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再び全国に散った趣味も性格も全く違うレポーターたちが
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どうぞココで、いろんな好きと出合ってくれたなら
ますます楽しくなってしまうじゃない!
音楽、小説、映画、美術、TVショウ・・・いつだって、出合ったときが新しい!

稲葉真弓著「環流」 [●BOOK]

初版 2005.08.25 講談社刊

なんだか緑と青の
中間くらいの色が似合うような、自然に満ちた環境が
素敵な空想を運んできてくれる

[text●h.mariko]

女性的、という表現はあまり好きではないのだが、この作品はとっても女性的だ。嫌味のない、さばさばした感じの女性っぽさが現われているように感じる。
芯の強い女三代、ひな(76歳、華道教師)、詩子(49歳、小学校の栄養士)、かおり(16歳、高校生)の生き方と、その生活。水に囲まれ、そのなかであたりまえのように暮らす姿が、なんともいえず強いのだ。しかししなやかで、女性的でもあるのだ。
それがこの作品を通じての感想。なんだか緑と青の中間くらいの色が似合うような、自然に満ちた環境が素敵な空想を運んできてくれる。

亡くなった夫、父の思い出・・・。
青臭い高校生が想うこと・・・。
倒れたひなが感じる人生観・・・。
すべてが生命の持つ意味のようなものに繋がっていて、物語を通じて優しげな雰囲気が漂う。
大きな事件がおきるわけでもなく、大恋愛が描かれているわけでもないのに、心にしっとりとしみこんでくるような、優しい文章たちが魅力的。

水とともに生き、水の中で死んでいく。 四方を水に囲まれた日本ならではの発想なのかもしれない。

日常における幸せとは何か?  なんて、深く考えたことはなかったが、この作品に触れて、少し考えてみた。私なら、夜ふかしができる日のワクワク感とか、思いっきり自分をだして遊べることだったり、本や映画に夢中になることだったり。そんな、たわいもない日常の連続が実は「幸せ」なのだと思った。

還流

環流

  • 稲葉真弓著
  • 講談社
  • 2005/08/25
  • 単行本


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X-ray Spex「Germ Free Adolescents」 [●ROCK]

1st. album 1978.11 release

クイーン・オブ・ザ・オリジナル・パンクの唯一のアルバム
いつ聴いてもキュートでオシャレなパンク・ロック

[text●i.akira]

X-ray Spex(エックス・レイ・スペックス )はオリジナル・パンクが隆盛を極めた1977年のイギリスにて結成されたバンドである。彼らはこの時代のバンドとしてはひときわ個性派であった。サウンドこそガレージ・パンクであるがミディアム・ナンバーを好み、どこかクレイジーなサックスが踊るように乗ることで、軽快でポップな空気を醸し出している。なにより最大の魅力は小柄で歯に矯正具をつけたままニコニコと歌う女性ボーカリスト、ポーリー・スタイリーンの存在である。まだ10代の彼女の荒々しくもソウルフルでキュートなボーカル・スタイルは間違いなくこのバンドの個性を引っ張っていた。同時に、あの男だらけの世界のなかで力強く歌っていた彼女の苦労は十分に感じ取れるし、そのカッコよさは多くの女性に勇気を与えたことだろう。

ちなみに彼らは1979年に解散しており、オリジナル・アルバムはこの「Germ Free Adolescents」1枚だけである。しかしこのアルバムが最高にカッコイイ。リフ一発で突き進むストレートなパンクもあれば、まるで80年代に訪れるニューウェーブ時代を予感させるようなダンサブルなナンバーもあるなど、バラエティにも富んでおり、パンク初心者でも楽しめるポピュラリティに溢れたメロディも満載だ。日本では本当のパンク好きにしか知られていないが、世界では高い認知度を誇り、現在までにこのアルバムだけで何度もリイシューされている。

彼らは解散後にも何度か再結成を果たしているが、2011年4月25日、残念ながらボーカリストのポリーが乳がんにより53歳の若さでこの世を去ってしまった。しかしこうして彼女のヒステリックな歌声を聴いていると、そんなことはまるで嘘のように感じてしまう。これからも彼女の歌声がたくさんの人に届くことを祈りつつ、敬愛と感謝を込めて哀悼の意を表する。クイーン・オブ・ザ・オリジナル・パンクに献盃を。

TOWER RECORDS ONLINE[X-ray Spex]
TOWER RECORDS ONLINE「Germ Free Adolescents」

Germ Free Adolescents

Germ Free Adolescents

  • X-ray Spex
  • Castle
  • 2008/01/01
  • CD

ジャーム・フリー・アダルセンツ(紙ジャケット仕様)

ジャーム・フリー・アダルセンツ
(紙ジャケット仕様)

  • X-ray Spex
  • ストレンジ・デイズ・レコード
  • 2006/10/25
  • CD
■Track listing
01. Art-I-Ficial/アーティフィシャル
02. Obsessed With You/オブセッスト・ウィズ・ユー
03. Warrior in Woolworths/ウォリアー・イン・ウールワース
04. Let's Submerge/レッツ・サブマージ
05. I Can't Do Anything/アイ・キャント・ドゥ・エニシング
06. Identity/アイデンティティ
07. Genetic Engineering/ジェネティック・エンジニアリング
08. I Live Off You/アイ・リヴ・オフ・ユー
09. I Am a Poseur/アイ・アム・ア・ポーザー
10. Germfree Adolescents/ジャーム・フリー・アダルセンツ
11. Plastic Bag/プラスティック・バッグ
12. The Day The World Turned Dayglo/ザ・デイ・ザ・ワールド・ターンド・デイグロー
[ボーナストラック]
13. Oh Bondage up Yours!/オー!ボンデージ・アップ・ユアーズ!
14. I Am Cliche/アイ・アム・ア・クリシェ
15. Highly Inflammable/ハイリー・インフレイマブル
16. Age/エイジ
17. Genetic Engineering/ジェネティック・エンジニアリング(ピール・セッション)
18. Art-I-Ficial/アーティフィシャル(ピール・セッション)
19. I Am a Poseur/アイ・アム・ア・ポーザー(ピール・セッション)
20. Identity/アイデンティティ(ピール・セッション)
21. Germ free Adolescents/ジャーム・フリー・アダルセンツ(ピール・セッション)
22. Warrior in Woolworths/ウォリアー・イン・ウールワース(ピール・セッション)
23. Age/エイジ(ピール・セッション)


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Hi-STANDARD「Love Is A Battelefield」 [●ROCK]

 max singlei 2000.04.05 release

友達の結婚式で新郎新婦退場のときに
BGMとして流れたのが「Can't Help Falling In Love」
思わず、笑い泣きしてしまった

[text●h.mariko]

“流行には、乗らない。だってみんながやってることを一緒にやって、楽しいか?”
そういう態度のせいで、あとから後悔したことも、ある。あのときあれをしとけばよかったなあ、と・・・。

ハイスタンダードに対しても、そうだった。流行ったときには、そんなに真剣でなかった。でも、解散が決まってから、もの凄い聴いた。このマキシ・シングルも、何回聴いたかもうわからない。何がいいって、カヴァーのセンスのよさだ。オリジナルの曲だってもちろん滅茶苦茶好きなんだけど、カヴァーの「原曲」のよさを消さず、でも彼ららしく、パンクふうに、って編曲してくれると、最高だ。
「My First Kiss/初めてのチュウ」「Can't Help Falling In Love」が、特に、好き。

友達の結婚式に出たときだ。新郎新婦退場のときに、みんなが祝福の拍手を贈るなかBGMとして流れたのが「Can't Help Falling In Love」だった。思わず、笑い泣き。
でも、このシングルのタイトルは「愛は戦い」なんだよね。その夫婦は今も仲睦まじく、(時には喧嘩もするだろうけど)暮らしてる。みんなに届く愛のうた。楽しく歌える愛のうた。
愛とかいうと照れ臭いけれど、やっぱり大切なものなんじゃないのかなあ、って思う、ついでに、爽快になれる、素敵な4曲だ。

TOWER RECORDS ONLINE[Hi-STANDARD]
TOWER RECORDS ONLINELove Is A Battelefield」

Love Is a Battlefield

Love Is A Battlefield

  • Hi-STANDARD
  • PiZZA OF DEATH RECORD
  • 2000/04/05
  • CD
■Track listing
01. This Is Love
02. My First Kiss/初めてのチュウ
03. Catch A Wave
04. Can't Help Falling In Love


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岩井俊二監督作品「四月物語」 [●DVD]

1998年3月14日公開作品(日本映画)

何にもないから一生懸命になる
なるべくさりげなく。そして爽やかに
その時間のなんて繊細なことか

[text●u.junko]

この時期、都内を歩けばソワソワした空気を纏った若者をよく見かける。いつもより少しだけ気合いを入れておしゃれをし、新しい生活に、そして“東京”という街に溶け込もうとするあの人たちの様子が、実はいちばん春の気配を感じさせてくれる。

「四月物語」は、まさにその瞬間の物語である。
大学進学のため、北海道から上京した主人公・卯月(松たか子)は、初めてのひとり暮らしや、新しい人間関係にとまどいながら、東京での生活をスタートさせる・・・。

・・・この作品のあらすじは、本当にそれだけなのである。上京した動機のひとつが、憧れの人を追いかけるためだったということぐらいで、それ以外に特筆すべき点が見当たらない。何の珍しさもない時間を、とにかく淡々と眺めるように話は進んでいくのだ。

ただ、その無機質なまでに“何もない”ことが、妙にリアルなのである。

不器用な卯月が、不安げな顔をしつつも、一生懸命に周囲になじもうとする姿は、なんだか見ているこちらもソワソワさせられるし、好きな人と探りさぐり会話をするところなんか、思い出すとくすぐったいような10代特有の感じがよみがえる。

何にもないから一生懸命になる。なるべくさりげなく。そして爽やかに。その時間のなんて繊細なことか。

過ぎ去った時間を回想するように見るのもいいが、この時間をいままさに過ごしている人がこの作品を見たら、いったいどんな感想を持つのだろうか。それが気になる。
※松たか子、映画初主演作品
岩井俊二オフィシャルサイト「岩井俊二映画祭」で無料配信中(〜2011.5.31)

岩井俊二映画祭 iwai shunji film festivalhttp://iwaiff.com/

TOWER RECORDS ONLINE四月物語

■cast 
松たか子(楡野卯月)
田辺誠一(山崎先輩)
藤井かほり(北尾照子)
留美(佐野さえ子)
松本幸四郎(父)
藤間紀子(母)
松本紀保(姉)
市川染五郎(兄)
ほか


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伊藤計劃著「虐殺器官」 [●BOOK]

初版 2007.06 早川書房刊

「虐殺」という強烈な言葉に押されてしまい
「器官」の 意味を考えていなかった私の負け。戦争に対する
ビジネスライクな考え方には、背筋が凍る

[text●h.mariko]

タイトルから想像していたのは、グチャグチャドロドロの 戦闘シーンと、マシンガン打ちまくって穴だらけになった 死体が累々としている、そんな陳腐なイメージ。 が・・・。 想像はまったく外れてしまった。近未来SFとでもいうか。時代設定はされていない。

アメリカの情報軍に所属するクラヴィス・シェパードへの命令は、「ジョン・ポール」なる男の暗殺計画。だが、追いつめたかと思うたびに、ジョンは姿を消してしまう。ジョンの行く先々ではいつも争いごとが起きており、紛争が戦争に拡大することもしばしば。サラエボの町は手製の核爆弾で消滅してしまう・・・。世界はどう動くのか? どうやって変わっていくのか。

この作品の「虐殺」という強烈な言葉に押されてしまい、「器官」の 意味を考えていなかった私の負け。 タイトルですでに内容を予測すべきだったのだ。装着すれば何十倍もの力を発揮できる人工筋肉や、子どもを殺しても精神を病むことのない「メンテナンス」など、戦争に対するビジネスライクな考え方には背筋が凍る。
人の荒んだ心が、事件を引き起こし、戦争を起こすのだとしたら、この本は問題作と呼んでもいいのでは。

本作品は2006年第7回小松左京賞最終候補になり、後にハヤカワSFシリーズJコレクションより出版された。伊藤計劃の作家としてのデビュー作品。その将来を嘱望された伊藤氏だったが、2009年3月に肺癌のため帰らぬ人に・・・。彼の作品をもう手にすることができない切なさを感じながらも、何度でも読み返して、伊藤氏のことを心に留め置きたいと思ってやまない。


虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)

虐殺器官

  • 伊藤計劃著
  • 早川書房(ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)
  • 2007/06
  • 単行本

虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)

虐殺器官

  • 伊藤計劃著
  • 早川書房(ハヤカワ文庫JA)
  • 2010/02/10
  • 文庫


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Foo Fighters「Wasting Light」 [●ROCK]

7th. album 2011.04.12 release(2011.04.20/日本盤)

過去最強の布陣で放つ最強のロックンロール
キャリアを総括した驚きと圧巻の完成度

[text●i.akira]

なんという鋭さだろう。1曲目の「Bridge Burning」からしてただごとではない。前作「Echoes, Silence, Patience and Grace」から実に4年ぶりとなるFoo Fighters(フー・ファイターズ)の新作は驚きと圧巻の完成度である。

最も驚いたのは、あのパット・スメアが復帰したことだ。伝説のL.A.パンク・バンドThe Germs(ジャームス)のメンバーであり、NIRVANA(ニルヴァーナ)末期~Foo Fighters初期を支えた男である。十分に鉄壁であった布陣に頼れる仲間が帰ってきたのだ。
さらにex.NIRVANAのクリス・ノヴォゼリックも参加していたり、GARBAGE(ガービッジ)のメンバーであり、NIRVANAの「Never Mind」を手掛けた名伯楽ブッチ・ヴィグのプロデュースだというから、もはや敵なしである。そのおかげか、まるでファースト・アルバムのような瑞々しさと衝動が詰まっている。中心人物であるデイヴ・グロールの自宅ガレージで録音されたアナログ録音によるところも大きいだろう。
また、デイヴが参加していたThem Crooked Vultures(ゼム・クルックド・ヴァルチャーズ)の影響も感じさせるストーナー・ロック路線の楽曲が多いのも特徴である。とはいえサビでのメロディ・センスは相変わらず抜群だし、より厚みと鋭さを増したサウンドも強烈である。間違いなく彼らの作品のなかで最もテンションが高い作品であり、ロック好きならば誰もが納得させられる圧倒的な仕上がりだ。
ちなみに毎回楽しませてくれる彼らのPV(下記オフィシャルサイト内[videos]で視聴可能)だが、「White Limo」にはMotorhead(モーターヘッド)のレミー様が出演しており、おバカなメンバーとの絡みを楽しめる。

全米チャート1位も獲得し、キング・オブ・ロックの堂々たる帰還である。これを聴かずに2011年のシーンは語れない!

OFFICIAL WEB SITE→ http://www.foofighters.com/jp 

TOWER RECORDS ONLINE[Foo Fighters]
TOWER RECORDS ONLINE「Wasting Light」

Wasting Light

Wasting Light

  • Foo Fighters
  • RCA
  • 2011/04/12
  • CD

ウェイスティング・ライト

ウェイスティング・ライト

  • Foo Fighters
  • SMJ
  • 2011/04/20
  • CD
■Track listing
01. Bridge Burning/ブリッジ・バーニング
02. Rope/ロープ
03. Dear Rosemary/ディア・ローズマリー
04. White Limo/ホワイト・リモ
05. Arlandria/アーランドリア
06. These Days/ジーズ・デイズ
07. Back & Forth/バック・アンド・フォース
08. Matter of Time, A/ア・マター・オブ・タイム
09. Miss the Misery/ミス・ザ・ミザリー
10. I Should Have Known/アイ・シュッド・ハヴ・ノウン
11. Walk/ウォーク
[日本盤ボーナス・トラック]
12. Better Off/ベター・オフ


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原田マハ著「カフーを待ちわびて」 [●BOOK]

2006年 第1回日本ラブストーリー大賞(宝島社)受賞作品
2008年 有羽なぎさ作画でコミック化
2009年 中井庸友監督で映画化

カフーとは、沖縄の方言で
“果報”=“いいこと”“幸せ”という意味があるとか
この物語にあるすべての“いいこと”は
犬のカフーが運んできた・・・

[text●h.mariko]

たまには雰囲気の違う本を・・・と手に取ってみた。こてこての恋愛小説というヤツを想像したのだが、思ったよりもさらっとした物語だった。

カフーは明青(あきお)に飼われている黒のラブラドールの名前。明青は右手がうまく使えない。少し、障害がある。お母さんはそんな明青を置いて出て行ってしまい、裏の家のおばあと夕餉をともにする毎日。雑貨屋を営みながら、食べるだけの魚を獲って細々と暮らす生活に満足も不満も唱えない、平淡な日々を送っている。
沖縄の、開発されていない島でののんびりとした暮らしにすっかり馴染んだ島民たち。明青も、そう。そんななか、同級生の俊一が「リゾート開発」を持ち出して、島は大騒ぎ。 島のリゾート開発を推す人と、自然との共存を守る人々が対立する羽目になる。
その開発のモデル・プランとする新潟のリゾート地を見学に行ったとき、明青は絵馬を書く。

「幸せにします。嫁にこないか」

何をほざいていると友達にはからかわれていたし、明青自身本当に何かが起ると思っていたわけではなかった。
が、本当にやってくる美少女、幸(さち)。マイペースで、おばあとはそりが合わないけど一向に気にするそぶりもない。カフーと散歩に出かける幸との暮らしに羨望を浴びる明青。転がり込んできた幸の素性は一切分からないけど、一緒に暮らしはじめることに。幸はからりと明るい性格だが、海を見ているときはなぜか悲しそうに見える。

明青の母親のこと。
サンザシの木のペンダントに秘められた謎。
幸の秘密・・・。

沖縄という舞台に設定を置いているだけに、自然描写が美しい。そして、なによりも大切な存在は犬のカフーである。犬(でなくても、ペット)を飼った人ならわかるだろう。悲しそうな人の傍には寄り添い、怪しげな人には身を挺してでも守る、そんな存在。カフーとは、沖縄の方言で、“果報”=“いいこと”“幸せ”という意味があるそうだ。この物語にあるすべての“いいいこと”は、犬のカフーが運んできたような気がしてならない。

ラブストーリーというにはさらっとしすぎているかもしれないけど、読後感爽やかな、すてきな物語。

カフーを待ちわびて

カフーを待ちわびて

  • 原田マハ著
  • 宝島社
  • 2006/03/20
  • 単行本

カフーを待ちわびて (宝島社文庫)

カフーを待ちわびて

  • 原田マハ著
  • 宝島社(宝島社文庫)
  • 2008/05/12
  • 文庫

カフーを待ちわびて (デザートコミックス)

カフーを待ちわびて

  • 原田マハ原作/有羽なぎさ作画
  • 講談社(デザートコミックス)
  • 2008/10/10
  • コミック


TOWER RECORDS ONLINE「カフーを待ちわびて」

カフーを待ちわびて [DVD]

カフーを待ちわびて

  • エイベックス・マーケティング
  • DVD
■cast 
玉山鉄二(友寄明青)
マイコ(幸)
カフー
瀬名波孝子(裏のおばあ/玉城ミツ)
高岡早紀(友寄美晴/明青の母)
白石美帆(新垣成子)
勝地涼(新垣渡)
尚玄(照屋俊一)
宮川大輔(比嘉辰夫)
沢村一樹(高木吉雄)
ほか



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ミカエル・ハフストローム監督作品「ザ・ライト ─エクソシストの真実─」 [●THEATER]

2011年公開作品(原題「The Rite」/アメリカ映画)

はたして悪魔は存在するのか否か
バチカン公認の悪魔祓い師“エクソシスト”を
リアルに淡々と描いた衝撃作

[text●i.akira]

エクソシスト。その言葉を知っている人はたくさんいるだろうが、それが実在する職業だということを知らない人は多いだろう。宗教的な観念が基本的に低い日本においてはなおさらである。近年、カトリック教の聖地であるバチカンにて講座も開かれ、公式に認定されてエクソシスム(悪魔祓い)を行なうことが許された聖職者をエクソシストと呼ぶ。そしてそれは、少なくともカトリックの観点では“悪魔”が存在することを意味している。

本作はエクソシストへの道を薦められた青年が、葛藤と疑念にかられたまま本物のエクソシストや悪魔の存在に触れ、答えを見つけ出していくストーリーである。テーマがテーマだけに、映像はどれもが重苦しく、意味深である。しかし、この手の作品に多い過剰なスプラッターや演出はほとんどなく(実際に劇中で「回る首や緑色のゲロが見たかったか?」という、1973年の映画「エクソシスト」へのオマージュのようなセリフもある)、淡々と物語を楽しむことができる。

ちなみに主役はコリン・オドナヒューであるが、ぶっきらぼうで変わり者なエクソシストを演じるアンソニー・ホプキンスの存在感に完全に食われている。というより、彼の感情の起伏こそが本作の見どころだといっても過言ではない。彼が哀しみに暮れる姿も、狂気を宿した姿も、どれもが脳裏に焼きついて離れない。彼のファンなら誰もが納得できる作品だろう。

実話を基にした作品とのことだが、たいした前知識がなくともエンタテインメントとして十分に楽しめる。そして観終わったあと、それぞれが真実を見極めてほしいと思う。
※2011年3月19日(土)〜全国劇場公開

OFFICIAL WEB SITE→ http://wwws.warnerbros.co.jp/therite/ 

ザ・ライト -エクソシストの真実- (アンソニー・ホプキンス 出演) [DVD]

ザ・ライト ─エクソシストの真実─

  • ■cast
    アリシー・ブラガ(アンジェリーン)
    アンソニー・ホプキンス(ルーカス・トレヴァント)
    コリン・オドナヒュー(マイケル・コヴァク)
    トビー・ジョーンズ(マシュー)
    キアラン・ハインズ(ザビエル)
    ほか

ザ・ライト ─エクソシストの真実─ (小学館文庫)

ザ・ライト ─エクソシストの真実─

  • マット・バグリオ著
  • 小学館(小学館文庫)
  • 2011/03/04
  • 文庫


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糸井重里監修「言いまつがい」 [●BOOK]

初版 2003.12.05 ほぼ日ブックス刊

失敗して落ち込んじゃったとき
切ない気持ちでいっぱいのときにページを開いたら
さあさあ、大爆笑の渦が待ち受けております

[text●h.mariko]

あなたも、“いいまつがっちゃった”こととか、“やりまつがっちゃった”ことって、ありませんか? “いいまつがい”(=言い間違い)、日常に起るちょっとした“まつがい”で、大爆笑を誘ってしまったりとか。

私の経験を思い起こせば。
「会社のお得意さんに“タメグチ”をきいてしまった(相手には気づかれずに)」
「トイレで着替えをしようとしたら誤って眼鏡を流した(ジャーッと切なく)」これは単なる失敗か・・・。
「酔っぱらって間違い電話を延々してしまった(相手は知らない人)」
まあ、そんなところでしょうか。

誰にでもある、小さなまつがい。それが思わぬところで人の耳に入っちゃったりすると、あら恥ずかしい。もう顔から血が出ちゃう、じゃなくって、火が出ちゃう。
でも、これを読んだら一安心。だって、世の中こんなにまつがってる人がいると思うと、安心しちゃうじゃない。
そして、爆笑しちゃうこと、間違いないですよ。なので、立ち読み、電車の中での読書に選ぶのは、おすすめできませんが。

ちょっと元気がないなあと思ったとき、失敗して落ち込んじゃったとき、切ない気持ちでいっぱいのとき。そんなときにページを開いたら、さあさあ大爆笑の渦が待ち受けております。

こんなにたくさんの人がいいまつがった生活してるんだと思うとちょっと安心しちゃうじゃありませんか。

ほぼ日刊イトイ新聞 WEB SITE→ http://www.1101.com/ 
ほぼ日ブックス「言いまつがい」→ http://www.1101.com/store/iimatugai/index.html 

言いまつがい (ほぼ日ブックス)

言いまつがい

  • 糸井重里監修 ほぼ日刊イトイ新聞編
  • 東京糸井重里事務所(ほぼ日ブックス)
  • 2003/12/05
  • 単行本

言いまつがい (新潮文庫)

言いまつがい

  • 糸井重里監修 ほぼ日刊イトイ新聞編
  • 新潮社(新潮文庫)
  • 2005/03/29
  • 文庫

金の言いまつがい (ほぼ日ブックス)

金の言いまつがい

  • 糸井重里監修 ほぼ日刊イトイ新聞編
  • 東京糸井重里事務所(ほぼ日ブックス)
  • 2006/11/30
  • 単行本

銀の言いまつがい

銀の言いまつがい

  • 糸井重里監修 ほぼ日刊イトイ新聞編
  • 東京糸井重里事務所(ほぼ日ブックス)
  • 2006/11/30
  • 単行本


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Cavalera Conspiracy(カヴァレラ・コンスピラシー)「Blunt Force Trauma」 [●ROCK]

2nd. album 2011.03.29 release(2011.04.06/日本盤)

高純度を誇る究極のブルータル・サウンド
メタル界最凶の兄弟によるへヴィネス第2章

[text●i.akira]

長い間この兄弟の音楽を聴いているが、正直このCavalera Conspiracy(カヴァレラ・コンスピラシー)こそ、彼らのキャリアで最もすばらしいバンドだと思う。バンドの中心人物であるマックス・カヴァレラ(Vo./G.)とイゴール・カヴァレラ(Ds.)の兄弟は、もともとブラジリアン・スラッシュ・メタルのパイオニアと呼べるSEPULTURA(セパルトゥラ)に在籍していたが、1996年に兄のマックスが脱退して以降ふたりは実に10年以上も兄弟の縁を切っていた。しかし2006年に突然イゴールがSEPULTURAを脱退し、SOULFLY(ソウルフライ)として活動していたマックスと奇跡の和解を果たし再び同じステージに立つために生まれたのがこのCavalera Conspiracyである。本作は彼らの3年ぶりとなるセカンド・アルバムである。

前作「Inflikted」を聴いたときも驚いたが、このバンドはトライバルや民族音楽を取り入れたへヴィ・ロックを聴かせていた中期以降のSEPULTURAやSOULFLYとは違い、スラッシュ・メタルやハードコアを通過した純粋すぎるほどのブルータルなへヴィネス・サウンドが特徴である。本作ではその純度がさらに高まり、メロディもほとんど排除した激烈極まりない音に仕上がっている。特に痛烈な社会批判と闘争本能に満ちた言葉を唸るマックスの声は、積年の鬱憤を振り払うがごとき凶暴かつ重厚な音と相まって、凄まじい説得力を生んでいる。ファンにとっては「これだよ、これ!」と言いたくなるほどツボを押さえた、まさに「鈍的外傷」という意味を持つタイトルにふさわしい衝撃作だ。

また本作の初回盤には2008年に開催されたフランスの野外フェスでのライブをたっぷり収録したDVDもついている。そこにはSEPULTURA時代の名曲「Refuse/Resist」や「Roots Bloody Roots」を本当に楽しそうに歌い演奏するメンバーの姿があった。過去の確執を乗り越えたメタル界最凶の兄弟に不安や迷いは一切ない。このまま行けるところまで突き進んでほしい。

OFFICIAL WEB SITE→ http://www.cavaleraconspiracy.com/ 

TOWER RECORDS ONLINE[Cavalera Conspiracy]
TOWER RECORDS ONLINE「Blunt Force Trauma」(CD+DVD)

Blunt Force Trauma: Deluxe

Blunt Force Trauma
Deluxe

  • Cavalera Conspiracy
  • Roadrunner Records
  • 2011/03/29
  • CD+DVD
■Track listing
01. Warlord
02. Torture
03. Lynch Mob
04. Killing Inside
05. Thrasher
06. I Speak Hate
07. Target
08. Genghis Khan
09. Burn Waco
10. Rasputin
11. Blunt Force Trauma

12. Psychosomatic (bonus track)
13. Jihad Joe (bonus track)
14. Electric Funeral (bonus track)

[DVD/初回限定盤]
Live at Les Eurockeennes Festival
Belfort, France/2008.07.05
01. Inflicted
02. Sanctuary
03. Territory
04. Terrorize
05. The Doom Of All Fires
06. Inner Self ~ Nevertrust
07. Arise ~ Dead Embryonic Cells
08. Desperate Cry ~ Propaganda
09. Wasting Away
10. Black Ark
11. Holiday In Cambodia ~ Biotech Is Godzilla
12. Hearts Of Darkness
13. Refuse/Resist
14. Troops Of Doom
15. Must Kill
16. Roots Bloody Roots
17. Sanctuary (Music Video)


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宮部みゆき著「ブレイブ・ストーリー」 [●BOOK]

初版 2003.03.03 角川書店刊
2006年「ブレイブ ストーリー」としてアニメ映画化(日本映画)


彼は勇気と勇敢さを持ち合わせていた
この物語の根本を成すのは
持っている力を、誰のために、どうやって、いつ使うか
ということを考えさせることなのかもしれない

[text●h.mariko]

宮部女史といえば、ミステリー、いや、時代物? 作風を問わず、とにかく人気作家であるというイメージを強く持っていた。そうして「宮部」の棚の前で私は首を傾げる。
「何から読んだらいいんだろう」
この「ブレイブ・ストーリー」は、ちょうどアニメ映画化のときに手にとったので、すんなりと読み進めることができたのだった。上下巻の長編であるが、まあ、サラサラツルツルいくらでも読めてしまう。これが宮部作品すべてに共通することだとしたら、恐るべし、宮部女史と思ってしまったのを覚えている。

小学5年生のワタルは、どこにでもいるような、普通の小学生。それがある日、工事現場に幽霊がでると噂される「幽霊ビル」で、要御扉(かなめのとびら)と出会い、「幻界(ヴィジョン)」という、ワタルの住む世界とは別のパラレルワールドに繋がる道を知ってしまう。その後同級生にして転校生のミツルが同じ幽霊ビルで、上級生から苛めを受けているのを目撃してしまうワタル。止めに入る間もなく、ミツルは奇妙な術を使い、上級生を「消して」しまう。そしてミツルは、自らも姿を消した。
一方、平和なはずのワタルの家族に亀裂が入る。父親が昔の恋人と復縁したからと、母とワタルを捨てて出て行ってしまう。それを悲観した母親は、無理心中を計る。ガス栓を開き、もはやこれまで、というところで助けてくれたのは、姿を消したはずのミツルだった。ミツルは言う、「運命を変えるのならヴィジョンへこい」と・・・。

ロールプレイングゲームが好きという宮部女史だけあって、パラレルワールドのつくりこみ方はわかりやすく、登場人物にも好感が持てる。そして、その世界に投げ込まれても必死に立ち向かうワタルの姿が、なんとも愛おしい。
何度も言うが、ワタルはどこにでもいるような普通の小学生だ。普通の小学生は、テレビゲームをやって、公園で遊んで、大冒険に憧れて、でも憧れるだけで、お父さんとお母さんの愛に包まれて毎日ぐっすり眠ればいい。

なのにワタルは突然訪れた家族の崩壊に立ち向かい、その命運を変えるべくして立ち上がる。ミツルに誘われたヴィジョンへと足を踏み入れることを決意するのだ。

RPGをやったことのある人なら説明無用だが、ゲームが始まると、まず「最初の街」に主人公はいる。そして、ストーリー概要を知った上でプレイするのだから、「何をすべきか」はわかっているのだ。しかし、ワタルは「家族の危機を救いたい」気持ちは誰より強く持ち合わせるものの、何をしたらいいかわからない。
たった11歳の少年が、見ず知らずの人(ときには人の形をしていない人?も)を頼り、声をかけ、冒険をともにする。そうして、いつしか自分の願いを叶えるだけのみならず、「ヴィジョン」で暮らす人々にも心を移すその姿、なんと純粋なことか。

ワタルは立ち向かう。ヴィジョンの住民とともに、自分とみんなのために。

自分が小学生だったころ、何をしていただろう。この作品を読み遂げてから思った。あたたかい三度の飯はあたりまえ、ぬくぬくとした布団で眠るのもあたりまえ、命の危険など、感じたこともない。そして、両親、友達、親しい人たちの愛情をも、当時はあたりまえとして受け止めていた。それは、とても貴重で、そう簡単に手に入らないものだということを知ったのは高じてからだ。そして、自分はなんと恵まれていたのかと。
ワタルは、ひとりの少年であることには間違いない。恐らく、どこにでもいる、可愛い小学生なのだ。しかし、彼は勇気と勇敢さを持ち合わせていた。この物語の根本を成すのは「持っている力を、誰のために、どうやって、いつ使うか」を考えさせることなのかもしれない。

ブレイブ・ストーリー(上)

ブレイブ・ストーリー(上)

  • 宮部みゆき著
  • 角川書店
  • 2003/03/05
  • 単行本

ブレイブ・ストーリー(下)

ブレイブ・ストーリー(下)

  • 宮部みゆき著
  • 角川書店(角川文庫)
  • 2003/03/05
  • 単行本

ブレイブ・ストーリー (上) (角川文庫)

ブレイブ・ストーリー (上)

  • 宮部みゆき著
  • 角川書店
  • 2006/05/23
  • 文庫

ブレイブ・ストーリー (中) (角川文庫)

ブレイブ・ストーリー (中)

  • 宮部みゆき著
  • 角川書店(角川文庫)
  • 2006/05/23
  • 文庫

ブレイブ・ストーリー (下) (角川文庫)

ブレイブ・ストーリー (下)

  • 宮部みゆき著
  • 角川書店(角川文庫)
  • 2006/05/23
  • 文庫


TOWER RECORDS ONLINE「ブレイブ ストーリー」

ブレイブ ストーリー 特別版 [DVD]

ブレイブ ストーリー
特別版

  • ワーナー・ホーム・ビデオ
  • DVD
■voice actor 
松たか子(三谷亘/ワタル)
ウエンツ瑛士(芦川美鶴/ミツル)
常盤貴子(カッツ)
大泉洋(キ・キーマ)
斎藤千和(ミーナ)
川澄綾子(謎の少女)
樹木希林(オンバ)
柴田理恵(ユナ婆)
矢島晶子(皇女ゾフィ)
伊東四朗(ラウ導師)
今井美樹(運命の女神)
大沢在昌(夕闇の神将)
京極夏彦(トローン)
宮部みゆき(パック)
ほか

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ジャック・ブラック主演作品「ナチョ・リブレ 覆面の神様」 [●DVD]

2006年公開作品(原題「Nacho Libre」/アメリカ映画)

使命感も崇高な志もあるわけなく
それでもヒーローになろうと暴れ回る水色タイツのメタボレスラーに
不覚にもくぎづけになっている自分がいるのだ

[text●u.junko]

ジャック・ブラックは最高である。
何しろこの人、ただ歩いているだけでもおもしろい。

本作は修道院で育ち、給仕として働く主人公が、
修道院の孤児たちにおいしい物を食べさせてあげたいとの思いから、
覆面プロレスラーとして賞金を稼ごうとする話である。

それだけ書けば、感動作っぽくも装えるのだが、
何しろ主人公は希代のコメディ・スター、ジャック・ブラックですから。
浅はかで身勝手な、そりゃあもう期待どおりのダメ人間を、
観客が胃もたれを起こす寸前のこってりさで怪演している。

使命感も崇高な志もあるわけなく、
それでもヒーローになろうと暴れ回る水色タイツのメタボレスラーに、
不覚にもくぎづけになっている自分がいるのだ。
あぁもう。あのまったく筋肉を感じさせないずんぐりボディからくり出される、
そんなに高く飛べていない空中殺法とか、本当にやめていただきたい。
そのくせ最後にはホロリとさせられ、まんまとしてやられるから腹立たしい。

ジャック・ブラックの出演作では「スクール・オブ・ロック」が傑作だが、
“映画館で見たい”ではなく、
“レンタルが出たら(もちろん7泊8日OKになってから)見よう”といった、
最高のB級感は今作でも十分に堪能できます。

何がという具体的な理由なんてありません。
一度見たら1年に1回くらいは見たくなります。

※ジャック・ブラックの最新作は
製作総指揮&主演で現在公開中(2011.4.15〜)の3D映画
「ガリバー旅行記」


TOWER RECORDS ONLINE[ジャック・ブラック/Jack Black]
TOWER RECORDS ONLINE「ナチョ・リブレ 覆面の神様」

ナチョ・リブレ 覆面の神様 スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]

ナチョ・リブレ 覆面の神様
スペシャル・コレクターズ・エディション

  • パラマウント・ホーム・エンタテインメント・ジャパン
  • DVD
■cast 
ジャック・ブラック(イグナシオ/ナチョ)
ヘクター・ヒメネス(スティーブン/ヤセ)
アナ・デ・ラ・レゲラ(シスター・エンカルナシオン)
セサール・ゴンザレス(ラムセス)
リチャード・モントーヤ(ギレルモ)
ピーター・ストーメア(ジプシー・エンペラー)
ほか


スクール・オブ・ロック スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]

スクール・オブ・ロック
スペシャル・コレクターズ・エディション

  • パラマウント・ホーム・エンタテインメント・ジャパン
  • DVD
■cast 
ジャック・ブラック(デューイ・フィン)
ジョーン・キューザック (ロザリー・マリンズ)
マイク・ホワイト (ネッド・シュニーブリー)
サラ・シルバーマン (パティ・ディ・マルコ)
レベッカ・ブラウン (ケイティ)
ほか

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京極夏彦著「鉄鼠の檻」 [●BOOK]

百鬼夜行シリーズ第4作 初版 1996.01.05 講談社刊(講談社ノベルズ)

山深くの禅寺“明慧寺”
周辺で起きる連続僧侶殺人事件
テーマは“禅”
わかりやすくてわかりにくくておもしろい・・・

[text●h.mariko]

突然だが、信じる神はいるだろうか。
私はいない。寺や神社を見ればそれなりに信心深い気持ちにもなるのだが、如何せん「よく解らない」のだ。
宗教、というと枠が広すぎるから「仏教」としてみるとどうか。奈良の大仏、鎌倉の大仏、京都、奈良をはじめとした巨大な建造物が真っ先に頭に浮かぶ。そして、葬式の儀式。僧侶。戒名。そんなところだろうか。
が、私の場合、父と母とで宗派が違うのだ。真言宗と浄土真宗らしいのだが、どちらがどちらでも、私にはよく解らない。いや、興味がない、と言い換えられようか。
私が特に勉強不足なのだが、恐らく私のような生活を送っている人は少なくないのでは、と思うのだ。仏教と日本人は、近いようで、遠い?
クリスマスにはチキンを齧りケーキを食べ、その10日も立たないうちに除夜の鐘を聞きながら年越し蕎麦を食べ、正月を神妙な気分で迎える。神も仏も区別がつかない? これが日本人の宗教(信仰)に対する姿を如実に現わしているのではないかと思うのだ。

仏教、そのなかでも教典の解釈が難しいとされる禅宗。
その禅をテーマに据えたのが、この小説「鉄鼠の檻」である。

ときは昭和初期、いつもの面子の登場である。正月も終わり、松の飾りも取れたころ、京極堂(中禅寺秋彦)が関口を誘う。「温泉でも行かないか」と。
それは京極堂の仕事絡みであり、また本当に誘いたいのは関口ではなく、細君の雪絵であったのだが、その辺りは置いておくとして、4人は連れ立って箱根へと赴く。雪山のなかに見つかった蔵から発見された蔵書の鑑定が京極堂の仕事だった。
一方で、今川雅澄である。骨董屋の彼のもとに、以前店を経営していた従兄に宛てた手紙が届く。明慧寺の和尚、小坂了念と名乗る人物から「この世に出ることのない稀な品」について書かれた書簡に興味を持った今川は、待ち合わせに指定された千石楼という宿に赴く。が、待ち人は来ない。逗留客の久遠寺嘉親とも打ち解け、彼が昨年の夏に起きた陰残な事件の被害者であることを知る。
それから、中禅寺敦子と鳥口守彦である。雑誌取材で訪れた先は明慧寺。が、そこに入ることはできなかった。

今川の待ち人、小坂了念は既に亡き人であった。
そして、明慧寺は、全国津々浦々社寺仏閣に通じている京極堂すら、知らないという「摩訶不思議な」場所なのであった。登場人物である警察官たちが現場の空気に飲まれていく空間。人が死んでも「修行」を止めない雲水(和尚)たち。山深い場所に建った明慧寺は、その異形のみならず、入った人を出さない「檻」なのである・・・。

正直なところ、この話、途中で頭が痛くなるほど、難しい(と私は感じた)。なぜならば、事件が起きる発端が「禅」について詳しくわかっていないと辿り着けないからである。犯人の動機、という奴が、ものすごくわかりやすいが、わかりにくいのである。宗教という文字が絡むと、やれ洗脳だ、世界の終末だ、狂信的だ・・・という色眼鏡でものを見てしまいがちだが、この作品にはそういった点はまったくない。むしろ理路整然と語られる禅についての蘊蓄は、そこいらの教科書よりもよっぽどわかりやすい。その上で、わかりにくいのだ・・・。
しかし、禅とは何か、をこれだけ詳細に描きながらもミステリー小説として成立させているのが、京極氏の素晴らしいところでもあろう。歴史の授業よりもよほどわかりやすく、わかりにくくておもしろく読めることは請け合いである。その分厚さに辟易せず、ぜひ手に取りたい一冊だ。

鉄鼠の檻 (講談社ノベルス)

鉄鼠の檻

  • 京極夏彦著
  • 講談社(講談社ノベルス)
  • 1996/01/05
  • 新書

文庫版 鉄鼠の檻 (講談社文庫)

文庫版 鉄鼠の檻

  • 京極夏彦著
  • 講談社(講談社文庫)
  • 2001/09/06
  • 文庫

分冊文庫版 鉄鼠の檻(一) (講談社文庫)

分冊文庫版 鉄鼠の檻(1)

  • 京極夏彦著
  • 講談社(講談社文庫)
  • 2005/10/15
  • 文庫

分冊文庫版 鉄鼠の檻(二) (講談社文庫)

分冊文庫版 鉄鼠の檻(2)

  • 京極夏彦著
  • 講談社(講談社文庫)
  • 2005/10/15
  • 文庫

分冊文庫版 鉄鼠の檻(三) (講談社文庫)

分冊文庫版 鉄鼠の檻(3)

  • 京極夏彦著
  • 講談社(講談社文庫)
  • 2005/11/15
  • 文庫

分冊文庫版 鉄鼠の檻 4

分冊文庫版 鉄鼠の檻(4)

  • 京極夏彦著
  • 講談社(講談社文庫)
  • 2005/11/15
  • 文庫


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吉川晃司「KEEP ON KICKIN’!!!!!」 [●ROCK]

best album 2011.04.13 release

ファン投票によって選ばれた
“現在”の吉川晃司
ビギナーからコアなファンまでも唸らせる
超攻撃的ベスト・アルバム

[text●i.akira]

デビューから27年、それも最前線で歌い続けてきた吉川晃司はかなりの数のアルバムをリリースしている。さらに言えば、ベスト・アルバムだけで結構な枚数である。しかし今回のベスト・アルバムは意味合いが違う。ファン投票によって選ばれた“現在”の吉川晃司がギュウギュウに詰め込まれた、最高のベスト・アルバムなのである。

“究極の入門ベスト・アルバム”というスローガンのもと、TwitterやUSTREAMで呼びかけたファン投票により選ばれた上位16曲を収録した本作には、なんと彼のデビュー曲であり代表曲である「モニカ」は入っていない。それ以外にも初期(いわゆるアイドル時代)のナンバーがほとんどなく、必殺の高速ロック・チューン「The Gundogs」や「ナイフ」、中期の代表曲である「KISSに撃たれて眠りたい」や「せつなさを殺せない」、大胆なダンス・ロック・ナンバーの「サバンナの夜」や「Juicy Jungle」、最新作「Double-Edged Sword」からの先行シングル曲だった「傷だらけのダイヤモンド」など、ここ数年のライブで輝きを放っていた楽曲が多くを占めている。
そう、これは過去の楽曲で彼の歴史を辿るような単純なベスト盤ではなく、今の吉川晃司の魅力が凝縮された“作品”なのである。これほどまでにリアルに吉川晃司を感じられるベスト・アルバムは今までなかったと思う。
また、ボーナス・トラックとして「モニカ」のカップリング曲でCD化が熱望されていた「真夜中のストレンジャー」が収録されているのもうれしい。さらに昨年出演したROCKIN’ JAPAN FES. 2010での「モニカ」の映像を収録したDVD付である。これで1980円なのだから、まさに入門ベストにふさわしい内容である。

ビギナーからコアなファンまでも唸らせる超攻撃的ベスト・アルバムが完成した。ぜひ彼の音楽を知らない人たちに届いてほしい作品である。

OFFICIAL WEB SITE→ http://www.kikkawa.com/ 

TOWER RECORDS ONLINE[吉川晃司]
TOWER RECORDS ONLINE「KEEP ON KICKIN’!!!!!<初回限定盤>」

KEEP ON KICKIN’!!!!!~吉川晃司入門ベストアルバム(初回限定盤)(DVD付)

KEEP ON KICKIN’!!!!!
~吉川晃司入門ベストアルバム
(初回限定盤/DVD付)

  • 吉川晃司
  • ファー・イースタン・トライブ・レコーズ
  • 2011/04/13
  • CD
■Track listing
01. The Gundogs~Dobermann Mix~
02. アクセル
03. KISSに撃たれて眠りたい
04. サバンナの夜/ALBUM MIX
05. 終わらないSun Set
06. ONE WORLD/ALBUM MIX
07. Black Corvette '98
08. エロス
09. SPEED
10. Fame & Money
11. 傷だらけのダイヤモンド/ALBUM Ver.
12. ナイフ
13. Juicy Jungle/ALBUM MIX
14. せつなさを殺せない
15. この雨の終わりに
16. BOY'S LIFE
17. 真夜中のストレンジャー/Bonus Track
[DVD/初回限定盤]
モニカ/ROCK IN JAPAN FES.2010


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篠田真由美著「彼方より」 [●BOOK]

初版 1999.10.01 講談社刊

神を疑うということは
自らの生をも疑うこと
罪深き者たちが最後に見たものは‥・
切なくも悲しく美しい物語

[text●h.mariko]

篠田真由美女史の名は、ずっと前から知っていた。
が、なぜか手を出していなかった。コミック文庫の作家さんというイメージを勝手に抱いていて、いつも「いつか読みたい作家さん」リストの下位にしてしまっていた。後悔。もっと早く、勝手なイメージは払拭すべきだった。

1457年、フィレンツェ。聖霊降臨祭の日、マルシリオのもとに、見知らぬ訪問者がやってくる。ある人の遺言を伝えに、と。
「オルソーネの塾で机を並べた、小さなフランチェスコのことを忘れてしまったかい?」
驚愕するマルシリオに、訪問者はフランチェスコの記したという手記を渡す。手記の内容と、マルシリオの回想によって物語が展開して行く。

本の帯には「公爵ジル・ド・レの真実」とでかでかと書いてあったのに、いつになってもジル・ド・レが現われない。 伝説ともいえる「子どもを八つ裂きにしその血を浴びて 快楽に耽った」というジル・ド・レ公爵。彼が中心となるストーリーを想像していたら、彼はなんと物語の「脇役」であった。

フランチェスコは、神の教えを破り、自分の手で公爵が破壊されていくのを見る。フランチェスコの甘言によって、自分をなくしていく公爵。 それを間近で見、「神など存在し得ない」ことを証明したいフランチェスコ・・・。

神の教えに苦しみ、自分自身の存在すらを呪うフランチェスコの考え方を理解するには、キリスト教について深い造詣が必要だろう。そして、宗教に、もといキリスト教に疎い国で「神性」に近づいた作品を描き出したということに驚きを感じ得ない。
神はいるのか、いないのか。それは、誰にもわからない。しかし、信仰というのは、神がいて、自分を、また世界を守ってくれることを前提にしている。それを疑うということは、自らの生をも疑うこととイコールである。苦しみ悶えるフランチェスコの姿は読んでいても苦しいほどであった。
ラストのオチは想像がついたが、切なくも悲しい、美しい物語であった。

彼方より

彼方より

  • 篠田真由美著
  • 講談社
  • 1999/10
  • 単行本


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ラーズ (The La's)「 The La's 」 [●ROCK]

1st. album 1989 release

アコースティック・ギターを
たたくようにつま弾くのが、ソフトな印象と対照的で
色あせず、唯一無二

[text●k.ryo]

ノスタルジーですな
自分にとっては、
ニュー・オーダーの「サブスタンス」も
似たカンジ

1980年前後に生まれたロック好きは、
音楽雑誌「ロッキンオン」の功績&功罪という呪縛から
なかなか逃れられないのかなって
思ったり・・・
まぁ名盤は有名だからこそ、名盤
繰り返しに耐えうると思う
曲のバラエティも豊富だし、
曲が短いのも、ビートルズ「ラバー・ソウル」みたいで聞きやすいと思う。

歴史を知ることは、音楽好きならある種、強制
いつかは通る
そして長い目で、深く味わってほしい

結果論だろうけど、
フロント・マンが完璧主義者で1枚のアルバムで終わってしまっているけど、
それはそれで、伝説に残るし、
ダラダラやるより、なんかいいよね。


少しだけ音のことを・・・
一般的にはギターポップという印象だろうけど、
アコースティック・ギターを、たたくようにつま弾くのが、
ソフトな印象と対照的で、
色あせず、唯一無二
マイナーコードでスローな曲も港町の
イギリスなりのブルースみたいで、
日本人には、新鮮

「もしもセカンド・アルバムが出ていたら・・・」
なんて可能性を考えながら、
1年に1回くらい聞きましょう

TOWER RECORDS ONLINE[The La's]
TOWER RECORDS ONLINE「The La's(Deluxe Edition)」

La's (Dlx)

The La's
(Deluxe Edition)

  • The La's
  • Ume Imports
  • 2008/10/07
  • CD+CD
■Track listing
01. Son of a Gun/サン・オブ・ア・ガン
02. I Can't Sleep/アイ・キャント・スリープ
03. Timeless Melody/タイムレス・メロディー
04. Liberty Ship/リバティー・シップ
05. There She Goes/ゼア・シー・ゴーズ
06. Doledrum/ドールドラム
07. Feelin'/フィーリング
08. Way Out/ウェイ・アウト
09. I.O.U.
10. Freedom Song/フリーダム・ソング
11. Failure/フェイラー
12. Looking Glass/ルッキン・グラス

13. Son of a Gun/サン・オブ・ア・ガン(GLRセッション)
14. Doledrum/ドールドラム(GLRセッション)
15. I Can't Sleep/アイ・キャント・スリープ(GLRセッション)
16. Way Out/ウェイ・アウト(キー103セッション)
17. I Am the Key/アイ・アム・ザ・キー(キー103セッション)
18. That'll Be the Day/ザットル・ビー・ザ・デイ(BBC ザ・レイト・ショー)

[SHM-CD]
01. I.O.U.
02. I Can't Sleep/アイ・キャント・スリープ
03. Knock Me Down/ノック・ミー・ダウン
04. Way Out/ウェイ・アウト
05. Doledrum/ドールドラム
06. There She Goes/ゼア・シー・ゴーズ
07. Feelin'/フィーリング
08. Timeless Melody/タイムレス・メロディー
09. Son of a Gun/サン・オブ・ア・ガン
10. Clean Prophet/クリーン・プロフェット
11. Come in Come Out/カム・イン・カム・アウト
12. Failure/フェイラー
13. Looking Glass/ルッキン・グラス

14. Doledrum/ドールドラム(ジョン・ポーター・ヴァージョン)
15. Way Out/ウェイ・アウト(アンディ・マクドナルド・ヴァージョン)
16. There She Goe/ゼア・シー・ゴーズ(ジョン・レッキー・ヴァージョン)
17. Man I'm Only Human/マン、アイム・オンリー・ヒューマン(ジョン・レッキー・ヴァージョン)
18. Feelin'/フィーリング(ボブ・アンドリュース・ヴァージョン)
19. Clean Prophet/クリーン・プロフェット(ボブ・アンドリュース・ヴァージョン)
20. I Can't Sleep/アイ・キャント・スリープ(ジェレミー・アロム・ヴァージョン)


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津原泰水著「蘆屋家の崩壊」 [●BOOK]

初版 1999.06.25 集英社刊

怪奇幻想にみちた短編集
人の持つ愚かしい欲やら
悲しい別れやらを描いているのだが
タッチが軽妙なせいかどこか笑える

[text●h.mariko]

海外の小説には疎い。
高校のころには海外の作家をも読みあさったものだが、私が出した結論は「到底追いつかない」だった。そう、世界は広すぎる。日本の作家だけでも読みたい本が山積してるというのに、海を渡ってしまえばその世界はあっという間に桁を変える。
それなら、日本の小説から読もうじゃないかと思ったものだ。
そして最近では専ら日本人作家を読むのを好んでいる。

が。この作品、タイトルが“ダジャレ”であることに、最近気がついた。
「アッシャー家の崩壊」という、エドガー・アラン・ポーの作品が存在するのである。
蘆屋という名から“蘆屋道満”を連想し、また安倍晴明に思い至り、と考えていた私はあさはかだったのだ。このタイトルを見たら、ポーの名作を思い出してうぷぷ、と吹き出すのが、作者の意図だったのだろうかと思うと、悔しいやらやられたやら。なんともいえない気分になったものである。

“俺”が語る伯爵との物語。俺とは猿渡という青年で、伯爵はその筋では名の知れた怪奇小説家であり、全身黒づくめの格好をしているところから“伯爵”のあだ名がついたという珍コンビ。そのふたりが意気投合した理由は「ふたりとも大の豆腐好き」という共通点があったからだった。好きな食べ物として豆腐を一発目に挙げる人もそうそういない、というのである。

そうしてふたりは旨い豆腐を求めて旅に出るのだが、豆腐グルメ小説などでは、断じてない。強いていうならホラー、いや、幻想小説か。グルメなふたりが食欲のために動くと、なぜか事件に遭遇する。しかしそれは簡単な殺人事件などではなく(そんなものはそもそもないのかもしれないが)、奇妙な一族に命を狙われたり、村八分にされた一家を救うことになったり、その活躍やすさまじい。
また、猿渡のひとり語りで描かれる作品では、やはり「グルメ」がついて回るが、どちらかというとフェミニストが高じて女難あり、といったところか。
人の持つ愚かしい欲やら、悲しい別れやらを描いているのだが、タッチが軽妙なせいかどこか笑えるところも。
しかし、物語を通じて感じられるのは“不思議”ななにか。この世ならず、とでもいうべきか、見たこともない世界を見せてもらえるのだ。
それは恐怖感とも言い換えられるのかもしれない。しかし、どこか間の抜けた、というと失礼なのかもしれないが、ガッチガチに固められた恐怖の物語ではないのである。背筋をかたつむりが這うような気味の悪さではない。お化け屋敷で大絶叫するような恐怖でもない。
ありそうでない、またなさそうで、ある。すべてが言葉の綾とでもいうべきか、この本で笑うことは果たして不謹慎なのか? 人が死んだり襲われたりしているのに、どこか笑みがこぼれてしまうのである。まったく、奇妙で摩訶不思議な話である。
恐怖の物語と幻想の物語は、実は表裏一体なのではないかと、この作品を手にする度に思うのだ。

「見返隧道」「蘆屋家の崩壊」「猫背の女」「カルキノス」「ケルベロス」「埋葬虫」「水牛群」全7編を収録。

蘆屋家の崩壊

蘆屋家の崩壊

  • 津原泰水著
  • 集英社
  • 1999/06/25
  • 単行本

蘆屋家の崩壊 (集英社文庫)

蘆屋家の崩壊

  • 津原泰水著
  • 集英社(集英社文庫)
  • 2002/03/20
  • 文庫


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SLANG「LIFE MADE ME HARDCORE」 [●HARDCORE]

5th. album 2010.08.14 release

札幌より世界へ怒りを叫び続けるジャパニーズ・ハードコアの雄
暗く重い時代に叩きつける激しくも優しき愛の唄

[text●i.akira]

SLANG。日本のハードコアを語る上で絶対に欠かせない存在であり、間違いなくシーンの最前線を突っ走っているバンドである。1988年に札幌で結成され、日本のみならず世界でもライブやリリースを行ない、ひたすら地道に確固たる地位を築いてきた。また、ボーカリストのKO氏はハードコア・キッズに絶大な支持を受ける日本有数のインディーズ・レーベルStraight Up Recordsと、札幌のライブ・ハウスKlub Counter Actionのオーナーでもある。まさに文字どおり札幌から日本のシーンを牽引し続けているジャパニーズ・ハードコアの雄である。

本作は彼らにとって5枚目となるフル・アルバムで、「人生が俺をハードコアにする」というタイトルにふさわしく、20数年に及ぶバンド活動によって生まれた絶対的自信を武器に、子どもへの虐待、戦争、原発、薬物、自殺など、世界が抱える問題への怒りと悲しみを赤裸々に叫んだ傑作だ。12曲で30分にも満たないという恐ろしいほどのスピード感に凝縮された1音1音のケタ違いの重さ、メッセージ、エネルギー。その凄まじさは彼らの作品のなかでもトップ・クラスに入り、聴くものを圧倒する。しかし、そこに在るのは間違いなく愛である。凡百のラブ・ソングでは絶対に表現できない、激しくも優しい人間への愛が込められているからこそ、これほど激烈に怒り、叫ぶことができるのだ。また、本作リリース後のライブを収録したライブ・アルバム「Question Now」も2月3日にリリースされており、より生々しく彼らの音を体感できるそちらもぜひチェックしてほしい。

ちなみにKO氏は東日本大震災(2011.03.11 東北地方太平洋沖地震)の被災者のため、Klub Counter Actionやtwitterで必要な物資を呼びかけ、集められた物資を直接被災地の避難所へ届けるという活動を行なっている(その模様はブログにも掲載されている)。人生そのものをまっすぐハードコアに生きる彼らの音楽と行動に敬意を表したい。

OFFICIAL WEB SITE→ http://www.slang1988.com/ 
KO OFFICIAL Blog→ 「日々是好日(にちにちこれこうにち)」 

TOWER RECORDS ONLINE[SLANG]
TOWER RECORDS ONLINE「LIFE MADE ME HARDCORE」

Life Made Me Hardcore

Life Made Me Hardcore

  • SLANG
  • STRAIGHT UP RECORDS
  • 2010/08/14
  • CD
■Track listing
01. 木っ端微塵
02. Question now
03. Black rain
04. The world of lunacy
05. Amid the raw pain
06. 冬
07. チェルノブイリの首飾り
08. Drug Society
09. Air raid days
10. その日のあと
11. Reality called crucifixion
12. Life made me hardcore


live album 2011.02.03 release
WORLD PEACE “QUESTION” NOW

WORLD PEACE “QUESTION” NOW

  • SLANG
  • STRAIGHT UP RECORDS
  • 2011/02/03
  • CD
■Track listing
01. THE WORLD OF LUNACY
02. 木っ端微塵
03. この船は静かに破滅へと向かう泥舟
04. THE IMMORTAL SIN
05. QUESTION NOW
06. AMID THE RAW PAIN
07. TOKYO SUICIDE HELL
08. BLACK RAIN
09. WINTER
10. チェルノブイリの首飾り
11. AIR RAID DAYS
12. SWINDLE
13. CRISIS
14. 八月の雨
15. 何もしないお前に何がわかる 何もしないお前の何が変わる


4th. album 2011.04.05 release(再)
The immortal sin

The immortal sin

  • SLANG
  • STRAIGHT UP RECORDS
  • 2008/06/18
  • CD
■Track listing
01. Rain in august
02. Ill peace hymn
03. Killereligion 911
04. The immortal sin
05. Tokyo suicide hell
06. The authority burns
07. Guilty
08. No hope no life
09. Crisis
10. Humanistic disorder

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稲葉篤紀「全力疾走~新たな挑戦へ~」 [●DVD]

よく日に焼けた顔に似合う白い歯を見せながら
インタビューされるようなことはしていないと
恥ずかしそうに話す稲葉選手に釘づけになった

[text●h.mariko]

ひたすら「好き」を語りたい、そんな存在は転がっていないだろうかと考えたところ、私にとっては野球であるとまず思い至った。連日放送されるスポーツニュースのキャスターの予想に頷いたり反発したりしながら、開幕戦を楽しみにする日々であった。

ところで、である。ふと思ったのである。
何故、私はここまで野球を好きになったのだろう?
記憶の糸を手繰り辿って思い当たったのが、稲葉篤紀選手(北海道日本ハムファイターズ)の存在だ。

私には兄がいる。幼いころには、毎日あたりまえのように「テレビのチャンネル権争い」が勃発していた。幸いにも「年上には必ず従うルール」が敷かれていなかった我が家では、チャンネル権を巡って骨肉の争いが起きることは稀だった。
近所では我が家のような「兄妹」の家族構成が多く、高じて兄が野球に興味を持ちはじめるや、同じ年ごろの友人たちは大抵口を尖らせて、「好きな番組が見られない」とぼやいていたものである。
が、なぜだか私はそのとき、野球を好きになった。兄が細かくルールを説明しながら教えてくれたせいかもしれない。どかんと1発当たれば点数がどっさり入るといった類いのスポーツではなく、ピッチャーとバッター、そしてキャッチャーとの駆け引きが試合を決め、またそれを阻む好守備。気を抜く暇などないではないか。CMの間にトイレに駆け込み、いいところで「本日の試合中継終了のお知らせ」が流れると激怒する、そんな子どもであった。
ホームランという単語しか知らなかったはずの私の頭には、野球のルールに関するマニアックな知識(当時の友人対比)が蓄えられていった。そして、どっかんどっかんとホームランを量産する「重量打線」よりも、小賢しく、足を活かして盗塁、進塁をして相手の隙をついた攻撃をする「頭脳プレー」が好きになったのだ。

当時のひいきチームはヤクルトスワローズ。
そして、1992年、野村克也監督率いるリーグ優勝をまのあたりにしたのである。胴上げ、ビールかけ。なんと楽しそうな大人たちの笑顔! 勝負に挑む真剣な顔はどこへやら、ビールにまみれた選手達は、まるで子どものようなはしゃぎっぷりであった。
感動は伝播するものだ。もちろん、私たち兄妹にも。何たる嬉しさ! 子どもながらに、兄とコーラで乾杯したことを記憶している。
それからもヤクルトは、リーグのトップ・クラスを走り続け、相変わらずの「頭脳プレー」で相手チームを翻弄した。強烈な4番打者のホームランよりも、2本のヒット。塁を埋める攻撃、そつのない守り。見ていて安心できるチームであった。

そして、そのころの花形選手といえば、現在はマルチな活躍をしている古田敦也氏や、野球解説者として活躍する広沢克己氏、また高速スライダーでバッターを翻弄したが、肘の故障に泣いた悲劇のピッチャー・呼ばれた伊藤智仁氏・現1軍コーチなど、まさに「チームの顔」が揃っていた。
そのなかで、私には欠かせない、ふたりの選手がいた。テリー・ブロス投手、そして、稲葉篤紀選手(現・北海道日本ハムファイターズ)だ。

ブロス投手は、身長が205センチととにかく高く、そこから振り下ろすように落ちてくるフォークボールを持ち球とした。
そのブロス氏が、大記録を作る。1995年のことだ。
ノーヒットノーランとは、文字どおり相手チームに安打・得点を与えずに完封勝利することである。この長い日本の野球界の歴史でも、73人の達成者のみといえば、その偉大さは伝わるであろうか。そして、その1995年にもヤクルトは優勝した。

稲葉篤紀選手について、やっと語ろう。

優勝に輝いたその1995年、稲葉選手はプロ野球1年目のシーズン、ピチピチの若手であった。大学野球から積んできたキャリアで危なげないレフトの守備、ヒッティングもベテランに引けを取らない、まさにデキる選手だったのである。しかし、あまりに堅実なため、派手さはない。よって、確かに、そのころはマニアックな選手であった。
その稲葉選手から眼が離せなかったのが、前述のブロス投手のノーヒットノーラン達成試合でのことだった。
野球のグラウンドを思い描いていただきたい。
ホームベースから始まって、内野のベースのある「ダイヤモンド」がある。これが、1塁から3塁である。内野にはスピーディーな守備が求められる。
その外側、外野を見てみよう。1、2塁間、2塁、2、3塁間の背中を守るように立つのがそれぞれライト、センター、レフトの選手。当然ながらひとりの守備範囲が広く、この外野手の間や頭を越えて飛んでいく球や、手前にぽとんと落ちる球がヒットになるわけだが、これはまあ取れない。しかたがない。
が、ブロス投手のノーヒットノーランがかかっている試合では、そんなことは言っていられなかった。投手ひとりだけの記録でなく、後ろが守ってこそのノーヒットノーラン。回を重ねるごとに高まる緊張と期待、そしてそれは訪れた。
レフト方向に延びるヒット性の打球、これは間違いなくヒットになる、打たれたブロス本人も肩を落とし気味に振り向いた。が、神宮球場は沸いた。帽子が飛ぶほどの猛ダッシュ、顔面からのスライディングで見事に球は捕球されたのだ。
それが、稲葉選手であった。プロ1年目の選手の大ファインプレーである。
そのプレーに勇気づけられたのか、ブロスはその後持ち直し、ノーヒットノーランを成し遂げたのである。あの1球がヒットになっていれば、記録達成はなかったわけである。
そのことを振り返り、稲葉氏は語った。
「気がついたら足が動いて、ボールを取っていました」
何たる謙虚さ! 何たるまじめさ!
よく日に焼けた顔に似合う白い歯を見せながら、インタビューされるようなことはしていない、と恥ずかしそうに話す稲葉選手に釘づけになった。
後から知った話だが、法政大学在学時代、稲葉選手を見た野村監督(当時)が、
「あの選手はうちで使いたい」
と、太鼓判を押していたそうな。野村氏の慧眼に改めて感服、である。

その稲葉選手が若手から中堅になり、チームを支えるころ、ヤクルトスワローズは選手の引退や放出が相次ぎ、なかなか結果が出ないシーズンが増えた。
そして視聴率低迷のなかで「野球中継をすると次の番組の時間が狂う」といった声が多かったのだろうか、民放の番組では中継をすることが少なくなってきた。
球場に足を運ぶ金もなかった学生当時、しかたなくニュースの時間を待ちわびたのを、よく覚えている。
最近はケーブルテレビに加入できたので、好きなだけ好きな野球中継を楽しむことができるのはありがたいことだ。
チームはどこであれ、やはり野球は日本の伝統スポーツであると、誇りたい。

さていよいよシーズンが始った。

OFFICIAL Blog→ http://gree.jp/inaba_atsunori/ 

TOWER RECORDS ONLINE[稲葉篤紀]
TOWER RECORDS ONLINE「稲葉篤紀 全力疾走~新たな挑戦へ~」




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zZz「Sounds of zZz」 [●ROCK]

1st. album 2005.05.19 release

歪んだオルガンは危険な香り
オランダ発ガレージ・ロックデュオ

[text●i.toshinori]

ナイス・オルガン(!)なアルバム、
今回は、zZz(ジージージー)の「Sounds of zZz」を紹介。

プロフィールによると、

・・・オランダ・アムステルダムから突如出現した、
ビョルン・オッテンハイム(Ds.)と
ダーン・シンケル(Org.)からなるガレージ・ロックデュオ。

21世紀のはじめに、
ドラム・セットと50ドルで買った古い教会のオルガンを手にしたzZzは、
地下室で演奏を始める。
その後オランダで有名な密輸業者(!?)のパーティーで
ライブをスタート・・・

と、危険で怪しげな匂いが
プンプン漂ってくるふたりがzZz。

ずっーーーっとまえ、
キューピーハーフ(マヨネーズ)のCMに
収録曲「Ecstasy」が使われていたので、
もしかしたら聴き覚えのある人もいると思う。

「Ecstasy」はテクノっぽいサウンド、
ではほかはどうかというと、
ガレージ、ハードコア,サイケデリック、パンク、サーフ、
エレクトロ、クラブ・ミュージック・・・と、
なんでもありのごった煮ハイブリット・サウンド。

歪んだオルガンが奏でる印象的なリフと
その音圧(ほんとに音がでかいので、
電車のなかなどでは注意が必要。周りにイヤな顔されます)。
そしてジム・モリソンを彷彿とする陰鬱なボーカルで
同じ単語を繰り返す歌詞には、
かなりの中毒性が秘められている。

オランダといえば、その昔は貿易で栄えた国。
21世紀の今日では、
高速ネット回線の普及率が高い国と知られている。
いつでも時代の先端を行くお国柄だからこそ、
こういったごった煮ハイブリットな音楽ユニットが、
生まれるべくして生まれたんだと思う。

TOWER RECORDS ONLINE[zZz]
TOWER RECORDS ONLINE「Sounds of zZz」(国内盤)

Sound of Zzz

Sound of zZz

  • zZz
  • Excelsior
  • 2005/05/19
  • CD
■Track listing
01. OFG
02. Ecstasy
03. Lalala
04. House of sin
05. Hammerhead
06. Soul
07. Lucy
08. Sweet sex
09. Godspeed
10. Uncle Sam
11. Roses

[bonus track for Japanese edition]
12. Ecstasy/Tommy Sunshine Remix
13. Ecstasy/VIDEO


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重松清著「いとしのヒナゴン」 [●BOOK]

初版 2004.10.30 文藝春秋刊
2005年「ヒナゴン」として映画化


町を支えるおじさんたちのパワー
若い力、田舎を嫌う空気、そしてヒナゴン
現実とファンタジーの合間を
ちょっとユーモアのある文章で綴られた作品

[text●h.mariko]

ヒバゴンという生き物をご存知だろうか。生き物と言い切っていいのかどうかは解らないが、1970年代に広島県比婆郡で目撃された、二足歩行の類人猿型の未確認生物である。日本版の雪男だと思っていただければわかりやすいだろうか。

そのヒバゴンをモデルにして描かれた、「ヒナゴン」。

とってもいい子なんだけど、ちょっと酒癖の悪い信子が、東京で暮らすのをやめて帰郷して、比奈町に住むところから物語は始まる。小さな比奈町は、隣町との合併問題を抱え、大変なことになっていた。
町長のイッちゃん(元ヤン)は、合併などしなくても、ヒナゴンで町おこしをすれば大丈夫だ! と、啖呵を切る。そして類人猿課を町役場につくり、信子はそこで働くことに。都会の空気が身に染み付いていた信子には、比奈町は退屈な場所にしか感じられない。けれど、東京で働いていたというだけで尊敬のこもった(?)眼差しを送られるのが少し快感になってしまったりする。そうして、最初は田舎とどこか斜に見ていた街や人々をだんだんと温かい目で見守り、自分のふるさとであり現在住むこの街を大切に思うようになってくる。

重松氏の小説は、重たいテーマの作品が多いように思っていた。命の重さとか、生きることの大切さとか、そんなことを説くような。それが説教くさく感じられないところがまた好きだったのだが、この作品では、思いっきり「人類愛」の話。

町を支えるおじさんたちのパワー、若い力、田舎を嫌う空気、そしてヒナゴン。
ヒナゴンなんているわけないじゃん、なにいってんの、というスタンスで読んでいても、いつのまにか信子や、落ち込んだときには鏡に向かってシャドウボクシングをしながら「イッちゃん最高!」と叫びテンションを上げる町長の勢いに、いつのまにか連れ込まれてしまう。
現実とファンタジーの合間をちょっとユーモアのある文章で綴られた作品、こんなあたたかい人ばっかりの町なら、きっと、ヒナゴンも安心して暮らしているのではないかと、読み終わってから胸に本をきゅっと抱きしめたくなる、そんな作品だ。

いとしのヒナゴン

いとしのヒナゴン

  • 重松清著
  • 文藝春秋
  • 2004/10/27
  • 単行本

いとしのヒナゴン〈上〉 (文春文庫)

いとしのヒナゴン〈上〉

  • 重松清著
  • 文藝春秋(文春文庫)
  • 2007/09/04
  • 文庫

いとしのヒナゴン〈下〉 (文春文庫)

いとしのヒナゴン〈下〉

  • 重松清著
  • 文藝春秋(文春文庫)
  • 2007/09/04
  • 文庫

TOWER RECORDS ONLINE「ヒナゴン」

ヒナゴン [DVD]

ヒナゴン

  • 渡邊孝好監督作品
    • バンダイビジュアル
    • DVD
    ■cast 
    伊原剛志(イナゴのイッちゃん)
    井川遥(石井信子)
    上島竜兵(吉岡純平/ドベ)
    嶋田久作(南波大助/ナバスケ)
    鶴見辰吾(橋本勝/カツ)
    馬渕晴子(宮本恭子)
    豊原功補(片山憲吾)
    雪村いづみ(石井絹代)
    夏八木勲(石井健作/ホラ健)
    ほか


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    TACO 「タコ」 [●ROCK]

    1st. album 1983(LP)/2011.03.23(CD) release

    その音楽は形容できないほど
    多様であり、自由であり、狂っている
    80年代の暗部を映し出す鏡として
    これからも残すべき名盤

    [text●i.akira]

    まったくなんていい時代だ。あのTACOのアルバムがCD化されるのだから。TACOとは、70年代にはガセネタというバンドでも活動し、アングラ雑誌『HEAVEN』の編集長でもあった奇才・山崎春美が中心となった音楽集団である。そして本作は今までオークションでとんでもない金額で取引されていた代物である。

    とにかくその音楽は形容できないほど多様であり、自由であり、狂っている。パンク~ニューウェーブの過渡期にあった80年代日本を象徴するような混沌のすべてがここに詰まっているといっても過言ではない。その証拠に、当時のアンダーグラウンドを代表するようなメンツが本作には多数参加しており、それぞれの個性を遺憾なく発揮しつつ、ぶつかり合うように混在している。
    乱暴なジャズに町田町蔵(ex.INU。今は町田康)の叫びが乗る「きらら」、遠藤ミチロウと宮沢正一という師弟コンビによる放送禁止の極悪パンク・ナンバー「赤い旅団」、坂本龍一による、あの曲の裏バージョンと呼べる「な・い・し・ょ・のエンペラーマジック」、ガセネタ時代のようなストレートなノイズ・パンク「宇宙人の春」など、どれひとつとして同じ曲がなく、どれひとつしてまともな曲がない。また、暗黒の祭り囃子「人捨て節」や「嘔吐中枢は世界の源」などで聴かれる、故・ロリータ順子の無機質で異様な歌声も本作の魅力となっている。

    こちらの「タコ」とライブ・アルバムである「セカンド」(同日に再発)を残し、タコは事実上解散し、しばらく後に山崎春美も音楽シーンから姿を消してしまった。この作品は80年代という時代の暗部を映し出す鏡として、これからも残すべき名盤と呼べるだろう。

    TOWER RECORDS ONLINE[TACO]
    TOWER RECORDS ONLINE「タコ」

    タコ

    タコ

    • TACO
    • SUPER FUJI DISCS
    • 2011/03/23
    • CD
    ■Track listing
    01. 免疫
    02. 仏の顔は今日も三度までだった
    03. きらら
    04. 赤い旅団
    05. 人捨て節
    06. 嘔吐中枢は世界の源
    07. エニグラム
    08. Intro at 日比谷野音 1981. 8. 15
    09. な・い・し・ょのエンペラーマジック
    10. 鵺
    11. 人質ファンク(リハビリ・バージョン)
    12. 非情の生殺し
    13. 小さなチベット人
    14. 宇宙人の春

    [Personnel]
    山崎春美/栗沢いずみ/ジラーフ・エンタープライズ
    工藤冬里/町田町蔵/成田宗弘/山本土壺
    イターリン(遠藤みちろう+宮沢正一)
    香山リカ/ロリータ順子/菅波ゆり子
    篠田昌已/今井次郎/石渡明廣/NON/武邑光裕
    井上重明/細川周平/坂本龍一/高橋文子/大里俊晴
    佐藤薫/上野耕治/川島バナナ/遠藤昌美
    クー/0123/ゼロ/後飯塚僚/奥田大三/ガセネタ


    セカンド(ライヴ)

    セカンド
    (ライヴ)

    • TACO
    • SUPER FUJI DISCS
    • 2011/03/23
    • CD
    ■Track listing
    01. かれらが ぼくを すわらせる
    02. 吸盤の指
    03. ちぶくれ(エンドレスミダ)
    04. のろい しばり
    05. のろい はちのす
    06. 抗体兵
    07. 免疫
    08. ひとさらいと子どものポルカ
    09. 異化

    [Personnel]
    山崎春美/大里俊晴/佐藤薫/野々村文宏
    好機タツオ/不明メンバー


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    宮崎駿監督作品「となりのトトロ」 [●DVD]

    スタジオジブリ制作 劇場アニメ(1988年4月16日公開)

    トラ猫を見かけると、こっそり後をつけてみた
    もしかしたら、物陰に入ったとたん
    むくむくと大きくなって、ニャゴローンと鳴いて
    トトロのもとに駆けつけるかもしれない

    [text●h.mariko]

    私のいちばん年下の友達は、3歳の姪っ子だ。
    口達者で、歌が好きだ。私は知らない「プリキュア」の踊りを強要してきたりして、困らせられることもある。やんちゃだが、世界一可愛い、大切な姪っ子である。

    そんな姪っ子が遊びにきたとき、私に言った。
    「トトロ、歌って!」
    映画「となりのトトロ」がテレビで放映された直後のことだった。
    その言葉に嬉しさと驚きが私のなかに駆け抜けた。
    なぜなら、数十年前、私も小さき姪と同じように「♪となりのトットロ〜トットロ〜」と歌いながら、小学校までの道のりを歩んだからだ。懐かしいあのメロディを、姪っ子はもうすっかり覚えていた。歴史は繰り返されるのだと実感した。

    そこで、トトロである。いまさら紹介することなどないかもしれないが、どうしても書きたかった。理由は、好きだから、それに尽きる。

    この映画に出合った当時、私も主人公のひとり、メイと同じくらいの年齢だった。そして、木々に囲まれた田舎に住んでいた。小さなお社も家の近くにあった。
    そうしたら、することはひとつ!
    「楠の下の穴を探す」こと。
    トトロは、この街にもどこかにいて、きっとやって来てくれる。ドングリを集めておいたら、こっそりやってくるかもしれない。うちにも広い庭があったらドングリの種を埋めて、森を作りたいのに。そうわめいて、両親を困らせもした。
    トラ猫を見かけると、こっそり後をつけてみた。もしかしたら、物陰に入ったとたん、むくむくと大きくなって、窓ができて、「行き先表示窓」を額の上に出して、ニャゴローンと鳴いて、トトロのもとに駆けつけるかもしれない。私ももしかしたら、乗せてくれるかもしれない。猫たちは、そんな私の思惑を見抜いてか、すぐにするりと消えてしまった。

    私の怪しげな過去はこのあたりで切り上げよう。まだまだたくさんあるのだが。
    なぜこんなことを列挙したか?
    恐らく、私のような行動をした子どもは、もっといたんじゃないかと思うからだ。
    そうして、姪と一緒に「トトロ」を歌って、その思いは何十年経っていようと受け継がれているんだということを確信したからなのだ。

    「となりのトトロ」で描かれるのは、昭和30年代をモデルとした農村(里山)風景。今は失われて久しい。ご近所での深い繋がり。これも、失われつつある。家族同士の、ときどきうるさいと思う妹とそれを慕う姉、それを見守る親、そこにある深い絆。家族崩壊などという言葉が出来てしまった現在に、この姿は貴重だ。
    そして、トトロという「お化け」に出会ったと声高に主張する娘を、「夢を見たんだ」などと曖昧にせず、同じ目線で「それは森の守り神だよ、とても貴重な出会いだよ」と優しく語りかける父。仕事に忙殺される父親が多いなか、こんな発言をできる親が、果たして現在いかほどいるだろうか?

    幼い主人公と同じ年ごろに観たときは、トトロはお友達だった。現在の年齢になって見てみると、トトロと知り合いたい気持ちは変わらないが、「親の目線」で観ていることに気がついた。感動巨編といえるほど物語に起伏があるわけではないが、これは世界的に、永く永く観続けられる映画ではないか、その必要がある作品ではないか、と思うようになった。

    もし、トトロと出会ったことのある方がいたら、ぜひご紹介願いたい。

    TOWER RECORDS ONLINE「となりのトトロ」

    となりのトトロ [DVD]

    となりのトトロ

    • ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント
    • DVD
    ■voice actor 
    日高のり子(草壁サツキ)
    坂本千夏(草壁メイ)
    糸井重里(草壁タツオ/お父さん)
    島本須美(草壁ヤス子/お母さん)
    高木均(トトロ)
    龍田直樹(ネコバス)
    ほか


    となりのトトロ サウンドトラック集

    となりのトトロ
    サウンドトラック集

    • 徳間ジャパンコミュニケーションズ
    • 2004/08/25
    • CD
    ■Track listing
    01. さんぽ/井上あずみ
    02. 五月の村
    03. オバケやしき!
    04. メイとすすわたり
    05. 夕暮れの風
    06. こわくない
    07. おみまいにいこう
    08. おかあさん/井上あずみ
    09. 小さなオバケ
    10. トトロ
    11. 塚森の大樹
    12. まいご/井上あずみ
    13. 風のとおり道
    14. ずぶぬれオバケ
    15. 月夜の飛行
    16. メイがいない
    17. ねこバス
    18. よかったね
    19. となりのトトロ/井上あずみ
    20. さんぽ/井上あずみ、杉並児童合唱団


    小説 となりのトトロ (アニメージュ文庫)

    小説 となりのトトロ

    • 宮崎駿著
    • 徳間書店(アニメージュ文庫)
    • 1988/04
    • 文庫

    となりのトトロ (徳間アニメ絵本)

    となりのトトロ
    アニメ絵本

    • 宮崎駿作
    • 徳間書店(徳間アニメ絵本)
    • 1988/06
    • 大型本


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    栗山千明「CIRCUS」 [●ROCK]

    1st. album 2011.03.16 release

    新たなるライオット・ガール、栗山千明
    個性豊かなアーティストたちを従えての堂々たるデビュー作

    [text●i.akira]

    正直、栗山千明という人に対して僕は女優さんだということくらいしか知らなかった。「ああ、“キル・ビル”に出ていた人か」程度である。さらに言えば、本作を手に取ってみたのも参加アーティストの豪華さに目を惹かれたからだ。しかし、聴き終わったころにはすっかり魅了されてしまった。女優ではなく、歌い手、栗山千明という新たなライオット・ガールに。

    「CIRCUS」は彼女のデビュー・アルバムであるが、前述のとおり参加アーティストの凄まじさが話題である。9mm Parabellum Bullet、浅井健一、椎名林檎、氏原ワタル(DOES)、櫻井敦司&星野英彦(BUCK-TICK)、布袋寅泰、佐藤タイジ(Theatre Brook)、ヒダカトオルなど、確固たる地位や個性を確立しているロック・アーティストたちが一同に介し、作詞、作曲、編曲、プロデュースなどを手掛けている。さらにクリス・チェスター&マーク・ウィルソン(JET)、ステファン・ジェンキンス(Third Eye Blind)など海外からもすばらしいアーティストが参加しているというのだから驚きである。これがオムニバス・アルバムだったとしても魅力的なメンツである。しかし、本作の最大の魅力は栗山千明の変幻自在の歌声である。正直決してうまいボーカリストではないが、無邪気に笑ってみせたかと思えば、妖艶に誘ってきたり、冷たくあしらったり、熱く吠えたり、曲ごとにコロコロと表情を変えてはこちらを混乱させ、しかし中毒性があり、ついついリピートしてしまう。ある意味では上記のアーティストたちの詩やメロディに潜む登場人物を見事に演じきっているといえるだろう。かといって染まっているのではなく、しっかりと自分のカラーを出し、主役として存在している。恐ろしいデビュー作だ。

    固定概念を捨て、だまされたと思って聴いてほしい。彼女のファンだけでなく、純粋なロック・ファンにもおすすめできる作品だ。

    OFFICIAL WEB SITE→ http://www.chiakikuriyama.net/ 
    OFFICIAL WEB SITE→ http://www.spacecraft.co.jp/chiaki_kuriyama/ 

    TOWER RECORDS ONLINE[栗山千明]
    TOWER RECORDS ONLINE「CIRCUS<CD+DVD/初回生産限定盤>」

    CIRCUS

    CIRCUS

    • 栗山千明
    • DefSTAR RECORDS
    • 2011/03/16
    • CD

    CIRCUS(初回生産限定盤)(DVD付)

    CIRCUS
    (初回生産限定盤/DVD付)

    • 栗山千明
    • DefSTAR RECORDS
    • 2011/03/16
    • CD+DVD
    ■Track listing
    01. ルーレットでくちづけを/9mm Parabellum Bullet
    02. コールドフィンガーガール/浅井健一
    03. おいしい季節/椎名林檎
    04. ミライノ・ヒカリ/氏原ワタル
    05. 決定的三分間/椎名林檎
    06. 口にしたLOVE/Chris Cester & Mark Wilson
    07. 深海/櫻井敦司&星野英彦
    08. 可能性ガール/布袋寅泰
    09. 五穀豊穣ROCK/佐藤タイジ
    10. Ladies&Gentlemen/Stephan Jenkins
    11. New Moon Day/ヒダカトオル
    [DVD/初回生産限定盤]
    01. おいしい季節/Music Video
    02. 決定的三分間/Music Video
    03. コールドフィンガーガール/Rock Short Film
    04. 可能性ガール/Music Video
    05. おいしい季節, 決定的三分間/Making
    06. 流星のナミダ/Music Video


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    森絵都著「永遠の出口」 [●BOOK]

    初版 2003.03.26 集英社刊

    「終わり」を気にして生きることなんて
    つまらないよ! と、強く背中を押された。いい生き方って
    自分しだいで決まる、そういうことなのかな

    [text●h.mariko]

    作者の森絵都は、絵本作家でもあるらしい。
    その森女史が、初の「大人向け」小説に挑戦したのが本作ということだ。
    童話のようなストーリーを想像しながらページを開いた。
    が、全然違った。

    青春小説、
    と、言ってしまうと、小さくまとめ過ぎか。
    人生小説、
    と、言ってみると、今度は大きすぎる気がする。

    誰もが通る、子どもから学生、そして大人になる過程を主人公の岸本紀子の眼から見た成長物語、
    と、言うと、ちょうどいい気がする。

    子どものときから、「永遠」という言葉に弱い紀子。
    永遠というのは、ずっと続くっていうことだ。
    だから、なにごとも「ずっと終わらない」のではないか、という恐怖にも似た感情を持っている。

    子どもは、いつも不安に思っている生き物だ。
    誰かが、「それでいいんだよ」と言ってくれるまで、その感情は消えない。紀子は、それが人より、ちょっと強かったのかもしれない。

    現在の日本では、幼稚園、小学校、中学校と、年齢を重ねるごとに「学校」に通わされるのがあたりまえになっている。卒業してしまうと「思い出」に姿を変えるが、「そのころ」のリアルな感情を、この作品は巧みに描いている。
    新しい人間関係。大小の派閥。先生への反抗心。

    誰も「それがいいんだよ」と言ってくれないから、ちょっとぐれてみる。みんながやってるから同じことをしてみる。それが悪いことでも。これがそうなのかな、と不安に思いながらも恋に目覚めてみる。
    なんのことはない、どこにでもいるごく普通の少女なのだ、紀子は。
    あらゆるところで紀子と同じように悩んだり苦しんだり乗り越えたりする子どもたちが溢れているのだ。

    小学校3年生から高校を卒業するまでを、成長した紀子が回顧する形で描かれているので、ときどき「今だからわかる」といった「大人の理論」も挟まる。その的確な言葉選びに思わずドキッとしてしまう。

    人生でいちばん濃い時間を過ごすのは、中学〜高校、いわゆる思春期ではなかろうかと私は思う。あふれてくるエネルギーを抑え切れずに暴走したり、急に思考や身体が成長したり、またそのなかで得たものをどこにぶつけてよいのかで悩んだり・・・。人生はいろいろだ。でも、そんなこと、このころにはわからない。「永遠」に出口があるなんて気がつくわけがないのだ。だって、夢中だから。今、そこにあるものに、全力投球だから。

    なにごとにも「永遠」なんてなくって、でも「終わり」を気にして生きることなんてつまらないよ! と強く背中を押された気がした。
    いい生き方って、自分しだいで決まる、そういうことなのかな。

    永遠の出口

    永遠の出口

    • 森絵都著
    • 集英社
    • 2003/03/26
    • 単行本

    永遠の出口 (集英社文庫(日本))

    永遠の出口

    • 森絵都著
    • 集英社(集英社文庫)
    • 2006/02/17
    • 文庫


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    尾崎豊「17歳の地図」 [●ROCK]

    (SEVENTEEN'S MAP)1st. album 1983.12.01 release

    いまあらためて、まっさらに聴くと
    ビートロックの勢いと繊細さが同居していて
    クルマで歌ったりすると気持ちいいね

    [text●k.ryo]

    出会いは、
    中学1年くらいだろうか
    なんとなく借りてきたアルバムを、
    カセットに録音していて、
    有名な「15の夜」や「I LOVE YOU」以外の曲も
    ほんとに、よくて、
    「俺は、ベスト盤を借りたのか」と思っていたけど、
    あとになって、CDで買いなおしたら、
    デビュー・アルバムだと知り、
    「すげー才能」出し切ってるなと思った。

    tha blue herbの生きざまや歌詞に共感している今でも、
    尾崎の歌詞の無駄のなさは、
    ほんとにイチャモンのつけようがないし、
    すでにほどよく、ユーモアのセンスや余裕もあった。

    音は、まぁスプリングスティーンが好きだったんだろうけど、
    いまあらためて、まっさらに聴くと、
    同時代のブルーハーツのような
    ビートロックの勢いと繊細さが同居していて、
    クルマで歌ったりすると気持ちいいね

    佐野元春ふうにいうなら、
    まさに「J-POPの作詞家こそ、現代の詩人」

    自問自答のすえの、自分の切り売りを
    歌ってきた尾崎豊
    モラトリアムを引きずっていたような印象を
    拭えなかったのが、とても残念

    ジョン・レノンの後期のような
    “30代”の歌が残せなかったのが、悔やまれる

    ※尾崎豊20th Memorial Yearsのバラード・ベスト
    「I LOVE YOU ~BALLADE BEST」
    4月6日(2011年)発売


    OFFICIAL WEB SITE→ http://www.ozaki.org/ 
    OFFICIAL WEB SITE→ http://www.ozakiyutaka.jp/ 

    TOWER RECORDS ONLINE[尾崎豊]
    TOWER RECORDS ONLINE「17歳の地図」
    TOWER RECORDS ONLINE「I LOVE YOU ~BALLADE BEST<CD+DVD/初回生産限定盤>」

    十七歳の地図

    十七歳の地図

    • 尾崎豊
    • ソニーレコード
    • 1991/05/15
    • CD
    ■Track listing
    01. 街の風景
    02. はじまりさえ歌えない
    03. I LOVE YOU
    04. ハイスクールRock'n'Roll
    05. 15の夜
    06. 十七歳の地図
    07. 愛の消えた街
    08. OH MY LITTLE GIRL
    09. 傷つけた人々へ
    10. 僕が僕であるために


    ■Track listing
    01. ダンスホール
    02. 群衆の中の猫
    03. ドーナツ・ショップ
    04. I LOVE YOU
    05. Teenage Blue
    06. LONELY ROSE
    07. OH MY LITTLE GIRL
    08. Mama, say good-bye
    09. 卒業
    10. 永遠の胸
    11. MARRIAGE
    12. Forget-me-not
    13. 四月の雨
    14. 小さなアートショップ
    15. もうおまえしか見えな
    [DVD/初回生産限定盤]
    ラストツアー横浜アリーナの映像を収録


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    山田宗樹著「続・嫌われ松子の一生 ゴールデンタイム」 [●BOOK]

    2006.05.17 幻冬舎刊

    困難を乗り越えようとする、若者たちの姿
    そしてさりげなく生命の尊さを綴っている文章は
    颯爽としていて小気味よい

    [text●h.mariko]

    正直、この本を見つけたとき、ビックリした。
    あの、完璧ともいえる「嫌われ松子の一生」に続編を作る必要があるのだろうか?
    未来を予感させるままで終わってこそ完成した物語でないのか?
    あまり期待せずに、まあ、読んでみようかな、というテンションで手に取った。

    結論から言おう。

    号泣してしまった。無論、感涙である。

    「嫌われ松子の一生」で描かれていたのは第1章とでも呼ぶべきで、主人公・笙が松子叔母のことを知り、人生を辿る物語であり、いわば「卵」の物語。
    この「ゴールデンタイム」は、その「卵」が孵り、笙と元恋人の明日香がこれからを歩むための人生の物語なのだ。
    ここからが本番、とでも言わんばかりにエネルギーのある文章。

    あの「松子」の物語から数年、大学を卒業した笙は就職に失敗して、下北沢の街をうろついているときに劇団員のユリと出会う。ユリの属する劇団を見学し、団長のミックと出会い、役者への道を進むことを真剣に考え始める。
    一方で明日香は、通っていた大学を中退し医学学校に入学し直し(!)、ボンボンの彼氏が結婚をちらつかせてくるなかで海外派遣医師になることを夢見、ほぼ決意している。
    笙と明日香の周りの人々がつくり上げる人生が、物語を彩る。
    少し大人になった笙がする、ユリへの叶わぬ恋。
    ミックに憧れつつ、少し嫉妬する、姿。
    急に大人びるが、やりたいことは必ずやり遂げる意固地なところが変わらない明日香。
    恋人が提案する「決められた人生」を歩むことに、抵抗を感じる。
    幸せと、自分のやりたいこと、どちらを優先すべきなのか?
    葛藤する明日香。

    ふたりが再会し、ふたりともちょっとずつオトナになったことを知り、いまは恋人じゃないけれど、大切な人だということを確認する「友情」の描き方もいい。

    この物語には、「松子」の名を冠す必要があったのだろうか、と読み終わってから思った。
    ほとんど松子叔母の影は物語にないし、この本を最初に手に取っても問題なく読めるだろう。続編、と綴った作者の意図は何だろうと考えた。

    おそらくそれは「縁」なのだ。
    松子に出会わなければ(生前は会えなかったが)、笙はボンクラ大学生のままだった。
    明日香もおそらく。もしかしたら、笙よりもいい恋人を見つけて、ふたりは早々に別れたかもしれない。
    松子がいたからこそ、今のふたりの姿があり、笙には笙の、明日香には明日香の、それぞれの人生を切り開く力がついたのだ。
    語るは簡単である。
    しかし、実践するは困難を伴う。
    その困難を乗り越えようとする、若者たちの姿、そしてさりげなく生命の尊さを綴っている文章は颯爽としていて小気味よい。

    悩みに苦しんだり、人生に行き詰まりを感じたら。
    この本をぜひ手に取ってみてほしい。
    笙が、明日香が、そして松子が、あなたの手助けをしてくれるだろう。

    ゴールデンタイム―続・嫌われ松子の一生

    ゴールデンタイム―続・嫌われ松子の一生

    • 山田宗樹著
    • 幻冬舎
    • 2006/05
    • 単行本

    ゴールデンタイム―続・嫌われ松子の一生 (幻冬舎文庫)

    ゴールデンタイム―続・嫌われ松子の一生

    • 山田宗樹著
    • 幻冬舎 (幻冬舎文庫)
    • 2008/10
    • 文庫

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    Various Artists「Fire & Skill: Songs Of The Jam」 [●ROCK]

    cover album 1999.11.12 release

    それだけTHE JAMが
    そして、ポール・ウェラーが
    偉大だということ

    [text●i.toshinori]

    タイトルからわかるように、
    THE JAM(1977年ー1982年)のトリビュート・アルバム。

    ポール・ウェラーを師と仰ぐウェラーチルドレン代表、
    オーシャン・カラー・シーンのスティーヴ・クラドック(G.)と
    ギャラガー兄弟を筆頭に、いろいろと集まってますね。
    なかには、「へぇ~、あなたもウェラーチルドレン?」な人たちも。

    トリビュート・アルバムというと、
    マニアックな曲を持ってくるアーティストもいるけど、
    収録曲はほぼ代表曲といえるものばかり。
    各アーティストたちが、THE JAMの名曲群を
    オリジナルのよさを損なわないよう、うまいこと料理してます。
    まあ、つまり「そのまんまじゃん!」と
    つっこみを入れたくなるものばかりなんですが、
    それだけTHE JAMが、
    そして、ポール・ウェラーが
    偉大だということ。
    THE JAMをひととおり聴いた人には、
    しっかり楽しめる1枚になってます。

    歪んだ「That’s Entertainment」新鮮です。

    オルガン?
    はいはい、オリジナル同様、
    「A Town Called Malice」で、
    ばっちり堪能できますよ。

    TOWER RECORDS ONLINE「Fire & Skill: Songs Of The Jam」
    TOWER RECORDS ONLINE[The Jam]

    Fire & Skill: Songs of the Jam

    Fire & Skill: Songs of the Jam

    • Various Artists
    • Sony
    • 2000/01/25
    • CD
    ■Track listing
    01. Carnation/Liam Gallagher & Steve Cradock
    02. Start!/Beastie Boys featurine Miho Hatori
    03. That’s Entertainment/Reef
    04. The Gift/Heavy Stereo
    05. Art School/Silversun
    06. English Rose/Everything But The Girl
    07. Going Underground/Buffalo Tom
    08. The Butterfly Collector/Garbage
    09. The Modern World/Ben Harper
    10. A Town Called Malice/Gene
    11. To Be Someone/Noel Gallagher

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    OKAMOTO’S「オカモトズに夢中」 [●ROCK]

    3rd. album 2010.11.03 release

    いつの時代だって、ロックンロールは鳴る
    若き旗手OKAMOTO’Sのサード・アルバム

    [text●i.akira]

    聴けこの荒々しさ、この不器用さ、なによりこの向こう見ずな勢い!これぞロックンロールである。そしてそれを平均年齢20歳という若さのバンドが鳴らしているのだから、なんと頼もしいことか。

    今巷を賑わせているこのOKAMOTO’Sは、CDデビューが2009年、メジャー・デビューが2010年だというのに本作「オカモトズに夢中」はすでに3枚目のアルバムというから驚きである。さらに2010年は約100本ものライブをこなすなど、彼らが今どれほど加速し続けているかがわかる。
    本作は充実したバンドのエネルギーがぎゅうぎゅうに詰め込まれており、このデジタル時代にあえて直球で伝統的なロックンロールを、ひたすらにがむしゃらにファンキーに、なにより楽しくぶちかましてくれている。若い世代だけでなく、おじさん世代にも喜ばれるサウンドではないだろうか。
    また、毎回アルバムにカバー曲が収録されているが、今回は説明不要のハード・ロック・キングAerosmithの「Walk This Way」、幅広い層に愛されるイギリスのアーティストJoe Jacksonの「One More Time」、昨年“完全に出来上がってしまった”ために解散したゆらゆら帝国のロック・バラード「美しい」など、原曲に忠実ながら敬愛のこもったパワフルなカバーが収録されている。彼らの雑食具合を伺える名曲揃いのナイスなチョイスである。

    いつの時代だって、どんな不当な扱いを受けようと、どんなに傷だらけだろうと、ロックンロールは鳴る。若き旗手OKAMOTO’Sがこれからなにを起こしてくれるか期待したい。

    OFFICIAL WEB SITE→ http://www.okamotos.net/ 

    TOWER RECORDS ONLINE[OKAMOTO’S]
    TOWER RECORDS ONLINE「オカモトズに夢中」 <CD+DVD/初回生産限定盤>

    オカモトズに夢中

    オカモトズに夢中

    • OKAMOTO’S
    • BMG JAPAN Inc.
    • 2010/11/03
    • CD

    オカモトズに夢中(初回生産限定盤)(DVD付)

    オカモトズに夢中
    (初回生産限定盤/DVD付)

    • OKAMOTO’S
    • BMG JAPAN Inc.
    • 2010/11/03
    • CD+DVD
    ■Track listing
    01. 20
    02. 笑って笑って
    03. Telephone Telephone
    04. Walk This Way
    05. Stomp Feet Stomp
    06. One More Time
    07. Midnight Icecream
    08. The M Song
    09. 誘惑ブギ
    10. 美しい
    11. 人間大嫌い
    12. キモチとキモチ
    [DVD/初回生産限定盤]
    01. OKAMOTO'S MOVIE 2



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    越谷オサム著「ボーナス・トラック」 [●BOOK]

    2004年 第16回日本ファンタジーノベル大賞 優秀賞受賞作品

    どうやって物語が終わるのかと思ったら
    ちょっとほろっとするようなラストシーンが待ち構えていた
    まさにボーナス・トラック

    [text●h.mariko]

    本題に入る前に。
    タイトルのボーナス・トラックとは何ぞや? と、おせっかいを焼いておく。

    かのwikipediaにも載っている。それによると、こうだ。

    「ボーナス・トラックとは、音楽アルバムやシングルにおいて、本来のアルバム構成に含まれない追加曲(追加トラック)を指す。販売促進の手法のひとつである。」

    私は、音楽を聴くのが好きだ。
    CDを買ったとき、クレジットに表示されていない音楽が始まったとき、または「ボーナストラック入り!」などというキャッチを見たとき、「やった!」と小躍りしてしまう。いわば音楽のオマケなのだが、これが嬉しい。そんなものだ。

    果たして、何故この小説のタイトルがボーナス・トラックなのか。
    それは、読んでのお楽しみ、なのだが。

    某有名ハンバーガーチェーン店で働く平凡な社員の草野哲也(25歳)は、雨の強いある日、ひき逃げの現場を目撃し、その死体の第一発見者となってしまう。
    一方、ひき逃げされてしまった亮太は、男にしかわからない「燃える闘魂」を抑えるためレンタルビデオ・ショップに向かう途中だったせいか、幽霊となってこの世に残ってしまった。
    その亮太が、草野の前に現れ、草野は驚きのあまり・・・。

    などと書くと、まるでホラーかサスペンスかと思えるが、死んだ亮太自身がのほほんとした性格だからか、まったく危機感も恐怖感もわかないのだ。ただ、どうして自分は成仏できないのか、どうして草野には姿が見えるのか、それがわからない。
    幽霊になって暇になった亮太は、これで過ごすのもいいかなあ、と思っている矢先、自分を喪った家族の葬式を目撃。そのあまりの衝撃に、自分をひき逃げした犯人を見つけ出すことにする。

    それに協力を買って出る草野。
    草野の店でアルバイトする南くん。実は、彼はもともと幽霊が見える体質で、最初こそ亮太に驚き恐れるものの、彼の境遇に怒り、草野とともに協力することを約束してくれる。

    けれど亮太といえば、草野の店の同じアルバイトの愛子ちゃんに一目惚れしたり、もうひとりのアルバイト、明日香ちゃんも可愛いけど首をコキコキ回す癖がイマイチだなあ、なんて品定めしたりして、やっぱり呑気である。

    出てくる人に、悪人がいない。(ひき逃げ犯は除くが)
    そして「死ぬとどうなるか」「死んだら後悔する」「幽霊は恐ろしい」といった常識(?)をことごとくひっくり返してくれる明るい文体は好感度が高い。
    しかも、いちばんいい奴が幽霊の亮太ときたもんだ。
    どうやって物語が終わるのかと思ったら、ちょっとほろっとするようなラストシーンが待ち構えていた。まさに、「ボーナス・トラック」なのである。

    ドライバーの皆さん、安全運転を心がけましょう。
    そして、いい幽霊さんや可哀想な幽霊さんに会ったら、できるだけ協力してあげましょう。
    亮太みたいないい奴なら、会ってみたいな、とまで、私は思った。
    その前に、私は安全運転だから、出会う機会なんて、ないだろうけど・・・。

    ボーナス・トラック

    ボーナス・トラック

    • 越谷オサム著
    • 新潮社
    • 2004/12/21
    • 単行本

    ボーナス・トラック (創元推理文庫)

    ボーナス・トラック

    • 越谷オサム著
    • 東京創元社(創元推理文庫)
    • 2010/07/22
    • 文庫


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