳴り響く禁断の“最後の晩餐”

[text●i.akira]

バンド史上初となる3か月連続シングル・リリースの第2弾となる本作は、前作「Conception」のレビュー(DEAD END「Conception」)にも書いたとおり “人類3大タブー”のひとつである “食人”をテーマとしている。
“最後の晩餐”という意味を持つ意味深なタイトルにもニヤリとさせられるが、サウンドも非常に彼ららしく、ひたすらに重々しいミドル・ナンバーである。さらに内包する狂気はいつにも増して強烈であり、You(G.)のドラマティックなギター・ソロも含め、シンプルながらも抜群の攻撃性と中毒性のある楽曲に仕上がっている。
また、「Conception」では“おまえはおまえを生きねばならない”という自分が自分でしかないという宿命を歌っていたMorrie(Vo.)が、本作では“おまえはおれになる”という奇妙な悦びを歌っているのも興味深い。
さらにカップリングに収録されている「Blackout」も今までにないようなソリッドな楽曲で、変拍子を織り交ぜたスリリングなリフと予測不能の展開がクセになる。新境地でありつつも、非常にDEAD ENDらしい絶対無二の2曲となっている。

「Final Feast」のPVには自らの強靭な肉体を振り回すMORRIEの姿があった。いい意味で、こんなシングルをメジャーからリリースしているバンドはまちがいなく彼らだけだろう。

OFFICIAL WEB SITE→ http://dead-end.jp/

TOWER RECORDS ONLINE[DEAD END/デッド・エンド]
TOWER RECORDS ONLINE「Final Feast」CD+DVD

Final Feast

Final Feast

  • DEAD END
  • motorod
  • 2011/12/14
  • CD

Final Feast(DVD付)

Final Feast

  • DEAD END
  • motorod
  • 2011/12/14
  • CD+DVD
■Track listing
[CD]
01. Final Feast
02. Blackout
[DVD]
01. Final Feast/MUSIC CLIP


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加門七海著「環蛇銭」 [●BOOK]

初版 2002.05.25 講談社刊

ホラーとも幻想とも取れるテーマでありながら
背に張りつくような恐怖感と緊張感を持ち続ける文章は
あっという間に読者を飲み込み
まさに蛇のように丸呑みにされてしまう

[text●h.mariko]

いきなり、読後感から入らせていただく。煙に巻かれたような、狐に摘まれたような感覚である。
すっきり終わってはいるのだが、主人公の身がどうなったのかとか、物語としての収斂がずばっと書き記されていないので、以降を自分の想像力で補え、と突き放されたような気持ちになる。それが、煙に巻かれたような、ということなのである。

寺の息子である荒井修は、自身の父を嫌い、そして家を出るが失業。生きることすら忘れたころ、死んだはずの幼なじみ、裕一の名を騙るホームレスが現われる。
そのホームレス(裕一)曰く。
椿神社という場所で発掘に立ち会ったら、女の幽霊を目撃し、何かに噛まれた感覚に襲われたあと、自分の身体を乗っ取られた、と。
にわかに信じられる話ではないと思いながらも、修は裕一(ホームレス)に導かれるまま、半信半疑で椿神社から見つかったという古銭の意味を探し求める。

“八百比丘尼(やおびくに)や白比丘尼、海尊と清悦の不老不死伝説、人魚の肉、二匹の蛇が頭と尾を噛み合ったマーク=ウロボロスの蛇、曼荼羅の世界”と、物語は多岐に広がり、化け物(といっていいのだろうか?)と対決することとなる修の運命やいかに、というところまでついていくのがやっと。
ホラーとも幻想とも取れるテーマでありながら、背に張りつくような恐怖感と緊張感を持ち続ける文章はあっという間に読者を飲み込み、まさに蛇のように丸呑みにされてしまう。腹の中でこなされながら、物語を咀嚼しているうちに唐突に現実に放り出される、即ち物語の終息。

現実的なものの見方をする人には、入りづらいテーマかもしれない。が、人の究極の願いであり続ける「不老不死」に肉薄し、ファンタジックともとれる趣向で取りまとめた本作はまこと興味深い作品ではなかろうか。

環蛇銭

環蛇銭(カンジャセン)

  • 加門七海著
  • 講談社
  • 2002/05
  • 単行本



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