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遠藤ミチロウ「オレのまわりは/原発ブルース」 [●ROCK]

プロジェクトFUKUSHIMA! 配信作品

“このまま終わっても構わないのか”
遠藤ミチロウだからこそ伝えられる怒りと皮肉のメッセージ

[text●i.akira]

3月11日の東北大地震を受けて、遠藤ミチロウ、大友良英、和合亮一の3人を代表として結成された“プロジェクトFUKUSHIMA!”。音楽やアートを通じて現在の福島の現状を伝えていこうというこのプロジェクトの一環として、遠藤ミチロウが2曲の新曲を発表した。

「オレのまわりは」はこれぞ遠藤ミチロウの代名詞と呼べる過激で独特な表現が、約7分の楽曲に詰め込まれている。サビでの“ああこのまま終わっても構わないのか”という切実な叫びはグッサリと突き刺さる。そして“俺の原発 メルトダウン”という衝撃的でストレートな言葉で始まる「原発ブルース」は、まさにこの不安と混沌の渦中にある原発に対する非難や風評被害への悲しみを皮肉たっぷりに歌っている。ジャパニーズ・パンク・ゴッドであると同時に、福島県出身で実家が福島原発の半径50kmにあるという彼だからこそ伝えられるメッセージがここにはある。

本作は“プロジェクトFUKUSHIMA!”の公式サイトでダウンロード販売されており、500円からの投げ銭方式で購入することが可能だ。売り上げは8月15日に福島で開催される入場無料の音楽フェスティバル“プロジェクトFUKUSHIMA!”の活動支援金となる。この日遠藤ミチロウはスターリン246(246は地震が起きた時刻2:46からきている)という名義で出演する。福島から怒りをぶちまける彼の雄姿を見逃すな。

遠藤ミチロウ OFFICIAL WEB SITE→ http://apia-net.com/michiro/
PROJECT FUKUSHIMA! WEB SITE→ http://www.pj-fukushima.jp/
PROJECT FUKUSHIMA! 配信作品→ http://www.pj-fukushima.jp/diy.html

246.jpg
オレのまわりは/原発ブルース
遠藤ミチロウ
全2曲 (MP3/TOTAL 11:35 320kbps
LIVE PHOTO(jpg)
歌詞(txt)

download→ http://www.pj-fukushima.jp/diy_details/diy_list_details002.html

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吉田修一著「長崎乱楽坂」 [●BOOK]

「新潮」2002年10月号〜2003年11月号に掲載

駿が見る、大人の世界
入れない世界、大人だけが生きる場所・・・
読み終わったとき、自分の“生と性への執着”を
改めて問われた

[text●h.mariko]

吉田修一の本は、数冊手に取っている。いいなあ、と思うものも多いのだが、この作品で初めて、彼の持つ“物語へのこだわり”のようなものを身近に感じられた気がした。
私は女に生まれ、中途半端な都会で育ったせいか、地元への愛着というものが薄い。郷土愛とでもいうか、そんなものがほとんどない。そして親戚縁者とは冠婚葬祭でしか会わないくらいのつきあいだから、身近に血縁がいるという環境も縁遠い。
だから、この作品で描かれている長崎での暮らし、その土地に対する強い気持ちや土地がもつ磁場のようなものや劣等感や焦燥感は、正直、わからないはずなのだ。それが、すっと入ってきたのは、私の父が九州出身で、その血が流れているからだろうか?

舞台は作者の出身地、長崎。父親を事故で亡くした幼い兄弟は母親の実家、新興ヤクザの一家に身を寄せる。
兄の駿が見る、大人の世界。入れない世界、大人だけが生きる場所。
堅気の世界しか知らない者にはわからない、極道の生々しさ、強さ、狡さ、優しさ。
子を捨てた母親。故郷を忘れようとした子。だが母と土地を忘れられない。子どもから少年へ、少年からオトナへと変貌していく主人公、駿。
長崎という土壌、母の実家の稼業、近所の噂と眼差し、都会への羨望、さまざまな視線を感じつつ育っていく青年は、生々しいほど生気にあふれる。

不便な田舎暮らしと、落ち着いた田舎暮らし。
便利だけど、嘘くさい都会。便利だけど、落ち着かない都会暮らし。
結局、いちばんいい生活って、何なんだろう。
二代目にあたる駿と、ヤクザの正吾、彼らの生活を見下ろしているような錯覚にとらわれつつ、物語を読み進めた。終わったときには、自分の“生と性への執着”を改めて問われたような気がした。

長崎乱楽坂

長崎乱楽坂

  • 吉田修一著
  • 新潮社
  • 2004/05/25
  • 単行本

長崎乱楽坂 (新潮文庫)

長崎乱楽坂

  • 吉田修一著
  • 新潮社(新潮文庫)
  • 2006/12
  • 文庫
一章 正吾と蟹/「新潮」2002年10月号掲載
二章 タローと炭酸水/「新潮」2002年12月号掲載
三章 明生と水玉/「新潮」2003年3月号掲載
四章 清二と白い絣の浴衣/「新潮」2003年6月号掲載
五章 駿と幽霊/「新潮」2003年8月号掲載
六章 悠太と離れの男たち/「新潮」2003年11月号掲載


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大宮エリー脚本「Room of King」 [●DVD]

2008年10月4日〜11月29日 全9回放送 フジテレビ系ドラマ

夢と希望と
ささくれた心にちょっと余裕をくれる“Room of King”
あああ、一緒に住んでみたい

[text●o.ayumi]

性別も年齢も職業も違う9人。“その道のキングになると見込まれた人だけに貸す”という港区青山にある高級マンション「KING」を謎の不動産屋に紹介され、“自分の出せる範囲だけの家賃”を支払ってルームシェアを始める・・・。大宮エリー脚本で、2008年10月から毎週土曜日23時10分からフジテレビ系で放送されたドラマだったが、いまあらためて観なおしている。

非現実的でぶっとんだ切り口、でもその人生模様はすごくリアル。
住人の職業は、バイトを掛け持ちするフリーター、銀行勤務のOL、ベジタリアンのスタイリスト、ワケありの女医、創作日本料理人、単身入居の主婦、IT関連の引きこもり、映画プロデューサー、植物染料で絵を描いているニートなど。年齢も価値観も違う十人十色ならぬ九人九色。それぞれがコンプレックスを抱え、自分の人生を考え、悩みながら高級マンションで同居生活を送る。そして、それぞれに“キング”へのチャンスやキッカケが訪れる。それを見事、掴めるのか、逃してしまうのか、気づかずに見すごしてしまうのか・・・。

かなり濃いキャラクターと予想の立たないコミカルなシナリオが、妙にハマってしまう。わたしはやっぱりアノヒトだけど、きっとどこかしら共感を持てるキャラクターがいると思う。夢と希望と、ささくれた心にちょっと余裕をくれるドラマ「Room of King」。あああ、一緒に住んでみたい。

TOWER RECORDS ONLINE「Room of King」DVD-BOX

Room Of King DVD-BOX

Room Of King
DVD-BOX

  • Aniplex Inc.
  • DVD
■cast 
水嶋ヒロ(森次郎
鈴木杏(浅田朝子
渡部篤郎(真島洋平
井川遥(響京子
石野真子(藤城和江
板尾創路(孫健一
大倉孝二(高草木空
深沢敦(田中正一
平山広行(細野春臣
斉木しげる(伊集院竹
我修院達也(伊集院梅
ミッキー・カーチス(伊集院松
ほか


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三崎亜記著「となり町戦争」 [●BOOK]

初版 2005.01.05 集英社刊
2004年 第17回小説すばる新人賞 受賞作品
2007年 倉持知子作画でコミック化(集英社刊)
2007年 渡辺謙作監督で映画
2007年 ケンジ中尾演出で舞台化


“遠い場所で起きている戦争”に対する
考え方を変えさせるような力が、この作品にはある

[text●h.mariko]

第17回小説すばる新人賞を受賞したときから、なんとなく気になっていた作品。
タイトルに“戦争”とつくからには、硝煙と血飛沫と、悲鳴に怒号、生々しい戦争の描写がつらつら続くのではないかと思って、なかなか手を出せずにいた。いや、そういうテーマの本も結構読んだ。戦争はいけないぜ、という正当論を語っていたり、軍人から観た戦争のあり方というものを書いた本も読んだ。
が、これは、そのどれとも違った。着眼点が新しい。

主人公の北原修路は、町内回覧で、“となり町との戦争開始”を知った。北原は戸惑うが、通勤も普段どおりだし、銃声や警報が鳴り響くわけでもない。だが、広報紙に記された“戦死者数”を見て、北原はやはり戦争が行なわれていることを実感する。やがて北原は、となり町との戦争の偵察のため、スパイのような仕事を言い渡され、戦争推進室の香西瑞希と疑似夫婦になることに。でも、やはり戦渦は遠い・・・。

野暮ったい言い方をしてしまえば、戦争はよくないのだ。人と人は争うべきでなく、互いを認めあい、互いを信頼して生きていくほうが、きっといいのだ。だが、この作品ではそういった説教くささはまったくなく、むしろ淡々としていて、主人公の気持ちが手に取るようにわかる。
たとえば、我々が普段生活していて、海の向こうで戦争や暴動が起きたとする。それは、はっきりいって、他人事だ。死者が出ようが空爆があろうが民間人が巻き込まれようが、胸が痛むことがあっても、直接傷を負うことはない。遠い世界の話なのだ、結局は。しかし、経済やら何やらを通して、もしかするとその戦争に、自分も加担しているのかもしれない。そう思うと、何を信頼して、何を選べばいいのか、頭を抱える。“遠い場所で起きている戦争”に対する考え方を変えさせるような力が、この作品にはあった。

となり町戦争

となり町戦争

  • 三崎亜記著
  • 集英社
  • 2005/01/05
  • 単行本

となり町戦争 (集英社文庫)

となり町戦争

  • 三崎亜記著
  • 集英社(集英社文庫)
  • 2006/12/15
  • 文庫

TOWER RECORDS ONLINE「となり町戦争」DVD

■cast 
江口洋介(北原修路)
原田知世(香西瑞希)
瑛太(香西智希)
菅田俊(矢加部岩恒/舞坂町長)
余貴美子(室園絹)
ほか


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ATARI TEENAGE RIOT「IS THIS HYPERREAL?」 [●DIGITAL HARDCORE]

4th. album 2011.06.08 release

革命は終わってなどいなかった
不変の美学に彩られたデジタル・ハードコア

[text●i.akira]

2000年、ATARI TEENAGE RIOT(アタリ・ティーンエイジ・ライオット/ATR)は解散した。政治的メッセージと革命の旗を掲げ、デジタル・ハードコアというジャンルを全世界に知らしめ、音楽を武器にあらゆる体制と闘ってきた彼らは突如その幕を閉じた。さらに2001年9月6日、MCのひとりだったカール・クラックがオーバードーズにより亡くなってしまい、これにより再結成の可能性も完全に断たれた・・・かと思っていた。しかし彼らは昨年(2010年)新たなメンバーを加え奇跡の復活を果たしたのである。正直、彼らの間にどんなやり取りがなされ、どのようないきさつで再結成を選んだのかはわからない。しかし、本作を聴けばそんな些細なことはどうでもよくなるはずだ。これぞ2011年にふさわしきリアル・タイムの革命である。

本作は2大司令塔であるアレック・エンパイアとニック・エンドーが音楽面だけでなくボーカル面でも中心となった今までにない作品である。しかし根本にあるスタイルはまったく変わっていないし、むしろ楽曲もノイズ量もメッセージも以前よりパワー・アップしている。自らを鼓舞するように「始動しろ!」と叫ぶ「ACTIVATE!」、ミドル・テンポながらふたりの掛け合いとリフが強烈な「BLACK FLAGS」、ノイズのなかを演説のような語りで怒りをぶちまけるタイトル曲「IS THIS HYPERREAL?」、代名詞である「1・2・3・4!」のカウントに思わず笑みがこぼれるストレートな「CODE BREAKER」、ニックの扇情的でキュートな歌声がシビれる「BLOOD IN MY EYES」や「SHADOW IDENTITY」、そしてライブの大合唱が目に浮かぶニュー・アンセム「COLLAPSE OF HISTORY」など、メロディアスな部分は徹底的にメロディアスに、ハードな部分は徹底的にハードにと、メリハリの効いた展開が情報量の多いデジタル・サウンドをさらにドラマティックに仕上げている。また、残念ながらオリジナル・メンバーでMCだったハニン・エライアスは現役引退しており参加していないが、新メンバーのアメリカアーティストであるCX・キッドトロニック(MC)がクラックとは違ったメッセージとMCでATRに新たなる要素を持ち込んでいるのもおもしろい。10年以上の空白があったとは思えないほどの見事な復活作である。

昨年の“SUMMERSONIC '10”での来日も記憶に新しいが、7月31日には“FUJI ROCK FESTIVAL '11”出演のため再び日本にやってくることが決定している。まるで90年代以上の混沌のなかにある現代に呼び起されたように復活した彼らが、よりリアリティのこもった怒りとメッセージを振りかざしながら暴れ回る、そんな姿が目に浮かぶ。革命は終わってなどいなかった。不変の美学に彩られたデジタル・ハードコアは、さらに多くの共感者を巻き込んでいくだろう。

FUJI ROCK FESTIVAL '11 WEB SITE→ http://www.fujirockfestival.com/

TOWER RECORDS ONLINE[ATARI TEENAGE RIOT]
TOWER RECORDS ONLINE「IS THIS HYPERREAL?」

Is This Hyperreal ? [ボーナストラック2曲収録・解説付・国内盤] (BRC293)

Is This Hyperreal ?
[ボーナストラック2曲収録・解説付・国内盤]

  • ATARI TEENAGE RIOT
  • BEAT RECORDS
    DIGITAL HARDCORE RECORDINGS
  • 2011/06/08
  • CD
■Track listing
01. Activate!
02. Blood In My Eyes
03. Black Flags
04. Is This Hyperreal?
05. Codebreaker
06. Shadow Identity
07. Re-arrange Your Synapses
08. Digital Decay
09. The Only Slight Glimmer of Hope
10. Collapse of History
[bonus track]国内盤
11. Activate!/Atari Teenage Riot Remix
12. Activate!/Live in London


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山崎ナオコーラ著「浮世でランチ」 [●BOOK]

初版 2006.09.30 河出書房新社刊

不思議な浮揚感、足元がふあふあした感じ
わざとらしくなく、嫌味でもなく、でも癖がある文体
好き嫌いはきっと分かれるけど、私は大好きだ

[text●h.mariko]

身の回りの出来事を、
斜め45度くらいに傾けて見た景色が頭に浮かんだ。
不思議な浮揚感というか、足元がふあふあした感じ。
わざとらしくなく、嫌味でもなく、読みやすく、でも癖がある文体。
感情の起伏があまりなく、3回くらい繰り返し読んでみて、
“物語の胆”にすこし触れられたかな、と思うような感じ。

会社を辞めて東南アジアへ旅する丸山君枝。
気になるミカミさんとのメールのやりとりの間に、中学時代の同級生のタカソウ、新田、犬井との交流がぱらぱらと挟まっている。
25歳の自分と、14歳のころの自分。

人間はそう簡単には変わらなくて、
それがよくもあり悪くもあり、無理に変える必要はないんじゃないかと。
そして、いつか訪れる今際の際で、
まあ悪くない人生だったなあ、と思えれば、
いい人生なんじゃなかろうか。
そんなことが、訥々と書いてある。
好き嫌いはきっと分かれるかもしれない。
けど、私は大好きだ。

浮世でランチ

浮世でランチ

  • 山崎ナオコーラ著
  • 河出書房新社
  • 2006/09/30
  • 単行本(ソフトカバー)

浮世でランチ (河出文庫)

浮世でランチ

  • 山崎ナオコーラ著
  • 河出書房新社(河出文庫)
  • 2009/08/04
  • 文庫


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MIC JACK PRODUCTION「M.I.C」 [●HIP HOP]

3rd. album 2011.06.08 release

苦難は去った。役者は揃った。時は満ちた
自由を手にしたMJPによる至福の空間

[text●i.akira]

思えばMIC JACK PRODUCTION(マイクジャックプロダクション/以下MJP)の歴史は苦難の連続だった。ファーストアルバム「Spiritual Bullet」リリース直後にリーダーであるB.I.G. JOEがオーストラリアで逮捕され収監されたことに始まり、彼の元相棒だったFreezer Bellがメンバーに加入して再始動したにも関わらずミニ・アルバム「ExPerience the ill dance music」のレコーディング中に交通事故により亡くなってしまうなど、支柱を立て続けに失ったことで彼らは計り知れないほどの悲しみと痛みの底に叩きつけられた。普通に考えればこの時点でグループは解散していてもおかしくなかったと思う。しかし彼らは折れなかった。B.I.G. JOEのカム・バックをただ待つのではなく、MJPという看板を一度も下ろすことなく、残されたメンバーで活動を続けた。またB.I.G. JOEも1日10分の電話や手紙で獄中からラップを送り続けた。その結果、遠く離れていても精神でつながり合ったメンバーたちの絆によりB.I.G. JOE名義のソロ・アルバム2枚とMJPのセカンド・アルバム「Universal Truth」を完成させたのである。そして2009年、B.I.G. JOEが北海道に帰ってきたことで彼ら周辺の活動はさらに活発になり、もはやシーンにとって外すことのできない存在となった。そしてファンの期待が最高潮に達した今、ついに5年ぶりとなるサード・アルバムをリリースしたのである。

「M.I.C」というストレートかつ文句無しのタイトルを冠した本作は、先行配信シングルだった「LET IT SNOW」と「TRAIN TRAIN TRAIN」を筆頭に、Jazzyを主体にしたDJ PERRO a.k.a. Dogg、アッパーでパワフルなDJ KEN、ロック・テイストを感じさせるHALT.、さらにレーベル・メイトであるRebel MusicalやMICHITAなど、それぞれに個性豊かでカラフルなビートが止まることなく響き続けるなか、シリアスからコミカルまでを軽快に語る4人のマイク・リレーがバランスよくトラックに華を添えている。結果、王道も邪道も飲み込んだ唯一無比のヒップホップ・サウンドを生み出している。全19曲、CDの限界いっぱいの78分を越える超大作となっているが、そんな長さを感じさせないほどの勢いと遊び心満載だ。

しかし、本作で最も輝きを放っているのは、頼もしいほどのポジティブなメッセージやエネルギーである。特に「BELIEVE YOURSELF」に込められた愛と力強さはハンパじゃない。数多くの苦難を乗り越えてきたからこそ見つけた喜びが、役者が揃ったからこそ溢れる自信が、ただ失うのではなく積み重ねることで力に変えてきた時間が、これほど迷いのないMJPという至福の空間を生んでいるのだと思う。ただジャパニーズ・ヒップホップと括るのはあまりに惜しく、ひとつの愛すべき音楽として聴いてほしい傑作だ。

本作を引っさげて、彼らはこれから日本中の夜を大騒ぎさせてくれることだろう。シーンの中心、すなわちゴールド・ラッシュは今ここにある。この列車に飛び乗るなら、今しかない。

OFFICIAL WEB SITE→ http://www.micjack.com/

TOWER RECORDS ONLINE[MIC JACK PRODUCTION]
TOWER RECORDS ONLINE「M.I.C」

M.I.C

M.I.C

  • MIC JACK PRODUCTION
  • ULTRA-VYBE, INC. / ILL DANCE MUSIC.
  • 2011/06/15
  • CD
■Track listing
01. THE MAN IS COMING -INTRO-/P.)DJ PERRO a.k.a. DOGG
02. THE GOLD RUSH/P.)DJ KEN
03. TRAIN TRAIN TRAIN/P.)REBEL MUSICAL
04. OVER THE BRIDGE/P.)DJ SEIJI
05. LET IT SNOW/P.)DJ PERRO a.k.a. DOGG
06. DETERMINATIONS/P.)DJ PERRO a.k.a. DOGG
07. BLACK WEEK/P.)DJ PERRO a.k.a. DOGG
08. PUMP IT/P.)DJ KEN
09. 二人RIOT/P.)HALT.
10. エレファントマン/P.)DJ PERRO a.k.a. DOGG
11. ONE SHOT 2 SHOT.../P.)DJ KEN
12. 時間デスY'ALL/P.)DJ KEN
13. SHAKE YA ASS!!!/P.)DJ KEN
14. FAT DANCE/P.)HALT.
15. GAGE/P.)HALT.
16. F.U.N -SAPPORO CITY SURE SHOT-/P.)HALT.
17. ONE HEART/P.)MICHITA 18. BELIEVE YOURSELF/P.)HALT. & ANARCHYSTA KLASTA
19. THE MAN IS COMING -OUTRO-/P.)DJ PERRO a.k.a. DOGG
※P.)=Produced by


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土屋アンナ「strip me?」 [●ROCK]

1st. album 2006.08.02 release

丸裸の土屋アンナを感じられる1枚
しかも、疑問形であるところが挑発的で
いかにも彼女らしい

[text●h.mariko]

もう、ハッキリいって、メロメロである。
土屋アンナ、カワイすぎ、カッコよすぎ。
ハスキーヴォイス、立ち居振る舞い、強い力のある目線。
私が男なら平伏す。いや、女だけど、平伏す。

その、CD。
デビューを知ったとき、実は「え、歌うの?」というイメージが強かった。
モデルやって、女優やって、んで、音楽も?
女優業で、CDをリリースする人は少なくない。だが、ずば抜けて歌唱力を持った人には、あまり巡り会っていない気がしていた。あまり熱心に聞いたわけではないけど、うまいなあ、と思う程度。やっぱり、女優さんでいいんじゃないかなあ、と思っていた。アンナも、そうなんじゃないかなあ、という危惧があった。
ごめんなさい。

めちゃくちゃ、カッコいい。

このアルバムには、TVアニメ版「NANA」(2006.4〜2007.3)のオープニング・テーマ曲(1話〜21話)になった「rose」も収録。全体がヘヴィなのだが、それをさらりとアンナの声がなぞると、ポップに聴こえるくらい、華が添えられる。
ベースが跳ねる「Under My Mask」なんかもおもしろいし、バラード曲「Forever」などはピアノの調べに乗った歌声でしっとりと聴かせる。ラストを飾る「SLAP THAT NAUGHTY BODY」の力強さといったら!
タイトルどおり、丸裸の土屋アンナを感じられる1枚に仕上がっている。しかも、疑問形であるところが、いかにも挑発的で、彼女らしい。

土屋アンナという存在は、モデルでも、映画でも、そして音楽でも、彼女らしさを全面に押し出した出来になっている。
ただ、お人形みたいに可愛いだけじゃない。綺麗なだけじゃない。
綺麗な華ほど、棘があったりする。その棘が、このアルバムでは感じられる。うっかり触れたら、あっという間に飲み込まれてしまうよ。

OFFICIAL WEB SITE→ http://anna-t.com/

TOWER RECORDS ONLINE[土屋アンナ]
TOWER RECORDS ONLINE「strip me?」(CD+DVD)

strip me?(DVD付)

strip me?
(DVD付)

  • 土屋アンナ
  • MAD PRAY RECORDS
  • 2006/08/02
  • CD
■Track listing
001. zero
02. rose
03. NO WAY
04. Lovin' you
05. Under My Mask
06. True Colors
07. Give me kiss & kiss
08. Forever
09. Interlude
10. Change your life
11. ecstasy
12. Jane
13. Grooving beating
14. knock down
15. SLAP THAT NAUGHTY BODY
[DVD]CD+DVD盤
01. Taste My Skin
02. Change your life
03. SLAP THAT NAUGHTY BODY
04. rose ~ strip me?edition


NTV「NANA」OFFICIAL WEB SITE→ http://www.ntv.co.jp/nana/
NANA -ナナ- 1 [DVD]

NANA -ナナ-
1

  • バップ
  • DVD
■voice actor 
朴璐美(大崎ナナ)
KAORI(小松奈々)
木内秀信(本城蓮)
川原慶久(高木泰士)
関智一(寺島伸夫)
石田彰(岡崎真一)
森川智之(一ノ瀬巧)
平野綾(芹澤レイラ)
諏訪部順一(高倉京助)
ほか

TVアニメ「NANA」DVD全17巻(47話収録)


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ザ・ルースターズ「THE ROOSTERS」 [●ROCK]

1st. album 1980.11.25 release

“カッコイイとは、こういうことさ。”
攻撃的で孤独で刹那的。これぞ由緒正しき
不良のロック

[text●u.junko]

宮崎駿監督作の劇場アニメ「紅の豚」の“カッコイイとは、こういうことさ。”という名キャッチ・コピーを、そっくりそのまま使いたい。まさにカッコイイとは、こういうことなのである。

1980年にリリースされたルースターズ(THE ROOSTERS/THE ROOSTERZ)のデビュー・アルバム「THE ROOSTERS」は、エディ・コクランらのカバーを含む全12曲、トータル約32分というタイトな作りである。だがしかし、このシンプルで勢いのあるR&Rサウンドに、何度も悶絶させられるには十分過ぎる時間だ。攻撃的で孤独で刹那的。これぞ由緒正しき不良のロックである。
あーあ。この作品がリリースされたときに私が17歳くらいで、リアルタイムで彼らの音楽を体感することができたなら、きっとライブに通い詰めては踊り狂っていただろうな、なんて思ってしまう。

彼らを紹介するのにたびたび使われる“後の世代に多大な影響を与えた”という言葉の意味が、たったこの1枚で頷ける。
だからもう一度いいたい。カッコイイとはこういうことなのである。

THE ROOSTERS OFFICIAL WEB SITE→ http://columbia.jp/roosters/
THE ROOSTERZ OFFICIAL WEB SITE→ http://www.gate40.com/the_roosterz/the_roosterz.htm

TOWER RECORDS ONLINE[ザ・ルースターズ]
TOWER RECORDS ONLINE「THE ROOSTERS」

THE ROOSTERS

THE ROOSTERS

  • THE ROOSTERS
  • コロムビアミュージックエンタテインメント
  • 1993/10/21
  • CD

THE ROOSTERS

THE ROOSTERS
(Limited Edition)

  • THE ROOSTERS
  • コロムビアミュージックエンタテインメント
  • 2000/03/18
  • CD
■Track listing
01. テキーラ
02. 恋をしようよ
03. カモン・エヴリバディー
04. モナ(アイ・ニード・ユー・ベイビー)
05. FOOL FOR YOU
06. ハリー・アップ
07. IN AND OUT
08. ドゥー・ザ・ブギ
09. 新型セドリック
10. どうしようもない恋の唄
11. 気をつけろ
12. ROSIE (Album Version)
[2000年再発盤ボーナス・トラック]
13. ROSIE (Single Version)
14. HEY GIRL (Single Version)
15. LITTLE BY LITTLE
16. ROSIE (In Nurnberg Version)


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福井晴敏著「川の深さは」 [●BOOK]

初版 2000.08.31 講談社刊

命懸けで少女を守る少年
明日をも知れぬ逃亡、そして戦い
彼らをかくまった元刑事が巻き込まれる
深く暗く澱む川

[text●h.mariko]

1997年第43回江戸川乱歩賞候補作として大きな話題を呼んだ本作。惜しくも受賞こそ逃したものの、選考員であった大沢在昌氏が特に絶賛、後に発刊されたという経歴のあるこの本、幻のデビュー作などと囁かれることもあり、読み応えは十分。

人生に倦み疲れ、生きる気力すら失いつつある主人公、桃山剛(元刑事)は、とあるきっかけで増村保という名の少年と出会う。増村少年は、須藤葵という名の少女を守ることを使命としており、まさにそれは命懸け。自身を顧みない増村を危なっかしく眺めながらも、いつしか桃山自身が彼らの状況、“深く暗く澱む川”へと巻き込まれてゆく・・・。

拉致問題などで現在でも苦しむ人々がいるなか、はっきりと工作員の存在を描いているこの作品には重たいが大きなパワーがある。そんなテーマを織り込んだ作品がフィクションとして世に出るのは考えさせられるところもあるが、フィクションであったからこそ、物語が好きな私も手に取ったし、さまざまな読者を得る本となったことは間違いあるまい。そうして世間に疑問を投げかけ、考えさせる力を持つ作品である。

近ごろの若者、というと、いきいきしていない、厭世的、そのように表現されがちだが、福井氏の描く少年少女は生きるということをとおり越して、危なっかしい存在にみえる。生きることそのものが目的でなく、自身の目的を果たすことが“生きる”こととイコールで強く結ばれているように思えるのだ。
ここまで何かを、自分自身を、そして命を懸けられる存在が自分にあるかと問うと、ない、という答えになってしまう。それがいいのか悪いのかは、正直言ってわからない。だが、福井氏の描く、強いが脆い、どこかで守ってあげたいと思うような存在の若者に出会ったなら、私も手を差し伸べられるような人間でありたいと、つくづく思うのである。

川の深さは

川の深さは

  • 福井晴敏著
  • 講談社
  • 2000/09
  • 単行本

川の深さは (講談社文庫)

川の深さは

  • 福井晴敏著
  • 講談社(講談社文庫)
  • 2003/08/08
  • 文庫


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Kitty, Daisy & Lewis「Smoking In Heaven」 [●ROCK]

2nd. album 2011.05.25 release

単なるレトロ嗜好や
コピーともカバーとも印象が違うのは
さまざまなルーツ・ミュージックが
彼らの血肉となっている証

[text●o.mihoko]

“絶対好きだと思うから聴いてみて!”
フジロック'10の予習用に友人が貸してくれた大量のCDの中から
イチオシされたのが
Kitty, Daisy & Lewis(キティー・デイジー&ルイス/以下、KD&L)との出会いだった。

ブルース、ジャンプ、ロカビリーなどが好きな人ならビビっとくる
ヴィンテージ感漂うジャケと、それを裏切らない音。
ボブ・マーリー、ポーグス、
U2などを手がけたマスタリング・エンジニアを父に持ち、
また母もかつてザ・レインコーツに
参加したという音楽一家に生まれたロンドンの3姉弟――、
という情報も必要ないほど
彼らのバックボーンとシブい嗜好を容易に推察することができるサウンドだ。
とはいえ、まだ弱冠、20歳そこそこだというからさすがに驚いた。
キティ18歳、デイジー23歳、ルイス21歳)

そしてファースト・アルバム「KITTY DAISY & LEWIS」から3年、
全曲オリジナルのセカンド・アルバムが2011年5月にリリースされた。

ファーストが好評だっただけに、
セカンドでガッカリ・・・というケースも頭をよぎったが、
ファッションにとどまらない彼らのルーツ・ミュージックに対する、
深い愛情を凝縮した本当に“待望の”という冠がふさわしいアルバムだ。

また、今回はスカタライツ直系のスカ・ナンバー2曲も披露。
ゲストには、かつてジミヘンやビートルズ、ストーンズなどとも競演し、
近年ではスカ・クバーノでも活躍するトランペッター・エディ“タンタン”ソーントン、
そしてザ・スペシャルズにも所属し、
日本の多くのアーティストからもリスペクトされるトロンボーン奏者、
リコ・ロドリゲスが参加しているからホンモノだ。
「Tomorrow」などはドン・ドラモンドの「Confucious」を意識させられるリフが出てくるなど、
エラそうに言うと、“ほんとよく聴いてるよな”というアレンジだ。
“リコとはギャズ・メイオールのパーティーで知り合った”というエピソードもうなずける。
※ギャズ・メイオール→http://mr203.blog.so-net.ne.jp/2011-01-06

新たなジャンルへの挑戦も果たした今作は、
しかし、どこを切ってもKD&Lだ。
単なるレトロ嗜好や、コピーともカバーとも印象が違うのは、
さまざまなルーツ・ミュージックが彼らの血肉となっている証だろう。
セカンドにして、早くも彼らがブレないことを証明した作品だ。

コールドプレイ、G・ラヴ、エイミー・ワインハウスなどなど、
数々の著名人が賞賛を送るのも納得。

TOWER RECORDS ONLINE[Kitty, Daisy & Lewis]
TOWER RECORDS ONLINE「Smoking In Heaven」

Smoking in Heaven (SBESTCD44)

Smoking in Heaven

  • Kitty, Daisy & Lewis
  • Sunday Best
  • 2011/05/28
  • CD

Smoking In Heaven [解説付・ボーナストラック収録 / 国内盤] (BRC292)

Smoking In Heaven
[解説付・ボーナストラック収録 / 国内盤]

  • Kitty, Daisy & Lewis
  • SUNDAY BEST / BEAT RECORDS
  • 2011/05/25
  • CD
■Track listing
01. Tomorrow
02. Will I Ever
03. Baby Don’t Know
04. Don’t Make A Fool Out Of Me
05. I’m Going Back
06. Paan Man Boogie
07. Messing With My Life
08. What Quid
09. You’ll Soon Be Here
10. I’m So Sorry
11. You’ll Be Sorry
12. I’m Coming Home
13. Smoking In Heaven
14. Coco Nuts/Bonus Track for Japan


Kitty Daisy & Lewis (Dig)

Kitty Daisy & Lewis
(Dig)

  • Kitty Daisy & Lewis
  • Downtown
  • 2009/08/25
  • CD
■Track listing
01. Going Up the Country
02. Buggin' Blues
03. Polly Put the Kettle On
04. Honolulu Rock-A Roll-A
05. I Got My Mojo Working
06. Mean Son of a Gun
07. Hillbilly Music
08. Mohair Sam
09. Ooo Wee
10. Swinging Hawaii
11. (Baby) Hold Me Tight
12. Say You'll Be With
13. Ride

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FOO FIGHTERS「The Colour And The Shape」 [●ROCK]

2nd. album 1997.05.20 release

音は重く、そしてリズムは心地よく
要するにカッコいいのだ、どこを取っても

[text●h.mariko]

ロックの王道を走るフー・ファイターズ(FOO FIGHTERS)。名盤は多いが、個人的にはこのアルバムがいちばん好きだ。
囁くようなヴォーカルから始まる「Doll」から一転、「Monkey Wrench」でさっそくそのパワーを見せつけてくれる。続く「Hey, Johnny Park!」の裾野広がる音の幅の広いスロー・ロック。どこを取っても聴き応え十分。
そして「My Hero」でまたガツンとボディーブロー。「Everlong」のハイハットも気持ちいい。
音は重く、そしてリズムは心地よく、要するにカッコいいのだ、どこを取っても。

思い出すのはフジロックのステージ。雨のそぼ降るなか、少し肌寒いのを堪えて彼らの登場を待った。その、ステージが始まるや否やボルテージ満開となったあの思い出は、いつになっても色褪せない。
デイヴ・グロールが雨をものともせずにギターを抱えたまま客席に降り立ち、そのままPA席までずんずん進んだあの姿。エンターテイナーそのものであった。
洋楽を好んで聴くようになって結構たつが、英語さっぱり覚えない。
それなのに、洋楽が好きなのはそのグルーヴ感、音の重み、厚さ、そんなものを与えてくれるからなのだと、このアルバムを聴くたびに思う。
「Monkey Wrench」は随分前になるが、アサヒスーパードライのテレビCMに使われた。おかげで、これを聴くと喉を鳴らしてビールを飲みたくなる。そんな、爽快で、聴き終わった後に思わず「ぷはー」と出るような、気持ちいいロックを堪能させてくれるアルバムだ。

※フー・ファイターズ16年間のドキュメント映画&3Dライブ
FOO FIGHTERS BACK AND FORTH & 3D LIVE
/フー・ファイターズ・プレゼンツ バック・アンド・フォース & 3Dライヴ ~生きるためにロックを選んだ男たち~」
2011.06.18〜TOHOシネマズ 六本木ヒルズにて上映


TOWER RECORDS ONLINE[FOO FIGHTERS]
TOWER RECORDS ONLINE「The Colour And The Shape」

Colour & the Shape

Colour & the Shape

  • FOO FIGHTERS
  • RCA Victor Europe
  • 2003/09/16
  • CD
■Track listing
01. Doll
02. Monkey Wrench
03. Hey, Johnny Park!
04. My Poor Brain
05. Wind Up
06. Up in Arms
07. My Hero
08. See You
09. Enough Space
10. February Stars
11. Everlong
12. Walking After You
13. New Way Home

[bonus tracks on 10th Anniversary Edition]
14. Requiem
15. Drive Me Wild
16. Down in the Park
17. Baker Street
18. Dear Lover
19. The Colour and the Shape



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XA-VAT「艶℃」 [●ROCK]

1st. album 2011.03.16 release

独自の美学と哲学の上に成る(鳴る)ハイブリッド・ダンス・ロック
始動と同時に異端で異形を為すXA-VATのファースト・アルバム

[text●i.akira]

とある遠方の友人から本当に久しぶりのメールをもらった。そこにはそいつが最近好きなバンド名が記載されていたのだが、そのなかのひとつにXA-VAT(ザバット)の名前が「お前は絶対好きだよ」という言葉とともにあった。そのときはたいして気にも留めていなかったのだが、気づけばその言葉にまんまと踊らされ、我が家のCDラックにはXA-VATが並んでいる。

正直、このバンドの中心人物となるKözi(ex.MALICE MIZER)と石井秀仁(GOATBED / cali≠gari)に関してそれほど詳しい知識や思い入れは僕にはない。というより、その肩書きはXA-VATにおいて一切必要ない。むしろそうした先入観を捨てて聴いてもらいたいからである。それほどまでに彼らの音楽は異端であり、異形である。80年代ニュー・ウェーブ、エレクトロニック・ボディ・ミュージック、グラム・ロックなどの雑多性を基盤としながらも、徹底的に攻撃的で刺激的なギター・サウンドスタイルを絡め、みごとに21世紀のハイブリッド・ダンス・ロックへと昇華されている。独特の語感が散りばめられた歌詞も世界観にハマっているし、ロックやダンス好きだけでなくJ-POP好きまでを取り込むことができるキャッチーさも魅力である。比べることはできないが、SOFT BALLETを初めて聴いたときの感覚に似ている。理屈抜きに、気づけば踊りだしてしまうほど虜にされてしまった。

勝手なイメージで彼らを決めつけると、せっかくのすばらしい音楽と出会うチャンスを逃してしまうだろう。そもそもそうした壁をぶち壊すためにあるのが音楽である。今後彼らがどのようなアクションを起こしていくかはわからないが、今のうちに彼らを知っておいて損はないだろう。

OFFICIAL WEB SITE→ http://xa-vat.biz/

TOWER RECORDS ONLINE[XA-VAT]
TOWER RECORDS ONLINE「艶℃」 [CD+DVD/初回限定盤]

艶℃

艶℃

  • XA-VAT
  • ビクターエンタテインメント
  • 2011/03/16
  • CD

艶℃(初回限定盤)(CD付)

艶℃
(初回限定盤)

  • XA-VAT
  • ビクターエンタテインメント
  • 2011/03/16
  • CD+CD

艶℃(初回限定盤)(DVD付)

艶℃
(初回限定盤)

  • XA-VAT
  • ビクターエンタテインメント
  • 2011/03/16
  • CD+DVD
■Track listing
01. BLACK RUNWAY OF DEVILS
02. ZEROTICA
03. Mecca
04. VAT-DANCE
05. Mr.VITAL
06. E-Z
07. INVASION-NOVATION
08. NUMANS-Roxette
09. EPOC TRACE
10. THE 艶 ℃ BABY

[CD]初回限定盤CD+CD
01. BLACK RUNWAY OF DEVILS/Remixed by 68(from MONICA URANGLASS)
02. ZEROTICA/Remixed by Tycoon Tosh
03. Mecca/Remixed by momokomotion
04. VAT-DANCE/Remixed by MAXDEADROOM
05. Mr.VITAL/Remixed by ATOMIZER
06. E-Z/Remixed by THE SODOM PROJECT
07. INVASION-NOVATION/Remixed by Keiichi Suzuki
08. NUMANS-ROXETTE by YASUYUKI OKAMURA
09. EPOC TRACE/Remixed by Minoru Kurihara(from NIRGILIS)
10. THE 艶℃ BABY/Remixed by Luis Miguelez(from GLAMOUR TO KILL)

[DVD]初回限定盤CD+DVD
01. BLACK RUNWAY OF DEVILS
02. ZEROTICA
03. Mecca
04. VAT-DANCE
05. E-Z
06. EPOC TRACE
07. NUMANS-ROXETTE
08. VIDEO GAYTION
09. XANADOoM



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ジャコ・ヴァン・ドルマル監督作品「ミスター・ノーバディ」 [●THEATER]

2011年公開作品(原題「Mr. Nobody」/2009年製作 ベルギー、カナダ、フランス、ドイツ映画

選択の連続のなかでしか生きることのできない我々に向かって
「すべての可能性がすべて正しいのだ」と力強く訴えかけてくれる
壮大でポジティブで、めちゃくちゃ不思 議なSF長編

[text●k.hayato]

mrno.jpg

まもなくその生を終えようとしている118歳のお爺ちゃんが、少しずつ思い出しながら自分の人生を振り返り語りだすと、そこには複数の人生があった・・・というお話。設定としてはこれだけ。しかし、ここで語られる、たくさんの分岐点から派生した幾つものエピソードが、時間軸も矛盾点も関係なく、同時進行的かつ矢継ぎ早にあふれだしてきて、非常に複雑なパラレルワールドを展開していきます。にもかかわらず、ひとつひとつの話はとてもていねいに描かれていて、次々と設定が変わるシーンが、なぜか不思議なほど自然に繋がっていくのが見事。加えて、観る者を飽きさせない映像美はどれも彼の鮮烈な思い出を表わしているようで、どのシークエンスにおいてもお爺ちゃんの妄想とはとうてい思えないほどのみずみずしさと人間味にあふれていて感動的です。

最初はストーリーの飛び交いっぷりに「???」と思いながらも、“ビッグ・クランチ”、“超ひも理論”、“バタフライ・エフェクト”などといった、SF好きにはたまらない用語や設定を絡めつつ説得され、さらに、それでいて主人公ニモの行動理念は常に惚れた女のためという、とてもシンプルかつ強固な価値観を共有していくことにより、やがてすべてのパターンの出来事・人生が確かにそこに存在している、と思わされてくる、なんとも奇妙な感覚になります。

118歳のニモの脳内にある無数の人生は、すべてが正しいことなのか、あるいはすべてが嘘の話なのか、作品内では最後どのように明らかにされるのかは、観た人がどのように判断するかに委ねる形になっています。パラレルワールドとは、時の流れに現行する世界が複数あると考えられるもので、何かしらのきっかけをもって互いに知る由もない別次元の世界を知ってしまうことが、SFの話ではよくある設定であるのですが、今作は基本的に現行の主人公は118歳のニモお爺ちゃんひとりだけ。その彼が最初に「私は34歳なんだ」と言っていること、はたして今の彼自身もまた別のパターンが存在するうちのひとりなのかということ、そして彼の人生とは何だったのかということなどの、この作品の世界観の根底的なところについては、ラストの衝撃的な結末・セリフとともに新たな価値観を叩きつけてくれることで、その答えとしてくれるでしょう。

語り部であるニモの、そして監督ジャコ・ヴァン・ドルマルの伝えたかったことは、すべての人生を肯定することだと思います。
幾層にも重なる時空を自由に飛び越え、流れる水のように紡がれるニモの人生はどれも美しく、しかしどれも少しの悲しさを内包しています。選択の連続のなかでしか生きることのできない我々に向かって、理屈と感情の渦のなかで「すべての可能性がすべて正しいのだ」と力強く訴えかけてくれる、壮大でポジティブで、めちゃくちゃ不思議なSF長編です。今んとこ今年ベスト級。
■cast 
ジャレッド・レト/Jared Leto(Nemo Nobody)
ダイアン・クルーガー/Diane Kruger(Anna
サラ・ポーリー/Sarah Polley(Elise)
リン・ダン・ファン/Linh Dan Pham (Jeanne)
トビー・レグボ/Toby Regbo(Nemo when 16 years old)
ジュノー・テンプル/Juno Temple(Anna when 15 years old)
ほか

※2011年4月30日(土)〜ヒューマントラストシネマ渋谷他、全国順次ロードショー

OFFICIAL WEB SITE→ http://www.astaire.co.jp/mr.nobody/




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姫野カオルコ著「ハルカ・エイティ」 [●BOOK]

初版 2005.10.15 文芸春秋刊

読後の感想。女は強い。それに尽きる
そして、遥のように“女”として生きたい、と、思った

[text●h.mariko]

私には祖母がいる。今年、100歳を迎えた。認知症で、恐らく孫である私のことも誰だかわかっていないだろう。
でも時折見せる笑顔、表情、どんなものでも、愛おしい。昔は「おばあちゃん」と甘えて、その膝に乗ったこともある人を“可愛い”などと言うのは不謹慎なのかもしれないが、まだまだ長生きしてほしいと思う気持ちに偽りはない。

その、祖母という存在。
この作品は、ひとりの女性が時代になぶられながらも、女性として母として女として生き抜いた一代記である。
雑誌の取材をさせてほしい」と、作家の秋子に依頼がきた、“祖母”の取材。取材者は、梅干しを食べた顔のような、入れ歯ふがふがさせたようなおばあちゃんを想像していたようだが、現われたのはブランド品で身を固めた“超・お洒落おばあちゃん”であった。それが、主人公の遥。
遥の生まれは大正。まだ、“女は男の後ろを三歩下がって”というのがあたりまえ、女が切り盛りするのは台所だけ、そんな風習があたりまえに生きていた時代。
遥は物怖じしない子どもであり、“女だから”という理由で差別(?)されることに疑問を感じていた。奔放(思うまま普通?)に生きることの何が悪い? と。
そのうちに時代は昭和にうつり、日本は戦争を経験する。何もかもが不足し、人々からは笑顔が消え、男たちは前線へとかり出される。
そんななかでも遥は己を守った。女性であり、ひとりの妻であり、男がいない家を守る存在。そこに性別は関係なく、人間としての遥の生きざまがくっきりと描かれている。
恐らく、どの時代にも、それがあたりまえとされて生き、そして一生を終える人々がいるのだろう。家事や育児に追われ、生活に追われ。だが、それを楽しんで生きている人が、圧倒的多数であるはずだ。ひとりひとりにスポットライトが当たったならば、その数だけの人生がある。
読み終わった後、思ったこと。
女は強い。それに尽きる。
そして、遥のように、“女”として生きたい、と、思った。

ハルカ・エイティ

ハルカ・エイティ

  • 姫野カオルコ著
  • 文藝春秋
  • 2005/10/14
  • 単行本

ハルカ・エイティ (文春文庫)

ハルカ・エイティ

  • 姫野カオルコ著
  • 文藝春秋(文春文庫)
  • 2008/10/10
  • 文庫




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The TRAVELLERS「LEFT TURN」 [●JUMP]

7th. CD 2010.10.15(11.24) release

その場を一瞬でダンスホールに変えてくれる曲たち
ロックンロールやブルースが持つ魅力をそのサウンドが饒舌に物語る

[text●o.mihoko]

福岡久留米を拠点に活動する
スリーピース、スウィング&ジャンプ・ブルース・バンド、
The TRAVELLERS(ザ・トラベラーズ)。
2010年10月にリリースされたこの作品は、
年末の華やかな空気に彩りを添えた1枚だ。

ストイックな佇まいで奏でられる音は、
ボーカルのザブケンこと石原顕三郎が
「(ライブのMCにて)一向に博多弁が抜けきらない」とボソっと語るのに反して、
ロックンロールやブルースが持つ魅力をそのサウンドが饒舌に物語っている。
作品やライブのよさだけでなく、
こういうバンドに求められるフロントマン像=男が惚れる男としての要素を
十分にもちあわせたザブケンの“不器用な男”といった姿も
バンドマンとしての恵まれた才能をうかがわせる。

アルバムの1曲目を華やかに飾る「Rocket Man Boogie」、
ハンドクラップが楽しい「Four Well Dressed Man」のオリジナルのほか、
ロックンロール&ドゥーワップでお馴染みともいえる
言葉遊びが楽しい「Rag Mop」(Deacon Anderso,Johnnie Lee Willis)、
じっくり聴かせる「Just Because」(Lloyd Price)、
言わずと知れた往年の名曲「Amapola」(Albert Games,Joseph M.Lacalle)など、
カバーを中心にオリジナル2曲を含む艶やかな全12曲を収録。

その場を一瞬でダンスホールに変えてくれる曲たちは、
老若男女、好みを問わずきっと楽しませてくれるに違いない。

OFFICIAL WEB SITE→ http://www.the-travellers.com/

TOWER RECORDS ONLINE[The TRAVELLERS]
TOWER RECORDS ONLINE「LEFT TURN」

LEFT TURN

LEFT TURN

  • The TRAVELLERS
  • LO FI RECORDS
  • 2010/10/15
  • CD
■Track listing
01. Rocket Man Boogie
02. Smack Dab In The Middle
03. Sausage Rock
04. Rag Mop
05. Early In The Morning
06. Four Well Dressed Man
07. Safronia B
08. Jam Up
09. Just Because
10. Morning Light
11. Amapola
12. Night Train



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MO’SOME TONEBENDER「BEST OF WORST」 [●ROCK]

best album 2011.04.27 release

いつだってそのすべてが最低で最高
濃すぎる日々から生まれた珠玉の名曲たち

[text●i.akira]

結成から14年。決して短くない時間ではあるが、それ以上に濃い時間をMO’SOME TONEBENDER(モーサム・トーンベンダー)には味わわせてもらった気がする。デビュー前から彼らのライブを何度も観てきたが、それはもう至福の時間だった。そのパフォーマンス、そのボリューム、その楽曲に何度もぶっ飛ばされ、興奮させられ、どうしても笑顔にさせられた。こんなバンドは世界のどこにもいないし、誰にもまねできない。そんな彼らのキャリア初のベスト・アルバムには、その濃すぎる日々から生まれた珠玉の名曲たちがせわしなく蠢いている。

こうして改めて聴いてみると、なんと落ち着きのないバンドであるかがわかる。しかしそれは自分たちの衝動に常に正直であり続けた彼らの証でもある。「HigH」のぶっ飛び具合、「TIGER」の凶暴さ、「冷たいコード」の冷徹さ、「DAWN ROCK」に描かれた生きざま、「DUM DUM PARTY」の乱痴気騒ぎ、「hang song」の危なさ、「Bad Summer Day Blues」の狂った宇宙、「we are Lucky Friends」のハジけたポップさ、「echo」に込められた明日への希望、ボーナス・トラック「ストロベリー・タイム」の甘酸っぱさ、そして再録された「未来は今」のまばゆさ。どれひとつとして似た曲はないが、どれもがモーサムを表わす愛すべき名曲であると断言できる。

14年もの歴史をたった70分ほどに詰め込んでいるため、「あの曲が入ってない!」という不満や疑問はそれぞれにあると思う。しかし、モーサムはいつだってベストを尽くしてきたことを僕らは知っているはずだ。このベストは、彼ら自身へのご褒美のようなものである。本作を聴きながら彼らの偉業に感謝を捧げるとともに、今なお進化を続ける彼らがこれからも最高にイカしたモーサムを提供してくれることを期待しようではないか。乾杯!

OFFICIAL WEB SITE→ http://www.mosome.com/

TOWER RECORDS ONLINE[MO’SOME TONEBENDER]
TOWER RECORDS ONLINE「BEST OF WORST」[CD+DVD/初回盤]

BEST OF WORST(初回限定盤)

BEST OF WORST
(初回限定盤)

  • MO’SOME TONEBENDER
  • 日本コロムビア
  • 2011/04/27
  • CD+DVD
■Track listing
[CD]
01. 未来は今 ver.2011
02. GREEN & GOLD
03. ロッキンルーラ
04. HigH
05. TIGER
06. ペチカ (long flight ver.)
07. 冷たいコード
08. DAWN ROCK
09. 凡人のロックンロール
10. DUM DUM PARTY
11. hang song
12. Lost In the City
13. Bad Summer Day Blues
14. We are Lucky Friends
15. echo
16. ストロベリータイム (bonus track)
[DVD]LIVE & MUSIC VIDEO/初回限定盤
01. youth~七月二十日~未来は今~HigH
~ Emperor Sun & Sister Moon ~Drum Song
/TOUR STRUGGLE@EBISU LIQUID ROOM-Digest
02. 壊れてるよ~STOP THE MUSIC~新型セドリック
~Hammmmer~未来は今~BIG-S~Drum Song~GREEN & GOLD
/QUATTRO MIRAGE-Digest
03. GREEN & GOLD
04. 未来は今
05. GREEN & GOLD
06. ロッキンルーラ
07. HigH
08. TIGER
09. ペチカ
10. 冷たいコード
11. DAWN ROCK
12. 凡人のロックンロール
13. DUM DUM PARTY
14. hang song
15. We are Lucky Friends
16. echo


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山田詠美著「ジェシーの背骨」 [●BOOK]

初版 1986.07.18 河出書房新社刊

幻想のない
現実的に逃げ場のない男女のやりとり
ときにはその恥部も曝け出して
紡ぐ言葉の香しさ

[text●h.mariko]

「山田詠美の作品が好き!」という友人が、まわりに結構いる。見た目や年齢は違うのだが、どこか似た雰囲気を持っているなあと常々思っていた。それが、“自分の目線を持った女”であると気がついたのは、自分が山田詠美の作品が好きになってからだ。

「ベッドタイムアイズ」「指の戯れ」につづく第3作目「ジェシーの背骨」。手に取ったのはつい最近。何度も勧められもしたが、どうしても手が動かなかった。10年程前だろうか、そのころの私といったら、女らしさ=嫌悪すべき唾棄すべきものだと信じて止まなかったころだったのだから、いたしかたないといったところだろうか。まあ、ものにはタイミングというヤツがある。そのタイミングがまさにジャストミートしたのが、つい最近だった、というわけなのだが。

美人で人気者のココは、バツイチで子持ちのリックに惚れる。リックにくっついているうち、彼の子ども、ジェシーに出会う。リックは自慢の息子を褒めまくるが、ジェシーはココに辛く当たる。ファッキン・ベイビーならぬ“理解出来ない生き物”であった。リックを手に入れたいが、そのためにはジェシーも抱え込まなくてはいけないというジレンマに陥るココ。ジェシーは言う、「本当のママに比べたら、ココなんて。」ココは悲嘆に暮れる。でも、リックが手放せない存在・・・。

リックは美男子でもなんでもない、でもとてつもなく魅力的。その“魅力”は、包容力だったり、オトナの世界での魅力だったりするのだろうが、恐らくココが最も好きになったのは“誰とでも対等に接する目線”なのではないか? そう思うほど、彼は自分の息子にも、ママにも、ココにも、対等に接する。ちょっとだけココが可愛いと思ってるときも、やっぱり息子が大切と思ってるときもあるのだろうけど、やっぱり対等なのだ。そういう人間は、大概立派に見えるが、リックもそうだ。

俗にいう恋愛小説というヤツは、もの凄く嫌いだ。美男美女が出逢い、恋に落ちる。そこにいくつもの障害が立ちはだかり、別れの危機やら荒波を何度も受ける。が、最後には主人公たちがくっついてハッピーエンド。そんなの、なにが楽しいんだ? つくりごとのなかで勝手にやっててくれ。山田詠美も、そういうのを書いている人なんだと思っていた。恋愛小説の大家とか、なんて胡散臭いんだろう、と。
それがなんと、彼女の紡ぐ言葉の香しいことといったら。幻想はないのだ。現実的に、逃げ場のない、男女のやりとりが書かれている。ときにはその恥部も曝け出して。そこが、彼女の文章の最大の魅力でもあると気がついた私は、ちょっとだけ、“女の目線”を持つことができるようになったんだろうか?

ジェシーの背骨

ジェシーの背骨

  • 山田詠美著
  • 河出書房新社
  • 1986/07
  • 単行本

ベッドタイムアイズ・指の戯れ・ジェシーの背骨 (新潮文庫)

ベッドタイムアイズ・指の戯れ・ジェシーの背骨

  • 山田詠美著
  • 新潮社(新潮文庫)
  • 1996/10
  • 文庫


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GHEEE「III」 [●ROCK]

3rd. album 2011.05.25 release

どこまでもフレキシブルで、どこまでもアグレッシブ
メンバーの個性を最大限に活かした傑作誕生

[text●i.akira]

実に3年ぶり、本当に久々となるGHEEE(ギー)のアルバムが届いた。ここしばらくは決して活発な活動をしているとは言えなかった彼ら。それもそのはず、近藤智洋(Vo./G.)はソロ活動、HISAYO(B.)はtokyo pinsalocks(東京ピンサロックス)やa flood of circle、YANA(Ds.)はNACANOやAKUH、深沼元昭(Vo./G.)はソロ活動の場であるMellowheadと2010年に活動再開したPLAGUES、という具合に、メンバー全員が個々でメインのバンド活動を活発に行なっており、なかなか揃う機会が少なかったのだろう。しかしこの新作「III」はそうした忙しさのなかで産み落としたとは思えないほどのとんでもない傑作である。

とにかく1曲目の「Silver Tongue」からものすごい勢いである。メンバーそれぞれの持ち味やカラーを明確に打ち出しながら、それらが奇跡と呼べるほどのレベルで融合してひとつの音として成り立っている。近藤と深沼の英詞による掛け合いは見事だし、HISAYOとYANAの野性的なリズムには圧倒される。今までもそうだが、バラードのようなものは一切なく、ライブで練り上げてきた曲も含め、ひたすらにアグレッシブでメロディアス、それでいていい具合の緩さやフレキシブルな空気をまとったハイテンションな12曲をあっという間に堪能できる。

あくまでマイペースだが、単純に彼らはGHEEEという音楽集団として演奏することを誰よりも楽しんでいるのだと思う。だからこそこれほど高純度のロックを奏でることができるのだろう。今まさに本作を引っさげてのツアーも行なっているが、そのマイペースぶりで各会場を思い切り揺らしていることだろう。

OFFICIAL WEB SITE→ http://www.lavaflowrecords.com/gheee/

TOWER RECORDS ONLINE[GHEEE]
TOWER RECORDS ONLINE「III」

III

III

  • GHEEE
  • LAVAFLOW RECORDS
  • 2011/05/25
  • CD
■Track listing
01. Silver tongue
02. Fast as nozomi
03. The brilliant mexican blues
04. Pretty insane ride
05. Love in the shelter
06. Rainbow chasing
07. Bloody Tiffany
08. Guess
09. Tumbling flowers
10. Loop road #8
11. Chain
12. You’re my plane


■GHEEE “III” Release Tour 2011
2011.06.03 愛知・名古屋HUCK FINN
2011.06.04 大阪・心斎橋twice cafe/近藤&深沼弾き語り
2011.06.05 大阪・心斎橋FANJ twice
2011.06.11 福岡・福岡DRUM Legend/近藤&深沼弾き語り
2011.06.12 福岡・福岡SPIRAL FACTORY
2011.06.17 北海道札幌レストランのや/近藤&深沼弾き語り
2011.06.18 北海道・札幌SPIRITUAL LOUNGE
2011.06.19 北海道・札幌mole
2011.06.25 東京・渋谷Milkyway

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THA BLUE HERB「ILL-BEATNIK」 [●HIP HOP]

at fuji rock festival 2000.07.31

彼らのことを知れば知るほど
このリリックの深さを知るし
まだ追いつけてない気すらする

[text●k.ryo]

YouTube で “ill beatnik tha blue herb”
とでも検索してください


今日も酔ってます

ノスタルジーかな

専門学校のときに、バイトで行ったのだ。
話の合う人もいなかったけど、
ブルーハーブ(THA BLUE HERB)を聴いての「口ぽか~ん」は忘れない

もぅCDで音楽をレビューしたり、紹介したりすることに
あまり意味ないでしょ?

俺もアナログ人間だからユニオンに行くのは好きだし、
CD(いいステレオ)で音楽を聞くのと、
パソコンの便利さは、別だと思うけど、
この音源は、彼らのCDにないので


まぁ、まず、11年も前ってことに
あらためて驚かされるね
リリックにブレがない。
フェスでは、ヒップホップ的なトラックは受けないのを、
自覚しての、選曲が功を奏しての、
衝撃

彼らのことを知れば知るほど、
このリリックの深さを知るし、
まだ追いつけてない気すらする。


これを聞いてなんとも思わない人は、
自分とは、音楽的接点がないのかもしれない・・・
と言い切ってしまおう。

YouTube Tha Blue Herb - ill-beatnik
THA BLUE HERB RECORDINGS WEB SITE→ http://www.tbhr.co.jp/
TOWER RECORDS ONLINE[THA BLUE HERB]

「ILL-BEATNIK」収録アルバム
我

  • 流 -ryu-
  • ポリドール
  • 1999/09/22
  • CD
■Track listing
01. リズムあそび
02. REMINISCE/feat.大野エリ
03. 流/feat.BOSS THE MC(THA BLUE HERB)
04. YELLOW BAMBOO 4898
05. NEVER TOO SOON
06. SONG FROM THE FAR EAST
07. LOST TO SEE/feat.AH
08. ILL-BEATNIK/feat.BOSS THE MC(THA BLUE HERB)
09. ilelktrik
10. BEATAHOLIC REFORMATORY/feat.THE BEATKKNUCKLES


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梨木香歩著「西の魔女が死んだ」 [●BOOK]

初版 1994.04 楡出版
1995年 第28回 日本児童文学者協会新人賞受賞
1995年 第13回 新美南吉児童文学賞
1995年 第44回 小学館児童出版文化賞
2008年 長崎俊一監督で映画


自然とあたりまえに共存することの大切さと
厳しさのなかで、生きることの幸せ、心の繋がり
そして愛に包まれる喜びを知る

[text●h.mariko]

自然を胸一杯吸い込む。それが体感できる時、場所。そんなところが、この日本からはどんどん減っているように思う。

この作品の主人公、まいは、中学校での生活に疲弊している。子どもは悩みがなくて天真爛漫なんて誰が作った幻想か、いじめの横行、勉学の執拗な奨励、そんなものが“遊び盛り”の子どもたちを追いつめる。もともと喘息を持っているまいは、祖母のところで暮らすことに。その祖母、“西の魔女”という。
魔女から受ける、レディ(魔女)になるための修行は厳しい。おいしいジャムを煮ることや、ベッドを完璧にメイクすること。ハーブを大切に育て、それを美味しくいただくこと。そうして“なんでも自分で決めること”だった。

どれもこれも、聞くだけなら簡単そうなのだ。それが、やってみる段になるとどうか。自分がこれと同じことを、どれだけしてるだろう? 読みながら思ったが、残念ながらどれもやっていない、が私の現状だった。レディ(魔女)にはほど遠い、ということか。
天井の高い部屋で幼少時代を過ごした子どもは天才になるとかいう俗説を聞いたことがある。それならば、なぞらえて思うのだ、自然を愛した子どもは自然を愛するようになるのではないかと。
子どものころ、あたりまえに草むらでかくれんぼをし、木登りをし、虫を探し、木の実を拾って過ごした子どもは、それに懐かしさを覚える。
そして、それが失われると、人は大人になる、と思われがちだ。だが、誰だって人は自然の恩恵なしでは生きていけないのだ。それを、私たちは忘れ過ぎているのではないか。

西の魔女こと祖母は、自然とあたりまえに共存する大切さと厳しさを同時にまいに伝える。私たち読者にもだ。読み終わった後は、深呼吸をして、緑生い茂る森の中に裸足で駆け出して行きたくなるような、爽やかさが残った。

西の魔女が死んだ

西の魔女が死んだ

  • 梨木香歩著
  • 小学館
  • 1996/03
  • ハードカバー

西の魔女が死んだ (新潮文庫)

西の魔女が死んだ (新潮文庫)

  • 梨木香歩著
  • 新潮社
  • 2001/07
  • 文庫

TOWER RECORDS ONLINE「西の魔女が死んだ」

西の魔女が死んだ [DVD]

西の魔女が死んだ

  • 角川エンタテインメント
  • DVD
■cast 
サチ・パーカー(おばあちゃん)
高橋真悠(まい)
りょう(ママ)
大森南朋(パパ)
木村祐一(ゲンジ)
高橋克実(郵便屋さん)
ほか


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THE BADGE「テイチク・シングル・コレクション+7」 [●ROCK]

compilation album(remaster) 2009.07.29 release

ポール・ウェラーが認めた博多の天才3人組
あまりに早く、そして短すぎたTHE BADGEという青春

[text●i.akira]

1950年代後期のイギリスでライフ・スタイルとして生まれ、タイトなスーツやミリタリーパーカーを好み、ぺスパやランブレッタを乗りこなし、60年代、The Who(ザ・フー)やSmall Faces(スモール・フェイセス)らにより世界中に広められた“モッズ”と呼ばれる音楽及びファッション。70年代後期にはポール・ウェラー率いるThe Jam(ザ・ジャム)を筆頭としたネオ・モッズが隆盛を極め、今も愛されるジャンルのひとつとして確立している。音楽的にはパンクとパワー・ポップの魅力を兼ね備えたスタイリッシュなロックとして知られ、日本でもTHE COLLECTORS(ザ・コレクターズ)などがそのスタイルを継承している。前置きが長くなったが、今回紹介するTHE BADGE(ザ・バッヂ)もまた、モッズを継承していた最高のバンドである。

いわゆる“めんたいロック”のムーブメントの渦中であった1978年に前身バンドが結成され、1982年にTHE BADGEに改名、デビュー直前にThe Jam来日公演の前座を務め、ポール・ウェラーをして「日本で最高のバンド」と言わしめた彼らの音楽は、ひたすらにポップでスタイリッシュである。イギリスの音楽に多大な影響を受けながら、ポジティブなメッセージや先人たちへの愛をたっぷり込めたキラキラしたパワー・ポップが満載である。当時の日本においてもこれほどのメロディ・センスを持ったバンドは数少ないと思う。中村昭二(Vo./G.)のソリッドなギターと甘い歌声、田中信昭(B./Vo.)の分厚くパワフルなベース・ライン、川崎哲(Ds./Vo.)のご機嫌にタイトなビート、そして完璧なコーラス・ワークに至るまで、そのすべてが輝いている。だが、彼らは数枚のシングルと1枚のアルバム、なにより熱狂的なファンたちの脳裏に刻まれた無数の名曲を残して1986年に解散してしまう。時代が彼らについていけなかったのだろう。

しかし2000年代に入り、彼らの音源がマニアックなパワー・ポップバンドを集めた海外のブートレグ・レコードに収録、しかもジャケットまで飾ったことから日本でも注目を集めることになった。その後多くの音源がCDとして再発・発掘され、当時を知らない若い層にまでその名前が知られることになり、皮肉にも彼らの音楽のすばらしさが今になって評価されることになった。残念ながらベーシストでリーダーであった田中氏は1999年に他界しており、彼らのライブを観ることはもうできない。それでも数多くの音たちが証明してくれている。たとえ一瞬でも色褪せることなく、まばゆいばかりの輝きを放ったTHE BADGEという青春があったことを。

OFFICIAL WEB SITE→ http://www.mmrecords.jp/new/thebadge/

TOWER RECORDS ONLINE[THE BADGE]
TOWER RECORDS ONLINE「テイチク・シングル・コレクション+7」

■Track listing
01. ふたりのフォトグラフ
02. うかれ気分でDancing
03. ウィンクはお手のもの
04. Just One Kiss
05. 甘い夜(OTHER TAKE)
06. モナリザ
07. ワン・モア・タイム(THE BADGE VERSION)
08. 抱きしめたい
09. Cry Baby
10. 心から愛する君に('79 ORIGINAL VERSION)
11. ふたりのフォトグラフ('79 ORIGINAL VERSION)




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ジュゼッペ・トルナトーレ監督作品「マレーナ」 [●DVD]

2001年日本公開作品(原題「Malèna」/2000年 イタリア映画

シチリア島の美しい自然や風景
そのなかで映えるモニカ・ベルッチの立ち姿
それらの美しさを見るだけでも価値がある

[text●h.mariko]

ジュゼッペ・トルナトーレ監督の作品は、「ニューシネマパラダイス」「海の上のピアニスト」など、青春やそれを通過した後の物悲しさ、また切ない気持ちなどが表現されているものが多いように思っていた。だから、この「マレーナ」も、そのような物語だと思って観たら、あれ? なんか違う。

第二次世界大戦中のイタリア、シチリア島が舞台。12歳の少年、レナートは、ひと回り以上は年が上のマレーナに夢中であった。が、マレーナは既に結婚している。そのうえ、町中の男たちからその美貌のため女神のような存在として扱われており、一方ではその美しさから町の女たちには中傷の的にされている、複雑な存在であった。
華奢で、まだ青っぱなでもたれていそうなレナートとマレーナが禁断の恋に落ち入る? そんなストーリーかと思えば、レナートはけなげに物陰からマレーナを見守る。ただ、ただそれだけなのだ。
目の前を通り過ぎてゆくマレーナの寂しそうな姿を見ても、レナートは動くことさえできない。だが、レナートはめげない。何があっても、僕が必ずあなたを守る・・・。ひっそりと夜中ひとり、ベッドのなかで神に誓う。
マレーナの夫は戦争に駆り出され、彼女はいつももの憂げな表情を浮かべていた。あなたの笑顔が見たい。そんなレナートの思いは必死なのだが、いかんせん、彼はまだ12歳である。彼の決死の行動も、母親に知れて烈火の如く怒られる、そんな姿は可愛らしい。
時代が、マレーナの運命を弄ぶ。夫の戦死を知らされた彼女は、生活を立てるため、やむを得ず娼婦まがいの仕事を始めるのだった・・・。

時代設定に戦争を絡めた時点で、もっと小難しい、たとえば命の大切さや、家族をうしなうつらさなどを描く“反戦映画”にもできたと思うのだが、あえて、少年が永遠に叶わぬ恋をする、その姿を追い続ける。この作品、かつて少年だった男子たちが観たら、なにかきっと大きな共感があるのかもしれない、と思った。

主演女優、モニカ・ベルッチ。「マトリックス」シリーズに出演し、そのグラマラスな肉体美を強調した衣裳で、登場シーンは少ないものの印象を強く与える、存在感のある女優である。その、モニカ・ベルッチが世界的に注目を集めるようになったのが、本作の出演からだった。
ジュゼッペ・トルナトーレ監督の映像は、色あいや風景が美しく、この作品も、舞台になったシチリア島の美しい自然や風景が余すことなく映し出されている。そして、そのなかで映えるモニカ・ベルッチの立ち姿。それらの美しさを見るだけでも、この映画は価値がある。

TOWER RECORDS ONLINE[ジュゼッペ・トルナトーレ]
TOWER RECORDS ONLINE「マレーナ」


マレーナ [DVD]

マレーナ

  • 日活
  • DVD
■cast 
モニカ・ベルッチ(マレーナ)
ジュゼッペ・スルファーロ(レナート)
ルチアーノ・フェデリコ(レナートの父)
マティルデ・ピアナ(レナートの母)
ほか




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ユニコーン「Z」 [●ROCK]

10th.(8th. full) album 2011.05.25 release

全員がどかんと存在感を示し
半端じゃない“どや顔”をした音が、これでもか!
と、鳴らされている。うーん不敵

[text●u.junko]

ユニコーン(UNICORN)の2年3か月ぶりの新作「Z」は、何だか悔しいぐらいユニコーンなのである。

前作「シャンブル」は、自由でやりたいことをやりたいように鳴らす彼らならではの遊びと、再始動に相応しい決意がうかがえた。そして、16年ぶりに集まったメンバーがそれまでに積み重ねた持ち味を、いまのユニコーンの音楽に反映させるとこうなるんだという形を、明確に打ち出したアルバムで、各自の力量を見せながら勝ちにいく、剣道の団体戦のような印象だった。

それがどうだ。本作のみごとなチーム感は。それぞれのカラーを出しつつも、誰かひとりが前に出るのではなく、全員がどかんと存在感を示している。それは、これまでのどの作品とも印象の違う、けれど半端じゃない“どや顔”をした音が、これでもかと鳴らされているのである。うーん不敵。

彼らは音楽を通じて、主義主張や、まして社会問題なんかを提起したりはしません。でも、もし彼らが世に投げかけるものがあるとすれば“音楽は楽しい”っていうことなのだ。シンプルにそれを実行するのが難しいことは、酸いも甘いも知った大人がいちばんよく知っている。だからこそ、思い切りマジメにふざける彼らの音楽は痛快なのである。

往年のファンも、彼らを詳しく知らない10代のロック・ファンも、単純に音楽っておもしろいと感じたいなら、ぜひ手に取ってレジへ向かってほしい1枚なのである。

OFFICIAL WEB SITE→ http://www.unicorn.jp/

TOWER RECORDS ONLINE[ユニコーン]
TOWER RECORDS ONLINE「Z」[CD+DVD/初回生産限定盤]

Z(初回生産限定盤)(DVD付)

Z
(初回生産限定盤)

  • ユニコーン
  • KRE
  • 2011/05/25
  • CD+DVD
■Track listing
01. 頼みたいぜ
02. Z LIFE
03. デジタルスープ
04. 手島いさむ物語
05. AGONY
06. SAMURAI 5
07. 明日
08. ゆめみら
09. ウルトラヘブン スーパーマイルド
10. オレンジジュース
11. いい雨
12. ライジングボール
13. さらばビッチ
14. 裸の太陽

[DVD]/初回生産限定盤
01. 裸の太陽/2010.10.17 ベストヒット☆SMA at 渋谷C.C.Lemon Hall
02. 与える男/2010.10.17 ベストヒット☆SMA at 渋谷C.C.Lemon Hall
03. WAO!~SMA~WAO!/2010.10.17 ベストヒット☆SMA at 渋谷C.C.Lemon Hall
04. 大迷惑/2010.10.17 ベストヒット☆SMA at 渋谷C.C.Lemon Hall
05. Uc Goes To Hollywood Part2


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SINSKE「INFINITY/インフィニティ」 [●AC]

1st. album 2003.8.20 release

神業としかいいようがないマリンバの演奏
全曲通して聴いていると、なんだか映画でも観ているような
ストーリーが浮かんできそうなほどの色の濃さ

[text●h.mariko]

2003年のフジロック・フェスティバルで神がかったライヴを見た。マリンバ奏者のSINSKEのステージだ。そしてその翌月に彼がリリースしたのが、このデビュー・アルバム「INFINITY」だった。

木を打ち鳴らすのに似た、独特のあたたかみを持つ楽器、マリンバと、シンセサイザーや打ち込みの人工的な音が混ざりあった曲は、ジャズと呼ぶには電子音が目立ち、フュージョンと呼ぶにはリズムが独特であり、要するに、ひとことでは語れないのである。ショプなどの仕分けとしては、アダルトコンテンポラリー・ミュージック(AC)とかになるのかな?

ちょっとゆるくふざけた感じがおもしろい「Yorozuya SINSKE」みたいな曲があったり、「G#」のようなディープな曲もある。
なかでも瞠目するのが「beee! 〜FLIGHT OF THE BUMBLE BEE〜」の超高速演奏。日本語では「熊蜂の飛行」と訳され、とにかく主旋律のスピードが速く楽器の演奏者が自分の腕を試す、また誇示するために演奏されることが多いという曲。それだけに、自信がなければ演奏できない、超・ハイレベルな楽曲なのだ。それを、あのマリンバで演奏している。もう、神業としかいいようがない。
いろんな空気を醸しながらも「A Letter For Myself」の、ゆるりとした音で終るこのアルバム、本当にさまざまな色を見せてくれる。
歌詞は入っておらず、純粋にマリンバの音だけが主旋律を奏でるからなおさら、なんだか映画でも観たようなストーリーが浮かんできそうなほどの色の濃さ。柔らかくも心地よく、さまざまな感情を与えてくれるこのアルバム。疲れていても、テンション高くても、眠くても、いつでも聴ける、お気に入りの1枚。

OFFICIAL WEB SITE→ http://sinske.jp/

TOWER RECORDS ONLINE[SINSKE]
TOWER RECORDS ONLINE「INFINITY/インフィニティ」

インフィニティ

INFINITY/インフィニティ

  • SINSKE
  • Sony Records
  • 2003/08/20
  • CD
■Track listing
01. Infinite Spacy
02. beee! ~FLIGHT OF THE BUMBLE BEE~
03. Nouveau Vent
04. Oriental Flow
05. Ca-Dance
06. G#
07. Can You Feel Good?
08. Yorozuya SINSKE
09. Funky Monkey Junky
10. Beat Revolution
11. Diva Nova
12. A Letter for Myself




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ANVIL「Juggernaut Of Justice」 [●ROCK]

14th. studio album 2011.05.10 release

今、まさにこの ときこそ夢の真っ最中
どんな苦難にも潰されずにロックし続けていた男たちのメタル

[text●i.akira]

ドキュメンタリー映画「アンヴィル〜夢を諦めきれない男たち〜」(※)が世界的にヒットし、ライブには老若男女問わず幅広い層のファンが詰めかけるようになり、30年以上のキャリアの中で過去最高と呼べる注目度を浴びつつある不屈のメタル・バンドANVIL。今や数十人のファンしか集まらなかったライブ会場は人で溢れ、本業と呼べるほどこなしていたアルバイトをするヒマもないほど世界中から出演オファーを受けているという。彼らが夢見続けたロック・スターにずいぶんと近づいたのである。そんな彼らが満を持してリリースしたのが14枚目となるアルバム「Juggernaut Of Justice」です。

本作はBLACK SABBATHやアリス・クーパーを手掛けたこともある敏腕プロデューサーのボブ・マーレットのもと、Foo Fightersのデイブ・グロールが所有するスタジオでレコーディングされている。以前までの自主制作ぶりがウソのような超メジャー級の待遇である。しかしだからといって彼らの持ち味はまったく消えておらず、それどころか今まで以上に濃密で重厚なANVILサウンドを堪能できる。ジワジワと攻めるミドル・ナンバー「Juggernaut of Justice」で幕を開けると、「When All Hell Breaks Loose」、「Turn It Up」、「Running」といったストレートなネーミングどおりの爆走ロックンロールや、「On Fire」や「The Ride」などメロディアスなアレンジが光る王道メタル、約7分の悪魔的ドゥーム・メタル・ナンバー「Paranormal」、ホーン・セクションを取り入れた異色のインスト「Swing Thing」など、彼らの充実ぶりを表すような攻撃的で挑戦的な楽曲が大半を占めている。もちろん重戦車のごときパワーと存在感に緻密さを感じさせるロブのドラムも、執拗ながら絶妙なバランスでANVILサウンドを形成しているリップスのギターと歌声は健在すぎるほど健在である。

ちなみに本作はitunesのメタル・チャートで1位を獲得し、その勢いのまま彼らは世界ツアーへと旅立っている。そう、もう彼らは夢見るオヤジではない。まさに夢の真っ最中なのである。どんな苦難にも潰されずにロックし続けてきた男たちのメタルは、さらに多くの人たちを虜にするだろう。

OFFICIAL WEB SITE→ http://www.anvilmetal.com/

TOWER RECORDS ONLINE[ANVIL]
TOWER RECORDS ONLINE「Juggernaut Of Justice」

Juggernaut of Justice

Juggernaut of Justice

  • ANVIL
  • The End Records
  • 2011/05/10
  • CD
■Track listing
01. Juggernaut Of Justice
02. When All Hell Breaks Loose
03. New Orleans Voodoo
04. On Fire
05. Fukeneh!
06. Turn It Up
07. The Ride
08. Not Afraid
09. Conspiracy
10. Running
11. Paranomal
12. Swing Thing

[Limited Edition bonus track]
13. The Station
14. Tonight Is Coming

[iTunes bonus track]
15. What I Want To Be


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矢口史靖監督作品「ハッピーフライト」 [●DVD]

2008年11月15日公開作品(日本映画

パイロット、CA、そして飛行場で働く人々
夢と希望を乗せて飛び立った飛行機に起きるハプニング・・・
スリリングでおかしくて心にギュンとくるハッピー映画

[text●h.mariko]

自動車の運転免許を取って、早5年。無事故無違反で過ごしてきたので、このままいけばゴールド免許に格上げである。すっかり私も、いっぱしのドライバーとなったわけだ。
が、思い起こせば、教習所に通っているときは涙涙の毎日であった。狭い教習所内では壁にぶつからないかドキドキし、道路に出れば30キロの走行でも心臓は破裂寸前。飛び出してきた子どもでもあろうものならそのままショック死しかねないほど緊張していた。
たかが(?)クルマを動かすだけで、こうだ。たくさんの人、しかも自分とは関係のない人を乗せる、電車やバス、飛行機の運転手ってすごいなあ、と改めて思うのだ。

その、飛行機を飛ばす人=パイロット、また飛行場で働く人々にフォーカスしたこの映画。当初、監督は飛行機を舞台にパニック映画を作る構想があったそうだ。だが、調べるうち飛行機事故というのは本当に少なく、墜落などもってのほかという技術力を知り、そちらに魅力を感じたという。むしろ飛行場で働くさまざまな職種、普段は目にすることのない整備士や管制塔、鳥追いというマニアック(?)な仕事までがあること知った監督による「飛行機映画」が、これである。

斎藤悦子(綾瀬はるか)が、国内線のCA(キャビンアテンダント。昔はスチュワーデスといわれた花形職業)から、初の国際線に搭乗するところから始まる。
先輩の田中真里(吹石一恵)らのてきぱきした動きにまったくついて行けないうえに、チーフCAの山崎麗子(寺島しのぶ)には失敗をこっぴどく叱られ、トイレで人知れず号泣。
同じ飛行機のパイロット席では、OJTの最終試験を迎えた鈴木和博(田辺誠一)が、威圧感ビリビリの教官、原田典嘉(時任三郎)とともにホノルルを目指すが、これまた、失敗続き。
飛行場では木村菜採(田畑智子)が、お客様の無理な注文に応えながらも仕事に限界を感じ、そろそろ職を辞したいと考えている。出逢いもないし、年も取ったし、と。それを厳しい言葉で統括する森田亮二(田山涼成)と後輩の吉田美樹(平岩紙)の間で頑張る菜採。

飛行機には国内線しか乗ったことがない私だが、正直、これほどたくさんの人が関わってひとつの路線を見守っていることを、この映画を観て初めて知った。そして、驚いた。よく考えれば、精密機器であり巨大な鉄のかたまりである飛行機が空を飛ぶのである、それなりにリスクを考えなければならない。しかも、飛行機は1日にいったい何本運行しているのか。それを考えると、この人たちの働きに頭が下がる思いだ。
制服も可愛らしく、また容姿端麗な人が多いCAにしろ、その裏方の厳しさといったら。そこらへんの営業マンなど裸足で逃げ出すほどの激務。専門用語と英語が飛び交うパイロットの知識の豊富さもまた驚き。管制塔では天気の動きを逐一観察するセクションがあり、これがまたかなり重要。飛行場は広いため、集まってくる鳥を追い出す“鳥追い”なる仕事まであることを初めて知った。

ホノルル行きの飛行機が飛び立ち、そのなかで起るハプニング、そしてそれをまとめる人間たち、そして集結・・・。ストーリーそのものは、いたって地味なのである。それをこんなにもおもしろおかしく、そしてスリリングな味わいも含め、専門性を取っ払い、飛行機に興味がなくても存分に楽しめる映画に仕立て上げた矢口氏の手腕に改めて舌を巻いた。
また、映画ならではの豪華なキャスティングも見もの。個人的には、丸山重文(笹野高史)の殆ど台詞がないのに爆笑の演技、竹中直人の一瞬の登場、馬場光輝(ベンガル)の愛鳥家の鳥追い役、高橋昌治(岸辺一徳)の味のある演技が、ストーリーにおかしさを盛り込んでくれているのが好きだ。これを見ると「明日も頑張るぜ!」という気力をもらえる、心にギュンとくるハッピー作品だ。

TOWER RECORDS ONLINE[矢口史靖]
TOWER RECORDS ONLINE 「ハッピーフライト」

■cast 
鈴木和博(田辺誠一)
斎藤悦子(綾瀬はるか)
原田典嘉(時任三郎)
望月貞男(小日向文世)
山崎麗子(寺島しのぶ)
田中真里(吹石一恵)
木村菜採(田畑智子)
吉田美樹(平岩紙)
森田亮二(田山涼成)
高橋昌治(岸部一徳)
丸山重文(笹野高史)
馬場光輝(ベンガル)
斉藤直輔(柄本明)
斉藤利江(木野花)
乗客(竹中直人)
ほか


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ナインティナイン責任編集「ナインティナインのオールナイトニッ本 vol.3」 [●BOOK]

2CD付きムック 2011.05.19 ヨシモトブックス発行
〜ナイナイと99人の女たち 僕の彼女を紹介します編

大人気シリーズ“赤本”“青本”に続く待望の第3弾“桃本”
過去最大のボリュームでお値段据え置きの大傑作!!

[text●i.akira]

昨年の岡村隆史の休養~復活劇でいくつもの感動を生んだのも随分前のような話。気づけば岡村さんは以前よりも元気にお茶の間へ笑いを振りまいてくれている。それどころか、煙草を止めて甘いものに目覚めてしまった彼は10㎏増量してしまい、まるで別人のようになっている。それも含めておもしろいが。
そして彼らの最大の魅力といっても過言ではない長寿ラジオ番組「ナインティナインのオールナイトニッポン」の番組本の第3弾がついに発売された。すでにリリースされているvol.1こと“赤本”、vol.2こと“青本”に続くvol.3は、通称“桃本”である。

本作のテーマはズバリ、“LOVE & SEX”。ふだんから下ネタが多いことで有名な彼らのラジオだが、本作ではその本領が全開となっている。身内から元カノ、共演女優、風俗嬢、ただネタにしただけの人物など、彼らを通りすぎていった99人の女性たちを紹介するという無謀な企画を軸にしながら、ふたりでラブホに1泊しての対談「ナインティナイン ラブホ 一泊トーク」、岡村さんが意外な人物たちと過ごす笑撃の1週間を捉えた袋とじスクープ「岡村隆史 “酒池肉林の1週間”」、スキャンダラスなタイトルの「矢部浩之の僕の彼女を紹介します」など、72ページとは思えない膨大な情報量とこだわりに満ちた企画が満載の作品となっている。そして毎度おなじみの付録であるベストトークCD(2000年~2002年よりチョイス)と過去のトークを振り返りながらの特別語りおろしCDの2枚組付だ。さらに今回の特別おまけ「ナイナイ人性ゲーム」がすばらしい。番組リスナーにはおなじみのフレーズや仕掛けが満載の爆笑かつ壮大なる人生ゲームをお腹いっぱいに楽しむことができる。というか、ゴールできるのだろうか、コレ。

あまり語るとネタバレになってしまうので多くは語らない(というより、内容が下品すぎて語れない部分も多数)が、このボリュームで1000円というのは、今どんなものよりも最高のコスト・パフォーマンスではないだろうか。現役リスナーはもちろんながら、過去のリスナーや知らない人にも十分に楽しめることだろう。どのページを読んでも笑ってしまう、買って損なしの大傑作である。

ナインティナインのオールナイトニッポン→ http://www.allnightnippon.com/nainai/
よしもと堂書店→ http://ysmt-books.laff.jp/

ナインティナインのオールナイトニッ本 vol.3 (ヨシモトブックス) (ワニムックシリーズ 168)

ナインティナインのオールナイトニッ本 vol.3

  • ナインティナイン
  • ワニブックス(ヨシモトブックス)
  • 2011/05/19
  • ムック
■contents
●ナイナイ対談&グラビア
LOVE&SEXをテーマに、朝までラブホで語り尽くす
●ナイナイと99人の女たち
ふたりが関係を持った99人の女たちを一挙紹介
矢部の噂の彼女も登場
●ナイナイ「人"性"ゲーム」
超豪華おまけ!! ホントに遊べるボードゲーム
●袋とじ「岡村スキャンダル」
有名アイドル、某女子アナからアスリートまで・・・
岡村酒池肉林の1週間を激撮!
●矢部浩之"彼女"遍歴
矢部がいままで"乗って"きた彼女に会いに行く
●LOVE&SEX名言集
過去の放送から選りすぐり
●矢部浩之サッカー教室●名物ディレクター特集
●歴代マネージャーインタビュー●ハガキ職人インタビュー
●リスナー投稿コーナー
[CD1]ベストトーク2000~2004
●矢部『天気予報の恋人』●ラブホテルを経営しよう
●そでにタンがついとるわ!●コンビ誕生秘話
●岡村のケツ毛●岡村家と矢部家●ウンコについて熱弁
●タモリ宅でサッカー観戦●岡村の大学受験話
●岡村父とタコ110匹●岡村とクラプトン etc
[CD2]LOVE & SEXスペシャル(過去音源+語りおろし収録)
●岡村のおカタい彼女●雛形あきことムフフ
●「流れるプール論」●結婚観と育児観●年上年下、恋愛対象話
●「i-modeの恋人たち」●「女優エロガッパ切説」
●「ジャネット」誕生の瞬間●岡村、和田アキ子と一泊
●ラブホの思い出 etc


ナインティナインのオールナイトニッ本 vol.2 (ワニムックシリーズ 135) (ヨシモトブックス)

ナインティナインのオールナイトニッ本 vol.2

  • ナインティナイン
  • ワニブックス (ヨシモトブックス)
  • 2010/02/15
  • ムック


ナインティナインのオールナイトニッ本 (vol.1)

ナインティナインのオールナイトニッ本 vol.1

  • ナインティナイン
  • ワニブックス(ヨシモトブックス)
  • 2009/09/09
  • ムック


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Beach House「Teen Dream」 [●DREAM POP]

3rd. album 2010.01.26 release

ひんやりと頬を撫でるオルガンの音色
空間系エフェクターで浮遊感を増幅させるギター
淡い幻想世界が構築されていく

[text●y.yuya]

2000年代後半、ローファイ・サウンドを擁したさまざまなバンドが登場し、皆サーフというテーマの名の下にThe Beach Boys(ザ・ビーチ・ボーイズ)回帰の道を辿っていた。
いわゆるそうしたUSインディー・シーンにおけるローファイ・リバイバルのなかで、ほかとはまったく音楽性の異なるバンドが登場することとなる。それが、2004年にアメリカはボルチモアにて結成されたBeach House(ビーチ・ハウス)である。
90年代前半に、超新星爆発の輝きのように一瞬のブームを巻き起こし消えていったシューゲイザー、そのリバイバルとしてニューゲイザーもしくはドリーム・ポップという冠を称して(そうしたジャンルわけも、ただの呼び名にすぎないのであまり深くは追求しないが)、ローファイ・リバイバルとほぼ同時進行に2000年代後半を彩った。ものすごく乱暴かつ簡単にいってしまえば、Beach Houseはその両方の性質を持った配合種ともいえるだろう。

本作は2010年に発表されたキャリア3枚目のアルバムで、これまでの作品の流れを踏襲しながら、よりハイ・クオリティなドリーム・ポップを聴かせてくれる。その全容は、少ない音数で構成された楽曲を空間系エフェクターで淡く彩った、終始スロー・テンポのドリーム・ポップ・アルバムであるのだが、前述のとおり、とにかくそのクオリティの高さに耳を奪われる。
粛々とした神秘性を楽曲に与えるヴィクトリア・ルグランによるオルガンの音色がひんやりと頬を撫で、そこにリヴァーブやエコーで処理されたギターが絡むことで、筆舌に尽くしがたいほどの淡い幻想世界が構築されていく。そしてこの独特なBeach Houseサウンドの核を形成するヴィクトリアのイノセントな歌声によって、そうしたひんやりとした手触りの音のなかにも有機的なあたたかさを感じさせてくれるのだ。

“Teen Dream”・・・それはきっと、美しい夢から覚めても
追い求めていかなくてはならない、永久の愛のテーマ


アルバム名のとおりドリーミーに展開していく本作は、1曲目の「Zebra」の心地よいウォーミーなギターの音色によるイントロから否応なしに胸が昂ぶらせられ、楽曲の進行とともに音数が増加、聴き手に対しても緩やかなテンションの上昇を図ってくる。
音の潮汐を繰り返しながらラストは再び音数を減らし、サビのフレーズがヴィクトリアによって淡々とリフレインされた後に、再び音が高潮を迎えて序章の幕が閉じられる。
そうして続く「Silver Soul」でまどろみの世界に引き寄せられ、シームレスに続く3曲目の「Norway」では、鳥肌を引き起こすほどに美しいコーラス・ワークとともに、ヴィクトリアのエモーショナルな歌唱が繰り広げられる。
5曲目「Used To Be」のメロディ・ラインをなぞるだけのシンプルなオルガンも、とかくそのメロディの美しさを際立たせているし、どの楽曲においてもドラムは最低限のビートだけを刻むことで、そのポップなメロディは強調され、エフェクティヴなギターによって生まれる浮遊感を増幅させている。その音像は、まるで全方位から音に包まれているような錯覚を覚えるほどで、音の抱擁と称すにふさわしい。
夢見心地なまま、しかしはっきりとその音に抱擁されているのを感じながら、Beach Houseの紡ぐ夢幻世界の先を目指していくと、徐々にこの夢の終わりを差す光が近づいてくる。
8曲目の「10 Mile Stereo」では、序盤では控えめに鳴らされる鼓動のようなバスドラと物憂げなギター・リフのみで構成された演奏が、楽曲が展開していくともにスタッカートのスネア、霧靄がかったリヴァーブ、炸裂音のようなシンバルの嵐へと変わりカオスを生んでいく。そしてヴィクトリアが“Love's like a pantheon, it carries on forever”のフレーズをエモーショナルに歌い上げ、音のカオスは静寂へと回帰していく。この楽曲を聴き終えたあとに感じる多幸感と、寂寥の彼方に立たされたような感覚というこのふたつの不整合の感慨は、本作の終盤に向かう流れのなかのひとつの頂点でもあるだろう。
続く9曲目「Real Love」を終えると、いよいよ本作最後を飾る「Take Care」が始まる。この楽曲は、おそらくBeach House史上、もっとも普遍性を擁した楽曲である。“I'll take care of you, take care of you, that's true...”というフレーズをリフレインしながら、厳粛に愛の歌が紡がれていく。緩やかに演奏がフェードアウトしていくなか、最後の最後までリフレインされるそのフレーズは、まさしく“Teen Dream”、若者たちにおける大切なテーマであり、信じるものだった。
そしてまた、“Teen Dream”を終えて、大人になったとしても、忘れてはならないテーマだ。

“Teen Dream”という名の夢は終わりを告げると、その先にあるのはティーンエイジャーだったころの、美しかった過去という名の余韻と、新しい朝が訪れるような清清しさだろう。それはきっと、美しい夢から覚めても、これからまた追い求めていかなくてはならない永久の愛のテーマだ。

キャリア3枚目にして最高傑作を作ったBeach Houseの次作がどのようなものになるのか。まだ見ぬ4枚目のアルバムに早くから期待を抱くとともに、この先も決して色褪せることのないであろう最高傑作「Teen Dream」を、いつまでも聴き続けていきたいと思う。

OFFICIAL WEB SITE→ http://www.beachhousebaltimore.com/

TOWER RECORDS ONLINE[Beach House]
TOWER RECORDS ONLINE「Teen Dream」[CD+DVD]

Teen Dream

Teen Dream

  • Beach House
  • Bella Union
  • 2010/01/26
  • CD
■Track listing
[CD]
01. Zebra
02. Silver Soul
03. Norway
04. Walk in the Park
05. Used to Be
06. Lover of Mine
07. Better Times
08. 10 Miles Stereo
09. Real Love
10. Take Care

[DVD]※CD+DVD盤に収録
01. Used to Be
02. Better Times
03. Walk in the Park
04. Zebra
05. 10 Mile Stereo
06. Silver Soul
07. Lover of Mine
08. Norway
09. Real Love
10. Take Care


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GREENROOM FESTIVAL 2011 [●EVENT REPORT]

GREENROOM FESTIVAL 2011.05.21-05.22 横浜・赤レンガ地区野外特設会場

いい音楽、おいしいご飯。気心の知れた仲間と
特別な時間を過ごすことの大切さ。フェスで得た経験は
ほかの何ものにも代えられない

[text●o.mihoko]

1111.jpg■live stage line up
2011.05.21(SAT)
HAYLEY SALES/ハナレグミ/
EGO-WRAPPIN'/Def Tech/
PONTIACS/OVERGROUND ACOUSTIC UNDERGROUND/キマグレン/
COMEBACK MY DAUGHTERS/
Mountain Mocha Kilimanjaro/
COOL WISE MAN/
MOOMIN with Stoned RockersRickie-G/
bonobos/suzumoku/EMI MEYER/
坂本美雨/Signals/Loostripper
2011.05.22(SUN)
LOVE FOR NIPPON SESSION/
東京スカパラダイスオーケストラ/HAYLEY SALES/SPECIAL OTHERS/GRAPEVINE/salyu×salyu/LITTLE TEMPO/CARAVAN/THEATRE BROOK/JUSTIN CARTER/東田トモヒロ/Rake/KEISON/児玉奈央/武藤昭平 with ウエノコウジ/
Colin Giles/Kym Campbell/DE DE MOUSE+Takashi Yamaguchi


2011年5月21日(土)~5月22日(日)横浜赤レンガ倉庫にて開催されたアート、カルチャー、音楽のイベント“GREENROOM FESTIVAL”に行ってきた。

今回は東日本大震災の影響を受け、海外アーティストの出演キャンセルなどに見舞われてしまったが、郊外のフェスさながらの開放感と世代やジャンルを越えた出演ラインナップはGREENROOMらしさを損なわない充実の内容だった。

個人的には昨年に続き2度目となる今回、この約10年間で主要なフェスをいくつか見たなかではGREENROOMの快適さはダントツ1位だとあらためて実感した。
フェスならではの現実から一歩離れた空気はそのまま、会場までの交通やステージ間の移動に苦労することもなく、海や緑も感じられるフィールド、おいしいご飯、そして何よりこの空間にぴったりな音楽を満喫できる環境が凝縮されているのがGREENROOMのいいところだ。
小さい子どもがいてもフェスを体感したい! という方にもおすすめです。

また、パフォーマンス面では、メジャー・シーンで活躍するアーティストは、この空間で聞くことで新たな発見や解釈を得ることができ、ベテラン勢においては至近距離で圧巻のプレイを見ることができるのが魅力だ。

2日目は風雨により途中で会場を出てしまったが、天気もいうことなしだった初日を中心に、鑑賞したアーティストの感想をまとめたいと思う。

5月21日(土)
COOL WISE MAN
ゲートから少し離れたところにあるBIRD STAGE、1組目はCWM。昨年の出演時はあいにくの雨だったが、今年は彼らにふさわしい快晴。1曲目スカタライツのカバー「Occupation」で始まり、早くもビールを片手にスカダンスをするお客さんもチラホラ。昨年も参加したLikkle Mai(ex.DRY&HEAVY)もサプライズで登場。東北地方への思いがこめられた力強い歌声を披露した。

PONTIACS
浅井健一、照井利幸、有松益男からなる3ピース・ロックバンドPONTIACS。昨年はワンマンも盛況におわり、バンドとしては1周年を迎える。初お披露目直後のフジロック出演時よりもバンドに対する解釈も深まり、野外で聴くという状況も含めて楽しむことができるようになってきたと思う。今回は浅井がソロでリリースした「原爆とミルクシェイク」も披露。ストーリーテラーとしての浅井の言葉は聴く空間によって色や匂いが変わるのも再確認。

EGO-WRAPPIN'
このあたりから、会場中央の広場でシートをひろげくつろいでいた人たちもまとまってステージに移動。ゲート付近まで人が溢れていた。最新アルバムを中心にポップとダークを行き来するセットリスト。風が強く、ホーンの音が流れてしまったのは残念だが、海に向かって歌ってるよっちゃんはさぞ気持ちよかっただろう。持ち時間50分では収まりきらないエゴの世界観だが、ほどよく毒をチラつかせつつ、さわやかな彼らの一面が海辺の夕景にハマっていた。

ハナレグミ
私が見た限りでは、この日いちばんの観客数。エゴが出たステージとこちらのステージは正面向かって反対側にあるのだが、ほぼ間をおかずに入れ違いでスタートするため、転換の際は民族大移動が発生する。エゴには有り余る感謝を送りつつも、終わると同時に早足でこちらのステージへ向かう。

ハナレグミとしての活動は2003年ごろから見てきたが、近年はライヴ本数も少ないだけに1回の出演に対する期待は高い。昨年のライジングサンのオオハタハラダナガヅミでの出演もあったが、永積ひとりがフィーチャーされるハナレグミ名義での登場には多くのファンが期待を膨らませていたことだろう。

この日はバンドセットでの登場。やはり永積崇の歌声は圧巻!
最新アルバム「あいのわ」を中心に、OhanaやSUPER BUTTER DOGの楽曲も披露した。

印象的だったのは、登場するなり、昨年のG.LoveやARRESTED DEVELOPMENT、10ccのように、海外のアーティストがヘッドライナーを勤めるような空気があったこと。今までのクラスのみんなに愛されるマスコット・永積くんから、少し遠くへ行ってしまったような(?)気もしたが、オーディエンスの期待値の高さが場の緊張感にプラスされていたこともあったかもしれない。
しかし、年齢を重ねるごとに増す等身大の説得力と人懐っこさは健在。お調子者(もちろん、愛情込めて言ってます!)なMCも。
相変わらずさりげなく(でも結構な握力で)心を鷲づかむ歌声だ。
見ていて嬉しい。

私のなかで、彼の歌声は音楽を聴くことが至福のときであることの象徴だ。人生の決められた時間を音楽として消費するなかで、年を取るとともに、これからもできるだけ長く多くの時間を割きたいと思う声の持ち主だ。
“結婚してくださ~い!(だったと思う)”という観客の男性の野太い声にも共感。
いや、結婚してくださいなんて言いません、まだまだ惜しまずその歌声を披露してください!

1日目はハナレグミを見て会場を後にした。

5月22日(日)
LITTLE TEMPO
この日最初の登場はLITTLE TEMPO。海辺とスティールパン、合わないわけがない!
人力ダブのゴリっとした部分もありながら、どこまでも底なしにネアカな音は、私が思うGREENROOMらしさにバシっと当てはまっていた。

2日目は15:00ごろからの暴風雨により計3時間ほどで無念の途中退場。
もちろん雨具は持っていったけれど、フェスはムリしない!・・・のも大事です。
過去に、腸炎のため入院しろという医者の言葉を振り切ってフジロックに行ったことがある私が言うのもなんだけど、帰ってくるまでがフェスティバルですので・・・。
ちなみにGREENROOMは、地方のフェスほどの重装備は要らないけれど、雨対策としてポンチョと一緒に小さな折りたたみイスの準備をオススメ

以上で今年初のフェス参戦は終了。
今年のフェスは昨年ほどは行けそうにないが、こうしていい音楽、おいしいご飯(今年は混雑であまり食べられず・・・)、そして気心の知れた仲間たちと特別な時間を過ごすことの大切さを深く感じた。
ちょっと泣きそうでした。


・・・そして。

残念ながら3.11以降、ライヴやイベントを開催する状況が変化した。
社会情勢、電力の確保、観客の安全性、出演アーティストのキャンセル問題などなど、このほかにも大小さまざまな課題がある。
私もいろいろ考えに考えたが、何周もめぐってたどり着いた思いは、“私が10代後半から今に至るまで、さまざまなフェスティバルで得た経験はほかの何ものにも代えられない”ということだ。
そこで得た仲間、新たに見つけた感動、自然のなかで過ごすすばらしさを、まだ経験したことがない、私よりももっと若い人たちにも感じてほしい。
きっとこの充実した時間を通して、いい笑顔になって、少し逞しくなって帰ってくることができるはずだからだ。

イベントやライヴにはできるだけこれまでと変わらず行きたいと思う。
公演が中止になった際には、チケット代を義援金にしようと思います。

GREENROOM FESTIVAL'11 OFFICIAL WEB SITE→ http://www.greenroom.jp/

TOWER RECORDS ONLINE[タワレコ夏フェス応援グッズ'11]

TOWER RECORDS ONLINE[COOL WISE MAN]
TOWER RECORDS ONLINE[PONTIACS]
TOWER RECORDS ONLINE[EGO-WRAPPIN']
TOWER RECORDS ONLINE[ハナレグミ]
TOWER RECORDS ONLINE[LITTLE TEMPO]

RUNDOWN

RUNDOWN

  • COOL WISE MAN
  • ギャラクティック
  • 2009/06/17
  • CD
■Track listing
01. Chase The Feel
02. Feel Fool Struttin
03. Melody Life featuring Likkle Mai
04. Ska Fiesta
05. Deep Red
06. Rollin’ On
07. Song For My Grandfather
08. Sharing A Mood
09. Journey
10. Now Growing


GALAXY HEAD MEETING

GALAXY HEAD MEETING

  • PONTIACS
  • バウンディ
  • 2010/11/03
  • CD
■Track listing
01. アメリカ
02. GALAXY HEAD MEETING
03. BPR
04. Mr.FAT
05. SHINJUKU
06. 内気なフランケンシュタイン
07. STOOGES
08. Warriors
09. Grease Town
10. ブリステールのフィードバック
11. White Lizard
12. FRENZY
13. PINK BLUE


CORKSCREW WORLD-best of Kenichi Asai-(初回生産限定盤)(DVD付)

CORKSCREW WORLD-best of Kenichi Asai-
(初回生産限定盤/DVD付)

  • 浅井健一
  • アリオラジャパン
  • 2011/03/16
  • CD+DVD
■Track listing
[CD]
01. WAY
02. Dark Cherry
03. Your Smile
04. 原爆とミルクシェイク
05. FRIENDLY
06. スケルトン
07. 危険すぎる
08. 宇宙の果て
09. リトルリンダ (CORKSCREW mix)
10. コヨーテ (CORKSCREW mix)
11. Hello
12. Mad Surfer (album ver.)
13. FIXER
14. SPRING SNOW
15. Johnny Hell
[DVD]
01. 危険すぎる
02. WAY
03. Johnny Hell
04. FIXER
05. Dark Cherry
06. SPRING SNOW
07. FRIENDLY
08. Mad Surfer
09. SPRING SNOW
10. HEY HEY YOU YOU
11. FRIENDLY
12. CHOOSE ME
13. KATYUSHA
14. KODOU
15. BLITS SPRIT


■Track listing
[DISC 1]
01. OPENING
02. カサヴェテス
03. PARANOIA
04. a love song
05. Bell 5 Motel
06. The Caricoa
07. GI GO LO
08. love scene
09. 下弦の月
10. チェルシーはうわの空
11. Nervous Breakdown
12. 異邦人
13. BLACK ROOM
14. かつて・・・。
15. 色彩のブルース
16. 黒アリのマーチングバンド
17. BRAND NEW DAY
18. GO ACTION
19. 雨のdubism
20. moment to moment
21. サイコアナルシス
22. BYRD
[DISC 2]
01. The TRAVELLERS / GOOD ROCKIN' DADDY
02. 清水ミチコ / サイコアナルシス
03. 八代亜紀 / 雨の慕情
04. 韓国ソウルAX公演
05. 大阪中津芸術文化村ピエロハーバー公演


あいのわ

あいのわ

  • ハナレグミ
  • ビクターエンタテインメント
  • 2009/06/24
  • CD
■Track listing
01. あいのわ
02. 愛にメロディ
03. 光と影
04. Peace Tree feat.BOSE(fromスチャダラパー)、AFRA
05. PEOPLE GET READY
06. 大安
07. …がしかしの女 feat.マダムギター
08. あいまいにあまい愛のまにまに
09. あいのこども


■Track listing
[DVD]
01. Introduction
02. 蘇州夜曲
03. 夏の思い出
04. DISTANT EYES
05. ALBATROSS
06. THEME FROM A SUMMER PLACE
07. MUSICAL BRAIN FOOD
08. SOMUCH IN LOVE
09. GUNS OF NAVARON
10. 東京ドドンパ娘
[CD]
01. AFRICAN LULLABY
02. YOU DON'T LOVE ME(NO NO NO)
03. LITTLE JOURNEY
04. OVER THE RAINBOW / 虹の彼方に


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