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福井晴敏著「亡国のイージス」 [●BOOK & DVD]

初版 1999.08.25 講談社刊
2000年 第53回日本推理作家協会賞受賞
2000年 第18回日本冒険小説協会大賞
2000年 第2回大藪春彦賞受賞

2005年 阪本順治監督で映画

それぞれの思いを持った主人公たちを見るうち
自分の矮小さが嫌になるほど、彼らに心奪われる

[text●h.mariko]

この本を手にしたとき、帯に書かれた“著者の最高傑作を完全映画化!” などという文句を観て、えー絶対無理、と思った。
タイトルにもなっている「亡国」という言葉を深く理解しないことには、映像化したって何の意味もないんじゃないかと、個人的には思ったのだ。

戦艦とか、兵器を観るとワクワクしてしまう人もいると思う。
だが待て。
確かに戦艦とか、戦車はカッコいい。
制服をびしっと着こなした海兵隊や自衛隊の迷彩服も、カッコいい。
だが、待て。
あれは、誰かを傷つけることを前提として、訓練を行なっているのだ。

もしも、今、日本が戦争を起こしたら、または巻き込まれたら、誰が戦地に赴くのだ?
自衛隊? それはそうかもしれない。だが、「国を護る」という発想を持った全国民がそれをする、日本が過去に起こした戦渦のように日本の歯車がおかしな噛み合い方をしたら、今これをのほほんと読んでいるあなたや私が誰かを殺しに行くかもしれないのだ。それが戦争だ。それが自衛隊や、兵器の本当の姿だ。

「おもしろい」と評することだけが褒め言葉ではない。 
この本は、ちっともおもしろくない。 
全神経を集中させて読まないと、ストーリーの流れに置いていかれそうになる。 
それぞれの思いを持った主人公たちを見るうち、自分の矮小さが嫌になるほど、彼らに心奪われる。 
「おもしろい」と表現するより、ものすごいのだ、とにかく。 
政治やら特殊部隊やら海上自衛隊やら、自分の生活のフィールドにはおよそ関係のないところで繰り広げられる物語であるが、その無関心さこそがこの国を亡国に導く、作者はそこを説きたかったのかもしれない。 
事実、この本に描かれたことが現実に起こったなら。 
私はここに生きてはいまい。 
あまりに印象的な朝鮮系工作員のセリフが胸に刺さるようだった。 
組織を大きく広く取り上げているのに個人が埋没せず、それぞれのキャラが立っているのも魅力。 
のしかかるような筆力に、最後はページをめくる手を止めることができなかった。ぼたぼた落ちる涙も、止めることができなかった。 
読み終わった本を閉じて、ふとみた表紙が「夜の海」であることに気づいた。
せっかく止まっていた涙が、またぼたぼたと垂れてしまった。

穏やかに凪いだ海は、如月行の新しい人生の始まりだと信じたい。

亡国のイージス

亡国のイージス

  • 福井晴敏著
  • 講談社
  • 1999/08/25
  • 単行本

亡国のイージス 上 (講談社文庫)

亡国のイージス 上

  • 福井晴敏著
  • 講談社(講談社文庫)
  • 2002/07/16
  • 文庫

亡国のイージス 下(講談社文庫)

亡国のイージス 下

  • 福井晴敏著
  • 講談社(講談社文庫)
  • 2002/07/16
  • 文庫


亡国のイージス [DVD]

亡国のイージス

  • 阪本順治監督作品
    • ジェネオン エンタテインメント
    • DVD
■cast 
真田広之(仙石恒史)
勝地涼(如月行)
寺尾聰(宮津弘隆)
佐藤浩市(渥美大輔)
原田芳雄(梶本幸一郎)
中井貴一(溝口哲也)
吉田栄作(竹中勇)
安藤政信(山崎謙二)
ほか


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