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再び全国に散った趣味も性格も全く違うレポーターたちが
ジャンルを飛び越え、新旧流行にとらわれることなく
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どうぞココで、いろんな好きと出合ってくれたなら
ますます楽しくなってしまうじゃない!
音楽、小説、映画、美術、TVショウ・・・いつだって、出合ったときが新しい!

殊能将之著「ハサミ男」 [●BOOK]

1999年第13回メフィスト賞受賞作品

や、や、やられた!!
悔しいけど、もう一回、読むか
ちきしょう

[text●h.mariko]

推理小説ってヤツはあまり好きじゃない。
ミステリーも同じ。
たとえば犯罪が起って、主人公はまあ警察官としよう、それが犯人逮捕に躍起になって、ラストは犯人が捕まって、犯行の動機が語られて、それでオシマイ。その過程にハラハラドキドキがあったとしても、最初の一回で大抵失われる。だって、知っちゃったもんは知っちゃったんだもん。
からくりを知ってるお化け屋敷で驚けって言ったって無理でしょう、それと同じ。

この、ハサミ男、そのいつものテンションで、何気なく手に取った。
いつものように、犯人を追う主人公と一緒にならないように、常に物語全体を把握して、こいつは犯人っぽいけど多分違うな、きっとこいつが怪しくないから、一番怪しくないヤツがこういう時は犯人なんだよな、なんて思いながら、だらだらと読んでいた。

が。

や、や、やられた!!!

結局は作者の掌の上でもんどりうっていただけだと気づかされたときの悔しさといったら!
タイトルにまず一杯食わされ、一人称で描かれるシーン、別の人称を使っているシーン、主人公を混同していることに後になって気がついた。

悔しいけど、もう一回、読むか。ちきしょう。
騙されないぞ、と思って、でも、思いっきり騙されたほうが、こういう本は楽しいのかもしれないので、楽しみ方はご自由にどうぞ。

ハサミ男 (講談社ノベルス)

ハサミ男

  • 殊能将之著
  • 講談社 (講談社ノベルス)
  • 1999/08/05
  • 新書

ハサミ男 (講談社文庫)

ハサミ男

  • 殊能将之著
  • 講談社(講談社文庫)
  • 2002/08/09
  • 文庫


ハサミ男 [DVD]

ハサミ男

  • 東宝
  • DVD
■cast 
豊川悦司
麻生久美子
阿部寛
樋口浩二
斎藤歩
阪田瑞穂
ほか
監督■池田敏春
2005年公開作品


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FOX LOCO PHANTOM「GARDEN」 [●ROCK]

深淵で危険なる愛と憎しみのディストピア
聴くものの五感に訴えかける問題作

[text●i.akira]

前作「SHADOW」からわずか4か月、あまりにも早すぎる新作のリリースである。「GARDEN」と名付けられたそれは、あまりに深淵で危険な香りを漂わせる愛と憎しみのディストピアだった。

歪んだベースラインと毒々しいサウンドが強烈に脳を刺激する「Land」、彼ららしい高速で乱暴ながらポップなメロディの「KITCHEN MONSTER」と「yellow」、懐かしさや「TOY」。タイトルどおりの危うさと刹那の美学を抱いて疾走する「危険な遊び」、自暴自棄で最期を思わせるような詩とディストーションの嵐に心が揺さぶられる「Duad」。特定のジャンルに括ることのできないバラエティ豊かな楽曲が並ぶのはいつものことだが、その詩世界は一貫して痛々しく、破滅を感じさせるような危うさを持っている。ある意味では最も人間の核心を突いた問題作だ。考えてみれば、何もかもを削りながら生き急ぐように活動していた彼ららしい作品でもある。だからこそこれほどに真に迫った緊張感と説得力を得て、聴くものの五感にまで訴えかけるのだ。

なお、彼らは本作のツアー・ファイナルである2011年1月9日の渋谷クラブクアトロでのワンマン公演の後、活動休止することが発表されている。2007年の結成からリリース・ラッシュとツアーを続けてきた彼らには休息が必要なのかもしれない。再び帰ってくる日を待ちわびながら、痛みも絶望も抱きしめるように愛する本作を存分に味わいたいと思う。

OFFICIAL WEB SITE→ http://www.foxlocophantom.net/

GARDEN

GARDEN

  • FOX LOCO PHANTOM
  • PCI MUSIC
  • 2010/11/24
  • CD
■Track listing
01.Land
02.KITCHEN MONSTER
03.yellow
04.TOY
05.危険な遊び
06.Duad


SHADOW

SHADOW

  • FOX LOCO PHANTOM
  • PCI MUSIC
  • 2010/07/21
  • CD
■Track listing
01.midnight sky walker
02.INVADER ACTION
03.SUPER SONIC
04.TAXI DRIVER
05.DEVIL'S CIRCUIT
06.girlfriend
07.GHOST


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絲山秋子著「逃亡くそたわけ」 [●BOOK]

あてどのない旅は非日常的で
不便そうだし、辛そうなのに、どこか羨ましくも思える
けど、くそたわけな毎日に埋没しているんだったら
逃亡しちゃえ

[text●h.mariko]

精神病院から逃げ出した花ちゃんとなごやんが、病とコンプレックスとを織り交ぜた話を淡々としながら九州をぐるりと旅する。
男女がふたり、しかも車でふたりっきり、というシチュエーションから想像されるロマンス(?)は、皆無。
むしろ、顎で使われてる感のあるなごやんが可愛らしい。
ゆったりとした九州弁(博多? 詳しくはわからないけど)もいい。
逃亡、というとどこかショッキング、何かを抱えている人が何かに背を向ける、そういうイメージがあるけれど、この作品ではその「何か」がない。
ただ、くそたわけな毎日からは、逃亡した、それだけ。
あてどのない旅は非日常的で、不便そうだし、辛そうなのに、どこか羨ましくも思える。
文明や仕事に追いかけ回されてるばかりの生活じゃ、結局灰色のくそたわけな世界。
それじゃあ逃亡でしょ、という気持ちには深く同感。
くそたわけな毎日に埋没しているんだったら、逃亡しちゃえ。

逃亡くそたわけ

逃亡くそたわけ

  • 絲山秋子著
  • 中央公論新社
  • 2005/02/26
  • 単行本

逃亡くそたわけ (講談社文庫)

逃亡くそたわけ

  • 絲山秋子著
  • 講談社(講談社文庫)
  • 2007/08/11
  • 文庫


逃亡くそたわけ 21歳の夏 [DVD]

逃亡くそたわけ 21歳の夏

  • 2007年公開作品
    監督■本橋圭太
    ワーナー・ホーム・ビデオ
  • DVD
■cast 
美波
吉沢悠 
木下ほうか 吉野公佳
我修院達也
中島浩二 つぶやきシロー 
ガッツ石松 田中麗奈
大杉連


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ジュリアン・テンプル監督作品「ロンドン・コーリング -ザ・ライフ・オブ・ジョー・ストラマー -」 [●DVD]

原題 「Joe Strummer: The Future Is Unwritten」
2007年公開作品/ドキュメント映画(英)


今なお多くの人を魅了するジョー・ストラマー
生涯を人々に捧げたリアル・パンクスの物語

[text●i.akira]

伝説のU.K.パンク・ロック・バンドThe Clashのフロントマンであったジョー・ストラマーの生涯を追ったドキュメンタリー映画。

外交官の父の仕事柄、あちこちを転々とする生活を送った幼少期、音楽との出合い、ファシズムに傾倒した兄の自殺、ロンドンでくすぶる日々、仲間もスタイルも捨てて結成したThe Clash、イギリスのみならずアメリカでの商業的成功による戸惑いと疑問、The Clash解散による虚無に苦悩し続けた暗黒の10数年、より自由な表現を求めて結成したジョー・ストラマー&ザ・メルカレロスの結成による完全なるカム・バック、そしてあまりにも早すぎる死・・・。
ジョン・メラーという少年がいかにしてジョー・ストラマーとなり、世界中を熱狂させたロック・スターの栄光と挫折を味わいながら、たどり着いた最高の場所で人生を謳歌したのかを当時の友人や関係者からのインタビューとジョー自身のさまざまなコメントにより綴っていく。

とにかくインタビューのメンバーが豪華で、当時の友人たちやThe Clashのメンバーを中心としたパンク・シーンの重要人物たちはもちろん、U2のボノ、THE RED HOT CHILI PEPPERSのアンソニーとフリー、PRIMAL SCREAMのボビーなどの大きな影響力を持ったミュージシャンたちや、ジョニー・デップ、マットディロン、スティーブ・ブシェミなどの俳優たち、ジム・ジャームッシュやマーティン・スケセッシなどの映画監督など、多岐に渡っている。それほど彼は愛され、音楽だけでは語り尽くせない影響を世界中に与えたのである。

残念ながら彼は2002年12月22日に心臓発作で静かに亡くなってしまった。しかし本作で彼は我々に語りかけてくれる。「人はなんでもできる」と。The ClashのCDがキッズにとっての教科書だったように、これからも彼の魂は我々になにかを教えてくれるだろう。


■cast 
フリー(マイケル・バルザリー)/Flea(Michael Bazalry)(Red Hot Chili Peppers)
アンソニー・キーディス/Anthony Kiedis(Red Hot Chili Peppers)
ボノ/Bono(U2)
スティーヴ・ブシェミ/Steve Buscemi
ジョン・クーパー・クラーク/John Cooper Clarke
ジョン・キューザック/John Cusack
ピーター・カッシング/Peter Cushing ( ウィンストン・スミス役/Winston Smith)
ブリジット・バルドー/Brigitte Bardot
ジョニー・デップ/Johnny Depp
マット・ディロン/Matt Dillon
ディック・エヴァンス/Dick Evans
ジャスティン・フリシュマン/Justine Frischmann
ボビー・ギレスピー/Bobby Gillespie(Primal Scream)
アラスデア・ギリーズ/Alasdair Gillies
イアン・ギリーズ/Iain Gillies
ダミアン・ハースト/Damien Hirst
ミック・ジャガー/Mick Jagger
ジム・ジャームッシュ/Jim Jarmusch
スティーヴ・ジョーンズ/Steve Jones
ドン・レッツ/Don Letts
バーニー・ローズ/Bernie Rhodes
マーティン・スコセッシ/Martin Scorsese
トッパー・ヒードン/Topper Headon
テリー・チャイムズ/Terry Chimes
ミック・ジョーンズ/Mick Jones
ジョー・ストラマー/Joe Strummer


The Clash London Calling - The 25th Anniversary Edition

The Clash London Calling
The 25th Anniversary Edition

  • The Clash
  • Sony Music Direct
  • 2004/10/06
  • CD

london calling

london calling

  • The Clash
  • エピックレコードジャパン
  • 1999/11/20
  • CD


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三池崇史監督作品「妖怪大戦争」 [●DVD]

2005年公開 角川グループ60周年記念作品(日本映画)

妖怪は、戦わない
妖怪は、争いは嫌い
妖怪は、祭りが好きだ

[text●h.mariko]


この世ならぬ世界。
すなわちあの世。
どこかで繋がっているのか、この世で見る、「人間以外」の目撃譚は後を絶たない。
幽霊、妖精、妖怪。

ん? 妖怪? 

幽霊、というと、なんだか、怨念を抱いて死んだ人が浮かばれずに、うらめしやと両手を胸の前でぶらぶらさせながら出てくるイメージ。暗い。
妖精、というと、小さな身体で、羽根が生えていたりして、自然の中にひっそりと暮らしていて、なんだか神秘的なイメージ。

じゃあ、妖怪は?

幽霊ほど恐いイメージはないし、妖精のようなカワイイイメージもない。
どっちかというと、酔っぱらって絡んだ相手がすっごいイケメンで、話し込んでいて、朝になって気がついたら地蔵だったとか、うまい飯を食わせてくれると喜び勇んで行ってみたら馬の糞を食わされただとか、なんかムカつくけど、キュートな可愛らしさがあるイメージ。
ひとりくらい、妖怪の友達がいたら、私だったら自慢しまくる。

その、妖怪の大戦争。大戦争、しちゃうんですかあ?!
無理矢理戦争させてしまったこの映画。

妖怪マニアからすると、垂涎のメンバー。
まず雑誌「怪」のメンバーが勢揃いしているところがすごい。
妖怪はCGでなく特殊メイクでやってるところがすごい。
いや、これはすでに特殊メイクでなく、俳優の誰かさんにそっくりな河童を連れてきて出演交渉したとしか思えない出来のよさ・・・
本当にメイクなんだろうか・・・
凝りに凝ったメイクとは裏腹に、ストーリーはビックリする程簡単なお話。

ふとしたことから、麒麟送子に選ばれてしまったタダシ(神木隆之介)は、じっちゃん(菅原文太)、ねえちゃん(成海璃子)のために妖怪と力を合わせて、この世を乗っ取ろうとする魔人・加藤保憲(豊川悦司)率いる悪霊軍団と対決する・・・。

が、妖怪は、戦わない。
妖怪は、争いは嫌いなのだそうだ。
でも、祭りが好き。
ということで、この映画は、大戦争と銘打ってはいるが「妖怪大祭り」のほうが、しっくりくるのではないかと思っている。

これを見たら、もしかして、妖怪があなたの隣に座ってるかも。
そしたら、ぜひ、友達になってみてください。いいヤツだから、きっと。

監督・脚本 三池崇史
プロデュースチーム「怪」水木しげる 荒俣宏 京極夏彦 宮部みゆき
主題歌「愛を謳おう」忌野清志郎 with 井上陽水



■cast 
神木隆之介(稲生タダシ)/成海璃子(稲生タタル/のっぺらぼう)
南果歩(稲生陽子)/菅原文太(稲生俊太郎)
宮迫博之/(佐田)/佐野史郎(「怪」編集長)
豊川悦司(加藤保憲)/栗山千明(鳥刺し妖女・アギ)
宮部みゆき(宮部先生)/大沢在昌(読書好きのホームレス)
徳井優(駐在)/柄本明(牛舎の農夫)ほか
[妖怪]
近藤正臣(猩猩)/石橋蓮司(大首)/阿部サダヲ(川太郎)
竹中直人(油すまし)/遠藤憲一(大天狗)/高橋真唯(川姫)
根岸季衣(砂かけ婆)/田口浩正(一本だたら)
塩田時敏(魍魎)/吉井怜(雪女)
岡村隆史(小豆洗い)/蛍原徹(豆腐小僧)
忌野清志郎(ぬらりひょん)/荒俣宏(山ン本五郎佐衛門)
京極夏彦(神ン野悪五郎)/水木しげる(妖怪大翁)


愛を謳おう

愛を謳おう

  • 忌野清志郎 with 井上陽水
  • ユニバーサルJ
  • 2005/07/27
  • CD



妖怪大戦争 (角川文庫)

妖怪大戦争

  • 荒俣宏著
  • 角川書店
  • 2005/07/23
  • 文庫

水木版妖怪大戦争 (Kwai books)

水木版妖怪大戦争

  • 水木しげる著
  • 角川書店(Kwai books)
  • 2005/08/05
  • コミック


怪 vol.0030 (カドカワムック 352)

怪 vol.0030

  • 角川書店((カドカワムック)
  • 2010/07/22
  • メディア: ムック

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NINE INCH NAILS「The Downward Spiral」 [●ROCK]

グロテスクな自己嫌悪とノイズの渦
世界中を混沌に陥れた問題作にして傑作

[text●i.akira]

1990年代は音楽が最も多様化した時代だったと思う。NIRVANAを代表としたオルタナティブ/グランジや、イギリスで生まれたブリット・ポップ、そしてthe prodigyやunderworldらによるテクノやハウスからさらに進化したエレクトロ・ダンス・ミュージックの台頭など、より幅広い形で音が我々を楽しませてくれた。同時に、それらは混沌とした時代を表わしており、不安定な世界への警鐘のように各地で鳴り響いた。そのなかでもし1枚を選べといわれたら、僕はこの作品を選ぶ。1994年にリリースされたNINE INCH NAILS(以下NIN)のセカンド・アルバム「The Downward Spiral」である。

NINはアメリカで結成されたバンド・・・と呼びたいのだが、基本的にはトレント・レズナーという男によるソロ・ユニットとしたほうが正しい。インダストリアル・ミュージックと呼ばれる無機質でへヴィなサウンド、深層心理を抉るような猟奇的でダークな詩世界、演奏するというよりすべてを破壊するようにステージをのたうち回る強烈なライブ・パフォーマンスが話題を呼んでいた彼の人気を決定づけた本作は、90年代の混沌を見事なまでに表わしている。

嵐のように加速していく暴力的な音と、あまりにも自虐的なタイトルがインパクト大の「mr self destruct」で幕を開けると、そこは混沌と暴力と無数の音が飛び出さんばかりに蠢く未曾有の世界。すべてを豚呼ばわりするミドル・ナンバー「piggy」、イントロのドラムでぶっ飛ばされるライブでも人気のNIN流ハードコア・ナンバー「march of the pigs」、シングル・カットされるほどポップでありながら、醜悪なラブ・ソングである「closer」、まるで叫び声のようなノイズと硬質なビートが耳にこびりつく「The Becoming」、音の塊が四方からじわじわと襲ってくるような感覚に陥るほど不穏で凶暴な「reptile」、そしてさっきまでの喧騒が嘘だったかのように、奇妙な静寂と優しいトレントの歌声が言いようのない痛々しさと神々しさを感じさせる究極のバラードにして本作のハイライト「hurt」で幕を閉じるこのアルバムは、音楽的にも精神的にもへヴィで、決して一般受けするような内容ではないにも関わらず、痛みを抱えたキッズたちの心を捉え、全米チャート2位を獲得するほか、数多くの批評家やアーティストから絶賛を浴び続ける傑作である。個人的にもこれほど説明しがたい魅力、いや、魔力を持った作品に出合ったことは過去にもほとんどない。グロテスクな自己嫌悪とノイズの渦にはまってしまったが最後、恐怖心と好奇心を刺激されるように、何度もCDトレイに入れてしまう傑作である。

ちなみに本作は2004年に発売10周年を記念してデラックス・エディションが発売されている。そちらではトレント本人の手によって5.1サラウンドにビルド・アップされた「The Downward Spiral」の更なる脅威の音世界を堪能することができる。これから彼の作品に触れる方は、ぜひこちらをオススメする。

Downward Spiral

The Downward Spiral

  • NINE INCH NAILS
  • Nothing
  • 1994/03/08
  • CD
■Track listing
01. Mr. Self Destruct
02. Piggy
03. Heresy
04. March Of The Pigs
05. Closer
06. Ruiner
07. The Becoming
08. I Do Not Want This
09. Big Man With A Gun
10. A Warm Place
11. Eraser
12. Reptile
13. The Downward Spiral
14. Hurt


Downward Spiral (W/CD) (Hybr) (Ms) (Dlx)

The Downward Spiral
Deluxe edition

  • NINE INCH NAILS
  • Nothing
  • 2004/11/23
  • CD
■Track listing
[Disk1]
01. Mr. Self Destruct
02. Piggy
03. Heresy
04. March Of The Pigs
05. Closer
06. Ruiner
07. The Becoming
08. I Do Not Want This
09. Big Man With A Gun
10. A Warm Place
11. Eraser
12. Reptile
13. The Downward Spiral
14. Hurt
[Disk2]
01. Burn
02. Closer (Precursor)
03. Piggy (Nothing Can Stop Me Now)
04. A Violet Fluid
05. Dead Souls
06. Hurt (Quiet)
07. Closer To God
08. All The Pigs, All Lined Up
09. Memorabilia
10. The Downward Spiral (The Bottom)
11. Ruiner (Demo)
12. Liar (Reptile Demo)
13. Heresy (Demo)

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桜沢エリカ作「天使」 [●COMIC]

このマンガを読んでいると
人生って、すごく意味のあるもののように言われがちだけど
意外と気を抜いてても、いいのかな、と思ったり、する

[text●h.mariko]

深田恭子主演で映画(「天使」「天使の巣」を原作)にもなったが、個人的にはマンガのほうが好きだ。

マンガはショート・ストーリーが「天使」を通じて展開していく。

コンビニでバイトをしながら、しがない毎日を送る加藤くんは、ある日クラブで間違えて天使をナンパする。以来、天使は加藤くんの家に居着いてしまった。
クラスメイトとイマイチなじめないみづほは自殺を考えていたときに、現われた天使にビックリして自殺どころでなくなる。
保育園に預けられる、ママ思いのちいと天使はすぐに仲良くなる。
加藤くんのところから家出(?)していた天使は、加藤くんがバイト先に来るようになった美帆ちゃんとぎくしゃくするようになったら、また現われた・・・。

天使って何?

天使はひと言も喋らない。ただひたすらにジンライムを飲んで微笑んでいるだけ。気に入った人にはキスをすることもあるみたい。でも、それだけ。
多分、人は誰でも、天使と出会ったり、別れたりしているんじゃないか。
天使は誰の前に現われることもあるし、一生会わない人もいるかもしれない。
ただ、それが「幸せ」や「不幸」と直結しているかどうかはわからない。
天使がにっこり微笑んでいるのを見て、「まあいいか」と肩の力を抜くことができるんなら、それでいいんじゃないかと、思うのだ。
そう、人生って、すごく意味のあるもののように言われがちだけど、このマンガを読んでいると意外と気を抜いてても、いいのかな、と思ったり、する。

天使 (フィールコミックスGOLD)

天使

  • 桜沢エリカ作
  • 祥伝社(フィールコミックスGOLD)
  • 1999/12
  • コミック

天使 2 (Feelコミックス)

天使 2

  • 桜沢エリカ作
  • 祥伝社(フィールコミックスGOLD)
  • 2006/01/18
  • コミック

天使Ⅰ (祥伝社コミック文庫 さ1-14)

天使 Ⅰ

  • 桜沢エリカ作
  • 祥伝社(祥伝社コミック文庫)
  • 2010/07/17
  • 文庫

天使Ⅱ (祥伝社コミック文庫 さ1-15)

天使 Ⅱ

  • 桜沢エリカ作
  • 祥伝社(祥伝社コミック文庫)
  • 2010/07/17
  • 文庫

天使 [DVD]

天使

  • ハピネット
  • DVD
■cast 
深田恭子(天使)
内田朝陽(カトウ)
永瀬正敏(吉川)
永作博美(カスミ)
森迫永依(ちい)
小出早織(みづほ)
佐藤めぐみ(美帆)
ほか


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Joy Division「Heart and soul」 [●ROCK]

時代を鳴らし、時代とともに消えた刹那の美しさ
Joy Divisionというあまりにも短い青春

[text●i.akira]

U.K.パンクの隆盛が最高潮に達しようとしていた1976年、不況により無機質な工業都市の残骸となっていたマンチェスターにて、SEX PISTOLSのライブを観た若者たちが「あれなら俺たちでもできる」とバンドを結成した。後にJoy Divisionと名乗る彼らのあまりにも短い青春が、この4枚組のBOXに詰まっている。

シンプルながらへヴィなピーター・フックのベースとスティーブン・モリスのドラム、まとわりつくような奇妙なリフを刻むバーナード・サムナーのギター。まるで時代を映す鏡のように響くそれらは、陰鬱な空気が流れていたイギリス全土に瞬く間に広まり、キッズたちを虜にしていった。なによりJoy Divisionを語るうえでどうしても欠かせないのは、イアン・カーティスというボーカリストの存在である。メンバー募集の広告を見てバンドに加入した彼は、どこにでもいそうな若者である。しかしマイクを握りステージに立つと、彼は自らの孤独や、不遇な時代や、退屈な世界を呪うように、独特の低音な声を震わせながら叫び、踊り、会場を揺らした。まるで色彩を失った街を駆け抜ける1台の車のように……。その美しさたるや、例えようもないほどだったことだろう。

しかし1980年5月18日、アメリカ・ツアーの直前にイアンは自宅で首を吊り自殺してしまった。まだ23歳という若さだった。要因は様々だが、けっきょく彼は自分以外の誰も愛せなかったのかもしれない。破滅に向かう自分を愛し、やがて自分さえも否定してしまったのである。そして皮肉なことに、彼の死後マンチェスターという街は息を吹き返し、イギリスでも有数の巨大都市となっていくことになる。

本作には「Unknown Pleasures」と「Closer」という2枚のオリジナル・アルバムを中心に、デモ音源やシングル・バージョンなどが網羅されている。さらに4枚目は彼らの全盛期に収録されたライブ・アルバムとなっており、レコーディングされたものとはまるで違う、激しさと狂気のこもったイアンの叫びを聴くことができる。

時代の闇に憑りつかれ、時代と共に消滅したバンド、Joy Division。
その魂に、ぜひ触れてほしい。

Heart & Soul

Heart & Soul

  • Joy Division
  • Rhino / Wea
  • 2001/08/28
  • CD


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奥田英朗著「ウランバーナの森」 [●BOOK]

初版 1997.08.18 講談社刊

苦しみを癒して、少し優しく、大きくなれる人たち
やわらかくて笑える素敵な一冊

[text●h.mariko]

ジョンは元・人気ミュージシャン。日本人のケイコが妻。軽井沢で避暑中。
ふたりは駆け落ちに近い形で結婚したのだけど、とても幸せに毎日を過ごす。
ところがジョンに訪れるピンチ。
便秘。
なにをどうやっても、出ない。
そこで、病院へ。
普通だったら、まあ、内科にでも行って、下剤でも処方されるんだろうけど、ジョンは心の病と診断される。
そうして出会う幽霊たち。
語り合う時間。
便秘と一緒に悩みも吹き飛び、最後には「It's so fine!」

超人気ミュージシャンでジョンさんっていったら、まあ間違いなくレノンさんなんだろうけど、そこらへんは読者の想像にお任せということで。
出会う幽霊さんたちも、まあ、有名なあの人やこの人なんだろうけど、それも想像にお任せってことで。

タイトルにもなっている「ウランバーナ(ullambana)」とは、サンスクリット語で「苦しみ」を意味し、「うらぼんえ(盂蘭盆会)=お盆」の語源だそうな。
苦しみを癒して、少し優しく、大きくなれる人たち。
やわらかくて笑える素敵な一冊。
しかし、便秘の描写がリアルである。これは、実体験も含んだ物語だろうと、同情。あくまで、私の想像だけど。
直木賞作家奥田英朗のデビュー作。



ウランバーナの森

ウランバーナの森

  • 奥田英朗著
  • 講談社
  • 1997/08
  • 単行本

ウランバーナの森 (講談社文庫)

ウランバーナの森

  • 奥田英朗
  • 講談社(講談社文庫)
  • 発売日: 2000/08/10
  • 文庫


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PERIDOTS「MY MIND WANDERS」 [●ROCK]

剥き出しの歌声
繊細で、力強く、何にも屈しない意志が詰まったアルバム
しかし、これはまだまだ序章に過ぎない

[text●y.yuya]

2006年にミニ・アルバム「PERIDOTS」でデビューして以降、フル・アルバムの発売を、もっとも望まれていたPERIDOTS(ペリドッツ)が、満を持して、待望すぎるフル・アルバム「MY MIND WANDERS」をリリース! 
苦節を乗り越えて、これが新たなスタートとなるタカハシコウキのソロ・ユニットPERIDOTSの4年越しのファースト・フル・アルバムは、本当に「待った甲斐があった」と言えるほどの、素晴らしいという言葉の定義が滲むくらいに素晴らしい作品に仕上がった。

ギター、ベース、ドラム、ボーカル以外の、できる限りの無駄を削ぎ落として生まれたソリッドな音像は、非常にシンプルでストイックだ。
冒頭を飾る「My Mind Wanders」の最初の1音が鳴った瞬間、そのソリッドな音像からこれまでのPERIDOTSの作品とははっきりと違う異質を見出すことができる。そしてその異質を本質へと導くタカハシコウキの剥き出しの歌声、誰にもマネのできないその歌声の生々しさが、ゾクゾクと魂を揺さぶる。やはりすごい。そうしてタカハシコウキは、この類まれなる歌声でいつも本質を射抜いてきた。今作の核ともなるこの曲では、”心の赴くままに”自分のままでいることを歌っている。メロディーの広がりとともに、楽曲のまばゆさが増していく様は、まさしくPERIDOTSというアーティストの新たなスタートを象徴している。

このひとつのハイライトのほかにも、今作には数年前からライブで披露されていた「メトロ」や「Last One」、「夜のページ」などの過去の楽曲も収録され、特にファンには馴染み深い「オールライト」から「メトロ」への流れは、1曲目の「My Mind Wanders」で既に迎えたハイライトをそのまま引き継ぐような形となるだろう。そう、この音源化されていなかった過去の名曲たちが今作に多数収録されたこともまた感慨深いのだ。ピアノとグラスハープのみで歌われる「夜のページ」の絵本のような情景描写の美しさは、ラストに向かうタカハシのファルセットとともに至上のカタルシスを与えてくれる至高の1曲である。

そして今作の終着となる「どこへ」は、PERIDOTSが2008年に所属事務所とレコード会社との契約を解除したあとに、みずからYouTubeに開設した公式チャンネルにてアップロードしていた新曲群のうちの1曲(「Head to Toe」もそのうちの1曲)である。PERIDOTSの楽曲は、希望絶望どちらかに傾いているわけではない。その中間で、どちらの可能性も孕みながら、ただそこに在る世界を歌っている。この「どこへ」もそうであるように、”あなたはどこへいった”、”母も父も兄も/どこへどこへ行った/それとも僕ら/ただ行き違った”と歌う。さまよい続けるように、そこにある世界を受け入れていくように、このうえないくらい人間らしく、PERIDOTSの音楽は存在している。

最後に、この余計な装飾を削ぎ落とした裸のアルバムが纏うまばゆい光沢は、多くのロック・バンドがファースト・アルバムにしか出すことのできない、あのキラキラとした煌きと同じものである。歌いたいことをただ一心不乱でパッケージングしたことによって生まれる奇跡。まさしくこのアルバムには、あの煌きが宿っているのだ。PERIDOTSのもっともポピュラーなメンバーである久保田光太郎、中畑大樹、FIREらとともに制作したことも大きな要因だろう。繊細で、力強く、何にも屈しない意志が詰まった今作は、PERIDOTSというアーティストがこれまでに歩んできた道のりと、これから歩んでいく道のりの中継地点である。ここからPERIDOTSは再び歩き出す。「MY MIND WANDERS」、これはまだまだ序章に過ぎない。

OFFICIAL WEB SITE→ http://www.peridotsonline.com/ 

MY MIND WANDERS

MY MIND WANDERS

  • PERIDOTS
  • tearbridge records
  • 2010/11/17
  • CD
■Track listing
01 My Mind Wanders
02 オールライト
03 メトロ
04 急に石が飛んできて / Rhapsody Falls / 罪
05 Last One
06 Head to Toe
07 Nothing Is Coming
08 夜のページ
09 Tokyo to Tokyo
10 Life
11 どこへ

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京極夏彦著「魍魎の匣」 [●BOOK]

百鬼夜行シリーズ第2弾
1996年 第49回日本推理作家協会賞受賞作品


人の心の深淵は誰にも覗くことができない、わからない 
それをわかったつもりでいると、手痛いしっぺ返しがくる
人の心など、誰にもわからないものなのだから

[text●h.mariko]

「魍魎」という言葉を手元の辞書を引いてみる。
魍魎——①水の神。②山や川の精。木や石の精。「魑魅——」
この世のものではない、どうやら精霊のようなものを指す言葉のようだ。
では、後に続いた「魑魅魍魎」では?
魑魅魍魎——①山中の怪物と水中の精。②いろいろの化け物。
なんとも要領を得ない説明だろうか。ここからわかることは、「自然にいるらしい」「人とは異なるもの」ということくらいだ。しかも、化け物と精霊とは、かけ離れた存在にも思えるが、混同されているのはどういうことか?

「姑獲鳥の夏」から続く百鬼夜行シリーズ第2弾では、タイトルに当てられた妖怪の名前が、この「魍魎」である。辞書からの引用でもわかるように、この物語、「はっきりしない」ことが「焦点」である。

またも、関口巽の登場である。

関口は、夏に終ったばかりの事件に心を乗っ取られたように惚けて暮らしていた。
そこに、事件記者の鳥口守彦から「御筥様」という怪しげな宗教団体を糾弾したいので手伝ってほしいと、半ば強引に連れ出される。この団体は、湧き出た魍魎を箱に収めて退治し、布施の代わりに金品を「仕舞っておく」という一風変わった団体である。

一方で、警察官、木場修太郎の登場である。

木場は、夏に起きた奇怪な事件の調書を書くのに追われ、へとへとの体で愛する煎餅布団に向かう途中、乗った列車が事故を起こした。女子学生が轢かれたという。被害者の柚木可奈子、隣で泣く楠本頼子の言葉は要領を得ない。重傷の可奈子を助けるため、同行するうちに隣町に着いてしまい、事件に深く関わってゆくことになる。
また一方では、バラバラ殺人事件が起き始める。手が数本、足が数本といった具合に、胴体や顔が出てこぬままに打ち捨てられた身体が、相次いで発見されるのである・・・。

表向き、まったく関係のなさそうな事件たち。
それこそ、魑魅魍魎である。
妖怪社寺宗教、さまざまな方面に異常ともいえる記憶力で知識を蓄える京極堂さえも、この事件には関わりを持ちたがらない。曰く、「魍魎はややこしいから」。

この事件の中心は、すれ違い、というところだろうか。
人の心の深淵は誰にも覗くことができない。わからないのだ。それをわかったつもりでいると、手痛いしっぺ返しがくる。深く、悲しい物語の終結は、本当にこれしか道はなかったのだろうか、という思いだ。だが、これも、余計なお世話というものだろうか。
人の心など、誰にもわからないものなのだから。

魍魎の匣

魍魎の匣
(愛蔵版)

  • 京極夏彦著
  • 講談社
  • 2004/01
  • 単行本

文庫版 魍魎の匣 (講談社文庫)

魍魎の匣

  • 京極夏彦著
  • 講談社(講談社文庫)
  • 1999/09/14
  • 文庫

原田眞人監督で映画化 2007年12月22日公開

魍魎の匣 スタンダード・エディション [DVD]

魍魎の匣
スタンダード・エディション

  • ジェネオン エンタテインメント
  • DVD
■cast
堤真一/京極堂(中禅寺秋彦)
椎名桔平/関口巽
阿部寛/榎木津礼二郎
宮迫博之/木場修太郎
マギー/鳥口守彦
谷村美月/楠本頼子
寺島咲/柚木加菜子
黒木瞳/柚木陽子
柄本明/美馬坂幸四郎
大森博史/寺田兵衛
ほか


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SPACEMEN 3「Performance」 [●ROCK]

どうやらワンコードという
“反復”が快楽への一要素な気する。
のだけど、どうでしょう

[text●k.ryo]

酒が好きです

ぶっちゃけ酒ならなんでもいいっす

ということで、スペースメン3・・・
のちのスピリチュアライズドです
特にこのアルバムは、
爆音サイケそのものです
ので、酒を飲めない人には、伝わらないだろう
と思うけど、
今書いています。

まず、ワンコードなのがいい
つまり少し聞いただけで、
エアギターができる。
そして、どうやらワンコードという
“反復”が快楽への一要素な気する。
のだけど、どうでしょう

たとえば、ミニマルテクノ
現代音楽などなど・・・
ある意味すべてサイケ

はい、今酔っぱらってます

この原稿に魂がこもってないだろうけど、
酔ってるときに聴く
このアルバムは、気持ちいい

「come together」
ウィスキーとともに

追記 ドラッグで社会不適合者になってしまうアーティスト、
たとえば、リバティーンズやピンクフロイドや・・・
そんなロックの歴史も知ると
またおもしろい
かな


Performance

Performance

  • SPACEMEN 3
  • Fire Records
  • CD

■Track listing
1) Mary Anne
2) Come Together
3) Things'll Never Be The Same
4) Take Me To The Other Side
5) Rollercoaster
6) Starship
7) Walkin' With Jesus

SPACEMEN 3、初のライブ・アルバム
1988年2月6日 アムステルダムのライヴ・ハウス 「De Melkweg」 にて録音


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恩田陸著「夜のピクニック」 [●BOOK]

2005年 第2回本屋大賞 第26回吉川英治文学新人賞受賞作品

夜を徹して80kmを歩く「北高鍛錬歩行祭」
高校生活最後を迎えた主人公たちが
さまざまな想いを胸に秘めて歩き始める・・・

[text●h.mariko]

「夜」というと、闇が展開する、不気味な世界。「ピクニック」というと、思わずスキップしながら出掛けてしまうような、楽しさ。そのふたつの単語がタイトルのこの作品、いったいどんな世界なのだろう?
楽しみにしながら表紙を開き、気がついたら、読み終わっていた。それくらい、熱中してしまった。

とある高校、北高の、学校挙げてのお祭。それは「夜通し歩く(24時間かけて80kmを歩く)」という一風変わった伝統行事である。その名も「北高鍛錬歩行祭」。1日目はクラスごと固まって歩き、2日目の地点からはマラソンのように走ってもよい。ただ、それだけ。
甲田貴子は、この行事で、ある賭けに出ようと心密かに考える。
西脇融は、この行事で、マラソンしようか、考えている。
貴子の親友の遊佐美和子は、大和撫子のような外見とは裏腹にしっかりタイプ。
マラソンでこの行事を締め括ろうと考える戸田忍は、密かに融を心配している。
高校生という、中途半端な、でも一丁前な気分を満喫している最中のお祭り。しかし、若いから何でもやってしまえというばか騒ぎとかどんちゃん騒ぎではなく、話はあくまで「歩行」しながら、その歩みと同じようにゆるりと進んでいく・・・。
恩田女史の描く高校生は、大抵、爽やかだ。性愛の馨りも、汗臭さもない。が、妙に生々しい。それは、「誰もが通った道」を、丁寧に描いてくれているからではないか。

たとえば小学生は、頑丈にできている。外で遊び、風の子といわれ、夏は日焼け、冬は雪焼けして遊ぶ。何から何まで自然が教えてくれる、そんな年齢。中学生は、そんな小学生が馬鹿らしく見えてくるけれど、奔放にできない環境と自分のプライドが邪魔をしあい、それに揉まれているうちに終ってしまう年齢。
そして高校生は、少しずつ大人と言える年齢になり、将来を考えろと人生18年しか経っていないのに進路指導され、果たしてどうすべきかと迷いつつも、「オトナになってきたんだ」と思える、そんな年齢ではなかろうか? それは人を思う気持ち、恋愛感情にも如実に現われる。今までただの「お友達の延長」だった恋愛対象が、急に異性に感じられて。

その、高校生という微妙な年齢の読者が読んでも、恐らく高校など過去の遺物になった年齢の読者が読んでも、「何か」を思い出させてくれる、そんな一冊である。

夜のピクニック

夜のピクニック

  • 恩田陸著
  • 新潮社
  • 2004/07/31
  • 単行本

夜のピクニック (新潮文庫)

夜のピクニック

  • 恩田陸著
  • 新潮社(新潮文庫)
  • 2006/09
  • 文庫


長澤雅彦監督で映画化、2006年9月30日に公開

夜のピクニック ピクニックパック [DVD]

夜のピクニック
ピクニックパック

  • ハピネット・ピクチャーズ
  • DVD

夜のピクニック 通常版 [DVD]

夜のピクニック
通常版

  • ハピネット・ピクチャーズ
  • DVD

ピクニックの準備 [DVD]

ピクニックの準備

  • ハピネット
  • DVD
■cast 
多部未華子(甲田貴子)
石田卓也(西脇融)
郭智博(戸田忍)
西原亜希(遊佐美和子)
貫地谷しほり(後藤梨香)
松田まどか(梶谷千秋)
柄本佑(高見光一郎)
高部あい(内堀亮子)
加藤ローサ(榊杏奈)
池松壮亮(榊順弥)
ほか



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トニー・ケイ監督作品「アメリカン・ヒストリーX」 [●DVD]

1998年米国公開、2000年日本公開作品

人種差別問題を痛烈に描いたヒューマン・ドラマ
衝撃のオープニングとラストが心を突き刺す

[text●i.akira]

「アメリカン・ヒストリーX」はそんな白人至上主義に傾倒するふたりの兄弟を中心としたヒューマン・ドラマである。黒人を殺したことにより刑務所で3年間を過ごした兄デレクと、そんな兄を崇拝する弟ダニーが3年ぶりの再会によって呼ぶ波紋を描いているのだが、とにかく冒頭から強烈で目を覆いたくなるようなシーンがいくつもある。しかしそれらをあえてリアルに描くことで人種差別が生む痛みと悲しみを見事に表現しており、作品中に出てくる「怒りに任せるには、人生は短すぎる」というメッセージとともに、観るものをこの問題と向かい合わせてくれる。あまりにも悲痛で衝撃的なラストは賛否両論あるが、終わりなき争いへの警鐘のように突き刺さる。
主演の兄弟を演じるのは「ファイト・クラブ」などで知られるエドワード・ノートンと、「ターミネーター2」で知られるエドワード・ファーロング。このふたりによって本作は成り立っていると言っていいくらい、すばらしい演技を見せてくれる。特にノートンが見せる黒人を殺した後の誇らしげな顔と、鏡に映るハーケン・クロイツの刺青と向かい合う切ない顔は、映画史に残る名シーンと呼んでいいくらいインパクトがある。

肌の色や過去の恩讐に阻まれず、人と人はつながり合うことができるか。多くの犠牲の上にある人種差別は単純な問題ではないが、ひとりひとりが意識することはできるはずだ。その一歩として、本作を強く勧めたいと思う。

アメリカン・ヒストリーX [DVD]

アメリカン・ヒストリーX

  • アミューズ・ビデオ
  • DVD
■cast
エドワード・ノートン(デレク・ヴィンヤード)
エドワード・ファーロング(ダニー・ヴィンヤード)
ビヴァリー・ダンジェロ(ドリス・ヴィンヤード)
ジェニファー・リーン(ダヴィナ・ヴィンヤード)
ほか


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SIAM SHADE「SIAM SHADE Ⅳ Zero」 [●ROCK]

持ち味は、ストレートなロック
だが、このアルバムでは、まして懐の深さ
人間味のようなものを
強く表現しているように感じる

[text●h.mariko]

どうして、彼らの音楽は世に広く認められなかったのだろう? もっと言ってしまうと、どうしてもっともっと、売れなかったのだろう? 彼らが解散した今、それが無念で、悲しくてならない。
ストレートで、爽快感さえある激しいビート。ツインヴォーカルの美しいハモリ。歌詞の重み。ギター、ベース、ドラム、誰もがハイテクニック。どこを取っても、いいところ以外思いつかないのだが。

ロックな楽曲の印象が強い彼らのアルバムのなかでも、いちばんバラエティに富んだのが、本作だろう。メロディやリズムにも拘りが感じられ、自身のバンドとしての挑戦とも感じられる楽曲が多い。
「Dear...」では友情を、「No! Marionette」では社会風刺を、「1/3の純情な感情」ではタイトルどおりに純情さを、彼ららしく作り込まれた音で鳴らしていく。
このアルバムが前作までと大きく違っているのは、中盤のバラード「誰かの気持ちを考えたことがありますか?」「Virtuoso」「If〜ひとりごと〜」の3曲の存在だ。愛する人を失い、悲しみから立ち直り、ヴォーカルレスの音楽で「独り言」と称した前向きな言葉を歌い上げる楽曲へと繋がるのは、今までのアルバムにはない色だ。そして、激しい愛情を感じる「Love vampire」「 PASSION」が続く。

彼らの持ち味は、ストレートなロック・ナンバーであることは冒頭にも紹介した。が、このアルバムでは、懐の深さ、人間味のようなものを強く表現しているように感じる。通して聴いてみてもその世界観に唸るばかりだ。

SIAM SHADE IV・Zero

SIAM SHADE IV・Zero

  • SIAM SHADE
  • ソニーレコード
  • 1998/01/21
  • CD
01)Dear...
02)No! Marionette
03)1/3の純情な感情
04)Bloody Train
05)Money is king?
06)誰かの気持ちを考えたことがありますか?
07)Virtuoso
08)if ~ひとりごと~
09)Love Vampire
10)PASSION
11)Shout out


MR.BIGのエリック・マーティンや元SKID ROWのセバスチャン・バック、元DOKKENのジョージ・リンチなどのハード・ロック・アーティストたちが参加したSIAM SHADEのデビュー15周年記念トリビュート・アルバムはこちら↓
(ソニー・ミュージック公式ショッピングサイトより抜粋)


SIAM SHADE トリビュート

SIAM SHADE トリビュート

  • アーティスト: ジョージ・リンチ
  • SMJ
  • 2010/10/27
  • CD
01)Don’t Tell Lies / Sebastian Bach
02)GET OUT / Nik Frost
03)1/3の純情な感情(Alt Ver.) / Jani Lane
04)せつなさよりも遠くへ(Alt Ver.) / Richie Kotzen
05)LOVE / Eric Martin
06)Life(Alt Ver.) / John Corabi
07)GET A LIFE / Mike Vescera
08)曇りのち晴れ / Mark Slaughter
09)Dreams / Mike Ruocco
10)Triptych(Alt Ver.) / George Lynch
11)1/3の純情な感情 / Acid Black Cherry

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Dreams Come True「DELICIOUS」 [●POPS]

ありふれた、でも持て余すことが多い、愛や恋
それが実っていても散ってしまっても
彼女は嬉しそうに、悲しそうに、歌い上げる

[text●h.mariko]

初めて吉田美和の声を聴いたのは、幾つくらいだったろうか? 懐かしささえ感じるのだから、相当前だとは思うのだが、具体的に思い出せない。それだけ、慣れ親しんだ感じがする。

名曲が多いと言われるDreams Come Trueだが、どの曲が好きか? と問われたら、間違いなくこのアルバムだと答える自信がある。発売から何年経とうとも色褪せない音楽。歌詞。そういうものを、名作というのではないだろうか。

幼いころにした甘酸っぱい恋の記憶と一緒に、このアルバムは思い出させられる。身近な存在を急に恋愛対象としてみてしまったときの気恥ずかしさ。好き、という感情をシンプルに、且つ大胆に感じたとき。失恋はまるで沈没船のよう、という比喩には今も深く納得してしまう。
吉田美和の声は、どこまでも突き抜けるように、美しく、力強く響く。女性から圧倒的に支持されているのもわかる。彼女の持つ笑顔、声の魅力はほかに代え難い力だ。
ありふれた、でも持て余すことが多い、愛や恋、それが実っていても散ってしまっても、彼女は嬉しそうに、悲しそうに、歌い上げる。それに同感する人の気持ちは、よく解る。
人を好きになる、という感情をここまであたりまえにメロディに乗せられるのは、やはりそのキャリアとキャラクターのなせる技だろうか。

これからも、ずっと、傍にいてくれるアルバム、という気がしてならない。

OFFICIAL WEB SITE→ http://www.dctgarden.com/index2.html 

DELICIOUS

DELICIOUS

  • DREAMS COME TRUE
  • エピックレコードジャパン
  • 1995/03/25
  • CD
01)WEATHER FORECAST
02)いつもいつでも ~WHEREVER YOU ARE "DELICIOUS" VERSION~
03)きづいてよ
04)TORIDGELISBAH
05)i think you do
06)す き ~ALBUM VERSION~
07)The signs of LOVE ~ETERNITY "DELICIOUS" VERSION+~
08)沈没船のモンキーガール
09)たかが恋や愛
10)琥珀の月
11)IT'S SO DELICIOUS
12)サンキュ.
13)おやすみのうた

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泉鏡花著「女客」 [●BOOK]

艶やかで、そして優美
擬古文調の響きも心地好い

[text●k.yoshihiro]

眼も綾な色彩の氾濫とは、泉鏡花の文を評した三島由紀夫の言葉である。
「女客」は明治三十八年に記されたごく短い佳作。二階の間、たゆたう燈りのアクセント、宅の主人と縁続きで乳飲み子を連れ逗留している女性との会話が描かれている。

鏡花作品の魅力は文にあると僕は思う。

下は、主人・謹さんに女客・民さんが手紙を渡す、冒頭のシーンである。

「時に燈りに近う来た、瞼に颯(さっ)と薄紅(うすくれない)」

鏡花の文は艶やかで、そして優美だ。擬古文調の響きも心地好い。
美しいものに対する偏執的ですらある鏡花の意識に、巧みに織りあげられた陶酔の文学。秋の夜長にいかがだろうか。

歌行燈・高野聖 (新潮文庫)

歌行燈・高野聖

  • 泉鏡花著
    「歌行燈」「高野聖」
    「女客」「国貞えがく」
    「売色鴨南蛮」収録
  • 新潮社(新潮文庫)
  • 1950/08/13
  • 文庫

泉鏡花(いずみ きょうか)
1873(明治6)年、金沢生れ。本名・鏡太郎。北陸英和学校中退。
1890(明治23)年上京、翌年より尾崎紅葉に師事。
1895年発表の「夜行巡査」「外科室」が"観念小説"の呼称を得て新進作家としての地歩を確立。
以後、「照葉狂言」(1896年)、「高野聖」(1900年)、「婦系図」(1907年)、「歌行燈」(1910年)等、
浪漫的・神秘的作風に転じ、明治・大正・昭和を通じて独自の境地を開いた。
生誕百年の1973(昭和48)年には金沢市により泉鏡花文学賞が創設された。
(新潮文庫 泉鏡花プロフィールより)

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BUCK-TICK「RAZZLE DAZZLE」 [●ROCK]

BUCK-TICKだからこそたどり着ける境地であり
彼らだからこそ許される乱痴気騒ぎ

[text●i.akira]

BUCK-TICKをひと言で語るのは難しい。1987年のデビュー以来、ひとりのメンバー・チェンジもなく、アルバムごとにそのスタイルを変化させ、雑食に我流の音楽を追い求めながらジャンルも流行も時代も越えて独自の地位を確立してきた彼らは、日本のロック・シーンにおいてあまりにも偉大で崇高な存在だからだ。そしてそのエネルギーはいまだ衰えず、さらなる高みへと向かっている。

前作「memento mori」にて原点回帰したような純度の高いバンド・サウンドを取り戻した彼らが次に向かったのは、とんでもないパーティ・ロック・アルバムである。タイトルの「RAZZLE DAZZLE」という言葉には“どんちゃん騒ぎ”という意味があるが、まさにそのとおり。バンド・サウンドを基盤にしながら、細部までこだわったダンサブルなビートが暴れ回り、まるで秘密のパーティ会場へ迷いこんでしまったような背徳感と昂揚感を聴き手に感じさせてくれる。
さらに彼らが得意とする歪だけどポップなメロディーはより洗練されており、初心者でも聴きやすい圧倒的ポピュラリティに溢れた傑作である。亡くなった友人へのレクイエムでありながらポジティブなメッセージを乗せたアッパーなサウンドがすばらしい「独壇場Beauty」を中心に、アルバム全体にどこかピースフルな空気が漂っているのもおもしろい。

BUCK-TICKだからこそたどり着ける境地であり、彼らだからこそ許される乱痴気騒ぎ。いい意味で、こんな作品をリリースできるのはBUCK-TICKだけだろう。これからも我が道を突き進んでほしいものである。

OFFICIAL WEB SITE→ http://www.buck-tick.com/ 

RAZZLE DAZZLE(初回生産限定盤)(DVD付)

RAZZLE DAZZLE
(初回生産限定盤)(DVD付)

  • BUCK-TICK
  • BMG JAPAN Inc.
  • 2010/10/13
  • CD

RAZZLE DAZZLE

RAZZLE DAZZLE

  • BUCK-TICK
  • BMG JAPAN Inc.
  • 2010/10/13
  • CD
01)RAZZLE DAZZLE FRAGILE
02)RAZZLE DAZZLE
03)狂気のデッドヒート
04)独壇場Beauty-R.I.P.-
05)羽虫のように
06)妖月 -ようげつの宴-
07)BOLERO
08)Django!!! -眩惑のジャンゴ-
09)錯乱Baby
10)PIXY
11)くちづけ -SERIAL THRILL KISSER-
12)月下麗人
13)夢幻
14)TANGO Swanka
15)Solaris

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くるり「アンテナ」 [●ROCK]

冬の陽だまりのような安心感と
「また前を向こう」という気持ちを与えてくれる

[text●h.mariko]

音楽とは、文字が現わすとおり、音を楽しめばよい。それ以外の意味を持たせようとすると、重たくなったり、わからなくなったりする。

くるりの音楽は、ただ、楽しい。

アルバムによって特色が異なることが多い彼らの作品のなかでこの「アンテナ」は、ロックな楽曲が多く、またスローバラードが多いという印象がある。ぼそぼそと話すような岸田繁のヴォーカルが音楽と解け合い、柔らかい空間をつくり出している。それは夜中に飲む少し甘いホットココアみたいな、胃にも心にも優しい、そんな感じだ。
1曲目「グッドモーニング」では寒い冬の始まりを告げるような歌詞と、通じているのかがちょっと不安なふたりの気持ち。4曲目、ライヴでの演奏も多い「ロックンロール」では曲名のとおり、ストレートなビートが心地よい。「花火」と名づけられた6曲目では、物悲しいメロディーがタイトルを裏切る。そうして「How To Go」と、まるで問いかけのようなタイトルでアルバムは終息へ向かう。

誰だって、真っ直ぐに歩きたい。間違った道を歩きたくない。辛い目にも遭いたくない。楽しいことばかりを感じたい。そういう気持ちを我慢するのは、よくないことだ。でも、普通に生活をしていると、しかたがなく「嫌なもの」にぶつかってしまうこともある。そんなときにこのアルバムを聴くと、まるで冬の陽だまりのような、疲れたときにふらりと降り立てる枝葉のような、安心感と、「また前を向こう」という気持ちを与えてくれる、そんな存在感がある。

OFFICIAL WEB SITE→ http://www.quruli.net/ 

アンテナ

アンテナ

  • くるり
  • ビクターエンタテインメント
  • 2004/03/10
  • CD
01)グッドモーニング
02)Morning Paper
03)Race
04)ロックンロール
05)Hometown
06)花火
07)黒い扉
08)花の水鉄砲
09)バンドワゴン
10)How To Go


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BARBEE BOYS「葡萄缶 BARBEE BOYS’10」 [●ROCK]

21年ぶりの武道館公演を収録したDVD
最後の最後まで見逃せない狂喜乱舞の夜

[text●i.akira]

最近の中高生はBARBEE BOYSなんてまともに知らないだろう。でもそんな中高生のお父さまお母さまの青春の1ページには、深々と刻まれているであろう名前だ。そりゃそうだ、彼らは1980年代の音楽シーンを代表するバンドであり、1992年に解散してしまった過去のバンドなのだから。
しかしそんな彼らが2008年のTV番組にて一瞬の再結成を果たすと、突然活発に活動を始めることになった。本作は昨年に引き続いて行なわれた全国ツアー「Bcc:from BARBEE BOYS AD2010」の最終日である日本武道館でのライブをほぼノー・カットで収録したライブDVDである。

「葡萄缶」なんてタイトルの悪ふざけにもニヤリとさせられるが、とにかく驚愕するのはその現役ぶりとバンド感である。実に21年ぶりの武道館公演にもかかわらず、物怖じするどころか、十数年の空白など嘘だったかのような堂々たる演奏ぶりである。ただの同窓会ではなく、以前よりもバンドとして研ぎ澄まされたシンプルさと分厚さを感じるのだからすばらしい。また、ただでさえ個性派揃いだったメンバーは年齢と経験を重ねたことでさらに鮮やかな個々のカラーをギラギラと輝かせながら、遊び慣れた庭を闊歩するように軽やかにふてぶてしく歌い、弾き、叩き、踊る。「ノーマジーン」、「目を閉じておいでよ」、「女ぎつね on the Run」などのヒット曲は当然ながら、2009年のツアーから演奏されている新曲「CRAZY BLUES」を含め、よくぞそれをやってくれた! という隠れた名曲の数々を惜しげもなく披露し、超満員の武道館は終始狂喜乱舞である。KONTAのパンキッシュで難解なMCも健在で、その迷言の数々にこちらがドキドキとしてしまう。2度目のアンコールの後、終了のアナウンスが響くなか、サプライズのように3度目の登場を果たしデビュー曲である「暗闇でDANCE」をやってしまうあたりも、彼ららしくてなんともニクい。単なる懐かしさで手を出してしまった人や、ちらっと覗いてしまった若い人らは度胆を抜かれるじゃなかろうか。

この日のライブ以降、BARBEE BOYSとしての活動はパッタリ止まってしまったが、またひょっこり姿を現わしてくれるのではないだろうか。そのときには、さらに我々を驚かすような仕掛けを用意してくれるに違いない。“チャンス到来”の瞬間を心待ちにしながら、このDVDで“わぁい わぁい わぁい”しようではないか。

OFFICIAL WEB SITE→ http://barbeeboys09.com/ 

葡萄缶 BARBEE BOYS'10 [DVD]

葡萄缶 BARBEE BOYS'10

  • BMG JAPAN =dvd=
  • DVD
01)もォやだ! 02)Na Na Na
03)プリティドール 04)泣いたままで listen to me
05)はちあわせのメッカ 06)三日月の憂鬱
07)a nine days' wonder  08)chibi
09)打ち上げ花火 10)ノーマジーン
11)STOP! 12)ダメージ
13)女ぎつね on the Run  14)目を閉じておいでよ
15)ラサーラ 16)C’m’on Let’s go!
17)負けるもんか 18)マイティウーマン
19)翔んでみせろ 20)チャンス到来
‐Encore‐
21)Dear わがままエイリアン 22)わぁい わぁい わい
23)CRAZY BLUES  24)なんだったんだ?7DAYS
25)暗闇でDANCE


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曽利文彦初監督作品「ピンポン」 [●DVD]

フルCGの試合シーンはまるで格闘。迫力満点
音楽も豪華な面子が揃って、何度も見直しできる映画だ

[text●h.mariko]

卓球、やったことありますか。
温泉に行くと、ときどき置いてある、卓球台。白い、小さな玉をラケットではじくと、心地よい音が響く。正に、ピンポン、といっているような。
どことなく、地味なイメージ、ありませんか。
バスケットボールやバレーボール、野球などと比べると、何だか地味なイメージ。同じラケットを使う球技のテニスやバドミントンと比べても、やっぱりなんだか地味なイメージ。

でもそれは、ただのイメージ。
卓球、それは、小さな台の上で小さなボールで行なわれる格闘技である!! その「激しさ」を秀逸に描き出したのが、この映画。松本大洋の原作マンガを見ると、活版のような不思議な絵をわざわざ映画にする必要なんかないじゃあないかと思ったものだが、これがまたなかなかいいのである。いや、素晴らしく、よいのである。
ペコ(窪塚洋介)、スマイル(ARATA)、アクマ(大倉孝二)、風間(中村獅童)たちが繰り広げる、高校生活を卓球に捧げる熱血青春物語。卓球の緩いイメージは払拭され、強烈に厳しいスポーツとして描かれる「スポーツ的」な部分と、幼なじみのペコ、スマイル、アクマそれぞれの進む道を描いた「青春的」な部分とが上手く溶け込んだ秀作。
フルCGで作られたという、卓球の試合のシーンはまるで格闘。迫力も満点。音楽は、スーパーカー、石野卓球、砂原良則、BOOM BOOM SATERITESなど豪華な面子が揃っているので、こちらを中心にも楽しめる。
好きな方法で、何度も見直しできる映画だ。

ピンポン ― 2枚組DTS特別版 (初回生産限定版) [DVD]

ピンポン
― 2枚組DTS特別版 (初回生産限定版)

  • ジェネオン エンタテインメント
  • DVD
原作■松本大洋
脚本■宮藤官九郎

■cast 
窪塚洋介/星野裕(ペコ) 
ARATA /月本誠(スマイル) 
サム・リー /孔文革(チャイナ) 
中村獅童/風間竜一(ドラゴン) 
大倉孝二 /佐久間学(アクマ) 
.
ピンポン (1) (Big spirits comics special)

ピンポン (1)

  • 松本大洋作
  • 小学館
  • 1996/06
  • コミック
ピンポン (2) (Big spirits comics special)

ピンポン (2)

  • 松本大洋作
  • 小学館
  • 1996/11
  • コミック
ピンポン (3) (Big spirits comics special)

ピンポン (3)

  • 松本大洋作
  • 小学館
  • 1997/02
  • コミック
ピンポン (4) (Big spirits comics special)

ピンポン (4)

  • 松本大洋作
  • 小学館
  • 1997/06
  • コミック
ピンポン (5) (Big spirits comics special)

ピンポン (5)

  • 松本大洋作
  • 小学館
  • 1997/08
  • コミック

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恩田陸著「象と耳鳴り」 [●BOOK]

「もし、あれがあんなふうになれば」という
人の願いや気持ちを
元検判事の関根多佳男は淡々と考え、淡々と語る

[text●h.mariko]

短編集(12編の連作本格推理小説)である。
が、どこかで聞いたことのある、関根多佳雄という、大柄で、お洒落な服を着こなした、甘いものが好きな元判事が主人公である。そう、恩田女史のデビュー作「六番目の小夜子」の登場人物の、父親である。「スピンオフ」という言葉がここ数年流行ったが、正にこれは恩田作品のスピンオフである。
この関根多佳雄、何とも言えない。
検事という職業に就いていたこともあってか、眼光鋭く、人を見る目は確かである。甘いものに目がなく、推理小説が何より好きで、常にものを考えることが好きであるらしい。
タイトルどおり、不可思議な話が多い。が、全てに共通しているのは、さまざまな憶測、推理、記憶の交錯が、この短編を成り立たせていることだろうか。
「もし、あれがあんなふうになれば」という、人の願いや気持ち。美しい願望のときも、逃避のときも、憎悪のときもあろう。それを、関根多佳雄は淡々と考え、淡々と語る。
それをおもしろいと思うか、退屈と思うかはそれぞれだが、個人的には、関根氏を主人公に、またぜひ、1本書いてほしいと思っている。

象と耳鳴り

象と耳鳴り

  • 恩田陸著
  • 祥伝社
  • 1999/10
  • 単行本

象と耳鳴り―推理小説 (祥伝社文庫)

象と耳鳴り

  • 恩田陸著
  • 祥伝社
  • 2003/02
  • メディア: 文庫



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Miles Davis「KIND OF BLUE」 [●JAZZ]

アドリブに一切の無駄を感じず
何も付け足すことの許されない緊張感が
このアルバムの磁場であり、魅力だ

[text●k.ryo]

またしてもjazzである。
ただこのアルバムがアコースティックジャズにおいて、最高峰なのは50年前も50年後も変わらない。
今さらだが、jazzの特徴はアドリブだと思う。
つまり一般的に口ずさむサビ(テーマ)のメロディーよりも、
アドリブの美しさに耳を傾ける音楽。
そのアドリブ部分に一切の無駄を感じず、何も付け足すことの許されない緊張感がこのアルバムの磁場であり、魅力。
おおげさじゃなく、ベースラインからハイハットの細かな音、
アドリブ奏者のバトンタッチの瞬間など、細かな部分まで“愛おしく”聴くたび新鮮に感じる。
本作とは違う編成の、ビル・エヴァンスのピアノトリオの傑作「ワルツ・フォー・デビー」とこのアルバムがあれば、ミディアム・スロー系jazzアルバムはほかにいらないと断言してもいい。

[Personnel] 
Mile Davis(trumpet)
Jhon cotrane(tenor saxophone)
Julian"Cannonball"Addeley(alto saxophone)
Bill Evans(piano)
Wynton kelly(piano)
Paul Chambers(bass)
Jimmy Cobb(drums)

1959年録音
1)So What
2)Freddie Freeloader
3)Blue In Green
4)All Blues
5)Flamenco Sketches


カインド・オブ・ブルー

カインド・オブ・ブルー/KIND OF BLUE

  • マイルス・デイビス
  • ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル
  • 2007/10/24
  • CD

Kind of Blue: 50th Anniversary Legacy Edition/+DVD

Kind of Blue
50th Anniversary Legacy Edition
+DVD

  • Miles Davis
  • Columbia
  • 2009/02/23
  • メディア: CD

ワルツ・フォー・デビイ+4

ワルツ・フォー・デビイ+4

  • ビル・エヴァンス
  • ユニバーサル ミュージック クラシック
  • 2007/09/19(1961年録音)
  • CD


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古屋雄作監督作品「スカイフィッシュの捕まえ方【板尾創路編】」 [●DVD]

これであなたもスカイフィッシュをゲット?!
理不尽で不可解で不条理な板尾ワールドを堪能せよ

[text●i.akira]

あなたはスカイフィッシュという未確認生物の存在をご存知だろうか? 白く長い棒状の胴体に螺旋型に巻きついた羽を持ち、時速280kmものスピードで飛び回り、肉眼でとらえることのできないという謎の生物である。しかし誰も捕まえたことがないため、長らくその存在を巡って世界中で議論がなされている。

本作はそんなスカイフィッシュの捕まえ方を享受してくれるという、なんとも画期的なHOW TO DVDである・・・もちろん、本気にしてはいけない。本作は「温厚な上司の怒らせ方」や「R65」などで知られるバラエティ企画プロジェクトriceによる「スカイフィッシュの捕まえ方」シリーズ第3弾である。過去にも「国内編」と「サイエンスジャーニー編」があったが、今回はその名もズバリ、【板尾創路編】である。彼をメインとしたドキュメンタリーふうの大がかりなコントだと思っていただけたらよい。それにしても、板尾創路とスカイフィッシュという組み合わせだけですばらしいセンスだと思う。

本作には3人のスカイフィッシュ捕獲名人が登場する。りんご農園を営む諸星泰夫、同好会「スカイフィッシュ・フレンズ」のリーダー牧野恭介、山奥に住む花田聖。そのすべてを板尾創路が演じており、それぞれに奇抜で独特な捕獲法やアイテムや人間性を見せながらスカイフィッシュの捕獲に挑むのだが、とにかく突っ込みどころ満載で、どれひとつとしてまともな状況がない。理不尽で不可解で不条理な描写が満載で、まさにシュールな板尾ワールドをこれでもかというくらい楽しめる作品である。
いつもと違う刺激や笑いが欲しい方は、ぜひどうぞ。

WEB SITE→ http://www.jvcmusic.co.jp/rice/skyfish/ 

スカイフィッシュの捕まえ方 ~板尾創路編~ [DVD]

スカイフィッシュの捕まえ方
~板尾創路編~

  • ビクターエンタテインメント
  • DVD

スカイフィッシュの捕まえ方~国内編~ [DVD]

スカイフィッシュの捕まえ方
~国内編~

  • ビクターエンタテインメント
  • DVD



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恩田陸著「光の帝国—常野物語—」 [●BOOK]

優しく美しく
残酷であたたかい感情が
くっついたり離れたりを繰り返す
連作集

[text●h.mariko]

恩田女史の初期作品に多い、優しく美しく、残酷であたたかい感情たちがくっついたり離れたりを繰り返す、連作集である。
タイトルになっている「常野」出身の人々を中心に描かれているが、肝心の常野についての説明は、必要最低限も、ない。
どうやら、
「他の人とは少し違う能力」を持った人々、であるということ、
その能力は「様々な形がある」ということ、
「時代を経て受け継がれる」ということが伺われる。

人と少し違う能力、それを持たない人々は、そのことを、たとえば「超能力」と言ったりする。
忘れていたことを思い出させてくれる能力を持った人がいれば、安心して物事を忘れられる。悲しみを拭き取ってくれる能力を持った人がいれば、安心して悲しみにくれることができる。が、それが、ある日突然、超能力を持った人々がいなくなってしまったら? 忘れた記憶、悲しみ、安心、すべて持ち去って消えてしまったら?
憎むだろうか、安堵するだろうか。
常野の人々は、そうした「普通の人々」の暮らしを脅かさないように、そっと、生きてきた。そこに無理矢理に首を突っ込むことは、許されない。

収録作は「小説すばる」で1994年12月号から1997年5月号まで連載された「大きな引き出し」「二つの茶碗」「達磨山への道」「オセロ・ゲーム」「手紙」「光の帝国」「歴史の時間」「草取り」「黒い塔」「国道を降りて・・・」。
短編集とも思えるが、最後まで読むと、話が一回転してひとつの輪が出来上がる。
その美しさに、酔いしれたい一冊である。

※常野物語(とこのものがたり)は常野シリーズとして、本作に続き「蒲公英草紙」「エンド・ゲーム」が刊行されている。

光の帝国 常野物語 (常野物語)

光の帝国ー常野物語ー (常野物語)

  • 恩田陸著
  • 集英社
  • 1997/10/24
  • 単行本

光の帝国 常野物語 (常野物語) (集英社文庫)

光の帝国ー常野物語ー(常野物語)

  • 恩田陸著
  • 集英社(集英社文庫)
  • 2000/09/20
  • 文庫

蒲公英草紙 常野物語 (常野物語)

蒲公英草紙ー常野物語ー(常野物語)


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tsunenor「Promising」 [●HIP HOP]

新鋭トラック・メイカーtsunenoriのセカンド・アルバム
ヒップホップのビートとピアノの旋律が織りなす、壮大な美空間

[text●i.akira]

音楽を聴いていると、情景が浮かぶことがある。色、景色、人、動物・・・それはさまざまな形をして、こちらに語りかけてくる。とても心地よく、言い知れぬ充実感に浸れる瞬間だ。本作には、そうした至福の時間を最初から最後まで楽しめる魔法のような美しさがある。

さまざまなアーティストのツアー・サポートや楽曲提供などで知られる新鋭トラック・メイカーtsunenoriのセカンド・アルバムであるこの「Promising」は、ヒップホップのビートと、ピアノの旋律を主体としたクラシックの要素と、日本的な美しいメロディが優しく折り重なるようにして作られている。それらはまるでゆっくりとしたロード・ムービーを観ているように、人と人の愛を描いた優しい小説を読んでいるように、静かだけど確かに心に染みこんでくる。“音楽を聴いている”というよりは、“音楽に浸っている”感覚を味わうことができる作品だ。

クラシカルなオープニングから軽快なビートが絡んでくる瞬間が心地良い「Seek」、ポップで華やかなメロディの「Asunaro」、P&GのH&SシャンプーCMソングにもなった「Brand New Surf Emerge」など、インストを主体とした楽曲が多い中、今後の活躍が期待されるアメリカの新鋭ラッパーAzzieや、SHING02やNomakとの共演などで知られる実力派トラック・メイカー/ラッパーのPismo、チェロ奏者のシンガー・ソング・ライターYuka Kuriharaなどを迎え、独特な和のテイストを感じさせる美麗なメロディが琴線と涙腺を揺らす歌モノも収録されている。ちなみに本作に収録されている「Believe That feat. Pismo」は、韓国のアイドルグループ超新星が「逢いたいと言えたら」というタイトルと日本語詞にしてリメイクしていたりする。

tsunenori official info→ http://ameblo.jp/tsunenori69/ 

Promising

Promising

  • tsunenor
  • Libyus Music
  • 2009/08/26
  • CD
01)Intro
02)Close Your Eyes feat.Azzie
03)Re:Floral Clock
04)Seek
05)Believe That feat.Pismo
06)Coastline
07)Silver World
08)Asunaro
09)A Wisper In The Light feat.Yuka Kurihara
10)Brand New Surf Emergerf Emerge


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恩田陸著「月の裏側」 [●BOOK]

怪しげな話にも、楽しみながら関わっていく主人公
しかし、その身に訪れる、不思議な、恐ろしい、体験
町に潜む、謎の力は、いったい・・・

[text●h.mariko]

主人公、塚崎多聞は、学生時代の恩師に呼ばれてとある町へ赴く。そこでは、どうやら頻繁に人が「入れ替わって」いるらしいというのだ。その怪しげな話に恐怖を感じながらも、楽しみながら関わっていく多聞だが、その身に訪れる、不思議な、または恐ろしい、体験。街に潜む、謎の力は、いったいなんなのか?

たとえば、あなたに、話をするのがとても上手な友達がいるとする。 彼(または彼女)の言葉は、偽のにおいがしない。 精緻な造詣を持って、聞き手に迫りくる。 もう、頭から信じるしか道を残してくれないほどに。 それが、嘘か真かはさておき、それほどに上手な話なら 巻き込まれても苦にはならないものだ。
この小説は、そんな印象を持った。
恩田節で迫られたら最後、本から手がにゅうと出てきて、前髪をつかまれて本の中へと引きずりこまれる。 開いたページから自分の足が飛び出していて、 じたばたと抵抗してもがき、それに合わせて 本が四方八方に飛び跳ねて・・・。
そんな図が、つい頭に浮かんだ。

さて、この作品。
「真」か「偽」か。
ぜひとも確かめていただきたい。

月の裏側

月の裏側

  • 恩田陸著
  • 幻冬舎
  • 2000/03
  • 単行本

月の裏側 (幻冬舎文庫)

月の裏側

  • 恩田陸著
  • 幻冬舎(幻冬舎文庫)
  • 2002/08
  • 文庫



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日渡早紀作「僕の地球を守って」 [●COMIC]

1987年〜1994年「花とゆめ」に連載(花とゆめコミックス全21巻)

毎晩、同じ世界の夢を見る同級生たち
主人公の坂口亜梨子もまた、触発されるように
彼らと同じ世界の夢を見始めるのだが・・・

[text●h.mariko]

思えば、このマンガと出合ったころ、私はまだ小学生だった。
外を駆け回ることより本を読むこと、勉学のためより絵を描くためにペンを握ることが多かった私に、後に多大なる影響を与えてくれる作品になることを、そのころは知る由もなかった。

人は、眠ると夢を見る。
内容は人により異なるであろうし、至極個人的な内容の夢を見ることも多いがゆえ、かなりプライベートなものである。

けれど、その夢の内容が他人とまったく同じであったら? そして、それは、「今の自分」ではない、もしやすると前世の自分の記憶であったとしたら? そんな摩訶不思議なことあれば乙女チックな方向に進みそうな物語を、厭というほど現実的に描いたのが、本作である。

坂口亜梨子(さかぐちありす)は、父親の転勤に伴い転校してきた。
マンションの隣の部屋で暮らす子ども、小林輪につきまとわれ、学校にはイマイチ馴染めず、煩悶の日々を過ごしていた。
そんな亜梨子には、不思議な力があった。本人は意識していないうちに、植物や動物と心を通わせることができるのだ。
学校の緑たちは彼女を歓迎してくれる。校庭の椿に会いにいくと、同級生の小椋迅八と錦織一成が話している内容を聞く。それはふたりが同じ夢を毎晩のように見ているということだった。最初は何のことかもわからなかった亜梨子だが、彼女もまた触発されるように同じ世界の夢を見始める。
それをきっかけに、ほかのメンバーを捜してみると、本当に見つかり、「月で起こった世界」が夢物語ではないことを知る。
一方、マンションのベランダから転落し、意識不明が続いていた小林輪が意識を取り戻すと、彼にも不可思議な力が備わっていた。

物語の中核は「前世」にあるといってもいいので、そういう話が苦手な方には頭が混乱するかもしれない。が、キャラクターたちの行動、考え、そしてそれを支える周りの人々の言葉に耳を傾けると、その世界が見えてくるのではないかと思う。

輪廻転生、という仏教の概念がある。曰く、現在の生を全うし、来世へと繋げ、徳を重ねることにより仏に近づける、というものだ。この考えにのっとれば、誰もが前世、来世を持つことになる。
が、現在の生は一度だけ。だからこそ、それを、忘れてはならない。前世で何があろうと、来世に何が待っていようと、今の自分を大切にすることが大事。もしも、来世や前世がわかったとしても、それに振り回されてはならない、と、この本を読んで以来、大人になるに連れ強く思うようになった。今をしっかり生きること。

ぼくの地球を守って (第1巻) (白泉社文庫)

ぼくの地球を守って (第1巻)

  • 日渡早紀作
  • 白泉社 (白泉社文庫)
  • 1998/03
  • 白泉社文庫全12巻刊行
ぼくの地球を守って―愛蔵版 (1)

ぼくの地球を守って―愛蔵版 (1)

  • 日渡早紀作
  • 白泉社
  • 2004/05/28
  • ジェッツコミックス愛蔵版 全10巻刊行

1993年~1995年発売のOVAをDVD全4巻に収録
.
ぼくの地球を守って Vol.1 [DVD]

ぼくの地球を守って Vol.1

  • ビクターエンタテインメント
  • DVD

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真田敦監督作品「ホノカア・ボーイ」 [●DVD]

岡田将生初主演の日本映画。2009年3月14日公開

何となく繋がった縁で生まれた交流は
家族とも恋人とも少し違うけれど、でも確かな繋がりが
そこにはあるのだ

[text●u.junko]

何となくつき合っていた彼女と旅の途中で訪れたハワイ島の北にある街・ホノカア。その半年後、ホノカアで何となく暮らし始め、映画館で映写技師の助手として働き始めたレオと、街いちばんのいたずらばあさんで、そして街いちばんの料理上手なビーさんの物語である。

ハワイの豊かな自然と、そこで暮らす人々のリラックスした空気感も最高だが、この作品に登場する風景も人も、とにかくすべてが優しい。そしてビーさんの作るロールキャベツやポキバーガーが何とも美味しそうだし、特にフワフワ生地のマラサダはヨダレもの。

見ていてとにかくお腹が空くのは、レオに食べてほしくて、レオの美味しいって言葉が嬉しくて、それを聞きたくて作るビーさんの手料理が、三ツ星シェフが作るような料理ではなく、親しい人のために作られる家庭料理だから。美味しいご飯が人を元気にする映画はたくさんあるが、これは“誰かと一緒に食べるから美味しい”ということを、改めて感じさせてくれる作品である。

そして、誰しもが必ず経験する、どうすることもできない悲しい出来事も描かれているので、夢のようなおとぎ話で終わらない。見ると幸せになるという言い伝えがある“ムーンボウ(夜の月にかかる虹)”を見にいくシーンはとても切なくて、幸せで涙が止まらなくなる。都合が悪くなると無口になってしまい、人との距離感が上手にとれないレオが、ビーさんとの出会いによって少しずつ成長していく姿と、レオの存在によって少女のようにかわいらしく素直になるビーさん。レオもビーさんも、お互いの存在が月の虹だったのかもしれない。何となく繋がった縁で生まれた交流は、家族とも恋人とも少し違うけれど、でも確かな繋がりがそこにはあるのだ。

OFFICIAL WEB SITE→ http://www.honokaa-boy.jp/

ホノカアボーイ [DVD]

ホノカアボーイ

  • ポニーキャニオン
  • DVD
■cast
岡田将生(レオ)
倍賞千恵子(ビー)
長谷川潤(マライア)
松坂慶子(エデリ)


ホノカアボーイ

ホノカアボーイ

  • 吉田玲雄著
  • エイ出版社
  • 2006/02
  • 単行本

ホノカアボーイ (幻冬舎文庫)

ホノカアボーイ/a>

  • 吉田玲雄著
  • 幻冬舎(幻冬舎文庫)
  • 2009/02
  • 文庫



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渡辺貞夫「SADAO WATANABE AT MONTREUX JAZZ FESTIVAL」 [●JAZZ]

Recorded Live Jun .18, 1970 at Casino de Montreux, Switzerland

toeなどの
ロック(?)系インストが好きな人に
オススメ

[text●k.ryo]

偶然にも、75年までのナベサダ&ヒノテルはカッコイイ。
マイルスもしかり。
若さゆえの勢いと、実験性のバランスがほどよく調和し、古くさくならない。
三者とも以降は、フュージョンの流れにのり、“軟派”になってしまう。

toeなどのロック(?)系インストが好きな人に、オススメしたい。

特有な“間”のタイム感などから、jazzへの入口にもなり、
日本人なりのコルトレーンなどへのオマージュが随所に散りばめられてるぶん、
長く聞けるアーティストだと思う。

ちなみにドラムは、つのだ☆ひろです。

OFFICIAL WEB SITE→  http://www.sadao.com/ 


モントル-・ジャズ・フェスティバルの渡辺貞夫

SADAO WATANABE
AT MONTREUX JAZZ FESTIVAL

  • 渡辺貞夫
  • ソニーレコード
  • 2000/02/19
  • CD
1. ROUND TRIP : GOING & COMING
2. LAMENT
3. TOKYO SUITE : SUNSET
4. PASTORAL-THEME-

[Personnel] 
渡辺貞夫 (as,fl,sn)
増尾好秋 (g)
鈴木良雄 (b)
角田ヒロ (ds)

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