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どうぞココで、いろんな好きと出合ってくれたなら
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Patrick Stump「SOUL PUNK」 [●ROCK]

1st album 2011.10.18(2011.10.19/日本盤) release

パンク・スピリッツを内包した究極のダンス・ロック
新たなるキング・オブ・ポップを予感させる快作

[text●i.akira]

なんとダンサブル。なんとメロディアス。待ちに待ったパトリック・スタンプのソロ・アルバム「SOUL PUNK」は、FALL OUT BOY時代から洗練されていたすばらしいソング・ライティング・センスと、パンク・スピリットに裏打ちされた徹底的なD.I.Y精神で貫かれた究極のダンス・ロック・アルバムである。

バンドからひとりのミュージシャンになり、自分自身とひたすら向かい合うことで完成した本作は、彼の人生そのものを描いたような自伝的な内容である。たとえば先行シングル曲である「This City」では彼が生まれ育ったシカゴの風景を愛情と皮肉たっぷりに歌っていたり(同じくシカゴ出身のラッパーであるLupe Fiascoを迎えたバージョンも収録されている)、いろいろある人生をもっと気楽に生きようというポジティブなメッセージの「Coast(It's Gonna Get Better)」、酒の失敗談を綴った「Run Dry(X Heart X Fingers)」など、ロック・スターの輝かしい日々ではなく、誰しもが過ごしたことのあるありふれた日常がここには描かれている。音楽的には純粋なロックとは一線を画した非常にダンサブルでカラフルな打ち込み主体のトラックが多いが、彼が得意とするあの強烈に爽快なメロディは健在であり、どの曲もキラー・チューンとなっている。
また、以前の記事(Patrick Stump「Truant Wave」)にも触れたが、本作も作詞・作曲のみならず、すべてのインストゥルメンタルを彼ひとりで演奏している。そのほとんどが独学であるというのだから驚きだ。

このアルバムを聴いていると、どうしてもマイケル・ジャクソンやプリンスが浮かんでしまう。ジャンルも表現方法も違えど、このアルバムも数多くの人を魅了する “キング・オブ・ポップ”と呼ぶにふさわしい快作であることには間違いない。とにかく彼を知っている人にも知らない人にも聴いてほしい、いや、愛してほしい作品である。

OFFICIAL WEB SITE→ http://www.patrickstump.com/

TOWER RECORDS ONLINE[Patrick Stump]
TOWER RECORDS ONLINE「SOUL PUNK」Deluxe Edition

Soul Punk: Deluxe

Soul Punk
Deluxe Edition

  • Patrick Stump
  • Mercury
  • 2011/10/25
  • CD
■Track listing
01. Explode/エクスプロード
02. This City/ディス・シティ
03. Dance Miserable/ダンス・ミゼラブル
04. Spotlight(New Regrets)/スポットライト(ニュー・リグレッツ)
05. The "I" In Lie/ジ・アイ・イン・ライ
06. Run Dry(X Heart X Fingers)/ラン・ドライ(クロス・ハート・クロス・フィンガーズ)
07. Greed/グリード
08. Everybody Wants Somebody/ エヴリバディ・ウォンツ・サムバディ
09. Allie/アリー
10. Coast(It's Gonna Get Better)/コースト(イッツ・ゴナ・ゲット・ベター)
11. This City(feat. Lupe Fiasco)/ディス・シティ feat.ルーペ・フィアスコ
12. Bad Side of 25/バッド・サイド・オブ 25
13. People Never Done a Good Thing/ピープル・ネヴァー・ダン・ア・グッド・シング
14. When I Made You Cry/ホエン・アイ・メイド・ユー・クライ
15. Mad At Nothing/マッド・アット・ナッシング
16. Saturday Night Again(Bonus Track)/サタデイ・ナイト・アゲイン(ボーナス・トラック)


Soul Punk

Soul Punk

  • Patrick Stump
  • Island
  • 2011/10/18
  • CD
■Track listing
01. Explode/エクスプロード
02. This City/ディス・シティ
03. Dance Miserable/ダンス・ミゼラブル
04. Spotlight(New Regrets)/スポットライト(ニュー・リグレッツ)
05. The "I" In Lie/ジ・アイ・イン・ライ
06. Run Dry(X Heart X Fingers)/ラン・ドライ(クロス・ハート・クロス・フィンガーズ)
07. Greed/グリード
08. Everybody Wants Somebody/ エヴリバディ・ウォンツ・サムバディ
09. Allie/アリー
10. Coast(It's Gonna Get Better)/コースト(イッツ・ゴナ・ゲット・ベター)
11. This City(feat. Lupe Fiasco)/ディス・シティ feat.ルーペ・フィアスコ


Related articles→Patrick Stump「Truant Wave」


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竹本健治著「クレシェンド」 [●BOOK]

初版 2003.01.31 角川書店刊

恐怖の根源にヒタヒタと迫るホラー小説
文学に数学を持ち込んだような、不思議な感覚
漢字をビジュアル的に使う技法に舌を巻く

[text●h.mariko]

私は昔、「これって幻覚?!」というものを目撃したことがある。幻覚を目撃というのは日本語としておかしいのかもしれないが、目撃、というに相応しいショッキングな出来事であったのだ。昼間に突然、目の前にキラキラとした星が輝きはじめ、私の視線の上には必ず星が瞬いたのだ。それはまるで流星群のような美しさであった。呆然とした私は、数秒後に貧血を起こした。
・・・ネタを明かせば、ただの貧血前の「星が飛ぶ」状態を初めて体験して、ビックリしただけなのだが。

人に見えていないものがどうやら自分だけに見えている、というのは、なかなか驚くべき体験である。この物語も、幻聴や幻覚をベースとした、謎が謎を呼ぶストーリー。

地下道を歩いているとき、激しい幻覚に襲われる主人公。それはまるで百鬼夜行とでもいうべき、“今この場にはありえない”ものを見てしまう。その頻度は増していき、彼の神経は疲弊する。そして、その謎を追ううちに、幻覚と現世が混ざり合い、さらに謎を生む展開となっていく。イザナギ、イザナミの伝説をベースとして進むが、そのうちに伝説から離れて主人公を翻弄し、さらに幻を見せるようになる。

恐怖の根源にヒタヒタと迫るホラー小説。この物語のオチは、好き嫌いがハッキリ分かれるのではないか、と思う。文学に数学を持ち込んだような、不思議な感覚があり、その不協和音が生んだのが幻覚であるような気がしてきた。しかし、漢字をビジュアル的に使う技法(?)には舌を巻いた。こういう人が新しい世界を想像していくのだと思うと、妙に腑に落ちた。
函入り単行本、表紙装丁は横尾忠則。

クレシェンド

クレシェンド

  • 竹本健治著
  • 角川書店
  • 2003/02
  • 単行本


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KORN「UNTOUCHABLES」 [●NU METAL]

5th album 2002.06.11(2002.6.19/日本盤)release

KORNの5thアルバムにして、史上最大の問題作
音楽集団として高い完成度を誇るへヴィネス

[text●i.akira]

ケーブル・テレビのチャンネルを回していたら、最近のKORN(コーン)のライブ映像を観る機会があった。キーボードが導入されていたり、布陣やスタイルはかなり変わってしまったが、堂々たるパフォーマンスとオール・タイム・ベストのようなセット・リストに、観客に負けないほど僕も熱狂してしまった。そして「Here To Stay」が流れたときに思わず声を上げて喜んでしまった。なんとへヴィで乱暴で美しい曲なんだろう。しばしその余韻に浸ったあと、ひさしぶりにその曲が収録されたアルバム「UNTOUCHABLES」と向き合うことにしてみた。

発売当時、自らがオリジネイターのひとつであるはずのヘヴィ・ロック/ラップ・メタルからの脱却を図ったような様式美やゴシックな世界感が賛否両論を巻き起こし、バンド史上最大の問題作として今も捉えられているこのアルバムだが、個人的には非常に好きな作品である。ジョナサン・デイヴィス(Vo.)の代名詞だった陰鬱な魂の叫びは本作にはない(というより、あの痛みはファースト・アルバム「KORN」とセカンド・アルバム「Life is Peachey」ですべて吐き出されていると僕は解釈している)が、それ以上に注目すべきは表現力豊かな音楽集団としてのレベル・アップが果たされていることである。
シンセサイザーやブレイク・ビーツを積極的に導入したことにより、強靭すぎる音にさらなるメリハリが生まれ、よりドラマティックかつ緊張感のあるサウンドに仕上がっており、今までにないほどテクニカルで表情豊かなKORNを味わうことができる。さらになんとも癖の強いメロディが右往左往する楽曲を見事に歌いきっているジョナサンのボーカリストとしての成長も楽しめる作品だ。この突然変異とも言える進化は、Red Hot Chilli Peppers(レッド・ホット・チリ・ペッパーズ)やMarilyn Manson(マリリン・マンソン)の出世作を手掛けたことで知られるマイケル・ベインホーンをプロデューサーに迎えたことも大きく影響しているだろう。ここで得た高い技術と自由な表現方法により、彼らはバンドとしてさらに大きくなったと感じる。

今聴いてみると、その音がまったく色褪せていないことに驚いた。むしろ音楽として優れた作品であるということを改めて理解できた。みなさんも自宅や中古CD屋で眠っている本作と向き合ってもらいたい。あのころとは違う印象を持って受け入れられるはずである。

TOWER RECORDS ONLINE[KORN]
TOWER RECORDS ONLINE「UNTOUCHABLES/アンタッチャブルズ」

アンタッチャブルズ

Untouchables/アンタッチャブルズ

  • KORN
  • ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル
  • 2002/06/19
  • CD
■Track listing
01. Here to Stay
02. Make Believe
03. Blame
04. Hollow Life
05. Bottled Up Inside
06. Thoughtless
07. Hating
08. One More Time
09. Alone I Break
10. Embrace
11. Beat It Upright
12. Wake Up Hate
13. I'm Hiding
14. No One's There
15. Here to Stay
16. Here to Stay




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竹森千珂著「金色の魚」 [●BOOK]

初版 1996.09.18 朝日新聞出版刊
1996年 第7回朝日新人文学賞受賞作品

少しずつ考えを変えて
だんだんと自分の考えを見つけてゆく
そんなやわらかな成長物語

[text●h.mariko]


しっぽがある“わたし”が主人公。
わたしは、ある日ラットルスネイク(お店の名前)のおばさん宛に届いた絵はがきに魅入られ、青森、京都を旅する。
しっぽはあるが、わたしはどうやらほかは“普通”の人となんら変わらぬ姿をしているようだ。
旅の途中で考える、わたしなりの生きかたや、これから。
しっぽは必要なのか、そうでないのか。
お父さんに打ち明ける、悩みや、考え。
そして、決めていく、明日。

少しずつ考えを変えて、だんだんと自分の考えを見つけてゆく、そんなやわらかな成長物語でもあるといえるし、日常に潜むファンタジーを巧みに描いた作品ともいえよう。
会話にかぎかっこを使っていないせいもあってか、まるでキャラクターたちの声が遠くから響いてくるような、そんな不思議な感覚を味わった。
何度でも読み返したくなるような、温かい心地よさが全体に漂っている。

物語全体をまばゆい“金色”が覆うような、幻想的なストーリー。

金色の魚

金色の魚

  • 竹森千珂著
  • 朝日新聞社
  • 1996/09
  • 単行本


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Tom Waits「Bad As Me」 [●ROCK]

17th album 2011.10.25(2011.10.26/日本盤) release

俺たちの酔いどれ詩人がついに帰ってきた!!
新境地も原点も飲み込んだ待望のオリジナル・アルバム

[text●i.akira]

いやはや、本当にこの男はどこまで行こうというのか。アルバムとしては3枚組の実験的な超大作「Orphans」以来5年ぶり、純粋なるフル・アルバムとしては1999年の「Mule Variations」以来となるトム・ウェイツの新作「Bad As Me」を聴いていると、思わず笑みがこぼれ、ちょっと強い酒をロックでチビチビといきたくなってしまう。ジャケに浮かぶトムの満面の笑みからもうかがえる、快心の一撃である。

2000年代は彼にとって実験の時期であり、実にさまざまなチャレンジの時間だったように思う。さまざまなスタイルを柔軟に取り入れ、ひたすら自分の血や肉にしていった。そして貯め込んだそれらを爆発させたような、非常にテンションの高いブルース・ロック・アルバムとなっている本作。まず一聴して真っ先に浮かんだのは彼の80年代の名盤「Rain Dog」である。当然あのころとはまったく違うスタイルながら、いい意味でジャンルの壁を越えた、いじわるな言いかたをすればとにかく何でもありの作品になっている。ショウの幕開けを告げるようにアッパーな「Chicago」に始まり、懐かしい空気と匂いを漂わせるブルース「Talking At The Same Time」、スウィンギンでご機嫌な「Get Lost」、クールな編曲とパワフルかつヨレヨレな歌声が痺れるタイトル曲「Bad As Me」、クラシックなロックンロール・ナンバー「Satisfied」、あまりに切なく美しいバラード「Last Leaf」、希望に満ちたクロージング・ナンバー「New Year's Eve」と、まるでキャリアを総括したような充実の名曲がずらりと並んでいる。

もし以前少しでも彼の音楽に触れたことがあるのならば、ぜひ本作で今の彼を聴いてほしいと思う。彼はいつだってしゃがれた声で、絶妙なリズムとメロディで、僕らを躍らせてくれるということを、改めて教えてくれるから。あぁ、今夜もうまい酒が呑めそうだ。

TOWER RECORDS ONLINE[Tom Waits]
TOWER RECORDS ONLINE「Bad As Me/バッド・アズ・ミー」

バッド・アズ・ミー

Bad As Me/バッド・アズ・ミー

  • Tom Waits/トム・ウェイツ
  • SMJ
  • 2011/10/26
  • CD
■Track listing
01. Chicago
02. Raised Right Men
03. Talking At The Same Time
04. Get Lost
05. Face To The Highway
06. Pay Me
07. Back In The Crowd
08. Bad As Me
09. Kiss Me
10. Satisfied
11. Last Leaf
12. Hell Broke Luce
13. New Year's Eve
14. After You Die


Bad As Me

Bad As Me
Limited Edition

  • Tom Waits
  • Anti
  • 2011/10/25
  • CD+CD
■Track listing
[DISC1]
01. Chicago
02. Raised Right Men
03. Talking At The Same Time
04. Get Lost
05. Face To The Highway
06. Pay Me
07. Back In The Crowd
08. Bad As Me
09. Kiss Me
10. Satisfied
11. Last Leaf
12. Hell Broke Luce
13. New Year's Eve
[DISC2]
01. She Stole The Blush
02. Tell Me
03. After You Die




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小野不由美著「黒祠の島」 [●BOOK]

初版 2001.02.08 祥伝社刊
コミック初版 2005.11.24 山本小鉄子作画/幻冬舎刊

信仰ゆえの狂信
そして誰もがあたりまえと思っている異常
それを淡々と描かれると、恐い

[text●h.mariko]

黒祠(こくし)とは、聞き慣れぬ単語。はて、なんぞやと思いきや、ストーリーのなかで解説してくれていた。それがものすごくキーとなるので、最初に紹介させていただく。
明治政府の祭政一致政策で全国の神社は位階制で編成されることとなり、祭祠も国家の定めた様式に統一された。それにより、地方の小祠も統合されたが、そのなかで統合されず残ったものを黒祠と呼ぶのだそうな。いわゆる、邪教。
邪、などというといかにもまがまがしいが、もともとの信仰を奪われいきなり押しつけられた神と、先祖代々が崇めてきた神、どちらを信仰するかと言われれば、やはり後者なのではなかろうか。宗教心に薄い日本人である私でさえ、そう思う。

さて、その“黒祠の島”が舞台の本作。
ノンフィクション作家の葛城志保が、消息を絶った。それを追って、調査事務所の式部剛は彼女が行ったと思わしき彼女の故郷、夜叉島へと向かう。九州にあるその島は“田舎の寂れた風景だけでない何かがある”と感じる式部。最初は愛想がいい島民も、葛城志保を探していることを伝えると途端に口を閉ざす。何か怪しげなものを嗅ぎつけた式部は、島に残り真相を追うことに・・・。

さっくりとまとまったミステリであるともいえる。こいつが犯人に違いない! と思って読み進めると、ことごとく外れる。信仰、宗教心にスポットを当てているが故に、物語の奥行きがすさまじい。信仰ゆえの狂信、そして誰もがあたりまえと思っている異常、それを淡々と描かれると、恐い。世の中でいちばん恐ろしいのは超自然的な神や仏でなく、それを信じるがゆえ、頭の線が切れてしまった人間であると、この本を読んで深く納得してしまった。

黒祠の島 (ノン・ノベル)

黒祠の島

  • 小野不由美著
  • 祥伝社(ノンノベル)
  • 2001/02
  • 新書

黒祠の島 (祥伝社文庫)

黒祠の島

  • 小野不由美著
  • 祥伝社(祥伝社文庫)
  • 2004/06
  • 文庫

黒祠の島 (新潮文庫)

黒祠の島

  • 小野不由美著
  • 新潮社(新潮文庫)
  • 2007/06
  • 文庫

黒祠の島 上 (幻冬舎コミックス漫画文庫 や 1-1)

黒祠の島 上

  • 小野不由美原作/山本小鉄子画
  • 幻冬舎コミックス
  • 2009/07/24
  • 文庫

黒祠の島 下 (幻冬舎コミックス漫画文庫 や 1-2)

黒祠の島 下

  • 小野不由美原作/山本小鉄子画
  • 幻冬舎コミックス
  • 2009/07/24
  • 文庫

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井上陽水「井上陽水 CONCERT 1999~2001 UNITED TOUR」 [●DVD]

DVD 2001.12.05. release

驚かされることへの期待と
現実から離れられることができるひとときと
現実を突きつけられる衝撃と痛み

[text●f.shinobu/k.ray]

井上陽水の音楽を語るには、“不思議”のひと言がピッタリのような気がしてならない。いや、“不思議”以外のことばで表現するのは難しいから、そんなあいまいなことばでごまかすしかないのだ。
“繊細”で、“ユニーク”で、“セクシー”で、“ノスタルジック”で、“都会的”な、音楽。彼の音楽について語るとき、まったく逆の意味を持つことば(形容詞)が浮かぶのは、彼の音楽のテイストが1曲1曲まるで違うからだろう。
2001年に発売されたDVD「井上陽水 CONCERT 1999~2001 UNITED TOUR」に収められているデビューから30年間の軌跡のなかから厳選された名曲の数々を、いま改めて視聴してみても、やはりその思いは変わらない。もちろん懐かしくもあるのだが、曲が持つ威力はいまも色あせず、新しい発見と感動をもたらすのだ。
「少年時代」では郷愁を誘い、「リバーサイドホテル」では孤独な男の心情に触れ、「傘がない」では不安になり、「最後のニュース」ではいまでも戦争や紛争に苦しむ世界への警告が胸に突き刺さる。
1969年にアンドレ・カンドレとしてデビュー。1972年3月にシングル「人生が二度あれば/断絶」で再デビュー以来、日本が誇るシンガーでありながらあぐらをかくような態度をとることなく音楽(をとおして人生や世の中)と向き合ってきた陽水の、その姿勢におごりは微塵も見あたらない。そして生まれる音楽は、つねに奇抜、斬新、奇想天外。思いがけないフレーズと予想不可能なメッセージで聞き手を驚かせる。
驚かされることへの期待と、現実から離れられることができるひととき、現実を突きつけられる衝撃と痛み。そうして視聴するたびになにか霧が晴れた思いにさせられる“不思議”。

OFFICIAL WEB SITE→ http://www.y-inoue.com/

TOWER RECORDS ONLINE[井上陽水]
TOWER RECORDS ONLINE「井上陽水 CONCERT 1999~2001 UNITED TOUR」

UNITED TOUR YOSUI INOUE CONCERT 1999~2001 [DVD]

井上陽水 UNITED TOUR YOSUI INOUE CONCERT 1999~2001

  • フォーライフ ミュージックエンタテイメント
  • DVD
■Track listing
01. 少年時代/1999年 国際フォーラム
02. 娘がねじれる時/1999年 国際フォーラム
03. Make-up Shadow/1999年 国際フォーラム
04. コーヒー・ルンバ/2001年 NHKホール
05. 帰れない二人/1999年 国際フォーラム
06. リバーサイドホテル/1999年 国際フォーラム
07. いっそセレナーデ/1999年 国際フォーラム
08. バレリーナ/2001年 NHKホール
09. My House/2000年 緑山スタジオ
10. あどけない君のしぐさ/2000年 緑山スタジオ
11. カナリア/1999年 国際フォーラム
12. とまどうペリカン/1999年 国際フォーラム
13. ミスキャスト/2001年 NHKホール
14. タイランドファンタジア/2001年 NHKホール
15. 花の首飾り/2001年 NHKホール
16. 傘がない/2001年 NHKホール
17. 氷の世界/1999年 国際フォーラム
18. 最後のニュース/1999年 国際フォーラム
19. 海へ来なさい/2001年 NHKホール
20. クレイジーラブ/2001年 NHKホール
21. 招待状のないショー/2001年 NHKホール
22. 心もよう/2001年 NHKホール
23. 長い坂の絵のフレーム/2000年 緑山スタジオ


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久間十義著「サラマンダーの夜」 [●BOOK]

初版 2004.02.04 角川書店刊
文庫本「放火(アカイヌ)」/改題 2009.05.25 角川書店刊

歓楽街の雑居ビルで発生した大火災
事故なのか放火なのか? 取材を重ねる女性記者と
奔走する刑事が行き着くところには・・・

[text●h.mariko]

池袋の歓楽街に建つ雑居ビルで不審な爆発を伴った火災が起きた。そのビルには、風俗店や消費者金融など、ちょっといかがわしい、法律すれすれのお店が多数軒を連ねていた。そのうえに、非常口が確保されていなかったなど、かなり消防法を無視して運営されていた。そのせいで大惨事となり、多数の犠牲者をだしてしまう。事故なのか放火なのか? 取材を重ねる女性記者と、捜査に奔走する刑事。やがて事件は思ってもいない展開へと進む・・・。

2001年に新宿歌舞伎町で実際に起きた雑居ビルの火災。44人もの犠牲者をだし、かなりセンセーショナルに扱われたので記憶にある人も多いのではなかろうか。当時、そのニュースを眺めながら、自分がこういうパニック状態に置かれたらいったい何をしでかすのだろうなあ、と妙に醒めた目線で考えた記憶があるのだが、実際それどころではないのだろう。
生きるか死ぬかの瀬戸際に立つと、人間はある意味、強くなる。それがプラスのベクトルであるのかマイナスであるのかは、後からしか解らない。そして、そんな事故や事件にでも巻き込まれない限り姿を現わさない“強さ”は、果たして必要なのか? そんな思いを抱きながら、この作品を読んだ。

ストーリー運びが早く、また事件を取り巻く人間模様が解りやすく描かれているのがよい。が、そのぶん、場面展開が早すぎてついていけないところもあったが、いちばん大切なポイントは常にぶれずに描かれるので、私のようなトロい読者には有り難かった。
ラストのどんでん返しを楽しみに、ページをめくっていただきたい。

サラマンダーの夜

サラマンダーの夜

  • 久間十義著
  • 角川書店
  • 2004/02
  • 単行本

放火 (角川文庫)

放火(アカイヌ)

  • 久間十義著
  • 角川書店(角川文庫)
  • 2009/05/23
  • 文庫


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MINOR LEAGUE「宇宙内地球紀行」 [●ROCK]

6th. album 2011.10.05 release

超・超・超待望のニュー・アルバムついに完成!!
カテゴライズ不可能のハードコア・カオス・ワールド

[text●i.akira]

前作「入れた鬼から来る選択」から実に8年。実に長かった。こうやって手元にあるコレがMINOR LEAGUE(マイナーリーグ)の新作だと信じられないほどに長かった。そして期待を微塵も裏切らない内容に感動すら覚える。それにしてもこの振り切れかたはいったいなんだろう。若干のメンバー・チェンジはありつつも、ツイン・ボーカルとツイン・ドラムという奇妙なバンド・スタイルから繰り出される激烈かつコミカルなハードコア・サウンドは相変わらずだが、以前をはるかに凌ぐ壮大かつ膨大でジャンルレスな音と言葉をこちらにぶつけてくる。圧倒的としか形容できない唯一無比のマイナーリーグ・ワールドはさらなる高みへと昇華されている。

アルバムの世界観を1曲で体現したようなハードコア・オーケストラ「アイキャンスピークジャパニーズ」に始まり、ストレートなスラッシュ・ナンバー「LOVE? SONG」、タイトルどおりの雑食ぶりにニヤリとさせられる「MADE in subculture」、狂ったようなお祭り騒ぎ「ぐるなに」、緻密でミドル・テンポながら非常に彼ららしい「DE-DE-DE(ドゥ ドゥ ドゥ)」や「出雲の空の怪物」、メタリックかつメロディアスな「DEATH CALIFORNIA」、など、スラッシュ・メタルやヘヴィ・ロックのみならず、ジャズ、ダンス・ミュージック、ヒップホップ、さらには祭り囃子や宗教音楽まで飲み込んでしまったような予測不能な楽曲ばかりにもかかわらず、妙にポップだから非常にタチが悪い(誉め言葉です)作品だ。さらに、メロディアスなパートを自在に歌いつつ高音スクリームも健在な柴田匠(Vo.)と、まるで念仏のような語りと獣のような絶叫で聴くものを圧倒する大工原亨(Vo.)による言葉の羅列と声はさらに深みと幅を増し、この絶対世界の構築の中核を成している。こんな作品を一発録りでレコーディングしたというのだから恐れ入る。
またゲスト陣も非常に幅広く、AsujaとSeixo(Pinky Pilets)やNORIHIDE(Oi-SKALL MATES)、ミーカチント(浅草ジンタ)、笠原健太郎(Northen19)と、ジャンルや世代を越えて数多くのバンドに愛されるMINOR LEAGUEというバンドを表わすようなバラエティ豊かなメンツが華を添えてくれている。
 
現在数年ぶりの全国ツアーとなる“宇宙内地球紀行TOUR 2011”の真っ最中である彼ら。本作の楽曲がいったいどのように表現されるのか、同時に、過去の名曲たちはいったいどのような姿になっているのか。ぜひこの目で確認したいと思う。

OFFICIAL WEB SITE→ http://www.minor-league.jp/

TOWER RECORDS ONLINE[MINOR LEAGUE]
TOWER RECORDS ONLINE「宇宙内地球紀行」

宇宙内地球紀行

宇宙内地球紀行

  • MINOR LEAGUE
  • CATCH ALL RECORDS
  • 2011/10/05
  • CD
■Track listing
01. アイ キャン スピーク ジャパニーズ
02. LOVE? SONG
03. MADE in subculture
04. ぐるなに
05. 100m走(World Record)
06. DE-DE-DE(ドゥ ドゥ ドゥ)
07. CLICK to HEAVEN
08. DEATH CALIFORNIA
09. 出雲の空の怪物
10. NEVER セイ グッバイ
11. LOVE? SONG(オリジナル カラオケ ver.)


MINOR LEAGUE
宇宙内地球紀行 TOUR 2011

2011.10.09(日)東京/新宿 LOFT
2011.10.23(日)大阪/心斎橋CLUB DROP
<2011.10.28(金)東京/新木場STUDIO COAST>
<2011.10.30(日)東京/新代田 FEVER>
2011.11.05(土)愛知/上前津 CLUB ZION
2011.11.06(日)三重/四日市 CLUB CHAOS
2011.11.12(土)島根/出雲 APOLLO
2011.11.13(日)広島/CAVE-BE
2011.11.19(土)宮崎/SR-BOX
2011.11.20(日)福岡/glaf
2011.12.04(日)新潟/GOLDEN PIGS
2011.12.10(土)徳島/club GRIND HOUSE
2011.12.11(日)滋賀/B-FLAT
2011.12.17(土)千葉/LOOK
2011.12.18(日)神奈川/横浜 Club Lizard
※<>はイベントなど



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東直己著「ススキノ、ハーフボイルド」 [●BOOK]

初版 2003.07.25 双葉社刊

ハードボイルドをキメこみたい、けれど
なにかと中途半端な“ハーフボイルド”高校生探偵
同級生の事件に巻き込まれて奔走するのだか・・・

[text●h.mariko]

北海道の歓楽街、ススキノ。そのなかでハードボイルドをキメこみたい、高校3年生の松井省吾。受験を控えているけどススキノって街が好きで、夜のススキノで働く彼女の真麻にはべた惚れで、ちょっと悪ぶった格好が似合ってきた、と思えるような、そんなころ、彼の身近で事件が起る。同じクラスの女の子が、覚せい剤で警察に掴まったらしい。暴力団の組長と一緒だったとか。そんな(省吾にとってはどうでもいい)事件にいつのまにか巻き込まれる、省吾と真麻。が、やがて事件は意外な方向に展開をみせ・・・?!

タイトルどおり、ハーフ・ボイルド(半熟)なのである。残念ながら。いや、この残念は、褒め言葉である。ハードボイルドとうたわれる小説を読んでみると、まるで不死身の主人公や、ばっさばっさと悪を切り裂く超絶に強い主人公とか、暴力団とかの身分なんだけどすごい正義感溢れるヤロウが主人公だったりとか、まあ、ハードということなのだろう、と思う。が、このハーフさ。要するに、半熟、中途半端。高校生の身分でここまでできるのか? というところと、いや、高校生だからこのくらいなんだろう、と思うようなところとが混ざり合った、よくも悪くも中途半端な感じがこの本を構成している。

ラストは衝撃的であった。人間の欲望とは飽くなきものであり、それを達成するまでには何でもするという人があるだろうが、それがこの物語では重要なポイントになっている。情熱を傾ける存在が陽の当たるところで堂々とできるものなら、なんら問題ない。でも、それが陰の存在だったとしたら? そんな人を、どう思うだろうか。ある意味で、倫理論を問われるような終わり方であった。

軽い文体、主人公の独り語りとして進める文章が苦手な人もいるかもしれないけど、まずは食わず嫌いせずに、どうぞまずはお試しを。

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ススキノ、ハーフボイルド

  • 東直己著
  • 双葉社
  • 2003/07
  • 単行本

ススキノ、ハーフボイルド (双葉文庫)

ススキノ、ハーフボイルド

  • 東直己著
  • 双葉社(双葉文庫)
  • 2006/01
  • 文庫

後ろ傷

後ろ傷

  • 東直己著
  • 双葉社
  • 2006/10
  • 単行本
※主人公・松井省吾が大学生になった「後ろ傷」(2006年双葉社刊)は
“ハーフボイルド”シリーズ第2弾



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KAIMANENT + DJ A「stinkin' jazz arkestra」 [●HIP HOP]

1st. EP(mini album)2011.10.12 release

NATURAL 9 NATIONよりふたりの刺客が遂に動き出す!!
JAZZと言葉と空気が立ち込める街角のヒップホップ

[text●i.akira]

福岡を活動の拠点としながら、噂が噂を呼び、その知名度はもはや全国区となった“親不孝通り最後の秘境”であるヒップホップ集団“NATURAL 9 NATION”。2009年にリリースしたアルバム「親不孝三十六房」リリース後は長い沈黙に入っていた彼らだが、そのメンバーであるKAIMANENT(カイマネント)とDJ A(DJエース)が満を持して動き出した。

ブレイクの隙間にまでJAZZの熱量が込められた「青いデニム」、ベース・ラインが心地よい「フルイタタスJAZZ」、 “自信と誇り”という意味のタイトルにふさわしい力強い決意表明「矜持」、JAZZとBEATがみごとに融合した「雨降りでも」など、“stinkin’ Jazz”という名にふさわしく、非常にダーティで妖しい雰囲気のジャズ・ビートが立ち込めるなか、夜の街をふらふらと徘徊するように、それでいてふつふつと湧き上がる創作意欲と情熱を燃やすように綴られるラップがクセになる、ストリートなスタイルのなかにもインテリジェンスを感じさせるアダルトな作品となっている。また、同じく福岡のイラストレーター/デザイナーであるWOK22によるジャケット・デザインも作品の空気にハマっている。

ちなみに本作はEPであり、KAIMANENT + DJ Aにとって名刺代わりの作品のようだ。今後どのような活動を行なっていくかはわからないが、さらなる高みを期待したい。

KAIMANENT twitter→ http://twitter.com/kaimanent_nnn
NATURAL 9 NATION blog→ http://plaza.rakuten.co.jp/NATURAL9NATION

TROOP RECORDS http://trooprecords.net/
TROOP RECORDS KAIMANENT + DJ A「stinkin' jazz arkestra」

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stinkin' jazz arkestra

  • KAIMANENT + DJ A
  • TROOP RECORDS
  • 2011/10/12
  • CD+CD-R
■Track listing
01.青いデニム
02.フルイタタスJAZZ feat. Cult、Japonica Bambaataa 81
03.僕の音楽
04.ムダイノブルース
05.矜恃
06.雨降りでも
07.SPINNER BEAT
08.雨降りでも(CHAF REMIX)
[CD-R]TROOP RECORDS限定オリジナル特典
01.青いデニム/DJ A RMX
02.フルイタタスJAZZ/DJ TAKAYA RMX
03.矜恃/DJ 41 a.k.a another sun RMX


TOWER RECORDS ONLINEKAIMANENT + DJ A「stinkin' jazz arkestra」

STINKIN' JAZZ ARKESTRA

stinkin' jazz arkestra

  • KAIMANENT + DJ A
  • TROOP RECORDS
  • 2011/10/12
  • CD
■Track listing
01.青いデニム
02.フルイタタスJAZZ feat. Cult、Japonica Bambaataa 81
03.僕の音楽
04.ムダイノブルース
05.矜恃
06.雨降りでも
07.SPINNER BEAT
08.雨降りでも(CHAF REMIX)



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村山由佳著「すべての雲は銀の・・・」 [●BOOK]

初版 2001.11.20 講談社刊

心の迷いは捨てたり消したりするものではなくて
時間をかけてゆっくり向き合っていくものなのだよ
と随所で言われているような気がした

[text●h.mariko]

自分の大切な人が、自分の大切な人に奪われたら、あなたはどうしますか?

彼女を兄に盗られた主人公の祐介は、大学の友達のすすめ(?)で、信州のペンションに住み込みで働くことにする。そこには、どこか心に傷がある人たちが集まっていて、いつしか自分自身を見つめることになっていく・・・。

セオリーどおりと言っては何だが、悪役がいなくて、ゆったりした透明なイメージの作品。村山作品っぽい、なんて言うとあまりにチープなのだが、そうなのである。優しい、というよりも、少し説教っぽいところもあるのが、今までとは少し違うところだろうか?
心の迷いは捨てたり消したりするものではなくて、時間をかけてゆっくり向き合って、話し合っていくものなのだよ、と随所で言われているような気がした。
個性的な女の子キャラもなかなかよい。
全体をとおしてあったかい、家庭みたいな匂いがする作品であった。日向でのんびり、ゆっくり読めたら幸せだろうな、と思えるようなあたたかさのある作品。

すべての雲は銀の… Silver Lining

すべての雲は銀の… Silver Lining

  • 村山由佳著
  • 講談社
  • 2001/11/20
  • 単行本

すべての雲は銀の… Silver Lining〈上〉(講談社文庫)

すべての雲は銀の… Silver Lining〈上〉

  • 村山由佳著
  • 講談社(講談社文庫)
  • 発売日: 2004/04/15
  • 文庫

すべての雲は銀の… Silver Lining〈下〉(講談社文庫)

すべての雲は銀の… Silver Lining〈下〉

  • 村山由佳著
  • 講談社(講談社文庫)
  • 2004/04/15
  • 文庫




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BELLE AND SEBASTIAN「わたしのなかの悪魔/Fold Your Hands Child, You Walk Like a Peasant」 [●INDIE POP/GUITAR-POP]

4th. album 2000.06.06 release

“切なさ”に加えるなら、後悔か
それは、クサイ言葉で、青春へのノスタルジーを
大人が、落ち着いて、表現している(音楽)

[text●k.ryo]

すごく個人的な音楽である。

後述
なので、・・・ が多くなってしまった。

このアルバムの魅力は、ひと言でいえば、“切なさ”なんだけど、
誰かに説明したりすることがあんまり意味をもたない。
(こういう場で書いておいて、なんだけど、)なんでかわからない。

ある意味、“女々しさ”なのかな。
でも女々しさに通じるような思い出などは、ない。

ベルセバ (BELLE AND SEBASTIAN/ベル・アンド・セバスチャン) 以外に“ギターポップ”や“ネオアコ”で完成度の高いアルバムは、いくらでもあると思う。
フリッパーズのファーストやローゼズのファーストやラーズや中期ビートルズだったり・・・。(まぁフォーク・ロックとも、呼ぶだろうから、きりはない)


ベルセバには、60年代的コミュニティーを、感じる。
そういう意味では、(当然)「よっしゃ! いくぞ」みたいなロックじゃない。

「満足のいく音源を残したい」
まだ音楽が商品ではなかった60年代・・・
ジャズ・ボーカルや(ノーザン?)ソウルやモータウンや・・・
わかんないけど、そんな音楽に
全精力を注いでいればよかった、
許されていた、
求められていた・・・あのころに、
想いをはせてる気がするのだ。

“切なさ”に加えるなら、後悔か
それは、クサイ言葉で、青春へのノスタルジーを、
大人が、落ち着いて、表現している(音楽)。


フジロックの3日目のホワイトの夜、
あえて、ひとりで、3曲くらいだけ聞くのが、
愛おしい。
そして後ろ髪を引かれながらも、別のステージに移動するのが、
狂おしく・・・嫌いではない。
自分にとっては、終わっている、過ぎ去った音楽なんだろう。


ちなみに、フジロックについてなどは、海賊版「the bowlie weekender」を聴いているときに思うのだけど、
海賊版なのでアマゾンなどには、載っていないから、「Fold Your Hands Child, You Walk Like a Peasant」を選出。1曲目の歌いだしが大好きさ。
女性ボーカルのイザベラもこのアルバムで脱退。
アルバム作品としての、ベルセバは、
ここまでだと自分は思う。以降は、オススメしない。

OFFICIAL WEB SITE→ http://www.belleandsebastian.com/

TOWER RECORDS ONLINE[BELLE AND SEBASTIAN]
TOWER RECORDS ONLINE「わたしのなかの悪魔/Fold Your Hands Child, You Walk Like a Peasant」

Fold Your Hands Child You Walk Like A Peasant

Fold Your Hands Child, You Walk Like a Peasant

  • BELLE AND SEBASTIAN
  • Matador Records
  • 2000/06/06
  • CD
■Track listing
01. I Fought In A War/兵士からの手紙
02. The Model/THE MODEL-僕たちの後悔 -
03. Beyond This Sunrise/朝もやがくれた夢
04. Waiting For The Moon To Rise/月よ、あなたに早く逢いたい
05. Don't Leave The Light On, Baby/Don't Leave The Light On, Baby
06. The Wrong Girl/あやまちの彼女
07. The Chalet Lines/シャレーでの悪夢
08. Nice Day For A Sulk/ふきげん日和
09. Woman's Realm/月刊「Woman's Realm」
10. Family Tree/ファミリー・トゥリー- 家族という名の檻-
11. There's Too Much Love/トゥー・マッチ・ラヴ



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山田詠美著「ラビット病」 [●BOOK]

初版 1991.12.05 新潮社刊

性悪女のゆりと
そのゆりにぞっこんのロバート
うさぎのようにくっついてないと死んじゃう
と豪語する、ラブラブなふたりのお話

[text●h.mariko]

うさぎって、寂しいと死んでしまう、という説は聞いたことがあるだろうか?
実は、嘘らしい。
私もそれを聞いて(信じて)育って来たので、嘘、というか、寂しい=死んじゃう、というところに因果関係がないと知ったときは、ちょっと寂しくなった。

だって、誰だって、放っておかれたら、寂しくならないか?
誰にも相手にされなかったり、大好きな相手にさえ振り向いてもらえなかったり、誰とも口を利けなかったり、そんなことになったら、死んじゃう。は、大袈裟でも、ものすごい、寂しくないか?

そんな、「うさぎは寂しいと死んじゃう」を「病気」としたタイトルが、これ。
恋愛に哲学やら難しいことは必要ない、ただお互いを死ぬほど好きになればいいじゃん! という、ラブラブなふたりのお話。性悪女のゆりと、そのゆりにぞっこんのロバート(ゆりからは愛を込めてロバちゃん、と呼ばれている)の愛情表現が書いてある。
変な言い方だが、性愛についての描写があるわけではないのだが、妙に生々しい。たとえばスリスリって肌を合わせないと寂しくなるとか、そういうことが、性的にどうのこうの、って書いてあるよりも、なんだかエロチック。
そしてそんなゆりがいないと死んじゃうくらいゆりが大好きなロバちゃんが、これまたかわいい。「うさぎのようにくっついてないと死んじゃう」と豪語するふたり。
まあ、好きにやってよ、と思うくらいラブラブな話ではあるが、ここまで人目を気にせずにお互いを愛する気持ちを表現できるのって、いいなあ、とちょっと思った。
ハッピーエンドのラストも好感が持てるし、ラブラブなあなた、これからラブラブしたいあなた、うさぎみたいに寂しがりやなあなた、誰にでもお勧めできる1冊。

ラビット病 (新潮文庫)

ラビット病

  • 山田詠美著
  • 新潮社(新潮文庫)
  • 1994/10
  • 文庫


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The Rouxtz presents“SUPER FREE” [●LIVE REPORT]

2011.10.03 at shinjuku Motion
■live stage line up
The Rouxtz/tricot/THE MASHIKO/AFRO PARKER/Merpeoples

チケット代0円で
このクオリティの対バンが見れたなんて!
またつぎもあるなら
絶対に見たいと思った夜だった

[text●o.ayumi]

連日続いた残暑の真夏日が過ぎた後は、急に秋がやってきた。10月3日18時。感覚がなかなかついていかない私は、すっかり日が短くなり暗くなった空を見上げようやく季節を感じながら新宿へ向かった。行き先は、ライブ・ハウス・新宿Motion。気になっているバンドThe Rouxtz(ザ・ルーツ)が企画したイベントがあるということで足を運んでみたのだ。

所用があり会場に着いたのは、20時前。さっそくフロアに入るとガールズバンド、Merpeoples(マーピーブルズ)のライブが始まったところだった。
実は出演者をロクに見てこなかったのだが、Merpeoplesは“二度目まして”だと気づく。その理由はシャルロット(Vo./G.)の歌唱力とキャラ。透きとおるような鮮やかな声は、ツヤがあってたまらなく心地がよい。一方で、口を開くと不思議ちゃん。天然なのか、単なるぶりっ子なのか、ほわほわとしたトークをかますキッチュな強烈キャラなのだ。

着いてすぐだったこともあり、ぼーっと見ているうちにMerpeoplesのライブは終わり、次はtricot(トリコ)。ボーカル含む女性3人の弦楽器隊+男性ドラムの、4人編成のバンドは、Tシャツ半ズボンの軽装着で準備する姿を見て疑問を感じたものの、その疑問はステージが始まり解消した。のっけからハジけるようなロックチューン。全身でグルーヴを生み出してるような熱いステージ、伸びやかな歌声はときどき叫びにも似た気迫を感じすっかり釘づけになる。京都のバンドというのもあり、弦楽器隊3人のトークは関西弁のトリオ漫談ふう。ステージとは裏腹に、とんちのきいたおもしろおかしい告知で和やかな雰囲気。ラストは惹きつけるバラード曲で魅せ、最後は客席に降りてギターをかき鳴らすというど熱いアプローチも。攻めきったライブであった。帰り際にはCDを購入。タイトルは「爆裂トリコさん」。・・・まんまやんか!まさに爆裂!そんなtricotのライブをまた見たいと、すっかり“トリコ”になった私である。

そしてトリはもちろん、The Rouxtz。すっかり温まった客席のボルテージに負けないくらい、メンバーの表情はいい感じといった印象。ソリッドなギターが爽やかな「ノーサイド」からライブはスタート。初めて音源を聴いたときにガツンときた重厚さは、ライブではより迫力を増して聞きごたえがあった。3ピースのシンプルな編成ながら、ずっしりとした音を鳴らすステージングは超エネルギッシュ。若さなのか、意気込みなのか・・・たぶんどちらもだろう。その熱も伝わってくる感じもあり、客席とステージの熱が徐々に高まっていく。まさにこの企画は大成功だったようだ。

このイベントのチケット代は0円(FREE!!!/2drink別で1000円)。それでこのクオリティの対バンが見れたなんて! と、嬉しさでおなかいっぱいな気分を味わいつつ、またつぎもあるなら絶対に見たいと思った夜だった。

The Rouxtz OFFICIAL WEB SITE→ http://www.the-rouxtz.com/
Merpeoples OFFICIAL WEB SITE→ http://merpeoples.p1.bindsite.jp/
tricot OFFICIAL WEB SITE→ http://18.xmbs.jp/tricot/

TOWER RECORDS ONLINE[The Rouxtz]
TOWER RECORDS ONLINE[Merpeoples]

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BLOWING

  • The Rouxtz
  • GREED MUSIC
  • 2010/06/16
  • CD
■Track listing
01. アソビシ
02. SUPER GOOD
03. The Family
04. 窓を割る
05. I Wanna Be With You
06. ブロー、ブルー、ブロー


メトロポリス

メトロポリス

  • Merpeoples
  • GREED MUSIC
  • 2011/04/13
  • CD
■Track listing
01.メトロポリス
02.きみのすべて
03.守らなくてはならない明日への展望
04.プログラム
05.Mutter
06.つかわれない扉
07.まぼろし
08.い・け・な・いルージュマジック


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爆裂トリコさん

  • tricot
  • 2011/08/02
  • CD
■Track listing
01. 爆裂パニエさん
02. bitter
03. 42℃
04. アナメイン
05. slow line




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乙一著「GOTH ―リストカット事件」 [●BOOK]

初版 2002.07.03 角川書店刊
2003年 第3回本格ミステリ大賞受賞
2007年 高橋玄監督で映画化(2008年12月公開)

ストーリー全体に漂う、どんよりとした重さと暗さ
誰もが持つ残忍性みたいなものを極端に引き出すと
こういう形になるのではないか・・・

[text●h.mariko]

タイトルは「GOTHIC」を現わしているのだそうだ。ゴシックというと、建築様式が一般的だが、ゴシックホラーなるジャンルもある。中世に流行したスタイルだそうで、神秘的な物語や幻想的なものを示すそうである。が、この作品。神秘的だろうか、幻想的だろうか。

すべての編に同じ主人公が登場するので、連続短編集ともいえよう。
人間の残酷な部分(暗部)を覗きたがる者——“GOTH”。自分、または他人、ほかの生き物の“生”を感じられない主人公である高校生の“僕”と、同じく死に対する興味が深いことで深く関わり合うようになる長い黒髪の少女、森野夜(もりのよる)との、ふたりを描いた作品。

ストーリー全体に漂うどんよりとした重さといい、暗さといい、好みが分かれるのは必至といえよう。が、これが好き! と大手を振って言えないところがある。恐らく、これは人間の暗部にざっくりとメスを入れた作品だからだ。

誰もが持つ残忍性みたいなものを極端に引き出すとこういう形になるのではないか、とも思える。世の中に凶悪犯罪やら、若年層の犯罪の増加が問題視されている昨今、このような作品はどう捉えるかにより紙一重な感じ。ひと昔前、テレビで子どもが質問した、「どうして殺人はいけないことなのですか?」その答えに大人たちが連ねたのはただの倫理論だった。曰く、人の命は地球よりも重いとか、それよりも大切なものはないとか。それで納得する人が、どれくらいいたのだろうか。
それよりも、こういう、どろりとした暗さ(恐らく誰もが持っている、それを実感しなくても)を知った上で、もう一度考えたら、答えが見えやすいのかもしれない。命、生、死とは別々に語られることが多いが、実は一本の線で繋がってることを実感させられた作品。
「暗黒系 —Goth」「リストカット事件 ―Wristcut」「犬 ―Dog」「記憶 ―Twins」「土 ―Grave」「声 ―Voice」を収録。

GOTH―リストカット事件

GOTH ―リストカット事件

  • 乙一著
  • 角川書店
  • 2002/07
  • 単行本

GOTH 夜の章 (角川文庫)

GOTH 夜の章
暗黒系 —Goth/犬 ―Dog/記憶 ―Twins

  • 乙一著
  • 角川書店(角川文庫)
  • 2005/06/25
  • 文庫



GOTH[ゴス] デラックス版 [DVD]

GOTH/ゴス
デラックス版

  • ジェネオン エンタテインメント
  • DVD
■cast 
本郷奏多(神山樹)
高梨臨(森野夜)
柳生みゆ(神山桜/樹の妹)
長塚圭史(喫茶店の店主)
松尾敏伸(喫茶店の常連客)
山中聡(喫茶店の常連客)
鳥肌実(喫茶店の常連客)
夏生ゆうな(喫茶店の常連客)
中田圭(喫茶店の常連客)
ほか


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麻耶雄嵩著「翼ある闇 ―メルカトル鮎最後の事件」 [●BOOK]

初版 1991.05(単行本)講談社刊

群を抜いて異色で、ある種型破りなデビュー作
結末は壮絶すぎて「そんなのありかよ!」と叫びたくなるほど

[text●t.kasumi]

著者である麻耶雄嵩氏は、今年「隻眼の少女」で第64回日本推理作家協会賞、第11回本格ミステリ大賞をダブル受賞した作家だ。
麻耶氏の作品はそう多くはないが、しかし一作一作が強烈で異様で他に類を見ないものばかりだ。たとえば主人公である探偵が己の私利私欲のために事件を未解決にしたり、明確な解決が明示されていないためにもやもやしたまま話が終わってしまったり。なかでも群を抜いて異色で、ある種型破りなのがデビュー作である「翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件」だ。

物語の発端は探偵・木更津悠也のもとに届いた2通の手紙だった。1通は大企業の創始者一族、今鏡家からの依頼。もう1通は新聞の文字を切り抜いてつくられた脅迫状。それらの手紙に興味をそそられた木更津は、ワトソン役である香月実朝とともに今鏡家の人々が住まう蒼鴉城へと赴く。しかしふたりがたどり着くと、差出人の今鏡伊都とその息子である有馬が無惨な首なし死体となっていて、屋敷にはすでに警察も駆けつけていた。そして、この殺人を皮切りに、次々と今鏡家の人間が殺害されていく・・・。

この木更津という探偵、香月いわく“有能な名探偵”らしいのだが、作中ではなかなか推理が当たらない。二転三転する推理には思わず突っ込みを入れたくなる。当たらなすぎて、挙げ句には香月を置いて蒼鴉城を去り、山篭りまでしてしまう。
探偵が敵前逃亡し、果たして事件は解決するのかと心配しているところに、今度は新たな“銘探偵”メルカトル鮎(もちろん本名ではない)が現われる。タキシードに蝶ネクタイ、シルクハットというふざけたいでたちで登場し完全に奇人のそれである。
彼も事件を暴くには至らないのだが、あまりにも予想外な退場のしかたに読者は文字どおり度肝を抜かれることとなる。彼の存在が思わぬところで結びつき、結末は壮絶すぎて「そんなのありかよ!」と叫びたくなるほど・・・。

スケールが大きすぎて若干の置いてきぼり感は否めないが、本作は著者が21歳のころに書いたというから驚きだ。凝った構成と多くのどんでん返し、ふたりの探偵による推理対決など、さまざまな要素が織り込まれた読みごたえ抜群の一冊である。

翼ある闇―メルカトル鮎最後の事件 (講談社ノベルス)

翼ある闇―メルカトル鮎最後の事件

  • 麻耶雄嵩著
  • 講談社(講談社ノベルス)
  • 1993/06
  • 新書

翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件 (講談社文庫)

翼ある闇―メルカトル鮎最後の事件

  • 麻耶雄嵩著
  • 講談社(講談社文庫)
  • 1996/07/13
  • 文庫


隻眼の少女

隻眼の少女

  • 麻耶雄嵩著
  • 文藝春秋
  • 2010/09
  • 単行本


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The Willard「Good Evening Wonderful Fiend」 [●ROCK]

1st. album 1985.10.01(2011.05.18/再) release

80年代インディーズ・ブームの中心にして、孤高の存在
異端なるジャパニーズ・パンクの金字塔

[text●i.akira]
 
1980年代中期、日本ではインディーズ・ブームというムーブメントが起き、その中心には“インディーズ御三家”と称されたバンドたちがいた。LAUGHIN' NOSE(ラフィンノーズ)、有頂天、そしてこのThe Willard(ザ・ウィラード)である。この3組はどれも個性派ばかりであるが、その中でもThe Willardのスタイルは群を抜いて際立っている。
 
本作は彼らのファースト・アルバムであり、当時サブカルチャー雑誌だった「宝島」が発足したレーベル“キャプテン・レコード”の第1弾としてリリースされ、当時のインディーズ作品としては異例の2万枚以上を売り上げた作品である。
勝手なイメージで彼らをイロモノ扱いする人がいるが、内容はパンクそのものであり、演奏もかなり荒々しくて刺々しい。The Damned(ザ・ダムド)などの影響を感じさせるキレのいいパンク/ハードコアを主体としたサウンドを展開しながら、どこかダークで退廃的な独自の世界観を漂わせているのが特徴である。そのくせ、どの曲も異様にポップで強烈なクセがある。さまざまなパンク・バンドからの影響を正統に受け継ぎながらも、そのどれにも当てはまらない個性がそこにはあるのだ。特に中世的なファッションで身を包み、白塗りにヒビ割れというメイクでステージに堂々と佇むJUN(Vo.)の存在感と歌声は圧倒的で、Jun=The Willardであり、彼の音楽性やスタイルが後の音楽シーンに与えた影響は絶大である。事実、清春や大槻ケンヂらが彼からの影響を公言している。

オリジネイターにして孤高な存在だった彼ら。本作のジャケットに映るギラギラとした目で挑発的に微笑むJUNの顔を、僕はときどき観たくなる。そしてまたレコードの針を落としてしまう。ジャパニーズ・パンクの金字塔は、今なお唯一無比の輝きを放っている。

TOWER RECORDS ONLINE[The Willard]
TOWER RECORDS ONLINE「Good Evening Wonderful Fiend」完全限定生産盤

■Track listing
01. JOLLY ROGERS
02. BORECIDE BOYS
03. GOOD EVENING WONDERFUL FIEND
04. NIGHTMARE
05. VANGUARD
06. TOO MUCH LOVE LIKE HELL

07. THE END
08. BORN IN THE FAR EAST END
09. LAY TO REST
10. BONDAGE DREAM
11. VAIN FOR YOU(Congratulation)
12. C'MON WHIPS






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2CELLOS(SULIC & HAUSER)「2CELLOS」 [●ROCK]

1st. album 2011.09.21 release

崇高さと、親しみやすさ
そして、ロックの持つエモーショナルを
チェロで表現したという斬新さ

[text●h.mariko]

世の中、さまざまなカヴァー・アルバムというものが存在する。私も好きなアーティストがカヴァーされていたりしていたりすると、興味を持って聞くことが多い。音楽もひとつの芸術、人により解釈は違う。少し音楽の毛色が違うだけでこうも姿を変えるものなのか、と驚くこともしばしば。

私がCDを買いに店に赴くときに決めることがある。今日買う枚数は、○枚まで、というのがそれである。でないと、際限なく買い求めてしまうからだ。当然、お財布の中身というのは、際限がある。よって、ここでの散財により、貧乏生活を送るはめになる。それを避けるためにも、心を鬼にして、“○に入る数”を毎回審議してから、店に足を踏み入れるのだ。

その掟を、久しぶりに破ってしまった。今回決めていた(はずの)枚数は3枚。大体頭のなかで決めていたアーティストを見て回って、新作を試聴したりニュー・リリースの広告を見たりして店内をふらふらしているとき、そのPVの前で、足が止まった。“大型新人”とはショップ店員の手づりポップの文句。その名はまったく聞いたことがない。
PVは圧巻であった。ふたりの若者が、街中で一心不乱にチェロを弾いている。その姿は、従来のチェロ弾きにはあり得ない激しさに満ち満ちている。髪を振り乱し、弓を弾く動きからして曲のリズムの激しさが知れる。弓がボロボロになっても彼らは演奏をやめない。最初は目もくれなかった道行く人々がその姿に足を止め、いつしか聴き入り、最後には拍手喝采、というストーリー仕立てのPVだった。
そして、“今月末までなんと1,000円!”という殺し文句にやられた。(と言い訳して)その日は4枚めのCDを手に、レジに向かったのだった。
お財布の中身は少々心もとなくなったが、このCDを買ったことを、まったく後悔していない。

それが、2CELLOSである。クロアチア出身のルカ・スリック(1987.08.25生)と、ステファン・ハウザー(1986.06.15生)からなる男性デュオ。ふたりはイギリスの音楽名門学校でチェリストとしての腕を磨き、学位を修め、世界的なコンクールで優勝を果たすなど、それぞれクラシック界の若手有望株としても注目を集める存在である。それがこのCDをリリースするきっかけとなったのは、彼らが幼いころから聴いていたロックの名曲達をチェロで演奏したらどうなるか、という好奇心(?)からだったようである。マイケル・ジャクソンの名曲「smooth criminal」を演奏してYouTubeに投稿したところ、あっという間に500万回の再生数を超え、世界中にその名を轟かせることとなった。
※YouTube→2CELLOS(SULIC & HAUSER)「smooth criminal」

その名のとおり、チェロ2台で、音楽のすべてを表現している。彼らが無類のロック好きであること、そうして、このアルバムで演奏されているマイケル・ジャクソン、U2、ガンズ・アンド・ローゼス、ニルヴァーナなど、アーティストを愛して止まないことが手に取るようにわかる。
「Where the street have no name」でのジ・エッジのギターリフ。マイケル・ジャクソンの甲高いヴォーカル。「walcome to the jangle」での、アクセル・ローズの裏返るような、特徴的なシャウト。「smells like teen spilits」での歪んだギターの音。それが、チェロという楽器で、声帯模写のように再現されているのだ。ヴォーカルの声や発音の癖までもが、みごとに表現されている。

チェロとロック? そんな組み合わせが本当にいいのか? と懐疑的になる人もあるだろう。私がこのアルバムを聴いて感じたのは、“バロック音楽とロックの融合”であった。弦楽器の楽曲で名曲と名高い、アントニオ・ヴィヴァルディ作曲の「四季」という協奏曲がある。春夏秋冬、どの曲もお馴染みであるので、きっと耳にすれば知っていると思う。バロック音楽特有の崇高さを湛えながらも、四季を表現したこの楽曲のなかでも、とりわけ美しいメロディは「冬 第二楽章」。凍てつく冬に降り注ぐ太陽のような柔らかさのある音は、作曲から数百年を経ても色褪せることがない。2cellosの音は、これに近いものを感じるのだ。崇高さと、親しみやすさ。そして、ロックの持つエモーショナルをチェロで表現したという斬新さ。

ここまでのテクニックを持ち、ロックとクラシックに深い造詣を持った演奏者が奏でる音は、そうそう出てはこまい。最初は敬遠されたあんパンとか、抹茶パフェとか、納豆パスタとか、今ではすっかりお馴染みになった“不思議な取り合わせ”のもののように、2cellosの存在が語り継がれることを、私は確信している。
でも普段からクラシックに興味とかないし、やっぱりどうも、という人は、まず動画を観ていただきたい。それでもちっとも興味がわかなければ、この駄文を読む時間を割かせてしまったことをお詫びする。が、そうならないであろう自信が、私にはある。

TOWER RECORDS ONLINE[2CELLOS(SULIC & HAUSER)]
TOWER RECORDS ONLINE「2CELLOS」CD+DVD/初回生産限定盤


2cellos

2cellos
輸入盤

  • 2CELLOS
  • Masterworks
  • 2011/07/19
  • CD

2CELLOS(初回生産限定盤)(DVD付)

2CELLOS
初回生産限定盤/DVD付

  • 2CELLOS/2チェロズ
  • SMJ
  • 2011/09/21
  • CD+DVD
■Track listing
[CD]
01. Where The Streets Have No Name/約束の地(U2)
02. Miserlou Pulp Fiction Theme/ミザルー〜パルプ・フィクションのテーマ(Dick Dale)
03. Use Somebody/ユーズ・サムバディ(Kings of Leon)
04. Smooth Criminal/スムーズ・クリミナル(Michael Jackson)
05. Fragile/フラジャイル(Sting)
06. The Resistance/ザ・レジスタンス(Muse)
07. Hurt/ハート(Trent Reznor/Johnny Cash)
08. Welcome to the Jungle/ウェルカム・トゥ・ザ・ジャングル(Guns N'Roses)
09. Human Nature/ヒューマン・ネイチャー(Michael Jackson)
10. Viva La Vida/美しき生命(Coldplay)
11. Smells Like Teen Spirit/スメルズ・ライク・ティーン・スピリット(Nirvana)
12. With or Without You/ウィズ・オア・ウィズアウト・ユー(U2)
13. Fields of Gold/フィールズ・オブ・ゴールド(Sting)/日本盤ボーナス・トラック

[DVD]初回限定盤
01. インタビュー
02. 2つのチェロのための協奏曲 ト短調 RV531~第2楽章 ラルゴ
03. 日本のファンへのメッセージ
04. Welcome to the Jungle/ウェルカム・トゥ・ザ・ジャングル(Guns N'Roses)



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ONE OK ROCK「残響リファレンス」 [●ROCK]

5th. album 2011.10.05 release

あらゆる枠を飛び越えたネクスト・レベルの傑作
暗雲漂う時代へ高らかに響くロックの正しき姿勢

[text●i.akira]

向かうところ敵なし。CDを聴き終わったあと、そんな言葉が頭に浮かんだ。昨年リリースした4枚目のアルバム「Nicheシンドローム」でONE OK ROCK(ワンオクロック)という確固たるサウンドとポジションを確立した彼らだが、本作はその枠をさらに飛び越え、明らかにバンドはネクスト・レベルへと到達している。平均年齢23歳という青年たちがつくりあげたとは思えないほどの地に足がついた名盤である。

まずその楽曲の幅広さに驚かされる。シングル曲にして彼らが得意とするパワフルなキラー・チューン「アンサイズニア」や「Re:make」、「NO SCARED」を筆頭に、冒頭を飾るにふさわしくハードに疾走する「LOST AND FOUND」、アルバムのハイライトであり、友への思いと願いに溢れた壮大なロック・バラード「C.h.a.o.s.m.y.t.h.」、新境地のデジタル・ロック「世間知らずの宇宙飛行士」、ピアノ主体の優しいバラード「Pierce」、決意表明のようにまっすぐに響く「Let's take it someday」と「キミシダイ列車」など、バラエティに富んだチャレンジ要素も高い内容である。さらに曲だけでなく、力強くボトムの効いたリズム、表現力豊かなギター・リフ、爽快感さえ感じさせる高らかな歌声、そのどれからもポジティブなエネルギーを感じる。着実に積み上げてきたキャリアに裏打ちされた自信と深い絆はバンドにさらなる一体感を与え、この暗雲漂う時代へ高らかに響くべきロックの正しき姿勢を示している。

昨年は初の武道館公演も果たした彼らだが、本作を引っ提げてのツアー・ファイナルはなんと横浜アリーナ2daysである。こんなにも頼もしく若きバンドがメイン・ストリームにいる。日本のロックはまだまだ捨てたもんじゃない。

OFFICIAL WEB SITE→ http://www.oneokrock.com/

TOWER RECORDS ONLINE[ONE OK ROCK]
TOWER RECORDS ONLINE「残響リファレンス」初回盤

残響リファレンス

残響リファレンス
通常盤

  • ONE OK ROCK
  • A-Sketch
  • 2011/10/05
  • CD

残響リファレンス

残響リファレンス
初回盤

  • ONE OK ROCK
  • A-Sketch
  • 2011/10/05
  • CD
■Track listing
01. Coda
02. LOST AND FOUND
03. アンサイズニア
04. NO SCARED
05. C.h.a.o.s.m.y.t.h.
06. Mr.現代Speaker
07. 世間知らずの宇宙飛行士
08. Re:make
09. Pierce
10. Let's take it someday
11. キミシダイ列車

[初回盤特典]
フォトブック
シークレットトラック


ONE OK ROCK 2011-2012"残響リファレンス"TOUR
2011.11.04(金)愛知/Zepp Nagoya
2011.11.05(土)愛知/Zepp Nagoya
2011.11.08(火)東京/Zepp Tokyo
2011.11.09(水)東京/Zepp Tokyo
2011.11.15(火)大阪/Zepp Osaka
2011.11.16(水)大阪/Zepp Osaka
2011.11.20(日)福岡/Zepp Fukuoka
2011.11.21(月)広島/広島CLUB QUATTRO
2011.11.27(日)北海道/Zepp Sapporo
2011.12.04(日)沖縄/桜坂セントラル
2011.12.09(金)香川/高松オリーブホール
2011.12.11(日)石川/金沢EIGHT HALL
2011.12.12(月)新潟/新潟LOTS
2011.12.14(水)宮城/Zepp Sendai
ONE OK ROCK 2011-2012"残響リファレンス"TOUR
YOKOHAMA ARENA SPECIAL FINAL

2012.01.21(土)神奈川/横浜アリーナ
2012.01.22(日)神奈川/横浜アリーナ



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MOGWAI「Hardcore Will Never Die,But You Will」 [●POST ROCK]

7th. album 2011.02.02 release(日本先行発売)

ライヴを観てからやっと追いついた
心地よいノイズに痺れるのも、もちろんいいのだが
新しい音楽の波にたゆたうのも、もっといい

  2011.07.31 at FUJI ROCK FESTIVAL '11 GREEN STAGE
[text●h.mariko]

mogwai.jpg
MOGWAI/モグワイ

フジロックでMOGWAI(モグワイ)を観たのは、2006年、ホワイトステージのトリを飾ったライヴであった。それ以前、日付は記憶が曖昧なのだが、恵比寿リキッドルームにて行なわれたライヴに足を運び、轟音にやられた記憶も生々しい。やられたと言うのは、癖になったと言い換えてもらっても構わない。あの音をフジロック(野外!)で味わえるのをひた楽しみに、2006年はホワイトステージに早くから陣取ったものだった。あのときのライヴでの体験は、筆舌に尽くし難い。文字で現わそうとすると、感動的だとか、鳥肌ものだとか、手垢のついた表現しか思いつかないのだ。(語彙力の問題か・・・)
が、あのときの張りつめた空気、深閑とした観客。息遣いまでが聞こえて来そうな密やかさ、そのなかを圧倒的な音量で埋め尽くすホワイト・ノイズ。恍惚の時間。深夜とも呼べる時間帯に、誰ひとりとしてステージを離れなかった、あの幸せな時間。あれを感動的と言わずとして、なんと呼べばよいものか、やはり私の語彙力ではカバーできない。

あの思い出をもう一度。そして、今度はグリーンステージでの出演、こうなったら否が応でも期待は高まる。今年の出演時間帯は、17時30分から。暮れなずむ時間帯は別名、逢魔が時。3日間通して降り続いた雨は小康状態。陽が翳り始め、山の稜線を緋色に縁取る。

ニュー・アルバムである「Hardcore Will Never Die, But You Will」からの楽曲と、今までの名曲、また2006年のアルバム「Mr. BEAST」からの選曲が多かった。
2006年のライヴが私のなかで“恍惚の時”だとすれば、今回は“呆然の時”であった。それこそ、時間が流れることを忘れ、ただひたすら、惚けたように、口をあんぐりと開けて、たぶん全身の毛穴とかも開きっぱなしで、彼らの音楽を捕まえようとしていた。が、その手をことごとくすり抜けられた。なんで捕まえられないのだろうと不思議に思えば思うほど、ステージが遠くも近くもに見える。そんな奇妙な感覚を抱いたまま、呆然と眺めていた。

今冷静になって、あのときのことを思い出してみる。新しいアルバムを聴き込めていなかったこともあるのだが、この「Hardcore Will Never Die, But You Will」は、これまでのMOGWAIのアルバムにくらべるとリズムがはっきりと刻まれているのが特徴的だ。拡散してゆくような音の広がりよりも、ロックっぽさが目立つ。そして彼らを語るに必須であるホワイト・ノイズとでも呼ぶべき、轟音の嵐も、意外と少ない。張り出したように聴こえるベースもなく、いわば、普通なのである。MOGWAIっぽくないのである。
それが私を呆然とさせたひとつの要因である。そう、言葉をかえれば“期待はずれ”。こんなはずではない、そう思いながら、私の知っているMOGWAIの音の尻尾を探して追い回していたのだ。が、捕まえたのは空疎という名の鰻みたいなものだった。いくら手を差し伸べても、ないものは掴めない・・・。
しかし、“ホワイト・ノイズのないMOGWAI”を受け入れて聴いてみると、このアルバムの世界観にも、引き込まれる。1曲1曲の余韻。ヴォーカルが入った曲も、そう思えば普通に聴ける。「Too Raging To Cheers」あたりから“MOGWAIっぽさ”が出てきて、新旧を織り交ぜた“新しいMOGWAI”が表現されていることに、いまさらながらに気がつく。
そう、私が呆然としたのは、彼らの進化に着いてゆけていなかったのだ。彼らはホワイト・ノイズを駆使した楽曲から、さらに次のステージへと登り始めている。そのことに、私は、ライヴを観てからやっと追いついたのだ。
心地よいノイズに痺れるのももちろんいいのだが、新しい音楽の波にたゆたうのも、もっといい。

話を少々、フジロックに戻す。
MOGWAIのステージが終わり、まだ呆然としている私の頬を、冷たい風がなで上げるように吹き抜けていった。着ていたポンチョの裾をはためかせるほど強い風だった。その一陣の風で、私は音楽の世界に飛びかけていた意識をこの世に戻した。あまりに呆然とし過ぎていたので、寒さが気になり始めていたにも拘らず、近くのハイネケンブースに走って頭を切り替えた。

彼らの新しい道筋は始まったばかりだ。その道程を、私はこの目でしかと見届けた。それを教えてくれたあの冷たい風は、これから来るべき期待という名の予感であったのかもしれないと、今思う。
あのときの思い出とともに、冷たい缶ビールをなめながら、このアルバムを聴くのが、今の私の最高に贅沢な時間の過ごし方だ。

TOWER RECORDS ONLINE[MOGWAI]
TOWER RECORDS ONLINE「Hardcore Will Never Die,But You Will」

Hardcore Will Never Die But You Will

Hardcore Will Never Die But You Will

  • MOGWAI/モグワイ
  • Sub Pop
  • 2011/02/15
  • CD+CD
■Track listing
[CD1]
01. WHITE NOISE
02. MEXICAN GRAND PRIX
03. RANO PANO
04. DEATH RAYS
05. SAN PEDRO
06. LETTERS TO THE METRO
07. GEORGE SQUARE THATCHER DEATH PARTY
08. HOW TO BE A WEREWOLF
09. TOO RAGING TO CHEERS
10. YOU'RE LIONEL RICHIE
11. SLIGHT DOMESTIC/日本盤Bonus Tracks
12. HASENHEIDE/日本盤Bonus Tracks
[CD2]
01. MUSIC FOR A FORGOTTEN FUTURE/THE SINGING MOUNTAIN


MOGWAI JAPAN TOUR 2011
2011.11.23(水)大阪/心斎橋 BIGCAT
2011.11.24(木)愛知/名古屋CLUB QUATTRO
2011.11.25(金)東京/Zepp Tokyo



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LUNA SEA「REBOOT ―to the New Moon― 24th December.2010 at TOKYO DOME」 [●DVD]

LUNA SEA 20th ANNIVERSARY WORLD TOUR
REBOOT ―to the New Moon―
24th December.2010 at TOKYO DOME

DVD & Blu-ray 2011.4.13 release

終幕から10年後の東京ドーム
何よりも、カーテンコールで見せた充実感あふれる笑顔が
この日のライブの成功を物語っていた

[text●o.izumi]

2010年12月23日・24日、オフィシャルサイトでのREBOOT(=再起動)予告から7か月、ワールド・ツアー“LUNA SEA 20th ANNIVERSARY WORLD TOUR REBOOT ―to the New Moon―”(世界4か国8公演)のファイナルとして、5人が東京ドームに帰ってきた。このアルバムには、24日の模様を収録。

歓声のなか、ベートーベンの「月光」をアレンジしたSE「月光 -Opening SE- 」が流れる。暗闇から、J、INORAN、真矢、SUGIZO、RYUICHIの順にゆっくりと登場。

“新しい時が 始まろうとしてる 胸騒ぎのする 今夜は”
ライブの幕開けにふさわしい歌詞の「Time Has Come」で、この日はスタート。2曲目の「Dejavu」で特効が上がり、早くも弦楽器隊3人が花道へ繰り出し、駆け回る。

「みんな、会いたかったぜー!約10年の時を待ち続けてくれたみんなに、1曲1曲を通して思いをぶつけていきたいと思います」
この日を待っていたのは、ドームに集まった5万人のSLAVE(ファン)だけでなく、彼ら5人も同じだろう。

“Jesus, don't you love me?”
イントロの真矢の力強いドラムとSUGIZOのリフがかっこ良い「JESUS」。アウトロで聴けるRYUICHIとJの掛け合いは、RYUICHIの声とJの低い声が対象的でおもしろい。さらに、SUGIZOのコーラスが美しい「END OF SORROW」、5万人がドーム一面に手を振る姿が圧巻の「SHINE」とシングル曲が続く。

「FACE TO FACE」から、LUNA SEAのコアな部分が感じられる中盤へ。緑の照明が似合う「gravity」は、INORANのクリーントーンと重く緩やかに流れるベースラインが刹那的で、「Providence」では、静寂のなか、RYUICHIの声とSUGIZOのヴァイオリンが美しく共鳴していく。そして、中盤を締めくくる「GENESIS OF MIND~夢の彼方へ~」。この曲をライブで再現するためにつくられた、トリプルネックのギターを持つSUGIZO。上から、12弦・フレットレス・6弦のこのギターを自在に操る姿は、ライブ中には細かく確認できなかったが、このDVDで存分に堪能できる。激しい曲で盛り上がるのももちろんいいが、彼らそれぞれの魅力が感じられる中盤部も、LUNA SEAのライブの醍醐味だと思う。

ちょっとエキゾチックな曲に合わせて始まる、気迫溢れるドラム・ソロ。真矢の音と5万人のSLAVEのコール&レスポンスは、もう大定番。そして、ベースを弾きながらJがセンターへ現われ、重低音が小気味よいリズム隊タイムへ。Jが客席を煽ると、男性と女性の2層の歓声が聞こえてくるのは、男性ファンも多いJならではだろう。

「東京ドーム、聞こえるかー?いけるかー?1・2・3・4!!」
Jのカウントで他の3人も登場。そのまま「IN FUTURE」へ。ブレイクの部分で、SUGIZOやRYUICHIが遊び心溢れるパフォーマンスをし、他メンバーがそれを笑顔で見ている場面も。アリーナの真ん中につくられたサブステージで歌う「I for You」で、10年待っていたSLAVEへ感謝の想いを届ける。そして、「TIME IS DEAD」や「ROSIER」といった定番曲でドームを熱狂に包み込み、その勢いのまま「TONIGHT」で本編が終了。

アンコール代わりに「きよしこの夜」を歌うSLAVEたち。ステージに登場したRYUICHIが、
「俺たちは5人でグルーブしてるけど、皆は5万人でグルーブしてるからかっこいいよね」
と言うとおり、まばらだった歌がだんだんとドーム全体に響き渡っていく様は圧巻だった。「LOVE SONG」の演奏後に、ステージ上方に浮かんだ“Merry Christmas”の文字。5人からSLAVEへのクリスマス・プレゼントなのだろう。そして、キラキラした銀テープが雪のように舞う「WISH」で、“LUNA SEA”の2daysは終わりを迎えた。

「MOTHER」のピアノバージョンが流れるなか、RYUICHIが言う。
「燃え尽きた。明日生まれ変わるために燃え尽きた。明日はこのルナシー(LUNA SEA)はいない、別のルナシー(LUNACY)で」
と、翌日の黒服限定ギグを示唆する。終幕から10年後の東京ドーム。あのころよりも、笑顔が増え、メンバーそれぞれがのびのびと演奏しているように見えた。何よりも、カーテンコールで見せた5人の充実感あふれる笑顔が、この日のライブの成功を物語っている。

10月22日には、さいたまスーパーアリーナで約10か月ぶりのライブ“東日本大震災復興支援チャリティライブ LUNA SEA For JAPAN A Promise to The Brave ”が行なわれる。そこでどんな5人の姿が見られるのか。それまでは、このDVDを見ながら、楽しみに待ちたいと思う。

OFFICIAL WEB SITE→ http://www.lunasea.jp/

TOWER RECORDS ONLINE[LUNASEA]
TOWER RECORDS ONLINE「REBOOT ―to the New Moon― 4th December.2010 at TOKYO DOME」

■Track listing
01. 月光 -Opening SE-
02. Time Has Come
03. Déjàvu
04. JESUS
05. END OF SORROW
06. SHINE
07. FACE TO FACE
08. gravity
09. RAIN
10. Providence
11. GENESIS OF MIND~夢の彼方へ~
12. Drum Solo -楊貴妃 -
13. Bass Solo holy session '10 -beast beat-
14. IN FUTURE
15. I for You
16. STORM
17. DESIRE
18. TIME IS DEAD
19. ROSIER
20. TONIGHT
21. IN SILENCE
22. BELIEVE
23. LOVE SONG
24. PRECIOUS...
25. WISH
26. Curtain Call



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GOLIATH「RESIDENTS IN DESERT」 [●ROCK]

1st. album 2011.10.05 release

ツイン・ベースの変則バンドによる刺激的なデビュー作
潔さとパンク・スピリットが詰め込まれたダンス・ロック

[text●i.akira]

1212.jpg
GOLIATH/ゴライアス

FOX LOCO PHANTOM(フォックス・ロコ・ファントム)の猫田ヒデヲ(B.)と泉田吉伊(G.)、ART-SCHOOL(アートスクール)の宇野剛史(B.)と鈴木浩之(Ds.)、Response(レスポンス)の千葉喜朗(Vo.)という豪華メンツによるニュー・バンド、GOLIATH(ゴライアス)のファースト・アルバム。今年の春先に突如活動を開始し、まだ数えられるほどしかライブを行なっていないにも関わらずCDデビューするという離れ業をやってのけたことにも驚かされるが、その内容はさらにショッキングである。

このバンドの最大の特徴はツイン・ベースにある。ふたつの強靭なベース・ラインが前後上下左右にうねり回りながら、楽曲に異様な奥行きを与えている。さらにそれらに負けじとタイトかつダイナミックに刻まれるドラム、それを横目に乱暴かつ奔放に暴れまわるギター、英語と日本語が混ざり合った独特な語感の歌詞をつぶやく浮遊感のある歌声が、四方八方から襲ってきては聴覚のみならず神経を刺激してくる。収録曲「blackout」のPVではひとりのダンサーをメンバーがとり囲んで演奏するシーンがあるが、まさに自分があのダンサーになったような気分だ。もはやこのビートに身をまかせて踊り狂うしかない。UKロックやニューウェーブ、ポスト・パンクを基盤としながら、随所で各メンバーのこだわりを感じさせるテクニックや味付けを楽しむことができ、いい意味でやりたいことを「やっちまえ!」といった具合に詰め込んでしまったような潔さとパンク・スピリットが詰め込まれている。こんな作品でシーンに殴りこんでくるのだから、さすがとしか言いようがない。

ひとつとして似た曲はないにもかかわらず、まるで6曲を合わせて1曲のような奇妙な整合性がある。ただ残念なことに、聴いているとあっという間に終わってしまう。そう、もっともっと彼らの音が欲しくなってしまうのだ。なんという中毒性だろう。初となる全国ツアー“GOLIATH JAPAN TOUR 2011 REBELLIOUS MIND”に行けば、この欲求を満たしてくれるのだろうか。今から楽しみである。
※TOWER RECORDS各店,TOWER.JP,amazon.co.jp 限定

OFFICIAL WEB SITE→ http://www.golarock.com/

TOWER RECORDS ONLINE[GOLIATH]
TOWER RECORDS ONLINE「RESIDENTS IN DESERT」

RESIDENTS IN DESERT

RESIDENTS IN DESERT

  • GOLIATH/ゴライアス
  • Nyan Nyan Records
  • 2011/10/05
  • CD
■Track listing
01. Distraction
02. blackout
03. SSS
04. Beckon
05. HEAVEN'S BEAT
06. the dead of youth


GOLIATH JAPAN TOUR 2011 REBELLIOUS MIND
2011.10.12(水)東京/下北沢CLUB251
2011.10.14(金)埼玉/西川口Hearts
2011.10.16(日)大阪/MINAMI WHEEL2011
2011.10.18(火)岡山/CRAZY MAMA2
2011.10.19(水)福岡/Early Believers
2011.10.21(金)山口/周南RIZE
2011.10.25(火)愛知/名古屋CLUB UP SET
2011.10.26(水)京都/MOJO
2011.10.27(木)兵庫/神戸太陽と虎
2011.10.29(土)大阪/福島LIVE SQUARE 2nd LINE
2011.11.02(水)宮城/仙台CLUB JUNK BOX
2011.11.06(日)東京/下北沢SHELTER


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SBTRKT「SBTRKT」 [●ELECTRONIC]

1st. album 2011.07.06 release

念願のライヴから時間をおいて
冷静になったはずの今でも
このCDを聴くと、熾き火のように
心の中が熱く照らされるのを感じる

  2011.07.29 at FUJI ROCK FESTIVAL '11 RED MARQUEE
[text●h.mariko]

2221.jpg
RED MARQUEE

もともと自分はロックというかハードロックに類する音楽が好きなのだと思っていたのだが、けっこう雑食なのだとわかったのは最近のような気がする。
ひとつの音楽ジャンルに捕われていると見えないものがあって、何かのきっかけで気がついた道を辿っていくと、ものすごく自分好みのアーティストと出くわすことがある。このSBTRKT(サブトラクト)が、まさにそうだった。
金欠に喘ぎながらも、つい足が向いたタワーレコード。心寂しさを少しでも癒そうと、試聴コーナーでとりあえず聴きまくるのが私流のCDショップの活用法。いつもだったらロックコーナーに直行するはずが、そこが塞がっていたので、空いていたテクノ/エレクトロニカ・コーナーに行った。聴きたかった別のアーティストはさらっと聴いたのに、この試聴で心にぐさりと刺さったのが、SBTRKTであった。

どこかアフリカの民族を彷彿とさせるお面のようなものを被った人物が写っただけのシンプルなジャケット。黒地に黄色が眩しいその絵面からは何も読み取れなかったが、その音の奥深さに、聴いた瞬間引き込まれた。財布と相談する間もなく、CDをむんずと掴んでレジに走った。

そうして、フジロックの出演(2011.07.29)が決まっていることを知ったときといったら、それはもう、人様には到底見せられないほどの表現で喜びを体現した。
フジロックで唯一「収容人数に決まりがある」ステージが、レッドマーキー。ほかのステージが野外(観客のいる場所には建造物がない)であるのに対し、ここだけは屋根で覆われているため、屋外にいるのにライヴハウスにいるような錯覚を起こす。昼間はライヴハウスになり、深夜はクラブになる。

日付が変わる時間(7月29日24時)、まさにステージが変貌を遂げる時間帯に、SBTRKTは出演した。

アルバムジャケットと同じような面を被ったふたりが織りなすステージはCDの世界を拡大鏡で覗いたような、またはその世界に自分が飛び込んでしまったかのような、リズムのるつぼだった。
「Heatwave」で文字どおり、熱のこもった音の波を感じさせ「Hold On」ではヴォーカルも心地よい。「Pharaohs」のような遊び心を感じる曲もまたよい。正確に、また力強く叩きだされるリズムにシンセサイザーでつくられた音が被さる。サイケデリックでもあり、ブラック・ミュージックを彷彿とさせるリズム感があり、しかしエレクトロニカでもある。少し鼻にかかったようなハスキーヴォイスがまた心地よく、柔らかく響く。

適当に後ろのほうで観ていようかな、という態度だった観客がだんだんと前に進み出て、身体を揺らす姿は印象的。彼らの音楽に取り込まれた人が、ここにもまたひとり。ライヴでも終盤を彩った「Never Never」は柔らかさとともに極彩色の極上の音楽を、私たちに届けてくれた。

念願のライヴも観て、それから時間をおいて冷静になった(はず)の今でも、このCDを聴くと熾き火のように、心の中が照らされるのを感じる。それは決して大きな炎ではないが、触れれば大火傷でもしそうな熱さを持っている。炎は赤色よりも青色の方が温度が高いと聴いたことがあるが、彼らの音もそれに準えて表現するなら「青い情熱」とでも呼ぶべきか。
疲れたときにちょっと一服、そんな夜にも、ゆったりウイスキーを呑みたい夜にも、SBTRKTはしっくりと寄り添ってくれる。これからも、ずっと、きっと。

OFFICIAL WEB SITE→ http://www.sbtrkt.com/

TOWER RECORDS ONLINE[SBTRKT]
TOWER RECORDS ONLINE「SBTRKT/サブトラクト」

サブトラクト

SBTRKT/サブトラクト

  • SBTRKT
  • Hostess Entertainment
  • 2011/07/06
  • CD
■Track listing
01. HEATWAVE
02. HOLD ON
03. WILDFIRE
04. SANCTUARY
05. TRIALS OF THE PAST
06. RIGHT THING TO DO
07. SOMETHING GOES RIGHT
08. PHARAOHS
09. READY SET LOOP
10. NEVER NEVER
11. GO BANG
12. Look At Stars/feat.Sampha(日本盤ボーナストラック)
13. Living Like I Do/feat.Sampha(日本盤ボーナストラック)
14. Fried Eggs(日本盤ボーナストラック)




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X JAPAN「ART OF LIFE」 [●ROCK]

mini album 1993.08.25 release

音楽を聴くってのは
10代だけの娯楽じゃない
一生を捧げても足りない魅力を備えてると
31歳でも本気で思ってるよ。俺は

  「ART OF LIFE」と・・・パソコン・ミュージックリスナー
[text●k.ryo]

この曲をフルで聞けるYou Tubeで、今聞いている。

ほんとに、テンションが上がるね。

体が勝手にエアドラムやエアギターをやりだす。
けど、速くて、ついていけるわけはない。
どうやってやってるのかも、わからないところだらけ。

隠し味(というか、隠してないか)は、
YOSHIKIのツーバスのドカドカとPATAの低音のリフが、
今のロックにはない迫力を生んでますね。
それに今のYOSHIKIにも、もう叩けないでしょう・・・
本気で叩いたら、マジで死ぬ

メタル的な演奏テクニックと
プログレふうな変調する展開
今なら唯一、
9mm Parabellum Bullet(キューミリ・パラベラム・バレット)を想起

10代なら“哲学的だ”とハマる歌詞。
カタク、気恥ずかしいことを、
英語で歌っているのも、背伸びしたい思春期の男には、
ドンピシャだったのだろう。


ちなみにこれは1曲29分以上(CDは28分59秒)だし、
同じメロディーが繰り返されるけど、
この曲を聴いてるとき以上に、30分が短く感じることは、ない。


アルバムタイトルのとおり、
エックス(X)の絶頂期に、ダイナミックな曲を残した音楽を、
芸術と呼んでも、いいと思う。


ちなみに、今Amazonで調べると廃盤になってるみたい・・・。
ススメといて、なんだけど、
メタルとオーケストラの融合という、ある意味古くさいアレンジを、
今だからこそいいステレオで聞いてほしい。
パソコンでは聞こえない音がたくさん聞こえるはずだ。

つくり手の意志を知ろうと、歩みよる・・・。

パソコンは、便利すぎて、
“浅く広くな”趣味になってイカン。

音楽を聴くってのは、10代だけの娯楽じゃない。
“年々、遠ざかっていく?” 冗談じゃない
一生を捧げても足りない、魅力を備えてると、
31歳でも本気で思ってるよ。俺は。

OFFICIAL WEB SITE→ http://www.xjapanmusic.com/

TOWER RECORDS ONLINE[X JAPAN]
TOWER RECORDS ONLINE「ART OF LIFE」

ART OF LIFE

ART OF LIFE

  • X JAPAN
  • イーストウエスト・ジャパン
  • 1993/08/25
  • CD
■Track listing
01. ART OF LIFE

X JAPAN / ART OF LIFE -1993.12.31 TOKYO DOME (限定盤-特殊メモリアル・パッケージ) [DVD]

X JAPAN / ART OF LIFE -1993.12.31 TOKYO DOME
限定盤-特殊メモリアル・パッケージ

  • コロムビアミュージックエンタテインメント
  • DVD
■Track listing
01. ART OF LIFE



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The Music「THE MUSIC」 [●ROCK]

1st. album 2002.08.19 release

突き上げる拳。沸き上がる大歓声
アンコールを求める声と拍手が鳴り止まなかった
もっと彼らの音を聴きたいと思ったが
それはもう叶わなかった

  2011.07.31 at FUJI ROCK FESTIVAL '11 GREEN STAGE
[text●h.mariko]

彼らを知ったきっかけはなんだったろう。はて、思い当たらない。
ファースト・アルバムであるこの「THE MUSIC」が話題になり、音楽雑誌がこぞって取り上げている最中、確か「お得価格!」というCDショップの釣り文句にみごと釣られて、何気なく買ったのではなかったか?
そのときに少し聴いて、そうか、こんなのが流行ってるのか、と思った。要するに、そのときはあまりピンとこなかった。ピンと、というより、ぜんぜん気にならなかった。そのまま「あまり聴かないCD箱」にしまいいこみ、ipodには入ってるけどあまり再生されない、そんなバンドが私にとってのTHE MUSICだった。

しかし彼らの電撃解散の報は、少なからず衝撃を受けた。私自身が愛してやまないフジロックに何度も出演している彼ら、「そのうちゆっくり観る機会を作ろう」と思っていたのに、解散だなんて! 2011年のフジロック、3日目のスペシャルゲストとしての出演を、しっかり観ることにした。

結果。こんなにカッコいいバンドだったっけ?! 嬉しさとともに、この音をもう聴けないのか、という切なさがこみ上げるなかでライブを鑑賞。3日間降り続いた雨で足場はぐじゃぐじゃだというのに、あたりは人、人、人。あっという間に、私もステージにのめり込むひとりとなった。

ライブを観ると、バンドは大抵ふたつのパターンに分けられる。CDがかっこよくて期待していたら、音が思ったより好みでなく、イマイチだなあと思うのがひとつめ。そこそこに期待していたら、それを大きく上回る音圧やらパフォーマンスで、一発で虜になるのがふたつめ。彼らは、みごとに後者であった。
グルーヴ感溢れる音楽。リフレインが多用された楽曲は解りやすくノリやすく、テンションも上がりやすい。アルバムをちょっと聞きかじったていどの私でさえ、体全体が熱くなるほどに踊れる音楽。
ファースト・アルバムに収録されている「Take The Long Road And Walk It」や「The Truth Is No Words」「 Float」 がたたみかけるようなリズムを叩きつける。フジロックでいちばんの収容人数を誇るグリーンステージで、最終公演として申しぶんない圧倒的な存在感。紫色の照明に照らしだされる一心不乱なメンバーの姿が印象的。そしてそれに陶酔する観客も。
ラストを飾ったのは、日本でも大旋風を巻き起こした「THE PEOPLE」であった。思わず突き上げる拳。沸き上がる大歓声。
アンコールを求める声と拍手が鳴り止まなかったが、メンバーはステージに姿を現さなかった。もっと彼らの音を聴きたいと思ったがそれは叶わなかった。解散を決めた潔さがそうさせたのか、「彼らはこのまま散りたいとのことです」とは、主催側のMC。
思えば、フジロックの出演回数は海外アーティストでも抜きん出て多く、一度は自腹で「観客」として訪れてくれることさえあったThe Music。親日家としてもフジロッカーとしても有名であった彼らの姿をもう観られないと思うと、やはり寂しい。
彼らの最高のパフォオーマンスを観る機会が、私の最後のライブにはなってしまったが、それを心にとめて、アルバムをじっくりと噛み締めたい。

TOWER RECORDS ONLINE[The Music]
TOWER RECORDS ONLINE「THE MUSIC」

ザ・ミュージック

ザ・ミュージック/THE MUSIC

  • ザ・ミュージック/The Music
  • EMIミュージック・ジャパン
  • 2002/08/19
  • CD
■Track listing
01. THE DANCE
02. TAKE THE LONG ROAD AND WALK IT
03. HUMAN
04. THE TRUTH IS NO WORDS
05. FLOAT
06. TURN OUT THE LIGHT
07. THE PEOPLE
08. GETAWAY
09. DISCO
10. TOO HIGH
11. ALONE/日本盤ボーナス・トラック



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カイル・ニューマン監督作品「ファンボーイズ」 [●DVD]

2010年日本公開作品(原題「Fanboys」/2008年製作 アメリカ映画)

「スター・ウォーズ」を愛するすべての人に捧ぐ
オタクな僕らの「スタンド・バイ・ミー」

[text●i.akira]

1999年、数多くの熱狂的ファンを生み出した映画史に残る一大サーガの序章が、前作から16年という月日を経て公開された。「スター・ウォーズ」の最初の物語である「スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス」(以下エピソード1)である。僕も公開初日に観に行ったが、あのときの期待と興奮と熱狂は忘れることができない。コスプレをした人、パンフレットに穴が空くほど目を通す人、ただじっとその瞬間を静かに待つ人、テーマ曲を口ずさむ人・・・それぞれにそれぞれの愛を持ってその日を待っていたのである。そして、その瞬間はやってきた・・・。

本作はそんな「スター・ウォーズ」を愛して止まないオタクな青年4人を中心とした青春コメディである。「エピソード1」公開まであと半年と迫っているにもかかわらず、仲良し4人組のひとりが病により余命3か月と宣告されてしまった。そこで彼のため、スカイウォーカーランチ(ルーカス・フィルム・スタジオの総称)に忍び込んで「エピソード1」のフィルムを盗むという無謀なチャレンジに挑むため、大冒険に出発するのである。
シリーズを知っている人にとっては大爆笑まちがいなしの、スター・ウォーズ愛に溢れた名作だ。青春映画という意味では、個人的には「スタンド・バイ・ミー」より笑えたし、泣けた。ファンをニヤリとさせてくれるパロディや言動、カルトなクイズなどもおもしろいし、「スター・ウォーズ」と双璧を為すSF大作「スター・トレック」ファンとのバカバカしい対決なども見どころである。また、カメオ出演者の豪華さも特徴で、旧3部作のヒロインであるレイア姫役のキャリー・フィッシャーや、ハン・ソロの旧友であるランド役のビリー・ディー・ウィリアムス、「エピソード1」の悪役であるダース・モール役のレイ・パーク、さらには「スター・トレック」のカーク船長で知られるウィリアム・シャトナーまで登場! 物語に最高の味つけを加えてくれる。

きっと「スター・ウォーズ」を知らなくても楽しめる作品だと思う。というより、これを観れば「スター・ウォーズ」のことも好きになっていることだろう。そして個人的には最後のセリフにはグッときた。賛否両論を巻き起こした「エピソード1」を集約した言葉だと思う。気になる方は、ぜひDVDで確認してもらいたい。

TOWER RECORDS ONLINE「ファンボーイズ」

ファンボーイズ [DVD]

ファンボーイズ

  • ケンメディア
  • DVD
■cast 
サム・ハンティントン
クリス・マークエット
ダン・フォグラー
ジェイ・バルチェル
クリステン・ベル
キャリー・フィッシャー
ウィリアム・シャトナー
レイ・パーク
ビリー・ディー・ウィリアムズ


スター・ウォーズ エピソードI ファントム・メナス [DVD]

スター・ウォーズ エピソードI ファントム・メナス

  • 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
  • DVD
ジョージ・ルーカス監督 1999年公開 アメリカ映画
■cast 
リーアム・ニーソン
ユアン・マクレガー
ナタリー・ポートマン
ジェイク・ロイド
イアン・マクダーミド
ペルニラ・アウグスト
オリヴァー・フォード・デイヴィス
ヒュー・カーシュル
アーメド・ベスト
フランク・オズ


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赤江爆著「月迷宮」 [●BOOK]

初版 1993年 徳間書店刊

詰め込まれた言葉の美しさ
艶やかさ、妖しさ、切なさ・・・
美しき日本語が
ここにはしっかりと息づいている

[text●h.mariko]

短編集。ショート・ショートと呼んでいいくらい、一編が短い。

が、そこに詰め込まれた言葉の美しさ、
艶やかさ、妖しさ、切なさ・・・、

人は死しても魂が消えぬ限り、そこにあり続けることができる、
と断言したくなるような、幽玄な文章が詰まっている。


モノに対する愛情であったり、磁場とでもいうか、
土地にまつわる“そこに棲むもの”であったりと、
物語全体を優しい愛情がいつも包んでいる。


静かで、粋な言葉のなかで、何ともいえない読後感が残る。

美しき日本語が、ここには今もしっかりと息づいている。


決して優しい話ばかりではないが、
すいすいと読めてしまう言葉と、
短編ながら物語として完成している姿はさすが。

個人的に気に入ったのは、「伽羅の燻り」と、「海婆たち」。

「月迷宮」「瑠璃抄」「伽羅の燻り」「階段の下の暗がり」
「緑陰の恐れ」「鸚鵡の年」「アネモネの国」「花燭の舟」「華厳」
「櫻のあとさき」「海婆たち」を収録。

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月迷宮

月迷宮

  • 赤江爆著
  • 徳間書店
  • 1993/08
  • 単行本





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マキタスポーツ「オトネタ」 [●COMEDIAN]

original album 2010.04.23 release

“才能が渋滞を起こしているピン芸人”の珠玉のCD
ネタの域を超えたひじょうにバカバカしくてすばらしい音楽が満載

[text●i.akira]

一部のお笑い好きや著名人に熱狂的に愛されている“オフィス北野の最終兵器”にして、“才能が渋滞を起こしている”話題のピン芸人マキタスポーツ。世間的には若手として知られているが、そのキャリアは意外と長くすでに40歳を越えているというベテランであり、業界でも非常に高い評価を数年前から受けながらも、これまで売れる気配すらなかった。しかし2010年あたりからついに一般的にも注目を浴びはじめ、地上波でもこそっと見かけることが増えてきた。そんな彼の才能を知ることができる作品がこの「オトネタ」である。

彼が得意としているのはモノマネ芸であるが、通常のモノマネとは一味違う。さまざまなアーティスト(Mr. children、B'z、奥田民生、岡村靖幸など)の楽曲の特徴やクセをとらえた非常に秀逸な鉄板ネタ“作詞作曲モノマネ”シリーズはその最たるもので、歌声が格別似ているわけではない(多少似せにいってはいますが)にも関わらず、最初のギター・リフからして対象のアーティストがあっさりと浮かんでしまい、本人かと錯覚するほどの完成度の名曲に仕上げてしまっている。正直笑うというよりも、クオリティの高さに感嘆してしまう楽曲ばかりだ。そんな“作詞作曲モノマネ”シリーズを中心に、オープニングと冒頭を飾るイイ曲なのに歌詞がひどすぎてグッとこない「0点の音楽」シリーズや、浜田省吾ふうなアカペラ・ナンバー「若き衝動」シリーズ、なんだか誰かっぽい雰囲気の「クリスマスソング」シリーズなど、ネタの域を超えた非常にバカバカしくてすばらしい音楽が満載の作品だ。

最近では彼のバンド“マキタ学級”名義で、ヒット・ソングの方式を片っ端から詰め込んだ名曲「十年目のプロポーズ」(ジャケットには桜の絵や「キセキ」という言葉が・・・)をリリースするなど、目立った活動を行なっている彼。一度聴いたら何度でも聴いてしまいたくなる珠玉のオトネタ、ぜひみなさまもご堪能ください。

OFFICIAL WEB SITE→ http://info.m-sports.tv/

TOWER RECORDS ONLINE[マキタスポーツ]
TOWER RECORDS ONLINE「オトネタ」

オトネタ

オトネタ

  • マキタスポーツ
  • ディウレコード
  • 2010/04/23
  • CD
■Track listing
01. 0点の音楽~何も感じない歌
02. 若き衝動Ⅰ
03.「piss~シーシーゲー ム~」※
_ (もしもMr.Childrenがお風呂の事を歌ったら)
04.「コーヒー★ギュウニュー」※
_ (もしも奥田民生がお風呂の事を歌ったら)
05.「彷徨える蒼きバス・コミュニケーションでいいんじゃない」※
_ (もしもB'zがお風呂の事を歌ったら)
06.「Bath timin' blue~世界中のお風呂嫌いな子ども達へ~」※
_ (もしも佐野元春がお風呂の事を歌ったら)
07. 若き衝動Ⅱ
08. 渋谷青春歌謡2010
09. クリスマスソング1(デスメタル篇)
10. クリスマスソング2(ムード歌謡篇)
11. クリスマスソング3(シャンソン篇)
12. 若き衝動Ⅲ
13. 「漢風呂」※
_ (もしも初期エレカシがお風呂の事を歌ったら)
14.「フロハイラナイカイ~TU・TU・MOTA・SE~」※
_ (もしも岡村靖幸がお風呂の事を歌ったら)
15.「サンボマスターはお湯に語りかける~美しき日本の銭湯~」※
_ (もしもサンボマスターがお風呂の事を歌ったら)
16. 0点の音楽~オーシャンブルーの風のコバルトブルー

作詞作曲モノマネシリーズ=「」※



十年目のプロポーズ

十年目のプロポーズ

  • マキタ学級
  • FUTABAMUSIC
  • 2011/09/14
  • CD
■Track listing
01. 十年目のプロポーズ
02. 歌うまい歌
03. 十年目のプロポーズ/カラオケ・エディット
04. 歌うまい歌/カラオケ・エディット






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テリー・ケイ著「白い犬とワルツを」 [●BOOK]

原題「To Dance with the White Dog」初版 1990年 発行

人の一生をさらりと描いているが
生きることの楽しさと悲しさを紙一重で表現
人を、仕事を、そして
自分を愛することの大切さを再確認

[text●h.mariko]

突然だが、あなたの近くにいる人、そう、両親とか、それくらい近い人だ、そんな人が、ある日突然、「白い犬がいる」と、飼ってもいない、むしろ目の前にもいやしない“犬”について語りはじめたら、あなたはどう対応するだろうか。そして、それに対する正しい対応のしかたというのがあるとしたら、それはいったいどういう方法なのだろうか・・・。

長年連れ添った妻に先立たれたサム。自身にも癌が発見され、その余生の終わりが見えてきた、そんなころ。8人の子どもと28人の孫に恵まれ、そばに住む子どもたちには“まだまだ元気”という姿を見せ、子どもたちはそんな父(又は祖父)の姿を見て当惑する。そして、その間を行き来する、白い犬。サムの前にしか現われない、不思議な白い犬・・・。

人の一生をさらりと描いているが、生きることの楽しさと悲しさを紙一重で表現されている。感動大作、だとか、大人のための童話、といったレビューを多く見かけたが、私はこれは童話でもなく、感動もしないのではないかと思う。むしろ、誰の人生にでも起きる可能性の高い、人生における“ありかた”という深い問いに真っ向から立ち向かった哲学書のようにすら感じさせられた。人を、仕事を、そして自分を愛することの大切さを再確認させてくれる。

1993年にアメリカでテレビドラマ化(1995年に日本でテレビ放送)、2001年に日本版の映画が制作された(2003年公開/日本映画)。

白い犬とワルツを

白い犬とワルツを

  • テリー・ケイ著
  • 新潮社
  • 2001/11/16
  • 単行本

白い犬とワルツを (新潮文庫)

白い犬とワルツを

  • テリー・ケイ著
  • 新潮社(新潮文庫)
  • 1998/02
  • 文庫

TOWER RECORDS ONLINE「白い犬とワルツを」

白い犬とワルツを [DVD]

白い犬とワルツを

  • アスミック
  • DVD
月野木隆/監督
■cast 
仲代達矢
藤村志保
南果歩
若村麻由美
豊原功補
シロ (白い犬)
ほか


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