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あのときあの場所に集まって
再び全国に散った趣味も性格も全く違うレポーターたちが
ジャンルを飛び越え、新旧流行にとらわれることなく
いま自分が好きなもの、自分にとっての旬なアレコレをガンガン紹介するブログ!
どうぞココで、いろんな好きと出合ってくれたなら
ますます楽しくなってしまうじゃない!
音楽、小説、映画、美術、TVショウ・・・いつだって、出合ったときが新しい!

清水崇・豊島圭介原案・企画監修「怪奇大家族」 [●DVD]

本格ホラーと本格コメディの融合!
これを観ればアナタも恐怖で・・・笑っちゃう?!

[text●i.akira]

アナタは怪奇大家族というドラマを御存知だろうか?
2004年末の深夜に1クールだけ放送され、一部のファンを恐怖と爆笑に陥れた名作である。

ごく普通の一家であった忌野家が引っ越してきた家。そこは開かずの間が存在する不気味な家だった。そして引っ越したその日に祖父が亡くなり、数多くの超常現象が一家を襲い始める。すると長男である清四が死んだはずの祖父と開かずの間で再会し、この家にはびこる霊から家を守るようにお願いされて、さあ大変!

フリーターで優柔不断で童貞な主人公の清四を中心に、超常現象の類をまったく信じないイマドキな妹の恐子、常に明るく元気で天然な母の幽子、ボケているようでいつもミラクルを起こす祖母のキワ、婿養子で超常現象大好き(しかし霊感はまったくない)な父の治虫、死んだ後も家族を裏から支える祖父の淵男、そしてペットである柴犬のシバの6人(うちひとり故人)と1匹が巻き起こす恐怖と爆笑のホーム・ドラマだ。

「呪怨」などを手掛けたホラー監督である清水崇が総指揮を務めているだけに、チープな作りながら通常のホラー作品に引けを取らない怖いシーンがあったりするが、それを逆手に取った笑いが散りばめられており、そのメリハリがなんとも痛快でおもしろい。また、一家に襲いかかるのは幽霊や妖怪だけでなく、宇宙人やゾンビ、さらにはゴスロリや霊媒師やMIBふうの人など、とにかくハチャメチャ。個性派俳優ばかりのキャストも豪華で、アドリブと思われる演技や、他作品のパロディやオマージュも随所で楽しめる。

蒸し暑くて寝づらい真夏の夜のおともに、「怪奇大家族」はいかがでしょう?

■cast
高橋一生/長男・忌野清四(いまわの きよし)
渋谷飛鳥/長女・忌野恐子(いまわの きょうこ)
モロ師岡/父親・忌野治虫(いまわの おさむ)
室井 滋/母親・忌野幽子(いまわの ゆうこ)
藤村俊二/祖父・忌野淵男(いまわの ふちお)
石井トミコ/祖母・忌野キワ(いまわの きわ)
柴犬・忌野シバ(いまわの しば)
渋谷亜希/女幽霊・アサミ
及川奈央/セクシー美女


怪奇大家族―清水崇presents

怪奇大家族―清水崇presents

  • 加藤淳也著/清水崇+豊島圭介監修
  • 太田出版
  • 2004/12
  • 単行本



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安野モヨコ作「働きマン」 [●COMIC]

働くことが苦しいと感じたとき
息抜きのつもりで、手にとってみたい

[text●h.mariko]

松方弘子、29歳、職業は雑誌編集者、元巨乳。松方を主軸として、同じ雑誌編集に携わる者、松方の恋人、友人、仕事を通じて知り合った人々の、それぞれの働き方を描いたマンガである。

じつはマンガというやつは、どうも苦手だったのだ。絵があるがゆえに、想像力が働かない。そのせいか、どこかでマンガを敬遠しているところがあった。しかし、この作品は、そのマンガの持つストレートな力がそのまま伝わってくるところが、大きな魅力だった。

20代前半、たとえば学校を卒業したらすぐとか、アルバイトからそのままとか、人によって状況は違えど、年を重ねると働くことと生きることはイコールで結ばれる。しかし、そこに意味を見出すのは難しい。

働く者は偉く、働かないものは偉くないのか?

このマンガでは、編集者をはじめとして建設会社社員、マッサージ師、医者などの仕事をする人々の心の内、そして一見華やかそうに聞こえる編集という仕事の裏側をキャラクターの口を借りて語っている。その本音が、人それぞれに個性があっておもしろいのだ。

金のために仕事をするのか。
生きるために仕事をするのか。
楽しむために仕事をするのか。

働く者すべてが一度は悩んだであろうことを、このキャラクターたちも同じように悩みもがいている。
働くことが苦しいと感じたとき、息抜きのつもりで、手にとってみたい。もっとも松方の実直すぎる生き方にのめり込みすぎると、息抜きにはならないかもしれないが。


働きマン(1) (モーニングKC (999))

働きマン(1)

  • 安野モヨコ作
  • 講談社(モーニングKC (999))
  • 2004/11/22
  • コミック

働きマン(2) (モーニングKC (1453))

働きマン(2)

  • 安野モヨコ作
  • 講談社(モーニングKC (1453))
  • 2005/07/22
  • コミック

働きマン(3) (モーニングKC (1550))

働きマン(3)

  • 安野モヨコ作
  • 講談社(モーニングKC (1550))
  • 2006/10/06
  • コミック

働きマン(4) (モーニングKC)

働きマン(4)

  • 安野モヨコ作
  • 講談社(モーニングKC)
  • 2007/08/23
  • コミック

働きマン 第1巻 初回限定版 [DVD]

働きマン 第1巻 初回限定版

  • 角川エンタテインメント
  • DVD

働きマン 第2巻 初回限定版 [DVD]

働きマン 第2巻 初回限定版

  • 角川エンタテインメント
  • DVD

働きマン 第3巻 初回限定版 [DVD]

働きマン 第3巻 初回限定版

  • 角川エンタテインメント
  • DVD

働きマン 第4巻 初回限定版 [DVD]

働きマン 第4巻 初回限定版

  • 角川エンタテインメント
  • DVD


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王様「王様の恩返し」 [●ROCK]

祝・デビュー15周年!

音楽表現とお笑い表現を
同時相即で行なうのは至難の業
それをやってのける王様は
やっぱり崇拝するべきなのだ?

[text●k.yosihiro]

音楽と笑いというのは、根本的に相性が悪い。本屋なりレンタルCD屋なりの有線で流れる名も知らぬようなオチャラケバンドの音楽を聞くたびに、そんなことを強く思うのである。
お気に入りの音楽を何度も繰り返し聴くようなことはあっても、お気に入りの漫才を十回も鑑賞することは稀であると思う(研究をする場合は別だが)。音楽は聴く毎に深みを感じられることが多いけれど、笑いは味わうごとに新鮮味を失っていくことが多い。
というのも、意表をつくことで笑いにすることが多い漫才において、何度も鑑賞することで、受け手にタイミングやフレーズを覚えられてしまうのは致命的なことだからだ。
つまり、音楽表現とお笑い表現を同時相即で行なうのは至難の業なのである。それを、やってのけるのが、そう、王様だ。
みんな、やっぱり王様は崇拝するべきなのだよ?

OFFICIAL WEB SITE→ http://www.osama.co.jp/ 


ハードロック講座 Vol.1

ハードロック講座 Vol.1

  • 王様
  • コニシスエンタテインメント
  • 2010/06/04
  • CD


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近藤史恵著「サクリファイス」 [●BOOK]

2008年第10回大藪春彦賞受賞作品

近藤史恵の文章の幅の広さと
テーマの広さに
改めて感心させられた1冊

[text●h.mariko]

表紙に描かれているとおり、自転車ロードレースがテーマの作品である。
このスポーツがとても過酷であるということは、それなりに知っているつもりであった。
だが、ここまで熾烈を極めるものだとは知らなかった。
そして、チームスポーツであることも。
自分との戦い、そして脚力と自転車だけが頼りのシンプル且つ、とてつもない重圧のある戦いであるということも。
その世界に身を置く人々の並々ならぬ情熱が、この作品には余すところなく詰め込まれている。
読みやすい文体とは裏腹に、語りかけようとしているテーマが重たくのしかかってくる。
1位になることだけが名誉でないことを教えてくれる、貴重な体験をした。
スポーツ小説としても、成長物語としても、ミステリーとしても超一級の一冊。

サクリファイス

サクリファイス

  • 近藤史恵著
  • 新潮社
  • 2007/08
  • 単行本

サクリファイス (新潮文庫)

サクリファイス

  • 近藤史恵著
  • 新潮社(新潮文庫)
  • 発売日: 2010/01/28
  • 文庫

サクリファイス 1 (ヤングチャンピオンコミックス)

サクリファイス 1

  • 近藤史恵原作/菊池昭夫作画
  • 秋田書店(ヤングチャンピオンコミックス)
  • 2009/07/17
  • コミック

サクリファイス 2 (ヤングチャンピオンコミックス)

サクリファイス 2

  • 近藤史恵原作/菊池昭夫作画
  • 秋田書店(ヤングチャンピオンコミックス)
  • 2009/08/20
  • コミック

サクリファイス 3 (ヤングチャンピオンコミックス)

サクリファイス 3

  • 近藤史恵原作/菊池昭夫作画
  • 秋田書店(ヤングチャンピオンコミックス)
  • 2009/09/18
  • コミック


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古谷実作「行け! 稲中卓球部」 [●COMIC]

1996年度第20回講談社漫画賞受賞作品

ふとしたときに思い出してしまう
癖のあるセリフ、癖のある登場人物
この中毒性はどうか!

[text●h.mariko]

独特の絵、ストーリー、好き嫌いはわかれよう。
シモネタ満載、おっぱい万歳、エロマンガすれすれのきわどさ。
が、この中毒性はどうか。
ふとしたときに思い出してしまう、癖のあるセリフ、癖のある登場人物。
それが最高に魅力的に感じてしまうのは、私だけなのか?

舞台は稲豊中学校、出演(?)は稲豊中学校卓球部の面々。
が、卓球でさわやかに汗するシーンはほとんどない。
大抵が、(思春期真っ只中の)主人公たちが繰り広げる、“日常”を描いたマンガなのである・・・。

が、これを日常と言ってよいものか、甚だ疑問に感じるような凄まじき引力。
たとえば、
“力士って巣を作って住んでるって知ってる?”
とか、
“パンがまずくて売れなかったら、フーセンかぶるしかない”
とか、
今まで普通に生きてきた常識ってやつを簡単に打ち砕いてくれるパンチ力があるのだ。

お下劣だとか、下品だとか言ってしまえばそうなのだが、
恋に性に(??)悩む中学生たちにとっては、年相応の悩みといえようさまざまな問題と事件。
それがストレートに表現され過ぎているだけだろう。
好意的に取ろうと思えばそんな感じ。
批判的に言う言葉は、たくさんあろう。
だが、私はあえてこれを名作と呼びたい。
あの時代にして誰もが突っ込めなかった境地に、この作品が立っているのは間違いないのだから。

行け!稲中卓球部(1) (ヤンマガKCスペシャル (432))

行け!稲中卓球部(1)

  • 古谷実作
  • 講談社(ヤンマガKCスペシャル (432))
  • 1993/10/29
  • コミック

行け!稲中卓球部(13)<完> (ヤンマガKCスペシャル (648))

行け!稲中卓球部(13)<完>

  • 古谷実作
  • 講談社 (ヤンマガKCスペシャル (648))
  • 1997/02/04
  • コミック



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中島美嘉「VOICE」 [●POPS]

自らの声の可能性を追求し挑戦した楽曲の数々
歌い手としての自信と覚悟がにじみ出た1枚

[text●f.chihiro]

ヴォーカリストとして「声」というストレートなタイトルを持ってくるのは、それなりの自信や覚悟が必要だと思う。
ライブ・ハウスなどで経験を積んだバンドやアーティストと違い、10代でデビューし、いきなりスターダムにのし上がった彼女は、人気のみならず実力を磨くため努力を続けてきた。デビューから7年(リリース時)5枚目のアルバムは、ヴォーカリストとして楽曲や自身の声に真正面から向かい合った、まさしく“満を持して”の1枚と言えそうだ。

力強いボトム・ビートに支えられたアッパー・チューン「LIFE」、レゲエのリズムを取り入れた「永遠の詩」、切なく響くウィンター・バラード「ORION」、ブラック・ミュージック的な要素とゴスペルっぽさを融合した「TRUST YOUR VOICE」、MICA 3 CHU名義で発表したロック・ナンバー「I DON'T KNOW」など、自らの声の可能性を追求し挑戦した作品の数々が並ぶ。

なかでもこの作品を象徴していると言えるのが、8曲目の「TRUST YOUR VOICE」と最終曲の「声」だろう。

「TRUST~」は彼女自身が作詞を担当。そのタイトルが示す“直感を信じる”“心の声を信じる”という意味のごとく、彼女が持つ芯の強さや、音楽活動を通して得た自信・決意が感じられる1曲。歌詞でみせる“攻め”の姿勢とアップ・テンポなアレンジがリンクして力強い印象を残す。

一方「声」は彼女自身もファンだという、シンガー・ソングライター柴田淳が提供したピアノ・バラード。低音から高音までを自在に操り、リスナーに語りかけるように優しくていねいに歌っている。自らが、人の人生を変えてしまうかもしれない強い影響力を持ち始めたことをはっきりと自覚し、芽生えてきた責任感のようなものが、歌詞と彼女の“声”から伝わってくる。

アップ・テンポの曲を中心に構成された本作、しっとりとしたバラードでさえ、その中に感じられる“強さ”がある。中島美嘉の名刺代わりとも呼べる“声”が深い印象を残し、改めて音楽的レンジの広さをも証明してみせた。このアルバムはほんの通過点に過ぎないかもしれない。しかしひとりの表現者としての充実した日々と覚悟がうかがえる一作であることは間違いない。

OFFICIAL WEB SITE → http://www.mikanakashima.com/

VOICE (DVD付)(初回限定盤)

VOICE
(DVD付)(初回限定盤)

  • 中島美嘉
  • SMA(SME)(M)
  • 2008/11/26
  • CD
■DISC 01
(01)LIFE(02)SAKURA~花霞~ (DAISHI DANCE) -Album mix-
(03)FOCUS (Album Ver.)(04)永遠の詩(05)ORION(06)あなたがいるから
(07)MY GENTLEMAN(08)TRUST YOUR VOICE(09)IT'S TOO LATE
(10)I DON'T KNOW(11)SHUT UP(12)conFusiOn
(13)FLOWER OF TIME(14)声

■DISC 02(初回限定版DVD)
LIFE (VIDEO CLIP)
永遠の詩 (VIDEO CLIP)
SAKURA~花霞~ (VIDEO CLIP)
I DON'T KNOW (VIDEO CLIP)
ORION (VIDEO CLIP)
FOCUS (VIDEO CLIP)

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鴨居玲回顧展「没後25年 鴨居玲 終わらない旅」 [●ART/EXHIBITION]

横浜そごう美術館にて2010年7月17日(土)~8月31日(火)まで開催

観ていると心臓がぐちゃりと潰れていくような感覚がした
足元が揺らぐような不安感や絶望感、そして孤独
一目見ただけで、こんなにも苦しくなる絵を描く画家を
私はほかに知らない

[text●u.junko]

視覚や聴覚といった人間の感覚を総動員して、正解のない楽しみ方を思う存分にできるのが美術鑑賞だと思う。たとえば油彩画。人物がふたり描かれていたら、そのふたりの会話の内容や状況、関係性なんかを想像してみる。彫刻なら、触れてみると血が通っているんじゃないかというほどリアルな質感なんかが感じられるとドキドキする。つまり、専門的な知識がなくても、すべての内容を見る者が想像し、勝手な解釈をもって楽しむことができる点が小説や映画とはひと味違った楽しみ方であり、人間の醜さや脆弱さなど、日常なら隠すべき部分があらゆる方法で表現されるのも美術の魅力である。

私にとって、一生のうちにどうしても自分の目で観たいと思い続けていた1枚の絵がある。
それが鴨居玲の「1982年 私」である。
(石川県立美術館所蔵→ http://www.ishibi.pref.ishikawa.jp/

鴨居玲の描く絵には、背景などといった余計な情報がないうえ、とにかく暗く重く、圧し掛かってくるような印象がある。若くして画家として成功し、油彩もデッサンも描けば売れ、数多くの賞だって受賞する。それでも、順風満帆であればあるほど“あれだけ苦労したのに、こんなものか”と自身を追い込んでいく。全体から漂ってくる絶望感や孤独といった闇は、徐々に巨大に膨れ上がっていき、“自画像の画家”と呼ばれた画家自身の顔が、どんどん苦悶し、叫んでいるように描かれるようになっていくのだ。その画家が、みずから命を絶つ数年前に描いのが「1982年 私」である。この絵を目の前にした瞬間、頭が真っ白になり、その場から動けなくなった。

廃兵や酔っ払い、道化師といった、それまで好んで描き続けたモチーフたちが、真っ白なキャンバスの前に呆然と座り込む画家を取り囲んでいるという絵である。“今度は何を描くんだい?”、“まだ何も描いてないじゃないか”とでもいいたげにキャンバスを覗き込んでいる廃兵、そんなことはおかまいなしといった風に、楽器を演奏するチェロ奏者。その中央には絵筆も持たず、背中を丸めている画家がいる。その半開きの口元は“もうこれ以上は無理だ”といわんばかりに、痛々しく悲愴的にこちらを向いている。
この絵を観たとき、晩年の作品全体に色濃く漂っていた死の匂いや不穏な空気は、死に対する恐怖なんかではなく、画家としての自分に対する絶望感だったのだろうと思った。どれだけ描いても満足できない、描こうとしても自身が目指すものが描けない。どうしたら、どうしたらという画家の声が聞こえてくるようだった。それと同時に、それでも描こうとして向かっている目の前のキャンバスの白さには、どこか希望を探しているように感じられ、とても切なくなった。観たいと思い続けた作品に、私はみごとに打ちのめされ、いつまでも想像と解釈を繰り返しては、もう一度見に行こうと心に決めた。

現在行なわれている回顧展では約80点もの作品が展示されているのだが、観ていると心臓がぐちゃりと潰れていくような感覚がした。痛くて苦しくて、涙が出そうになり、順路を進んでいくほどそれは増していく。足元が揺らぐような不安感や絶望感、そして孤独。一目見ただけで、こんなにも苦しくなる絵を描く画家を、私はほかに知らない。

横浜そごう美術館→ http://www2.sogo-gogo.com/common/museum/
鴨居玲回顧展「没後25年 鴨居玲 終わらない旅」

pub_12.jpg一期は夢よ 鴨居玲
瀧悌三著
日動選書 評伝シリーズ 
カラー図版8点/B6判/324頁 
定価:1,890円(税込) 
日動画廊→http://www.nichido-garo.co.jp/



回想の鴨居玲―「昭和」を生き抜いた画家

回想の鴨居玲―「昭和」を生き抜いた画家

  • 伊藤誠著
  • 神戸新聞総合出版センター
  • 2005/06
  • 単行本


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akiko「コラージュ」 [●JAZZ]

声を聞いただけで
ため息が出るような
美しさ

[text●h.mariko]

JAZZというのは、どうも間口が広すぎて、どこから手をつけてよいか
分からなかった。そこで、“好きな曲を歌っている人”を聴いた。
「Fly Me To The Moon」
それが聴きたかっただけなのだが、すっかりやられた。
この、akikoというヴォーカリストに。

声を聞いただけで、ため息が出るような、美しさ。
名門レーベルであるヴァーヴからCDが出てるとか、
そういうことじゃなくて。
akikoという人の奏でる声とその世界が、
この1枚にはたっぷり詰まってる。

夜中に、キャンドルの明かりを眺めながら、ゆっくりウィスキーのグラスを傾ける。
そんな、小さいけど幸せな日常にぴったりの1枚である。

あまりにベタな言い方だけど、わかりやすくて素晴らしいアルバムです。
JAZZの入り口に、ぜひ。

OFFICIAL WEB SITE→ http://www.universal-music.co.jp/jazz/j_jazz/akiko/ 

コラージュ

コラージュ

  • akiko
  • ユニバーサル ミュージック クラシック
  • 2008/12/17
  • CD



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TOKYO No.1 SOUL SET「OUTSET」 [●HIP HOP]

再生ボタンを押すと
日常が異次元に繋がって
いつもの風景を
少しだけ特別なものにしてくれる

[text●u.junko]

1日に感じるストレスのうち、何割かは確実に通勤ラッシュによるものである。毎日、朝も夜もイライラしながら地下鉄を利用するのだが、そのストレスを緩和させるために、いつも好きな音楽を聴くことにしている。

このアルバム、TOKYO No.1 SOUL SETの「OUTSET」はまさに地下鉄のイメージだった。地下へ向かう階段を下りているときに1曲目「intro」が流れる。地下鉄独特の埃の匂いと密閉空間の生暖かい空気にイライラが混ざって、私の背後から一気に吹き込むと、それに一瞬で飲み込まれていく。その瞬間から、隣に立つサラリーマンも、携帯に夢中の女子高生たちも、ただの風景になる。イライラはどこかへ隠れ、蠢くようにざわざわと心の底辺がざわついていく。

まったく個性の違う3人から生まれる、カテゴライズ不能な音楽を聴いていると、いつもどこか違う空間に放り込まれる感覚がする。部屋でダラダラと過ごしているのに突然、焼けつくような太陽の下に連れて行かれたり、夜明け前の澄んだ空気と高揚感を思い出したり。再生ボタンを押すと、日常が異次元に繋がって、いつもの風景を少しだけ特別なものにしてくれる。

さぁ、そろそろ会社の最寄り駅。地下鉄を降りて階段を登る。見上げてみると真っ青な空が見え、私の耳元では「Still」が流れていた。停止ボタンを押して日常に戻ったら、今日すべき仕事のピックアップが始まるのである。

TOKYO No.1 SOUL SET
川辺ヒロシ(DJ)
BIKKE(Vo.)
渡辺俊美(G./Vo.)


OFFICIAL WEB SITE→ http://www.t1ss.net/index2.html 

OUTSET

OUTSET

  • TOKYO No.1 SOUL SET
  • ビクターエンタテインメント
  • 2005/06/08
  • CD


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桜庭 一樹著「少女七竃と七人の可愛そうな大人」 [●BOOK]

これは恋愛物語ではなく
友情物語であり
愛憎の物語である

[text●h.mariko] 

「辻斬りのようにーーー」

川村優奈、25歳、学校教師は、隣の席の田中さん(既婚者)のように「大切な誰か」が欲しいと思っていたが、気がついたらたくさんの男と寝ていた。
そして身ごもっていた。
女がみだらなときに産んだ子は美しいという。
川村七竃は、そうしてこの世に生を受ける。
17歳、たいそう美しいが、かなり変わり者。電車が大好き。楽しみは、玩具屋で模型を買うこと。
幼なじみの桂雪風といつも一緒。ふたりは仲がいいが、決して恋人同士ではない、不思議な関係。
雪風に恋した緒方みすず後輩(と七竃は彼女を呼ぶ)と、警察犬をリタイアしたシェパードのビショップと(うぉんと吠え、七竃を「むくむく」と呼んでいて、七竈が俺を必要としていると分かっている)一緒に旭川で青春期を過ごす。

七竃(ななかまど)の木は、いい炭になる。
しかし燃えにくい木だから、7回竃で焼かないと炭にならないという。
小さな実は硬くて美味しくないが、雪景色のなかで赤く美しく見える。

これは恋愛物語ではなく、友情物語であり、愛憎の物語である。
青い春だけでなくて、赤い春があってもいいと思えた作品。

少女七竈と七人の可愛そうな大人

少女七竈と七人の可愛そうな大人

  • 桜庭 一樹著
  • 角川書店
  • 2006/07
  • 単行本

少女七竈と七人の可愛そうな大人 (角川文庫)

少女七竈と七人の可愛そうな大人

  • 桜庭 一樹著
  • 角川グループパブリッシング(角川文庫)
  • 2009/03/25
  • 文庫


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吉川晃司「25th ANNIVERSARY LIVE GOLDEN YEARS TOUR FINAL at 日本武道館」 [●ROCK]

まさに「The Live is My Life」
これぞ“吉川晃司”というエンターテインメント

[text●i.akira]

デビュー25周年という大きな節目にふさわしく、2009年は吉川晃司にとって充実の年だった。2年ぶりのオリジナル・アルバム『Double-edged Sword』のリリースや過去のVHS映像作品や未発売作品を13枚のDVDに収めた豪華BOX『LIVE=LIFE』のリリース、また数々の人気バラエティ番組への出演や映画『仮面ライダー×仮面ライダー W&ディケイド MOVIE大戦2010』における仮面ライダー役での出演など、彼をそんなに知らない人たちの目に触れる機会もたくさんあったことだろう。しかし、彼の本来の姿はライブにこそある。

本作は2010年2月6日に日本武道館で行なわれた「25th ANNIVERSARY LIVE GOLDEN YEARS TOUR」のファイナルの模様を収めたDVDだ。
彼のトレード・マークと呼べるK2マーク型のスクリーン・オブジェがステージ中央に鎮座したまま1曲目の「Purple Pain」が始まり、じっくりとオブジェが上がっていくと、そこには歌う吉川が! もうこの瞬間から釘づけである。ex.THE YELLOW MONKEYの菊地英昭や、T-SQUAREの若き天才ドラマー坂東慧など、豪華なバンド・メンバーを従えて、独特な歌い回しもアクション(シンバル・キックも健在!)もそのままに、まるで庭で遊ぶかのように武道館の広いステージを駆け回る。44歳を過ぎたというのになんというキレだ。新旧織り交ぜた名曲の数々を文字どおり全身全霊で表現し、あまりにも純度の高い“吉川晃司”というエンターテインメントが2枚組DVDのなか、約2時間半たっぷりと収録されている。特に後半で披露されるスペシャル・メドレーは圧巻で、デビュー曲である「モニカ」や「にくまれそうなNEWフェイス」などのアイドル時代の曲、さらに布袋寅泰とタッグを組んでいたCOMPLEX時代の曲である「1990」や「BE MY BABY」などを惜しげもなく連発し、ファンを狂喜乱舞させてくれる。

ライブを締めくくる「せつなさを殺せない」が終わると、スクリーンに「The Live is My Life」という文字が映し出された。常に音楽と向き合い、数え切れないほどファンの前に立ち続けた彼だからこそ言える言葉だと思う。しかし、このDVDを観るかぎり彼にとって25周年なんて通過点にすぎないのだと感じた。これからも30年、40年・・・と歌い続けてくれるだろう。

余談だが、鳴海荘吉(「仮面ライダーW」での役名)名義で本作と同時にリリースされたシングル「Nobody’s Perfect」もお忘れなく。自身作曲による渾身のバラードなのだが、初回限定盤に入っているDVDにはここでしか観られない「仮面ライダーW」のストーリーを絡めたストーリー仕立てのPVとなっており、渋い鳴海荘吉=吉川晃司を堪能できる。

OFFICIAL WEB SITE→ http://www.kikkawa.com/ 

25th ANNIVERSARY LIVE GOLDEN YEARS TOUR FINAL at 日本武道館(初回限定盤)(USBメモリー付) [DVD]

25th ANNIVERSARY LIVE
GOLDEN YEARS TOUR FINAL at 日本武道館
(初回限定盤)(USBメモリー付)

  • ファー・イースタン・トライブ・レコーズ
    2010.06.30
  • DVD

Nobody's Perfect (CD+DVD)

Nobody's Perfect
(CD+DVD)

  • 鳴海荘吉
  • エイベックス・マーケティング
  • 2010/06/30
  • CD


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田村由美作「BASARA」 [●COMIC]

騙し騙され生きる者
実直にしか生きられぬ者、忠実であることしか知らぬ者
しかしそこには、確実に生命が息づいている
“運命の子”が駆け抜けるジパング伝説

[text●h.mariko]

4つ年上の兄がいるせいか、私は昔からいわゆる「少女マンガ」が嫌いであった。
主人公は可愛い女の子。かっこいい男の子に恋をし、それに悩み、最終的にはカップル成立。そこにある紆余曲折がいいのか。ぐだぐだした悩みなどに興味がない。何がいいのか私には理解に苦しんだ。

このマンガ「BASARA」も、絵を見たときにはあの少女マンガと同じであろうと勝手に思った。
が、発売当時に読まなかったことを激しく後悔した。

双子の兄妹としてこの世に生を受け、兄を立てるためだけに存在していると思っている主人公、更紗(さらさ)。彼女の住む白虎の村は、白虎の刀を守る村。砂漠に存在する故緑がなく、苦しいがそれなりに幸せに暮らしている。そこにやってくる、赤の王率いる軍団。更紗の兄はこの世を変革する「タタラ」という危険因子であるという理由がために斬首され、存在を消される。そして、村が守りとおしていた刀を奪われてしまう。タタラを喪ったために生きる気力をなくし途方に暮れる大人たちのために、更紗は髪を切り、自らをタタラと名乗り、人生を切り開いていく。
そしてタタラは旅に出る、兄の敵討、村の救済、さらには世界を変えるために。

絵は目がキラキラした少女漫画タッチであるのは否めないが、そこで語られるストーリーは人生論であり、生命論である。もはや、ジャンルやら絵柄やらは関係なく、ぐいぐいと引き込まれる。人間模様、騙し騙され生きる者、実直にしか生きられぬ者、忠実であることしか知らぬ者。しかしそこには、確実に生命が息づいているのだ。
強烈な生命力を放つ更紗の存在感が抜群だが、それを取り巻くキャラクターたちとの出逢いにも着目したい。
生きる意味を、思い出させてくれるマンガである。

※平成4年度(第38回)小学館漫画賞受賞作品
単行本全27巻 テレビアニメDVD全3巻(全13話)

BASARA(1)

BASARA(1)

  • 田村由美作
  • 小学館
  • 1991/03
  • 新書

Basara (27) (別コミフラワーコミックス)

Basara (27)

  • 田村由美作
  • 小学館(別コミフラワーコミックス)
  • 2000/03
  • コミック

BASARA 全16巻 完結コミックセット (小学館文庫)

BASARA 全16巻
完結コミックセット

  • 田村由美作
  • 小学館(小学館文庫)
  • 2010/01
  • 文庫





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湊かなえ著「告白」 [●BOOK]

原作を読もう!&本屋大賞第6回もよろしく

「嫉妬」「甘え」「プライド」
それらが些細なことがきっかけで
殺人へと変わっていく
本当に些細なこと

[text●s.haruna]

中学校の終業式の日。
担任の先生の話が終わり、春休みがきて1年生から2年生になる。
1年B組の生徒にとっても、“1年生”という肩書きが終了することのほかには、ごくあたりまえな日常だったに違いない。

先生の最後の『告白』があるまでは・・・

事故死だとして扱われていた4歳の娘の死は事故ではなく、このクラスの生徒に殺された。

生徒たちの前で、衝撃の告白は続きます。
どんな人物にどのように殺されたか、生徒の前で淡々と話し続けました。この事件を警察に言うつもりはない。犯人の少年たちの処罰を法にゆだねない。

“告白”し終えた先生は、それを最後に教師を退職しました。

娘を殺した犯人への制裁の始まり。
犯人の少年たち、まわりの人間たち、さまざまな視点で殺人を描いた作品です。
すべての人が持っている感情「嫉妬」「甘え」「プライド」
それらが些細なことがきっかけで、殺人へと変わっていく。本当に些細なことだ。

不良少年が、良い先生に出会って良い子になるなんてドラマやマンガは、最近うんざりするほど多いが、
そのなかで、ごく日常に存在する感情から静かに崩れていく様を描くこの作品は、恐ろしいほどリアルな現実のようにみえる。近年の犯罪動機が「ムカつくから」「嫌いだから」など、軽薄になりつつある時代ですが、まさにそんな時代を映した衝撃の作品です。

告白

告白

  • 湊かなえ著
  • 双葉社
  • 2008/08/05
  • 単行本

告白 (双葉文庫) (双葉文庫 み 21-1)

告白

  • 湊かなえ著
  • 双葉社(双葉文庫)
  • 発売日: 2010/04/08
  • 文庫

コミック版 告白

コミック版 告白

  • 木村まるみ作
  • 双葉社
  • 2010/05/14
  • 単行本(ソフトカバー)

映画「告白」
OFFICIAL WEB SITE→ http://kokuhaku-shimasu.jp/ 

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野中柊著「ジャンピング・ベイビー」 [●BOOK]

ふたりの受けた衝撃、結婚、離婚、恋愛観
さまざまな感情の交錯
「終わりとはじまり」の物語

[text●h.mariko]

表紙の写真(単行本)に惹かれて読んでみた。

愛猫ユキオを埋葬しに、鹿の子とウィリーが鎌倉のペット墓地を訪れるところから話がスタート。
ふたりは元夫婦。3年前に離婚して、今ではお互いが新しい家庭を持っているものの、うまくいっていないらしい。
そのままだるい恋愛論にもつれ込むのかと思いきや、話はまったく別の方向へ。
ふたりの出会いの回想、ウィリーの弟であるマイキーのこと、フランク・ザッパを垂れ流しながらダーツゲームに高じた若かりし日々。そして、マイキーの突然の死。
ふたりの受けた衝撃、結婚、離婚、恋愛観、さまざまな感情の交錯。
人生に置ける必然とはいったいなんなのか。
そして、それは何を意味するのか。
それをふたりの会話をとおして、やんわりと伝えてくれる、ような。

ウィリーJr.=ウィリアムと鹿の子が出会って、ウィリーの新しい伴侶・ジュディと出会って、価値観がひっくり返っていくくだりなんかしびれた。
いろんな時間の流れ方を、いろんな方向から見て描いた逸品。

ちなみに、表紙写真は蜷川美花撮影。
いろいろ、得した気分だ。

ジャンピング・ベイビー

ジャンピング・ベイビー

  • 野中柊著
  • 新潮社
  • 2003/08
  • 単行本

ジャンピング・ベイビー (新潮文庫)

ジャンピング・ベイビー

  • 野中柊著
  • 新潮社(新潮文庫)
  • 2007/02
  • 文庫


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THE MAD CAPSULE MARKETS「4 PLUGS」 [●ROCK]

パンクからミクスチャーに切り替える分岐点となったアルバム!
そのころあたしはルーズソックス履いて
普通の女子高生生活をのんびりと送っていた(!)

[text●h.mariko]

1996年っていったら、そのころあたしはルーズソックス履いて普通の女子高生生活をのんびりと送っていた。 こんな衝撃のアルバム「4 PLUGS」が産み落とされたことなんて露ほどにも知らず、とりあえずいろんなことに夢中になっていた。
10年ひと昔という言葉を借りると、この音はすでに「昔」の仲間入りになってしまう計算となる。しかしどうだろう、この音。2006年4月に活動休止したものの、いまもなお売れ続けているアルバムでもあり、ファンの間での人気も高いアルバム。これを昔と言い切れようか。
マッドの音楽性、パンクからミクスチャーに切り替える分岐点となったアルバムとしてよく謳われるが、それだけにとどまらない出来。 そのつど自分たちと向かい合って楽曲を生み出したというメンバーの言葉にも象徴されるように、常に時代の最先端を行く難しさを音で表現しているような一枚。
そしていま、さまざまな音楽性が犇めき合う音楽界があっても、彼らのゆるぎない信念が詰まったアルバムは色あせることなく堂々と君臨し続ける。

THE MAD CAPSULE MARKETS
KYONO(Vo.)
TAKESHI UEDA(B./Vo./Synth./Programming)
MOTOKATSU MIYAGAMI(Ds./Programming)
※2006年4月活動休止


■KYONO プロジェクト
[WAGDUG FUTURISTIC UNITY]
OFFICIAL WEB SITE→ http://www.wagdug-fu.com/ 


■TAKESHI プロジェクト
[AA]
OFFICIAL WEB SITE→ http://www.aaequal.com/ 


4 PLUGS

4 PLUGS

  • THE MAD CAPSULE MARKETS
  • ビクターエンタテインメント
  • 1996/01/24
  • CD

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中村光作「荒川アンダーザブリッジ」 [●COMIC]

仕事に疲れた夜なんかに読んだら
あー、何もかも放り投げて荒川河川敷に住みてー!!って
きっと思っちゃいます

[text●t.minami]

私事ですが毎日の通勤時間が長く、電車に乗ると必ずといっていいほど寝オチしてしまいます。電車の揺れってなんであんなにも眠りを誘発してくるんでしょうね。最近では通勤中、知らない間に電車を降りて別の線に乗り換え、しばらくして目が覚めて“あれ、いつの間に乗り換えたんだっけ?”・・・なんてこともしばしば。完璧なる夢遊病者ですが、ここまでくると、意識のないまま動いている体内時計に感心すらしてしまうバカな自分もいたりして、本当トホホホホホホ。

しかし、そんな私もこのマンガに出合ってからは、どんなに力の入らない朝の電車の中でも仕事で疲れた帰りの電車の中でも目が冴えまくりで、眠気よりも笑いをこらえるのに必死になっているのです。

「荒川アンダーザブリッジ」。舞台はその名のとおり荒川河川敷。

大企業の御曹司であり、大学生にしてすでに多数の会社を経営するエリート街道まっしぐらの主人公リクがひょんなことをきっかけに荒川の河川敷に住むホームレスの美少女ニノ(自称“金星人”)に命を救われ、彼女の恋人として自らも河川敷の住人となって暮らすという、ハートフルギャグ・ラブコメディー。橋の下の住人となった主人公を待ちうけるのは、そこに暮らす見た目も中身も超~強烈な住人たち。幼いころからの環境によりカッチリと凝り固まった常識を持つ主人公がそんな個性豊かな人間(?)たちと生活をともにするなかで、恋、友情、自由な心や、乙女になる方法、あるときは流れ星となり、またあるときは犬に成り下がることまでをも覚え、新たな世界への扉を開いていく・・・。

と、内容は断片的にしか語れませんが、随所にシュールな笑いが放り込まれており、全体的にコミカルな感じに展開していくのかと思えば、ほんのわずか(笑)に心温まる場面や涙を誘う場面もあり、そのバランスが絶妙なのです。

特に仕事に疲れた夜なんかに読んだら、あー、何もかも放り投げて荒川河川敷に住みてー!!ってきっと思っちゃいますよ!笑

作者は「聖☆おにいさん」のヒットでも知られる中村光。

今年4月からテレビ東京にて深夜に放送されていたテレビ・アニメは先日一旦終了し、ただいま第2期製作中とのこと。マンガは「ヤングガンガン」(第1・第3金曜日発売/スクウェア・エニックス刊)にて連載中です。

あなたは金星人を信じますか?

TV-アニメ WEB SITE→ http://www.starchild.co.jp/special/arakawa_ub/ 

荒川アンダーザブリッジ (1) (ヤングガンガンコミックス)

荒川アンダーザブリッジ (1)

  • 中村光作
  • スクウェア・エニックス(ヤングガンガンコミックス)
  • 2005/07/25
  • メディア: コミック

荒川アンダーザ ブリッジ 10 (ヤングガンガンコミックス)

荒川アンダーザ ブリッジ 10

  • 中村光作
  • スクウェア・エニックス(ヤングガンガンコミックス)
  • 2010/04/24
  • コミック



[TV-アニメDVDリリース・スケジュール]
■数量限定生産版■
VOL.1 2010年7月7日発売
VOL.2 2010年8月4日発売
VOL.3 2010年9月8日発売
VOL.4 2010年10月6日発売
VOL.5 2010年11月10日発売  

■通常版■
VOL.1 2010年8月4日発売
VOL.2 2010年9月8日発売
VOL.3 2010年10月6日発売
VOL.4 11月10日発売
VOL.5 2010年12月8日発売

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小野不由美著「くらのかみ」 [●BOOK]

初版 2003.07.31 講談社刊

おどろおどろしい題材にも関わらず
どこかのほほんとしているのは
目線が子どもから向けられているからか
言葉遣いのせいか?

[text●h.mariko] 

まず、村上勉氏の絵が素晴らしい。
このシリーズ(講談社ミステリーランド)は、ひらがなが多く、文字がでかく、ルビが多く、 活字中毒者には些か読みにくい点が多いと思っていたのだが、 この「くらのかみ」は「大人から子どもまで」勧められる作品。

幼いころに母を亡くした耕介は、父の想一とともに母の本家である淵屋家へ行く。
相続に関する相談のため、親族が呼び集められたのであった。
大人たちの相談ごとに関係のない(なくはないのだが)子どもたちは、 入ってはならないと言われた「奥座敷」にて、「四人遊び」をする。
奥座敷から出ると、なぜか人数が増えている、子ども。
誰が増えたかは、分からない。
そこで起きる怪異、事件、子どもたちの探偵団。

おどろおどろしい題材にも関わらず、どこかのほほんとしているのは目線が子どもから向けられているからか、言葉遣いのせいか?

昔、子どもだったことを、大人は忘れる。
富や金に踊らされ、醜い諍いを起こす。
それを暗喩しているのだろうか。

ちょっとした冒険綺譚としても、子ども探偵団としても、教訓ものとしても捉えられる。
昔子どもだった大人も、今正に子どもを楽しむ年代にも、ぜひ読んでほしいな。

くらのかみ (ミステリーランド)

くらのかみ

  • 小野不由美著
  • 講談社(ミステリーランド)
  • 2003/07/30
  • 単行本



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MAJESTIC CIRCUS「PLANET SMILE」 [●ROCK]

自由自在にヘンゲする
甘く、力強い音の造形と陶酔について

[text●k.yosihiro]

紙ジャケなど定形外のCDというのは、本棚にあいうえお順で並べ、その上にまた一段設けるという形をとる僕の収納方法においては些かばかり厄介で、とはいえ、デザイン性に優れているのでつい買ってしまったCDの一群を壁に取りつけた赤い骨組みのみのラックにまとめてあるなかに、ふとMAJESTIC CIRCUSの3作目「PLANET SMILE」を認め、代々木公園での彼らのステージを思い出した。
フリーライヴのよく行なわれるこの野外ステージはコンクリートでできていて、それが照りつける陽射しを増幅させるような視覚効果をもたらすのか、4月とは思えぬほどに暑く(アースディのイベントだったはず)、2杯ほどのビールに因って、心地よい陶酔のなかにあった僕をさらに濃密な陶酔へといざなった甘くリズミカルな音楽は同時に、その場の木々や、風やコンクリを這う虫や人々の行き交いを温かく大きなムードに包み込んだ。
諸行無常という言葉が示す意味は、事物の常なる変化を意味し、彼らの音楽もアドリブで自由に変化していくのが、自然の姿との相性がよいのかも知れず、引き出されたその光景と音との記憶は、彼らのライヴを見たいという思いを生成するのであった。

MAJESTIC CIRCUS
高橋学(G./Vo.)
安藤恵司(G./Vo.)
柴田吾郎(Key./Vo.)
楠知憲(B.)
赤座靖(Perc./Ds.)
藤一宏(Ds.)

GUEST VOCALIST
児玉 奈央(Vo.)

OFFICIAL WEB SITE→ http://www.majestic-circus.com/ 

PLANET SMILE

PLANET SMILE

  • MAJESTIC CIRCUS
  • 2007/02/10
  • CD

Strange Trip On The Train

Strange Trip On The Train

  • MAJESTIC CIRCUS
  • 2003/07/21
  • CD

HOME MADE JAM

HOME MADE JAM

  • MAJESTIC CIRCUS
  • 2003/03/05
  • CD


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松本人志「寸止め海峡(仮題)~松本人志ライブ~」 [●COMEDIAN]

理不尽万歳!
新世界は常識の外側にある!?

[text●k.yosihiro]

日本で生まれ育ったある一定年齢以上の人間で、志村けん氏の名コント・キャラクター、変なおじさんを知らぬ人は稀だろう。彼は、我々の持つ常識(幻想のようなものだが)と同様の感覚を持つ人々のなかに、ひとり、圧倒的な異物として存在する。この構図こそが、コントという形式の最も基本的な形なのだと思うが、松本人志の「寸止め海峡(仮題)~松本人志ライブ~」に収められた「柳田という男」は正にこの逆の形をとる。
つまり、“常識人”は高校生の柳田君で、彼を囲む教師や母親は、我々の持つ常識とは大いに異なる発言や行動をする。しかし、常識とはマジョリティの意見であるから、この世界では柳田君こそが“非常識人”になってしまうのだ。だから、我々からとって、もっともな発言をする柳田君は、変わり者のような扱いを受けている。まったくもって理不尽である。“常識的な発言”をする柳田君、そして叱責を受ける柳田君。実に可哀想だ。ただ、この構図をさらに押し広げて、鑑賞している我々までも含むとするならば、この「柳田という男」という演芸そのものが“非常識”であるということになる。
笑いと常識は非常に密接な関係性を持っていて、常識から外れた事象に出会したときに、えてして笑いは生まれるのだと思う。求道的精神を持った大天才・松本人志氏はその最盛期において、笑いの常識にまで果敢に挑み、笑いの歴史において偉大なる軌跡を数々刻みこんだ。そのなかでも特に大きく地面を抉ったジャイアント・ステップス。この「寸止め海峡(仮題)~松本人志ライブ~」をVHSという過去のメディアにのみ収めている現状は、あまりにも惜しい。

1212.jpg
寸止め海峡(仮題)~松本人志ライブ~ [VHS]

寸止め海峡(仮題)
~松本人志ライブ~

  • フォーライフ ミュージックエンタテイメント
  • VHS

HITOSHI MATSUMOTO VISUALBUM “完成” [DVD]

HITOSHI MATSUMOTO
VISUALBUM “完成”

  • アール・アンド・シー
  • DVD



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L'Arc〜en〜Ciel「Tierra」 [●ROCK]

やはり
第一線で10年以上活躍しているアーティストには
それなりの売れてる理由
才能の幅広さがあるのは認めよう

[text●k.ryou]

昔よく聞いたアルバムって、
今聞きなおすと、
実は2~3曲しか、いいのなかったりするけど、
このアルバムは、
「全曲カッコイイ!」と言ってしまうことに、
恥ずかしさを感じない。

「Blame 」は、今シングルカットしても違和感のない完成されたポップさを持っている一方、
「Inner Core」なんかは、80年代ニューウェーブのアングラ感がクールであり、激しくもあるし、
「Wind of Gold」や「眠りによせて」は、ダークなヴィジュアル系がやらないだろう“ボサノバ”調だ。

やはり、第一線で10年以上活躍しているアーティストには、
それなりの売れてる理由、才能の幅広さがあるのは、認めよう。

B'zだって、ミスチルだって、自分にハマるポイントはあるはずだ。

雑誌にあおられて、新譜を3000円で買う前に、
これらのアーティストをブックオフで、100~250円で買って、
ゆっくり向き合ってみるのも、いいんでない?!

OFFICIAL WEB SITE→ http://www.larc-en-ciel.com/jp/ 

TOWER RECORDS ONLINE[L'Arc〜en〜Ciel/ラルク・アン・シエル]
TOWER RECORDS ONLINE「Tierra」

Tierra

Tierra

  • L’Arc~en~Ciel
  • キューンレコード
  • 1994/07/14
  • CD
■Track listing
01. In the Air
02. All Dead
03. Blame
04. Wind of Gold
05. Blurry Eyes
06. Inner Core
07. 眠りによせて
08. 風の行方
09. 瞳に映るもの
10. White Feathers





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ウォン・カーウァイ監督「天使の涙」 [●DVD]

1995年香港映画/1996年6月日本公開

タバコの味とボソボソとした不快な食感が
画面越しに観ているだけの私の口のなかでも広がり
言葉にならない悲しみが流れ込んでくる

半径何百メートルくらいの距離で起こっている
刹那的な人間たちの物語

[text●u.junko]

スタイリッシュな映像が代名詞ともいえるウォン・カーウァイ監督作品のなかでも、この作品は人物や情景がとても生々しい。

登場人物は殺し屋だったり、期限切れのパイン缶を食べ過ぎて口がきけなくなったという青年だったりと、映画ならではの架空の人物たちである。それにもかかわらず、まとわりつくような湿気と熱を帯びた空気や、攻撃的なまでに鮮やかなネオン。どこか退廃的な匂いがする香港の街に、自分も立っているかのような錯覚がする。

正直、彼の作品はストーリーよりも映像が優先されている印象がある。ただ、作品に登場する悲しみを抱えた女はいつも魅力的で、たとえば「マイ・ブルーベリー・ナイツ」ではアルコール中毒の夫に離婚を迫っていた女(レイチェル・ワイズ)が突然死んでしまった夫の行き着けのバーに来るシーンがある。サングラスをかけたレイチェル・ワイズが圧倒的に美しいっていうこともあるけれど、このシーンのためだけにでも観たほうがいいとさえ思わせるくらい、とても印象的なのだ。

この作品では、愛する人を失ったばかりの女が焼きそばを食べている。具も入っていない、油の味しかしないであろう不味そうな黄色の麺を、ひたすら口に詰め込みながらタバコを吸っている。タバコの灰がぼたぼたと落ちても、席の後ろで男たちが乱闘を始めても、眉ひとつ動かさずにそれは続く。彼女は焼きそばの味も乱闘もどうだっていいのだ。

タバコの味とボソボソとした不快な食感が、画面越しに観ているだけの私の口のなかでも広がり、言葉にならない悲しみが流れ込んでくる。自分の思いを伝えることはなかったのに、彼が死ぬきっかけを与えたのは、仕事とはいえ自分だったのだから。あぁ、この女はこうして悲しみを飲み下し、彼の死と向かい合っているのかもしれないと思った。

これは、単純に善悪があるハリウッド映画にはない、半径何百メートルくらいの距離で起こっている刹那的な人間たちの物語。好き嫌いがはっきり分かれそうではあるけれど、人に勧めたくなる1本である。

天使の涙 [DVD]

天使の涙

  • ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン
  • DVD
■cast 
レオン・ライ
ミシェール・リー
金城武
チャーリー・ヤン
カレン・モク


マイ・ブルーベリー・ナイツ [DVD]

マイ・ブルーベリー・ナイツ

  • 角川エンタテインメント
  • DVD

欲望の翼 [DVD]

欲望の翼

  • ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン
  • DVD

恋する惑星 [DVD]

恋する惑星

  • ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン
  • DVD


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篠田節子著「神鳥(イビス)」 [●BOOK]

その狂暴ともいえる生命力の前に
のんびりが過ぎた人間が立ち向かえるのか

[text●h.mariko]

ニュースでもたびたび取り上げられているが、中国から輸入してきた朱鷺が巣立った繁殖しただどうだと騒ぎ立てている。が、日本の朱鷺が全滅したのはもとをたどれば人間の乱獲が原因で、たとえば雀が絶滅の危機に瀕したとしたら同じように保護するだとか騒ぐのか、はなはだ疑問に感じる。
そんな私の気持ちを代弁してくれる本と出合った。

三十路過ぎの一部では大人気の「美少年専門イラストレーター」葉子に、「ハイパーバイオレンス作家」を名乗る美鈴慶一郎から「朱鷺飛来図」という絵をもとに、自作の表紙絵を描いてほしいとの依頼が来る。
朱鷺飛来図の作者は河野珠江、痴情のもつれゆえ片目をハサミで刺され、雪のなか自宅の庭にある大岩に頭を打ちつけ悶死した明治の日本画家。
その河野珠江を描いた映画を撮った金子央子は「私が間違っていた」と言い残し、自殺。
自分の作品に限界を感じていた葉子は嫌々ながらも美鈴の提案を受け入れ、朱鷺と河野珠江のつながりを求めて新潟、佐渡へ、そして鷹巣山へと赴く。
そこで出合うものは・・・。

妄想だとかオカルトだとか、簡単に片付ける言葉はいくらでもあろう。が、自然と闘い、その狂暴ともいえる生命力の前に、のんびりが過ぎた人間が立ち向かえるのか。共闘でなく共存の道はないのか。本当のテーマは、そこにあるように思える。1994年の作品。

神鳥(イビス)

神鳥(イビス)

  • 篠田節子著
  • 集英社
  • 1993/08
  • 単行本

神鳥イビス (集英社文庫)

神鳥イビス

  • 篠田節子著
  • 集英社
  • 1996/10/18
  • 文庫



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SION「Naked Tracks 3 ~今日が明日の繰り返しでも~」 [●ROCK]

2010.06.21 release

変わることなく歌い続けて25年
SIONが歌う素っ裸の“今”

[text●i.akira]

SIONは今年でデビュー25周年を迎える。しかも、少しも揺らぐことなくSIONという音楽を、歌を、言葉を貫いてきた。もちろん今も変わることなく、等身大の自分を表現し続けているのだ。ファンにとってこれほど信頼できるアーティストはいないだろう。自分も彼を愛するひとりとして、頭が下がる思いだ。

そんな彼が自主制作で発売している「Naked Tracks」というシリーズがある。自宅録音によるギターと歌声のみで構成された、非常にパーソナルな作品だ。本作はその第3弾にあたる。

普段は凄腕のミュージシャンやエンジニアに囲まれた環境でレコーディングしている彼が、あえてひとりで自分の音楽と向き合い、ご近所になるべく迷惑がかからないように、街のノイズに潰されないように、ゆっくりと、じっくりと、しかし大胆に録音された本作には、カチッと作られた作品にはないあたたかみや生活感が漂っている。また、今まではすでに発売されている楽曲が多く収録されていたが、本作はすべて新曲というところも嬉しい。

50歳を迎えた自分を奮い立たせるように歌う「18000回以上も」、今という時代を生きる意味を問う「狂い花を胸に」、全国各地で待っているファンに向けた感謝と喜びを綴った「キャラバン」、2009年に亡くなった盟友・川村かおりの名曲「金色のライオン」のカバーなど、いかにも彼らしい新たな名曲がたくさん詰まっている。同時に、これらの曲たちがバンド・サウンドでレコーディングされるであろう日を思いながら聴いてみるのも楽しい。

冒頭でも触れたが、25周年という大きな節目を迎えるに当たって、今年はさまざまな企画が用意されているらしい。錚々たる顔ぶれによるバンド“THE MOGAMI”を引き連れて毎年開催している日比谷野外音楽堂でのライブ「SION-YAON」はもちろんとして、ファン投票によって選ばれた上位10曲を長年のパートナーである松田文とアコースティック・カバーするという企画アルバム「I GET REQUESTS~SION with Bun Matsuda~」のリリースも決定している。機会があれば、その言葉と音に触れてほしいと思う。

BUGcorporation“SION WEB SITE”→ http://www.bug-corp.com/bug/sion/top.html 
「Naked Tracks 3 ~今日が明日の繰り返しでも~」 → ARTIST DELI SHOPPING
TOWER RECORDS ONLINE pickup artist[SION]

sion.jpg「Naked Tracks 3
~今日が明日の繰り返しでも~

(01)カラスとビール (02)あの子の部屋の窓は叩くな
(03)どんなに離れてたって傍にいるから (04)ひとり遊び
(05)水(06)18000回以上も (07)狂い花を胸に
(08)自分の胸は自分ではうまく温められない
(09)お前のちょっと前を (10)キャラバン (11)観覧車
(12)痛いくらいに強く想っていても (13)二人は
(14)金色のライオン(15)燦燦と
3500円
SION-0003
2010.06.21

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恩田陸著「MAZE」 [●BOOK]

marikoの恩田稑祭 その4

軽いテンポのなかでの会話の巧みさと
物語の不可思議さを楽しむ

[text●h.mariko]

唐突ですが、あなたはUFOとか、幽霊とか、超常現象を信じますか?
いきなり「ありえない場所」に連れて行かれたら、それを信じますか?

そこに入ると、人が消える。アジアの果てにあるその場所は、忌み嫌われ、そして畏れ敬われている。人々は、迷宮のようなその建造物を「あってはならない場所」と呼ぶ。
何も聞かされず、そんな場所に連れてこられた時枝満。彼の使命は「なぜ人が消えるのか」というロジックを解き明かすこと。依頼者は神原恵弥。期限は1週間。解けても解けなくても、膨大な報酬が得られる、危なそうな仕事。

満がのほほんとした性格だからか、恵弥がオネエ言葉を操るせいか、物語には緊張感と緩んだ感じがバランスよく配合されている。そのなかで、突如襲ってくる、「ありえない場所」の恐怖。軍人であるスコットと現地人のセリムの対比もおもしろい。

人間はいつしか、食物連鎖の頂点に立つようになり、世の中に敵はいないと信じ込んでいる。その牙城が崩れたときに起こることとは、いったいなんなのだろうか?
軽いテンポのなかでの会話の巧みさと、物語の不可思議さを存分に楽しんでいただきたい。

MAZE(めいず)

MAZE(めいず)

  • 恩田陸著
  • 双葉社
  • 2001/02
  • 単行本

MAZE (双葉文庫)

MAZE

  • 恩田陸著
  • 双葉社(双葉文庫)
  • 2003/11
  • 文庫


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Cocco「ニライカナイ」 [●ROCK]

清濁を併せ持った罪深き、愛おしき人間への賛歌
[text●0.yuu]

民謡。いにしえの彼方より人から人へと伝わる語り部。そこに轟音のギターが、琉球國祭り太鼓が、Curly Giraffeの呪文のようなVocalが絡み、Coccoの声が天を貫く。異色とも言える組み合わせかもしれないが違和感を感じない。むしろ、これがCoccoの辿り着いた音楽のひとつの完成形と言えるのかもしれない。


「沖縄」と聞くと美しい海や生き物たちも思い浮かべるが、悲惨な戦争の傷痕、基地の問題ばかりが取り沙汰されている。しかしそれはその土地に住んでいる人だけの問題なのだろうか。なぜだろう、普段は気にすることのない「故郷」というものや「日本人」であるということを考えさせられ、再認識させられる。人が生まれ死に、その繰り返しのなかで続いてきた歴史が紐解かれ、呼びさまされ、遺伝子が震えるような感覚を起こした。

【ニライカナイ】。そこはユートピアという類の理想郷ではなく、この世で生きるための道標であり、いずれ魂が還るべき場所なのだ。自然の驚異は人を呑み込む。喜怒哀楽さえ超越する。切り離せない、生と死。闇があるからこそ成り立つ光がここには射し込んでいる。

曲を聴いていると、小学生のころに沖縄に訪れたときの風が全身に舞うのを感じた。そして無言で語りかけてきた。陰と陽が交わるところに真理はあり、自然の力を味方にして肌で感じて生きよ、と。傷ついたものたちを奮い立たせてくれるこの唄のおかげで、また前へと歩き出せる。


この世に生まれ堕ちた宿命を憎み、嫌悪していた初期の彼女は、自らの使命を自覚した。歌うこと=すなわち生きることとして、命尽きるまで全うしていくのだろう。さて果たして、自分には何ができるだろう。自分のためではなく、人のために、この日本のため、地球のために。それを明確に見つけ出せたら、脆さを強さに変えて私も彼女のように行動したい。そして忘れてはいけない思いやりや、無償の愛を後世に遺したい。

OFFICIAL WEB SITE→ http://www.cocco.co.jp/ 

ニライカナイ

ニライカナイ

  • Cocco
  • ビクターエンタテインメント
  • 2010/06/09
  • CD

エメラルド(初回限定盤)(DVD付)

エメラルド
(初回限定盤)(DVD付)

  • Cocco
  • ビクターエンタテインメント
  • 2010/08/11
  • CD



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万城目学著「鹿男あをによし」 [●BOOK]

ドラマ原作を読もう
フジテレビ系連続ドラマとして2008年1月17日から3月20日まで玉木宏主演で放送

ファンタジーを超えた
ネオファンタジーとでもいうべき内容には
舌を巻くどころか平伏

[text●h.mariko]

“おれ”はとあるミスから大学の研究室を休学して、奈良にある女子校の臨時講師を務めるように研究室の教授から勧められる(というか厄介払いに近い)。

1日目から遅刻してきた生徒・堀田イトは遅刻の理由を
「マイシカが駐禁取られたから」となめたことを言いやがり、
「知らないんですか? 奈良の人は鹿に乗るんですよ」と更に挑発的なことを言い、
“おれ”はぶち切れてしまう。

隣の席になった藤原君に妻のお手製“かりんとう”をわけてもらいながら(これがまずい)、教師としてのいろはを学ぶ。

ある日“おれ”は鹿に語りかけられる。そして「運び番」に選ばれたことを知る。
鹿曰く、
「地下の大ナマズを治めないと大地震が起きて大変な事になる」
サンカクなんとかというモノがあれば大ナマズを鎮めることができるらしく、大奮闘する僕。
そのころ、勤め先の学校では「大和杯」なる体育大会が行なわれる。奈良、京都、大阪にある姉妹校との対戦で、藤原くん曰く「オリンピック並みの盛り上がり」とか。
そこに「サンカク」の存在を知った“おれ”はなんとか奪取すべく策を講じるが……?!

いやはや。
この文章の絶妙さは読んだものにしか伝わらないだろう。
文章だからこそ伝わるものがここにはあるだろう。
ファンタジーを超えた、ネオファンタジーとでもいうべき内容には舌を巻くどころか平伏した。
アナログとデジタルの差が謎の解明に繋がるところなんて、現在のデジタル化を揶揄しているようにも感じる。

鹿男あをによし

鹿男あをによし

  • 万城目学著
  • 幻冬舎
  • 2007/04
  • 単行本

鹿男あをによし (幻冬舎文庫)

鹿男あをによし

  • 万城目学著
  • 幻冬舎(幻冬舎文庫)
  • 2010/04
  • 文庫




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ディアーヌ・キュリス監督作品「サガン-悲しみよこんにちは-」 [●DVD]

原題「Sagan」2008年製作フランス映画/2009年日本公開作品

その、ひたすら繊細で
不器用な子どものようにむき出しの心が
とにかく悲しく美しい

[text●u.junko]

サガンは作品とともに、スキャンダラスな人生までもが注目されていた。18歳で印税5億フラン(約364億円)を手にし、大統領から芸術家などといった華やかな交友関係、勝つも負けるも桁違いのギャンブルとそれによる借金、愛されることを渇望しているのに孤独から抜け出せず、最後はドラッグに溺れていく。典型的なまでに破滅の一途をたどる人生。

あり余る富には心ない人間が群がり、満たされない心を埋めるためのギャンブルやドラッグといったスキャンダルは、ますます彼女を孤独に追い込む。それなのに、サガンは惨めさも可哀想だとも感じさせない。“破滅するのも私の勝手でしょ”と言い放つ彼女はお金に対する執着はゼロだし、愛されたいがために誰かれ問わず媚を売ることもしなければ、すがることもない。なぜなら彼女がほしいのは、ありのままの自分を受け入れてくれる人間なのだから、わざわざそんなことをする必要がないのである。

ただ、“ありのままの自分”を受け入れてくれる人間を必要以上に求めるのは、苦しくなるだけなんじゃないかと思うのだ。家族や友人といるときの自分と職場での自分、どれも自分であるけれど、どれも同じではなく、それぞれ少しずつ違うはず。自分のすべてをさらけ出し、それを誰かに受け入れて愛してもらえなければ生きられないというのなら、それを満たされている人間は全世界にどれくらいいるのだろう。

気ままで贅沢な暮らしをして、自由奔放で恋も遊びも存分にする。作家として成功すればするほど埋まらなくなっていく彼女の孤独は、心配してくれる人やひとり息子までも遠ざけてしまう。そう、サガンは誰からも愛されなかったわけじゃない。彼女の求める愛情そのものの形、求め方や受け止め方が、人とはほんの少し違っただけなのかもしれない。その、ひたすら繊細で不器用な子どものようにむき出しの心が、とにかく悲しく美しい。

サガン-悲しみよ こんにちは- [DVD]

サガン-悲しみよ こんにちは-

  • 角川エンタテインメント
  • DVD

悲しみよこんにちは (新潮文庫)

悲しみよこんにちは

  • フランソワーズ・サガン著
  • 新潮社(新潮文庫)
  • 1955/06
  • 文庫

フィガロブックス サガン 疾走する生 (FIGARO BOOKS)

サガン 疾走する生

  • マリー=ドミニク・ルリエーヴル著/永田千奈訳
  • 阪急コミュニケーションズ(FIGARO BOOKS)
  • 2009/04/18
  • 単行本


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ゆうきまさみ作「機動警察パトレイバー」 [●COMIC]

小学生が鼻水たらしながら読む話ではない 
まるっきり、大人のマンガ

[text●h.mariko]

警察官が主人公のマンガである。
社会の諸悪をしょっ引く、わけではない。
タイトルのとおり、パトレイバーなるものが、この作品の華であり、肝でもある。

近未来(すでに過去になってしまったが)、1995年に東京沖で起きた大地震による崩壊、その復興のため「レイバー」と呼ばれる人型に近いロボットが産業化していて、世の中の利便性を高めるも、それを使った犯罪も増加していた。
警察では警察専用レイバーを導入、その犯罪に立ち向かう。「特科車両二課中隊」、通称「特車二課」が生まれる。これがパトロールレイバー中隊 (パトレイバー) の誕生である。
隊長の後藤、レイバー(個体はイングラム)のパイロットである泉、大田、篠原、進士、山崎、熊耳からなる。
警察の導入したOSのコピーを作成しようと目論むシャフト・エンタープライズの内海が絡み、ストーリーは複雑になってくる。
これは、小学生が鼻水たらしながら読む話ではない。まるっきり、大人のマンガなのである。
曰く、犯罪が人を悪くするわけではない。罪を憎んで人を憎まず、などという綺麗事はこの作品には存在しないのだ。
政治的駆引、汚職、幼児誘拐、さまざまな犯罪の図式を描きながらも、パトレイバーの活躍だけでお茶を濁さないところがこの作品のすごいところだ。

このマンガが出版されて、すでに20年以上経過した。
パトレイバーは生まれそうにないが、社会の暗部はより陰湿に暗くなっている。
それを照らすきっかけに、何か発明されないものかと、この作品を手に取るたびに思うのだ。

機動警察パトレイバー (1) (少年サンデーコミックス〈ワイド版〉)

機動警察パトレイバー (1)

  • ゆうきまさみ作
  • 小学館(少年サンデーコミックス〈ワイド版〉)
  • 1995/08
  • コミック

機動警察パトレイバー (11) (少年サンデーコミックス〈ワイド版〉)

機動警察パトレイバー (11)

  • ゆうきまさみ作
  • 小学館(少年サンデーコミックス〈ワイド版〉)
  • 1997/04
  • コミック

機動警察パトレイバー (1) (小学館文庫)

機動警察パトレイバー (1)

  • ゆうきまさみ作
  • 小学館(小学館文庫)
  • 2000/01
  • 文庫

機動警察パトレイバー (11) (小学館文庫)

機動警察パトレイバー (11)

  • ゆうきまさみ作
  • 小学館(小学館文庫)
  • 2000/11
  • 文庫



機動警察パトレイバー2 the Movie [DVD]

機動警察パトレイバー2 the Movie

  • バンダイビジュアル
  • DVD



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OverTheDogs「A STAR LIGHT IN MY LIFE」 [●ROCK]

人生を照らす星の光
それは恋人かもしれない、仕事かもしれない
音楽かもしれない

[text●n.misaki]

A写1.jpg
L→R●樋口三四郎(G.&Cho.)田中直貴(Ds.)恒吉豊(Vo.l&G.)星英二郎(Key.&Cho.)佐藤ダイキ(B.&Cho.)

2010年6月9日、未知の新人OverTheDogsのデビュー・アルバム『A STAR LIGHT IN MY LIFE』が全国発売された。発売から1週間で、タワーレコード新宿店の週間邦楽ランキング第9位、ディスクユニオン全店舗のインディーズチャート第3位、HMV立川店の週間邦楽ランキング第6位と、まだまだ無名にも関わらず順調なスタートをした彼ら。「彼らの魅力とはなんだろう?」と考えたとき、それがこのアルバムに詰まっていると確信した。

まず印象的なのが楽曲の世界観だ。恒吉(Vo.)のハイトーンボイスから語られる言葉ひとつひとつは、文学的かつストレート。余計なものは何も装飾されていない。彼が発するワンフレーズだけで宇宙へでも夢の世界へでも、はたまた笑いやロックの世界へも飛んでいける。それを支えているのがバックのサウンド。ギターやリズム隊がいい意味で主張しすぎず、彼の歌声を生かす作りになっている。そしてサウンドの重要なポイントがキーボードの存在だ。純粋なピアノだけでなく多彩な音色を楽曲ごとに、フレーズごとに使い分け、それがギターやリズム隊とみごとに合わさり、彼ら独自の世界観を作り上げているのだろう。

さらに、もうひとつ重要なことは、その世界観に偏りがないことだ。アルバムに収録されている1曲1曲の世界観や歌詞に統一感があまりなく、それがある意味聴く者の想像力を無限大に広げてくれるのだ。はっきりと「ロックはこうだ!」と決めつけるのではなく、十人十色。聴く人によって価値観が違ってもいいのではないだろうか。だからこそ彼らはタイトルに『A STAR LIGHT IN MY LIFE』と名づけ、“あなたの人生を照らす星の光はなんですか?”と問うのだ。それは恋人かもしれない、仕事かもしれない、音楽かもしれない。人それぞれその星の光が違うからこそ、聴く人それぞれに響く歌が違う。決めつけない音楽、それがOverTheDogsなのだ。

彼らはこのアルバムを最高のアルバムだと言い、最低のアルバムだとも言う。それは今の現状で満足するのではなく、次なる目標に向けもう走り出しているからだろう。彼らにとっての“星の光”を掴むために。

OFFICIAL WEB SITE→ http://overthedogs.com/ 

A STAR LIGHT IN MY LIFE

A STAR LIGHT IN MY LIFE

  • OverTheDogs
  • 2010/06/09
  • CD



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大森立嗣監督・脚本作品「ケンタとジュンとカヨちゃんの国」 [●THEATER]

2010年6月12日公開作品(2009年製作日本映画)

ケンタとジュンにとって
カヨちゃんの二の腕と太ももだけが
唯一の真実 

[text●y.tatsuya]

「自分探し」という名の旅がある。まさしく自分と向き合うことを目的としていて、過去と現在、未来、どこから来てどこへ向かうのか。人は旅を通して何かを発見しようとする。

何かを見つけたいと思うがゆえの行動において、少なくとも自分が何をしたいのか大抵はわかっているもの。でもどうしていいかわからない。だから旅に出る。行きたい場所なんてない。そんな旅はどこまで行っても空虚で、ただただ人恋しくて。

やがて、たったひとつ、ひとつの地に留まって変わらぬ日常を過ごす人たちの強さと、動きもがく己の弱さ。そんなあたりまえのことを知る。

ケンタとジュンにカヨちゃんが入り込んだ「何かをぶっ壊す旅」においては、そのことすら知ることはない。ただ、ケンタとジュンにとってカヨちゃんの二の腕と太ももだけが唯一の真実である。

006.jpg
■cast 
松田翔太(ケンタ)
高良健吾(ジュン)
安藤サクラ(カヨちゃん)
宮崎将 柄本佑 
洞口依子 多部未華子 
美保純 山本政志 新井浩文 
小林薫 柄本明 


エンディングテーマ「私たちの望むものは」阿部芙蓉美

OFFICIAL WEB SITE→ http://www.kjk-movie.jp/ 


ケンタとジュンとカヨちゃんの国  VISUAL BOOK featuring 松田翔太

ケンタとジュンとカヨちゃんの国
VISUAL BOOK featuring 松田翔太

  • オリジナルフォトストーリーブック
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
  • 2010/05/26
  • 単行本



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