So-net無料ブログ作成
あのときあの場所に集まって
再び全国に散った趣味も性格も全く違うレポーターたちが
ジャンルを飛び越え、新旧流行にとらわれることなく
いま自分が好きなもの、自分にとっての旬なアレコレをガンガン紹介するブログ!
どうぞココで、いろんな好きと出合ってくれたなら
ますます楽しくなってしまうじゃない!
音楽、小説、映画、美術、TVショウ・・・いつだって、出合ったときが新しい!

矢沢あい作「下弦の月」 [●COMIC]

たかがマンガと思って読み始めたものの
最後には涙が止まらなくなった

[text●h.mariko]

「NANA」のシリーズが累計5千万部を売り上げているようだが、個人的には矢沢氏の作品でいちばん好きなのは、「下弦の月」である。
少女漫画独特の、恋愛を中心としたまだるっこしさがない。
小学生たちが主人公であり、謎を解くかのようなミステリーがいい。
美しい絵が目を引き、その世界に取り込まれるのがいい。

女子高生の望月美月は家出中に、青い目の歌手、アダムと出逢い、恋をする。今の自分を脱ぎ捨てたかった美月はアダムについていくことを決心した矢先に交通事故に遭う。
一方、飼い猫のルルを探し交通事故に遭った小学生の白石蛍は、幸い軽い怪我で済み、学校へと戻る。親友の沙絵、片思いの相手の三浦、杉崎らと同じクラス。

小学生の可愛らしい存在と、厭世的になった高校生の対比。自ら命を絶ったアダムの報われぬ思い。美月を引き留めるアダムの存在と、家族との絆。

たかがマンガと思って読み始めたものの、最後には涙が止まらなくなった。
生きることへのメッセージとも、音楽への愛情とも、家族や友人との絆ともとれる深いメッセージが心を揺さぶるだろう。

下弦の月 1 (りぼんマスコットコミックス (1114))

下弦の月 1

  • 矢沢あい作
  • 集英社 (りぼんマスコットコミックス )
  • 1998/12/07
  • コミック

下弦の月 2 (りぼんマスコットコミックス (1143))

下弦の月 2

  • 矢沢あい作
  • 集英社(りぼんマスコットコミックス )
  • 1999/05/14
  • コミック

下弦の月 3 (りぼんマスコットコミックス (1173))

下弦の月 3

  • 矢沢あい作
  • 集英社 (りぼんマスコットコミックス )
  • 1999/11/15
  • コミック

下弦の月 ―Last Quarter― 上 愛蔵版

下弦の月 ―Last Quarter― 上
愛蔵版

  • 矢沢あい作
  • 集英社
  • 2004/09/17
  • コミック

下弦の月 ―Last Quarter― 下 愛蔵版

>下弦の月 ―Last Quarter― 下
愛蔵版

  • 矢沢あい作
  • 集英社
  • 2004/09/17
  • コミック

下弦の月 ラスト・クォーター [DVD]

下弦の月 ラスト・クォーター

  • 松竹ホームビデオ
  • DVD


nice!(0)  コメント(0) 

PUFFY「honeycreeper」 [●POPS]

ポップでキュートな女性アーティストはいくらでもいるけれど 
そこから淘汰されることのない存在は貴重である 

[text●u.junko]

PUFFYは“女子ってサイコー!”と思わせてくれる存在である。洋服もメイクも好きだし、可愛いものが大好き。めんどくさいことはなるべくしたくないし、興味のないことはしたくない。媚びている感じがしないのに、どこか強かさやふてぶてしささえ感じる(褒め言葉です)。女性というよりも“女子”って言葉がいちばんしっくりくるのだ。こういう女子の武器(専売特許品)ともいえる感じを漂わせても“PUFFYならいいかぁ”と思っては、嫌うどころか魅力的だとさえ思うのである。

この作品は、楽曲提供をしているアーティストがとにかく豪華。奥田民生、井上陽水はもちろんこと、ピエール瀧、宮藤官九郎(グループ魂)といったクセモノから、吉井和哉、チバユウスケ(The Birthday)、山中さわお(the pillows)といったロック・ファンにもたまらない面々が揃っている。そう、近ごろの彼女たちの音楽は、デビュー当時よりもずっと硬派な曲が多いのである(最近作「Bring it!」を聴いていただけばよりわかります)。

彼女たちの代名詞ともいえるポップな曲を聴かせながらも、多種多様なアーティストからの楽曲をひたすら楽しみつつ、ガツンとロック・シーンに乗り込んだ感がある。それも“PUFFYの音楽”として。彼女たちだからこそ出せる音で、そこに立ち向かっている感じがとても男前でかっこいいなぁと思う。

べつに音楽は自分たちで楽器を演奏したり、曲を書くことだけが大切なわけでもなければ、歌がうまくなきゃいけないわけでもない。聴いている人間が楽しくなることだったり、わくわくさせることにだって十分意義があり、むしろそうさせるのが難しかったりするんじゃないかと思う。ポップでキュートな女性アーティストはいくらでもいるけれど、そこから淘汰されることのない存在は貴重である。何十年後も、この女子力をもってして活動を続けてもらいたいと切に願ってやみません。

OFFICIAL WEB SITE→ http://puffy.jp/ 
PUFFY TOUR 2010 劇団アセス旗揚げ公演 「カニと共に去りぬ」
Special site!!!→ http://www.puffy.jp/tour2010/ 
Twitter→ http://twitter.com/PUFFY 


honeycreeper

honeycreeper

  • PUFFY
  • キューンレコード
  • 2007/09/26
  • CD
(01)オリエンタル・ダイヤモンド (02)Ain’t Gonna Cut It (03)君とオートバイ
(04)くちびるモーション (05)はやいクルマ (06)サヨナラサマー
(07)boom boom beat (08)妖怪PUFFY (09)Closet Full Of Love
(10)はさんじゃうぜ (11)complaint (12)お江戸流れ星IV (13)アイランド


Bring it!

Bring it!

  • PUFFY
  • KRE
  • 2009/06/17
  • CD
(01)I Don’t Wanna (02)マイストーリー (03)Bye Bye
(04)My Hero! (05)主演の女 (06)DOKI DOKI
(07)Twilight Shooting Star!(08)晴れ女
(09)All Because Of You (10)あなたとわたし(11)日和姫
(12)Bring it on (13)ウエディング・ベル


nice!(1)  コメント(0) 

いがらしみきお作「ぼのぼの」 [●COMIC]

ただの漫画と侮ってはいけない
これは、人生の縮図を描いた哲学作品である

物事に行き詰ったとき
悲しみにくれたとき、誰も信じられなくなったとき
そっと背中を押してくれる言葉が
たくさん詰まっている

[text●h.mariko]

ラッコのぼのぼのと、友達のアライグマくん、シマリスくん、スナドリネコさん、ヒグマの大将、クズリ親子、フェネックギツネの親子が繰り出す日常漫画。
が。ただの漫画と侮ってはいけない。これは、人生の縮図を描いた哲学作品である。
はじめは、その絵の可愛らしさで読み始めた。が、ふとしたときに思い出す名台詞の数々がとにかく素晴らしいのである。

ぼのぼのは、のんびりしているが相手を思いやれる優しい子。
アライグマくんは、いじめっ子だが、実は他人(?)を放っておけない人情派。
シマリスくんは、いじめられっ子だが、実は結構頭がいい。

なんで人間って存在しているの? なんで山ってそこにあるの? なんで自分って生きているの? そんなことを思ったことはないか?
ぼうっとしているように見えるぼのぼのはいつもそんなことを考えている。そして、それに対する回答をするスナドリネコさんの言葉は、重く、深い。
ビーバーさん家族のような「良い家庭の図」もあれば、離婚夫婦であるヒグマ一家もいる。これは、人の人生の縮図ではないか。

アニメでは子ども向けにストーリーも組み直しているようだが、ぜひ漫画、それも初期の作品をぜひ読んでほしい。
物事に行き詰ったとき、悲しみにくれたとき、誰も信じられなくなったとき。
そっと背中を押してくれる言葉が、たくさん詰まっている。
キャラクターの口癖がうつるかもしれないが、まあ、それはご愛嬌。
いぢめる? いぢめる? いぢめないよう。と、言っていただきたい。

ぼのぼのといがらしみきおの総合情報サイト 
「ぼのねっと」→ http://www.bonobono.jp/ 


ぼのぼの 1 (バンブー・コミックス)

ぼのぼの 1

  • いがらしみきお作
  • 竹書房(バンブー・コミックス)
  • 1987/03/20
  • メディア: コミック

ぼのぼの(33) (バンブー・コミックス)

ぼのぼの(33)

  • いがらし みきお
  • 竹書房(バンブー・コミックス)
  • 2009/12/26
  • メディア: コミック





nice!(0)  コメント(0) 

恩田陸著「ネバーランド」 [●BOOK]

marikoの恩田稑祭 その3

あのころが甦る読後感は
なんともいえない爽快さ

[text●h.mariko]


誰もがとおり過ぎる、高校生という時間。
思春期の16歳から18歳は、反抗期もあり、人間的な成長もあり、人が人として形成される重要な時間だ。それを共に過ごす仲間はかけがえない存在となる。

が、実際にその時代を生きているときはそんな余裕はぶっこけない。目の前にある現実がいちばん大切で、しかも意外とそれはくだらなくて、可愛いあの子を口説く自信がないだとか、あいつには負けたくないと情熱注ぎ込むのは勉学でなく性の知識であったり。

恩田女史が物語る高校生は、その地域では難関と呼ばれる学校に通う男子校生。そんな優秀な彼らでも、悩みは同じ。彼女のこと、将来のこと、両親のこと。
冬休みの数週間を、たった4人で過ごすことになった学生寮。いつもの喧騒が嘘のような場所で、彼らは夜な夜な語り合う。それも、ゲームで負けたものが「告白」か「実行」をするという条件のもとで。諍い、仲違い、そして戯れ。

人は社会に出ると、一度は必ず「学生時代はよかったなぁ」と口にする。それはきっと学生なりに悩んでいたこと、思えば、あんな些細なことでも大いに悩んでいたことが、「よかった」んじゃないのか。

それにしても読後感はなんともいえない爽快さ。

ネバーランド

ネバーランド

  • 恩田陸著
  • 集英社
  • 2000/07/05
  • 単行本

ネバーランド (集英社文庫)

ネバーランド

  • 恩田陸著
  • 集英社(集英社文庫)
  • 2003/05/20
  • 文庫

2001年7月~9月にTBS系でテレビドラマ化(全11回)
■cast 
今井翼/三宅健/生田斗真
村上信五/田中聖/山崎裕太 
山田麻衣子/周防玲子/橘実里
矢島健一/吉本多香美
高島礼子/野際陽子 
三波豊和









nice!(1)  コメント(0) 

日本独自の前衛芸術「舞踏-BUTOH」 [●ART/EXHIBITION]

その白塗り、裸体、剃髪という奇抜な姿態と
強い情念を感じさせる肉体の細やかな動きに魅了され
初めて“無になる”という感覚を味わった

[text●t.minami]

私が舞踏(暗黒舞踏)と出合ったのはロンドン滞在中に観にいった、パリを拠点に活動する日本の舞踏グループ、山海塾の公演。その白塗り、裸体、剃髪という奇抜な姿態と、強い情念を感じさせる肉体の細やかな動きに魅了され、初めて“無になる”という感覚を味わった。最近では東京・吉祥寺を拠点に活動する舞踏集団、大駱駝艦の公演にたびたび足を運ぶようになり、舞踏の魅力にどっぷりと浸っている。
舞踏舞踏と言っているが、そもそも「舞踏」というのは、60年代に日本のアンダーグラウンドシーンで、舞踊家・土方巽らによって生み出された前衛舞踊、現代舞踊のひとつであり、前衛芸術の括りでもある。アヴァンギャルドな容姿と顔や体を使って感情を前面に表現した一見すると奇妙ともとれるダンスから、当時の日本では正統派のダンスとしては認められず、評価は厳しかったが、三島由紀夫、寺山修司などの文芸人からは絶賛された。
現在でも活動している主な舞踏グループとしては、先述の山海塾、大駱駝鑑、大野一雄舞踏研究所などが有名だが、1980年以降パリ市立劇場を拠点として活動を続ける山海塾、1982年にアメリカン・ダンス・フェスティバル、アヴィニヨン・フェスティバルに参加し高い評価を受けた大駱駝鑑により、近年ヨーロッパやアメリカでは舞踏への関心が高まり、「BUTOH」と呼ばれ、海外では外国人の舞踏グループの活動も目立っている。実際に日本での公演で海外からの観客が多いのには驚かされた。また、大駱駝鑑の公演では演目により使用される音楽も、フリージャズ、プログレ、カントリー&ウェスタン・・・、と多岐にわたり、音楽との結びつきも非常に密接である。
音楽がCDから配信へと変わり、本や雑誌が電子データとして移り変わりつつある今、物の価値や重要性が問われるなかで、絶対にデータにはできないもの、そういうものが求められる時代がきているのかもしれない。日本が海外へ誇る芸能・文化のひとつである暗黒舞踏を今こそ見直す必要があるのではないだろうか。

山海塾
OFFICIAL WEB SITE→ http://www.sankaijuku.com/ 
大駱駝艦
OFFICIAL WEB SITE→ http://www.dairakudakan.com/ 
大野一雄舞踏研究所
OFFICIAL WEB SITE→ http://www.kazuoohnodancestudio.com/ 



天賦典式―大駱駝艦

天賦典式―大駱駝艦

  • 大駱駝艦
  • 光琳社出版
  • 1999/01
  • 単行本

麿赤兒 ガドウィンの河を渡るとき

麿赤兒 ガドウィンの河を渡るとき

  • 宮内文雄(写真)
  • 武田ランダムハウスジャパン
  • 2007/12/20
  • 単行本

土方巽の舞踏―肉体のシュルレアリスム 身体のオントロジー (CD-ROM付)

土方巽の舞踏
―肉体のシュルレアリスム 身体のオントロジー
(CD-ROM付)

  • 岡本太郎美術館・慶応義塾大学アートセンター編
  • 慶應義塾大学出版会
  • 2003/12
  • 単行本

舞踏(BUTOH)大全―暗黒と光の王国

舞踏(BUTOH)大全―暗黒と光の王国

  • 原田広美著
  • 現代書館
  • 2004/09
  • 単行本


nice!(0)  コメント(0) 

大友克洋作「AKIRA(アキラ) 」 [●COMIC]

人は全てを喪うと何にすがっていくのか
そしてすがられた者は何を思うのか
学校では教えてくれない多くのことを
この物語から学んだ

[text●h.mariko]

ジャパニメーション、などという造語が使われるようになって久しい。
日本のアニメーション技術の高さを世界中が認めたからこその言葉であろう。
その先駆けともいえる存在、大友克洋を置いてこの世界を語れようか。
氏の出世作でもある「AKIRA」との出逢いは、私がまだ小学生低学年のころだった。
リアルに描きこまれた絵、近未来を想定したストーリーは全く理解できなかった。
完結までに延べ9年が費やされたこの作品。
完結した後、成長した私は貪るように漫画を読んだ。それこそ、寝食忘れて。

1982年に勃発した第三次世界大戦より世界は荒廃し、
東京にはその爆撃痕が生々しく残る。
そこで暴走行為を繰り返す、主人公金田、鉄雄、甲斐、山形らのチーム。
外見が老人のような謎の少年と事故を起こし、鉄雄が入院する。
しかし彼の搬送された場所は病院でなく軍の専門施設であった。
一方、26号こと「アキラ」の存在を探り、
政府との小競り合いを続けるゲリラ組織の竜、ケイ、チヨコ。

鉄雄とアキラの存在が繋がることにより、散乱していた物語が線で結ばれる。
物語の詳細は、ご自身で読まれることをお勧めする。
この物語は示唆的であるがゆえ、人により感じ方は千差万別であろう。
俗に言う不良というレッテルを張られた主人公たちの生きざまや、
兵器として人間を開発するという発想のおぞましさ、人は全てを喪うと何に縋っていくのか、そして縋られた者は何を思うのか。学校で教えてくれない多くのことを、私はこの物語から学んだ。
この作品を凌駕するものに、私はまだ出逢っていない。

AKIRA(1) (KCデラックス 11)

AKIRA(1)

  • 大友克洋作
  • 講談社(KCデラックス 11)
  • 1984/09/14
  • コミック

AKIRA(2) (KCデラックス 12)

AKIRA(2)

  • 大友克洋作
  • 講談社(KCデラックス 12)
  • 1985/08/27
  • コミック

AKIRA(3) (KCデラックス 13)

AKIRA(3)

  • 大友克洋作/li>
  • 講談社(KCデラックス 13)
  • 1986/08/21
  • コミック

AKIRA(4) (KCデラックス 14)

AKIRA(4)

  • 大友克洋作
  • 講談社(KCデラックス 14)
  • 1987/07/01
  • コミック

AKIRA(5) (KCデラックス 166)

AKIRA(5)

  • 大友克洋作
  • 講談社(KCデラックス 166)
  • 1990/11/26
  • コミック

AKIRA(6) (KCデラックス 339)

AKIRA(6)

  • 大友克洋作
  • 講談社(KCデラックス 339)
  • 1993/03/15
  • コミック

AKIRA DVD SPECIAL EDITION

AKIRA DVD SPECIAL EDITION

  • バンダイビジュアル
  • DVD



nice!(0)  コメント(0) 

ドキュメンタリー映画「いのちの食べかた」 [●DVD]

2005年製作・ドイツ映画/2007年11月・日本公開
2005年アムステルダム国際ドキュメンタリー映画祭 特別審査員賞受賞


知らなければならない“食”の真実
[text●i.akira]

私たちが生きる上で絶対に欠かせないものである“食”。飲食店、スーパーマーケット、コンビニエンス・ストア、ファーストフード店・・・・・・あたりまえのようにお金を出し、あたりまえのように食べ、あたりまえのように残りを廃棄する。少なくとも私が生まれたとき、日本という国はすでにそうだった。でも私たちは知らない。その食べ物がどうやって自分たちの口の中に入っているのか。

「いのちの食べかた」は、さまざまな食べ物がどのようにして作られているかの過程を映した作品である。作中にはひとつのコメントも解説もなく、静かに美しくも衝撃的な映像が映し出されていく。ベルトコンベアーによって流されていくヒヨコ、プールのような殺菌場に敷き詰められたリンゴ、腹を裂かれ内臓を吸い上げられる魚、 眉間に電気ショックを与えられ解体されていく牛、それらの作業を淡々とこなしていく人々と機械。大量の動物や植物があっという間にスーパーマーケットで並んでいるような食べ物になっていくさまは、言葉を失う。

ショッキングな映像もあるかもしれないが、私たちはこれを知っておかなければ、観ておかなければいけない。自然の摂理も命の尊厳も無視され、と殺されては商品となり私たちの口に入っていく彼らを。現代に生きる私たちが背負っている業を。

倫理や常識が叫ばれる昨今、本当に思うべき、考えるべき倫理や常識は“食”にこそあるのではないだろうか。私たちは今日も命を食べているのだから。

OFFICIAL WEB SITE→ http://www.espace-sarou.co.jp/inochi/ 

いのちの食べかた [DVD]

いのちの食べかた

  • 紀伊國屋書店
  • DVD



nice!(0)  コメント(0) 

h「29歳の小言」Vol.3 土俵~パート1~ [■ESSAY]

essayでひと休み

Vol.3 土俵~パート1
[essay●h]

会社における“鳴物入り”と言われるヤツは、なにも人からの総称である必要はない。
自薦他薦を問わず、実力のある者だけがそういう雰囲気をかもし出せるのだ。

私がこれまで実力がものを言うような世界に身を置いたことがないので、デキる人間とそうでない人間の境界は非常に曖昧で、心底デキる人間の仕事ぶりを目の当たりにしたことは数えるほどと言っていい。
ただ、組織の中で自分をどう目立たせるか、他人より自分をどう引き立たせるか、そのことに懸けては超一流の人物に出会ったことがある。
営業アシスタントの立場で彼をサポートした1年間。
いま思うとそれは非常にかけがえのない時間であった。
人間の愚かさと尊さを間近で見せつけてくれた唯一の人・・・
私がこの会社にやって来たとき、彼は次期支店長候補としてすでに本領を発揮していた。

「うちの会社を選んだのにはどういう理由からなの? 」
派遣社員に対する面接で、一縷の迷いも無くそう聞いてきた彼。
派遣ですから!タイミングよくあてがわれただけで、そこに理由なんて無いですから!!
いまでもあの時の強烈な印象と冷や汗を忘れられない。
私が入社する半年ほど前に転勤してきてすでに面接官の役割を得ていた彼は、“支店長補佐”という見えない役職を立派に果たしていた。経費で私利私欲を肥やすことだけが楽しみだった当時の支店長からすれば使える駒。
「次は君しかいない」
ことあるごとにそう言い放ち、目の前に次期支店長という餌をぶら下げて飼い犬同然に彼を飼いならしていた。

ある日の夕方、そんな悪徳支店長が突然汗をかきはじめた。
ただでさえ、バーコードの隙間から強烈な光を放っているというのにこれ以上何が・・・
「明日本社で支店長会議があるの忘れて、お客さんとのアポ入れちゃった」
彼のそのひとことにその場が凍りついたのは言うまでもない。
ほかの支店のまともな支店長なら、会議の資料作りに精を出しているはずなのでまずそんなミスは犯さない。
常にその場凌ぎの彼だからこそできる熟練の業だった。
「あーでも、そろそろMさんが出張から戻ってくるから、その足で行ってもらおう」
行ってもらおうってアンタ、数日間の関西出張からやっと戻ってきた人に、その足でまた関西に行ってくれって頼むの? そんなにハードな会社でした??
事前に、しかるべき理由によって支店長が出席できないなら、彼に代理を頼むならわかる。
しかし、支店長の腹は決まっていた。
関西帰りの彼が支店の扉を開けた瞬間
「あのさ~悪いんだけど~、もう一回関西行ってくれるかな~。明日会議があるんだけど~俺お客さんとの大事なアポが入っちゃって行けないんだよね~」
自分では可愛いと思っているのか、やけに語尾を延ばしつつ甘えた口調でそう言い放った。
その後なにやら彼の耳元でささやき、彼の肩をポンと叩いた瞬間
「ほんなら仕方ないなぁ~、また関西行ってきまっせ~」
まるで自分自身を取り戻したかのように、彼は苦笑いまじりにまた支店を飛び出して行った。
そんな後姿を見送りながら、ほくそえむ支店長がひとこと、
「これも支店長になる練習だから・・・」
そうひとりごちていたのを私は聞き逃さなかった。

バカっ! Mのバカっ!!
そう思いつつ、懸命に権力を握らんと奔走する五十男の背中がやけに眩しかった。
nice!(0)  コメント(0) 

西加奈子著「きいろいゾウ」 [●BOOK]

愛情とは何?
人生とは何? 大切なものって何?
いつしか、物語は
大切なモノへの問いかけへと変わっていく

[text●h.mariko]

夫婦はお互いをなんと呼び合うのがいいのだろう?

妻利愛子(つまり あいこ)=ツマ
武辜歩(むこ あゆむ)=ムコさん
と呼び合う、夫婦が田舎に引っ越してきた。
野良犬のカンユさんは食べ物をねだりにくる。
チャボのコソクは庭にうんこをしまくって帰ってゆく。
でも駒井さんは優しいし、アレチさんはビールを音もなく すすって飲むことができる。(チャック全開だけど。)
登校拒否の大地くん。
大地くんが大好きな、洋子ちゃん。
ムコさんが勤める特老施設。
田舎町で普通に暮らすふたりのもとに現われる人。
のほほんと、田舎の日常は過ぎて行く。

ムコさんの背中には、飛べない鳥がいる。
ツマには、分からない。
愛情とは何? 人生とは何? 大切なものって何?
いつしか、物語は大切なモノへの問いかけへと変わっていく。

きいろいゾウが手にするものと、ツマとムコさんが手にするもの、そして大地くんが感じるもの、それは全て同じなのかもしれないし、違うかもしれない。
でも、生きているうちに何かができるっていう気持ちは、なかなか持てないものだ。それを持てたムコさんはやっぱり偉い。

独特の文章に難色を示すこともあるかもしれないけど、騙されたと思って読んでみてほしい。
小さいころ、窓の外に連れ出してくれる「きいろいゾウ」の存在を願った人になら、きっとゾウはやってきてくれるだろうから。

柔らかい文体で包まれた、とても素敵な文章たち。

きいろいゾウ

きいろいゾウ

  • 西加奈子著
  • 小学館
  • 2006/02/28
  • 単行本

きいろいゾウ (小学館文庫)

きいろいゾウ

  • 西加奈子著
  • 小学館(小学館文庫)
  • 2008/03/06
  • 文庫

絵本 きいろいゾウ

絵本 きいろいゾウ

  • 西加奈子作
  • 小学館
  • 2006/07/25
  • 単行本


nice!(0)  コメント(0) 

いとうせいこう/奥泉光/渡部直己共著「文芸漫談 笑うブンガク入門」 [●BOOK]

文芸をさまざまな方向から捉え直す
目から鱗の文学漫談

[text●k.yosihiro]

本書は、いとうせいこう氏と芥川賞作家である奥泉光氏の漫談を文章に起こし、評論家渡部直己氏による注釈を添え、上梓されたものだ。テーマはずばり文学。言葉に関する両者の考察は非常に説得力があり、語り口も軽妙で(漫談、と銘打ってますからね)、あっという間に読み終えてしまった。
語られているのは、文芸作品を書くことについて、そして読むことについて。なかんずく、読むことについての両者の解釈を興味深く読ませていただいた。
作者の表現意図と読者の思い描くものは近似値であっても決してイコールで結ばれることはない。ならば、いっそ自由に自分なりの読み方をしてみたほうが楽しいではないか。いとう氏の言葉を借りれば、文字という絵柄やその組み合わせに、意味を込めたり読み取ったりという営為そのものが、既に前衛的なのだ。
文学を読み取り認識をするのは読者個々人で、読み手それぞれが芸術家と言うこともできるのである。さあ、書をもとに、あなただけの世界を組み立ててみようではありませんか!

文芸漫談 笑うブンガク入門

文芸漫談 笑うブンガク入門

  • いとうせいこう/奥泉光/渡部直己共著
  • 集英社
  • 2005/07/05
  • 単行本



nice!(0)  コメント(0) 

吉田修一著「初恋温泉」 [●BOOK]

温泉は人を大胆にさせる 
温泉に入ると、素直になれる 
あーー、いい風呂に入りてぇ 

[text●h.mariko] 

温泉を舞台にした5組のカップルの短編集

吉田氏の物語達は、手に取る度に違う顔を見せてくれる。
この作品の顔は、優しくもあり、卑しくもあり、人としての姿を最も曝け出すであろう「風呂」の物語。
日本人はやっぱり風呂好きであろう、そして温泉好きであろう、と、両方好きな私は思うので、共感もしやすいのだが。
いい湯につかって、昨日も明日もちょっぴり忘れて、 ぷはーと一息つくあの瞬間。
目の裏に浮かぶのは、誰の顔?

夫婦仲の危うさを持った作品から、不倫? のような恋、思わずきゅんとしてしまう学生時代の厚顔無恥な世界まで、いろんな「湯」の世界を見せてくれる。
温泉は人を大胆にさせる。温泉に入ると、素直になれる。温泉があるから、日本人でよかったとすら思うのだ。
温泉につかりながらこの本を片手に、というわけにはいかないだろうが、この作品を読めば、秘湯巡りをした気分になれること間違いなし。
あーー、いい風呂に入りてぇ。

初恋温泉

初恋温泉

  • 吉田修一著
  • 集英社
  • 2006/06/26
  • 単行本

初恋温泉 (集英社文庫)

初恋温泉

  • 吉田修一著
  • 集英社(集英社文庫)
  • 2009/05/20
  • 文庫



nice!(1)  コメント(0) 

ジョン・ファヴロー監督作品「アイアンマン2」 [●THEATER]

2010年公開アメリカ映画

待望の『アイアンマン』続編!!
期待に応えてくれる超娯楽作!! 

[text●i.akira]

前作が大好評を博したマーヴェル・コミックの人気作『アイアンマン』の映画化第2弾。

世間からアイアンマンとして認知され、国を代表するヒーローとなった主人公トニー・スタークの新たな敵との闘いを描いた本作。自由奔放で自意識過剰なトニー・スタークを演じるロバート・ダウニーJr.のハマリ具合は相変わらずである。刹那的に人生を楽しもうとするトニーだが、アイアンマンになってしまった代償と戦う姿や、亡き父への思いなども描かれており、どこか憎めない男として終始観ているほうを楽しませてくれる。また、トニーの奇行に振り回されっぱなしの秘書ペッパー(グウィネス・パルトロー)も好感が持てる。アメリカのヒーローもの映画のヒロインは性悪が多くてイライラするので、これくらいがちょうどいい。

最大の見どころである戦闘シーンも凄い。ウィップラッシュ(ミッキー・ローク)との一騎打ちや、アイアンマン vs. アイアンマン、ウィップラッシュが作り上げた無人戦闘兵器ウォーマシン軍団との対決など、ド派手な演出による見どころは満載。随所で流れるAC/DCのナンバー(本作のサウンド・トラックはAC/DC初のベスト・アルバムでもある)もピッタリだ。

135分、みっちりと楽しませてもらった。エンターテインメントとはどうあるべきかとの問いに見事に応えてくれる娯楽作である。

また、前作の最後にチラッと出演しただけで話題となったニック・フューリー(サミュエル・L・ジャクソン)が本作ではキーマンとしての役割を果たしていたり、随所に今後を匂わせるアイテムや映像があったりと、ファン心を多いにくすぐってくれる。そう、マーヴェル・コミック・ファンはお気づきだろうが、本作は2008年に公開された『アイアンマン』と『インクレディブル・ハルク』と連動しているのだ。そして2011年公開予定の『ソー』と『キャプテン・アメリカ』も一連の流れと連動している。これらはすべて、マーヴェル・ヒーローたちが一同に介するアベンジャーズ計画を映画化した『アベンジャーズ』(2012年公開予定)への布石となっているのだ!

ますます見逃せなくなるマーヴェル・ムービー。まだ触れていない方は、まずは1作目の『アイアンマン』から楽しんでほしい。

余談ですが、エンドロールで帰っちゃいけないのはこのシリーズのお約束ですよ。

OFFICIAL WEB SITE→ http://www.ironman2.jp/ 

アイアンマン デラックス・コレクターズ・エディション(2枚組) [DVD]

アイアンマン
デラックス・コレクターズ・エディション(2枚組)

  • ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
  • DVD





nice!(0)  コメント(0) 

JUJU「What's Love?」 [●R & B]

多面的サウンド・アプローチで紡ぐ
色んな愛のかたち 

[text●f.chihiro]

実力のある人が必ずしも売れるわけじゃない音楽業界。模索を続けて続けてようやく日の目を見る実力派たちも少なくない。JUJUもきっとそのひとりだろう。
07年USEN総合チャート年間1位を飾った「奇跡を望むなら・・・」で頭角を表し、08年に発表した「素直になれたら」で大ブレイク。その後、満を持してリリースされた2nd.アルバムが本作だ。

R&Bやバラード、スウィング、ポップ、クラブ・ミュージックなど、ざまざまなエッセンスを盛り込み、JUJUが持つ多面的個性で魅せつつ、“愛”というひとつのテーマのもと女性の気持ちがとてもていねいに描写されている。

いわゆる“恋愛もの”だけじゃなく友情や普遍的な愛をテーマにしている曲もあったり。共感できるフレーズの連続に、まるで女の子同士で“恋バナ”しているときのような感覚に包まれる。

日本とNYでの生活を通して、さまざまな出会いや別れ、挫折を経験し、悩んだり迷ったり躓いたり・・・そんな日々を越えて来たJUJUだからこそ表現で来た、さまざまな愛のかたちが詰まった1枚。

全体的に前作よりも明るいトーンで前向きな曲が多い印象。やさしくて、だけど強くて包容力のあるJUJUの歌声が説得力をもって、頑張っている人の背中を押してくれる。

OFFICIAL WEB SITE→ http://www.jujunyc.net/ 

What’s Love?

What’s Love?

  • JUJU
  • SMA(SME)(M)
  • 2009/03/04
  • CD

Trust In You

Trust In You

  • JUJU
  • SMA
  • 2010/05/26
  • ドラマ「警視庁失踪人捜査課」
    (ABC・テレビ朝日系)主題歌



nice!(0)  コメント(0) 

誉田哲也著「疾風ガール」 [●BOOK]

十代のころに読んでいたら
きっと夏美に嫉妬していたかも 

[text●h.mariko]

よく行く図書館で、数回手に取ったのに、ずっと読むのをためらっていた。
というのも、「ロック&ガーリー系青春文学!」などと書かれた本のレビューを見てムカついていたからである。
ロックはともかくガーリーって何だよ。ガールズ・バンドとか書けよ。
勝手に想像していた「ロック&ガーリー系青春文学」は、ガールズ・バンドをやってる女の子が紆余曲折しながら成長していく、お手軽感動物語。
が。
実際読んでみて、もっと早く読むべきだったと悔やんだ。

夏美、19歳。「ピンクノイズ」から脱退して「ペルソナパラノイア」に加入。天才肌のギタリスト。同じバンドのヴォーカル、薫を尊敬していて、もしかしたら仄かに恋している。薫には塔子という彼女がいるのを知っているけど。
夏美の才能に目をつけた、タレント事務所在籍(元音楽野郎)の裕司が、物語に食い込むことで歯車が潤滑に回る。
薫の失踪、自殺、その真相。

夏美がロックスターとして階段を上っていく物語かと思えば、 人間と音楽の上手な関わり合い、みたいなテーマを感じた。
音楽を文章で表すのは滅茶苦茶難しいが、この作者の「音楽」の表現はとてもよかった。
自分が十代のころに読みたかったな。
でも、そしたら、夏美に嫉妬してしまったかな。

疾風ガール

疾風ガール

  • 誉田哲也著
  • 新潮社
  • 2005/09/29
  • 単行本

疾風ガール (光文社文庫)

疾風ガール

  • 誉田哲也著
  • 光文社(光文社文庫)
  • 2009/04/09
  • 文庫



nice!(0)  コメント(0) 

井上陽水「GOLDEN BEST」 [●POPS]

デビューから40周年を迎えたいまも 
“次はどんな曲を聴かせてくれるの!?” 
と、小娘は思うわけです 

[text●u.junko]

これはベスト盤でありながら、1枚の作品として完成されている。いまだCMなどに起用されるなどして、誰もが一度は聴いたことのある名曲をこれでもかと収録しているが、いつ聴いても古さや懐かしさをまったく感じさせない。何よりメロディーから歌詞にいたるまで、なんて小洒落ていることか! 

たとえば、初めて「アジアの純真」を聴いたとき、私だけでなく多くの人は歌詞の意味はまったくわからなかったはず。「傘がない」や「心もよう」のように、言葉の魅力も加味された名曲ももちろんあるけれど、井上陽水の音楽においては、言葉に意味を持たせることが必ずしも正解ではないとさえ思える。歌詞も歌声も、曲を構成する音のひとつとして存在していて、“やっぱ白のパンダじゃなきゃダメだよな”と、妙に納得させられてしまう。そんな軽くて不思議な空気感が、許されるどころか多くの人に愛されてしまうのも、この人のすごいところだと思う。とはいえ、どんな歌詞であろうと、それを支える曲が素晴らしいから成り立っているのはもちろんのことである。どの曲を聴いても、あの曲に似ているなんて形容ができないほど、1曲ずつが独立した映画のようで、それぞれの楽器の音をひとつでも聴き逃すのがもったいなくなる。これぞ職人の仕事。

どれだけ流行りの音楽があろうとも、それに左右されずに愛される稀なアーティストがいる。井上陽水もそのひとり。デビューから40周年を迎えたいまも、“次はどんな曲を聴かせてくれるの!?”と、小娘は思うわけです。この最強に洒落た大人を知る、入門編として最適な1枚である。

OFFICIAL WEB SITE→ http://www.y-inoue.com 

GOLDEN BEST

GOLDEN BEST

  • 井上陽水
  • フォーライフ ミュージックエンタテイメント
  • 1999/07/28
  • CD
CD1
(01)少年時代(02)ありがとう(井上陽水,奥田民生)(03)Make-up Shadow
(04)アジアの純真(井上陽水,奥田民生)(05)最後のニュース
(06)傘がない(07)氷の世界(08)夢の中ヘ
(09)リバーサイド ホテル(10)心もよう(11)5月の別れ
(12)いっそ セレナーデ(13)クレイジーラブ(14)飾りじゃないのよ涙は
(15)ジェラシー(16)青空,ひとりきり
(17)新しいラプソディー(18)長い坂の絵のフレーム
CD2
(01)とまどうペリカン(02)カナリア(03)ダンスはうまく踊れない
(04)娘がねじれる時(05)なぜか上海(06)英雄(07)ワカンナイ
(08)ワインレッドの心(09)夏の終りのハーモニー(井上陽水,玉置浩二)
(10)TEENAGER(11)Tokyo(12)タイランド ファンタジア
(13)帰れない二人(14)Just Fit(15)人生が二度あれば
(16)結詞(17)積み荷のない船


GOLDEN BEST SUPER

GOLDEN BEST SUPER

  • 井上陽水
  • フォーライフミュージックエンタテインメント
  • 発売日: 2003/06/25
  • メディア: CD

GOLDEN BAD

GOLDEN BAD

  • 井上陽水
  • フォーライフ ミュージックエンタテイメント
  • 2000/07/28
  • CD

BEST BALLADE

BEST BALLADE

  • 井上陽水
  • FOR LIFE MUSIC ENTERTAINMENT,INC(BMG)(M)
  • 2008/12/10
  • メディア: CD

nice!(0)  コメント(0) 

小沢健二「コンサートツアー 二零一零年 五月六月」 [●LIVE REPORT]

大人になるってのは 
整理するもんだな 

[text●k.ryo]

ファンの間では“プレミア”とされてるチケットが、
フジロック仲間から回ってきた。

オザケンが活動停止してる期間、仲間と歌ったり、オザケンの歌詞の奥深さについて話し、ライブを夢見た。
だけど、いざライブ活動再開の報せを聞いた自分は、必至でチケットを取ろうとはしなかった。
たぶん、オザケンのポップすぎる曲を、ライブの場で聞いて、自分がシラける気がしたのだろう。
幻想や夢を、わざわざ現実にするってのは・・・。


今はライブ帰りです。
やはり予想どおり“ノスタルジー”以上のものはなかった。
ライブ中、
ロック系のDJイベントでお決まりの曲がかかり、冷静になってしまうような自分がいた。
そのとき、周りの人の笑顔を確認して、ほっこりするような気分に何回かなったけど、それ以上の気持ちの高みには達しなかった。

もうオザケンの才能やスゴさを“未知のもの”とは思わない。
The Whoのライブを見て、神棚から下ろしたように、
大人になるってのは、整理するもんだな。

OFFICIAL WEB SITE→ http://hihumiyo.net/ 

【ひふみよ 小沢健二 コンサートツアー 二零一零年 五月六月 日程】 
5月18日(火) グリーンホール相模大野 
5月20日(木) 神奈川県民ホール 
5月21日(金) 仙台イズミティ21 
5月24日(月) 中野サンプラザホール 
5月25日(火) 中野サンプラザホール 
6月02日(水) 札幌市民文化ホール 
6月04日(金) 中京大学文化市民会館 オーロラホール 
6月06日(日) 神戸国際会館 
6月07日(月) 広島厚生年金会館 
6月09日(水) 東京NHKホール 
6月10日(木) 東京NHKホール 
6月15日(火) 新潟県民会館 
6月17日(木) はまホール(旧浜松市民会館) 
6月18日(金) 大阪国際会議場メインホール 
6月22日(火) 京都会館 第一ホール 
6月23日(水) サンポートホール高松 
6月25日(金) 福岡サンパレス 
 
[tour member] 
中西康晴(P.) 
沖祐市(Org.) 
小暮晋也(G.) 
中村キタロー(B.) 
白根佳尚(Ds.) 
及川浩志(Perc.) 
真城めぐみ(Cho.) 
北原雅彦(Tb.) 
GAMO(Ts.) 
NMRGO(Tp.)


Ecology Of Everyday Life 毎日の環境学

Ecology Of Everyday Life 毎日の環境学

  • 小沢健二
  • EMIミュージック・ジャパン
  • 2006/03/08
  • CD

LIFE

LIFE

  • 小沢健二
  • EMIミュージック・ジャパン
  • 1994/08/31
  • CD


nice!(0)  コメント(0) 

kamomekamome「Happy Rebirthday To You」 [●ROCK]

再生という名の覚醒
ジャパニーズ・ハードコアの異端による最高傑作

[text●i.akira]

音楽を聴いているとき、鳥肌が立つことがある。個人的にそれは良い音楽と出合えた証である。メロディー、フレーズ、歌詞。だいたいの理由はそれだ。しかし、今回は違う。曲自体が放つ“凄み”に鳥肌が立ってしまった。

90年代中期にジャパニーズ・ハードコア・シーンを嵐のように大暴れした後、「飽きた」という理由であっさりと解散した伝説のバンド“ヌンチャク”のメンバーであった向達郎率いるkamomekamome(カモメカモメ)の3rd.アルバムは、恐ろしいほどの完成度を誇る。手探りで実験的なスタイルだった1st.アルバム「kamomekamome」と、バンドのスタイルを確固たるものとした傑作2nd.アルバム「ルガーシーガル」を凌駕するほどの凶暴さと純真さが見事に表現された作品だ。

テクニカルな変拍子を駆使したひたすらにアグレッシブなサウンド、コミカルとシリアスが混在する詩世界、クセになるメロディーを紡ぐ向達郎の声。どこを切ってもkamomekamomeでしか成し得ない音と言葉が飛び交っている。また、ヌンチャクと同じようにハードコア・シーンに名を残すSWITCH STYLEのメンバーであった中瀬賢三が加入したことも大きい。スクリーミング・ボーカルもこなす中瀬と向の掛け合いが繰り広げられる「エクスキューズ ミー」や「この時期のヴァンパイア」、ラストを飾る「Happy Rebirthday To You」は、当時からのファンにとってはたまらないものがある。新鋭美術作家の海老原靖による奇妙なジャケットも本作の世界観とリンクしていて、おもしろい。

再生というよりは、覚醒と呼ぶにふさわしい作品である。多くの人にジャパニーズ・ハードコアの底知れぬ“凄み”を感じてほしい。
本作を持って行なわれるツアーでこの音がどう表現されるか、今から楽しみである。

向達郎(Vo.)
白金史人(G.)
織田壮一郎(G.)
中瀬賢三(B.)
嶌田"MARCY"政司(Ds.)


OFFICIAL WEB SITE→ http://www.kamomekamome.jp/ 

Happy Rebirthday To You

Happy Rebirthday To You

  • kamomekamome
  • バウンディ
  • 2010/06/02
  • CD

ルガーシーガル

ルガーシーガル

  • kamomekamome
  • 2007/11/07
  • CD

kamomekamome

kamomekamome

  • kamomekamome
  • HOWLING BULL Entertainmen
  • 2005/07/06
  • CD



nice!(1)  コメント(0) 

貴志祐介著「クリムゾンの迷宮」 [●BOOK]

慣れない場所での生活 
同じ人間から襲われる恐怖 
闇に浮かぶ謎の姿 

[text●h.mariko]

背筋がぞっとする。背筋が寒くなる。恐怖を現わす言葉はいろいろあるが、実際にこんなことあるわけないだろう、と思っていた。私は甘かった。
背骨の辺りの毛が逆立つような、例えが悪いが長時間尿意を我慢していると来る震えというか、そういうものが、背中全体をぞぞっと駆け抜けていくのだ。風邪を引いたときの悪寒とはまったく違う、寒気。これが、恐怖から来る寒気なのである。

ある朝、目が覚めたら真っ赤な砂の上にいた。主人公の佐木は、ぬるい雨の中目を覚ます。自分がなぜこんな場所にいるのかがわからない。ポケットに入れられていたゲーム機のような端末の指示どおりに動いてみると、自分同様知らない間に連れてこられた人間たちと出会う。彼らは端末が示すように、「赤の迷宮」から抜け出す冒険を開始する。これはゲームでない、現実なのだ。互いを出し抜きあう駆け引き。慣れない場所での生活、同じ人間から襲われる恐怖、闇に浮かぶ謎の姿。

心霊現象や超常現象に頼らず、あくまで「人間=諸悪説」を貫いている本作は救いがない。恐怖に絶叫する姿を想像しながら、主人公とともに恐怖の旅を味わって頂きたい。

クリムゾンの迷宮

クリムゾンの迷宮

  • 貴志祐介
  • 角川書店
  • 2003/02
  • 単行本

クリムゾンの迷宮 (角川ホラー文庫)

クリムゾンの迷宮

  • 貴志祐介
  • 角川書店 (角川ホラー文庫)
  • 1999/04
  • 文庫



nice!(0)  コメント(0) 

CASCADE「メガラニカ」 [●ROCK]

無邪気で好奇心旺盛
「あ、この気持ち忘れちゃいけないよな」
なんてハッとさせられた

[text●o.yuu]

最近、めっきりロックを聴かなくなった。何年か前はハードロックやミクスチャー、とにかくバンドサウンドが好きだった。しかし今はガチャガチャとうるさく感じてしまうようになった。なんだか、いろいろ丸くなったのかもしれない。

それでも「どんな音だろう?」と気になって買ってしまった一作がこちら。メンバー全員で復活でないのは残念だが、単純に「新作アルバム」というものを聴けるのが嬉しかった。昔の歌を再録するでもなく、適当な焼き直しでもない。正真正銘の新曲オンパレード、これが最新のCASCADE。音楽が持つ、言葉にできないパッションと衝動がよみがえってきた。

もうとにかくジャンルレスで、ポップ、ロック、パンク、ニュー・ウェイヴやらエレクトロ、あらゆる要素が詰め込まれている。にも関わらずほかの誰ともかぶらない「個性」が燦然と輝いている。彼らがかつて構築してきたグル‐ヴは健在で、その延長線上に生まれた今回の12曲は、妙な安心感と貫録が伴っていて大変心地よい。ベテランと括られてもおかしくないキャリアなわけだが、縋ることはせず、相変わらず少年のように瞳をキラキラ輝かせている3人の姿が浮かぶ。無邪気で好奇心旺盛。「あ、この気持ち忘れちゃいけないよな」なんてハッとさせられた。

振り向けばたった数秒で過去に消えていく、大人になればなるほど忘れてしまう日々。「一生青春」なんて言い出したら終りだなんて思っていたけど、それも悪くない。むしろ、それぐらいで人生はちょうどいいのかもしれない。人は皆、自分の人生に何らかの落とし前をつけないと生きていかれないのであれば、なおさら。歳を重ねていく上でのお手本のようなアルバムだ。弱さや哀しみだってすべて必要なものだから、ちょっと肩の力を抜いて、彼らのように、いつでも、何でも楽しんでしまおうよ。

OFFICIAL WEB SITE→ http://www.cascade-web.net/ 

cas_disco.jpg

メガラニカ

メガラニカ

  • CASCADE
  • アミューズソフトエンタテインメント
  • 2010/05/19

01)Introduction~15‐1‐A
02)切情ALIVE
03)Mr.ポー
04)メラメラ kiss flight
05)朝霧銀河Station
06)ナムジカ
07)キラ☆レバ ~堕ちるの恋
08)パーティフルサルマンライフ
09)ゆらめきSTOPモーション
10)ひらけトビラ
11)Exotic Paradise
12)Stave~仰ゲバ東都市~

nice!(1)  コメント(0) 

石井聰亙監督作品「爆裂都市 BURST CITY」 [●DVD]

1982年劇場公開作品

攻撃的で、刺激的で 
まさに爆裂しそうな“エネルギー”に満ちた世界。

[text●i.akira]

商業的な評価は得ていないが、カルト的人気を誇る石井聰亙監督が1982年に発表した作品「爆裂都市 BURST CITY」。近未来の荒廃した世界を舞台にした、若者と警察の衝突と、貧困層の大人と暴力団との闘いといったストーリーだが、はっきりいってそれはみどころではない。本作で最も強く描かれているのは人間の発する“エネルギー”だ。

ライブハウスの前にたむろする若者たちのギラギラとした目。フラストレーションを吐き出すように叫び、踊り、のたうち回る人々。鉄クズや鋲で無機質に彩られたファッション。過剰なまで膨れ上がる欲を飲み込み続ける殺伐とした街。そして映像とリンクするように駆け抜けていくパンキッシュなロックンロール・ナンバーの数々。なにもかもが攻撃的で、刺激的で、まさに爆裂しそうな“エネルギー”に満ちている。善も悪も理屈もないこの純粋な衝動こそ、本作の魅力である。

■cast 
陣内孝則 大江慎也 
伊勢田勇人 鶴川仁美 
鋼鉄男 池畑潤二 
町田町蔵 泉谷しげる 
スターリン コント赤信号  戸井十月
上田馬之助 麿赤児 
南伸坊 諏訪太朗 室井滋 
手塚眞
ほか


爆裂都市 BURST CITY [DVD]

爆裂都市 BURST CITY

  • 東映ビデオ
  • DVD


nice!(0)  コメント(0) 

津原泰水著「妖都」 [●BOOK]

絶叫しまくるお化け屋敷のような
直截的な恐怖がたまらない
真夜中、電気スタンドの明かりだけで
ひとりぼっちで読むと・・・

[text●h.mariko]

飛行機数時間で世界中に行けるようになり、インターネットで誰とでも繋がれるようになった現在。けばけばしいネオンが世の中を照らし、街の暗がりは24時間照らされ続け、闇に潜む幽霊もゾンビも妖怪も、過去の亡霊となりつつある。
津原泰水(つはらやすみ)の描くホラーは、斬新である。
人気ロックバンドのヴォーカリスト、チェシャが自殺を図ったころから、街には「屍者」が溢れるようになってきた。主人公の雛子にはそれが見えるが、ほかの人には見えないらしい。そして、チェシャ生存説がささやかれるなか、世界は滅茶苦茶に振り回される。チェシャの企みの真相は何なのか? 
物語全体に妖艶な雰囲気が纏わりつき、本の世界にいるのか現実にいるのか境界をあやふやにさせる文章がたまらない。じわじわと張り付いてくるような恐怖より、絶叫しまくるお化け屋敷のような直截的な恐怖である。
物語の中盤からラストにかけてのどんでん返しはミステリー小説顔負けのロジックである。
真夜中、電気スタンドの明かりだけで、ひとりぼっちで読むのが、いちばんの楽しみ方だろう。
その後トイレに行けなくなっても責任は持たない。

妖都 (Mephisto club)

妖都 (Mephisto club)

  • 津原泰水著
  • 講談社
  • 1997/11
  • 単行本

妖都 (講談社文庫)

妖都

  • 津原泰水著
  • 講談社(講談社文庫)
  • 2001/06
  • 文庫


nice!(0)  コメント(0) 

UA×菊地成孔「cure jazz」 [●JAZZ]

ひたすら伸びやかでエロティックな音が
頭から離れなくなった

[text●u.junko]

それまで私が思っていたジャズのイメージは、ドレスコードがあるようなおしゃれなお店で流れている、子どもなんかが足を踏み入れてはいけないような、とにかく“大人の音楽”だった。
このアルバムはサックス奏者である菊地成孔とUAによるオリジナル楽曲に加え、ジャズのスタンダード楽曲がカバーされている。
正直、ジャズについての知識は皆無といってもいい私にとっては、ただ単純にスピーカーから流れてくる、ひたすら伸びやかでエロティックな音が頭から離れなくなった。そしてタイトルにある「cure」という言葉どおり、まさしく「治癒」されていくように心地よい。でも、どこか怖く、いけないとわかっていても、恐る恐る覗き込んでしまうような感覚。それはまるで甘美な毒のよう。
大人の音楽というより“大人じゃなきゃできない音楽”なのかもしれない。昔見た映像で、村上“ポンタ”秀一が“ジャズはヤクザだ”といっていた。その理由を知るにはまだ至らないが、いろいろな感情を包容した音楽がジャズなのだと思った。初心者にも聴きやすく、静かなる狂気と豊潤さを感じさせる1枚。

UA OFFICIAL WEB SITE→  http://www.uauaua.jp/ 
KIKUCHI NARUYOSHI OFFICIAL WEB SITE→  http://www.kikuchinaruyoshi.com/ 

cure jazz

cure jazz

  • UA×菊地成孔
  • ビクターエンタテインメント
  • 2006/07/19
  • メディア: CD

01)Born to be blue
02)Night in Tunisia
03)Over the rainbow
04)Music on the planet where dawn never breaks
05)Ordinary fool
06)嘆息的泡
07)This city is too jazzy to be in love
08)Luiza
09)Honeys and scorpions
10)Hymn of Lambarene
11)I’ll be seeing you
12)Nature d’eau


菊地成孔はUAのアルバム「SUN」(2004.3.2)に
SAXとホーンアレンジで参加、
UAは菊地成孔のアルバム「DEGUSTATION A JAZZ」(2004.4.7)に
ボーカルで参加している。


SUN

SUN

  • UA
  • ビクターエンタテインメント
  • 2004/03/24
  • CD

Degustation a Jazz

Degustation a Jazz

  • 菊地成孔
  • イーストワークスエンタテインメント
  • 2004/04/07
  • CD



nice!(0)  コメント(0) 

恩田陸著「三月は深き紅の淵を」 [●BOOK]

marikoの恩田稑祭 その2

人に貸すときはひとりだけ・・・
貸した人が読みきるのはひと晩に限る・・・
幻の本のために翻弄される人々の姿。

[text●h.mariko]

小説というのは、簡単に異世界へ行ける扉だ。
ただ、その異世界が、合うか否かでその物語に対する愛情が変ってくるだけのこと。
恩田陸の小説は、目の前に差し出された手を軽く握ったら、すごい力で「その世界」に連れて行かれる、そんなイメージが強い。
初めて私が恩田作品の引力にやられたのが「三月は深き紅の淵を」。
まず、タイトルがいい。この意味深な感じと、タイトルだけでは内容が浮かんでこないところがとてもいい。
短編集とも取れるのだが、物語に共通して出てくるのは「三月は深き紅の淵を」という本の存在。この幻の本のために翻弄される人々の姿が描かれている。

本好きなあなたに質問だ。
おもしろいと思った本をずっと手元に置いて愛でたいと思ったことはないか?
恋人にじらされるように、好きな本に出逢えないことを悔しいと思ったことはないか?
そして、やっと読みたかった本が自分の手元にやってきたら! まるで天にも昇る気分になれるのは間違いない。

ところが、この作品のなかでは、幻の本を読める人が限られている。「人に貸すときはひとりだけ、選び抜いた相手のみ」「複写厳禁」「貸した人が読みきるのはひと晩に限る」など。
この「掟」を守ることを誓い、この本を手にとってみてほしい。
さらに、活字中毒が増すこと、間違いない。

三月は深き紅の淵を (Mephisto club)

三月は深き紅の淵を

  • 恩田陸著
  • 講談社
  • 1997/07/02
  • 単行本

三月は深き紅の淵を (講談社文庫)

三月は深き紅の淵を

  • 恩田陸著
  • 講談社(講談社文庫)
  • 2001/07/13
  • 文庫



nice!(0)  コメント(0) 

ドストエフスキー著「罪と罰」 [●BOOK]

ここに描かれているのは“圧倒的なまでのリアル”
百年以上,人々に愛された虚構のリアルがここにある

[text●k.yoshihiro]

時が経つのを忘れて耽読をした経験はないだろうか。小説であれ,漫画であれ,雑誌の原稿であれ,現実を忘却せしめる程の魅力を有した作品というものは存在するように思う。勿論,人によって好みはあるし,ある人に響いて,ある人の感性に掠りもしないということはあるだろう。ただ少なくとも言えるのは,そういった作品に出合ったとき人は,相応の充実を感じるということだ。
人の脳はさまざまな情報を取り込んで,認識をする。触覚もひとつの情報でしかないのなら,現実と虚構世界の違いなど僅差と言えはしまいか。
年初に歴史的大著『罪と罰』を読んだ。ここに描かれているのは“圧倒的なまでのリアル”だ。感情の変化はときに理不尽に個人の認識に去来し,その変化が誰かの内面に影響し,また己に回帰する。自らすら御しきれず右往左往する現実を人がここまで描きうるものかと驚嘆する。百年以上,人々に愛された虚構のリアルがここにある。

罪と罰〈上〉 (岩波文庫)

罪と罰〈上〉

  • ドストエフスキー著
  • 岩波書店 (岩波文庫)
  • 1999/11
  • 文庫

罪と罰〈中〉 (岩波文庫)

罪と罰〈中〉

  • ドストエフスキー著
  • 岩波書店 (岩波文庫)
  • 1999/12
  • 文庫

罪と罰〈下〉 (岩波文庫)

罪と罰〈下〉

  • ドストエフスキー著
  • 岩波書店 (岩波文庫)
  • 2000/02
  • メディア: 文庫



nice!(0)  コメント(0) 

STONE TEMPLE PILOTS「STONE TEMPLE PILOTS」 [●ROCK]

グランジ最後の大物
堂々たる復活作

[text●i.akira]

1990年代初期、NIRVANAやPEARL JAMによって隆盛を誇ったオルタナティヴ/グランジの最後の大物でありながら、ボーカリストのスコット・ウェイランドが数多くのスキャンダラスな事件を起こしては解散の危機を呼び、遂には元GUNS’N’ROSESのメンバーで結成されたVELVET REVOLVERに彼が加入したことで解散を余儀なくされてしまったSTONE TEMPLE PILOTS(ストーン・テンプル・パイロッツ/以下STP)。そんな彼らがまさかの再結成を果たし、こうして我々のもとに9年ぶりとなるオリジナル・アルバムを届けてくれたのだ。もはやそれだけで奇跡だし、個人的には100点満点だ。とはいえ、紹介するのだから内容も触れないと。

本作で聴けるのは、非常に純度の高い王道なブルース・ロックンロールだ。ヘヴィさのなかに、どこかダークな色気のあった過去の彼らとは明らかに違う。往年のファンにとっては賛否分かれるところだろう。しかし、そこかしこに散りばめられた特有のメロディ・ラインに、華も毒も持ったスコットの声が乗れば、紛れもなくSTPなのだ。

なにかを振り切ったようなストレートさが痛快な「BETWEEN THE LINES」に始まり、THE BEATLESを感じさせるミドル・ナンバー「DARE IF YOU DARE」、軽快で“COME ON COME ON”というサビが印象的な「CINNAMON」、ロックンロール・ナンバー「FAST AS I CAN」、キャリアの中でも最高峰のバラード「MAVER」など、聴けば聴くほどらしさが光る名曲揃いである。

成熟などという言葉ほど彼らに似合わないものはないが、バンドとしての状態のよさが伺える堂々たる復活作である。これだけの作品を作ったのだ、この勢いで待望の初来日を果たしてほしいものである。

ストーン・テンプル・パイロッツ

STONE TEMPLE PILOTS

  • ワーナーミュージック・ジャパン
  • 2010/05/26
  • CD



nice!(0)  コメント(0) 

Björk「Homogenic」 [●POPS]

デジタル化された音は切れ味鋭い刃物のよう 
そして、そのなかに入り込んだBjörkの声は 
艶めかしくコケティッシュに響く 

[text●u.junko]

アイスランド出身の音楽家である。ラース・フォン・トリアー監督の映画「ダンサー・イン・ザ・ダーク」(2000)に主演で出演、その知名度をさらに上げ、今や世界中で押しも押されもせぬ地位を築いたビョーク。
アルバムごとにコンセプトを変えて、聴衆を飽きさせないそのセンスはご存知のとおりだが、そんな彼女の作品の中でも、いや、今世界でリリースされている音楽のなかでも、
これを超えるアルバムを私は知らない。
情報社会が今ほど発達していなかった10年前に、このアルバムと出逢い、そして受けた衝撃。あの言葉にならない感激は、いまでも私の心に深く残っている。
前作「POST」(1995)に比べるとポップさ、明るさを限りなく排除し、デジタル化された音は切れ味鋭い刃物のよう。そして、そのなかに入り込んだビョークの声は艶めかしく、コケティッシュに響く。
幼さと妖艶さを微妙なバランスで詰め込んだ彼女の音楽性が発揮されているアルバムだ。
ストリングスとの絡みが美しい「Joga」から「Unlavel」にかけての流れが、特にお勧め。
最後の「All Is Full Love」のタイトルにあるように、ビョークから発信された、愛のメッセージが詰まった一枚。

Homogenic

Homogenic

  • Björk
  • Universal Japan
  • 1997/09/23
  • CD

Post

Post

  • Björk
  • Universal
  • 1995/06/13
  • CD

ダンサー・イン・ザ・ダーク [DVD]

ダンサー・イン・ザ・ダーク

  • 監督 脚本 ラース・フォン・トリアー
    音楽 ビョーク
    出演
    ビョーク
    デヴィッド・モース
    ピーター・ストーメア
    カトリーヌ・ドヌーヴ
    ほか
    松竹ホームビデオ
  • DVD



nice!(0)  コメント(0) 

ニール・プロムガンプ監督作品「第9地区」 [●THEATER]

原題「District 9」2009年公開(日本公開2010年)

低予算映画(SF映画としては)にもかかわらず
まさかのアカデミー賞ノミネートで話題の1本! 

[text●a.takeshi]

南アフリカのヨハネスブルクに突如飛来した異星人(容姿がエビ似のためエビと呼ばれる)を、難民として受け入れたため第9地区では地球人でエビたちが共存することに。当然さまざまな軋轢、問題を呼び、超国家機関MNUは異星人たちを完全に隔離しようと、新たな収容施設を造り退去を画策、その指揮をまかされたヴィカスは退去書類へのサインを求め、武装した兵士たちを連れてエビたちの居住区に赴く。

実際にアパルトヘイトにより黒人、白人を分離させた南アフリカが舞台で、人類以外立ち入り禁止の看板あたりでモロにそれを連想する。監督や主演俳優も南アフリカ出身者で人種差別への問題提起が根底にあるだろうと想像する事は容易。でも若干コミカルに描かれているので湿っぽくはならずきちんと娯楽作品にしあがっています。まあ、そのコミカルさが差別の残酷さを際立たせてもいたけれど。
ある意味、超大作アバターを連想させる展開もあるけれどこちらは完全にB級なニオイが漂ってます。後半の、人やエビがピチャっとハジけとぶ戦闘シーンは個人的にはスターシップ・トゥルーパーズが頭によぎりました。そんなわけでレンタルビデオ屋で興味本位でそういうのをレンタルしちゃう人にはオススメです。
ストーリー展開やラストは、確かにありそうでなかったかもなあ~という感じで作り手のセンスが光っていたと思う。これも私見ですが、もっと人と異星人との日常を描いてくれたヤツを観たかったかなあ。

※現在上映中
「第9地区」OFFICIAL WEB SITE→ http://d-9.gaga.ne.jp/ 

第9地区 Blu-ray&DVDセット(初回限定生産)

第9地区
Blu-ray&DVDセット(初回限定生産)

  • ワーナー・ホーム・ビデオ
  • Blu-ray&DVD






nice!(0)  コメント(0) 

THE MICETEETH. 「from RAINBOW TOWN」 [●ROCK]

junkoの雨が降る日に必ず聴きたくなる音楽

たゆたうようにリズムに身を任せる音楽が 
とにかく気持ちよくて自然に体を揺らして 
飲んでいたビールがとても美味しかった 

[text●u.junko]

思えば、いままでに虹というものを観た記憶は1度きりである。子どものころ、夕立の後に大きな虹が出ていて、友達と“すごいすごい”と言いながら観ていた。大人になったいまは、空を見上げる時間じたいがあまりない。子どものころのように、長靴を履けるからとワクワクすることもなければ、天気予報は傘を持って出かけるかどうかを決めるための情報になった気がする。

でも、雨が降る日に必ず聴きたくなる音楽がある。このアルバムもそうだ。1曲目の「Rainbow Town」から心にするりと入り込まれてしまった。それまでの彼らの曲よりもポップな印象がして、いい意味で驚きがあるものの、聴き終えて感じたのは、雨が止んで雲の隙間から薄い光が差し込むような一瞬。それは、これから何かが起こるような期待感を私にくれるのである。あの長靴と同じように。

彼らを初めてライブで観たのは、いまにも雨が降り出しそうな日曜日だった。初夏というにはまだ早い、少し肌寒い日だったと思う。日比谷野外音楽堂で行なわれたイベントでのことだった。
匂いたつような王道のスカというよりも、肩に力が入らず、たゆたうようにリズムに身を任せるような音楽をやる人たちだなと思った。流れてくる音楽がとにかく気持ちよくて、自然に体を揺らし、飲んでいたビールが美味しかった。別のアーティストが観たくて行ったイベントだったのに、いまになって思い出すのは彼らのステージのことばかりである。残念ながら、解散した彼らのライブはもう観ることはできないけれど、雨が降るたびに、虹の国から届く優しい光を見るために、何度もこのアルバムを聴いてしまうのだ。

THE MICETEETH. (ザ・マイスティース)
金澤義(ds.) 
藤井学(key.) 
森寺啓介(b.) 
次松大助(vo.) 
1999年、大阪で結成。 
2009年4月20日、バンド解散を発表 
2010年1月10日、一夜限りの復活ライブを開催 
2010年3月24日、10周年記念ベストアルバム「WAS」発売 
2010年3月24日、一夜限りの限定復活ライブを収録したアルバム「20100110」を発売 
2010年4月16日、タワレコ30周年のアフター・パーティーとしてラスト・ライブを行なう


from RAINBOW TOWN

from RAINBOW TOWN

  • THE MICETEETH.
  • サブスタンス
  • 2005/06/15
  • CD

ワズ [ベスト盤]

ワズ [ベスト盤]

  • THE MICETEETH.
  • Pヴァイン・レコード
  • 2010/03/24
  • CD

20100110

20100110

  • THE MICETEETH.
  • Pヴァイン・レコード
  • 2010/03/24
  • CD



nice!(0)  コメント(0) 

恩田陸著「六番目の小夜子」 [●BOOK]

marikoの恩田稑祭 その1

「サヨコ」という不思議な言い伝えがある学園に 
沙世子という名の美少女が転校してきた・・・ 
恩田稑、伝説のデビュー作

[text●h.mariko]

今やすっかり売れっ子作家、出す作品はいつも書店に平積みがあたりまえとなった恩田女史のデビュー作である。日本ファンタジーノベル大賞にて、最終選考まで残ったものの受賞を逃した作品だが、その才能を感じた推理小説作家、綾辻行人氏の尽力により出版され、産声を上げることになった。綾辻氏の慧眼に感謝と感銘を感じつつ本作の魅力を紹介したい。
とある高校が舞台。その学校では、「サヨコ」という儀式がひっそり行なわれている。
儀式というと大袈裟だが、見つからないようにお菓子をくすねる子どものような気持ちでやる、共犯だらけのいたずらのようなものだ。卒業生から鍵を渡された「サヨコ」が、次の年のサヨコを引き継ぎ、誰にもそのことを明かしてはいけない。サヨコは女性の名前のようだが、男性が指名されることもある。何年続いているのか、だれが始めたのか、その謂れは諸説あるものの、謎に包まれている。
そんな学校に、沙世子という名の美少女が転校してきた。彼女はその美貌と持ち前のキャラクターで、一躍人気者になる。が、沙世子そのものに不可思議な点を感じた関根秋が彼女の動向とサヨコ伝説を探っていくのである。
高校生たちの繰り広げる、青春のひとコマとミステリー。
各所に散りばめられた謎解きもお楽しみいただきたい。謎は、謎のままのほうが美しいこともあるのだ。

六番目の小夜子

六番目の小夜子

  • 恩田陸著
  • 新潮社
  • 1998/08
  • 単行本

六番目の小夜子 (新潮文庫)

六番目の小夜子

  • 恩田陸著
  • 新潮社 (新潮文庫)
  • 発売日: 2001/01
  • 文庫

[2000年にはNHK教育放送でドラマ化された作品を2001年にDVD化]






nice!(0)  コメント(0) 

Miles Davis「get up with it」 [●JAZZ]

時代性や音楽ジャンルを超越した演奏 
たぶん、10年後の音楽好きの若者に聴かせても 
“斬新さ”は失わない 

[text●k.ryo]

マイルス・デイヴィスの長い歴史の中では
“中期(エレクトリック・マイルス)”のラストに位置する2枚組アルバム。
1曲30分以上ある曲もあれば、4~5分の曲もあるけど、
一般の人が連想する“jazz”は、1曲もないと思う。
マイルスファンですら、iPodなどでシャッフルで聴くと
「なんだ・・・誰だ!? この曲?」ってなる。

時代性や音楽ジャンルを超越した演奏。
たぶん、10年後の音楽好きの若者に聴かせても、“斬新さ”は失わないと思う。
俺はマイルスを、そのときの気分に応じて、聴く。毎日。一生。

Get Up with It

Get Up with It

  • マイルス・デイヴィス
  • Sony/Columbia
  • 2000/08/03
  • CD

disc1
1)He Loved Him Madly
2)Maiysha
3)Honky Tonk
4)Rated X

disc2
1)Calypso Frelimo
2)Red China Blues
3)Mtume
4)Billy Preston

[Personnel] 
Miles Davis(tp)/Dave Liebman(fl)/Sonny Fortune(fl)
Badal Roy(tabla)/Steve Grossman(ss)/John Stubblefield(ss)
Carlos Garnett(ss)/John McLaughlin(g)/Cornell Dupree(g)
Pete Cosey(g)/Reggie Lucas(g)/Dominique Gaumont(g)
Khalil Balakrishna(sitar)/Michael Henderson(b)
Keith Jarrett(key)/Herbie Hancock(key)/Cedric Lawson(key)
Billy Cobham(ds)/Al Foster(ds)/Bernard Purdie(ds)
James Mtume(per)/Airto Moreira(per)/Wally Chambers(hca)
ほか
オリジナル盤は1974年発売

nice!(0)  コメント(0) 

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。

×

この広告は1年以上新しい記事の更新がないブログに表示されております。