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どうぞココで、いろんな好きと出合ってくれたなら
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STONE SOUR「AUDIO SECRECY」 [●NU METAL]

STONE SOUR、会心のサード・アルバム
友に捧げられた最高傑作

[text●i.akira]

2010年5月24日、SLIPKNOTのベーシストであり中核であったポール・グレイが亡くなった。あまりに突然の悲劇に、メンバーはもちろん、全世界のMAGGOTS(SLIPKNOTファン)が悲しみに暮れた。
あれから約3か月後、SLIPKNOTのメンバーであるコリィ・テイラーとジム(ジェイムズ)・ルートが在籍する別バンド、STONESOURがサード・アルバム「AUDIO SECRECY」をリリースした。前作「come what (ever) may」が70万枚以上のヒットを飛ばしたこともあり、SLIPKNOTに匹敵するほどの期待度を持って迎えられた本作は、それを遥かに飛び越えるほどの名盤となっている。

ヘヴィ・ロックの王道すぎる王道を貫いた冒頭の「MISSION STATEMENT」や「DIGITAL (DID YOU FEEL)」に始まり、憂いを帯びたミドル・ナンバーながら彼らのメロディ・センスが光る本作からのパイロット・ソング「SAY YOU'LL HAUNT ME」、まるで逝ってしまった愛すべき友へ捧げるように優しく歌われる最高のバラード「HESITATE」、バンド陣の重厚な演奏を存分に楽しめる「NYLON 6/6」、歌ってよし、暴れてよしの「THE BITTER END」、ファースト・アルバム「BOTHER」や、セカンド・アルバムの「THROUGH GLASS」に通じるアコースティック・ナンバー「IMPERFECT」、荘厳なる空気でアルバムのエンド・ロールを告げる「THREADBARE」。もはや別プロジェクトと呼ぶのもおこがましいほどの完成度に到達しながら、ヘヴィ・ロック好きでなくても受け入れられるポピュラリティを持ち合わせる傑作である。

そして本作のブックレットのなかに、胸を打つ文字が書いてあった。
「DEDICATED IN LOVING MEMORY TO PAUL GRAY」と。
友に捧げられた傑作は、あまりにもすばらしいレクイエムとなって世界中に響いている。

OFFICIAL WEB SITE→ http://www.stonesour.com/ 


オーディオ・シークレシー~スペシャル・エディション

AUDIO SECRECY
~スペシャル・エディション


Audio Secrecy

AUDIO SECRECY

  • STONE SOUR
  • Roadrunner Records
  • 2010/09/07
  • CD


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荻上直子監督作品「めがね」 [●DVD]

ささくれ立ったココロに効く
というか、 落ち込んだキモチに効く
というか、 なんとなく
いいのである

[text●h.mariko]

出演者全員がめがねをかけているから「めがね」。
なんとも安直ではあるが、これ以外にないだろう、というくらい、ピッタリなネーミングなのである。

タエコ(小林聡美)は、「観光」をしに、とある島へと降り立つ。彼女の職業やその境遇はなにも語られない。ただ、彼女は観光をしに、何もない島に行く。
そこに待ち受けるのは、「たそがれ」上手な先達たち。
ユージ(光石研)の経営する民宿「ハマダ」に「迷わずに」到着できたタエコは、「ここできっと上手に過ごせますよ」と声をかけられる。
高校教師のハルナ(市川実日子)はハマダで朝食をとってから出勤し、ハマダに頻繁に顔を出す。サクラ(もたいまさこ)はある日どこからともなくやってきて、またある日去ってゆく、ハマダの従業員(?)。
毎朝欠かさず行なわれる、「メルシー体操」。
たそがれる以外にすることのない、島。
たそがれ上手な島の人たちに最初は馴染めないタエコも、だんだんとあたりまえに過ごして行く。
タエコを追いかけてくるヨモギ(加瀬亮)がちょっとだけ加わって、さらに時間はスローに過ぎて行く。

ストーリーは、淡々と過ぎてゆく島の時間を追っていくものなので、起伏には乏しい。
「だから何?」という人もおられるだろう。
が、この「たそがれ」感。私たちが日々仕事に趣味に忙殺されるうちに忘れている、実はとても大切な感情なのではないかと、途中で気がついたりもするのだ。
ささくれ立ったココロに効く映画というか、
落ち込んだキモチに効く映画というか、
なんとなく、いいのである。
すごく、いいのである。
いや、やっぱり、なんとなく、いいのである。

春の海、ひねもす、のたりのたりかな。

毎日観る必要はないけれど、ときどき絶対に必要になるときがくる、そんな不思議なアイテムがあるとしたら、この「めがね」を置いて、考えられない。

この映画を観ると、言葉は、ときには邪魔な存在になり得るのだとも、思ったりする。




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AMARAL「Estrella de mar」 [●POPS]

楽曲がいいし、エバの声もいい
聴覚を軽快に踊り回るスペイン語も
心地がよい

[text●k.yosihiro]

音の造形に己が感覚を溶け込ませて陶酔したり、音や詞によって喚起された情景に遊んだり、ドライブ中、ただただ熱唱したくて好きな曲を流したりと、音楽の鑑賞のしかたにはさまざまな形があるけれど、その際に心地よいと感じるのは、そのときの自分の感情やら気分にフィットするからだと思っている。ひと言で感情やら気分といったって、人間の感情は複雑で、楽しいと感じながら空腹は感じるし、同じ気持ちなど長持ちはせぬから、言葉ではどうしても表現はしきれない。文学はその限界の上になにを築くかなのだと僕は思うのだけれど、音楽という表現形式は悲しいと嬉しいを同時に表現しうるし、鑑賞しうるものである。と、勝手に思っている(無論、文学はその限界性故に発展する表現方法があるから、どちらがいい悪いという話ではない)。

前ふりが長くなってしまったけれど、音楽を“ただなんとなく聴こっかなぁ”くらいのテンションのときの僕にフィットするのが、スペインはサラゴサのポップユニット、AMARAL(アマラル)だ。女性ボーカルのエバ・アマラルとギターのフアン・アギーレからなる、このアマラルを聴く際に、ここの歌い回しがどうで、ギターのここのピッキングのニュアンスとタイミングが絶妙でなどと考えてはいないから、凝った表現で推薦することはできないし、する気もない(をい!)。楽曲がいいし、エバの声もいい。聴覚を軽快に踊り回るスペイン語も心地がよい。ベオ・カエル・ラ・ニエベ・エン・ラ・イエルバ~、なんて聴こえる部分だけ一緒に歌っちゃったりして。
そんななかに深刻な曲もある。「 Salir corriendo」は日本語訳すると、“走り去る”。歌詞のテーマはDVである。きちんと曲の歌詞を解釈しようと思ったら、軽い気持ちで聴くことはできない。「Qué será?」の「no mas hiroshima(ヒロシマはもうたくさんだ)」という歌詞にしても同様だ。ポップスグループがそういった深刻な問題を扱うことの意味は、多くの人に考える種を植えるからとても大きな意味を持つと思う。「 Salir corriendo」は非常に美しい楽曲だけれど、大切な人に手をあげるなんて到底理解はできないし、どういった気持ちで楽曲に接してよいものか判じかねて殆んど聴いていなかったりもする。皆さん、大切な人は大切にしましょう。
どうあれ、アマラルよい音楽を作るグループです。是非、一度ご賞味していただけたら、お気に召す方もいらっしゃることかと思います。

OFFICIAL WEB SITE→ http://www.amaral.es/category/noticias 

Estrella De Mar

Estrella De Mar

  • AMARAL
  • EMI
  • 2003/06/12
  • CD
List
01) Sin ti no soy nada
02) Moriría por vos
03) Toda la noche en la calle
04) Te necesito
05) Qué será?
06) Salir corriendo
07) Estrella de mar
08) Rosa de la paz
09) No sabe donde va
10) De la noche a la mañana
11) El centro de mis ojos
12) En sólo un segundo


Amaral

Amaral

  • AMARAL
  • EMI
  • 2000/01/24
  • CD

Como Hablar

Como Hablar

  • AMARAL
  • EMI
  • 2004/12/14
  • CD

Pajaros En La Cabeza

Pajaros En La Cabeza

  • AMARAL
  • 2005/05/02
  • CD

Gato Negro Dragon Rojo

Gato Negro Dragon Rojo

  • AMARAL
  • EMI Argentina
  • 2008/08/05
  • CD


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園子温脚本・監督作品「愛のむきだし」 [●DVD]

まさに映画の魅力とは、インパクト
「全体のストーリーではなく、シーン」だと
あらためて、思い知らされる

[text●k.ryo]

ドラマ「モテキ」で気になった満島ひかり目当てでレンタル
「モテキ」テレビ東京・金曜深夜0:12〜/10月1日最終回
観る前は、「え~4時間って・・・」と身構えたけど、
見始めると、つき合ってしまった4時間。

前半は、コメディータッチでだらだらと進むけど、
中盤からはサスペンスとラブストーリーとが同居し、
一気に引きこまれていく。

4時間という長い時間を飽きさせない構成も、見終わってから、「うまい」と思った。

そして映画史に残るであろうヨーコ(満島ひかり)の長まわし長ゼリフの説教シーン。
この鬼気迫る演技は、一見バカバカしく共感しにくいストーリー設定も、理屈抜きに圧倒させられる。
まさに映画の魅力とは、インパクト!「全体のストーリーではなく、シーン」だと、あらためて、思い知らされる。

以下、蛇足

公開当時、出演者は無名同然だったと思うけど、この映画を機に注目され、出演依頼が殺到したのも納得いく。

ちまたでは“邦画バブル”とかいわれることもあるけど、それはテレビ・ドラマやマンガの映画化が大半の商業的な作品がほとんど。

真の“邦画好き”は、いまだにサブカルのレッテル(?)をはられる宿命・・・。
こういうB級映画の強引な力技を許し、
感動できるかどうか、
踏み絵ともいえます。

■cast
西島隆弘/角田ユウ
満島ひかり/ヨーコ
安藤サクラ/コイケ
渡辺真起子/サオリ
渡部篤郎/角田テツ


OFFICIAL WEB SITE→ http://www.ai-muki.com/ 

愛のむきだし [DVD]

愛のむきだし

  • アミューズソフトエンタテインメント
  • DVD

愛のむきだし

愛のむきだ

  • 園子温著
  • 小学館
  • 2008/12
  • 単行本



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椙本孝思著「THE CHAT」 [●BOOK]

チャットを舞台にしたホラーミステリー
ラストはびっくり
3回はひっくり返るトリックは見事

[text●h.mariko]

まだ、インターネットや電子メール、チャットがそうそう世間に入り込んでいなかった時代、そこにはまだ闇があった。その部分をうまく使ったホラー作品。

昔、いじめが高じて殺人事件に加担してしまったことを悔やむ主人公が使うチャットルームに、「いじめを苦にして死んだ」という子が書込みにやってくる。
最初はただのいたずらと鼻にもかけないが、本人しか知り得ない情報を知っていたり、言葉巧みに犯人を誘導してきたりと、主人公は心身ともに追いつめられる・・・。

そのまま単調に進み、殺人を告発されて終わりなんだろうな、と思いきや、ラストはびっくり、3回はひっくり返るトリックは見事。

それにしても後を絶たないいじめ事件。本人たちに自覚がないことがいちばん恐怖であることを改めて感じさせられる。そして、学校という閉鎖された空間をもう少しオープンにすることは不可能なのか、このような出来事は「小説」のなかだけで十分だ、と思ってしまうのだが・・・。

椙本孝思 WEB SITE→ http://hermit.nobody.jp/ 

THE CHAT

THE CHAT

  • 椙本孝思著
  • アルファポリス
  • 2003/08
  • 単行本

THE CHAT (アルファポリス文庫)

THE CHAT
(アルファポリス文庫)

  • 椙本孝思著
  • アルファポリス
  • 2006/10
  • 文庫

THE CHAT〈Ver2.1〉

THE CHAT〈Ver2.1〉

  • 椙本孝思著
  • アルファポリス
  • 2004/08
  • 単行本


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MANIC STREET PREACHERS「POSTCARDS FROM A YOUNG MAN」 [●ROCK]

記念すべき10枚目のオリジナル・アルバム
原点回帰を越えた充実の壮大なる叙情詩

[text●i.akira]

CDをトレイに入れ、1曲目の「(IT’S NOT WAR) JUST THE END OF LOVE」が流れてきた瞬間、思わず声を上げて喜んでしまった。彼らの作品を聴くときはいつもそうだ。そのギター・リフ、そのメロディ、その言葉、その歌声にいちいち喜んでしまう。あたりまえのことなのだけれど、「ああ、MANIC STREET PREACHERS(マニック・ストリート・プリーチャーズ/以下マニックス)だ!」と。

マニックスは1992年にファースト・アルバム「GENERATION TERRORISTS」をリリースして以来、20年近くも最前線を走り続けているイギリスの国民的ロック・バンドである。1995年にバンドの中核であったギタリストで作詞家のリッチー・ジェイムスが行方不明(現在も発見されないまま、2008年に死亡宣告)になるという致命的なダメージを追いながらも、残された3人のメンバーにより再始動、以来現在まで数多くのヒットを飛ばしている。

本作は彼らにとって記念すべき10枚目のアルバムとなる。その事実を自ら祝福するように、その音はかつてないほどにポジティブで壮大なエネルギーに溢れている。ストリングスを大胆に取り入れたお得意のナンバーはもちろんのこと、初期のサウンドを思わせる荒々しくパワフルな曲や、しなやかなバラードも聴かせるなど、長きに渡り栄光と苦悩を味わったバンドだからこそできる余裕と充実を感じさせる。さらに5分を超える楽曲もなく、シンプルかつストレートにこちらの琴線を直撃してくる。特にメロディ・メイカーでありボーカリストであるジェームス・ディーン・ブラッドフィールドは集大成と呼べるほどの完成度を誇っている。QUEENのフレディ・マーキュリーを彷彿とさせるその歌声は、もはや世界有数の美しさである。

これだけ語ったが、正直彼らに言うことなどなにもない。こうして2年に一度ほどのペースで新作を届けてくれることだけで十分である。そしてまた「ああ、マニックスだ!」と笑ってしまうほど最高の楽曲でノック・アウトしてほしい。それはいつだって鳥肌が立つほど嬉しい瞬間だから。

■来日公演
MANIC STREET PREACHERS
「POSTCARDS FROM A YOUNGMAN TOUR」

2010.11.26 東京・新木場STUDIO COAST
2010.11.27 神奈川横浜BAY HALL
問)クリエイティブマン→ http://www.creativeman.co.jp/artist/2010/11manics/ 


Postcards from a Young Man

POSTCARDS FROM A YOUNG MAN

  • MANIC STREET PREACHERS
  • Columbia
  • 2010/09/20
  • CD




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岩井志麻子著「ぼっけえ、きょうてえ」 [●BOOK]

1999年第6回日本ホラー小説大賞受賞作品(短編小説「ぼっけえ、きょうてえ」)
2000年第13回山本周五郎賞受賞作品(短編小説集「ぼっけえ、きょうてえ」)


全身粟立つ恐怖感
後ろを振り返りたくなくなる恐怖感
ぶっ飛んだ。平れ伏した

[text●h.mariko]

短編でホラー大賞を受賞とは、どんな作品であろうと気楽な気持ちで手に取った。
ぶっ飛んだ。平れ伏した。

遊郭で過ごした兄さんに、遊女が語りかける独り語りで進められる。
その口から発せられる言葉だけですべてが描かれ、まるで外の音、虫の声までが聞こえてきそうな風情がある。言葉と岡山地方の訛りはかえって文章に艶を与えている。
ストーリーはネタバレしてしまったらおもしろくない。
よって、この全身粟立つ恐怖感は、ご自身で体験していただきたい。

すべての短編(「ぼっけえ、きょうてえ」「密告函」「あまぞわい」「依って件の如し」)で共通しているのは、男と女というのは実に切ない存在と訴えている感覚だろうか。
愛なんてこの世には存在しないと叩きつけられてしまえばそれで終わりなのだが、ありふれた人間感情だからこそ、わかりやすい。そうして、誰にでもある気持ちだからこそ、主人公の持つ恨みつらみもわかる、気がする。
後ろを振り返りたくなくなる恐怖感、是非読書で味わっていただきたい。


ぼっけえ、きょうてえ

ぼっけえ、きょうてえ

  • 岩井志麻子著
  • 角川書店
  • 1999/10
  • 単行本

ぼっけえ、きょうてえ (角川ホラー文庫)

ぼっけえ、きょうてえ

  • 岩井志麻子著
  • 角川書店(角川ホラー文庫)
  • 2002/07
  • 文庫



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THE DECEMBER「ハンニンマエ」 [●ROCK]

鋭く、儚く、響く刹那の衝動
心臓を揺さぶる十二月の旋律

[text●i.akira]

00121.jpg
※photo=official web site

先日、THE DECEMBERというバンドのライブを観る機会があった。それはあっという間の体験だった。音が、声が、言葉が放たれた瞬間、あっという間にそれらは鋭く心に打ち込まれていった。痛々しくも、まるで嘘のない音楽だ。激しさと儚さを讃えた楽曲の隅々に血管が巡り、胸に赤いラインの入った黒いシャツを着てステージで蠢く3人が、まるでひとつ生き物になったように泣き、笑い、叫び、のたうち回っていた。それはあまりに美しい景色であった。

THE DECEMBERは2006年に東京で結成されたkaysuke(Vo./G.)、yukishiro(B.)、akihiro(Ds.)からなる3ピースのロックンロール・バンドである。2009年1月に現在のメンバーになった。ポップなメロディとは裏腹に、シンプルながら緊張感が漂うスリリングなサウンドと、吐き捨てるように歌われるプライドや体裁を剥ぎ取ってしまったような赤裸々で自傷的な歌詞が衝撃的なバンドだ。同時に、そうした弱さをさらすことで生まれているであろう強さや優しさも感じることができる。光を求めるようにあがきながら前へ進もうとする彼らの音楽は、日々に埋もれ忘れかけていた衝動を思い出させてくれる。
2009年4月に現メンバーとなった初めての音源となる「inner」と「outer」という2枚のシングルを自主制作でリリースしているが、どの曲も彼らにしか作り得ない鋭く、儚く、響く刹那の衝動が閉じ込められている。Myspaceでも試聴できるので、まずはその音に耳を傾けてほしい。

そして来る9月30日、下北沢CLUB251にてニュー・シングル「ハンニンマエ」のリリースを記念した自主イベントが開催される。心臓を揺さぶる十二月の旋律を体験する大きなチャンスである。
彼らが進む先にはなにがあるのか、今後も注目していきたいと思う。

THE DECEMBER presents.
ハンニンマエ
先行シングルリリース記念パーティー

2010.09.30(thu)
下北沢CLUB251
open/18:00 start/18:30
adv/2000yen[+1drink] 
door/2500yen[+1drink]
THE DECEMBER/
Garrett/T/HE DILEMMA OF HEDGEHOG/
LIFESHOP/ヒーヒズヒムイズム


OFFICIAL WEB SITE → http://the-december.com/ 
myspace → http://www.myspace.com/thedecemberanother 

00122.jpg
ハンニンマエ
 
1. ハンニンマエ 
2. alnico.
2010.09.30
500yen(tax in)
※ 初回生産盤、ライブ会場限定販売


00123.jpg
inner
 
1. Lily has gone to heaven 
2. psychedelic 
3. 種
2009.04.24
500yen(tax in)
※ライブ会場限定販売



00124.jpg
outer

1. My Dead Song 
2. AUTO 
3. 人間嫌いのピアノ弾き
2009.04.24
500yen(tax in)
※ライブ会場限定販売い

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雨森零著「月の裏まで走っていけた」 [●BOOK]

人生とは、生きることとは
人に認められることとは、美しい感情、汚い気持ち
すべてをぶち込んだものは・・・

[text●h.mariko] 

完全に読者を突き放し、一方的に自分勝手に進められる物語。
RとQというふたりが旅をしている最中の物語であることがだんだんわかってくる。
どうやらこの地球の話であると推測させてくれるのは、アメリカという土地の名前が出てくること、弟に禅一郎という男がいることで推し量れる。
RとQが何故渡米したのか、理由は定かではない。
しかし、プライドが高く、絵画的センスの高いQの絵が爆発的に人気を得る。
そしてPとの出逢い、Pを巡っての諍い、決別、悲嘆。
絵を描くことに対する情熱、それをビジネスとして行なったときに起きる悲惨、そこに通じている「生」をゆったりとたどっている感じのする文章たち。
時の流れと文章の流れが、ときにバラバラに感じられるのでわかりにくいが、言葉、ひとつひとつが重たい。
人生とは、生きることとは、人に認められることとは、美しい感情、汚い気持ち、すべてをぶち込んだものは・・・。
好みは別れるであろうが、圧倒的に支持したい、一作。

月の裏まで走っていけた

月の裏まで走っていけた

  • 雨森零著
  • 河出書房新社
  • 1996/01
  • 単行本

1995年第31回河出書房新社文藝賞受賞作品

首飾り

首飾り

  • 雨森零著
  • 河出書房新社
  • 1995/01
  • 単行本


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スキマスイッチ「空創クリップ」 [●POPS]

“わかりやすく表現された”
というくくりのなかに
彼らのような玄人が隠れているとなると
これはいろいろ探してみたくなる

[text●k.yosihiro]

ポピュラリティというのは思うに語り口のことであって、同じ内容を語るのであれば、やはり平易なほうが読み手は理解しやすい。つまり、表現のしかたと、表現されている中身というものは、本来的にはべつものなのだ。もちろん、良質な作品というのはそれらの要素が緊密な関係性をもっていて、全体としての構造のバランスがとてもよいものであることは、言うまでもないことと思う(逆を言えば、難解な語り口であるから、そく、ダメなものと断ずるのは早計である)。
ポップアーティストのなかには、口当たりよく仕立てたその作品の内側に、非常に緻密な構築を潜ませるような芸当をやってのけるアーティストというのがいて、彼らスキマスイッチもそのなかのひとつである。
有名な「全力少年」にはEm7-5やA7-9などの変わったコードが随所に織り込まれていて、実際にカラオケなどで歌ってみると、実感としておわかりいただけると思うのだが、実に歌いにくいメロディなのである。それをなんなくやってのける技量にもまた舌を巻く。
ポップスというカテゴライズは実にわかりにくい。特定の技法を用いるなど、これがポップスであると断定するための要素がない。くくるとすれば、それは「わかりやすく表現された」とするよりない。そんなアーティストのなかに、スキマスイッチのような玄人が隠れているとなると、いろいろ探してみたくなる、そんな気もしませんか?

空創クリップ (初回生産限定盤DVD付)

空創クリップ
(初回生産限定盤DVD付)

  • スキマスイッチ
  • BMG JAPAN
  • 2005/07/20
  • CD

空創クリップ

空創クリップ

  • スキマスイッチ
  • BMG JAPAN
  • 2005/07/20
  • CD


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粕谷知世著「クロニカ 太陽と死者の記録」 [●BOOK]

2001年第13回日本ファンタジーノベル大賞受賞作品

インカ帝国を滅ぼしたスペイン最強の武器は
「文字」だった!
歴史の暗部を実に美しく
且つ大胆に表現した充実の一冊

[text●h.mariko]

かつてこの世に栄華を極めたとされるインカ帝国。
それを滅ぼしたのはスペイン軍、彼らが運んできた病原菌である、ということは歴史的に証明されつつある。謎の黄金帝国は、白日の下にさらされた。
それを物語として描いたのがこの作品。

インカ帝国の村で、少年ワマンは木乃伊の祖先と出逢う。
そして村の掟に従い、木乃伊の声を聴く。
長い長い昔話、そこに輝くものは。

誰もが推測することしかできない、歴史の暗部を実に美しく、且つ大胆に表現している作品である。あたかもそこでの出来事を見てきたかのようなリアルさは見事。
そしてワマン(木乃伊)の語り口調はいつしか読み手自身に語りかけられ、不思議な陶酔感を味わうことができるだろう。

インカ帝国を滅亡に至らしめたのは文字がなかったから。
外来人が文字を時のなかに打ち込み流れを止めてしまったから。

真実はどうでもいい。この物語に描かれた世界は、そう思わせてしまう程の力がある。歴史書として、物語として、充実の一冊。

クロニカ―太陽と死者の記録

クロニカ―太陽と死者の記録

  • 粕谷知世著
  • 新潮社
  • 2001/12
  • 単行本


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DISTURBED「ASYLUM」 [●ROCK]

圧倒的なるヘヴィネスと揺るぎない自信
アメリカの雄、DISTURBEDの5thアルバム
自信に裏打ちされた愚直なまでの圧倒的へヴィネス

[text●i.akira]

2000年にリリースした1st.アルバム『SICKNESS』で一気にスターダムへとのし上がってからというもの、リリースされた作品はすべてミリオン・セールスを記録、HIP HOPやR&Bなどが主流でバンド不遇の時代を迎えている現在のアメリカ・シーンにおいて全米1位を3度も獲得、そのトータル・セールスは1100万枚を超えるという脅威のメタル・バンドDISTURBEDの5th.アルバム(2010.9.1)。

誤解を覚悟で言えば、彼らの音楽はデビュー時からほとんど変化していない。派手さはないが切れ味のあるギター・リフ、シンプルゆえにダイナミックさを感じるベースとドラム、そして絶対的フロントマンであるデイヴィッド・ドレイマンの脅威の歌唱力。ただそれだけである。だがその愚直なまでに圧倒的なヘヴィネスこそ、彼らの魅力である。とっくに完成してしまっている自分たちのスタイルに絶対的信頼を持ち、ただひたすらにその道をまっすぐ貫いていく。もちろんそのなかにも成長や進化はあるのだが、揺るぎない自信が唯一無比たるDISTURBEDという音楽を作り上げているのだ。もちろん本作でも彼らのスタイルはなんら変わることなく、徹底的に強靭でヘヴィな楽曲を十分に堪能できる。そして当然のように全米1位を獲得しているのだから、文句のつけようがない。流行に左右されやすい音楽業界を、こんなにも堂々と突き進んでいるバンドは他にはいないだろう。
なお、本作にはシークレットトラックとしてU2の名曲「I STILL HAVEN’T FOUND WHAT I’M LOOKING FOR」のカバーが収録されている。実に彼ららしい仕上がりで、忠実なのにオリジナルとは全く違う魅力に満ちているので、ぜひ聴いてほしい。

一度ファンになったが最後、いつ聴いても色褪せることのない、期待を裏切ることのない音楽の虜になることだろう。彼らがいったいどこまで突き進んでいくか、楽しみである。

アサイラム

ASYLUM

  • アDISTURBED
  • ワーナーミュージック・ジャパン
  • 2010/09/01
  • CD

Asylum

ASYLUM
[CD+DVD, Limited Edition, Import, from US]

  • DISTURBED
  • Reprise / Wea
  • 2010/09/06
  • CD



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舞城王太郎著「煙か土か食い物 Smoke, Soil or Sacrifices」 [●BOOK]

2001年第19回メフィスト賞(講談社)受賞作品

猟奇的殺人の話
と思いきや、緻密な計算で成り立ってるトリック
でも内容ははっきり言って馬鹿
ってなんだよこれ?

[text●h.mariko]

なんだこれは。
必要最低限の句読点も使われていない文章で、はじめはものすごく読みにくいのだが気がつくと頭からずっぽりハマリ込んでることに気がついちまうんだこれが。
たとえるならそう、IQ200くらいだけど身の回りのことは何ひとつできない小学生の糞餓鬼、すっげえスカしてるけど勉強だけはさらりとこなす高校生、そんな感じ?
ときどき入るカタカナ言葉の韻の踏み方にラップを感じていつの間にか右手をかくかく動かしてリズムを取りながら読みたくなっちゃう。アイムフォーリングブックワールド。

猟奇的殺人の話、と思いきや、緻密な計算で成り立ってるトリック、でも内容ははっきり言って馬鹿、ってなんだよこれ?
読めば読む程訳が分からないワールドになる「家族」の形。
事件が進むに連れて、これはどっかで聞いたことがあるぞと思ってしまった私は多分負け。勝ち負けじゃないんだろうけど多分負け。

お前の負けだ、と中指立てて舌をだされた、そんな気分が了読後。
まずは読んでしびれとけ。

↓講談社BOOK倶楽部/講談社ノベルズ「煙か土か食い物 Smoke, Soil or Sacrifices」
http://shop.kodansha.jp/bc2_bc/search_view.jsp?b=1821725


煙か土か食い物 (講談社ノベルス)

煙か土か食い物
Smoke, Soil or Sacrifices

  • 舞城王太郎著
  • 講談社(講談社ノベルス)
  • 2001/03/07
  • 新書

煙か土か食い物 (講談社文庫)

煙か土か食い物
Smoke, Soil or Sacrifices

  • 舞城王太郎著
  • 講談社(講談社文庫)
  • 2004/12/14
  • 文庫


2010年メフィスト賞(講談社)受賞作品

第43回メフィスト賞受賞作品 天祢涼著「キョウカンカク」
キョウカンカク (講談社ノベルス)

キョウカンカク

  • 天祢涼著
  • 講談社(講談社ノベルス)
  • 2010/02/05
  • 新書

第44回メフィスト賞受賞作品 丸山天寿著「琅邪の鬼」
琅邪の鬼 (講談社ノベルス)

琅邪の鬼

  • 丸山天寿著
  • 講談社(講談社ノベルス)
  • 2010/06/08
  • 新書



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塚本連平監督作品 「かずら」 [●DVD]

2010年1月30日劇場公開作品

あのさまぁ~ず初主演映画?!
“かつら”をテーマにしたあたたかなコメディ

[text●i.akira]

男の大きな悩みのひとつである薄毛。ある人は突然。ある人は徐々に。人それぞれ違いはあれど、男ならば誰しもが無視できない永遠のコンプレックスである。

今やテレビで見ない日はないというくらい大活躍しているお笑いコンビ“さまぁ~ず”を主演にした本作は、そんな薄毛に悩む男の悲哀と決意と恋愛を描いたコメディ映画だ。

父や兄弟はもちろん、ご先祖様までが見事に薄いという薄毛のサラブレッドである冴えない会社員の森山(三村マサカズ)が突然東京へ転勤することに。そこで心機一転、人生を変えるために“かつら”を手に入れることを決意する。しかしさまざまな店に足を運ぶが、どれも時間がかかったり維持費がかかったりと納得いかないものばかり。諦めかけていたときに偶然たどり着いたのが、あまりにも胡散臭い店と大和田という店主(大竹一樹)だった。そこで念願のかつらを手に入れるのだが、得たのは安堵感ではなく、バレる恐怖、ズレる恐怖、濡れる恐怖、飛んでしまう恐怖である。さらに会社で出会った同僚の女の子に一目惚れしてしまったから、悩みはさらにエスカレート。飲み会、デート、里帰りなど、襲いかかってくる日常の中、彼はかつらを隠し通すことができるのか。

実にシンプルでゆるい笑いが詰め込まれた作品であると同時に、同じ痛みを知る仲間や優しさに溢れた家族など、誰もが優しく、誰もが愛しくなるような登場人物ばかりである。
ゆっくりとした空気のなか、とてもおかしいのだけれど、なんだか心があたたかくなる。
誰もひとりではないことをこっそりと教えてくれる作品です。

「かずら」 WEB SITE→ http://www.kazura-movie.com/ 

かずら【初回限定版】 [DVD]

かずら
【初回限定版】

  • ポニーキャニオン
  • DVD

かずら [DVD]

かずら

  • ポニーキャニオン
  • DVD


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ohana「オハナ百景」 [●POPS]

美味しいものを食べたときのような
邪気のない喜びを感じる贅沢な1枚

[text●u.junko]

永積タカシ、原田郁子、おおはた雄一によるユニットである。この3人でCDを出すと聞いたとき“そりゃあ最高にハッピーな音が聴けるに決まってる!”と思い込んでいました。はい。裏切られることはありませんでした。

ohanaは3人の苗字の頭文字であり、ハワイ語で「家族」という意味だそうだ。旧知の仲である3人にはぴったりな名前である。このアルバムでは、3人が素直に音楽を楽しんでいる健やかさが溢れていて、あくせく働くことはおろか、通勤電車が遅延しているっていうだけでも“あぁもう最悪だよ”と思うことすらバカバカしくなるほどおおらかだ。それは不思議とハワイの空気に似ている。

何より不安や迷いといった、マイナスな感情が感じられない。というより、いろんなものを抱え込んでも、それでもプラスになるように進んでいったほうが、きっと今よりもいいよなぁと思わされる。1曲目の「よあけ」はイントロからして光が降るようにきれいだし、「予感」はまさしく“これから”のことを感じさせる。将来がどうのこうのとか、そんな大そうな希望の歌っていう意味ではない。両手を挙げて、んーっと伸びをして、さぁこれから何をしようかと考える。今日は朝から天気がいいから洗濯をしようかな、それが終わったら買い物に行こうかな、帰りにアイス食べたいなぐらいの、半径数メートルの範囲で起こる数時間先のこれから。それだけでも、とても穏やかで幸せな気分になる。これは美味しいものを食べたときのような、邪気のない喜びを感じる贅沢な1枚である。

OFFICIAL WEB SITE→ http://www.kimochiwaburenai.com/ 

ohana/オハナ百景

オハナ百景

  • ohana
  • コロムビアミュージックエンタテインメント
  • 2006/03/15
  • CD
01)よあけ
02)Shake your hands
03)ヒライテル
04)オハナレゲエ
05)Heavenly
06)予感
07)I wanna be sedated
08)ohana song
09)Blue
10)くすり の くすり

※「ヒライテル」は映画『彩恋 SAI-REN』の挿入歌

『彩恋 SAI-REN』 WEB SITE→  http://www.actcine.com/sairen/ 
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金城一紀著「GO」 [●BOOK]

人間だから赤い血が流れてて息をしていて
殴ったら赤い血が出るし、言葉にだって傷つく
それが、あたりまえなのだ

[text●h.mariko] 

映画化され、当時話題にもなっているので、そちらで作品に触れた人も多いだろうか。
日本人として日本という国に生まれ、何一つ不自由なく育った人(筆者も含む)には理解しきれない、いや一生かけても理解できない感情かもしれない。
それが、主人公である杉原、その他登場人物の持つ鬱憤なのだろう。
人間ていうのは人間であって、それ以上でもそれ以下でもない存在であることを我々はもっと強く知るべきである。
人間だから赤い血が流れてて息をしていて、殴ったら赤い血が出るし、言葉にだって傷つく。それが、あたりまえなのだ。
声高に人種差別をなくそう、などと叫ぶ人たちの言葉よりも何十倍もの説得力とパワーがある作品だってことは間違いがない。
自分がこれを読んで、見て、明日からどうやって生きていくか、ってことが、必要なことなんだと思う。

GO

GO

  • 金城一紀著
  • 講談社
  • 2000/03/30
  • 単行本

GO (角川文庫)

GO

  • 金城一紀著
  • 角川書店(角川文庫)
  • 2007/06
  • 文庫

GO【DVD】

GO

  • TOEI COMPANY,LTD.(TOE)(D)
  • DVD

メイキング・オブ GO [DVD]

メイキング・オブ GO

  • 東映ビデオ
  • DVD


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CREATURE CREATURE「INFERNO」 [●ROCK]

DEAD ENDのMORRIEによるソロ・プロジェクト第2章
ディープで濃密な彼の世界を堪能せよ

[text●i.akira]

昨年奇跡の再臨を果たしたDEAD ENDのボーカリストであるMORRIEのソロ・プロジェクト“CREATURE CREATURE”のセカンド・アルバム
前作「LIGHT & LUST」ではtetsuya(L’Arc~en~Ciel)や室姫深(AA= / The Spin)などを作曲やレコーディング・メンバーとして迎えていたが、今回はライブ時のサポート・メンバーであるHIRO(Libraian)、HITOKI(黒夢)、SAKURA(Lion Headz)、SHINOBU(The LEGENDARY SIX NINE)をそのままレコーディング・メンバーとしており、ソロ・プロジェクトというよりは、よりバンドに近い環境で制作されている。とはいえ、作詞はもちろんのこと、半分以上の楽曲の作曲もMORRIEがしており、前作よりもはるかにディープで濃密な彼の世界を堪能できる。全体的にサウンドは重厚で刺々しく、DEAD ENDとは違った破壊力を生んでいる。MORRIEのソロ作品を攻撃的に表現したような作品だ。そのなかでもやはり燦然と輝くのはMORRIEの歌声である。邪悪なようにも神聖なようにも響くその声に、思わず耳を奪われてしまう。
ギリギリと締めつけられるような緊張感がたまらない「Cluster」、メロディアスながら殺伐とした雰囲気の「Dream Caller」、攻撃的なギター・リフで疾走する「Amor Fati」、不穏なリズムにMORRIEらしい詩と歌が踊る「Black Hole」、永久の眠りへと誘うような危険な魅力に満ちた「秘苑」、ブラスト・ビートと暴れ回るギターがスリリングな「Swan」、エンド・ロールにふさわしい生と死をも越えたラブ・ソング「Vanishing」など、どの曲にもすべてを飲み込んでしまうような耽美で邪悪な魔力が満ちている。
触れたら最後、この未曾有の新世界へ足を踏み入れてはいかがだろう。

INFERNO(DVD付)【初回限定生産盤】

INFERNO(DVD付)
【初回限定生産盤】

  • creature creature
  • デンジャー・クルー・エンタテインメント
  • 2010/07/21
  • CD

INFERNO

INFERNO

  • creature creature
  • デンジャー・クルー・エンタテインメント
  • 2010/07/21
  • CD


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花村萬月著「風転」 [●BOOK]

命とはきらめくものではない
ただそこに在るだけで十分なのだ

[text●h.mariko] 

描き出すには重たすぎるテーマを、花村氏は2000枚の原稿用紙に載せた。
そして、私たちに突きつけてきた、命とは、生きるとはなんだということを。

学校の異分子であるヒカルと夏美、萌子のそれぞれは、全く違う。
また一匹狼のヤクザの鉄雄と、大学受験に失敗し気分が晴れないヒカルの持つ感性は、同質だが全く同じではない。

ヒカルは愛車CB400SFに跨がり鉄男とともに旅立った。
風に吹かれて転がって・・・。

一匹狼のヤクザというとチープだが、裏の世界が描かれているので「そんなアホな!」という極端な描写も多いが、だけど、ただ娯楽としての小説という立場を軽々と越えている作品であることは間違いない。

理由なき殺人が横行する世の中。
理由なく、と言い切る犯人にこそ突きつけたい作品である。
命とはきらめくものではない、ただそこに在るだけで十分なのだ。

心が平穏なとき、このようなテーマに立ち向かえるときに、真っ向から勝負していただきたい。

風転

風転

  • 花村萬月著
  • 集英社
  • 2000/06/05
  • 単行本

風転(上) (集英社文庫)

風転(上)

  • 花村萬月著
  • 集英社(集英社文庫)
  • 2003/09/19
  • 文庫

風転(中) (集英社文庫)

風転(中)

  • 花村萬月著
  • 集英社(集英社文庫)
  • 2003/10/17
  • 文庫

風転(下) (集英社文庫)

風転(下)

  • 花村萬月著
  • 集英社(集英社文庫)
  • 2003/11/20
  • 文庫


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中島美嘉「一番綺麗な私を」 [●POPS]

「愛した」という真実は
永遠に消えることはない

[text●O.Yuu]

夏の終わりはいつも何故だかせつない。そんな感傷的な心にしっとりと語りかけてくる一曲を見つけた。中島美嘉の「一番綺麗な私を」。TBSで放映中のドラマ「うぬぼれ刑事」(9/17最終回)の挿入歌である。初めて聴いたのはまさに劇中で、コメディタッチの話の中盤、うまい具合にこの曲が流れてきた。

中島美嘉のバラードは、いつも胸を締めつける。今作は、歌謡曲ふうというか少々古くさいぐらいのメロディと、戻れない日々を懐古する歌詞がとても印象深かった。そしてCDを購入し、あらためて楽曲を聴いてみた。サビで歌われる「一番綺麗な私を抱いたのはあなたでしょう」という彼女のエモーショナルな歌声は、やはりこの曲のいちばんのクライマックスだろう。

巡る季節、人は幾度も春を感じ、夏を過ごし、秋にもの思いに耽り、冬を越えて歳を重ねていく。恋愛のさじ加減は人それぞれで、価値観もスタンスも異なる。けれど結ばれたり、ハッピーエンドだけが恋愛のすべてではない。叶わない想いもあれば、好きでも諦めなければならない状況もあるし、時には若気の至りだってある。不倫や二股を肯定するわけではない。けれど惚れてしまったら、心を奪われてしまったら最後なのだ。

何気ない日々のなかに、どうしても忘れられない人はいるだろうか。私にはひとり居る。好きであればあるほど苦しく、身がよじれる。ともに過ごした日々に想いを馳せても、時間は戻らないことは承知の上だ。自分が今でも忘れられない分、ほんの僅かでいい、相手もそうであってほしい、と望んでしまう。それはこちらの勝手な我がままかもしれないけれど。でもそれがきっと、“愛”なのだろう。

ただ「愛されたい」。ただ「愛したい」。ただ「愛してる」。ただ「愛してた」。過去形に変わってしまっても、その想いに突き動かされた自分に後悔はない。未練とは少しばかり違う、相手を想う心情が痛いほど身に沁みる。

もう早いもので九月。しばらくはこの曲で、涼しくなるのを待ちながら、これからの秋を迎えようと思う。

Mika Nakashima Official website→ http://www.mikanakashima.com/



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皆川博子著「死の泉」 [●BOOK]

1998年第32回吉川英治文学賞受賞作品

戦争で傷つかない人などいない
そして必ず因果報応がある
そこに翻弄される人々の心の揺れ動きの
悲しいことといったら・・・

[text●h.mariko] 

第二次世界大戦の話になると、必ずと言っていいほど悪役になるのが、ナチスを擁したドイツという国である。それを舞台にした小説を読んでみたら、ドイツに対する考え方が変わった。それをもたらしてくれたのが、直木賞作家、皆川女史の作品である。

ドイツでは、より優秀なゲルマン民族を「つくり上げる」ための研究に日々余念がなく、戦渦に巻き込まれ死んでゆく人々を補うかのように、子どもを育てるための施設「レーベンスボルン(生命の泉)」を開く。そこに入れるのは夫が前線に出ているために身籠った子どもを産む不安がある女性たち。もちろん、「ゲルマン民族」であることが条件。
マルガレーテは、迷った挙げ句にレーベンスボルンの扉を叩く。
そこは、子どもを出産するだけの場所ではなく、近隣の国から攫って来た子どもたちを「ドイツ化」して育て上げる場所としても機能していた。
そこで出会う、クラウス医師。ポーランド人の子ども、フランツ、エーリヒ、リロ、アリツェ。彼らが巻き込まれるものに、マルガレーテとその子ども、ミヒャエルも巻き込まれてゆく・・・。

戦争で傷つかない人などいないのだ。それを人間が起こしている以上、必ず因果報応がある。そこに翻弄される人々の心の揺れ動きの、悲しいことといったら。

戦争の話であるが、ミステリーとしても一級品である。
ぜひ、二度三度と読み返していただきたい。

死の泉 (ハヤカワ・ミステリワールド)

死の泉

  • 皆川博子著
  • 早川書房(ハヤカワ・ミステリワールド)
  • 発売日: 1997/10
  • 単行本

死の泉 (ハヤカワ文庫JA)

死の泉

  • 皆川博子著
  • 早川書房(ハヤカワ文庫JA)
  • 2001/04
  • 文庫



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夢枕獏著「黒塚 KUROZUKA」 [●BOOK]

義経伝説と、不老不死の八百比丘尼伝説
時空を超えて描かれる物語のラストには
天地がひっくり返るほどの衝撃が待ち受ける・・・

[text●h.mariko] 

著者の、日本の古きよき時代とSFを合わせた作品は好んで読むが、この作品には特に夢中になって読んだ記憶がある。

時は鎌倉、追っ手から逃れる九郎義経と弁慶が一晩の宿を求めるのは、黒密の館。不思議な魅力を放つ黒密の元で暮らすうち、二人にはつかの間の安息が。
しかし、残酷な時に引き裂かれる、三人。

それから千年。
地球には巨大隕石が衝突し、世界中が無政府状態のなか、西の赤帝と東の白王がしのぎを削る。
クロウと呼ばれる超人的な存在の男は、あるとき「死なない女」の噂を聞き、惹きつけられるようにそれを求めて暗躍する。

かの有名な源義経の伝説と、不老不死の八百比丘尼伝説、それを見事に近未来ふうに大胆にアレンジされた作品はぐいぐいと読ませる力がある。
ラストはなんとなくよめるかな・・・と思いきや、天地がひっくり返る衝撃が待ち受ける。

不老不死とは幸せなのか否か、それを求めるが故浅ましくなる生というもの。
愛情の醜さ、悲しさ、愛おしさ。
陰残なシーンさえゆったりとした口調で流れていく。
惨いシーンも、殺戮シーンも盛りだくさんだが、全体の空気はあくまで雅やか。

黒塚 KUROZUKA (集英社文庫)

黒塚 KUROZUKA

  • 夢枕獏著
  • 集英社(集英社文庫)
  • 2003/02/20
  • 文庫


KUROZUKA-黒塚 1 (ジャンプコミックスデラックス)

KUROZUKA-黒塚 1

  • 夢枕獏原作 野口賢作画
  • 集英社(ジャンプコミックスデラックス)
  • 2003/01/06
  • コミック(全10巻)


黒塚 -KUROZUKA- Vol.1 [DVD]

黒塚 -KUROZUKA- Vol.1

  • ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
  • DVD

黒塚 -KUROZUKA- Vol.2 [DVD]

黒塚 -KUROZUKA- Vol.2

  • ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
  • DVD

黒塚 -KUROZUKA- Vol.3 [DVD]

黒塚 -KUROZUKA- Vol.3

  • ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
  • DVD

黒塚 -KUROZUKA- Vol.4 [DVD]

黒塚 -KUROZUKA- Vol.4

  • ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
  • DVD

黒塚 -KUROZUKA- 【Blu-ray BOX】

黒塚 -KUROZUKA- 【Blu-ray BOX】

  • ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
  • Blu-ray

 DVD OFFICIAL WEB SITE→ http://www.kurozuka.jp/ 

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吉田秋生作「海街diary」 [●COMIC]

古都・鎌倉を舞台に
少しずつ問題を乗り越え、再生していく家族の話は
とても切なくて清新なのだ

[text●u.junko]

この作品はすごい。古都・鎌倉を舞台に、漫画だからこそ許されるような特別な設定があるわけでもなければ、登場人物の誰かに感情移入して読むっていうわけでもない。ひたすら淡々と読み進めていけるのに、じんわりと滲むような読後感があり、どこか小説のような作品である。

鎌倉にある祖母の残した家で暮らす3姉妹のもとに、子どものころ家を出て行った父の訃報が届くところから物語が始まる。長いあいだ会うことのなかった父が残した異母妹を鎌倉に迎え、それからの約1年を描いているのだが、しっかり者の長女は不倫中だし、次女は酒豪で年下の男にやたら貢ぐし、マイペースで我が道をいく三女はアフロだし。末の妹はしっかり者だけれど、必要以上にしっかり者になってしまった理由があったりする。

どこにでもいそうな人物たちが、仕事や友達のこと、恋のこと、離れて暮らす母との関係など、いろいろな事情や悩みを抱え、それでも続いていく日常が優しく丁寧に描かれている。何かがドラマチックに展開するわけではなく、少しずつ問題を乗り越え、再生していく家族の話はとても切なくて清新なのだ。

そして、実際に存在する鎌倉の街並みやお店がたくさん登場するので、リアリティがあるのはもちろんだが、単純に鎌倉好きにはたまらない。(たとえば姉妹が住む家の最寄り駅は極楽寺駅だし、末の妹が友達と偶然会う和菓子屋さんは、長谷駅から極楽寺まで歩くとすぐに見つけられる)新しいものと古いものがちょうどいい距離感で存在して、すぐそばには海がある。鎌倉という街だからこそという空気感が作品全体から流れていて、その空気感がなければ魅力は半減だったようにも思う。

この作品を読むと“鎌倉に行きたい!”っていうか“むしろ住みたい!”という衝動と、知っているようで何も知らない家族のことを考える。そして、平凡な日常を淡々と過ごすことも悪いことじゃないような気がするのだ。

海街diary 1 蝉時雨のやむ頃

海街diary 1 蝉時雨のやむ頃

  • 吉田秋生作
  • 小学館(フラワーコミックス)
  • 2007/04/26
  • コミック

海街diary 2 (フラワーコミックス)

海街diary 2 真昼の月

  • 作者: 吉田 秋生
  • 小学館(フラワーコミックス)
  • 2008/10/10
  • コミック

海街diary 3 陽のあたる坂道 (フラワーコミックス)

海街diary 3 陽のあたる坂道

  • 吉田秋生作
  • 小学館(フラワーコミックス)
  • 2010/02/10
  • コミック


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30 SECONDS TO MARS「THIS IS WAR」 [●ROCK]

壮大な楽曲、徹底した美意識、ポジティブなエネルギー
圧倒的な世界と揺るぎない意志を持った傑作

[text●i.akira]

エモ/スクリーモというジャンルが音楽シーンに浸透してずいぶん経つが、本来の意味でエモーショナルであるバンドは決して多くないと思う。ただ叫ぶことや、耳障りなメロディをなぞることだけがエモではなく、圧倒的な世界と揺るぎない意志を感じさせてくれることこそ、エモであると自分は考えている。だからこそ、声を出して言いたい。30 SECONDS TO MARS(以下30STM)の3rd.アルバム「THIS IS WAR」は、純度の高いエモーショナルな作品だと。

前作「A BEAUTIFUL LIE」がアメリカ本国で200万枚以上を売り上げ、今や世界でも有数の影響力を持つバンドとなった彼らが次に届けたのは、前作を遥かに凌ぐ壮大な楽曲と、徹底した美意識と、ポジティブなエネルギーに満ち溢れた作品だ。へヴィでありながらダンサブルなサウンドに、ストリングスやコーラス隊を随所に使い、その世界はより重厚で美しいものに進化している。また、ハリウッド俳優としても知られるボーカリストであるジャレッド・レトの歌声はさらなる磨きがかかり、シンプルかつ実直で夢や愛に溢れた詩も相まって、まっすぐにこちらの心に染み込んでくる。

パワフルでストレートな「NIGHT OF HUNTER」、幻想的なサウンドとスケールの大きさに圧倒される「KINGS AND QUEENS」、生きることの難しさと美しさを訴えるような詩とメロディが胸を打つ「THIS IS WAR」、ライブなら間違いなく大合唱となる最高のキラー・チューン「CLOSER TO THE EDGE」、まるで戦場の先頭を突き進む勇者のようなたくましさを備えた「VOX POPULI」、デジタル・サウンドを多様した、作品中もっともダークな空気を持つ「STRANGER IN A STRANGE WORLD」など、バラエティに溢れながら、なにひとつ曲がることにないテーマがそこにあり、まるで1枚で1曲のような完成度の高い作品に仕上がっている。

近年、これほどまでに耳より心に訴えかけてくる音楽は少ないであろう。エモ/スクリーモというジャンルで括られることが多い彼らだが、本作によってそんな壁をぶち破り、全音楽ファンが愛するに値する音楽であると思う。圧倒的な世界と揺るぎない意志を持ち合わせた、真にエモーショナルな傑作である。

OFFICIAL WEB SITE(EMI Music Japan)→ http://www.emimusic.jp/intl/30stm/
OFFICIAL WEB SITE→ http://thirtysecondstomars.thisisthehive.net/blog/

ディス・イズ・ウォー

THIS IS WAR

  • 30 SECONDS TO MARS
  • EMIミュージックジャパン
  • 2010/07/14
  • CD

Beautiful Lie

Beautiful Lie

  • 30 SECONDS TO MARS
  • Immortal
  • 2005/07/22
  • CD

30 Seconds to Mars

30 Seconds to Mars

  • 30 SECONDS TO MARS
  • Immortal
  • 2002/08/02
  • CD


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近藤史恵著「ふたつめの月」 [●BOOK]

勇気って
使うときに持っていないと
きっと腐っちゃうんだろうな

[text●h.mariko] 

久里子と愛犬のアンとトモ、そして赤坂老人を中心とした中編3作品を収めた、
久里子ちゃん&老人の謎解きミステリー第2弾。
第1弾「賢者はベンチで思索する」の紹介は
コチラ→ http://mr203.blog.so-net.ne.jp/2010-09-05-1


懸命に働いて契約社員から正社員に昇格、喜び勇んでいるところに突然の解雇通告を受け、呆然とする久里子。片思いしている弓田は、料理の修業のためにイタリアへと飛んでしまう。正社員になれたことに喜んでくれた両親には、本当のことが言えない。仕事をする時間にこっそり家を出て、途方に暮れる久里子。
愛犬のアンとトモとの散歩中に再会する赤坂老人。何をしているのか、年齢も、職業も知らない他人なのに、 思っていることを素直に話せてしまう、とても優しい人。久里子は優しい両親、素直じゃないけど姉思い弟の信、そして愛犬たちに囲まれて、自分のために、人のために動く。
ゆっくりと進む弓田との関係。弓田の幼なじみで可愛い「妹みたいな存在(by弓田)」の明日香を紹介され凹む久里子。弓田のことが大好きなのに、何もできない自分が歯がゆい久里子。明日香に振り回されて困る久里子、そして明日香の気持ちを受け止める久里子。

夢に向かうこと。仕事をすること。生きていくこと。
テーマはなんとでも取れるけど、どの作品も人を見る 優しいまなざしと、人間ってこんなにも優しくなれるんだ と思ってしまう久里子のキャラクターがなんともいえない。そして、アンとトモが可愛すぎる。
タイトルにもなっている3編目は、少しミステリーよりの謎解きみたいな話。でもラストはあたたかい人の心のお話で締めくくられた。

本を閉じてから、目を閉じて、ゆっくり深呼吸して。さあ、明日もがんばろう、と前を向けるようなそんな物語たち。勇気って、使うときに持っていないと、きっと腐っちゃうんだろうな。それをうまく使っていくことが、人生なのかなぁ。

近藤史恵さんからの
短くてタイムリーなメッセージ「Twitter」はコチラ→ http://twitter.com/kondofumie 


ふたつめの月

ふたつめの月

  • 近藤史恵著
  • 文藝春秋
  • 2007/05
  • 単行本

ふたつめの月 (文春文庫)

ふたつめの月

  • 近藤史恵著
  • 文藝春秋(文春文庫)
  • 2010/05/07
  • メディア: 文庫


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GARLICBOYS「GOLDEN HITS」 [●ROCK]

best album 2000.07.05 release

ハードコア、ラップ、演歌、エモ
エロ、グロ、笑い、風刺、流行、童貞
スラッシュ・メタルを基盤としながら
独自すぎる音楽スタイル
今なお最前線

[text●i.akira]

1980年代に大阪で結成され、スラッシュ・メタルを基盤としながら、ハードコア、ラップ、演歌、エモ、エロ、グロ、笑い、風刺、流行、童貞などを取り入れた独自すぎる音楽スタイルで今なお最前線で活動しているGARLIC BOYS。個人的にはどの作品もオススメなのだが、彼らの魅力を手っ取り早く知るためにオススメなのが2000年にリリースしたお買い得な2枚組ベスト・アルバム「GOLDEN HITS」である。

初めて風俗に足を踏み入れる男心を描いた「ハッスルするっす」、買ったばかりの自転車を盗まれるという、QUEENへのアンサー・ソングのような「BYCYCLE」、相談番組での悲哀「泣き虫デスマッチ」、恥ずべき青春の日々を赤裸々に叫ぶ「若気の至り」、ストーカーの偏愛を寒気がするほどきれいなメロディに乗せた問題曲「Too Late True Love」、情報社会や流行を皮肉った「WAVE」、時代に翻弄された青くも甘い日々「マッシュルームカットとダッフルコート」、ブリーフのセクシーさと神聖さを説いた「白ブリーフ悪いか? 絶対悪くない!!」、呑みすぎ注意を呼びかけながらのシンガロングなモッシュ・ナンバー「あんた飛ばしすぎ」、など、どこを切っても彼らにしか作れない名曲・チン曲が満載である。そのくせ、ポップ・バンドにも負けないグッド・メロディのおかげでどれもこれも名曲に聴こえるのだから不思議だ。

毎年のように全国各地のライブ・ハウスを行脚している彼らを近くで見かけたら、ぜひハッスルしてほしい。長いキャリアを誇りながら、誰よりも飛ばしすぎな彼らに勇気と笑顔をもらえるはずだ。

OFFICIAL WEB SITE→ http://www.garlicboys.net/ 

GOLDEN HITS

GOLDEN HITS

  • GARLICBOYS
  • HOWLING BULL Entertainmen
  • 2000/07/05
  • CD
■Track listing
[DISC 1]
01. ハッスルするっす
02. ナルシスト宣言
03. BICYCLE
04. 泣き虫デスマッチ
05. 若気の至り
06. 兄貴御立腹
07. SAPPORO NIGHT
08. パパ
09. YOKOZUNA
10. 納得だ!!私も
11. SURF TO DEATH
12. Too Late True Love
[DISC 2]
01. WAVE
02. 怒りのもんた・泣きの小金治
03. マッシュルームカットとダッフルコート
04. GHQ
05. ヤクザラブ
06. ミスター演歌
07. 松永さん
08. ダンシングタンク
09. アンチマッチョマン
10. 白ブリーフ悪いか?絶対悪くない!!
11. あんた飛ばしすぎ




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近藤史恵著「賢者はベンチで思索する」 [●BOOK]

どんなに人間が生臭く
気味の悪い存在になっても
犬に癒される、犬は素晴らしい
そう思った

[text●h.mariko]

久里子ちゃん&老人の謎解きミステリー第1弾。

先に2作品目を読んでしまったが、違和感はなかった。前後は関係なく、あくまで連続短編集といった赴きで創られている感がある。

ファミリーレストランの「ロンド」でバイトしている久里子。犬を拾ったので飼ってもらえないかと相談されるが、その犬に会う前に犬が死んでしまったことを知る。悲しみに暮れている時に出会う老人、国枝。いつもお店に顔を出すときとは違った精悍な顔立ち、切れ者の雰囲気。訝しく思うものの、特に害がないので放っておくが、ロンドの近所で誘拐事件が起こり、国枝が深く関わっているかもしれないと刑事から聞かされると久里子も黙っていられなくなり・・・。

読者ならきっとこの辺りから黙っていられなくなる事だろう。
国枝氏が孫ほど年が違うであろう久里子に対する優しい言葉を投げるとき、犬のアンとトモに対する久里子と弟の信の姿を見たとき、久里子が弓田くんに恋する姿を見たとき、読者は自らの立場や姿形を顧みるのではないか。
どんなに人間が生臭く、気味の悪い存在になっても、犬に癒される、犬は素晴らしい。そう思った作品でもあった。

賢者はベンチで思索する

賢者はベンチで思索する

  • 近藤史恵著
  • 文藝春秋
  • 2005/05/26
  • 単行本

賢者はベンチで思索する (文春文庫)

賢者はベンチで思索する

  • 近藤史恵著
  • 文藝春秋(文春文庫)
  • 2008/06/10
  • 文庫
ファミレスでバイトをしているフリーターの久里子。常連にはいつも同じ窓際の席で何時間も粘る国枝という名の老人がいた。近所で毒入りの犬の餌がまかれる事件が連続して起こり、久里子の愛犬アンも誤ってその餌を食べてしまう。犯人は一体誰なのか?事件解決に乗り出したのは、意外なことに国枝老人だった。
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MANSUN「SIX」 [●ROCK]

ネガティブな言葉と美しいメロディ
時代に忘れられた70分の小宇宙

[text●i.akira]

音楽を愛する人にとって、忘れがたい名盤というものは必ず存在すると思う。セールスやブーム、時代を飛び越え、いつ聴いても色褪せることのない大切な音楽。そう、あなたのCDやレコードの並んだ棚の中、いつでも手に取れるように並んでいるそれ達である。僕の棚にも何十枚もそうした作品があるが、そのなかのひとつにMANSUNの「SIX」がある。

OASISやBLURを代表とするブリット・ポップと呼ばれた90年代U.K.ロック・シーンを象徴するムーブメントが終焉を迎えた1997年にデビューした彼らの2nd.アルバムとなる本作は、決して聴きやすい内容ではない。8分を超えるプログレッシブでパンキッシュな異形のタイトル曲「SIX」で幕を開けたかと思えば、「NEGATIVE」、「ANTI EVERYTHING」、「FALL OUT」、「LEGACY」などのような不吉なタイトル(詩の内容はそれ以上にショッキングで陰鬱である)が並び、CDの限界近くまで曲が、音が、言葉が詰め込まれているという、なんとも困った作品である。しかし、それらと反比例するように恐ろしく美しいメロディがネガティブな世界観を鮮やかに彩り、聴いていくうちにまるで異世界にトリップしたような感覚にさせてくれる。10年以上この作品を聴いているが、いまだ底知れぬその魔力に鳥肌を立たされている。

余談ではあるが、わりとストレートなUKロックを鳴らしていた1st.アルバム「Attack The Grey Lantern」(こちらもキラー・チューン満載の名盤である)の路線を期待していたファンのとって、本作はあまりにも難解で理解しがたい内容であったため、思うようなセールスも評価も得られなかった。そのことに傷ついた彼らは迷走を続けることとなり、結果的に2003年に解散している。しかし、僕のなかでこの作品への評価は下がることなく、くすむことなく輝き続けている。

悲しいやら嬉しいやらだが、中古ショップなどで安く手に入る代物なので、ぜひ貴方にも手に取ってほしい。時代に忘れられた70分の小宇宙を体験していただきたい。

Attack of Grey Lantern

Attack of Grey Lantern

  • MANSUN
  • EMI Import
  • 1997/02/17
  • CD

SIX

SIX


リトル・キックス

Little Kix

  • MANSUN
  • EMIミュージック・ジャパン
  • 2000/07/26
  • CD

クレプタメイニア (CCCD)

Kleptomania

  • MANSUN
  • EMIミュージック・ジャパン
  • 2004/09/23
  • CD

レガシー:ザ・ベスト・オブ・マンサン(DVD付)

Legacy
Best Of Mansun(DVD付)

  • MANSUN
  • EMIミュージック・ジャパン
  • 2008/12/10
  • CD


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山本文緒著「プラナリア」  [●BOOK]

2001年第124回直木賞受賞作品

揺れ動く心。大きな病気
できる女、できない女。男に依存できない女。
そして収れんする先は

[text●h.mariko]

偏見はよくない。改めて思った。
勝手に山本女史の作品は、じめじめした女ッたらしい、いじけた恋愛論でもぶちあげてあるのだろうと思っていた。
すみません。勉強不足でした。

先に読んだのがエッセイだったのが良かったのかもしれない。文章のわかりやすさや、優しい意味での「女っぽさ」に、この人は人間観察が好きなんだな、と改めて思う。

揺れ動く心。大きな病気。できる女、できない女。男に依存できない女。そして収れんする先は「私とはなに?」という、ごくあたりまえで深い疑問であった。同時に、「男だからこうで、女だからこう」という杓子定規な発想への反発にもなるほどと頷ける。

男と女は決定的に違う生き物で、それが無理矢理引っついているということは不自然なことかもしれず、良いことと悪いことの境目は人によって違い、人づき合いという形だけでは済まされない世の中の世知辛さみたいなものも滲み出ていた。この短編集、表題作もよかったけど、「ネイキッド 」「どこかではないここ 」「囚われ人のジレンマ 」「あいあるあした」の、どれもよかった。

プラナリア

プラナリア

  • 山本文緒著
  • 文藝春秋
  • 2000/10
  • 単行本

プラナリア (文春文庫)

プラナリア

  • 山本文緒著
  • 文藝春秋
  • 2005/09/02
  • 文庫



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FOX LOCO PHANTOM「SHADOW」 [●ROCK]

狂気の狐が呼び起こすロックの衝動
FOX LOCO PHANTOM、衝撃の最新作

[text●i.akira]

ここ最近の日本のロックには色気や毒気が不足しているように思う。テレビや街中から耳に入ってくるのは凡百なラブ・ソングばかり。正直言って、退屈極まりない。ロックとは抵抗であり、非常識であり、無秩序であり、自由なものではなかったのか。
そうした欲求を満たすバンドが、FOX LOCO PHANTOMである。

最新型でありながら、ロックの王道をひた走る彼らの最新作である「SHADOW」は、UKロックやニューウェーブを感じさせるダンサブルなロック・サウンドのなかに“和”のテイストやダークな雰囲気を漂わせる作品だ。
アルバム・タイトルの「SHADOW」を見事に表現した不気味でスリリングな「midnight sky walker」、癖になるリフとポップなサビが突き抜けている「INVADER ACTION」、バンド初期からライブで演奏されていたハイブリッドなパンク・ナンバー「TAXI DRIVER」、JOY DIVISIONやMY BLOODY VALENTINEを彷彿とさせる荘厳な「GHOST」など、毒気も色気も混在し、なおかつ琴線にも響く完成度の高いロック・アルバムである。

だが、彼らの本当の魅力はライブにこそある。足を運べば最後、音源以上に毒々しく、華々しく、強靭なパフォーマンスと音の塊に打ちのめされるに違いない。本作を引っ提げてのツアーも現在行なっている彼ら。その衝撃を、あなたにも体験してほしい。ロックの在るべき姿を思い出せるはずである。

OFFICIAL WEB SITE→ http://foxlocophantom.net/ 
OFFICIAL BLOG→ http://nora.foxlocophantom.net/ 

SHADOW

SHADOW

  • FOX LOCO PHANTOM
  • PCI MUSIC
  • 2010/07/21
  • CD
(01)midnight sky walker
(02)INVADER ACTION
(03)SUPER SONIC
(04)TAXI DRIVER
(05)DEVIL'S CIRCUIT
(06)girlfriend
(07)GHOST
試聴→ http://www.pcimusic.jp/distribution/jpn/1007/07.html


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古川日出男著「サマーバケーションEP」 [●BOOK]

夏休みの大冒険は、人生の縮図?
斜め37度くらいから覗き見上げた、青春

[text●h.mariko] 

夏休みって、特別な響きを持っている。
学生にとっては、1か月以上の長いお休みで、社会人になると1週間くらいの長いお休みで、言葉は同じなのに、期間が全然違う。夏という開放的な時間に、何かが起きるような、何かしたくなるような、そんな響き。

人の顔が判別できない僕。井の頭公園から始まる神田川の源流から海を目指して歩きはじめる。偶然出会った人々と連れ立ちながら、また離脱しながら。
サマーバケーション中のウナさん。「声の体温」の低い、自殺したい、カネコさん。へその女の人とイギリスさん。小学生3人に、クルクルクルのおじさん。チャリンコで「区」を守る評議会の中学生たち。北京さんに広東さん。たくさんの出会い、別れ。

夏休みの大冒険は、人生の縮図?
斜め37度くらいから覗き見上げた、青春、とでも言いましょうか。
こんにちは。
さようなら。

サマーバケーションEP

サマーバケーションEP

  • 古川日出男著
  • 文藝春秋
  • 2007/03
  • 単行本

サマーバケーションEP (角川文庫)

サマーバケーションEP

  • 古川日出男著
  • 角川書店(角川文庫)
  • 2010/06/25
  • 文庫


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