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あのときあの場所に集まって
再び全国に散った趣味も性格も全く違うレポーターたちが
ジャンルを飛び越え、新旧流行にとらわれることなく
いま自分が好きなもの、自分にとっての旬なアレコレをガンガン紹介するブログ!
どうぞココで、いろんな好きと出合ってくれたなら
ますます楽しくなってしまうじゃない!
音楽、小説、映画、美術、TVショウ・・・いつだって、出合ったときが新しい!

篠田節子著「弥勒」 [●BOOK]

子どもたちへの愚直な指導。仏への祈りの意味
頭が痛くなりそうなほど「人の生き方とは何ぞや」ということを
強烈に突きつけられた

[text●h.mariko]

なんとなく、タイトルから仏教のにおいを感じていたので、この作品はそこから転じたオカルトのような小説ではなかろうかと、そんなことを思いながら読みはじめた。もちろん、大はずれであった。
現実を強烈に突き詰めた、生命論が、この作品であったのだ。

夫婦としては完全に関係が終っている主人公・永山は、あるパーティーで妻が身につけているアクセサリーが、ヒマラヤの小さな国・パスキム共和国のものであることを突き止める。しかもそれはパスキム共和国の神を象ったもので、簡単に国外に出るとは考えにくいものだった。かつて永山が訪れたパスキム共和国は、平和で長閑な王国であるとの印象を抱いていた。
しかし政変で国交を断絶したいま、そこでなにが起きているのか? 永山は、純粋な好奇心と、貴重な仏閣の破壊を防げはしないものかと、この目で現状を見るために、現地へと赴く。
そこにはかつての平穏な国の面影はどこにもなく、カースト制度の崩壊を狙って王国を倒した革命軍武装勢力が国を治めると宣言、外国人である永山も拘束され、国外には出られなくなる。そこにあるのは想像を絶する生活・・・。

子どもたちへの愚直な指導。仏への祈りの意味、頭が痛くなりそうなほど「人の生き方とは何ぞや」ということを強烈に突きつけられた。
そして主人公、永山の「これからの生き方」がはっきり描かれないまま終るところに、重さが残った。
これはただの物語ではない。凄まじい破壊力のある作品だ・・・。

弥勒 (メフィスト・クラブ)

弥勒

  • 篠田節子著
  • 講談社
  • 1998/09
  • 単行本

弥勒 (講談社文庫)

弥勒

  • 篠田節子著
  • 講談社(講談社文庫)
  • 2001/10/16
  • 文庫


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Cradle Orchestra「Transcended Elements」 [●HIP HOP]

2nd. album 2010.11.03 release

豪華ゲスト陣も魅力のCradle Orchestraによるセカンド・アルバム
ブラック・ミュージックではない、和のJazzy Hip Hop

[text●i.akira]


Palette Sounds代表にしてトラック・メイカーである瀬戸智樹とInherit aka DJ CHIKAによるユニットcradleが、さまざまなアーティストとのコラボレーションのために結成した打ち込みと生音の融合によるJazzy Hip Hopバンド“Cradle Orchestra”によるセカンド・アルバム。

Speech(Arrested Development)の流れるような爽快なラップが最高の幕開けとなる「Don’t Wake Me Up」に始まり、キュートな歌声が印象的なGiovancaによる「The Night Is Right」、1990年代を代表するヒップホップ・グループGANG STARRのラッパーで、残念ながら昨年4月に病により他界してしまったGURUの遺作となる「You Got To Luv」、美しいラップと歌声を披露しているPISMOを迎えた「Thing Have Changed」、バグパイプとドラムの上を軽快かつアッパーなDE LA SOULのラップが乗るという斬新でクールな「Picnic」、王道かつストイックなCL SmoothのラップとJean Curleyによるソウルフルな歌声の絡みがたまらない「Married To The Game」、クラシック・ソウルの新星Aloe Blaccの甘い歌声が心地よい「Make Life」など、絶賛された前作「Velvet Ballads」以上に豪華なアーティストが多数参加している。
しかしあくまで主役はCradle Orchestraによる演奏で、本格的なジャズ・バンドのジャムのような「Jazzentic」や、どこか懐かしさを感じさせる美しいラスト・ナンバー「Eternal Truth」などのインスト・ナンバーも聴き逃せない。

和のテイストを取り入れた独自のJazzy Hip Hopを聴かせてくれる本作は、ブラック・ミュージックが苦手な人にも受け入れてもらえるであろうあたたかみとポピュラリティに溢れた傑作である。

Cradle Orchestra myspace → http://www.myspace.com/cradleorchestra 

TOWER RECORDS ONLINE[Cradle Orchestra]
TOWER RECORDS ONLINE「Transcended Elements」

Tarnscended Elements

Tarnscended Elements

  • Cradle Orchestra
  • GOONTRAX
  • 2010/11/03
  • CD
■Track listing
01. Don't Wake Me Up/feat. SPEECH
02. The Night is Right/feat. GIOVANCA
03. Follow This/feat. HOCUS POCUS
04. On My Way/feat. NIEVE & JEAN CURLEY
05. You Got To Luv It/feat. GURU
06. Things Have Changed/feat. PISMO
07. Jazzentic
08. Walk Out/feat. NEED NOT WORRY
09. Picnic/feat. DE LA SOUL(Pos Plug Won and Dave)
10. Imported Nights/feat. CAMP LO
11. Married To The Game/feat. CL SMOOTH & JEAN CURLEY
12. Make Life/feat. ALOE BLACC
13. I Never Knew/feat. SUBSTANTIAL
14. Eternal Truth


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桐野夏生著「グロテスク」 [●BOOK]

2003年第31回泉鏡花文学賞受賞作品

羨望や妬み、差別心に振りまわされて
考えすぎて、頭の回線がショートしてしまったら
誰だって堕ちる。そして・・・

[text●h.mariko]

女は女として生まれたからには、美を追求する。○か、×か。
男は男として生まれたからには、力を追求する。○か、×か。

その「生きる術」を見つけるのが最高にへたくそだった主人公たちの、強烈な半生がこの作品には描かれている。

美しすぎる顔に生まれたが故に普通に生きられないユリコ。
それに嫉妬しつつ、自分を見失う、姉(主人公の「わたし」)。
学生時代をともにする、和恵、ミツル。

娼婦としてでないと自分を見いだせないユリコ。
変身したいと願う和恵。
考えすぎ、劣等感を勝手に感じ、宗教に溺れるミツル。
それから20年が過ぎて、
ユリコと和恵は渋谷で最下層の街娼として殺されて・・・。

見栄を張ってもしかたがない、ときには内側を曝け出すことも必要だといっているのだろうか。それとも、生きにくい世の中に適応するには力がいるのよ、といっているのか。淡々と綴られる彼女たちの半生は波乱に満ちているというのに、どこか浮世離れし、感情の置きどころに困る。

最初の質問に戻ろう。答えは、答えは?
答え? そんなもの、ない。永遠にでない? 男とか女とかいう前に、生まれてきたのは人間としてだし、そこに見いだすのは、美なのか力なのか、それとも才能(?)なのかは、人それぞれでいいのだろうし・・・。
答えをだそうとして、それに振りまわされて、考えすぎて、頭の回線がショートしてしまったら誰だって堕ちる可能性がある。そのギリギリのラインをどうやって生きていくか、そんなメッセージだと思えば、なるほどと唸るようなシーンも多い。

桐野女史の作品は強烈な印象を残すものが多いが、これはとくに女性にお勧めしたい(さっき男とか女とか云々いっちゃったけど・・・)。
他人と同じものを持たないと落ち着かない/流行には敏感だ/他人が自分について何を言っているか常に気になる/仲間はずれにされると死にたくなるほど落ち込む
などなど。女の悩みが、この作品にはたっぷりと盛り込まれているから。
かつて、この小説について桐野女史はなにかのインタビューで「この世の中の差別のすべてを書いてやろうと思ったんです」と語っていた。

桐野夏生 OFFICIAL WEB SITE→ http://www.kirino-natsuo.com/ 

グロテスク

グロテスク

  • 桐野夏生著
  • 文藝春秋
  • 2003/06/27
  • 単行本

グロテスク〈上〉 (文春文庫)

グロテスク〈上〉

  • 桐野夏生著
  • 文藝春秋 (文春文庫)
  • 2006/09
  • 文庫

グロテスク〈下〉 (文春文庫)

グロテスク〈下〉

  • 桐野夏生著
  • 文藝春秋 (文春文庫)
  • 2006/09
  • 文庫


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THE JUNEJULYAUGUST「深く潜れ」 [●ROCK]

1st. album 2011.01.12 release

その名も六月、七月、八月
熱く、眩しく、美しい季節がやってくる

[text●i.akira]

なんという素っ裸な作品だろう。一聴してそう感じた。まるで最小限の手荷物と片道切符だけを手に、行くあてもない旅に出てしまったような、そんな無謀さと純粋さが本作にはある。
THE JUNEJULYAUGUST(通称ジュンジュラ)は、nilの高野哲(Vo. &G.)、openingの佐藤統(Piano)、HUMAN TAILの梶原幸嗣(Ds.)によって昨年の夏ごろに結成された3ピース・バンドである。ベーシストがおらず、代わりにピアニストがいるというなんとも奇妙な編成のバンドだが、そのサウンドはロック・バンドのそれと遜色ないほどの迫力と色気を漂わせている。

じっくりと染み込むように聴き手を誘ってくれる「Goo Girl」、スリリングな展開に圧倒される「Roly Poly」、漂うような不思議なリズムとメロディの絡みがたまらない「2 strangers」、 まるで戦争映画のような重厚さと、淡々と語られるストレートな言葉が刺さる「少年兵」、ハイライトと呼べる壮大で美しきロック・バラード「偶然です」など、まるで泳ぐ魚のようにのびのびと、恥も外聞も投げ出したありのままの言葉が、ギターが、ピアノが、ドラムが響いている。こんなにも赤裸々で透き通った作品は聴いたことがない。

熱く、眩しく、美しい季節がやってきた。しばしこの熱にやられていたいと思う。

■THE JUNEJULYAUGUST tour2010-2011
2010
12/10(金) 神戸ウィンターランド
12/11(土) 岡山ペパーランド
12/23(木) 横浜リザード
2011
1 /21(金) 水戸ライトハウス
2 /04(金) 高円寺HIGH
2 /06(日) 大阪市knave
2 /10(木) 高円寺HIGH
3 /04(金) 帯広REST
3 /05(土) 札幌Hall Spiritual Lounge
3 /06(日) 旭川CASINO DRIVE
3 /26(土) 高円寺HIGH


OFFICIAL WEB SITE→ http://www.afro-skull.com/jja/ 

TOWER RECORDS ONLINE[THE JUNEJULYAUGUST]
TOWER RECORDS ONLINE「深く潜れ」

深く潜れ

深く潜れ

  • THE JUNEJULYAUGUST
  • バウンディ
  • 2011/01/12
  • CD
■Track listing
01. Goo Girl
02. 不自由の女神
03. Roly Poly
04. 2 Strangers (deepinside mix)
05. Epic
06. 僕らは試した
07. 深く潜れ
08. 少年兵
09. あなたの子供
10. 生きてる実感さ
11. 偶然です
12. My Funny Car (deepinside version)



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ユニコーン「シャンブル」 [●ROCK]

9th.album 2009.2.18 release

変わってないことが
こんなにも褒め言葉になるバンドも
そうはいまい

[text●h.mariko]

1986年に結成。1993年に惜しまれつつ解散。
私が彼らを知ったのは、ちょうどそのころであった。
それも、解散直後に出たベスト・アルバム「THE VERY BEST OF UNICORN」で。
ポップスと割り切るにはエッジが効いていて、コミックバンドというにはそこまで笑いを取ってる感じでもないけど、何か度肝を抜かれた印象がある。曲の内容もさることながら、その、歌詞とか、タイトルに。だって、「ヒゲとボイン」とか、「服部」とか。何のこっちゃ? 

だから当時は彼らのこと、あまり気にならなかった。けど、2000年を過ぎ、音楽という世界は限りなく広いのだと知ったと同時に、ユニコーンのすごさを知ったのだった。そして解散時に興味を持ち始めたのに、そのまま手放したことにもの凄い後悔をした。釣り損ねた魚はでかかったわけだ。

そして、活動再開の報。狂喜乱舞。
その一発目としてリリースされたのが、本作「シャンブル」である。

まず思ったこと。
「変わってないなあ」

普遍的、という言葉からも象徴されるように、変わること即ちカッコいい、進化、と単純に捕えるのはやや抵抗がある。根っこは変わらない。それを正に体現してくれたアルバムだ。
年を重ね、柔らかささえ感じられる奥田民生の声とシャウトは心地よい。
とくに、「ひまわり」「スカイハイ」は、空の高みから見下ろすような、体験したことないけど、多分空を飛んだらこんなふうに思うんだろうという気持ちを代弁してくれる。
活動再開の口火を切った「WAO!」では遊び心たっぷり、「キミトデカケタ」「BLACK TIGER」ではベースのEBIがヴォーカルを担当、今までとはうってかわったテクニカルな音がおもしろい。バラード・ソングを挟み、ラストを飾る「HELLO」では骨太なロックがこれでもかというほど鳴り響く。

変わってないことが、こんなにも褒め言葉になるバンドも、そうはいまい。再結成後は活動が尻すぼみになってしまうバンドが多いなか、彼らの放つ力は威光さえ感じる。

OFFICIAL WEB SITE→ http://www.unicorn.jp/ 

TOWER RECORDS ONLINE[ユニコーン]
TOWER RECORDS ONLINE「シャンブル」

シャンブル

シャンブル

  • ユニコーン
  • キューンレコード
  • 2009/02/18
  • CD

シャンブル【初回生産限定盤】

シャンブル
【初回生産限定盤】

  • ユニコーン
  • キューンレコード
  • 2009/02/18
  • CD
■Track listing
01. ひまわり
02. スカイハイ
03. WAO!
04. ボルボレロ
05. ザギンデビュー
06. キミトデカケタ
07. オッサンマーチ
08. AUTUMN LEAVES
09. 水の戯れ~ランチャのテーマ~
10. BLACKTIGER
11. 最後の日
12. R&R IS NO DEAD
13. サラウンド
14. パープルピープル
15. HELLO
[DVD/初回生産限定盤]
01. MOVIE11「バンドやろうぜ!~アルバム“シャンブル”ができるまでPartII」
02. WAO! (Music Clip)


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TOKYO No.1 SOUL SET「No.1」 [●HIP HOP]

2008.03.19 release

年月を経て肩の力が抜け
ストレートに愛情を表現することを許した
TOKYO No.1 SOULの新たな姿

[text●o.mihoko]

2008年にリリースされたTOKYO No.1 SOUL SETのスタジオ・アルバム5作目「No.1」。
約4年間の沈黙ののちに発表された復帰後2作目である。

2005年の復帰作「OUTSET」ではエレクトロなアプローチが目立ち、
2000年代のソウルセットはシリアスな方向に進むのかと思わされたが、
本作1曲目の「Innocent Love」で、これまでにはなかった直球のラブ・ソングを披露し
その認識を覆した。

過去の作品ではレベル・ミュージックといっていいほど
どちらかというと土くさくガンコな職人気質の楽曲が持ち味だったが、
本作ではジャケットから受けるイメージそのままの
ポップでカラフルな楽曲で構成され、
さまざまなジャンルを取り込みながらもJ-Popに歩み寄った、
これまでになくストレートな作品だ。

その変化を象徴する楽曲「Innocent Love」は、小泉今日子もカバーし、
のちにソウルセットのライブでもカギとなる楽曲へと成長することになる。

また、子どもに対する愛情を歌った「Just another day ~その時まで~」、
感謝の言葉が続く「Good Morning Tokyo」などからも感じ取れるものは、
年月を経て肩の力が抜け、ストレートに愛情を表現することを許した、
彼らの新たな姿である。

エキセントリックな音と構成で、ふたつと同じタイプの曲がない活動休止前の彼らと、
メンバーの多方面での活動を経て生み出された復帰後のエレクトロな彼ら。
そして、さらにポップ・ソングのライティング力も加わり、
新たなソウルセットの形を見せつけた本作は、
彼らの通過点にとって今後も象徴的なアルバムに位置づけられていくことだろう。

2009年には6枚目のアルバム「BEYOND THE WORLD」をリリースし、
2010年は20周年という記念すべき年になった。
そして今年は2月に小泉今日子や小島麻由美、中納良恵などの女性ボーカルを迎えた、
全曲コラボレーションのアルバム「全て光」がリリースされる。

鎧を捨てた男たちがさまざまなボーカリストを迎えることで、
また新たなるジャンルの垣根を越え
どのように融合するのか、とても楽しみである。

OFFICIAL WEB SITE→ http://t1ss.net/ 

TOWER RECORDS ONLINE[TOKYO No.1 SOUL SET]
TOWER RECORDS ONLINE「No.1」

No.1(初回限定盤)(DVD付)

No.1
(初回限定盤/DVD付)

  • TOKYO No.1 SOUL SET
  • エイベックス・エンタテインメント
  • 2008/03/19
  • CD
■Track listing
01. Innocent Love
02. Just Feeling
03. メリー・メン
04. さぁ、どうなんだい
05. Please tell me
06. e→on
07. Rain Bird
08. The Breath Of Life
09. Just another day~その時まで~
10. Dear My Friend
11. Good Morning Tokyo
12. Just another dub
[DVD]
01. Innocent Love/Music Video
02. Please tell me/Live at LIQUIDROOM
03. Innocent Love/Live at LIQUIDROOM


全て光

全て光

  • TOKYO No.1 SOUL SET
  • tearbridge
  • 2011/02/09
  • CD
■Track listing [DISC 1/CD]
01. 全て光/原田郁子(クラムボン)
02. 星影の小径/真木よう子
03. 接吻/紗羅マリー
04. みずいろの雨/中納良恵(EGO-WRAPPIN')
05. Champion Lover/小島麻由美
06. You May Dream/HALCALI
07. Sunday/土岐麻子
08. 聞かせてよ愛の言葉を/小泉今日子
09. 今夜はブギー・バック/HALCALI
[DISC 2/CD]
野音deワンマン/2010.10.24 at 日比谷野外音楽堂
01. Please Tell Me
02. Rising Sun
03. Who Really Loves You
04. 今夜はブギーバック with HALCALI&ANI・Bose(スチャダラパー)
05. 夜明け前
06. Hey Hey Spider
07. Jive My Revolver
08. More Big Party
09. Bow & Arrow
10. Innocent Love
11. OUTSET
12. Jr.

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ポルノグラフィティ「ロマンチスト・エゴイスト」 [●ROCK]

1st.album 2000.03.08

励まされたいとき、泣きたいとき
欲望や恋愛の気持ちに溺れたいとき
いまではいつだって傍にいてくれる

[text●h.mariko]

初めてバンド名(カタカナ表記の)を見たとき、思ったこと。「これってあり?」
だって、「エロ落書き」って。すごい名前をつけたもんだ。
そして、デビュー曲のタイトルは「アポロ」。
アメリカの有人宇宙飛行を行なった計画で有名だし、なんだかすごく俗っぽい。
でも、アルバムを聴いたとき。「これって、ありだなあ!」
最初のイメージは払拭され、そう思った。

ボーカルのアキヒト(岡野昭仁)の、抜けるようなはっきりした声は、詰め込まれた言葉をていねいに紡いでいてリズム感たっぷり。対をなすようなハルイチ(新藤晴一)のギターの音も、気持ちがいい。巧みな言葉遊びたっぷりの歌詞も、なかなか。
シングル曲の「アポロ」と「ヒトリノ夜」はともにアップテンポでせわしない感じがしなくもないが、しっとり歌い上げられた「憂色〜Love is you〜」「デッサン」は柔らかく、美しいメロディがあたたかい。
そして曲それぞれの歌詞の世界が、まったく違うところがおもしろい。
たとえば「ラビュー・ラビュー」や「マシンガントーク」でおのろけな恋愛観を出してみたと思ったら、「Jazz Up」「ジレンマ」では、恋愛というよりも欲望を曝け出している。「リビドー」なんてタイトルそのまんま。
それを1枚のアルバムで楽しめるのだから、これはお得!
励まされたいとき、泣きたいとき、欲望や恋愛の気持ちに溺れたいとき、いまではいつだって傍にいてくれる。要するに、人間って複雑な感情やら何やらをたくさん抱えているけれど、それがあたりまえなんだよ、と、聴くたびに思わせてくれるのだ。
(へたな先入観って、ほんと持たないほうがいい。)

OFFICIAL WEB SITE→ http://www.pornograffitti.jp/ 

TOWER RECORDS ONLINE[ポルノグラフィティ]

ロマンチスト・エゴイスト

ロマンチスト・エゴイスト

  • ポルノグラフィティ
  • ソニーレコード
  • 2000/03/08
  • CD
■Track listing
01. Jazz up
02. Century Lovers
03. ヒトリノ夜
04. ライオン
05. 憂色~Love is you~
06. Heart Beat
07. マシンガントーク
08. デッサン#1
09. アポロ(New Apollo Project Version)
10. ラビュー・ラビュー
11. ジレンマ(How To Play "didgeridoo" Version)
12. リビドー


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MO’SOME TONEBENDER「STRUGGLE」 [●ROCK]

New album 2010.12.08

原点も進化もぶち抜いた強烈極まりないカムバック作
再び加速を始めたモーサムは誰にも止められない!

[text●i.akira]

1曲目の「Hammmmer」のイントロが鳴るや、僕は心の中で叫んだ。「MO’SOME TONEBENDERが帰ってきた!」と。もう、それ以上の言葉は見当たらない。アルバムとしては前作「SING!」から実に2年3か月ぶり、1年以上に及ぶ“実験期間”を経て、自分たちを見つめ直すことで生まれた本作は、紆余曲折を経て辿り着いた爆音の境地である。

轟音とグッド・メロディーを容赦なく叩きつける「youth」、ビリビリと胸を打つ愛の歌「けだるいDays」、タイトルどおりのリズムの洪水「Drum Song」、詞も編曲もぶっ飛んだカオス・ナンバー「教祖様はスレンダー」、ロック史に燦然と輝くSonic Youthの名盤「dirty」収録曲の「PURR」のストレートなコピー(カバーではないらしい)、パンキッシュに疾走する「Black In, Black Out」、アコースティック・ギターと歌声のなか、ドラムやノイズが駆けまわるという彼ららしいひねたバラード「Kingdom Come」など、原点も進化もぶち抜き、新たな境地まで辿り着いてしまっている。間違いなく彼らの最高傑作であると断言すべき名盤だ。

思えば彼らはデビューからさまざまな実験を繰り返してきた。ロックの可能性に限界ギリギリまで立ち向かい、あらゆるジャンルを取り込んでは破壊し、再生し、我流に飲み込んでいった。そうした戦いの日々があるからこそ生まれた「STRUGGLE」は、彼らにとって大いなる武器となるだろう。

OFFICIAL WEB SITE→ http://www.mosome.com/ 

TOWER RECORDS ONLINE[MO’SOME TONEBENDER]

STRUGGLE

STRUGGLE

  • MO’SOME TONEBENDER
  • 日本コロムビア
  • 2010/12/08
  • CD
■Track listing
01. Hammmmer
02. youth
03. Junk
04. けだるいDays
05. Drum Song
06. 教祖様はスレンダー
07. PURR
08. アイデンティティ
09. Black In,Black Out
10. 七月二十日
11. Kingdom Come


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ハナレグミ「音(おん)タイム」 [●POPS]

1st.album 2002.11.27

少しハスキー、高めのキーの彼の声は
聴けば聴くほど深みが増す

[text●h.mariko]

 さあ はじめよう 音タイム

CDをかけると、最初に流れ出てくる歌詞が、これ。
そう、音(おん)タイムは、「聴く」だけでなく、「一緒に楽しむ」ものなのだ。
永積タカシこと、ハナレグミのファースト・アルバム。
収録曲は9曲とやや少なめな本作だが、
彼の世界がたっぷり楽しめる。

少しハスキー、高めのキーの彼の声は、聴けば聴くほど深みが増す。
そして、しんみりしたいときでも、大声で笑いたいときでも、いつでも、そばにいてくれる、存在感の大きさ。
まるで語りかけてくるような歌声は、詩の朗読みたいに聞こえることもある。

個人的にお気に入りなのは、「家族の風景」。
歌詞を引用させてもらうと、

 キッチンには ハイライトとウィスキーグラス
 どこにでもあるような家族の風景
 七時には帰っておいでと フライパンマザー

 友達のようでいて 他人のように遠い 
 愛しい距離が ここにはいつもあるよ


どこにでもある風景なのかどうかはさておき、家族のあたたかさをこんなふうに歌った人を、私は初めて知った。
それだけではない、「明日天気になれ」では元気がない人へのメッセージ・ソング、「かこめ かこめ」では子どもが寝静まった後に麻雀に燃える大人たちへのメッセージ・ソング、そしてすべての人へ、「一日の終わりに」では永積の言葉が、まるで後ろから優しく抱きしめてくれるような、あたたかさを持った「おつかれさま」というメッセージ・ソング。
なんてさまざまな気持ちが入っていて、なんてさまざまな人へのメッセージが込められているのだろうか。
でも、だけどまずは、そこに託されたメッセージを深く感じとらなくてもよいのだろう。音(おん)タイムを楽しめれば、それがいちばんの、このアルバムの楽しみ方なのだろうから。

OFFICIAL WEB SITE→ http://www.laughin.co.jp/hanare/ 

TOWER RECORDS ONLINE[ハナレグミ]

音タイム

音タイム

  • ハナレグミ
  • EMIミュージック・ジャパン
  • 2002/11/27
  • CD
■Track listing
01. 音タイム
02. 雪の中に
03. 明日天気になれ
04. 家族の風景
05. Jamaica Song
06. Wake Upしてください
07. かこめ かこめ
08. ナタリー
09. 一日の終わりに


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The Trashmen「Surfin' Bird」 [●ROCK]

テケテケ系サーフ・ミュージック
あんまり真剣に聴く音楽じゃないけど
これが好きという人とは
100%友だちになれる気がします

[text●o.mihoko]

最近では、イギリスの某オーディション番組の出身アーティストチャート上位に入るのを食い止めるため、シングル「Surfin' Bird」をダウンロード購入しようという呼びかけにより、結果、同曲が3位にまで上り詰めたことでも話題になった60年代のサーフ・ロック・バンド、The Trashmen。
その楽曲を収録したのがこのアルバムだ。

「Surfin' Bird」をはじめて聴いたのは10代の終りだっただろうか。
パンク系のイベントでDJがかけていたときだったと思う。
スキャットとも言えない・・・とにかくひたすら“あばばばばばばば”と言い続ける、このブチ切れた楽曲が生み出されたのが半世紀も前というからさらに驚かされた。

リヴァーブがかかったテケテケ系サーフ・ミュージックで、どれも初期のロックンロールのオキマリともいえるようなイントロばかり。
この時代特有の、アルバム全体をとおして“サビにいかなきゃ区別がつかない!”と、ツッコミを入れたくなるような作品だが、その胡散臭さとイナタさが、確信犯か天才か、笑いで戦いを挑む芸人が一瞬カッコよく見えるようなずるさを持っている。

あんまり真剣に聴く音楽じゃないけど、
シャレてるというか・・・ともかく、これが好きという人とは
100%友だちになれる気がします。

これを選んだアンチ・オーディション番組の人たちも、
ちょっと粋だな。

TOWER RECORDS ONLINE[The Trashmen]

Surfin' Bird

Surfin' Bird

  • The Trashmen
  • Sundazed Music Inc.
  • 1995/06/26
  • CD
■Track listing
01. Surfin' Bird
02. King of the Surf
03. Henrietta
04. Misirlou
05. Malaguea
06. It's So Easy
07. Tube City
08. My Woodie
09. Bird Bathn
10. Kuk
11. Money (That's What I Want)
12. Sleeper


Surfin Bird [12 inch Analog]

Surfin Bird
[12 inch Analog]

  • The Trashmen
  • Sundazed Music Inc.
  • 2000/07/24
  • LP Record


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小川洋子著「ホテル・アイリス」 [●BOOK]

1996年学習研究社刊、のち幻冬舎文庫

その行為を通さずには
現実と繋がっていられないふたりの危うさ、切なさは
どこまでも優しい・・・

[text●h.mariko]

代々続く、安宿を経営する親の元に生まれ、父を亡くし、母の存在に怯えながら暮らす17歳の少女、マリ。彼女はホテルの常連客の翻訳家と、ふたりきりの「時」を悦しむことを知る。

翻訳家に絶対服従するマリ。その姿は、誰にも見せられないもの。
表面を撫でるだけだと、これは火遊びが高じたSMの話のように、感じられる。
しかし、この内容だというのに、優しい湿気が全体に漂っている。
早くに父を亡くしたマリの屈折した大人への愛情の乾きが翻訳家を求めたのか、ただの好奇心なのか。しかし、その行為を通さずには現実と繋がっていられないふたりの危うさ、切なさは、どこまでも優しい。
物語の終わりは、(ふたりの関係は“これがあたりまえ”と思って読み進めていたので)あまりの唐突さにショックが大きかった。愛情の形は人それぞれ、型にはめて考えるべきではないのだろう。

驚くべきは、小川女史の文章の違い。この7年後に発表し大ヒット作となった「博士の愛した数式」にあるような、柔らかさや光はこの作品からは微塵も感じられない。
むしろ、この作品のような、「優しい残酷さ」が、小川女史の作品の神髄なのでは、と、後々気がつくようになった。
どちらが小川女史の真の姿(?)なのだろうか? それは、それは読者側が慮らなければならないところだ。

ホテル・アイリス

ホテル・アイリス

  • 小川洋子著
  • 学習研究社
  • 1996/11
  • 単行本

ホテル・アイリス (幻冬舎文庫)

ホテル・アイリス

  • 小川洋子著
  • 幻冬舎
  • 1998/08
  • 文庫(幻冬舎文庫)


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THE COOPER TEMPLE CLAUSE「MAKE THIS YOUR OWN」 [●ROCK]

3rd.album 2007.01.24

時代に愛されることを拒み続けた異端児が残した傑作
飽くなきチャレンジ精神と絶対的自信に満ちた作品

[text●i.akira]

時代に愛されなかったバンドというのは必ず存在するものだ。どんなに良質な音楽を作ったとしても、正しく評価されるとは限らない。このTHE COOPER TEMPLE CLAUSE(以下TCTC)もそんなバンドのひとつだろう。2001年、いわゆるロックンロール・リヴァイバルの波が訪れていた時代に突然変異のように登場し、時代の波に逆らうようにデジタルを駆使しながら、野獣のような衝動と混沌にまみれた音の洪水をまき散らし、セカンド・アルバム『Kick Up The Fire, And Let The Flames Break Loose』がUKチャート5位を記録するセールスを得るが、その後メンバーの脱退やレコード会社とのトラブルに見舞われ、2007年4月に解散してしまう。『MAKE THIS YOUR OWN』は彼らのサード・アルバムであり、最後の作品である。

本作はある意味では最も彼ららしくない作品と言える。混沌とした音世界が彼らの売りだったにも関わらず、ずいぶんと整った作品だからだ。しかし、メンバーそれぞれのカラーをわがままに押し出しながら、ひとつのバンドとして美しく機能しているその音楽には、飽くなきチャレンジ精神と絶対的自信が満ちている。特にパンクとデジタルの見事な融合「Damage」、衝動を剥き出しにしたようなロックンロール・ナンバー「Homo Sapiens」、80’sニュー・ウェーブの空気が漂う「Head」、スペイシーな浮遊感がたまらない「Connect」、すばらしいメロディと壮大なスケールが胸を打つ名曲「Waiting Game」の冒頭5曲の完成度は異常と呼べる。これだけで本作を聴く価値はあると思う。まったくもって、彼らがなぜ評価されることなく消えるはめになったか、謎である。

今回改めて聴いてみて思ったのは、彼らは時代に愛されることを拒んでいたのかもしれないということだ。流行や一過性のブームに流されやすいシーンに唾を吐き、徹底的に自分たちの音楽やスタイルを貫き続けた。結果、自滅することになっても・・・。誰かが忘れたとしても、僕はTCTCというバンドが、音楽が存在したことを忘れない。そしてその事実を、あなたにも知ってほしいと思う。

TOWER RECORDS ONLINE[The Cooper Temple Clause]


Make This Your Own (Chi)

Make This Your Own

  • The Cooper Temple Clause
  • Universal I.S.
  • 2007/01/23
  • CD
■Track listing
1. Damage/ダメッジ
02. Homo Sapiens/ホモ・サピエンズ
03. Head/ヘッド
04. Connect/コネクト
05. Waiting Game/ウェイティング・ゲーム
06. Once More With Feeling/ワンス・モア・ウィズ・フィーリング
07. What Have You Gone And Done /ホワット・ハヴ・ユー・ゴーン・アンド・ダン?
08. Take Comfort/テイク・コンフォート
09. All I See Is You/オール・アイ・シー・イズ・ユー
10. House Of Cards/ハウス・オブ・カーズ
11. House Of Cards/ハウス・オブ・カーズ
<日本盤>
10. イズント・イット・ストレンジ
11. ハウス・オブ・カーズ
12.(エンハンスド)ホモ・サピエンズ(ビデオ)


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Soom T「Dirty Money EP」 [●REGGAE/DUB]

12inch Analog 2009.11.16

変声期の少年のような中性的な声で
まくし立てるMCが痛快、攻撃的なMCが魅力
1年近く経つ今も、ほぼ毎日聴いている

[text●o.mihoko]

インド人を両親に持つ、スコットランドはグラスゴー出身の女性MC/シンガー、Soom T。
変声期の少年のような中性的な声と、確かなMCのスキルが魅力である。

初めて耳にしてからというもの、
東南アジアのポップスを思わせるMCとダブが合わさった
その異質な存在に衝撃を受け、レゲエ専門のレコード店で必死に探して入手して以来、
1年近く経つ今も、ほぼ毎日聴いている。

本作をリリースしたドイツレーベル「JAHTRI」の多くの楽曲は、
“チープ・エレクトリック・レゲエ”や“ラップトップ・レゲエ”とも称され、
TVゲームを思わせる効果音を取り入れた音が特徴だが、
彼女のMCが乗っかることにより
Soom Tという強烈なキャラクターとJAHTARIが放つダークさがひときわ際立つのがこの「Dirty Money EP」だ。

シューティング・ゲーム(というかマ○オのファイヤーボール?)の効果音を思わせる裏打ちに
彼女のMCが攻撃的な表題曲「Dirty Money」。
R&Bやソウル・シンガーとしての可能性も垣間見られる歌い出しから一転、
まくし立てるようなMCが痛快な3曲目「Survivor」、攻撃的なMCが魅力の4曲目「Doobie Dee Doo」、
そして1曲目、2曲目のヴァージョンも収録されている。

2010年2月には同レーベルのパーティーで初来日も果たし、
最近ではテイ・トウワ監修によるコンピレーション
「MOTIVATION H compiled by DJ TOWA TEI」に「Soviver」が収録されるなど、
耳の早いリスナーのみならず、着実にその実力を知らしめつつある彼女。
レーベルとのども、今後の活躍に注目したい。

JTR07_A.jpgJTR07_B.jpg
Dirty Money [12 inch Analog]

Dirty Money [12 inch Analog]

  • Soom T
  • Jahtari
  • 2009/11/02
  • LP Record
■Track listing
A1. Dirty Money
A2. Dirty Money Version
B1. Survivor
B2. Doobee Dee Doo
B3. Doobee Version


TOWER RECORDS ONLINE[MOTIVATION H compiled by DJ TOWA TEI]

MOTIVATION H compiled by DJ TOWA TEI

MOTIVATION H compiled by DJ TOWA TEI

  • TOWA TEI
  • hug inc.
  • 2010/07/07
  • CD


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津原泰水著「赤い竪琴」 [●BOOK]

音楽、鯨の声
そして海の向こう、クレモナという楽器の街
イメージは遠く、大きく膨らんでいく

[text●h.mariko]

ホラー作家としてのデビュー作「妖都」が余りに衝撃的だったので、どんな恐ろしい惨劇が待ち受けているのだろうと、恐る恐るページを開く。

赤、という色のイメージについて。
情熱的。暖かさや熱さ。人目を引く、明るいイメージ。
又は、
血液の色。蟲惑的。艶熟。どろりとした、派手な、どんよりとしたイメージ。

津原氏が描く赤い物語なら、後者のような内容であろうと勝手に思っていた。

それが。
なんだこれは。
予想は大はずれ。

祖母の遺品整理をしていた暁子は、祖母と交流のあった詩人、寒川玄児のノートを見つける。昭和初期、文壇に名を残すことなく戦争に散った人であると知り、何も知らない自分が持っているなら血縁者が持つに相応しいと、孫である耿介にノートを渡す。そこから、ふたりの人生が交錯する。
楽器職人である耿介と、グラフィックデザイナーである暁子の共通点は、寒川玄児その人のみ。
ふたりの気持ちのすれ違いと、そこに立ち現われるような玄児の詩。
言葉で言い表わすことができる感情などたかが知れている、何も言えないからこそそこから生まれる感情もあるわけで、まるで中学生の少年少女のようなふたりのやりとりにもどかしさを感じつつも愛おしさを強く感じた。
音楽、鯨の声、そして海の向こう、クレモナという楽器の街。
イメージは遠く、大きく膨らんでいく。
オトナの恋愛小説、でもちょっと不器用なふたりの恋愛、ではなかろうかと、読み返す度にふうわりとした気持ちに包まれるのだ。

赤い竪琴

赤い竪琴

  • 津原泰水著
  • 集英社
  • 2005/01/26
  • 単行本

赤い竪琴 (創元推理文庫)

赤い竪琴

  • 津原泰水著
  • 東京創元社(創元推理文庫)
  • 2009/09/30
  • 文庫


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The Art Farmer Quartet「To Sweden With Love」 [●JAZZ]

1964.04.28, 04.30 ストックホルムにて録音

ん~理屈抜きに美しい
イントロ数秒で美しい
ふぅ(ため息)

[text●k.ryo]

わかるかな
わかんねぇーだろうな

またジャズである
今までのマイルスとかに比べれば、
普通のジャズに聞こえる系

でもピアノがいない

この編成は、
夜のお酒のお供
ジェリー・マリガン「ナイト・ライツ」(名盤)に似てる。

ん~理屈抜きに美しい
イントロ数秒で美しい
アドリブのソロなのか、テーマ(サビ)なのか、
わからないくらい、すらすらと吹きやがる!
ふぅ(ため息)
この感じは、アートペッパーに似てるな。

ジャズのイメージどおり、型にはめるのは、
あまり好きじゃないけど、
全体のムードが優しくあったかいからか、
夕方~夜に合う


過激に、新しいものを取り入れていくのも、
音楽の生き方として、かっこいいカリスマ性を放つが、
頑固(?)一徹なジャズマンも、
何度も手が伸び、ゆっくり聞きたくなる“B級”名盤をたくさん残す。

そんなのをみつけるのもまたジャズの楽しみ

TOWER RECORDS ONLINE[The Art Farmer Quartet]

To Sweden With Love

To Sweden With Love

  • The Art Farmer Quartet
  • Koch Records
  • 1999/05/18
  • CD

スエーデンに愛をこめて(完全生産限定盤)

スエーデンに愛をこめて
(完全生産限定盤)

  • The Art Farmer Quartet
  • ワーナーミュージック・ジャパン
  • 2005/11/09
  • CD
■Track listing
01. Va Da Du? (Was It You?) /ウォズ・イット・ユー
02. De Salde Sina Hemman (They Sold Their Homestead) /ゼイ・ソールド・ゼア・ホームステッド
03. Den Motstravige Brudgummen (The Reluctant Groom) /リラクタント・グルーム
04. Och Hor Du Unga Dora (And Listen Young Dora) /アンド・リッスン・ヤング・ドーラ
05. Kristallen Den Fina (The Fine Crystal) /美しき水晶
06. Visa Vid Midsommartid ( Midsummer Song) 真夏の歌


[Personnel]
Art Farmer/アート・ファーマー(flu)
Jim Hall/ジム・ホール(g)
Steve Swallow/スティーヴ・スワロー(b)
Pete LaRoca/ピート・ラロカ(ds)

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NAS & DAMIAN MARLEY「DISTANT RELATIVES」 [●HIP HOP]

collaboration album 2010.05.26

NASとダミアン・マーリーによる奇跡のコラボレーション・アルバム
ヒップホップ+レゲエの図式を越えた愛すべきワールド・ミュージック

[text●i.akira]

かねてから噂はあったが、こうして実物が手元にあっても信じがたいコラボレーションだ。なにせ高い文章力でさまざまな角度から物事を捉えたリリックが高い評価を受け続けているヒップホップ界の大物NASと、ボブ・マーリーの息子であり、それに恥じぬ才能と表現力を持った神の子ダミアン・マーリーの競演である。しかし、その音を聴けば、それがいかに強い絆と意志で結ばれているか理解できる。

ジャマイカ生まれのダミアンと、ニューヨーク生まれのNASが本作のテーマとして掲げているのは、ジャケットにも記されている“アフリカ”である。ヒップホップとレゲエという自分たちの音楽の、それ以上に血の故郷である“アフリカ”への思いを、忘れてはいけぬ敬意と愛を、貧困や紛争により今なお流れ続ける血への怒りと悲しみを力強く綴り歌っている。

サウンド面ではダミアンが全面的にプロデュースしており、DJとしても高い手腕を誇る彼によって、アフリカ音楽のリズムを随所に取り入れ、過去のクラシックサンプリングするなど、隅々までアフリカや父を含めた先人たちへのリスペクトに溢れている。レゲエの貴公子と呼ばれながら、1999年に42歳の若さで他界したデニス・ブラウンの楽曲「Promised Land」を彼の歌声も含めてサンプリングした「Land Of Promise」や、アフリカの盲学校で知り合った夫婦による新たなるアフリカン・ミュージック・ユニットMAMADOU & MARIAMの「SABALI」を取り入れた「PATIANCE」などは、その典型と呼べるだろう。単純なヒップホップ+レゲエの図式は当てはまらない愛すべきワールド・ミュージックだ。

DISTANT RELATIVESという言葉には、“遠い親戚”という意味がある。それはお互いであり、アフリカであり、人類を指している。誰もが手をつなぎ、誰もが故郷を思えば、争いのない世界になる。たとえ絵空事と呼ばれても、彼らはその理想を強い意志で切り開こうとしている。大きすぎる愛に溢れた美しき作品だ。

TOWER RECORDS ONLINE[Distant Relatives]

ディスタント・リラティヴス

DISTANT RELATIVES/ディスタント・リラティヴス

  • NAS & DAMIAN MARLEY
  • ユニバーサルインターナショナル
  • 2010/05/26
  • CD
■Track listing
01. As We Enter/アズ・ウィー・エンター
02. Tribal War/トライブス・アット・ウォー feat.K'naan
03. Strong Will Continue/ストロング・ウィル・コンティニュー
04. Leaders/リーダーズ feat.Stephen Marley
05. Friends/フレンズ
06. Count Your Blessings/カウント・ユア・ブレッシングス
07. Dispear/ディスペアー
08. Land Of Promise/ランド・オブ・プロミス feat.Dennis Brown
09. In His Own Words/イン・ヒズ・オウン・ワーズ feat.Stephen Marley
10. Nah Mean/ナー・ミーン
11. Patience/ペイシェンス
12. My Generation/マイ・ジェネレーション feat.Lil Wayne
13. Africa Must Wake Up/アフリカ・マスト・ウェイク・アップ feat.K'naan
14. Ancient/アンシェント feat. Jr. Reid(日本盤ボーナス・トラック)


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大崎善生著「アジアンタムブルー」 [●BOOK]

2002年第23回吉川英治文学新人賞受賞作「パイロットフィッシュ」の続編
2006年映画化 藤田明二監督 阿部寛・松下奈緒主演


柔らかい荊のような台詞の連なりが
心にいちいちちくちくと突き刺さる

[text●h.mariko]

タイトルの意味は、「アジアンタム」という植物が成長過程で葉を枯れさせてしまう、即ち死んでしまうことを意味するという。

エロ雑誌の編集者、隆二とフォトグラファーである葉子が出逢い、癌に冒された葉子を看護し、喪ってからの時間が描かれる。
淡々と、「生」と「死」の間にあるものを求め、強いては生きること、生きている世界、宇宙の存在と無限大に広がるものに対する意味を考えさせられる。

ただの設定かもしれないが、隆二の職業は奇しくも生を強烈に意識させられる、性欲に関する雑誌。そこから生の根源とはなにか、ということを暗に盛り込んでいるようで、ストーリーとは別の意味で楽しめた。
いや、楽しめる、という内容ではないのだけれど。

大切な人を喪うことが容易であるはずがない。
それを乗り越えようとし、何度も挫折し、這い上がる隆二の姿は読んでいて痛ましい。心にいちいちちくちくと突き刺さる、柔らかい荊のような台詞の連なりは読んでいて辛い思いをした。
有限の生を理解するには、その隙間にある感情を理解すること、なのだろうか。

アジアンタムブルー

アジアンタムブルー

  • 大崎善生著
  • 角川書店
  • 2002/09
  • 単行本

アジアンタムブルー (角川文庫)

アジアンタムブルー

  • 大崎善生著
  • 角川書店(角川文庫)
  • 2005/06/25
  • 文庫

パイロットフィッシュ (文芸シリーズ)

パイロットフィッシュ

  • 大崎善生著
  • 角川書店
  • 2001/10
  • 単行本

パイロットフィッシュ (角川文庫)

パイロットフィッシュ

  • 大崎善生著
  • 角川書店(角川文庫)
  • 2004/03/25
  • メディア: 文庫

TOWER RECORDS ONLINE[アジアンタムブルー]

アジアンタムブルー [DVD]

アジアンタムブルー

  • 角川ヘラルド映画
  • DVD
■cast 
阿部寛(山崎隆二)
松下奈緒(続木葉子)
小島聖(ユーカ)
佐々木蔵之介(川上音彦)
高島礼子(川上由希子)
村田雄浩(五十嵐)
小日向文世(沢井速雄)



dolce (DVD付)

dolce

  • 松下奈緒
  • ERJ
  • 2006/10/18
  • CD(DVD付)


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Pink Floyd「A Saucerful of Secrets/神秘」 [●ROCK]

2nd.album 1968.06.29

好奇心と
生まれえるかもしれない奇抜なアイデアと引き換えに
命を削るような作品に、なぜ引かれるのだろう

[text●k.ryo]

初期ソニックユースが、
ペットサウンズ」や
「サージェントペパーズ」をカバーしてるような・・・、
不思議なポップさとダークさが同居したアルバム

このアルバムまでは(レコーディングの途中で脱退したとはいえ)、
初期ピンクフロイドの重要人物であるシド・バレットが在籍してるし、
同時代の影響もあり、
プログレの代表格というイメージのあるこのバンドだけど、
あきらかに、サイケデリック・バンドである。

曲が長いイメージのプログレ的な曲は、1曲。
ダークなオルガン(?)の使い方が、
「get up with it」期のマイルスの4、5年先をいっている。
そしてこの表題曲(「A Saucerful of Secrets/神秘」)の終わったあとの、
異様なポップさが、逆にコワく、
唯一のシド・バレット作であり、
前作のイメージを引きずったサイケポップ(「Jugband Blues 」)で
幕を閉じる。

ある意味、とっ散らかったアルバム・・・。
それはあたかも収集のつかなくなったバンドの人間関係のようで・・・。
ラストの曲が、狂人になってしまう社会不適合者からの
はなむけなのか、
新しく生まれ変わろうとしているピンクフロイドが、
過去になりつつある才能を、分断しているのか。

そんなことを考えると、悲しくなるアルバムだ。

物語性が悲しいバンドは、ほかにもいるだろうが、
音楽単体でも、これほど悲しい気持ちにさせられるアルバムは、
何度も繰り返して聞くものではないけど、
半年後に聞いても、たぶん色あせない斬新さがあるだろう。

好奇心と
生まれえるかもしれない奇抜なアイデアと引き換えに
命を削るような作品に
なぜ引かれるのだろう

健全で気持ちいいアルバムがあるのか、
シラフのときに考えてみるのもいい。
だけど、こういったアルバムの気持ちよさを
深く実感するのは、

いろんな意味で酔っているときなんだろう。

TOWER RECORDS ONLINE[Pink Floyd「A Saucerful of Secrets/神秘」]

神秘

A Saucerful of Secrets/神秘

■Track listing
01. Let There Be More Light/光を求めて(Waters)
02. Remember a Day/追想(Wright)
03. Set the Controls for the Heart of the Sun/太陽讃歌(Waters)
04. Corporal Clegg/コーポラル・クレッグ(Waters)
05. A Saucerful of Secrets/神秘(Waters, Wright, Mason, Gilmour)
06. See-Saw/シーソー(Wright)
07. Jugband Blues/ジャグバンド・ブルース(Barrett)


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友川カズキ「青いアイスピック」 [●FOLK]

new album  2010.12.15

それは詩か、絶叫か、冷笑か、人生か
奇才・友川カズキの描く現実と現実の隙間

[text●i.akira]

友川カズキ。音楽家であり、詩人であり、画家であり、競輪評論家である。1950年に秋田県で生まれた彼は、中原中也の詩「骨」に大きな影響を受け、いわゆる70年代フォーク・ブームの隅でこっそりとデビューした男である。秋田弁訛りで、絶叫とも冷笑ともつかぬ歌声、人生や博打や生や死を痛烈に描いた独創的な詩世界、感情のままにかきむしるギターの音が強烈なインパクトを与えるその音楽は、これまで大きなヒットなどとは無縁である。しかし、彼の存在を知ってしまったコアな音楽ファン、数多くのアーティストや著名人から絶対的な支持を受け続けている。

「青いアイスピック」は彼の最新作で、ホームレスをテーマにした異色作である。ホームレスの抱える痛みを“この国のボスには判らない”と批判する表題曲「青いアイスピック」や、彼が敬愛する競輪の用語をタイトルにして、戦後詩に多大な影響を与えた詩人・田村隆一の「言葉など覚えるんじゃなかった」という一説を暴れる情念に吐き捨てるように叫ぶ「先行一車」など、いかにも彼らしい詩が並ぶ。同時に、「2010、夏、オガ(お母)」や「1人ぼっちは絵描きになる」においては作曲家としての高い表現力を聴かせてくれる。また、日本ではオクラホマ・ミキサーの名で知られるアメリカ民謡の「TURKEY IN THE STRAW」に独自の詩をつけて歌った「どこへ出しても恥ずかしい人」など、本気とも冗談ともつかぬ遊び心も取り入れている。
彼の作品やライブにおいて大きな貢献を果たしてきた盟友である頭脳警察の石塚俊明(Ds)、ロケット・マツの名で知られるマルチ・アーティストの永畑雅人(Piano,Accordionなど)、永畑のユニットPascalsのメンバーである松井亜由美(Violin)による演奏も、友川カズキという音楽をより強烈に、より美しく際立たせている。

彼の独特な詩世界は、本作と同時発売された「友川カズキ詩集 1994-2010 ユメは日々元気に死んでゆく」にもたっぷりと収録されているので、そちらもぜひ手に取ってほしい。

そして現在新宿K’s cinemaなどで彼を題材にしたドキュメンタリー映画「花々の過失」が公開中である。監督はR.E.M.やSigur RósのPVなどを手がけ、最近ではMogwaiのライブ作品「Special Moves/Burning」の監督も務めた若き映像作家ヴィンセント・ムーン。本作はコペンハーゲンドキュメンタリー国際映画祭において「Sound and Vision Award 2009」を受賞し、賞賛されている。

還暦を迎え、今までにないほどに注目を集めている友川カズキ。しかし、本人はなに食わぬ顔で街を、呑み屋を、競輪場を、現実と現実の隙間をふらふらと漂っているに違いない。友川カズキとはそんな音楽である。

OFFICIAL WEB SITE→ http://kazukitomokawa.com/j/ 
花々の過失 WEB SITE→ http://lafautedesfleurs.com/j/la-faute-des-fleurs 

TOWER RECORDS ONLINE[友川カズキ]

青いアイスピック

青いアイスピック

  • 友川カズキ
  • PSFレコード
  • 2010/12/15
  • CD
■Track listing
01. 青いアイスピック
02. 鬼の日
03. 2010、夏、オガ(お母)
04. 一人ぼっちは絵描きになる
05. 明るい耳
06. どこへ出しても恥かしい人
07. 花あそび
08. 先行一車
09. あれは兄達





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山崎ナオコーラ著「人のセックスを笑うな」 [●BOOK]

2004年第41回文藝賞受賞小説 2007年映画化 2008年1月公開

恋愛って簡単なようで難しくて
でも難しく考えても何もいいことはない、ということを淡々と
瑞々しい透明感のある文章が綴ってゆく

[text●h.mariko]

磯貝みるめ、19歳。
美術専門学校に通う、どこにでもいるような、今時の男の子。
猪熊サユリ、39歳。
専門学校講師。うだつの上がらない、どこにでもいるような、おばさん
そんなサユリ、通称ユリちゃんに、みるめは恋をする。
ユリちゃんは夫がいるのだが、
みるめはユリの「アトリエで君を描きたい」という誘いに応じ、
ふたりの距離は縮まっていく。

不倫の話?
まあ、それはそうだ。
ユリちゃんが結婚しているのは間違いないし。

でも、ものすごい、切ないのだ。
できれば、ふたりがこのまま、
ずっと一緒にいてほしいな、なんて願ってしまうくらいに。
でも、そんなにうまく行ったったら、多分面白くないのだ。
「こんなの小説の中だけだぜ」ってやつなのだ。

ユリちゃんがものすごくカワイイ。
どうも、パーマも取れかかっているみたいだし、
化粧っ気もなく、服装がセクシーだとかいうわけではないのだが、
醸し出す雰囲気がやたらと「女」なのだ。
ひと言ひと言が重たい、それが年上の女のいいところ。

そして、みるめもものすごく、カワイイ。
年下だってわかっているくせに
精一杯ユリちゃんをリードしようとするところとか、
ときどき優越感に浸りたいけど
やっぱりユリちゃんのことを優先してしまうところとか、
友達の堂本から紹介されたえんちゃんに、
キスしちゃってから後悔するところとか。

みるめの悩みの根源は、
やっぱりユリちゃんが結婚していることに起因するのだが、
みるめがユリちゃんのことを考え悶々とすることや、
恋愛って簡単なようで難しくて、でも難しく考えても何もいいことはない、
ということを淡々と、瑞々しい透明感のある文章がつらつらと綴ってゆく。

切ない。でも、何度も手に取って読みたくなる、
不思議な魅力を放ち続ける作品。

人のセックスを笑うな

人のセックスを笑うな

  • 山崎ナオコーラ著
  • 河出書房新社
  • 2004/11/20
  • 単行本

人のセックスを笑うな (河出文庫)

人のセックスを笑うな

  • 作者: 山崎 ナオコーラ
  • 河出書房新社(河出文庫)
  • 2006/10/05
  • 文庫

人のセックスを笑うな [DVD]

人のセックスを笑うな

  • 井口奈己監督
  • Happinet(SB)(D)
  • DVD
■cast 
松山ケンイチ(みるめ)
永作博美(ユリ)
蒼井優(えんちゃん)
忍成修吾(堂本)
温水洋一(山田先生)
あがた森魚(猪熊さん)

TOWER RECORDS ONLINE[人のセックスを笑うな]
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EGO-WRAPPIN'「ないものねだりのデッドヒート」 [●ROCK]

7th. album 2010.09.15

たとえば、これまでが油彩だったのに対し
モチーフは同じでありながらも、水彩で描きなおしたかのような
淡い彩度のナンバー

[text●o.mihoko]

「満ち汐のロマンス」で、
ライトなJ-Popファンからコアな音楽マニアまで
幅広いリスナーを歓喜させたメジャー・デビューから早10年。
通算7枚目のアルバムである「ないものねだりのデッドヒート」は、
これまでになくポップでありながらも、内省的な作品だ。

シャッフルやロカビリーなどのビートを取り入れた
男前な一面が魅力でもある彼らだが、
今作は男性的というよりは女性的、
これまでが油彩だったのに対し、
モチーフは同じでありながらも
水彩で描きなおしたかのような淡い彩度のナンバー。
“EGO-WRAPPIN'という音”の追求を経て、
改めていまその人間性・内面に
スポットが当てられた内容となった。

その変化を強く感じさせるのは、
前作「EGO-WRAPPIN’AND THE GOSSIP OF JAXX」からも垣間見られた
中納良恵(Vo.)から生み出される歌詞の変化だ。
ラヴソングだけではなく、内へ内へと向かう
よりパーソナルな感情を表わした内容へシフトしているのが印象的である。
決してポジティブとは言い切れない内容でありながらも
中納の歌声が穏やかに響き、淡く蒸発するさまは、
幼いころ、ひとしきり泣いた後に感じた安堵のような
心地よさすら感じさせる。

そして、エゴの真骨頂でもあるアッパーな楽曲も収録。
すでにライヴでも「くちばしにチェリー」や
「サイコアナルシス」に並ぶ盛り上がりを見せる
本作の先行シングル「BRAND NEW DAY」、
森雅樹の嗜好がうかがえるロックステディ・ナンバー「love scene」など、
ライヴ・バンドとしての魅力は健在である。

失速することを許されず、
常に前へ進むことを求められるロックバンドとは違い、
その進む手段や方向が無限に許された存在、
EGO-WRAPPIN'とは、そういう稀有なバンドだ。

2010年で10周年を迎えた年末恒例のライヴ
『Midnight Dejavu』のキネマ倶楽部公演も
すばらしいパフォーマンスで大成功のなか終わった。
まだまだこれからも突き進む決意を、
その姿勢と音で表わしてくれた彼らのたたずまいに
頼もしさと愛おしさでたまらない気持ちになった。

この作品を通して、できればライヴを体感して、
いまこの日本に生きているバンドの瑞々しい姿を感じてほしいと思う。

OFFICIAL WEB SITE→ http://www.egowrappin.com/ 
TOWER RECORDS ONLINE → EGO-WRAPPIN' http://tower.jp/artist/377022/EGO-WRAPPIN'

ないものねだりのデッドヒート 通常盤

ないものねだりのデッドヒート
(通常盤)

  • EGO-WRAPPIN'
  • トイズファクトリー
  • 2010/09/15
  • CD

ないものねだりのデッドヒート(初回限定盤)(DVD付)

ないものねだりのデッドヒート
(初回限定盤 DVD付)

  • EGO-WRAPPIN'
  • トイズファクトリー
  • 2010/09/15
  • CD
■Track listing
[DISC 1/CD]
01. デッドヒート
02. Bell 5 Motel
03. スカル
04. BRAND NEW DAY
05. 方舟
06. 黒いセーター
07. キリがない
08. Heart Beat
09. love scene
10. moment to moment
[DISC 2/DVD]
01. Nervous Breakdown (2001)
02. くちばしにチェリー (2002)
03. あしながのサルヴァドール (2003)
04. カサヴェテス (2004)
05. かつて..。 (2005)
06. ニュースタイム (2006)
07. 雨のdubism (2007)
08. GO ACTION (2008)
09. 色彩のブルース / AIN’T MISBEHAVIN’ (2009)




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佐藤亜紀著「戦争の法」 [●BOOK]

1992 新潮社刊(後絶版)/2003 ブッキング(現・復刊ドットコム)から復刊

その言葉の洪水
淡々と緻密な文で綴られた言葉は芸術的とでもいうか
会話が殆どない文章にはまったく隙がない

[text●h.mariko]

戦争、なんてタイトルに冠していると、つい内容を邪推してしまう。
ひとつは、戦争というものをあれこれと捏ねくり回し、その当事者や政府などが悩み苦しみ、無辜の人々は戦渦を逃げ惑い、命を大切にしましょう、という陳腐なフレーズがつきまとう、そんなもの。もうひとつは、はなから戦争というものを諸悪の根源と描き、これを起こさないためにはどうやって過ごしましょう、あれをしましょう、これをしましょうというこれまた陳腐なフレーズがつきまとう、そんなもの。

そしてこの作品。戦争の、法である。法律、なのか、方法、なのか、とにかく読んでみようとページをめくった。

ぶっとんだ。

巷にいうところの戦争というイメージはこの作品からは感じ取れない。むしろ、キャラクターたちが話しているオペラのことなどに気を取られて、血腥さはおろか、銃撃戦も戦闘機も無縁の世界なのである。
主人公、たかしの目から見た、独立宣言をしたN県のゲリラたちの動きが事細かに描かれている。どうやってそのなかを生きるか、身近にいる千秋や伍長を見ながらたかしが考える、その言葉の洪水。淡々と緻密な文で綴られた言葉は芸術的とでもいうか、会話が殆どない文章には隙が感じられない。
確かに戦争というのは、やってる本人たちが云々というものであり、第三者、また第三国が何やら口を出すのはおかしいのである。そしていちばんの当事者である戦争をやっている国の人々がその日そのときをどう過ごすのかというのが大切で、目の前を通り過ぎるひとコマひとコマをどうすごすかがいちばん大切なのだ、ということが、この本には描かれている。

戦争の法

戦争の法

  • 佐藤亜紀著
  • ブッキング
  • 2003/10
  • 単行本

戦争の法 (文春文庫)

戦争の法

  • 佐藤亜紀著
  • 文藝春秋(文春文庫)
  • 2009/06/10
  • 文庫


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BOREDOMS「SEADRUM ⁄ HOUSE OF SUN」 [●ROCK]

大半の時間は
ドラムとピアノ&奇声からなる同じようなリズムとフレーズだけど
これほど短く感じる20分超えがあるだろうか

[text●k.ryo]

今1曲目が聞き終わり、
2曲目を聞きながら、放心状態で書いてます。

ボアは、ライブがほんとに凄まじくて、
今まで3回観たライブ、毎回「生涯ベストライブ!」と言えるくらいほかのアーティストの比じゃないんだけど、
CD音源は、どうしてもライブの衝撃には勝らなかった・・・。

その理由はまぁ前から薄々気づいてて、
体全体で踊りながら、発狂しながら、浴びることが、
自宅では無理だからだ。

でも、激しく踊らなくても、ブっ飛べる音源はある。
コルトレーンやマイルスだ。
そしてこの音源も、ブっ飛ぶ!
1曲目、20分以上、
大半の時間は、ドラムとピアノ&奇声からなる同じようなリズムとフレーズだけど、
これほど短く感じる20分超えがあるだろうか。

いろんな音楽を聴いてきてよかったと思う反面、
こういうのだけあれば、ほかいらないなと、
極端な気分にさせられる。


あそうだ、ゴッドスピードの復活ライブ行きます。
同じタイミングで、ボアやhaino keijiやenvyを観れるって豪華なことだ。
※2011年2月27日(日)新木場スタジオコースト

OFFICIAL WEB SITE→ http://www.boredoms.jp/ 

SEADRUM/HOUSE OF SUN

SEADRUM/HOUSE OF SUN

  • BOREDOMS
  • ワーナーミュージック・ジャパン
  • 2004/09/23
  • CD
■Track listing
01. SEADRUM
02. HOUSE OF SUN


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THE DAMNED THINGS「IRONICLAST」 [●ROCK]

米国 2010.12.14(日本 2011.01.12)

超強力なメンバーによる新たなスーパー・バンドのデビュー作
一過性の企画ではない確固たるオリジナリティを持った正統派ロック

[text●i.akira]

すばらしいキャリアや確かな実力を持つアーティスト同士が結成するバンドのことを、“スーパー・バンド”と呼ぶ。元GUNS’N’ ROSESのメンバーとSTONE TEMPLE PILOTSのスコット・ウェイランドによるVELVET REVOLVERなどがそうである。そしてこのTHE DAMNED THINGSもまさしくそんなスーパー・バンドだ。
メンバーは一昨年活動休止したFALL OUT BOYのジョー・トローマンとアンディ・ハーレー、スラッシュ・メタル四天王の一角を担うANTHRAXのスコット・イアンとロブ・カッジアーノ、テクニカル・ハードコアの急先鋒EVERY TIME I DIEのフロントマンであるキース・バックリーという文句なしのメンツである。同時に、はたしてどんなサウンドなのか気になるところだが、意外や意外、あまりにも正統派なハード・ロックである。

様式美とさえ呼べるほど伝統的かつへヴィでシンプルなギター・リフ、力強いグッド・メロディ、荒々しくも高い歌唱力を持つキースのボーカル、速さこそないものの5分以内のコンパクトなサイズに収まった曲たち、随所で聴けるそれぞれの持ち味を活かしたプレイなど、新鮮だとは呼べないが、スーパー・バンドにありがちなかみ合いの悪さや難解さを微塵も感じさせず、決して一過性の企画ではない確固たるオリジナリティを持ったまったく新しいバンドとして成り立っている。これだけのメンバーが集ってこれほどの一体感を持ったサウンドを鳴らせるというのはすばらしいことである。あと、アメコミのような痛快さとブラック・ジョークが光る「We've Got a Situation Here」のPVも必見である。

本作を引っさげてのツアーが決定している彼ら。世界中でおおいに暴れてくれることだろう。同時に、それぞれの活動もあるだろうが、ぜひとも今後も続けてほしいバンドだ。

The Damned Things/ ザ・ダムド・シングス
Keith Buckley/キース・バックリー(Vo.)
Scott Ian/スコット・イアン(G./Vo.)
Rob Caggiano/ロブ・カッジアーノ(G./Vo.)
Joe Trohman/ジョー・トローマン(G./Vo.)
Andy Hurley/アンディー・ハーレー(Ds.)


Ironiclast

IRONICLAST

  • THE DAMNED THINGS
  • Island / Mercury
  • 2010/12/14
  • CD

アイロニックラスト

アイロニックラスト

  • ザ・ダムド・シングス
  • ユニバーサル インターナショナル
  • 2011/01/12
  • CD
■Track listing
01. ハンドブック・フォー・ザ・リセントリー・ディシースト
/Handbook For The Recently Deceased
02. バッド・ブラッド
/Bad Blood
03. フライデー・ナイト(ゴーイング・ダウン・イン・フレイムス)
/Friday Night (Going Down In Flames)
04. ウィヴ・ゴット・ア・シチュエーション・ヒア
/We've Got A Situation Here
05. ブラック・ハート
/Black Heart
06. ア・グレイト・レコニング
/A Great Reckoning
07. リトル・ダーリン
Little Darling
08. アイロニックラスト
/Ironiclast
09. グレイヴラバー
/Graverobber
10. ザ・ブルース・ハヴィン・ザ・ブルース
/The Blues Havin' Blues

※日本盤はボーナストラック収録予定
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佐藤正午著「ジャンプ」 [●BOOK]

「本の雑誌」選出2000年度“ノンジャンルベスト10”年間第1位作品

人と社会と自分の繋がりの希薄さを
嫌というほど感じさせられる
たったひとつの、ちいさなすれ違いだけで・・・

[text●h.mariko]

ある日、彼女が、姿を消した。
アブサンとジンのカクテル、アースクエイクというカクテルを飲み過ぎて文字とおりふらふらになった主人公・純之輔の目の前から、彼女(みはる)がいなくなってしまう。
自分だけでなく、仲の良い友達や同僚、誰にも何も連絡をせずに。

失踪(ジャンプ)した彼女を探してゆくうちに、新たなトラブルが起こり、主人公の純之輔がどんどん巻き込まれてパニック状態に・・・そんなストーリーを想像しながらページを捲るうちに、あれれ? と肩透かしを喰らう。なんだか、やんわりとしていて、危機感がまったくないのだ。失踪という響きからくるものものしさはまったくない。

だって、彼女、失踪しちゃったんでしょ? もっと焦りなさいよ、と思うのだが、それは主人公も同じ気持ちのようで、大層動揺しているのだが、何せ手がかりがないのだから、手のつくしようがない。そのもどかしさのなかで、揺れる。

純之輔の目を通じて、人と社会と自分の繋がりの希薄さを嫌というほど感じさせられる。たったひとつの、ちいさなすれ違いだけで人と人の繋がりは壊れてしまう、それほど脆いものなのだろか?

自分の人生は自分だけのもので、脇道やら寄り道、休憩、いろいろあっても、結局は自分の行く道を見失わない人なら進んでゆけるのかもしれないと思った。人生から「ジャンプ」するのは、案外簡単なことかもしれない。けれど、そうしないであらゆる局面にしっかりと立ち向かってゆける勇気を持つか否かが・・・だということか。

本作は2004年、原田泰三主演で映画化されている。

ジャンプ (光文社文庫)

ジャンプ

  • 佐藤正午著
  • 光文社(光文社文庫)
  • 2002/10
  • 文庫

ジャンプ [DVD]

ジャンプ

  • 佐藤正午原作
    竹下昌男監督
  • バンダイビジュアル
  • DVD
■cast 
原田泰造(三谷純之輔)
牧瀬里穂(鈴乃木早苗)
笛木優子(南雲みはる)
光石研(松永)
鈴木砂羽(天笠みゆき)
寺島進(コンビニ店長)
佐藤隆太(コンビニ店員)
青木さやか(テレビ・レポーター)
平泉成(宣伝部部長)
伊武雅刀(江ノ旗耕一)
中井貴一(営業部部長)
ほか



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ROCK A SHACKA VOL.06「TOP NOTCH TUNES」 [●SKA/SKA-CORE]

DOWN BEAT SELECTION BY GAZ "ROCKIN' BLUES" MAYALL(2003)

ときとしてチャーミングで
ときとしてロックンロールよりも攻撃的な1面を持つスカは
いつでも私に音楽を楽しむ純粋な気持ちを
思い出させてくれる

[text●o.mihoko]

“どんな音楽が好きなんですか?”と聞かれた際に、名刺代わりに貸している1枚がある。それがこの「ROCK A SHACKA VOL.06 TOP NOTCH TUNES」だ。
現代のロックに関心が薄れはじめた20代前半、私と音楽を繋ぎとめたのが、この半世紀近くも前に作られたジャマイカの音楽たちだった。

Drum and Bass Record Druweed監修によるスカ好き必携のビンテージ・シリーズ「Rock A Shacka」の第6弾である本作は、John Mayall&The Bluesbreakersとしても知られるJohn Mayallを父に持ち、自身もDJとして、またTROJANSのリーダーとして活躍するスカ界の重要人物、Gaz Mayallによるセレクト。本場ジャマイカの老舗レーベル、スタジオワン/コクソンの、泣く子もだまるスカ、レゲエの名曲を集めたもの。

2010年にはGazの主宰するパーティー『Gaz's Rockin' Blues』の30周年を祝って奇跡の来日を果たしたStranger Coleと、“Mr. Rock Steady”ことKen Bootheによるデュエット作「Artibella」(1972年)のマシンガン音で始まるこのアルバム。40年を経てもいまだ熱量を失わない熱きジャマイカの音たちを凝縮したこの作品の1曲目にふさわしい楽曲である。
このほかにも、Roland Alphonso、Rita Marley、ダブ界の重鎮Lee "Scratch" Perry、The Wailers、The Skatalites、Don Drummondほか全15曲を収録。

イントロから、匂いたつような煙たさと生々しさ。ときとしてチャーミングで、ときとしてロックンロールよりも攻撃的な1面を持つスカは、いつでも私に音楽を楽しむ純粋な気持ちを思い出させてくれる。
スカ黄金期のベスト盤としても、スカ入門編としてもオススメの1枚だ。

OFFICIAL WEB SITE→ http://www.rock-a-shacka.com/ 

■Track listing
01. ARTIBELLA (MACHINEGUN CUT) / STRANGER & KEN
02. THE FIRST TIME I HEARD THE SKA / DELROY WILSON
03. THIRD MAN SKA THEME / ROLAND ALPHONSO
04. CHAIN GANG / THE JAMAICANS
05. RUDE BOY CHARLIE / CHARLIE ORGANAIRE
06. COME TO ME / RITA MARLEY
07. THE SWEETEST ROCKER IN TOWN / THE WAILERS
08. FEEL LIKE JUMPING / LEE PERRY
09. SAMMY DEAD / DELROY WILSON
10. BRAND NEW SKA / THE SKATALITES
11. SKA SHUFFLE / THE SOUL BROTHERS
12. I REALY LOVE YOU / TINY BROWN
13. SOHO / THE SOUL BROTHERS
14. LAST CALL / DON DRUMMOND
15. AMEN / THE WAILERS


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