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今野敏著「わが名はオズヌ」 [●BOOK]

初版 2000.10 小学館刊

読んでいて心地よいというか
そうだよね、そうこなくっちゃねと主人公たちを
いつのまにか応援しながら読んでいる

[text●h.mariko]

小説の意義とは何か。
私は小説が大好きで、しょっちゅう読んでいるが、それによって何かが劇的に変化したりとか、環境が変わったりすることはまずない。むしろ、子どものころはもっと些細なことで感動sできたのに、このころはそれさえも薄まっている気がする。おもしろくないオトナとやらになってしまっているのだろうか、いささかショックである。

そんなことはさておき。
小説の意義、そのひとつを考えついた。
とても簡単な現実逃避ーー。
マイナスな意味ではない。自分では体験できないことを感じさせてもらえる、それが小説の楽しみ方のひとつである。現実には起こりえないようなことも、小説だからとさらりと読めてしまう。それが突飛であるほうが、そしてそれが爽やかにさらりと読めるほうが、好感度が高い。
この作品は、まさにそういう感じだったのである。

問題児の巣窟と化している南浜高校をつぶして住宅地にする計画が持ち上がっているなか、生徒のひとり加茂晶が自殺未遂をして息を吹き返したら“オズヌ”と自称し、人が変わったようになってしまったのである。
荒んだ高校、街の変化から土建工事の癒着まで話は広がり、オズヌはその不思議な力で人々をいさめ、また説きながら進み問題はひとつひとつと解決してゆく。

ハッピーエンド、というか、悪は罰せられ善は助かるという正に勧善懲悪に近いストーリーなので、読んでいて心地よいというか、そうだよね、そうこなくっちゃねと主人公たちをいつのまにか応援しながら読んでいることに気がつく。
役小角(えんのおづの)と加茂氏(賀茂氏)、秦氏の関係、冶金師、余福伝説、渡来人とその信仰。興味の尽きない話が繰り広げられ、これまた説得力がそれなりにある方法で話が納められることがすごい。
日本の歴史に振り回されるが、解説がていねいなので話に強引さもなく、描かれていることを知らなくてもちゃんとストーリーを理解しながら読み進められるところは高感度高し。

よき世の中とはよき政(まつりごと)が行なわれるべきであり、それを執り行う長の人格や政治姿勢が問われている、というような言葉が散見されたが、今のこの暗い話題ばかりの世の中にもちょうどいいではないか。
現実にオズヌは現われてはくれないかもしれないが、この本をよむことで、心の中が少しだけ変わるかもしれない。

わが名はオズヌ

わが名はオズヌ

  • 今野敏著
  • 小学館
  • 2000/09
  • 単行本

わが名はオズヌ (小学館文庫)

わが名はオズヌ

  • 今野敏著
  • 小学館 (小学館文庫)
  • 2003/09
  • 文庫


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