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オリヴァー・ヒルシュビーゲル監督作品「ヒトラー〜最期の12日間〜」 [●DVD]

2005年公開作品(原題「Der Untergang」/2004年製作 ドイツ、オーストリア、イタリア映画)

ヒトラーを“ひとりの人間”として描いたことで
その背景にあるさまざまな問題をより身近なものとして
考えるさせられた作品

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舞台は、1945年のベルリン(ベルリン陥落の直前)。迫りくるソ連軍の砲火から逃れようと、独裁者アドルフ・ヒトラーはドイツ首相官邸の地下にある堅牢な要塞へ身を隠す。しかし、ナチスは崩壊し、ヒトラーはついに敗北を覚悟する。そしてヒトラーは愛人エヴァ・ブラウンと結婚式を行ない、翌日にピストル自殺する・・・。その最期の12日間の出来事が、ヒトラーの個人秘書であったトラウドゥル・ユンゲの回想録に基づき、彼女の視点を中心に描かれていく。

この映画は、アドルフ・ヒトラーという人物を知り、考えるうえでの新たな入口となる作品だ。ヒトラーというとすぐに、あのホロコースト(彼の指示により600万人以上のユダヤ人が組織的に殺害された)を連想し、“狂人”、“モンスター”といったイメージが先行してしまいがちである。そして、そのイメージは彼を人間離れさせ、僕らとの距離を作り、“ヒトラーとは何か?”を考えるうえで、ひとつの大きな壁となってしまう。
しかしこの映画は、そのような壁を取り払っている。というのも、ここではホロコーストには一切触れず、また戦争映画にはつきものの派手な戦闘シーンもほとんど描かれていない。ただただ、ヒトラーの隠れる地下要塞をクローズアップし、たとえば、そこでヒトラーが飼い犬を可愛がる姿や秘書らに気を配る姿、地上で戦う自国軍の惨状を知り、焦り、しだいに意気消沈していく姿が映し出されているのだ。つまり彼の、より人間臭い部分に焦点があてられている。よって、いつしか先入観は薄れ、自分とスクリーンのなかの彼が重ね合わさり、感情移入することさえ可能になる。それがこの映画の凄味である。

ヒトラーを“モンスター”ではなく、“ひとりの人間”として描く。そうすることで彼がより身近になり、その背景にある問題をより身近なものとして考えることができる。そういった意味において、これはまさに“新たな入口”となった映画だったのだ。

TOWER RECORDS ONLINE[オリヴァー・ヒルシュビーゲル]
TOWER RECORDS ONLINE「ヒトラー〜最期の12日間〜」

■cast 
ブルーノ・ガンツ(アドルフ・ヒトラー)
ユリアーネ・ケーラー(エヴァ・ブラウン)
アレクサンドラ・マリア・ララ(トラウドゥル・ユンゲ)
ハイノ・フェルチ(アルベルト・シュペーア)
ウルリッヒ・マテス(ヨーゼフ・ゲッベルス)
コリンナ・ハルフォウフ(マグダ・ゲッベルス)
ウルリッヒ・ネーテン(ハインリヒ・ヒムラー)
ディーター・マン(ヴィルヘルム・カイテル)
クリスチャン・レドル)アルフレート・ヨードル)
ほか


ヒトラー 最期の12日間

ヒトラー 最期の12日間

  • ヨアヒム・フェスト著
  • 岩波書店
  • 2005/06/21
  • 単行本

私はヒトラーの秘書だった

私はヒトラーの秘書だった

  • トラウデル・ユンゲ著
  • 草思社
  • 2004/01/25
  • 単行本


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