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あのときあの場所に集まって
再び全国に散った趣味も性格も全く違うレポーターたちが
ジャンルを飛び越え、新旧流行にとらわれることなく
いま自分が好きなもの、自分にとっての旬なアレコレをガンガン紹介するブログ!
どうぞココで、いろんな好きと出合ってくれたなら
ますます楽しくなってしまうじゃない!
音楽、小説、映画、美術、TVショウ・・・いつだって、出合ったときが新しい!

DEAD END「METAMORPHOSIS」 [●ROCK]

5th album 2009.11.11 release

伝説のバンド、奇跡の再臨
純度の高い暗黒世界

[text●i.akira]

20年以上前、ジャパメタ隆盛のシーンにおいて異端児とも呼ぶべきバンドがデビューした。その名はDEAD END。過激なメイクやファッションを身にまとい、グロテスクかつ深遠な世界観と圧倒的なサウンドで時代を瞬く間に駆け抜け、1990年に解散を発表した後も多くのバンドが彼らからの影響を公言し、もはや伝説として語り継がれることしなかったバンドである。

そんな彼らが突然2009年に奇跡の再臨を果たし、20年ぶりのアルバムを発表したのである。

「METAMORPOSIS」と名づけられた本作は、間違いなくDEAD ENDでしか形成できない怪物である。“9・11”をテーマに書かれたという詞が印象深い「摩天楼ゲーム」に始まり、作品中もっともキャッチ―な「Dress Burning」、バンド史上最速かつ最凶のハード・コア・ナンバー「Devil Sleep」、PVも制作され、現在の彼らを最もわかりやすく表現した神々しいまでの名曲「Princess」、攻撃的な言葉と音が疾走する「Kill me baby」、そして9分を超える大作「冥合」による大団円など、重厚かつ凶暴な音が幾重にも重なった複雑な楽曲と、凄みを増した変幻自在のMORRIEの歌声により純度の高い暗黒世界が展開されている。これほどの作品をわずか10日のレコーディングで、しかも即興に近いスタイルで作り上げているというのだから恐ろしい。

今年に入ってもその活動は止まらず、8月には「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2010」と「JACK IN THE BOX 2010 SUMMER」というふたつのフェスにも出演している彼ら。今後どのようなアクションを起こしてくれるか、非常に楽しみである。

DEAD END
MORRIE(Vo.)
YOU(G.)
CRAZY COOL JOE(B.)
MINATO(Ds.)


OFFICIAL WEB SITE→ http://dead-end.jp/

TOWER RECORDS ONLINE[DEAD END]
TOWER RECORDS ONLINE「METAMORPHOSIS」CD+DVD/初回生産限定盤

METAMORPHOSIS

METAMORPHOSIS

  • DEAD END
  • SMD
  • 2009/11/11
  • CD
■Track listing
01. 摩天楼ゲーム
02. Dress Burning
03. テレパシー
04. Devil Sleep
05. 神猿
06. 擬似ヴィーナス
07. Princess
08. Guillotine
09. Kill Me Baby
10. 冥合



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水森サトリ著「でかい月だな」 [●BOOK]

2006年第19回小説すばる新人賞受賞作品

親への反抗
やりたいバスケへの飽くなき情熱
それを支えてくれる、友達・・・

[text●h.mariko]

タイトルに惹かれて借りてみる。
あたり。というか、自分が好きなタイプの本。

誰から見ても「いい子」の沢村幸彦ことユキは、友人の綾瀬涼介と出かけて、崖から蹴り落とされる。 その瞬間目に入ったものは、

でかい月。

幸彦は入院のすえ、片足がいうこときかなくなっちゃって、 大好きなバスケを諦めることに。 同じ部の光が毎朝練習に誘いにくるのもうざったい。中2にしてダブったユキは新しいクラスメイトともそれなりに うまくやる。邪眼を持つ横山かごめを除いては。
旧理科室で「錬金術」に精を出す中川とも仲良くなるユキは、
「果たして自分が立っている場所は正しいのか?」
と悩む。そして、自分を見つけることを考える。

親への反抗。やりたいバスケへの飽くなき情熱。 それを支えてくれる、友達。

そんなころ、人の心をおかしくさせる「キャラバン」が星の彼方からやって来た。それに早々と気づいた者はおかしくなったり、自我を失ったり。でも、ユキとかごめは最後まで「普通」だった。
それはどうして?
ユキが絶対会いたい人は誰?

たとえば人と仲良くすること、ボランティアをすること、 とてもいいことだと思う。だけど、それに何かの価値を 見い出していたらそれは打算。普通にやらなければ、欺瞞。きっと、友達同士にもそれはいえることなんだろう。だから、きっと涼平はユキを「大切なもの」として、ユキを失いたくなくて、突き落としたんだろう。そこに言葉なんていらない。

世の中が「悪くなる」ことを示唆している言葉で救われた話は、これが初めてかも知んない。

でかい月だな

でかい月だな

  • 水森サトリ著
  • 集英社
  • 2007/01/06
  • 単行本

でかい月だな (集英社文庫)

でかい月だな

  • 水森サトリ著
  • 集英社(集英社文庫)
  • 2010/01/20
  • 文庫


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my bloody valentine「loveless」 [●ROCK]

ノイズが「チリチリ ザラザラ」するんだけど
不思議と耳障りではない。むしろループされているとき
“終わらないでくれ”と思ったりする

[text●k.ryo]

高校3年くらいから好きなアルバム。
sonic youth「goo」を気に入って、
フィードバック・ノイズ系にハマったのかな。

耳を傾けても、ノイズが「チリチリ ザラザラ」するんだけど、不思議と耳障りではない。
むしろループされているとき、“終わらないでくれ”と思ったりする。

もうこのアルバムの気持ちよさ(効能)は、
「loveless」発売10年後くらいに流行った、トータスなどの音響系と、
モグワイやシガーロスなどの轟音ギター系、
両方の魅力を兼ね備えてると思う。

すでに20年前に作られた作品ってこともあり、
リマスターやSHM-CD化などを、
ささやかに、のんびり、願ってたりします。

いまでも聞くたびに新しい発見があったりするから、
一生聞くだろう。

Loveless

Loveless

  • my bloody valentine
  • Sire / London/Rhino
  • 1991/11/05
  • CD

ラヴレス

ラヴレス

  • my bloody valentine
  • エピックレコードジャパン
  • 1998/03/21
  • メディア: CD



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有賀幹夫写真展 「KING OF ROCK'N ROLL 忌野清志郎 NAUGHTY BOY」 [●ART/EXHIBITION]

ライブ写真がかっこいい! そう思わせるアーティスト
近ごろ少なくなったなぁと漠然と思っていた。その1枚で衝撃を受けるような
作品として完成されているような写真を見る機会が
ほんとに減った気がする

[text●u.junko]

“King Of Rock忌野清志郎”

私は彼を語れるほど、彼の音楽や人柄を詳しく知り尽くしているわけじゃない。
ただ、彼がステージに登場すると、その場の空気が一変すること。そして彼の音楽を聴いていると、どうしようもなく引き付けられている自分がいること。それだけは知っている。

「JUMP」を聴くと、なぜかいつも大泣きしそうになるので、私は前からその理由が知りたいと思っていた。そんな意識が偶然を呼んだのか、旅先でたまたま開催していたのがこの写真展だった。

近ごろライブ写真がかっこいいと思うアーティストが少なくなったなぁと、漠然と思っていた。その1枚で衝撃を受けるような、作品として完成されているような写真を見る機会が減った気がする。しかし、この写真展で飾られている忌野清志郎の写真は、ステージ上で暴れまわる姿もレコーディング中の姿も、どれも優しげで、子どものような顔をしているのが印象的。そして、彼がよく言っていた“愛しあってるかい?”の声が写真からも聴こえてくるような作品ばかりだった。そして、写真家が彼を撮ることにとても思い入れや愛情があることが感じられ、微笑ましくもありとても温かい気持ちになる、素敵な写真展だった。

彼の音楽には敵がいる(もちろん、それだけではないけれど)。おかしいものはおかしいと歌っている。でも、そこにはただ攻撃するだけじゃなく、それ以上に他者に対する愛情が感じられて、それが薄っぺらい無責任な発言なんかではないことを、聴き手が素直に信じられるのも忌野清志郎だからこそできることだろうと思う。彼の曲は彼が歌わなければ、まったく別の曲になってしまうほど唯一無二の強烈な個性と一貫したメッセージがあり、それをロックという手段で体現し続けたのである。それも、この先こんなアーティストは出てこないだろうなぁと思わされてしまうほど鮮烈に。

悲しいけれど、もうステージに登場する彼に会うことはできない。けれど、彼の音楽は続いていく。それだけは確信している。

忌野清志郎OFFICIAL WEB SITE→ http://www.kiyoshiro.co.jp/ 

有賀幹夫写真展
「KING OF ROCK'N ROLL 忌野清志郎 NAUGHTY BOY」
http://naughtyboy.mikioariga.jp/
2010.03.26〜04.11・大 阪/道頓堀・中座くいだおれビル4F「studio ZAZA」
2010.05.06〜05.11・東 京/渋 谷・東急本店 7階催物場
2010.08.12〜08.18・北海道/札 幌・さっぽろ東急百貨店 9階催物場
2010.10.21〜11.14.・愛 知/名古屋・名古屋パルコ西館8F「パルコギャラリー」



Baby #1

Baby #1

  • 忌野清志郎
  • EMIミュージックジャパン
  • 2010/03/05
  • CD



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SION「I GET REQUESTS ~SION with Bun Matsuda~」 [●ROCK]

2010.08.04 release

ファンによって選ばれた珠玉の10曲
愛すべきセルフ・カバー・アコースティック・アルバム

[text●i.akira]

SIONデビュー25周年を記念して、ファン投票(総数13,551票)によって選ばれた上位10曲をSIONと彼のデビュー当時からのパートナーである松田文とでセルフ・カバーしたアコースティック・アルバム。もともとこのふたりでツアーを行なったりはしていたが、こうして音源となるのは初めてだ。歌とギター(数曲ハープもあるが)のみというシンプルな形で、しかも過去の名曲を改めて味わえるというのは、ファンとしては嬉しい限りである。

歌うことと現実との葛藤を描いた彼の代表曲「俺の声」、ザラザラとかき鳴らされるギターの音と叫ぶような歌声がオリジナル以上に強さを感じる「通報されるくらいに」、彼の少年時代の美しくも悲しい記憶を描いた「12号室」、優しい響きになり、ゆっくりと心に染み込んでくる「コンクリート・リバー」、何度でも立ち上がる強さを歌った「砂の城」、母からの愛情を手紙のような歌詞に込めた「がんばれがんばれ」、“やわらかな後悔”という言葉が刺さる「12月」、彼らしい不器用なラブ・ソング「SORRY BABY」、現実に打ちのめされながらも日々を繰り返す「街は今日も雨さ」、不幸せの傍には必ず幸せがあるという「マイナスを脱ぎ捨てる」。

正直、ファン投票にも参加した自分が選んだ曲は3曲ほどしか収録されていない。しかし、納得の10曲である。ファンにとってSIONの曲はどれもが愛すべき曲であるのだから。

余談だが、ブックレットの3ページほどを使って投票に参加したファンの名前が載せられている。自分の名前を見つけたときは、思わずニヤニヤしてしまった。こうした心遣いも憎い。

SIONの25周年はまだまだ終わらない。9月22日にはマキシ・シングル「からっぽのゼロから/そしてあ・り・が・と・う」がリリースされ、10月にはオリジナル・アルバムの発売も控えている。今年はめいっぱい彼の歌を楽しもうと思う。まあ、毎年のことであるが。

BUGcorporation“SION WEB SITE”→ http://www.bug-corp.com/bug/sion/top.html 
TOWER RECORDS ONLINE pickup artist[SION]
TOWER RECORDS ONLINE「I GET REQUESTS ~SION with Bun Matsuda~」

sion2.jpg
I GET REQUESTS
~SION with Bun Matsuda~
(01)俺の声(02)通報されるくらいに(03)12号室
(04)コンクリート・リバー(05)砂の城
(06)がんばれがんばれ(07)12月(08)SORRY BABY
(09)街は今日も雨さ(10)マイナスを脱ぎ捨てる

2010/08/04
完全生産限定盤
3150円



からっぽのZEROから

からっぽのZEROから

  • SION
  • インペリアルレコード
  • 2010/09/22
  • メディア: CD


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瀬尾まいこ著「卵の緒」 [●BOOK]

「卵の緒」 2001年第7回坊っちゃん文学賞大賞受賞品

お母さんにいつかなるとしたら
「育生のおかあさん」みたいになりたい
と、ちょっと思った

[text●h.mariko] 

中編2作、「卵の緒」「7’s blood」を収めた作品集。
2作品とも爽やかで、どこか痛くて、ちょっと笑える、簡単にまとめてしまえば「家族小説」とでも言えるだろうか。

お父さんがいなくて、捨て子だったのかもしれないとちょっと心配しながらお母さんに聞いてみると、卵から産まれたんだよと諭される育生。お母さんはファンキーで、お気に入りの朝ちゃんを家に連れてきたりして、「美味しいもの」を3人で食べる。 小さな幸せと大きな幸せを一緒に連れてくるお母さん。 それに戸惑うことなくついていく健気で健全な育生。

お母さんが育生に接する時の優しさ、ちょっと強引さは好きな人に接する人の姿そのもの。お母さんの告白をしっかり受け止める育生は偉い。

「7’s blood」は、お母さんが入院中、腹違いの弟の七生と一緒に暮らす事になった七子の視点で語られる物語。 妙に大人びた七生とずれたり合ったりしながら、一つの家に暮らすという生活。 七生のお母さんは犯罪を犯して服役中。 そんなことはおくびにも出さない、というか気にしていない七生がちょっと羨ましくて、ちょっとむかついてる七子。
二人とも、とても愛らしい。

人が一人生きていると、必ず出逢うのが家族。 その家族によって、価値観は相当左右されると思うが。 ここに描かれる家族たちは、とっても素敵な人ばかりだ。
私がお母さんにいつかなるとしたら、「育生のおかあさん」みたいになりたいな、と、ちょっと思った。

卵の緒

卵の緒

  • 瀬尾まいこ著
  • マガジンハウス
  • 2002/11
  • 単行本

卵の緒 (新潮文庫)

卵の緒

  • 瀬尾まいこ著
  • 新潮社(新潮文庫)
  • 2007/06
  • 文庫



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奥田民生「OTRL」 [●ROCK]

とぼけた顔で
ゆるそうに飄々としながらも
しっかりがっちり聴く人の心をわし掴みにして
放さないんだから

[text●u.junko]

“音楽を作るのが、本当に楽しいと思っている人なんだなぁ”と感じる、すみずみまで血が通った、体温が感じられるアルバムだ。奥田民生が全演奏をひとりで行ない、レコーディング工程をライブとして公開、そこで完成した1曲をその日の晩には配信するという、前代未聞の公開レコーディング・ライブツアー「ひとりカンタビレ」をパッケージ化した本作。

数多くのミュージシャンと演奏して作ったこれまで曲たちと違い、どこをどう切り取っても“100%奥田民生じるし”なので、聴いていると照れくさいというか、何やらとてもくすぐったい。“あっ、どうも初めまして”といいたくなるような新鮮なドキドキ感と、してやられた感にニヤニヤさせられる。

そもそもこのツアーは、プロの作業を目の当たりにできる観客にはたまらないけれど、作り手にはメリットよりもむしろデメリットのほうが多分なわけで、それをわざわざ(しかもツアーで)やってしまう、ベテランの技量と思い切りのよさが気持ちいい。とはいえ、企画先行ではなく、自由で曖昧なおなじみの民生節全開の曲たちに、“音楽って楽しいな”と思わされる、シンプルな感動が存分に味わえる1枚となっているのだ。とぼけた顔で、ゆるそうに飄々としながらも、しっかりがっちり聴く人の心をわし掴みにして放さないんだから、本当にこの人は罪づくりである。

このアルバムには、ライブで聴いてぐぉーっとテンションが上がって、汗だくになって踊れるようなキラーチューンはありません。でも、名盤です。

OTRL(初回生産限定盤)(DVD付)

OTRL
(初回生産限定盤)(DVD付)

  • 奥田民生
  • KRE
  • 2010/08/04
  • CD
■収録曲
(01)最強のこれから
(02)わかります
(03)えんえんととんでいく
(04)RL
(05)音のない音
(06)たびゆけばあたる
(07)ひとりカンタビレのテーマ
(08)かたちごっこ
(09)Room 503
(10)解体ショー
(11)暗黒の闇
■初回生産限定盤特典DVD
“ひとりカンタビレ”ツアードキュメント
2010.5.7 渋谷AX ダイジェスト
質疑応答



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夏休みのおしらせ [■informatio]

残暑お見舞い申し上げます。

1121.jpeg

いつもたくさんのかたにご愛読いただき、
ありがとうございます。


夏休み旅行のUターンラッシュも本日がピークだとか、
テレビニュースが告げておりましたが、

当ブログも15日から24日まで、
すこし長めの夏休みを取らせていただきます。

まだまだ暑い日が続きます。
ご覧のみなさまには、
くれぐれもお身体をおいといください。

2010.8.15 管理人記
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沢木耕太郎著「深夜特急 1―香港・マカオ―」 [●BOOK]

読み進めれば、読み進めるほど
いつしか著者と同じ視点になった気持ちになり
旅先での出来事に一喜一憂してしまう

[text●yskstar☆]

「インドのデリーからイギリスのロンドンまで、乗合いバスで行く。
ある日そう思い立った26歳の〈私〉は、仕事をすべて投げ出して旅に出た。」

この文言に惹かれて出合った本は、強烈だった。

文庫本では全6巻。
1986年に単行本「深夜特急 第1便〜」が発行されて以来もう「ベタ」と言われるほど、
現在でも老若男女を問わず愛読されている。
なかでも、この<香港・マカオ>編で
ユーラシア放浪の旅の途中、香港に立ち寄った著者が
香港の街と人の熱気に酔いしれるさまに
アッサリと引き込まれてしまったのだ。

読み進めれば、読み進めるほど
いつしか著者と同じ視点になった気持ちになり
旅先での出来事に一喜一憂してしまうのである。
もう幾度となく読み返し、今となっては内容もすっかり
目になじんでしまっているはずなのに
新しい発見をすることもしばしば、である。
いまだにこの本を開くたび、さまざまな地に思いを馳せつつ、
どういう手法であれ、旅というものに憧れてやまない。

しかし、さすがに同じような旅路を辿るには
いささか時間が絶ち過ぎて、ガイドブック的な用途はないが
(世界の通貨単位も情勢も変わっているので)
それでも、この本を手に取った者は、著者の辿った旅路を
踏襲したいと思わずにいられなくなるのではないだろうか。

私事ではあるが今夏、旅行先に選んだのは
奇しくも香港であった。
もちろん、意識したわけでなく、
この本での感動が、心の奥深くに刷り込まれてしまっていたのであろう。
数ある旅行記の中でも、
私はいまだに「深夜特急」を超える本に出合えずにいる。
くれぐれも読後、突発的に仕事を辞めて旅に出たりすることがないよう
熟考することをお勧めする。

深夜特急〈1〉香港・マカオ (新潮文庫)

深夜特急〈1〉香港・マカオ

  • 沢木耕太郎著
  • 新潮社(新潮文庫)
  • 1994/03
  • 文庫

深夜特急〈2〉マレー半島・シンガポール (新潮文庫)

深夜特急〈2〉マレー半島・シンガポール

  • 沢木耕太郎著
  • 新潮社(新潮文庫)
  • 1994/03
  • 文庫

深夜特急〈3〉インド・ネパール (新潮文庫)

深夜特急〈3〉インド・ネパール

  • 沢木耕太郎著
  • 新潮社(新潮文庫)
  • 1994/04
  • 文庫

深夜特急〈4〉シルクロード (新潮文庫)

深夜特急〈4〉シルクロード

  • 沢木耕太郎著
  • 新潮社(新潮文庫)
  • 1994/04
  • 文庫

深夜特急〈5〉トルコ・ギリシャ・地中海 (新潮文庫)

深夜特急〈5〉トルコ・ギリシャ・地中海

  • 沢木耕太郎著
  • 新潮社(新潮文庫)
  • 1994/05
  • 文庫

深夜特急〈6〉南ヨーロッパ・ロンドン (新潮文庫)

深夜特急〈6〉南ヨーロッパ・ロンドン

  • 沢木耕太郎著
  • 新潮社(新潮文庫)
  • 1994/05
  • 文庫

深夜特急〈第一便〉黄金宮殿

深夜特急〈第1便〉黄金宮殿

  • 沢木耕太郎著
  • 新潮社
  • 1986/05
  • 単行本

深夜特急〈第二便〉ペルシャの風

深夜特急〈第2便〉ペルシャの風

  • 沢木耕太郎著
  • 新潮社
  • 1986/05
  • 単行本

飛光よ、飛光よ (深夜特急)

深夜特急〈第3便〉飛光よ、飛光よ

  • 沢木耕太郎著
  • 新潮社
  • 1992/10
  • 単行本

旅する力―深夜特急ノート

旅する力―深夜特急ノート

  • 沢木耕太郎著
  • 新潮社
  • 2008/11
  • 単行本

劇的紀行 深夜特急 [DVD]

劇的紀行 深夜特急

  • ソニー・ミュージックディストリビューション
  • DVD
    ■cast
    大沢たかお
    松嶋菜々子 ほか

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上村佑著「守護天使」 [●BOOK]

2007年第2回日本ラブストーリー大賞受賞作品

オヤジと女子高生の禁断の愛か・・・?!
いや、とんでもない。断言しよう
これは純愛物語である!

[text●h.mariko] 

なんだこりゃあ!
とりあえず、読み始めた時の、感想。

ぎゃははははははははは!!
読書中。

ちょっとほろり。
が、読み終わった後の、感想。

「チビデブハゲ」の三重苦、おまけに糖尿で痔主で「役立たず」、会社をリストラされた理由が「太っているから」。 と、どこまでもついていない啓一。新しい勤め先のカウンセリング・センター(不登校児らの世話をする機関)に1時間半かけて通ううち、人生なんて「まぁいいや」ですませてしまう、世捨て人さながらになっていたある日。彼は恋をしてしまう。あろうことに、女子高生に!

なんて書くと、オヤジと女子高生の禁断の愛か・・・?!
と想像だけが膨らんでしまうが、とんでもない。
断言しよう、これは純愛物語である!

女子高生の涼子はあらぬことから恨みを買い、ネットで 「標的」にされてしまう。それを知った啓一の命(と体)を かけた、一大決心。

最後はすっきりしすぎてる気もするけど、それでいいかなーと思わせる「すっきり」度には好感が持てた。

「歯鉄砲」「赤ふんどし」「猥褻物陳列罪」
しばらく、この言葉だけで、思い出し笑いできる日が続くと思います。

守護天使

守護天使

  • 上村佑
  • 宝島社
  • 2007/03
  • 単行本

守護天使 (宝島社文庫)

守護天使

  • 上村佑
  • 宝島社(宝島社文庫)
  • 2008/10/02
  • 文庫
守護天使 [DVD]

守護天使

  • エイベックス・マーケティング
  • DVD
    ■cast
    カンニング竹山(須賀啓一)
    佐々木蔵之介(村岡昌志)
    與真司郎(佐々木大和)
    忽那汐里(宮野涼子)
    寺島しのぶ(須賀勝子)


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Led Zeppelin「four symbols(LED ZEPPELIN IV)」 [●ROCK]

昔のようにZepを
聴きまくるということはなくなっても
久々に聴くとやっぱりZepだよな
と、ひとり悦に浸ってしまう

[text●k.yosihiro]

うちの地元は北関東の平野部で、これといった観光の名所もない田舎街で、まだまだ「エコロジー」という時代の潮流が浸透していないのか、庭でゴミを燃やしている光景をまだまだ見掛ける。ある日、帰宅の際に信号待ちをしていると、ふと左に視線を向けた、生け垣の後ろに広葉樹。その枝葉の上、火影はきままに伸縮を赤々と描いた。不謹慎ではあるけれど、非常に美しい光景のように思えた。ふと思い立ち、ダッシュボードを明け、取り出したのはLed Zeppelinの4枚目、通称「four symbols」。タイトルは、それぞれのメンバーを表す記号が4つ並んだもので、いくつかあるメジャーな通称のうちで、僕はこの呼び名が好きでよく用いている。
このアルバムで最も有名な、というよりポピュラー・ミュージック全体においても極めて有名な「天国への階段」は、薪を囲んだ、非常に落ち着いた雰囲気のなかで生まれたそうだ。その話を思い出してのことだった。
冒頭の曲は、「black dog」。配線をいじり倒したこのギターの音色は、決して痛快な音ではない。けれど、特有の温かみがある。ペイジに限らず、プラント、ジョンジー、ボンゾ、すべてのメンバーの奏でる音色に言えることだ。そして、この音の温度は、Zepのすべての曲に共通してあるものである。少なくとも僕はそう感じている。この特有の温かみ、十代のころは、この生温かさがどうにも苦手であった。けれど、一度はまると病みつきになるような心地好さがあって、昔のようにZepを聴きまくるということはなくなっても、久々に聴くとやっぱりZepだよな、と、ひとり悦に浸ってしまう。
体温を持った音楽。彼らは、生命そのものを音に刻みこんだのかもしれない。刻みこんではいないのかもしれない。
どうあれ、Zepの音は気持ちがいい。僕にとってはね。

■Led Zeppelin
Robert Plant /ロバート・プラント(Vo.)
Jimmy Page/ジミー・ペイジ(G.)
John Paul Jones/ジョン・ポール・ジョーンズ(B.)
John Bonham/ジョン・ボーナム(Ds.)
1968年結成。69年デビュー・アルバム「レッド・ツェッペリン」発表。
1975年バンド自身のレーベル、スワン・ソング設立。
1980年ボーナム急死により解散。
1988年以降、ボーナムの息子、
ジェイソン・ボーナムがドラマーとして参加、
LED ZEPPELINとしてのライブを行なう。


レッド・ツェッペリンIV

レッド・ツェッペリンIV

  • Led Zeppelin
  • ワーナーミュージック・ジャパン
  • 2005/05/25(原盤・1971/11/08)
  • CD

バンドスコア LED ZEPPELIN IV

バンドスコア
LED ZEPPELIN IV

  • ヤマハミュージックメディア
  • 2009/07/18
  • 楽譜

【5,000セット限定生産】レッド・ツェッペリン 狂熱のライヴ リミテッド コレクターズ・エディション [DVD]

レッド・ツェッペリン 狂熱のライヴ
リミテッド コレクターズ・エディション

  • ワーナー・ホーム・ビデオ
  • DVD【5,000セット限定生産】



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野中ともそ著「パンの鳴る海、緋の舞う空」 [●BOOK]

1998年第11回小説すばる新人賞受賞作
田辺聖子氏選評「熱帯の風光と狂気がよく描きこまれ、 
音や音楽という書きにくいものを、よく言葉で表現した力作」


ニューヨークへ逃避したマヤと 
地下鉄車掌のグレッグ 
ニューヨークからカリブの島国トリニダード・トバゴへ 
ふたりの人生が交錯し 
そこに出逢いと運命が重なる

[text●h.mariko]

「パン」って聞いたら、朝飯によく食う、あの四角いヤツとか
あんことかクリームとかが詰まってるモノを想像してしまった。

大はずれ。

パン=スティールパン、
カリブ海の島国トリニダード・トバゴで発明された楽器であった。

自称男前、クラブで女をとっかえひっかえしているニューヨークの地下鉄車掌、グレッグ。最近、同居している理解者であるはずのアレサとの歪みが気になる。ちょっとしたいたずらみたいな気分で、新聞の「出逢いコーナー」みたいなちっちゃな広告に心惹かれる。
グレッグは伝言ダイヤルで、マヤと知り合う。
マヤは日本である程度の成功を収めて、そのまま自分を壊して、ニューヨークに逃げた人間だった。
そしてニューヨークからトリニダード・トバゴへ。
ふたりの人生が交錯し、そこに出逢いと運命が重なる。

とかいうと、重たく感じてしまうかもしれないけど、 文体は柔らかく、スラングとか日本語と英語の違いをうまく指摘しながら描かれている英語圏での会話は興味深い。
そして、ふたりが「肉のない世界」=「電話回線」で繋がって行く心の深さの描き方も秀逸。
スカーレット・アイビスという深紅の鳥を観にいかないか、 というグレッグの言葉どおり、ふたりを繋ぐ橋はこの鳥になるのだとばかり思っていたら、はずされた。いい意味で。

音楽にすべてをゆだねたことがある人なら、この心はよくおわかりになるだろう。
文章のなかから伝わってくる音楽、旋律、野性・・・。
そんなものたちに巻き込まれてしまった一冊であった。

外務省案内>トリニダード・トバゴ共和国→ http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/trinidad/index.html


パンの鳴る海、緋の舞う空

パンの鳴る海、緋の舞う空

  • 野中ともそ著
  • 集英社
  • 1999/01/05
  • 単行本

パンの鳴る海、緋の舞う空 (集英社文庫)

パンの鳴る海、緋の舞う空

  • 野中ともそ著
  • 集英社(集英社文庫)
  • 発売日: 2004/10/20
  • 文庫


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ティム・バートン監督作品「ビッグ・フィッシュ」 [●DVD]

2003年12月米国公開/2004年5月日本公開作品

ラスト10分
とても悲しく幸せで
人生や愛情の痛みと深さに
打ちのめされる

[text●u.junko]

こんなにも優しく、罪のない嘘に溢れた作品は珍しい。ファンタジー作品といえばこの人、ティム・バートン監督作品である。しかし、バートン監督にこれだけ泣かされた作品は初めてだ。何度見ても必ず涙腺を刺激され、どれだけティッシュを大量消費したことか。

これは自分の人生をおとぎ話のように周囲に語る父と、その父とうまくいかない息子の話である。そこだけをとれば、どこにでもあるようなストーリーになりかねないのだが、バートン監督にかかれば、色彩豊かな最上級のファンタジーになる。

“時が止まれば本当の恋”という若き日の父が妻と出会うシーンでは、本当に時が止まっている。プロポーズするために飛行機だって飛ばすし、彼女の好きな花を辺り一面に用意したりする。旅の途中で不思議な街にたどり着いたり魔女や巨人にも出会うし、クルマが木の上に引っかかってしまったり。父の話はどこまでがおとぎ話で、どこからが本当の話なのかわからない。でも、その境界線がどこかを知る必要はないし、境界なんてものはあってもなくても、どっちだっていいのだ。この父もバートン監督も知っている。イマジネーションは人生を豊かにするのだと。

家族というコミュニティが、すべてのことを無条件で受け入れ、すべての感情に対して寛容になるわけではない。当然、ぶつかり合うこともあれば離れてしまうこともある。長いあいだ、心が離れてしまった親子がようやく繋がるきっかけが、父の死期が迫っていたからという点が妙にリアルだなと思う反面、こんなにもユーモアに溢れ、満足そうな笑顔を浮かべながら見送られる父と、それを見送るおとぎ話の住人たち。ラスト10分、とても悲しく幸せで、人生や愛情の痛みと深さに打ちのめされる。

OFFICIAL WEB SITE→ http://bd-dvd.sonypictures.jp/bigfish/ 

ビッグ・フィッシュ コレクターズ・エディション [DVD]

ビッグ・フィッシュ
コレクターズ・エディション

  • ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
  • DVD


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海堂尊著「ジーン・ワルツ」 [●BOOK]

今度はいのちの誕生に関わる医療がテーマ 
はたしてどこまでが許される医療行為なのか

[text●h.mariko]

今度は産婦人科/婦人科の物語。
大学病院とは聞こえがいいが、大きな派閥があり、そこでうまく生きていかなければ潰されるか左遷の憂き目に遭う、そんな戦場であることがこの本でもよくわかる。

産婦人科の女医、曾根崎理恵は、三枝茉莉亜が経営する「マリアクリニック」で非常勤医師をしながら、帝華大学医学部で発生学講師として教鞭をふるう。専門は不妊治療で顕微鏡下人工授精のスペシャリスト。産婦人科医を志す医学生には評判だが、クール・ウィッチ(冷徹な魔女)の異名を取る冷血さも持ち合わせた人物。そんな彼女が、それぞれの事情を抱える五人の妊婦と関わっていくのだが・・・。

現在の日本の医療体制では、出産は病気ではないので保険がきかないこと、本人の希望がどんなに強くても親族以外の代理母出産は許されないことなどを初めて知った。安全に健全な子どもを産みたいと思うのが万人の願いだが、それにはまず財力が必要であり、時間も必要であり、よき医者と出逢えるかで随分と違うのだと実感。
いつだったか妊婦が救急車で運ばれてもその病院に専門医がおらず、患者が亡くなったニュースが立て続けに報道されたが、日本は出生率を上げる云々の政策を立てるならまずこの辺を完璧に整備すべきではないのかという思いがますます強くなった。

物語としてはでき過ぎな感じがあったが、大いに勉強させられた気分でもあった。

「マドンナ・ヴェルデ」(2010年3月17日/新潮社刊)は、この小説の続編。

ジーン・ワルツ

ジーン・ワルツ

  • 海堂尊著
  • 新潮社
  • 2008/03
  • 単行本

ジーン・ワルツ (新潮文庫)

ジーン・ワルツ

  • 海堂尊著
  • 新潮社(新潮文庫)
  • 2010/06/29
  • 文庫

マドンナ・ヴェルデ

マドンナ・ヴェルデ

  • 海堂尊著
  • 新潮社
  • 2010/03
  • 単行本


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ラジャ・ゴスネル監督作品「ビバリーヒルズ・チワワ」 [●DVD]

ウォルト・ディズニー・スタジオ配給 2008年10月米国公開/2009年5月日本公開作品

トレードマークは超豪華なダイヤのネックレス!
何不自由なく育てられてきた超セレブ犬チワワの大冒険

[text●s.haruna]

ビバリーヒルズに住む超セレブ犬、チワワのクロエ。
トレードマークは超豪華なダイヤのネックレス(首輪)!!
メキシコ旅行中に、不法のドッグファイトグループに拉致されてしまう。
そこで出会った、ジャーマン・シェパードのデルガドに助けられ、運良く逃げられるも、帰れるあてもなく野良犬に!

デルガドは、お高くとまった小さいチワワにウンザリしつつも、彼女と旅をする。

ドッグファイトの組織からは追われ、ネズミに騙されながらも、
チワワのふるさとである、メキシコ・チワワ州ではたくさんのチワワに出会い、
デルガドに助けられ、成長していくクロエ。

一方、ビバリーヒルズの豪邸で庭師をしているサムの愛犬パピ。
パピは、クロエに想いを寄せているが、振られてしまう。
しかし、彼女が行方不明になったことを知り、急いでサムとメキシコへ向かう。
彼は、クロエを助けることができるのでしょうか!?

何不自由なく育てられてきた超セレブ犬チワワの大冒険が幕を開ける。

ビバリーヒルズ・チワワ [DVD]

ビバリーヒルズ・チワワ

  • ウォルトディズニースタジオホームエンターテイメント
  • DVD


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海堂尊著「螺鈿迷宮(らでんめいきゅう)」 [●BOOK]

文章の軽さやおもしろさはとてもよいのだが
それ以上に、そのなかに、さらりと凄まじいことが書いてあって
度肝を抜かれる

[text●h.mariko]

「チーム・バチスタ」で今や大ブレイクの海堂氏だが、最初に手に取った作品はこれだった。
一応、続き物といえるだろうが、どこから拾っても話は分かりやすく、戻っても進んでもいいのでとても読みやすい。

医学生5年目の天馬大吉は、幼なじみで新聞記者の葉子に唆され、地元の病院である碧翠院にボランティアとして潜り込む。葉子の知人である男の娘婿が行方不明になっていることをそれとなく探し出し、葉子に伝えるだけのはずが、「アンラッキー・トルネード」の異名を持つ大吉、ドジ看護婦のお陰で火傷を負って入院して更に骨折をして・・・。

文章の軽さやおもしろさはとてもよいのだが、さらりと凄まじいことが書いてあって度肝を抜かれる。
日本の医療界では「解剖」がむやみやたらとできず、死因を特定できないことがあったりするらしい。 そして、今話題の「終末医療」のひとつのモデルケースの話としても取れるのだが、これは意外とイケるのではないか、と思ってしまった私は果たして悪だろうか。癌患者を苦しめないことはホスピスと同じではないだろうか。
ラストのひと言、「もぅ、詰めが甘いんだから」で度肝を抜かれた。
この設定で、続編を読みたい。

螺鈿迷宮

螺鈿迷宮

  • 海堂尊著
  • 角川書店
  • 2006/11/30
  • 単行本

螺鈿迷宮 上 (角川文庫)

螺鈿迷宮 上

  • 海堂尊著
  • 角川グループパブリッシング(角川文庫)
  • 2008/11/22
  • 文庫

螺鈿迷宮 下 (角川文庫)

螺鈿迷宮 下

  • 海堂尊著
  • 角川グループパブリッシング(角川文庫)
  • 2008/11/22
  • 文庫


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渋さ知らズ「渋全」 [●JAZZ]

あらゆる音楽を飲み込み吐き出された楽曲たちは
とにかく自由で刺激的
引きずり込まれてしまったら最後
ひとまず観念して、身を委ねるしかない

[text●u.junko]

渋さ知らズは何者なのか。私はいまだにこの謎が解明できないでいる。
ただわかるのは、一度でも彼らを知ってしまったら、もう逃げられないってこと。
初めて彼らのパフォーマンスを見たとき、きっと“百鬼夜行”っていうのは、こういう光景のことなのかもしれないと、本気で思った。

彼らは音楽を奏でます。楽団の前ではさまざまなタイプ(褌姿だったり、全身が白かったりセクシーだったり、そりゃあもう、よりどりみどり)の踊る人たちがいます。たまに火を噴きます。これだけでも相当何がなにやらわからない。

でも、蠢くような熱気と狂乱がたしかにそこには渦巻いて、何かが生まれる前のような高揚感に包まれてしまう。この感覚は何かに似ている。あぁ、そうだ。子どものころ、ホラー映画を見るときに、怖くて両手で顔を覆っているのだけど、なぜか指の隙間から恐る恐る見てしまうあの感じ。怖いけど見たい。何だかわからないけど引きつけられて、目が離せなくなる。渋さ知らズはまさにそれだ。正体のわからないものほど興味がそそられる。

とはいえ、視覚的なことだけで彼らを語ろうなんて笑止千万。ジャズ、ラテンとあらゆる音楽を飲み込み吐き出された楽曲たちは、とにかく自由で刺激的。すべてにおいて雑多で予定調和なんてあるわけがない。このアルバムはベスト盤だが、聴くものを引きずり込んでいく恐るべき力がある。引きずり込まれてしまったら最後。ひとまず観念して、身を委ねるしかないのです。

もう一度いう。渋さ知らズは何者なんだ!?

OFFICIAL WEB SITE→ http://www3.alpha-net.ne.jp/users/poipoi/index/top.html
渋さ知らズオーケストラ→ http://plankton.co.jp/shibusa/


渋全

渋全

  • 渋さ知らズ
  • エイベックス イオ
  • 2006/01/11
  • CD

渋さ20周年記念 新作アルバム
渋夜旅

渋夜旅

  • 渋さ知らズ
  • プランクトン
  • 2010/03/07
  • CD

渋旅初め [DVD]

渋旅初め

  • avex io
  • DVD

渋栗ライブ~渋編~DVD

渋栗ライブ~渋編~

  • バウンディ
  • DVD

渋さ知らズ

渋さ知らズ

  • 陣野俊史著
  • 河出書房新社
  • 2005/06/17
  • 単行本


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海堂尊著「ジェネラル・ルージュの凱旋」 [●BOOK]

誰のための何のための医療なのか
それを根底から考えさせてくれる
ちょっと、速水部長がかっこよすぎたけど

[text●h.mariko]

「チーム・バチスタの栄光」「ナイチンゲールの沈黙」につづく「田口・白鳥シリーズ」の3作目。「ナイチンゲールの沈黙」と同じ時系列でストーリーが展開している作品だ。

舞台はICU、救命救急病棟。「救命救急センターの速水晃一はVM社と癒着している。花房看護師長も共犯だ」 との書簡がリスクマネジメント委員長になってしまった田口の元に届く。 田口と速水は大学からの同窓、お互いを良く知る仲。田口は速水の無実を信じながらも調査を進めて行く。 速水は強引なところが多く敵も多いが、超凄腕は認められ、ICU内では人望も厚い。

今回のテーマは病院と会社(=企業)の違い、といったところか。 純利益だけを追っていけば、重い患者は看られず、助かる命も消えてしまう。病院は立ち行かない。しかし、頼ってくる病人を足蹴にする訳にもいかず、休むことなく「常に緊急事態」のICUなどは、どうしたって金はかかる。それを声高に叫びドクターヘリの購入を目標にする速水の志も充分理解できる。
金が無いのも、わかる。 だが、命を預けるはずの病院が実は書類を何枚も何枚も積み重ねてやっと指1本動かすような連中が運営しているのかと思うと反吐が出る。 誰のための何のための医療なのか、それを根底から考えさせてくれる小説だ。

ちょっと、速水部長がかっこよすぎたけど。

ジェネラル・ルージュの凱旋

ジェネラル・ルージュの凱旋

  • 海堂尊著
  • 宝島社
  • 2007/04/07
  • 単行本

ジェネラル・ルージュの凱旋(上) (宝島社文庫)

ジェネラル・ルージュの凱旋(上)

  • 海堂尊著/li>
  • 宝島社(宝島社文庫)
  • 2009/01/08
  • 文庫

ジェネラル・ルージュの凱旋(下) (宝島社文庫)

ジェネラル・ルージュの凱旋(下)

  • 海堂尊著
  • 宝島社(宝島社文庫)
  • 2009/01/08
  • 文庫

ジェネラル・ルージュの凱旋 [DVD]

ジェネラル・ルージュの凱旋

  • TCエンタテインメント
  • DVD



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OLIVE OIL × ILL-BOSSTINO × B.I.G JOE「MISSION POSSIBILE」 [●HIP HOP]

シーンを代表する男たちが示す「可能な使命」
時代を鋭く貫く真のレベル・ミュージック

[text●i.akira]

浮かんでは消える移転先、県外移設の断念、突然の鳩山内閣総辞職などにより、未だ混迷を続ける普天間基地移設問題。
この問題に対し、明確な意志と態度を示すため、日本のヒップ・ホップのど真ん中に君臨する4人の男が立ち上がった。
北海道から今や日本中にその名を轟かせるTHA BLUE HERBのMCであるILL-BOSSTINO、同じく北の生ける伝説にしてMIC JACK PRODUCTIONのリーダーであるB.I.G JOE、そして福岡を代表するアート集団OILWORKSのトラック・メイカーOLIVE OILとジャケット・デザインを手掛けたPOPY OIL(ふたりとも移転先として名前が挙げられていた徳之島出身)の4人である。

この奇跡のようなトラックには、米軍基地の存在意義、当然のように戦闘機の爆音と銃声が飛び交う沖縄という土地が負わされてきたもの、そこに住む人々への愛、未来へとつなぐメッセージが、ふたりのラッパーの言葉により、なんともOLIVE OILらしいアッパーなトラックの上に詰め込まれている。
多くの痛みを沖縄に押しつけてきた我々日本人は、今こそ全員がその痛みを分かち合い、立ち向かっていかなければならない。それは簡単なことではないが、我々はひとりではないことをこの曲は教えてくれる。

本作のリリース直前、ILL-BOSSTINOは「ここで声を上げなかったらラッパーはいつ上げんの?」と話している。
場所も生まれも立場も関係なく、今という時代を鋭く貫くレベル・ミュージックだ。
そしてその意味を、ひとりひとりが考え動くべきだろう。

MISSION POSSIBLE

MISSION POSSIBLE

  • OILWORKS Rec,
    THA BLUE HERB RECORDINGS,
    TRIUMPH RECORDS
  • 2010/07/21
    525円
  • CD



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海堂尊著「ナイチンゲールの沈黙」 [●BOOK]

ラストはかなり切ない 
これしか道はなかったのだろうか

[text●h.mariko]

螺鈿迷宮の前に起きていて、バチスタ・スキャンダル後の桜宮病院のお話。 今回のテーマはさしずめ「小児医療」といったところか。

小児病棟に勤める看護師の浜田小夜は、歌がうまい。プロ並みである。 病院のクリスマスコンサートで歌い上げた後、友達の如月翔子とともに城崎と名乗る男にバーに誘われ、伝説の歌手、水落冴子の歌を聴き卒倒してしまう。ライブ中に冴子が吐血して倒れ、重度のアルコール性肝硬変で末期状態と診断される。
一方の小児科では、目の癌である牧村瑞人を中心に、さまざまな子どもたちを抱える日々。 彼らは眼球摘出手術を受けることになり、そのためには親の受諾が必要にになるのだが、瑞人には父親しかおらず、けれど看護を担当する小夜の説得にも応じない。
そんなとき、瑞人の父親が変死を遂げる。

ミステリーとしても読み応え充分だが、子どもたちの命を救う場が とても少ないこと、小児科は金がかかる割になり手が少ないのでなかなか いい医者がいないこと、さまざまな問題定義がコッソリとされていた。
ラストはかなり切ない。これしか道はなかったのだろうかと思うが。
そして海堂氏は変人を描くのが素晴らしくうまいと今さらながら気がついた。

ナイチンゲールの沈黙

ナイチンゲールの沈黙

  • 海堂尊著
  • 宝島社
  • 2006/10/06
  • 単行本

ナイチンゲールの沈黙(上) (宝島社文庫 C か 1-3 「このミス」大賞シリーズ)

ナイチンゲールの沈黙(上)

  • 海堂尊著
  • 宝島社(宝島社文庫)
  • 2008/09/03
  • 文庫

ナイチンゲールの沈黙(下) (宝島社文庫 C か 1-4 「このミス」大賞シリーズ)

ナイチンゲールの沈黙(下)

  • 海堂尊著
  • 宝島社 (宝島社文庫)
  • 2008/09/03
  • 文庫



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帚木蓬生著「インターセックス」 [●BOOK]

ミステリーとして読み進むべきなのか 
医学書として読みすすむべきなのか迷っていると 
最後に訪れる大どんでん返し

[text●h.mariko]

エンブリオの続編といえる作品。
同じサンビーチ病院、岸川卓也院長が登場する。
そこに秋野翔子という名医が新しく登場。

タイトルはまた耳慣れない言葉だが、分かりやすく言えば「半陰陽」。女性とも男性ともいえない、両方の性の機能を備えた体を持つ人のことを言うそうだ。その頻度、大まかには100人に1人。実は自分の知り合いにもいるかもしれない、と思うと不思議な気持ちになる。

物語としては泌尿器科と婦人科を繋げて考えている秋野翔子を岸川がヘッドハントし、サンビーチの勤務医とする。そこでも数々の実績を作る秋野はサンビーチ病院でも高い評価を得、医師としての立場を不動のものとする。
が、岸川の怪しげな行動、「ファーム」の存在などに気づき始め、秋野の親友の死と岸川が繋がっているのではないかと疑い始めるところから話がぐっと動く。

テンポが速い上にミステリーとして読むべきなのか医学書として読むべきなのか迷っているうちに3分の2くらいまで読み進んでしまい、どうなるのかと思ったら大どんでん返しが待っていた。
これは問題作であることは間違いない。 そして、この問題(医療や医師のモラル、人間の欲望や善悪、そして性について)を真摯に受け止めるべきは、私たち読者なのだと改めて感じさせられるのである。

インターセックス

インターセックス

  • 帚木蓬生著
  • 集英社
  • 2008/08/05
  • 単行本



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帚木蓬生著「エンブリオ」 [●BOOK]

どこまでが医者としての倫理なのか
どこからが狂気なのか
この行為は善なのか悪なのか

[text●h.mariko] 

聞き慣れないタイトルの意味は、「受精後8週目までの胚」を指す用語。
すなわちまだ生命ではなく、ヒトではない。という、生物学上の論理が成り立つ、らしい。

岸川卓也がサンビーチ病院を設立するところから物語は始まる。
産婦人科、小児科、泌尿器科などは医師不足で、生命に直接関わる機関であるにも関わらずなかなか病院が増えないどころか減っている現実。そこに目をつけた岸川は、それをひとつの病院でとらえるという素晴らしいプランを創設する。
それが、サンビーチ病院。
一つの生命を産み落とし、生まれてからは小児科が面倒を見、重篤患者は外科で、
泌尿器科では発見されにくい病気を見る。まるでリゾートホテルのような外観、すぐ傍にあるガルフホテルとの提携で病院は大繁盛。岸川の腕も確かで、病院は盛況する。

が、岸川には裏の顔があった。

ファームと呼ばれる病院の最地下の部屋では、臓器の凍結や育成、男性に受精する手術などが行なわれている。 どこまでが医者としての倫理なのか、どこからが狂気なのかは計り知れない。

医療とは、今生きている人の命を最大限に生かすことであるというのであれば、岸川は神にも近い存在である。が、失われる命、たとえば堕胎児や「エンブリオ」、戸籍のない人々の臓器をどうやって使うか、というのを果たして人が決めてよいものなのか?
この行為が善か悪かは、最後まで決めかねた。
命を助け、その人たちにありがたがられ、名医であることは確かなのだから。

エンブリオ

エンブリオ

  • 帚木蓬生著
  • 集英社
  • 2002/07/19
  • 単行本

エンブリオ (上) (集英社文庫)

エンブリオ (上)

  • 帚木蓬生著
  • 集英社(集英社文庫)
  • 2005/10/20
  • 文庫

エンブリオ (下) (集英社文庫)

エンブリオ (下)

  • 帚木蓬生著
  • 集英社(集英社文庫)
  • 2005/10/20
  • 文庫


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